JP2012093555A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】懸濁重合法におけるトナー製造において、重合容器内に生じるスケール付着物を簡易的に効率よく除去し、トナー粒子の安定的生産を可能にするトナー粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】重合性単量体および着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を無機分散安定剤を含有した水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程、および撹拌手段を有する重合容器内で該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合してトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該重合工程終了後に該重合容器の内容物を排出した後、該重合容器内にpH9以上の水系媒体を投入し、該無機分散安定剤を含有した水系媒体を該攪拌手段により攪拌し、これを排出することで該重合容器内の付着物を除去する洗浄工程を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を現像化するためのトナー粒子の製造方法に関するものである。特に、重合法によってトナー粒子を製造する際に、重合容器内壁面等への付着物を除去する洗浄工程を有するトナー粒子の製造方法に関するものである。
トナー粒子の製造方法として、重合性単量体を重合する段階で着色剤、及び電荷制御剤を重合体粒子中に包含させトナー粒子とする懸濁重合法がある。
懸濁重合法によるトナーの製造において、重合工程は通常攪拌手段および加熱冷却手段を有する重合容器を用いて行われるが、重合中に重合容器内壁、攪拌手段表面などに重合体組成物が付着すると、その場で重合し、スケール付着物となる。スケール付着物は、重合工程終了後も重合容器内に残留する。この付着物を放置した場合、その量は重合工程回数を重ねる度に増大し、著しい場合には重合容器の伝熱性能を低下させ、重合反応の安定性に悪影響を与える。さらに、攪拌手段表面に付着した付着物は攪拌に必要な動力を増加させ、多くのエネルギーをロスするため生産効率を悪化させる。
また、上記スケール付着物が十分な大きさに成長してから剥離/脱落した場合、重合容器に接続された配管部やバルブ等で、詰まりや固着の原因となる。このため付着物の頻繁な除去作業が必要となり製造装置の稼働率の低下を招く。
これに対し、重合反応における重合容器内のスケール付着物に対する洗浄方法がいくつか提案されている。一般的に、有機溶剤やアルカリ水溶液などの除去剤を重合容器内に散布する、または重合容器に満たし加熱および攪拌することが知られている。例えば、特許文献1には除去剤としてアルカリ水溶液を用いており、85℃以上の水系洗浄剤で洗浄する洗浄方法であって、除去剤として非イオン界面活性剤を含有する洗浄方法が提案されている。しかし、この方法では連続生産した際に重合容器内壁に付着する強固なスケール付着物に対して、非イオン界面活性剤の浸透効果が十分に発揮されない。このため、懸濁重合で生じる強固な付着物の除去には適さない。また、非イオン界面活性剤を使用するとトナー粒子表面に界面活性剤が残存することがある。トナー粒子に界面活性剤が残存すると、トナーの帯電分布がブロードになったり、不具合が多い。
特許文献2は、モノエタノールアミン等のアミノアルコールを添加したアルカリ水溶液を加熱攪拌することによる洗浄方法が提案されている。しかし、この洗浄方法の場合、重合容器内壁に付着した強固な付着物に対しては除去剤が均一に溶解してしまうため、洗浄効果が付着物表面にしか働かない。このため、懸濁重合で生じる強固な付着物の除去には適さない。
特許文献3は、無水酢酸で洗浄するのに引き続いてエチレングリコールまたはトリエチレングリコールによって洗浄する方法を提案している。また、特許文献4は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、メチルエチルケトンのいずれかと過酸化水素水の混合物によって洗浄する方法を提案している。これらの洗浄剤として有機溶剤を用いた場合、付着物を膨潤させて除去するまでに長い時間を要する。さらに、大量の廃液を出す結果となるか、除去剤の大掛りな再生手段を講じる必要が生じる。
特許文献5は、付着物をメタノール等の有機溶剤で浸透及び膨潤させ且つ溶媒と共に流動する0.1乃至50mmの固形物質を重合容器内壁に衝突させることによって洗浄する方法を提案している。この洗浄方法の場合、固形物質を再利用するために、固形物質と溶媒を分離するセパレーター等を設置する必要があり、大掛かりな除去装置を導入する必要が生じるため製造コストが上昇する。
これまで述べてきたように懸濁重合法によって生じた強固なスケール付着物を低コストで効率よく除去・洗浄するためには更なる検討の余地があった。
特開2008―214459号公報 特開平10−101707号公報 特開平8−48997号公報 特開平9−3119号公報 特開2001−139604号公報
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、重合法によるトナー粒子の製造方法において、重合性単量体組成物の分散液滴を重合する際に重合容器内壁で発生した重合体スケールの付着物を簡易的な手法で除去することが可能なトナー粒子の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、重合性単量体および着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を無機分散安定剤を含有した水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程、および撹拌手段を有する重合容器内で該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合してトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該重合工程終了後に該重合容器の内容物を排出した後、該重合容器内に50℃以上であり且つpH9以上の水系媒体を投入し、該無機分散安定剤を含有した水系媒体を該攪拌手段により攪拌し、これを排出することで該重合容器内の付着物を除去する洗浄工程を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、懸濁重合法トナー製造時の重合工程において重合容器内壁に発生する重合体スケールの除去を容易にし、堆積した重合体付着物による熱伝導の阻害、重合体付着物の脱落による配管の閉塞、及び重合体付着物による攪拌の阻害などが起こらないため、重合体付着物の頻繁な除去作業が本質的に不要になり生産性が向上する。
本発明に用いる好適な重合容器の断面図である。 本発明に用いる好適な重合容器の断面図であり、攪拌時における底面から液面までの最小高さh及び底面から液面までの最大高さHを示す図である。
本発明は懸濁重合法によるトナー粒子の製造において、重合工程終了後に重合容器の内容物を排出した後、該重合容器内に50℃以上であり且つpH9以上の水系媒体を投入し、無機分散安定剤を含有した水系媒体を攪拌手段により攪拌し、これを排出することで該重合容器内の付着物を除去する洗浄工程を有することを特徴としている。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒し該重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
この懸濁重合法によるトナー付着物の形成過程は以下のようになっていると考えられる。
(1)未反応の重合性単量体蒸気が容器内の気相部に露出した部材の表面で凝縮し、気相部で熱せられ重合することによって、液相での通常の重合反応とは異なる組成・生成過程の重合体が生成し、付着/堆積する。
(2)懸濁重合反応液の飛沫や発泡によって、懸濁重合体微粒子が、容器内の気相部に露出した部材の表面に付着し、熱により乾燥/凝固する。該付帯機器の表面温度が、重合性単量体の重合によって生成するポリマーのガラス転移温度より高い場合は融着がおこり付着が強固になる。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、従来の洗浄方法よりも簡易的な手法で懸濁重合法によって生じるスケール付着物を除去できる本発明に至った。
本発明者らは本発明の効果が次のような理由によるものであると考えている。
本発明において洗浄工程は洗浄液の温度が50℃以上になるまで加熱し続けた後に、洗浄を行うことが好ましく、これはスケール付着物が熱によって膨潤しやすくなるためである。熱によって膨潤した付着物はpHが9以上のアルカリ水溶液が浸透しやすくなることで、さらにアルカリ水溶液による膨潤が促される。しかし、アルカリ水溶液では膨潤した付着物を容易に取り除くことは困難であるために、除去剤として無機分散剤を含有させると、微粒子として分散した無機分散剤が付着物の境界面に堆積することによって、付着物と容器内壁との間に隙間を生み出す楔効果が出てくる。この楔効果によって生じた隙間にアルカリ水溶液が浸透し、さらに付着物を膨潤させることで付着物の剥離が促進される。上記の洗浄工程を実施することによって、懸濁重合法によるトナー粒子の製造により生じた重合容器内の強固な付着物に対して強力な洗浄効果を示す。
本発明において、洗浄工程における無機分散剤は重合工程において使用した無機分散剤と同一のものが好ましく、新たに添加した無機分散剤でも重合容器に残存したもののどちらでもよい。また、洗浄溶液が含有している無機分散剤は0.05質量%以上の無機分散剤が分散している洗浄液であることが好ましい。特に無機分散剤の含有量が0.5質量%以上であることが洗浄効果を高めるためには好ましい。
本発明において、無機分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸多価金属塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩;シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の無機水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。洗浄工程後の重合容器において、洗浄液の混入を防止するためにも、重合工程において使用した無機分散剤を用いた方が好ましく、特にリン酸カルシウムが取り扱いの観点からも好ましい。
本発明において、アルカリ水溶液はpHは9以上であることが重要であり、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等を使用することができる。特に水酸化ナトリウムが強アルカリの為、洗浄効果が高く好ましい。
該洗浄工程において洗浄液の溶液温度が50℃よりも低い場合、付着物を十分に膨潤させることができないために、洗浄工程に長時間を要する。また、該洗浄工程において無機分散剤を含有した酸性及び中性の洗浄液を用いた場合、溶液温度を50℃以上まで加熱しても洗浄液が付着物に浸透及び付着物を膨潤させることができないために、付着物を除去することができない。最後に、該洗浄工程において無機分散剤を含有していないpH9以上のアルカリ水溶液を50℃以上まで加熱しても、強固な付着物を剥離させることができないために、付着物の除去効果が弱くなる。
以下にさらに洗浄効果を高めるための方法について記載する。
該洗浄工程中の無機分散剤は、同じ所要動力でも無機分散剤と付着物との接触回数が多いほど重合容器内壁と付着物の境界面に多く堆積するため、所要動力に占める吐出量が大きいほど付着物の剥離が促進されるので好ましい。攪拌翼の形状や回転速度によって吐出量が変化するため、所要動力に占める吐出量が大きい攪拌翼ほど付着物にかかる力が大きくなるため好ましい。所要動力に占める吐出量(Q/P)を計算する式は以下のように規定した。
吐出量定数:Nq=0.1×S
動力定数:Np=Cosα×S
吐出量:Q=Nq×n×d3
動力[kW]:P=Np×n3×d5
ただし、Sは攪拌翼を垂直面上に投影したときの面積[m2]、αは水平線と翼との角度[rad]、nは回転数[rps]、そしてdは翼径[m]をそれぞれ示す。本発明において、撹拌できる装置として使用されているものは、フルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業社製)、サンメラー翼(三菱重工業社製)、Hi−Fミキサー翼(総研化学社製)、ベンドリーフ翼(八光産業社製)がある。Q/Pが1.2×10-2よりも小さい場合、アルカリ水溶液の付着物への浸透が不十分であるために好ましくない。また、Q/Pが2.0×10-2以下であると重合容器内の液面で液ハネが起きないために好ましい。このことより、洗浄工程に有利なQ/Pは1.2×10-2以上2.0×10-2以下であることが好ましい。フルゾーン翼(神鋼パンテック社製)では吐出量Q/Pが1.65×10-2となり、4枚パドル翼(1.00×10-2)、プロペラ翼(7.69×10-3)、そして12枚ディスクタービン翼(6.87×10-3)よりもQ/Pが大きい。このため、フルゾーン翼は本発明に適した攪拌翼であるといえる。
本発明の洗浄工程の攪拌時において、本発明の重合容器内部の底面から液面までの最小高さhと底面から液面までの最大高さをHとすると、h/Hが0.6以上0.9以下であることが好ましい。h/Hが0.6以上であることがボルテックスを発生させないために好ましく、h/Hが0.9以下で洗浄を行なうと、ボルテックスを発生させずに、攪拌力を一定以上に保つことが出来るために好ましい。重合容器内でボルテックスが生じない場合は、攪拌翼の軸周辺の水位が低下せず、さらに洗浄液の界面で発生した泡が堆積することが起こらないために、攪拌翼の付着物を除去することが容易になる。
本発明の洗浄工程おいて、重合容器内壁面がグラスライニングであることが好ましい。これは、グラスライニングの表面に存在するケイ素と無機分散剤が構造的な電気的相互作用を生じることで、楔効果が強くなる。これによって、アルカリ水溶液が付着物に浸透しやすくなるために、膨潤した付着物は重合容器内壁及び攪拌翼からの剥離が促進される。特に、グラスライニングである重合容器内壁の表面粗さRaが0.1以上10.0以下であることがスケール付着物を容易に剥離させることができるため好ましい。
本発明の該洗浄工程において重合容器内壁及び攪拌翼の付着物がSi元素を有しており、Si元素の含有量が0.01質量%以上であることが好ましい。アルカリ雰囲気下で付着物がSi元素を0.01質量%以上有している場合、付着物表面に存在するSi元素とグラスライニング表面に存在するケイ素との間に電気的反発力が働くために、アルカリ水溶液が付着物に浸透しやすくなるためである。アルカリ水溶液によって膨潤した付着物は重合容器内壁及び攪拌翼からの剥離が促進される。特に、Si元素の含有量が0.05質量%以上であることが無機分散剤を含有したアルカリ水溶液の洗浄効果をより高めるためには好ましい。
以下に本発明の洗浄方法を使用した一般的な懸濁重合法について記載する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を少なくとも含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、水系媒体中に重合性単量体組成物の粒子を形成することによって重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する攪拌機を設置した竪型重合容器で行なうことができる。高剪断力を有する攪拌機としてはウルトラタラックス(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)、T.K.フィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
(重合工程)
造粒工程により得られた重合性単量体組成物分散液中の重合性単量体を重合することにより、重合体微粒子分散液を得る。本発明における重合工程には撹拌手段を有し、温度調節可能な一般的な重合容器を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。重合容器に用いられる攪拌手段は分散された重合性単量体組成物を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。
本発明に用いる好適な重合容器の断面図の一例を図1に示すが、これに限定されるわけではない。図1において、1は重合容器、2は攪拌翼、3は温度調節用のジャケット、4は排出弁、5は攪拌翼モーター、6は投入口、9は気液界面である。
本発明の洗浄工程の攪拌時における重合容器底面から液面までの最小高さh及び底面から液面までの最大高さHの一例を図2に示す。図2において、21は重合容器、22は攪拌翼、23は温度調節用のジャケット、24は排出弁、25は攪拌翼モーター、26は投入口、29は気液界面である。
重合工程の終了後、重合体微粒子分散液を払い出した後、無機分散剤を含有したpH9以上のアルカリ水溶液を重合容器内壁に接触させることによりスケール付着物を完全に除去することができる。アルカリ水溶液を接触させる方法としては、スプレーノズルやシャワーノズルなどで散布する方法、重合容器をアルカリ水溶液で満たす方法などどのような方法もとりうるが、図1に示すような重合容器の場合には、重合容器をアルカリ水溶液で満たした後に、攪拌する方法が洗浄性の観点から好ましい。さらにこのときアルカリ水溶液を加熱することにより洗浄性がより高まる。アルカリ水溶液を加熱する温度は50℃以上に設定したほうが好ましいが、特に短時間で洗浄するために80℃以上に設定することがより好ましい。
(酸処理工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
以下に、本発明に用いることができるトナー材料について記述する。
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
本発明で用いられる着色剤としては、以下のものが挙げられる。カーボンブラック;C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGの如き顔料。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
これらの着色剤は重合性単量体100質量部に対して1質量部以上20質量部以下を使用することが好ましい。
本発明において製造されるトナー粒子を一成分現像剤として用いる場合、磁性トナーでも本発明の製造方法は好ましく用いられる。下記に本発明で用いることの出来る磁性体について説明する。
磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2.0m2/g以上30.0m2/g以下であることが好ましく、3.0m2/g以上28.0m2/g以下であることがより好ましい。
磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7.0以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5.0以上10.0以下に維持し、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、攪拌条件を選択することにより、磁性体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5.0未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以上0.5μm以下程度のものが良い。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行なう。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して約20質量部以上200質量部以下、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40質量部以上150質量部以下がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50Am2/kg以上200Am2/kg以下、残留磁化(σr)2Am2/kg以上20Am2/kg以下のものが好ましい。
磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明で用いられる離型剤としては、室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1質量部以上40質量部以下、より好ましくは4質量部以上30質量部以下含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。 第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド。
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
本発明におけるトナー粒子の製造のように水系媒体を用いる重合法の場合には、重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体に懸濁した重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在した場合、水に対する親和性の違いから極性樹脂が水系媒体と重合性単量体組成物の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
このような極性樹脂としては、トナー表面に偏在しシェルを形成した際に極性樹脂自身のもつ流動性が期待できることから、特に飽和または不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。酸成分単量体としては以下のものが挙げられる。テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸。アルコール成分単量体としては以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンの如きアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール。
本発明により製造されるトナー粒子は、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することが可能である。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(ヘロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準の50%平均粒径として測定する。これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
以下、発明を実施例により具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
本発明の実施例及び比較例で使用した評価方法とその判断基準について以下に述べる。
(1)付着物中のSi量の測定法
試料中のSi量は、蛍光X線分析装置(理学電気社製RIX3000)を用いて定量を行った。
(2)シラン化合物の加水分解率測定方法
シラン化合物の加水分解率について述べる。アルコキシシランに加水分解処理を施すと、加水分解物と未加水分解物及び縮合物により構成される混合物が得られる。下記に述べるのは、得られる混合物中における加水分解物の比率である。この混合物は上述したシラン化合物に該当するものである。
アルコキシシランの加水分解率は、下記式の如く定義する。
加水分解率(%)={(β−α)/β}×100
ここで、αはGPCを用いて得られるシラン化合物中の未加水分解物に由来するピーク面積である。また、βはGPCを用いてシラン化合物を測定した際の全ピーク面積を示す。具体的なGPCの測定の方法および、α、βの算出の方法は後述する。
シラン化合物中の、化合物の定量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、加水分解処理を施していないアルコキシシラン、及び加水分解後のシラン化合物をテトラヒドロフラン(THF)にそれぞれ別々のガラス製バイアルにて溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
続いて、シラン化合物XのGPCの結果より、α、βを算出する方法について下記に記述する。事前に、未加水分解のアルコキシシランの測定結果より、加水分解前のアルコキシシランの保持時間を算出しておく。
シラン化合物をGPCで測定した場合に得られるチャートより溶媒(THF)由来のピークを排除したチャートが、シラン化合物Xに由来するGPCチャートであり、この全面積をβとする。事前に算出しておいた未加水分解のアルコキシシランの保持時間に対応するピークの面積をαとし、αはシラン化合物中の未加水分解のアルコキシシランの量である。
(3)重合容器内壁の付着率評価
重合容器の質量W0、同じ重合容器でn回重合反応を行なった後に水で洗浄し、乾燥させた質量をWとする。トナー粒子の製造処方から計算される総固形分質量をMとした場合、付着率は、
スケール付着率(%)=(W−W0)/M/n×100
で算出される。
(4)攪拌翼の付着評価
攪拌翼の質量W1、同じ重合容器でn回重合反応を行なった後に水で洗浄し、乾燥させた質量をW2とする。トナー粒子の製造処方から計算される総固形分質量をMとした場合、付着率は、
スケール付着率(%)=(W2−W1)/M/n×100
で算出される。
以下に本発明において使用する処理磁性体1乃至4の製造方法を述べる。
<未処理磁性体の調製>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行った後、再びメタノール中で60分洗浄工程を行った後、ろ過、洗浄、再ろ過、解砕、乾燥を行い未処理の磁性体Aを得た。
<シラン化合物1の調製>
イソブチルトリメトキシシラン10質量部をイオン交換水80質量部に対して攪拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度50℃に保持し、ディスパー翼を用いて0.46m/sで60分分散させて加水分解を行い、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物1を得た。このシラン化合物1の物性を測定したところ、加水分解率は90%であった。得られたシラン化合物1の物性を表1に示す。
<シラン化合物2乃至4の調製>
表1に記載するアルコキシシランを用い、加水分解率が所望の値となるよう、加水分解時間、温度を調整したこと以外はシラン化合物1の製造と同様にして、シラン化合物2乃至4を得た。得られたシラン化合物2乃至4の物性を表1に示す。
<処理磁性体1の調製>
未処理の磁性体100質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株):FM−10C)に入れ、周速34.5m/sで分散しながら、シラン化合物1を3.5質量部噴霧して加えた。
そのまま10分間分散させた後、シラン化合物1が吸着した磁性体を取り出し、150℃で4時間静置して、処理磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過した体積平均粒径が0.23μmの処理磁性体1を得た。
<処理磁性体2乃至4の調製>
処理磁性体1の製造において、シラン化合物1をシラン化合物2乃至4に変更すること以外は処理磁性体1の製造と同様にして、処理磁性体2乃至4を得た。
次に、本発明を使用したトナー粒子の製造方法、及び反応容器の洗浄方法について具体例を述べる。
<実施例1>
下記のようにして水系分散媒及び重合性単量体組成物を各々調製した。
(水系分散媒の調製)
内容積7000リットルの容器中で下記の成分を混合し60℃に加温した。
・水 98.4質量%
・Na3PO4 1.0質量%
次に容器内に窒素ガスを導入し容器内気相部の酸素濃度を0.5%以下とした後、CaCl20.6質量%を添加して高速回転剪断攪拌機クレアミックス(エム・テクニック(株)製)を用いて回転数6000回転/分で30分間攪拌を行うことにより、Ca3(PO42の微粒子を含む水系分散媒を得た。
(重合性単量体組成物懸濁液の調製)
・スチレン単量体 74質量部
・n−ブチルアクリレート 26質量部
・ジビニルベンゼン 0.5質量部
・飽和ポリエステル樹脂 10質量部
(ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物、Mn=10000、Mw/Mn=2. 6、酸価=12mgKOH/g、Tg=72℃)
・E−88(オリエント化学工業社製) 2質量部
・負荷電制御剤T−77(保土ヶ谷化学製) 1.5質量部
・処理磁性体1 90質量部
上記処方を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。そこにパラフィンワックス(DSCにおける最大吸熱ピーク78℃)10質量部を添加し混合溶解し、これに重合開始剤t−ブチル−オキシ2−エチルヘキサノエート 7.0質量部を溶解して重合性単量体組成物とした。
(重合工程)
上記の工程で得た懸濁液を図1に示すような竪型重合容器に導入し、液温60℃で重合を行った。この重合容器は内壁がグラスライニングに加工されており、攪拌翼にはフルゾーン(神鋼パンテック社製)を持つことを特徴とする。反応開始4時間経過後、重合温度を80℃に昇温し、加熱攪拌をさらに2時間継続して重合を完了させた。懸濁液が降温した後、重合容器中より懸濁液を排出させ、これに希塩酸を添加してトナー粒子表面に固着した分散剤を溶解し、固液分離後、水洗、ろ過、乾燥することにより重合トナー粒子を得た。
(洗浄工程)
重合体微粒子分散液を排出した重合容器に、リン酸カルシウムを含有したpH11となるよう調整した水酸化ナトリウム水溶液で満たし、80℃まで昇温した。攪拌羽としてフルゾーン(神鋼パンテック社製)を用いて攪拌速度120回転/分で1時間攪拌を行った。重合容器内の洗浄液を冷却、中和した後排出し、イオン交換水で十分に洗浄した。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例2>
洗浄液に炭酸ナトリウムを用いてpH9になるように濃度を調整した水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法で重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例3>
付着物中のSi元素量を下げるために、処理磁性体1の代わりに処理磁性体2を用いた以外は実施例2と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例4>
付着物中のSi元素量を下げるために、処理磁性体1の代わりに処理磁性体3を用いた以外は実施例2と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例5>
付着物中のSi元素量を下げるために、処理磁性体1の代わりに処理磁性体4を用いた以外は実施例2と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例6>
重合容器内壁の表面がSUSであることを特徴とする釜以外は実施例5と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例7>
該洗浄工程において攪拌速度を変更することで、底面から液面までの最小高さhと最大高さHの比h/Hが0.6であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例6と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例8>
該洗浄工程において攪拌速度を変更することで、底面から液面までの最小高さhと最大高さHの比h/Hが0.9であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例6と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例9>
該洗浄工程において攪拌速度を変更することで、底面から液面までの最小高さhと最大高さHの比h/Hが0.55であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例6と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例10>
該洗浄工程において攪拌速度を変更することで、底面から液面までの最小高さhと最大高さHの比h/Hが0.95であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例6と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例11>
該重合容器内の攪拌翼に吐出量Qと所要動力Pの比Q/Pが1.2×10-2であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例10と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例12>
該重合容器内の攪拌翼に吐出量Qと所要動力Pの比Q/Pが2.0×10-2であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例9と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例13>
該重合容器内の攪拌翼に吐出量Qと所要動力Pの比Q/Pが1.1×10-2であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例10と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例14>
該重合容器内の攪拌翼に吐出量Qと所要動力Pの比Q/Pが2.1×10-2であることを特徴とする攪拌翼を用いた以外は実施例9と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<実施例15>
該洗浄工程における洗浄液の温度を50℃に設定した以外は実施例14と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行なった。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例1>
該洗浄工程において、洗浄液投入前にpH1の塩酸によって重合容器内に残存した無機分散剤を除去した後、イオン交換水にて十分洗浄した後に洗浄液を投入する以外は実施例13と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行なった。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例2>
洗浄工程において洗浄液に非イオン性界面活性剤を含有した水酸化ナトリウムによってpHを13.0に調整したアルカリ水溶液を85℃まで加熱したこと以外は比較例1と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。攪拌槽内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例3>
洗浄工程において洗浄液のpHを炭酸水素ナトリウムによって8.5に調整したアルカリ水溶液以外は実施例13と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。攪拌槽内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例4>
洗浄工程において洗浄液を49℃になるまで加熱し続けた以外は実施例13と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。攪拌槽内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例5>
洗浄工程において洗浄液のpHを炭酸水素ナトリウムによって7.0に中和した水溶液以外は実施例13と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例6>
洗浄工程において洗浄液のpHを塩酸によって1.0に調整した水溶液以外は実施例13と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例7>
洗浄工程において洗浄液にエチレングリコールを用いた以外は比較例1と同様の方法でトナー粒子の製造と反応層の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例8>
洗浄工程において洗浄液にモノエタノールアミンと水酸化ナトリウムでpH11に調整した水溶液を用いた以外は比較例1と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
<比較例9>
洗浄工程において洗浄液にアルカリ水溶液を用いずに、水のみで洗浄する以外は比較例1と同様の方法でトナー粒子の製造と重合容器の洗浄を行った。重合容器内壁及び攪拌翼の洗浄効果を表2に示す。
Figure 2012093555
Figure 2012093555
1:容器本体、2:攪拌翼、3:ジャケット、4:排出バルブ、5:攪拌翼モーター、6:投入口、9:液面、21:容器本体、22:攪拌翼、23:ジャケット、24:排出バルブ、25:攪拌翼モーター、26:投入口、29:液面(攪拌時)

Claims (5)

  1. 重合性単量体および着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を無機分散安定剤を含有した水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程、および撹拌手段を有する重合容器内で該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合してトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
    該重合工程終了後に該重合容器の内容物を排出した後、該重合容器内に50℃以上であり且つpH9以上の水系媒体を投入し、該無機分散安定剤を含有した水系媒体を該攪拌手段により攪拌し、これを排出することで該重合容器内の付着物を除去する洗浄工程を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該撹拌手段の吐出量Qと、このときの攪拌に要する所要動力Pの関係が、
    1.2×10-2≦Q/P≦2.0×10-2
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該洗浄工程の攪拌時において、該重合容器の底面から液面までの最小高さhと底面から液面までの最大高さHの比h/Hが、0.6以上0.9以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該重合容器内壁面がグラスライニングであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該付着物がSi元素を有しており、該Si元素の含有量が0.01質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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