JP2012094290A - 調光点灯装置及びそれを用いた照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路部品によるうなり音を低減しつつ、調光の深い領域でもスイッチング周波数が低く安定した調光が行える調光点灯装置及びそれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】調光点灯装置1は、直流電源回路2の出力を降圧して得た電圧を照明負荷4に出力する降圧チョッパ回路3と、降圧チョッパ回路3の出力を制御する制御回路5と、PWM信号からなる調光信号S1に応じて照明負荷4を調光する調光回路を備える。この調光回路は、降圧チョッパ回路3のスイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値を制御することによって、照明負荷4に流れる電流の振幅を制御する振幅制御回路6aと、降圧チョッパ回路3の動作を断続的に停止させることで、照明負荷4に流れる電流を断続するPWM制御回路6bを具備する。そして、調光回路は、振幅制御回路6aによる制御とPWM制御回路6bによる制御を同時に行わせることによって、照明負荷4を調光する。
【選択図】図1

Description

本発明は、調光点灯装置及びそれを用いた照明装置に関するものである。
従来、発光ダイオード(LED)の調光制御方式としてPWM制御方式や振幅制御方式が採用されている。PWM制御方式では、LEDに流れる電流を100Hz〜数kHz程度の低周波で間欠的に休止させ、その電流休止期間の長さを調整することで、光出力の平均値を調整する。振幅制御方式では、LEDに流れる電流の振幅を調整することで、LEDの光出力を調整している。また、PWM制御方式と振幅制御方式を組み合わせて調光制御を行う調光装置も種々提案されている。例えば特許文献1では、調光の浅い領域ではPWM制御方式、深い領域では振幅制御方式を用いている。また特許文献2では、調光の浅い領域では振幅制御方式、深い領域ではPWM制御方式を用いている。
特開2005−267999号公報 特開2009−123681号公報
上記特許文献1に開示された調光装置では、全点灯状態から調光制御が開始されると、最初に断続的(100Hz〜数kHz程度)に点灯回路が動作するので、インダクタやトランスにうなりが発生する。また、特許文献2に開示された調光装置では、調光の初期にスイッチング素子のオンデューティや周波数を可変して、電流の振幅を制御するため、周波数が高くなって、幅射雑音や端子雑音が大きくなるという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、回路部品によるうなり音を低減しつつ、調光の深い領域でもスイッチング周波数が低く安定した調光が行える調光点灯装置及びそれを用いた照明装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の調光点灯装置は、照明負荷を調光する調光回路を備える。この調光回路は、照明負荷に流れる電流の振幅を制御する第1電流調整手段と、照明負荷に流れる電流を断続させるように制御する第2電流調整手段を具備する。そして、調光回路は、第1電流調整手段による制御と第2電流調整手段による制御を同時に行わせることで、照明負荷を調光することを特徴とする。ここにおいて、電流の振幅制御とパルス幅変調制御を同時に行うとは、振幅制御及びパルス幅変調制御を開始するタイミングや終了するタイミングが同時でない場合も含み、両方の制御を同時に実行する時間帯があればよい。
この調光点灯装置において、調光制御部は、調光信号が入力されると、先ず第1電流調整手段による振幅制御を開始させ、第2電流調整手段による制御を追加して行わせるまでに時間差を設けることも好ましい。
この調光点灯装置において、調光制御部は、調光信号が入力されると、先ず第2電流調整手段による制御を開始させ、第1電流調整手段による振幅制御を追加して行わせるまでに時間差を設けたことも好ましい。
本発明の照明装置は、照明負荷と、上記の調光点灯装置を備えたことを特徴とする。
本発明の調光点灯装置によれば、電流の振幅を制御する第1電流調整手段と、照明負荷に流れる電流を断続する第2電流調整手段を同時に動作させているので、回路部品によるうなり音を低減しつつ、調光の深い領域でも、スイッチング周波数が高くならず安定した点灯動作を行わせることができる。
本発明の照明装置によれば、電流の振幅を制御する第1電流調整手段と、照明負荷に流れる電流を断続する第2電流調整手段とを同時に動作させているので、回路部品によるうなり音を低減しつつ、調光の深い領域でも、スイッチング周波数が高くならず安定した点灯動作が可能な照明装置を実現できる。
本実施形態の調光点灯装置の回路図である。 同上の調光点灯装置に用いられる制御用集積回路の概略構成を説明する回路図である。 (a)(b)は同上の調光点灯装置の動作を説明する波形図である。 同上の調光点灯装置を用いた照明装置の概略構成を示す回路図である。 (a)〜(d)は同上の調光点灯装置の要部を示す回路図である。 同上の調光点灯装置を用いた照明装置の施工状態を説明する一部破断断面図である。
以下に、本発明に係る調光点灯装置の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は調光点灯装置1の回路図であり、この調光点灯装置1は、電源が接続される電源コネクタCN1と、照明負荷が接続される出力コネクタCN2を備えている。
電源コネクタCN1には商用交流電源(100V,50/60Hz)が接続される。出力コネクタCN2には、発光ダイオード(LED)のような半導体発光素子で構成された照明負荷4が接続される。本実施形態では複数のLEDの直列回路で照明負荷4が構成されているが、LED1個で照明負荷4が構成されていてもよい。また複数個のLEDを並列、或いは、直並列に接続して照明負荷4を構成してもよい。
電源コネクタCN1には、電流フューズFS1とフィルタ回路F1を介して直流電源回路2が接続されている。フィルタ回路F1は、サージ電圧吸収素子ZNR、フィルタコンデンサCF1,CF2及びコモンモードチョークコイルLF1で構成されている。
直流電源回路2は、フィルタ回路F1を介して入力される交流電圧を全波整流する全波整流器DB1と、全波整流器DB1の整流出力を整流する平滑コンデンサC1とで構成される。尚、直流電源回路2は、全波整流器DB1及び平滑コンデンサC1からなる整流平滑回路に限定される趣旨のものではなく、昇圧チョッパ回路を用いた力率改善回路でもよい。
直流電源回路2の出力端子には降圧チョッパ回路3が接続されている。降圧チョッパ回路3はインダクタL1とスイッチング素子Q1と回生ダイオードD1と出力コンデンサC2とを主要な構成として備える。インダクタL1は、直流電流で点灯する照明負荷4に対して直列に接続されている。スイッチング素子Q1は例えばMOS型電界効果トランジスタ(MOSFET)からなり、インダクタL1及び照明負荷4の直列回路と、直流電源回路2の出力端子の間に、電流検出用の抵抗R1を介して直列に接続されている。回生ダイオードD1は、インダクタL1及び照明負荷4の直列回路と並列に接続されており、スイッチング素子Q1のオフ時にインダクタLlの蓄積エネルギーが照明負荷4へ放出される向きに接続されている。また照明負荷4と並列に出力コンデンサC2が接続されており、この出力コンデンサC2はスイッチング素子Q1のオン/オフによる脈動成分を平滑化して、照明負荷4に平滑化された直流電流が流れるように、その静電容量が設定されている。
降圧チョッパ回路3のスイッチング素子Q1は制御回路5によって高周波でオン/オフ駆動される。制御回路5は制御用集積回路50とその周辺回路で構成される。なお制御用集積回路50としては例えばSTマイクロエレクトロニクス社製のL6562を用いている。この制御用集積回路50は、元々、力率改善用の昇圧チョッパ回路を制御するための集積回路であり、内部に乗算回路など、降圧チョッパ回路の制御には余分な構成要素を含んでいる。その反面、入力電流の平均値を入力電圧の崩落線と相似形とする制御のために、入力電流のピーク値を制御する機能と、ゼロクロス制御機能を1つのチップ内に備えており、これらの機能を降圧チョッパ回路3の制御に転用している。
図2は制御用集積回路50の内部回路を簡略的に示した回路図である。この制御用集積回路50の1番ピンP1(INV)は内蔵する誤差増幅器EA1の反転入力端子に、2番ピンP2(COMP)は誤差増幅器EA1の出力端子に、3番ピンP3(MULT)は乗算回路52の入力端子に接続されている。4番ピンP4(CS)はチョッパ電流検出端子であり、スイッチング素子Q1及び抵抗R1の接続点に接続されている。5番ピンP5(ZCD)はゼロクロス検出端子であり、抵抗R2を介してインダクタL1の二次巻線n2に接続されている。6番ピンP6(GND)はグランド端子であり、回路のグランド(直流電源回路2の低圧側の出力端子)に接続されている。7番ピンP7(GD)はゲートドライブ端子であり、このゲートドライブ端子の出力でスイッチング素子Q2のゲートがドライブされる。8番ピンP8(Vcc)は電源端子であり、後述の電源回路10によって電源端子とグランド端子の間に所定電圧以上の電源電圧が供給されると、内蔵する制御電源回路51により基準電圧E1,E2が生成されるとともに、この集積回路内部の各回路が動作可能な状態となる。ここで、電源回路10は、平滑コンデンサC1の正極から高抵抗の抵抗R10を介して充電電流が供給される平滑コンデンサC3と、その両端電圧を制限するツェナーダイオードZD1を備え、平滑コンデンサC3から上述の電源端子Vccに電源電圧を供給する。尚、電源回路10の平滑コンデンサC3に電源を供給する回路は上記のものに限定されるものではなく、より高効率の電源供給手段として、定常時にインダクタL1の二次巻線n2からコンデンサC3を充電するような回路を採用してもよい。
電源投入時にスタータ回路53によってフリップフロップFF1のセット入力端子Sにスタートパルスが入力されると、フリップフロップFF1のQ出力はハイになる。これにより、駆動回路54を介して7番ピンP7(ゲートドライブ端子GD)がハイになると、抵抗R21,R20で分圧されたゲート駆動電圧がスイッチング素子Q1のゲート・ソース間に印加される。尚、抵抗R1は電流検出用の抵抗であり、その抵抗値は非常に小さいので、ゲート・ソース間の駆動電圧には殆ど影響しない。
スイッチング素子Qlがオンになると、コンデンサC1の正極から出力コンデンサC2→インダクタLl→スイッチング素子Ql→抵抗Rlを介してコンデンサC1の負極へ電流が流れる。このとき、インダクタLlに流れるチョッパ電流i1は、インダクタLlが磁気飽和しない限り略直線的に増加する電流となる。この電流は抵抗Rlにより検出されて、制御用集積回路50の4番ピンP4(CS)に入力される。
上述のように制御用集積回路50の4番ピンP4(CS)はチョッパ電流検出端子であり、4番ピンP4に入力された電圧は、抵抗R50及びコンデンサC50からなるノイズフィルタを介してコンパレータCP1のプラス側入力端子に入力される。コンパレータCP1のマイナス側入力端子には基準電圧として乗算回路52の出力電圧が入力されている。この基準電圧(乗算回路52の出力電圧)は、1番ピンP1(INV)の印加電圧V1と基準電圧E1との偏差を誤差増幅器EA1で増幅した値と、3番ピンP3(MULT)の入力電圧V3とで決定される。
チョッパ電流検出端子CSの入力電圧が基準電圧(乗算回路52の出力電圧)を超えると、コンパレータCP1の出力がハイになり、フリップフロップFF1のリセット入力端子Rにリセット信号が入力される。これにより、フリップフロップFF1のQ出力がローになると、駆動回路54は7番ピンP7(ゲートドライブ端子GD)から電流を引き込むように動作する。この時、スイッチング素子Q1のゲートに接続されたダイオードD22がオンになり、抵抗R22を介してスイッチング素子Qlのゲート・ソース間電荷が引き抜かれるので、スイッチング素子Q1は速やかにオフになる。
スイッチング素子Qlがオフになると、スイッチング素子Q1のオン時にインダクタL1に蓄積された電磁エネルギーが回生ダイオードD1を介して出力コンデンサC2に放出される。この時、インダクタL1の両端電圧は出力コンデンサC2の電圧Vc2にクランプされるので、インダクタL1に流れる電流i1は略一定の傾き(di/dt≒−Vc2/L1)で減少していく。
ここで、インダクタL1に電流i1が流れている期間中は、インダクタL1の二次巻線n2に、電流i1が減少する傾きに応じた電圧が発生する。そして、インダクタLlの電流i1が流れ終わると、二次巻線n2の両端間の電圧は消失するので、そのタイミングを5番ピンP5(ゼロクロス検出端子ZCD)の入力電圧から検出する。
制御用集積回路50の内部では、ゼロクロス検出用のコンパレータCP2のマイナス側入力端子に5番ピンP5(ゼロクロス検出端子ZCD)が接続され、コンパレータCP2のプラス側入力端子にはゼロクロス検出用の基準電圧E2が印加されている。
ここで、5番ピンP5に入力される二次巻線n2の電圧が消失すると、コンパレータCP2の出力がハイになり、ORゲートG1を介してフリップフロップFF1のセット入力端子Sにセットパルスが供給されるので、フリップフロップFF1のQ出力がハイになる。これにより、駆動回路54を介して7番ピンP7(ゲートドライブ端子GD)の電圧レベルがハイになるので、スイッチング素子Q1がオンになる。以後、上記の動作を繰り返すことによって、スイッチング素子Q1がオン/オフを繰り返すのである。
このようにして、出力コンデンサC2にはコンデンサC1の出力電圧を降圧した直流電圧が得られ、この直流電圧が出力コネクタCN2を介して照明負荷4に供給される。ここで、照明負荷4が直列接続された複数個の発光ダイオード(LED)で構成される場合、LEDの順電圧をVf、LEDの直列個数をn個とすると、出力コンデンサC2の電圧Vc2は略(n×Vf)にクランプされる。
また本実施形態では、インダクタLlの二次巻線n2の電圧が消失するタイミングを検出することで、インダクタL1に流れる電流i1が略ゼロになるタイミングを検出しているが、電流i1がゼロになるタイミングは別の手段で検出してもよい。電流i1がゼロになるタイミングを検出可能な手段としては、回生ダイオードDlの逆方向電圧の上昇を検出したり、スイッチング素子Qlの両端電圧の降下を検出するなどの方法があり、回生電流が消失するタイミングを検出できれば、他の手段を採用してもよい。
次に、調光信号S1に応じて照明負荷4を調光する調光回路について説明する。尚、調光信号S1は、低周波(約1kHz)のPWM信号からなり、調光比に応じてオンデューティが変化するような信号である。
本実施形態では、調光回路として、照明負荷4に流れる電流の振幅を制御する振幅制御回路(第1電流調整手段)6aと、照明負荷4に流れる電流を断続するPWM制御回路(第2電流調整手段)6bを備えている。尚、振幅制御回路6aの前段、PWM制御回路6bの前段には、それぞれ、調光信号S1を予め設定された遅延時間だけ遅延させて出力するタイマー回路7a,7bが設けられている。各タイマー回路7a,7bの遅延時間は個別に設定されるようになっている。
振幅制御回路6aは、調光信号に応じて、照明負荷4に流れる電流の振幅を制御することで、照明負荷4を調光する回路である。上述の制御用集積回路50は、3番ピンP3(MULT)に印加される電圧V3が高くなるほど、スイッチング素子Qlに流れる電流のピーク値が高くなるように制御する機能を備えているので、振幅制御回路6aはこの機能を利用して振幅制御を行う。
振幅制御回路6aは、タイマー回路7aで遅延された調光信号S1のハイ/ローを反転させるNOTゲート8と、NOTゲート8の出力を積分する積分回路9からなり、積分回路9の出力は制御用集積回路50の3番ピンP3に入力される。積分回路9は、NOTゲート8の出力端子間に接続された抵抗R3,R4の直列回路と、ロー側の抵抗R4に並列接続されたコンデンサC4とで構成されるCR積分回路からなる。タイマー回路7aを介して入力された、低周波のPWM信号からなる調光信号S1は、NOTゲート8によって反転された後、大きさがオンデューティに反比例した直流電圧に変換される。
ここで、PWM信号からなる調光信号S1のオンデューティが低下し、ハイの期間が短くなると、振幅制御回路6aでは調光信号S1を反転させた信号を積分するので、3番ピンP3に印加される電圧が高くなる。これにより制御用集積回路50が7番ピンP7の出力を制御して、スイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値を高い値に制御するので、コンデンサC2で平滑された照明負荷4に流れる電流の振幅も大きくなって、照明負荷4の光出力が増加する。またスイッチング素子Qlのオン時間は長くなるので、降圧チョッパ回路3の発振周波数は低下する。
一方、PWM信号からなる調光信号S1のオンデューティが増加し、ハイの期間が長くなると、振幅制御回路6aでは調光信号S1を反転させた信号を積分するので、3番ピンP3に印加される電圧が低くなる。これにより制御用集積回路50が7番ピンP7の出力を制御して、スイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値を低い値に制御するので、コンデンサC2で平滑された照明負荷4に流れる電流の振幅も小さくなって、照明負荷4の光出力が低下する。またスイッチング素子Qlのオン時間は短くなるので、降圧チョッパ回路3の発振周波数は高くなる。
このように、調光信号S1のデューティ比に応じてスイッチング素子Q1に流れる電流の振幅を変化させることで、照明負荷4を調光させることができる。但し、振幅制御回路6aだけで調光制御を行う場合、調光比の下限は約10%が限界で、降圧チョッパ回路3の発振周波数も調光比の下限で数百kHzまで上昇する。
次に、降圧チョッパ回路3による高周波のチョッパ動作を、低周波のPWM信号に応じて間欠的に停止させることにより、照明負荷4に流れる電流を断続するPWM制御回路6bについて説明する。
PWM制御回路6bは、スイッチング素子Q1の制御電極とグランド(コンデンサC1の負極)との間にドレイン−ソース間が接続されたMOSFETよりなるスイッチング素子Q2で構成される。このスイッチング素子Q2のゲートにはタイマー回路7bの出力が入力されている。
調光信号S1は、低周波(例えば1kHz)の矩形波電圧信号であって、調光が浅いほど(調光出力が明るいほど)、1周期中でローレベルの期間が長くなるような(オンデューティが小さくなるような)PWM信号である。
PWM制御回路6bでは、低周波のPWM信号からなる調光信号S1がタイマー回路7bで遅延された後、スイッチング素子Q2のゲートに入力される。
スイッチング素子Q2は、そのゲート電圧がハイのときオンになり、スイッチング素子Q1の制御電極とグランドの間が短絡される。スイッチング素子Q2がオンとなる間は、抵抗R21とスイッチング素子Q2の接続点が常にローレベルとなる。したがって、制御用集積回路50の7番ピンP7(ゲートドライブ端子GD)の電圧が高周波でハイ/ローに切り替わっても、そのゲートドライブ出力は抵抗R21で消費され、スイッチング素子Q1はオフ状態に維持され、チョッパ動作が停止させられる。
一方、スイッチング素子Q2は、そのゲート電圧がローのときオフになり、ドレイン−ソース間が高インピーダンス状態となるので、スイッチング素子Q2が接続されていないのと同じ状態になる。したがって、スイッチング素子Q2がオフしている間は、制御用集積回路50の7番ピンP7(ゲートドライブ端子GD)の電圧が高周波でハイ/ローに切り替わるのに応じて、スイッチング素子Qlがオン/オフに切り替わるので、通常のチョッパ動作が行われる。
したがって、PWM制御回路6bによって降圧チョッパ回路3のチョッパ動作が断続され、チョッパ動作を行う期間とチョッパ動作を停止する期間の比率は、PWM信号からなる調光信号S1のローの期間とハイの期間の比率に一致することになる。降圧チョッパ回路3がチョッパ動作を行う期間ではチョッパ動作に応じた定電流が照明負荷4に流れ、チョッパ動作を停止する期間では照明負荷4への電流供給が停止される。これにより、PWM信号の1周期に対するローの期間の割合に応じた電流が照明負荷4に供給されることになり、PWM制御回路6bによって照明負荷4の調光が可能になる。なお調光が浅くなると、調光信号S1のオンデューティが低下するので、降圧チョッパ回路3の停止期間が長くなり、調光が深くなると、調光信号S1のオンデューティが大きくなるので、降圧チョッパ回路3の停止期間は短くなる。
但し、PWM制御回路6bだけで調光制御を行うと、全点灯状態、すなわち照明負荷4に定格電流が流れている状態で、降圧チョッパ回路3の動作状態と停止状態が周期的に繰り返されるので、インダクタやトランスから比較的大きなうなり音が発生する。また調光下限付近では降圧チョッパ回路3の停止期間が長くなるために、スイッチング素子Q1の動作期間が非常に短くなる。ここで、図3(a)は調光信号S1の波形図、図3(b)はスイッチング素子Q1に流れる電流の波形図であり、図3(b)では時間軸を拡大して表示してある。調光信号S1がハイの期間(図3(b)の期間W1)は降圧チョッパ回路3のチョッパ動作が停止され、スイッチング素子Q1がオフになる。一方、調光信号S1がローの期間(図3(b)の期間W2)は降圧チョッパ回路3がチョッパ動作を行って、スイッチング素子Q1がオン/オフするのであるが、調光下限付近ではスイッチング素子Q1の動作期間が短く、スイッチング素子Q1が2回程度しかオンしないため、降圧チョッパ回路3の動作が不安定になる。
そこで、本実施形態の調光点灯装置1では、振幅制御回路6aによる振幅制御動作と、PWM制御回路6bにより負荷電流i1を断続させる制御とを同時に行うようにしており、調光制御時には電流の振幅を低減しながら、電流を断続的に遮断する動作を行っている。振幅制御と電流の断続制御をどちらか一方のみ行う場合に比べて、調光上限付近では照明負荷4に流れる電流を低下させた状態で電流を断続するからインダクタなどの回路部品が発するうなり音を低減できる。また調光下限付近では、照明負荷4に流れる電流を断続させる制御と同時に振幅の制御を行うから、振幅制御のみで調光する場合に比べて、降圧チョッパ回路3の発振周波数もあまり上昇せず(本回路では100kHz程度)、またスイッチング素子Q1の動作期間が比較的長い状態で数十μAまで電流を低減できるから、安定した調光制御を行うことができる。
尚、本実施形態ではPWM制御回路6bのスイッチング素子Q2のゲート電圧を低周波のPWM信号からなる調光信号S1に応じて制御しているが、制御用集積回路50の1番ピンP1(INV)の印加電圧、3番ピンP3(MULT)の印加電圧、4番ピンP4の印加電圧、5番ピンP5(ZCD)の印加電圧のうちの何れか1つ又は複数を調光信号S1に応じて制御することで、降圧チョッパ回路3の動作を断続させてもよい。
また本実施形態では振幅制御回路6a及びPWM制御回路6bの前段にそれぞれタイマー回路7a,7bを設けている。タイマー回路7a,7bの時間設定によって、振幅制御回路6aによる振幅制御が開始されるタイミングと、PWM制御回路6bによる断続制御が開始されるタイミングとに時間差を設けることができる。
ここで、タイマー回路7aによる遅延時間を、タイマー7bによる遅延時間よりも短くすると、先ず、振幅制御回路6aによる振幅制御が開始した後に、PWM制御回路6bによる断続制御を開始する。これにより調光開始時は照明負荷4に流れる電流の振幅制御が先行して行われ、その後に電流を断続する制御が追加して行われることになる。振幅制御に比べて電流を断続する制御の方が光出力を大きく変化させるので、先ず振幅制御を開始することで、調光開始時にゆっくりと調光状態に切り換えられる。
一方、タイマー回路7bによる遅延時間を、タイマー7aによる遅延時間よりも短くすると、先ず、PWM制御回路6bによる断続制御が開始した後に、振幅制御回路6aによる振幅制御が開始される。これにより調光開始時は照明負荷4に流れる電流を断続する制御が先行して行われ、その後に電流の振幅制御が追加して行われることになるので、調光開始後短時間で調光状態に移行させることができる。
ここで、上述の調光点灯装置1を組み込んだ照明装置の全体構成を図4に示す。この照明装置は、交流電源ACが接続される電源コネクタCN1と、照明負荷4が接続される出力コネクタCN2と、調光器20からの調光信号線が接続されるコネクタCN3を備えている。
電源コネクタCN1には電流フューズFS1とフィルタ回路F1を介して直流電源回路2が接続されており、直流電源回路2によって交流電圧が整流、平滑される。尚、直流電源回路2を構成する平滑コンデンサC1の負極は、コンデンサC5,C6を介して、照明装置の筐体(図示せず)に高周波的に接続されている。
コネクタCN3には、調光器20から例えば周波数が1kHzで振幅が10Vのデューティ可変の矩形波電圧信号からなる調光信号S1が入力される。コネクタCN3に接続された整流回路11は、コネクタCN3に接続される調光信号線の配線を無極性化するための回路であり、調光信号線を逆接続しても正常に動作するようになっている。すなわち、コネクタCN3から入力された調光信号S1は全波整流器DB2で全波整流され、抵抗などのインピーダンス要素Z1を介してツェナーダイオードZD2の両端間に矩形波電圧信号を発生させている。ツェナーダイオードZD2の両端間に発生した矩形波電圧信号は、フォトカプラPC1からなる絶縁回路12に入力され、調光信号線と調光点灯装置1とを電気的に絶縁した状態で調光信号S1が制御回路5へと伝達される。そして、絶縁回路12から出力された調光信号S1は波形整形回路13によって波形整形され、ハイレベルとローレベルの明確なPWM信号として制御回路5に入力される。尚、調光器20からの調光信号線が長くなると、調光器20から長い距離を伝送されてきた矩形波電圧信号は、その波形に歪みが生じるので、波形整形回路13を設けてある。
制御回路5には調光回路として、上述の振幅制御回路6aとPWM制御回路6bが設けられており、振幅制御回路6aは、調光信号S1に応じて照明負荷4に流れる電流の振幅を制御する。またPWM制御回路6bは、調光信号S1に応じて、照明負荷4に流れる電流を断続する制御を行う。そして、上述したように振幅制御回路6aによる制御とPWM制御回路6bによる制御を同時に行うことによって、照明負荷4の調光を行っており、出力のリップルを低減できるとともに、うなり音の発生を低減できる。
尚、上記の調光点灯装置1では、照明負荷4に流れる電流を制御する制御回路として、非絶縁型バックコンバータ方式の回路を例に説明を行ったが、定電流制御或いは定電圧制御を行う回路方式であれば、どのような回路方式を採用してもよい。例えば図5(a)〜(d)に示すように絶縁式のフライバック型のコンバータやフォワード型のコンバータなどからなる制御回路3a〜3dを用いてもよい。尚、個々の回路については従来周知であるので、その説明は省略する。
次に、上述の調光点灯装置1を備えた照明装置について図6を参照して説明する。この照明装置A1は、照明負荷と電源回路を別々の筐体に収めた電源別置型の照明装置であり、電源ブロック30と灯具ブロック40とを電力線を介して接続してある。
電源ブロック30は、上述の調光点灯装置1が形成された回路基板(図示せず)を、金属製の筐体31内に収納して構成され、天井100の裏側に配置されている。
灯具ブロック40の筐体41は下端側が開放された金属製の円筒体からなり、下端の開口部は光拡散板42によって閉塞されている。筐体41の内部には、照明負荷4である複数の発光ダイオード4aを実装した回路基板43が、発光ダイオード4aを光拡散板42に対向させた状態で収納されている。
この筐体41は、天井100に設けた埋込孔に上部を挿入した状態で天井100に固定されており、電源ブロック30内の調光点灯装置1と電線45及びコネクタ46を介して接続されている。
このように、照明負荷4を筐体41内に収めた灯具ブロック40とは別の筐体31に調光点灯装置1の回路基板を収納しているので、灯具ブロック40の薄型化が可能になり、また電源ブロック30は電線45の届く範囲で自由な場所に設置できる。
尚、本実施形態の照明装置A1は調光点灯装置1と照明負荷4を別々の筐体31,41に収納しているが、灯具ブロック40と同じ筐体に調光点灯装置1を収納したものでもよい。
また、本実施形態の調光点灯装置1は照明装置に限らず、各種の光源、例えば液晶ディスプレイのバックライトや、複写機、スキャナ、プロジェクタなどの光源として利用しても構わない。
また、上記の実施形態では照明負荷4として発光ダイオードを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば有機EL素子や半導体レーザー素子などでもよい。
1 調光点灯装置
2 直流電源回路
3 降圧チョッパ回路
4 照明負荷
5 制御回路
6a 振幅制御回路(第1電流調整手段、調光回路)
6b PWM制御回路(第2電流調整手段、調光回路)
Q1 スイッチング素子
S1 調光信号

Claims (4)

  1. 照明負荷を調光する調光回路を備え、この調光回路は、前記照明負荷に流れる電流の振幅を制御する第1電流調整手段と、前記照明負荷に流れる電流を断続させるように制御する第2電流調整手段を具備し、前記第1電流調整手段による制御と前記第2電流調整手段による制御を同時に行わせることで、前記照明負荷を調光することを特徴とする調光点灯装置。
  2. 前記調光制御部は、調光信号が入力されると、先ず前記第1電流調整手段による振幅制御を開始させ、前記第2電流調整手段による制御を追加して行わせるまでに時間差を設けたことを特徴とする請求項1記載の調光点灯装置。
  3. 前記調光制御部は、調光信号が入力されると、先ず前記第2電流調整手段による制御を開始させ、前記第1電流調整手段による振幅制御を追加して行わせるまでに時間差を設けたことを特徴とする請求項1記載の調光点灯装置。
  4. 照明負荷と、請求項1乃至3の何れか1つに記載の調光点灯装置を備えたことを特徴とする照明装置。
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