JP2012093409A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズユニットが合焦動作開始位置へ移動中に被写体を検出した結果を基に、開始位置の決定、フォーカス駆動パルスレートの変更、AFエリアの変更をし、焦点検出時間の短縮と焦点検出精度の向上を図ることができる撮像装置および撮像方法を得る。
【解決手段】撮像レンズを通過してきた被写体からの光を受光する撮像素子、撮像レンズを移動させるレンズ移動手段、撮影素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出手段を有し、レンズ移動手段が撮像レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させるときに取得する画像データからAF評価値を算出し、この値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定手段、決定された開始位置に基づいて画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更手段と、を備える撮像装置による。
【選択図】図4
【解決手段】撮像レンズを通過してきた被写体からの光を受光する撮像素子、撮像レンズを移動させるレンズ移動手段、撮影素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出手段を有し、レンズ移動手段が撮像レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させるときに取得する画像データからAF評価値を算出し、この値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定手段、決定された開始位置に基づいて画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更手段と、を備える撮像装置による。
【選択図】図4
Description
本発明は、自動焦点機能を有する撮像装置および撮像方法に関するものであって、合焦のための移動範囲が広いレンズユニットを具備していても、レンズユニットが合焦動作開始位置へ移動中に被写体を検出し、その結果によって開始位置の決定、フォーカス駆動パルスレートの変更、AFエリアの変更をすることにより、焦点検出時間を短縮し、かつ、焦点検出精度を向上することができるようにしたものである。
一般的なデジタルスチルカメラ等の撮像装置は、被写体に対して自動的に焦点を合わせるオートフォーカス(以下、「AF」という。)装置を搭載している。AF装置が用いるAF制御方法の一例として、山登りAF制御方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この山登りAF制御方法は、撮像素子から出力される映像信号を構成する各画素の近接画素間の輝度差を積分した値を、合焦度合いを示すAF評価値とする方式である。被写体が合焦状態にあるときは、映像信号における被写体の輪郭部分がはっきりしている。従って、合焦状態にあるときの映像信号を構成する近接画素間の輝度差は大きい。つまり、合焦状態にあるときは、AF評価値は大きくなる。逆に、非合焦状態にあるときは、映像信号における被写体の輪郭部分はぼやけるため、この映像信号における近接画素間の輝度差は小さくなる。つまり、非合焦状態ではAF評価値は小さくなる。
AF装置は、レンズを移動させながら、所定のタイミングないしは一定の時間間隔で、そのときのレンズ位置における画像データを取得し、AF評価値を算出する。この算出されたAF評価値の最大値(AF評価値のピーク位置)を判定することで、合焦位置を決定するものである。つまり、AF評価値が最大となる位置にレンズを移動して停止させることで、被写体に対して自動的に焦点を合わせることができるように構成されている。このように、山登りAF制御方法は、AF評価値のピーク位置を検出することで、被写体に対する焦点を自動的に合わせるようになっている。
従来から知られている山登りAF制御方法は、一旦、レンズの移動範囲全体にわたってレンズを移動させ、その間に最大のAF評価値が得られるレンズ位置を判定し、そのレンズ位置までレンズを自動的に移動させる。より具体的には、AF動作の開始位置をレンズの移動範囲の中央位置とし、まずこの位置までレンズを移動させてから一定の向き(例えば最近接合焦位置の方)にレンズを移動させた後、無限遠合焦位置の方に反転移動させる。この間に最大のAF評価値が得られるレンズ位置を判定する。しかしながら、このような従来のAF制御方法は、レンズを移動させる距離が長くなるため、AF動作に多くの時間を要し、シャッターチャンスを逃すことがあった。
近年、山登りAF制御方法を改良し、より精度良く、かつ、高速に動作するAF制御方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載されているAF制御方法は、微小な間隔でAF評価値をサンプリング(取得)する第一モードと、合焦位置に近づくまでは粗い間隔でAF評価値をサンプリングし、合焦位置付近では微小な間隔でAF評価値をサンプリングする第二モードとを使い分ける方法である。この方法によれば、AF処理を高速化し、より素早く被写体に焦点を合わせることができる。しかしながら、特許文献2に記載されているAF制御方法は、粗い間隔でのAF制御(第一モード)と、微小な間隔でのAF制御(第二モード)の、計2回のAF制御を行うことになる。よって、フォーカス動作の高速化に関しては不十分で、更なる高速化が望まれている。
そこで、特許文献3に記載されている焦点調節装置が提案されている。この焦点調節装置は、一度合焦させた後、再度焦点調節をする際に、前回の合焦位置における画像を記憶しておき、この記憶画像と現画像とを比較して、一致度が所定の範囲内である場合に、合焦サーチ範囲(AF評価値を取得する範囲)を狭めるものである。特許文献3に記載されている焦点調節装置は、一度合焦すること、および、その合焦時の画像が記憶されていることを前提とする。よって、時間の経過や、被写体の変化には追従していない。すなわち、特許文献3に記載されている焦点調節装置は、時間が経過して被写体が変化すると、その特徴を活かすことができず、実用上の効果は期待できない。
上記に示した課題の他にも、特許文献1乃至3を含む従来の自動焦点調整装置(AF装置)の課題はある。例えば、動きの重いレンズでは合焦位置での停止精度が悪くなること、駆動パルスによる動きが悪くレンズを移動させることに時間を要すること、またはレンズが動かないという課題がある。特に、バックラッシュ量が大きい場合や、ガタつきがある場合、あるいはマクロ撮影可能なレンズのように駆動範囲が広いレンズにおいては、上記のような課題が顕著である。
実際のAFのフォーカス駆動としては、まず開始位置へ移動し、そこからフォーカスを駆動しながらAF評価値を取得しピークを検出していくので、明らかに合焦位置ではない部分においても余計なレンズ移動とAF評価値の算出が行われている。これによって低コントラストかどうかの判断が遅れ、AFの速度と精度が落ちる原因となっている。
以上のような従来技術の実情から、レンズが移動範囲のどの位置にあったとしても、被写体の合焦位置を推定して、レンズを迅速に合焦位置まで移動させることができる技術の開発が望まれていた。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、AF動作を行う場合に、撮像レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させている間にも焦点位置の検出を行うことにより、高速にAF処理することができる撮像装置および撮像方法を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の目的は、さまざまな撮影条件に柔軟に対応してレンズの移動速度を可変することにより、高速にAF処理することができる撮像装置および撮像方法を提供することにある。
本発明に係る撮像装置は、撮像レンズを通過してきた被写体からの光を受光する撮像素子と、撮像レンズを移動させるレンズ移動手段と、撮影素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出手段を有し、自動焦点検出手段は、レンズ移動手段が撮像レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させるとき、移動中の所定の時間間隔で取得する画像データからAF評価値を算出し、算出されたAF評価値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定手段と、決定された開始位置に基づいて、AF評価値の算出に用いる画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更手段と、を備えることを最も主要な特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、開始位置決定手段は、AF評価値の増減に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定することを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、レンズ移動手段が撮像レンズを移動させる速度に係る設定値を変更し、または、AF評価値の算出に用いる上記画像データのエリアに係る設定値を変更する、ことを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、開始位置決定手段は、撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときは、レンズ移動手段における撮像レンズの移動速度を遅くすること特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値が単純下降しているとき、撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときよりも撮像レンズの移動速度を速くすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出できなかったとき、または、撮像レンズの移動中の算出したAF評価値が単純下降していると判断されなったときは、撮像レンズの移動中に取得したAF評価値が単純下降しているときよりもレンズ移動手段における撮像レンズの移動速度を速くすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出したときは、自動焦点検出手段がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定手段が予め用いていたエリアよりも小さくすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出したときは、自動焦点検出手段がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定手段が予め用いていたエリアを含む複数のエリアを設定することを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値が単純下降しているときには、自動焦点検出手段がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定手段が予め用いていたエリアと同じ大きさにすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像装置に係るものであって、焦点検出設定変更手段は、開始位置決定手段が撮像レンズを移動中に合焦位置を検出しなかったとき、または、撮像レンズを移動中に算出したAF評価値が単純下降していると判断しなかったときは、自動焦点検出手段がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定手段が予め用いていたエリアよりも大きくすることを特徴とする。
また、本発明は撮像方法に係るものであって、撮像レンズを通過してきた被写体の光を撮像素子で受光しこの撮像素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出工程、決定された焦点位置に向かって撮像レンズを移動させたとき、移動中の所定の時間間隔で取得する画像データからAF評価値を算出するAF評価値算出工程、算出されたAF評価値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定工程、決定された開始位置に基づいて、AF評価値の算出に用いる画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更工程、を有することを特徴とする撮像方法。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、開始位置決定工程は、AF評価値の増減に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定することを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、撮像レンズを移動させる速度に係る設定値を変更し、または、AF評価値の算出に用いる画像データのエリアに係る設定値を変更する、ことを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、開始位置決定工程は、撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときは、撮像レンズの移動速度を遅くすること特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値が単純下降しているとき、撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときよりも撮像レンズの移動速度を速くすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出できなかったとき、または、撮像レンズの移動中の算出したAF評価値が単純下降していると判断されなったときは、撮像レンズの移動中に取得したAF評価値が単純下降しているときよりも撮像レンズの移動速度を速くすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出したときは、自動焦点検出工程がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定工程が予め用いていたエリアよりも小さくすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値によって合焦位置を検出したときは、自動焦点検出工程がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定工程が予め用いていたエリアを含む複数のエリアを設定することを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズの移動中に算出したAF評価値が単純下降しているときには、自動焦点検出工程がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定工程が予め用いていたエリアと同じ大きさにすることを特徴とする。
また本発明は、上記の撮像方法に係るものであって、焦点検出設定変更工程は、開始位置決定工程が撮像レンズを移動中に合焦位置を検出しなかったとき、または、撮像レンズを移動中に算出したAF評価値が単純下降していると判断しなかったときは、自動焦点検出工程がAF評価値の算出に用いる画像データ内のエリアを、開始位置決定工程が予め用いていたエリアよりも大きくすることを特徴とする。
本発明によれば、撮影レンズを焦点検出動作開始位置に向けた移動を開始すると同時に、画像データからAF評価値を算出し、自動焦点検出の開始位置を決定し、決定された開始位置によって、フォーカス駆動のパルスレートの設定やAFエリアの大きさの設定をすることで、精度よく高速にAF処理をすることができる。
以下、本発明に係る撮像装置および撮像方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る撮像装置の例であるデジタルカメラの外観構成例を示しており、図1は正面図、図2は平面図、図3は背面図である。図1において、撮像装置の筐体であるカメラボディCBの正面には、ストロボ発光部3、光学ファインダ4の対物面、リモコン受光部6および撮像レンズを含む鏡胴ユニット7が配置されている。カメラボディCBの一方の側面部には、メモリカード装填室および電池装填室の蓋2が設けられている。図2において、カメラボディCBの上面には、レリーズボタン(スイッチ)SW1、モードダイアルSW2およびサブ液晶ディスプレイ(サブLCD)(以下、「液晶ディスプレイ」を「LCD」という。)1が配置されている。
図3において、カメラボディCBの背面には、光学ファインダ4の接眼部、AF用発光ダイオード(以下、発光ダイオードは「LED」という。)8、ストロボLED9、LCDモニタ10、電源スイッチ13、広角方向ズームスイッチSW3、望遠方向ズームスイッチSW4、セルフタイマの設定および解除スイッチSW5、メニュースイッチSW6、上移動およびストロボセットスイッチSW7、右移動スイッチSW8、ディスプレイスイッチSW9、下移動およびマクロスイッチSW10、左移動および画像確認スイッチSW11、OKスイッチSW12およびクイックアクセススイッチSW13が配置されている。
次に、図4に示す本発明に係る撮像装置の機能ブロックの例について説明する。本発明に係る撮像装置の各種動作(処理)は、ディジタル信号処理IC(集積回路)等として構成されるディジタルスティルカメラプロセッサ104(以下、単に「プロセッサ104」という。)によって制御される。プロセッサ104は、第1のCCD(電荷結合素子)信号処理ブロック104−1,第2のCCD信号処理ブロック104−2,CPU(中央処理ユニット)ブロック104−3,ローカルSRAM(SRAM:スタティックランダムアクセスメモリ)104−4,USB(ユニバーサルシリアルバス)ブロック104−5,シリアルブロック104−6,JPEGコーデック(CODEC)ブロック104−7,リサイズ(RESIZE)ブロック104−8,TV信号表示ブロック104−9、およびメモリカードコントローラブロック104−10を有してなる。これら各ブロックは相互にバスラインで接続されている。
プロセッサ104の外部には、RAW−RGB画像データ、YUV画像データおよびJPEG画像データを保存するためのSDRAM(シンクロナスランダムアクセスメモリ)103、RAM107、内蔵メモリ120および制御プログラムが格納されたROM108が配置されており、これらはバスラインを介してプロセッサ104に接続されている。
鏡胴ユニット7は、ズーム(ZOOM)レンズ7−1aを有するズーム光学系7−1、フォーカス(FOCUS)レンズ7−2aを有するフォーカス光学系7−2、絞り7−3aを有する絞りユニット7−3およびメカニカルシャッタ(メカシャッタ)7−4aを有するメカシャッタユニット7−4、を備えている。ズーム光学系7−1,フォーカス光学系7−2,絞りユニット7−3およびメカシャッタユニット7−4はそれぞれズーム(ZOOM)モータ7−1b、フォーカスレンズ移動手段としてのフォーカス(FOCUS)モータ7−2b、絞りモータ7−3bおよびメカシャッタモータ7−4bによって駆動される。これらズームモータ7−1b、フォーカスモータ7−2b、絞りモータ7−3bおよびメカシャッタモータ7−4bの各モータはモータドライバ7−5によって駆動され、モータドライバ7−5はプロセッサ104のCPUブロック104−3によって動作が制御される。
鏡胴ユニット7のズームレンズ7−1aおよびフォーカスレンズ7−2aは、撮像素子であるCCD101の撮像面上に被写体光学像を結像するための撮像レンズを構成する。CCD101は、前記被写体光学像を電気的な画像信号に変換してF/E−IC(フロントエンドIC)102に入力する。
F/E−IC102は、CDS(相関2重サンプリング部)102−1、AGC(自動利得制御部)102−2およびA/D(アナログ−ディジタル)変換部102−3を有し、前記画像信号にそれぞれ所定の処理を施して、ディジタル信号に変換し、プロセッサ104の第1のCCD信号処理ブロック104−1に入力する。これらの信号処理動作は、プロセッサ104のCCD信号処理ブロック104−1から出力されるVD信号(垂直駆動信号)とHD信号(水平駆動信号)により、TG(タイミングジェネレータ)102−4を介して制御される。第1のCCD信号処理ブロック104−1は、CCD101からF/E−IC102を経由して入力されたディジタル画像データに対して、ホワイトバランス調整およびγ調整等の信号処理を行うとともに、VD信号およびHD信号を出力する。
プロセッサ104のCPUブロック104−3は、音声記録回路115−1による音声記録動作を制御する。音声記録回路115−1は、マイクロホン(マイク)115−3で変換されマイクロホンアンプ(マイクAMP)115−2によって増幅した音声信号を、CPUブロック104−3の指令に応じて記録する。
また、CPUブロック104−3は、音声再生回路116−1の動作も制御する。音声再生回路116−1は、CPUブロック104−3の指令により、適宜なるメモリに記録されている音声信号をオーディオアンプ(オーディオAMP)116−2で増幅してスピーカー116−3に入力し、スピーカー116−3から音声を再生出力する。
また、CPUブロック104−3は、ストロボ回路114を制御して動作させることによってストロボ発光部3から照明光を発光させる。また、CPUブロック104−3は、被写体距離を測定する測距ユニット5の動作も制御する。
なお、本発明に係る撮像装置は、後述するように、撮像された画像データに基づいてAF制御を行うものであるから、測距ユニット5による被写体距離の測定は必ずしも行う必要がなく、測距ユニット5を省いても良い。また、測距ユニット5を備えることにより、被写体距離の測定情報をストロボ回路114におけるストロボ発光制御に利用しても良い。測距ユニット5による被写体距離の測定情報を、撮像された画像データに基づく合焦制御に対して補助的に利用するようにしても良い。
さらに、CPUブロック104−3は、プロセッサ104の外部に配置されたサブCPU(SUB−CPU)109にも結合されており、サブCPU109は、LCDドライバ111を介してサブLCD1による表示を制御する。また、サブCPU109は、AF用LED8,ストロボLED9,リモコン受光部6,上記スイッチSW1からスイッチSW13からなる操作部およびブザー113にもそれぞれ結合されている。
USBブロック104−5は、USBコネクタ122に結合される。シリアルブロック104−6は、シリアルドライバ回路123−1を介してRS−232Cコネクタ123−2に結合される。
TV信号表示ブロック104−9は、LCDドライバ117を介してLCDモニタ10に結合され、また、TV信号表示ブロック104−9は、ビデオアンプ(AMP)118を介してビデオジャック119にも結合される。
メモリカードコントローラブロック104−10は、メモリカードスロット121のカード接点に結合されている。メモリカードがこのメモリカードスロット121に装填されると、メモリカードの接点に接触して電気的に接続され、装填されたメモリカードに画像ファイルを記憶する。
次に、上述のように構成された撮像装置の動作について説明する。図1乃至図3に示すモードダイアルSW2を記録モードに設定することによって、撮像装置が記録モードで起動される。モードダイアルSW2による記録モードの設定は、図4における操作keyユニット(SW1〜SW13)に含まれるモードダイアルSW2の状態が記録モード−オンになったことをサブCPU109経由でCPUブロック104−3が検知することによって行われる。CPUブロック104−3はモータドライバ7−5を制御して、鏡胴ユニット7を撮像可能な位置に移動させる。さらに、CCD101、F/E−IC102およびLCDモニタ10等の各部に電源を投入して動作を開始させる。各部の電源が投入されると、ファインダモードの動作が開始される。
ファインダモードにおいては、鏡胴ユニット7の撮像レンズを通して撮像素子であるCCD101に入射した被写体からの光によってCCD101の受光面に被写体像が結ばれる。被写体像は、電気信号に変換されてRGBのアナログ信号としてCDS102−1に入力され、AGC102−2を介してA/D変換器102−3に送られる。A/D変換器102−3でディジタル信号に変換されたR・G・Bの各信号は、プロセッサ104内の第2のCCD信号処理ブロック104−2が具備するYUV変換手段においてYUV画像データに変換されて、フレームメモリとしてのSDRAM103に記録される。なお、第2のCCD信号処理ブロック104−2は、RGB画像データにフィルタリング処理等の適切な処理を施してYUV画像データに変換する。このYUV画像データは、CPUブロック104−3により読み出され、TV信号表示ブロック104−9を介してビデオアンプ118およびビデオジャック119を介してTV(テレビジョン)に送られる。あるいは、LCDドライバ117を介してLCDモニタ10へ送られて表示に供される。この処理が1/30秒間隔で行われ、1/30秒毎に更新されるファインダモードにおける表示となる。
操作部のレリーズボタンSW1が押し下げられると、第1のCCD信号処理ブロック104−1に取り込まれたディジタルRGB画像データより、画面内の所定の少なくとも一部における合焦の度合いを示すAF評価値および露光状態を示すAE評価値が算出される。AF評価値は、特徴データとしてCPUブロック104−3に読み出されて、自動焦点検出手段によるAF処理に利用される。
合焦状態にある被写体は、そのエッジ部分が鮮明であるため、当該画像データに含まれる空間周波数の高周波成分が最も高くなる。被写体の画像データを用いて算出するAF評価値は、例えば変位量に対する微分値のように、高周波成分の高さを反映した値となるため、このAF評価値が極大値になる画像データを取得したフォーカスレンズ7−2aの位置が合焦位置となる。すなわち、AF評価値のピーク位置を判定することで合焦位置を決定することができる。
また、AF評価値の極大点が複数あらわれることも考慮に入れる必要がある。複数の極大点があった場合には、ピーク位置におけるAF評価値の大きさと、その周辺位置のAF評価値の変位方向(下降しているか、上昇しているか)と、その度合い(変位量)なども考慮することで、最も信頼性があると推定される極大点を合焦位置とするAF処理を行う。
AF評価値は、ディジタルRGB画像データ内の特定の範囲(以下、AF処理エリア、または、単に「エリア」という。)から算出することができる。図5はファインダモード時にLCDモニタ10に表示される画像面の例を示している。図5において、LCDモニタ10の中心部に表示されている枠内が当該撮像装置におけるAF処理エリアである。図5に示した例においてAF処理エリアは、RGB画像データの画面内の水平方向20%と垂直方向20%のサイズで囲まれた矩形範囲を、画面の中央に配置し、この矩形で囲まれた範囲をエリアとして予め設定している。
次に、AF処理時におけるフォーカスレンズ7−2aの移動タイミングとAF評価値の取得タイミングの関係について説明する。本実施例では、フォーカスレンズ7−2aの移動に用いる駆動手段としてパルスモーターを用いる場合(すなわち、フォーカスモータ7−2bがパルスモーターである場合)を例に説明する。パルスモーターは所定パルスレートによって駆動し、これによってフォーカスレンズ7−2aを移動させる。なお、フォーカスモータ7−2bにパルスモーターではなく、DCモータを用いることもできる。この場合は、設定される電圧によって駆動される。
フォーカスレンズ7−2aの移動は、VD信号パルスのタイミングとは非同期に所定のパルスレートで行われる。そのためVD期間中のパルスによる移動量は一定ではなく、各VD信号の立下り位置でのフォーカスレンズ7−2a位置をSDRAM103に随時、格納するようにしておく。そうすることでVD信号の立下り毎にフォーカスレンズ7−2aの位置を記録することができ、フォーカスレンズ7−2aを移動中にパルスレートが変更されても、フォーカスレンズ7−2aのどの位置で、どのAF評価値が算出されているかを確認することができる。
図19はAF処理時におけるフォーカスレンズ7−2aの移動タイミングとAF評価値の取得タイミングの関係を示すタイミングチャートの例である。図19において、あるフレームレートで画像データの取り込みを行う場合のVD信号を(a)、フォーカスレンズ7−2aの移動タイミングを(d)から(g)、電子シャッタにおける電荷掃き出しパルス(SUB)のタイミングを(b)、露光タイミングを(c)、として示している。
図19において、1つ目のVD信号(a)が発生すると、それをトリガーとして、フォーカスモータ7−2bが設定されたパルスレートに応じて駆動され、フォーカスレンズ7−2aを移動する(d)。また、VD信号(a)をトリガーとして電荷掃き出しパルス(b)が所定数発生し、この電荷掃き出しパルス(b)の数に応じて、CCD101に帯電している電荷の掃き出し処理が行われる。電荷掃き出し処理が終了した後に露光処理(c)が行なわれる。露光処理(c)によって、撮像レンズを介して被写体の映像が画像データとして取り込まれる。取り込まれた画像データを用いて所定の演算によってAF評価値が算出される。
パルスレート(dからg)は、焦点距離やフォーカスレンズ繰り出し量(フォーカス駆動範囲)などに応じて変化する。例えば図19に示した4つのパルスレートのうち、パルスレートを50ppsとする例が(d)、パルスレートを100ppsとする例が(e)、パルスレートを500ppsとする例が(f)、パルスレートを1000ppsとする例が(g)である。厳密には初速時の加速もあるため図19に示す変化とは若干異なる。図19(d)のような低いパルスレートの場合は、VD期間中(VD信号の立下り間隔の間)に生じるパルス量は少なくなるため、この状態でAF処理を行った場合は、微調の状態になる。逆に、図19(g)のように高いパルスレートの場合は、VD期間中に生じるパルス量は多くなるため、この状態でAF処理を行った場合は粗調の状態となる。
上記にて説明をしたAF処理の実施形態は、本発明に係る撮像装置が備える特徴ある制御プログラムによって実行される処理の例である。このAF処理を実行するプログラムは、図4に示した本発明にかかる撮像装置の例が備えるROM108に格納されている。
ここで、ROM108に格納される制御プログラムの例について説明する。図20は、ROM108に格納される制御プログラム、すなわち、本発明に係る撮像装置が備える機構を用いて、本発明に係る撮像方法を実行するAF処理プログラムの構成の例を示す機能ブロック図である。図20(a)において、AF処理プログラムは、開始スキャン処理部(108−1)、焦点位置検出処理部(108−2)、合焦位置決定処理部(108−3)、合焦位置移動処理部(108−4)を有してなる。
また、焦点位置検出処理部(108−2)は、図20(b)に示すように、AF駆動速度設定処理部(108−21)とAFエリア設定処理部(108−22)を有してなる。
開始スキャン処理部(108−1)は、次の焦点位置検出処理部(108−2)を実行するための開始位置へフォーカスレンズ7−2aを移動する際に順次算出されるAF評価値を用いて、被写体像の状態を確認し、それにあわせて開始位置を変更する処理機能である。
焦点位置検出処理部(108−2)は、上述した開始スキャン処理部(108−1)で決定された開始位置からフォーカスレンズ7−2aを移動させながら、AF評価値を算出し、算出されたAF評価値を後述する平滑微分演算を
行うことで、ピーク位置を判定する処理機能である。
行うことで、ピーク位置を判定する処理機能である。
合焦位置決定処理部(108−3)は、焦点位置検出処理部(108−2)において検出されたピーク結果から、最終的な合焦位置を決定する処理機能である。
合焦位置移動処理部(108−4)は、合焦位置決定処理部(108−3)において決定された位置へフォーカスレンズ7−2aを移動させためにフォーカスモータ7―2bを駆動させる処理機能である。
また、AF駆動速度設定処理部(108−21)は、開始スキャ処理部(108−1)で決定された開始位置からフォーカスレンズ7−2aを移動させながらAF評価値を算出する際の、フォーカスレンズ7−22aの移動速度を設定する処理機能である。
AFエリア設定処理部(108−22)は、開始スキャ処理部(108−1)で決定された開始位置からフォーカスレンズ7−2aを移動させながらAF評価値を算出する際の、AFエリアのサイズを設定する処理機能である。
次に、本発明に係る撮像装置およびこの撮像装置による撮像方法の実施形態について説明する。本実施例において説明する撮像方法は、上記した開始スキャン処理部(108−1)、焦点位置検出処理部(108−2)、合焦位置決定処理部(108−3)、合焦位置移動処理部(108−4)によって実行されるものである。
次に、本発明に係る撮像方法における処理の流れの例を説明する。図6は、本発明に係る撮像方法であるAF処理の例を示すフローチャートの例であって、レリーズボタンSW1が押下されたときのAF処理に関するものである。まず、レリーズボタンSW1が押下されたか否かを判定する(6−1)。レリーズボタンSW1が押下されているとき(6−1のYES)、開始スキャン処理(6−2)が開始される。この開始スキャン処理(6−2)は、本発明の特徴の一つであるから、図7のフローチャートを用いてより具体的に説明する。
図7において、まず、仮開始位置設定処理が行行われる(7−1)。仮開始位置とはAF処理を開始するフォーカスレンズ7−2aの位置を決定する前段階の仮位置のことである。後に行われるAF処理において、フォーカスレンズ7−2aの移動方向はバックラッシュの影響のない方向あるいはバックラッシュを除去する必要がない方向が好ましい。本実施例においては、近距離側から無限遠に向かう方向にあたるため、後のAF処理が行われるときのフォーカスレンズ7−2aの移動方向は、近距離側から無限遠側方向とする。つまり、仮開始位置は至近側におく必要がある。そこで、本実施例では至近位置である30cm位置の被写体に合焦するフォーカスレンズ7−2aの位置を、仮開始位置として設定する。
次に、フォーカス速度設定処理が行われる(7−2)。フォーカス速度は、開始スキャン処理に必要なAF評価値を算出する時間間隔に応じて設定される。本実施例に係る撮像装置のファインダモードにおけるフレームレートは、30fpsのため、1/30[sec]間隔でAF評価値を算出する場合に対応したフォーカス速度が設定される。このフォーカス速度設定処理の詳細な処理の流れの例について図8を用いて説明する。
図8において、フォーカス速度設定処理は、焦点距離に応じてフォーカスレンズ7−2aの移動速度(パルスレート)を設定している。まず、焦点距離が中間(Mean)未満か否かを判断する(8−1)。本実施例では、中間(Mean)の位置は35mmフィルム換算で80mmを想定している。焦点距離が中間(Mean)未満のとき(8−1のYES)、パルスレートを100ppsに設定する(8−2)。焦点距離が中間(Mean)以上であれば(8−1のNO)、パルスレートを500ppsに設定する(8−3)。このパルスレートの値に関しては、フォーカスレンズ位置がマクロ側にあれば、パルスレートを大きくするなど、フォーカスレンズ位置等に対応して可変するようにしておくことが望ましい。上記焦点距離を考慮しているのは、ズーム機能の搭載されたレンズを想定しているからである。なお、単焦点の鏡胴ユニットの場合は、例えば100ppsで固定してもかまわない。
図7に戻り、次に、フォーカス駆動が開始される(7−3)。フォーカス駆動とは、フォーカス速度設定処理(7−2)において、設定されたパルスレートを用いてフォーカスモータ7―2bを駆動して、フォーカスレンズ7−2aを移動させる処理である。フォーカス駆動を開始した後、VD信号を待ち(7−4)、VD信号毎に映像信号を取得して、この映像信号に基づく画像データによってAF評価値を算出する(7−5)。これにより、VD信号に同期させてフォーカスレンズを所定の向きに移動させ、AF評価値とフォーカス位置とを対応させることができるようにしておく。このようにして、フォーカス駆動開始位置が決定したとき、フォーカスレンズ7−2aの移動する位置を特定することができる。
次に、開始位置判定処理を行う(7−6)。開始位置判定処理(7−6)の具体例について、図9のフローチャートを用いて説明する。まず、現在のAF評価値と前回のAF評価値の差分を求め、それが「0」以上かどうかを判定する(9−1)。差分が「0」より上であったとき(9−1のYES)、AF評価値は上昇しているものと判断し、上昇フラグをオンにする(9−2)。また、下降カウントは「0」にしてリセットし(9−3)、開始位置判定処理を終了する。
AF評価値の差分が「0」以下であったとき(9−1のNO)、AF評価値は下降しているものと判断し、下降カウントに1を加算する(9−4)。次に、上昇フラグがオンか否かを判断する(9−5)。上昇フラグがオンであるとき(9−5のYES)、つまりAF評価値が上昇した後に下降しているときは、下降カウント数が「2」よりも大きい場合に(9−6のYES)、AF評価値のピークを検出したと判定して、ピーク検出フラグをオンにする(9−7)。
上昇フラグがオンでないとき(9−5のNO)、下降カウントが「4」よりも大きいか否かを判断して(9−9)、下降カウントが「4」よりも大きいときは(9−9のYES)、AF評価値のピーク位置をすでに行き過ぎて単調下降状態となっていると判定し、単調下降フラグをオンにする(9−10)。上昇フラグがオンでなく(9−5のNO)、下降カウントが「4」以下であれば(9−9のNO)、焦点検出動作の開始位置を決定することなく、処理を終了する。ピーク検出フラグをオンにした後(9−7)、または、単調下降フラグをオンにした後に、焦点検出動作の開始位置決定処理を行う(9−8)。
焦点検出動作の開始位置決定処理(9−8)において設定される位置は、AF評価値のピークが検出されたときは現在位置より「2」評価値手前の位置とし、単調下降であったときは現在位置より「3」評価値手前の位置とする。
図13は、AF評価値の例を示す図であって、横方向がAF評価値の算出位置、すなわちフォーカスレンズ7−2aの位置であり、縦方向がAF評価値の大きさを示す。すなわち、図13は、レンズ位置とAF評価値の大きさの相関の例を図示している。
図13(a)はピーク検出時のAF評価値の変位の例である。図13(b)は単調下降時のAF評価値の変位の例である。図13(c)は、ピーク検出もできず単調下降の判断もできないとき、例えば、被写体像が低コントラスト環境にあるときのAF評価値の変位の例である。図13において、黒丸で示したAF評価値に対して、白丸で示したAF評価値を算出したレンズの位置が開始位置として設定される。
開始スキャン処理(図6の6−2)は、バックラッシュの影響を受けない方向ないしはバックラッシュの影響を除去しなければならない方向である。そのため開始スキャン処理(図6の6−2)において合焦位置を決めてしまうと、焦点検出の精度として問題が生じることが多い。そこで、開始スキャン処理では次の処理である焦点位置検出処理(図6の6−3)におけるレンズ移動の開始位置を決定するだけにとどめ、AF処理を行うことで精度良く合焦させることができる点が本発明の特徴である。
図7に戻り、開始位置判定処理(7−6)のあと、現在位置が仮開始位置に到達しているか否かの判定を行う(7−7)。現在位置がまだ仮開始位置に到達していない場合(7−7のYES)は、開始位置が決定しているか否かの判定をし(7−8)、開始位置が決定している場合(7−8のYES)、つまりAF評価値のピークが検出されているか、もしくはAF評価値が単調下降していると判定されているとき、フォーカス停止処理(7−9)が行われて、停止動作を行い終了する。
また開始位置が決定していない場合(7−8のNO)は、VD信号を再度待ち、AF評価値を取得し、開始位置判定処理を繰り返す。また、上記ステップ(7−7)において、フォーカスレンズ7−2aが仮開始位置まで移動している場合(7−7のNO)、フォーカス停止処理(7−9)では、開始スキャン処理を始めたフォーカスレンズ7−2aの位置を開始位置と設定し(図13(c)参照)、開始スキャン処理を終了する。以上が本発明で特徴とする開始スキャン処理である。
図6に戻り、焦点位置検出処理部(図20(a)の108−2)により焦点位置検出処理が行われる(6−3)。焦点位置検出処理(6−3)の具体例を図10に示す。まず、VD信号の立ち下がりが検出されるまで処理を待つ(10−1)。VD信号の立ち下がりが検出された後に、AF駆動設定処理部(図20(b))にて、所定パルスレートの設定を行う(10−2)。フォーカス速度設定処理(10−2)の詳細について、図14のフローチャートを用いて説明する。
先ず、フォーカスレンズ7−2aの現在の位置が、前述した開始スキャン処理(6−2)で決定された開始位置以上であるかどうかを判定する(14−1)。ここで、フォーカスレンズ7−2aの位置は、無限遠を0として、至近側になればなるほど位置(数値)は大きくなるものとする。つまり、フォーカスレンズ7−2aの現在の位置が、決定された開始位置よりも、遠い側にあるかどうかを判定する。換言すれば、現在位置が開始位置よりも遠い側にある場合(14−1のYES)、開始スキャン処理(6−2)にて、何かしらの検出があったかどうかを確認する。確認対象としては、ピーク検出があったかどうか、または単調減少があったかどうかの確認である。
開始スキャン検出があった場合(14−2のYES)、その検出結果がピーク検出であるかどうかを確認する(14−3)。ピーク検出である場合(14−3のYES)つまり開始スキャン処理(6−2)にてピーク検出フラグがOnの時、焦点距離がMeanよりも短い場合(14−4のYES)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを50ppsに設定する(14−5)。焦点距離がMean以上のよりも長い場合(14−4のNo)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートは100ppsとする(14−8)。
開始スキャンの検出が無い場合(14−2のNO)、または開始スキャンの検出があった場合で(14−2のYES)、ピーク検出ではなく単調減少フラグがOnであった場合(14−3のNO)、焦点距離がMeanよりも短い場合は(14−7のYES)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとし(14−8)、焦点距離がMeanよりも長い場合は(14−7のNO)フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを500ppsとする(14−9)。
次に現在位置が開始位置未満、つまり現在位置が開始位置よりも至近側にいる場合(14−1のNO)、焦点距離がMeanよりも短い場合であって(14−10のYES)、かつ、開始スキャンの検出があった場合(14−11のYES)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとする(14−12)。開始スキャンの検出がなかった場合(14−11のNO)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとする(14−14)。
焦点距離がMeanよりも長く(14−10のNO)、かつ、開始スキャンの検出があった場合(14−13のYES)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを500ppsとする(14−14)。
焦点距離がMeanよりも長く(14−10のNO)、かつ、開始スキャンの検出がなかった場合(14−13のNO)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを1000ppsとする(14−15)。
このように、上記にて説明をした本実施例に係る撮像方法によれば、開始位置までの駆動に関しては、焦点距離や開始スキャンの結果がピーク検出であった場合は低速にし、また検出できなかった場合は高速にするようにパルスレートを変更することによって、ピーク位置までの到達時間を早めることができるためAF速度を高速化することが可能となる。
また、AFスキャン時(焦点検出時)の開始位置以降の焦点検出に関しては、ピークが検出されている場合は低いパルスレートに設定して微調することでAF精度を高め、単調減少の場合はそれよりも速いパルスレートに設定し、速度・精度の両方が向上するように駆動する。そうでない低コントラストのような環境下においては、その位置周辺にはピーク位置が絶対無いと判断し、ピークが検出されている場合や単調減少時よりも高速なパルスレートで駆動させ、高速化する。
ここで注意すべきは、実際にフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを変更する場合における加速と減速(スルーアップとスルーダウン)の度合いである。図17はスルーアップ・スルーダウンする際のパルスレートの上昇・下降度合いを示したものである。図17にて示す通り、パルスレートを低速から最高速(図17では2000pps)に加速しても、実際に最高速になるまでには数10パルス駆動する必要がある。同様に、パルスレートを最高速から低速に減速しても、実際に低速になるまでは、数10パルス分を要することになる。
つまり開始スキャン処理においてピークを検出した場合、開始位置まで最高速で設定して駆動した後に、低速に落とそうとしたときにピーク位置を通り過ぎている恐れがある。そのため本発明では開始位置以降の焦点検出でのパルスレートを、開始位置まで移動する際のフォーカスレンズ7−2aのパルスレートよりも低いパルスレートにする場合に、その減少度合いが急にならないように配慮している。
上記実施例においては、フォーカスモータ7−2bにパルスモーターを用いて説明しているが、DCモータを使用するようなレンズが重たいようなものを使用した場合には、前述の加速・減速の対策は特に重要となる。本発明に係る撮像装置は、そのような重たいレンズにも対応できる点が特徴でもある。
以上のように、開始スキャンの結果から被写体の環境を確認し、それに応じてパルスレートを変更して高速化し、または精度を上げるために低速化することで、さまざまな被写体に対してAF速度・精度を向上させることが可能となるのが本発明の特徴である。
次に図10に戻り、AF駆動速度設定処理(10−2)で設定されたパルスレートによってフォーカスモータ7−2bを駆動し、フォーカスレンズ7−2aを移動させる(10−3)。フォーカスレンズ7−2aを移動させた後に映像信号を取得し、この映像信号に基づく画像データによってAF評価値を取得する(10−4)。次に、このAF評価値より平滑微分演算処理(10−5)を行う。AF評価値の平滑微分演算処理については、移動するフォーカスレンズ7−2aから所定のタイミングで取り込まれた被写体の画像データを元に取得したAF評価値をX[0]とし、X[0]よりもa個前に取得されたAF評価値をX[−a]、X[0]よりもa個後に取得されたAF評価値をX[a]として、各AF評価値に対する重み係数をb1、b2・・とした場合、平滑微分値Y[0]は、以下の式1によって求めることができる。
(式1)Y[0]=Σ[i=0→a](X[i]−X[−i])×bi
上記平滑微分演算式の具体例を示す。現在のAF評価値(X[0])の前後3評価値を用いて平滑微分値Y[0]を求める場合、Y[0]=(X[−1]−X[1])×1+(X[−2]−X[2])×2+(X[−3]−X[3])×3となる。ここで、重み係数(bi=1,2,3・・・)は、現在のAF評価値X[0]に近いAF評価値(例えばX[1])を小さい係数とし、遠いAF評価値(例えばX[3])をより大きい係数とする。すなわち、現在値(X[0])との相関度合いが小さいものほど大きな値であればよい。なお、具体的な係数値は上記の例に限るものではない。
このようにフォーカスレンズ7−2aの移動に対応して取得するAF評価値の相関性を踏まえて上記の平滑微分値を求めることでAF評価値の極値を特定し、合焦位置を検出する。上記の演算式は前後3個のAF評価値を用いて平滑微分演算をするものであるが、演算に用いるAF評価値の個数はこれに限るものではない。
平滑微分値を求めるには複数個のAF評価値が必要となるため、焦点位置検出処理の開始直後やフォーカスレンズ7−2aの駆動終了範囲直前のAF評価値取得タイミングでは、平滑微分演算を行なうことができない。従って、焦点位置検出処理を開始してから平滑微分演算を開始できる個数のAF評価値を得るまで待ってから平滑微分演算処理を行なう。または、平滑微分演算処理に必要なAF評価値を、既に取得済のAF評価値を用いて推測し補間することで平滑微分演算処理を行う。
上記の焦点位置検出処理において、VD信号に同期して取得されるAF評価値と、AF評価値を基にして算出される平滑微分値の例を図11,12に示す。図11は焦点位置検出処理においてAF評価値の変位を示したものであり、縦軸はAF評価値の大きさを表わし、横軸はフォーカスレンズ7−2aの位置を示している。図11(a)は被写体輝度がLV10の場合であり、図11(b)はLV8の場合である。すなわち、図11(b)は、図11(a)よりも光量が少ない(暗い)環境で取得されたAF評価値に関するものである。従って、図11(b)に示す例では、隣接画素間の輝度差が微小であるため雑音の影響が大きく、AF評価値にバラツキが生じて複数のピーク位置が現われている。AF評価値のピーク位置(極大値)が図11(a)に示すように1カ所であれば、そこを合焦位置として設定すればよいが、図11(b)に示すように複数のピーク位置がある場合、どの位置を合焦位置とするかは単純に判定することはできない。
図12は、図11で示したAF評価値の平滑微分値を示したグラフである。図12において横軸は図11と同様にフォーカスレンズ7−2aの位置を示し、縦軸は平滑微分値の大きさを示す。図12(a)は図11(a)に示したAF評価値の変位を基にした平滑微分値を示す。図12(b)は図11(b)に示したAF評価値の変位を基にした平滑微分値を示す。図12(a)及び図12(b)に示すとおり、所定数のAF評価値が取得されるまでは平滑微分値は算出されない。所定数のAF評価値が取得された後に算出される平滑微分値は、フォーカスレンズ7−2aの移動に伴って変位し、ある点で符号が反転する。この反転する点がAF評価値の極大値(ピーク)に相当する。すなわち、先に示した演算式によって算出された平滑微分値の符号が反転する位置、すなわち平滑微分値がゼロの位置がAF評価値の極大点(ピーク位置)となる。このように、平滑微分値の符号が反転するAF評価値の取得位置を特定することで、合焦位置にフォーカスレンズ7―2aを移動させるAF処理を行うことができる。
図10において、平滑微分演算値より、ピーク位置検出処理を行う(10−6)。これは上記平滑微分値の符号が反転する点を検出する処理である。ピーク位置検出処理においてピークが検出されたか否かの判断を行い(10−7)、ピーク検出がされていない場合(10−7のYES)は、さらに現在のフォーカスレンズ7−2aの位置が終了位置まで達しているか否かの判定を行い(10−8)、達していない場合(10−8のYES)は、VD信号待ち(10−1)まで戻り、再度検出を行う。一方、現在のフォーカスレンズ7−2aの位置が終了位置まで達している場合(10−8のNO)は、AF処理を終了する。上記ピーク位置検出処理においてピーク検出がされている場合(10−7のNO)は焦点位置検出処理を終了する。
図6に戻り、焦点位置検出処理(6−3)の後、合焦位置決定処理を行う(6−4)。ここでは焦点位置検出処理においてピークが検出されている場合は、そのピーク位置を合焦位置と決定し、また検出できなかった場合はAFNGとして、NG位置を合焦位置と決定する。ここでのNG位置はおよそ2.5m程度離れた被写体に合焦するフォーカスレンズ7−2aの位置としている。最後に、フォーカスレンズを合焦位置へ移動させる処理を行う(6−5)。
以上説明した実施例1によれば、撮影レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させている間にAF評価値を取得し、被写体状態を確認することで、その後の焦点位置検出処理において、開始位置前後でのパルスレートを変更することでAF処理を精度良く、かつ、高速化することが可能となる。特に鏡胴ユニットによっては、その駆動範囲が大きいものや、動きの重いもの、駆動源としてDCモータを使用したものなどがあるが、これらのものに対しても有効である。
次に、本発明に係る撮像装置およびこれを用いた撮像方法の第2の実施形態について説明する。レリーズボタンSW1が押下されたときのAF処理に関しては実施例1と同じである。図6において、レリーズボタンSW1が押下されたときのAF処理は、まず、レリーズボタンSW1が押下されているかどうかを確認するステップ(6−1)から始まる。レリーズボタンSW1が押下されている場合(6−1のYes)は、開始スキャン処理部(108−1)にて開始スキャン処理を行う。この開始スキャン処理の部分は、図7に示すフローチャートを用いて既に説明したので、説明は省略する。
以上の処理を行った後、焦点位置検出処理部(108−2)より、焦点検出位置処理が実行される(6−3)。この焦点位置検出処理(6−3)が本実施例の特徴ある処理になる。ここで、本実施例に係る焦点位置検出処理の(6−3)詳細について図15を用いて説明する。図15において、まず、開始スキャン処理(6−2)の結果に基づいて、AFエリア設定処理(15−1)が実行される。AFエリア設定処理の詳細について、図16のフローチャートを用いて説明する。
まず、開始スキャン処理(6−2)でピーク検出フラグがOnになっている場合(16−1のYES)、AFエリアのサイズを、図18(a)に示すような通常のAFエリアのサイズよりも小さいサイズとする(16−2)。ここで通常のサイズよりも小さいAFエリアのサイズとは、例えば、水平10%、垂直10%のサイズである。ピーク検出フラグがOnでは無い場合であって(16−1のNO)、かつ、単調下降フラグがOnである場合(16−4のYES)、AFエリアを図18(b)に示すような、通常のサイズ(開始スキャン時と同じサイズ)とする(16−5)。
また、ピーク検出フラグがOnではない場合であって(16−1のNO)、かつ、単調下降フラグもOnで無い場合(16−4のNO)、被写体の環境が低コントラスト(もしくは低輝度)であると判断し、図18(c)に示すような、標準エリアよりも拡大したAFエリアとする。ここで拡大AFエリアは、例えば、水平40%、垂直30%とする(18−6)。このように、ピークが検出できている場合は、より小さなエリアを用いることによりピンポイントでピーク位置を検出する。単調下降のような場合は、まだスキャンの先がどうなっているかの判断が難しいため、開始スキャン処理時と同じエリアにする。低コントラストの場合は、開始スキャン時のエリア範囲では被写体を網羅できていない可能性があるため、エリアを拡大する。
最後に選択されたエリアを設定(16−3)して終了する。以上が本実施例でのAFエリア設定処理である。このように、被写体に応じてAFエリアのサイズを選択することで、より精度の高いAFスキャンを実現できるようにしているのがこの実施例での特徴である。
上記のようにAFエリア設定処理(15−1)にて、AFエリアのサイズが設定された後に、VD信号の立ち下がりを検出するまで待つ(15−2)。VD信号の立ち下がりを検出した後に、フォーカス速度設定処理(15−3)にて、所定パルスレートの設定を行う。フォーカス速度設定処理(15−3)に関しては図14のフローチャートを用いて説明する。先ず、現在フォーカスレンズ7−2aの位置が、前述した開始スキャン処理(6−2)で決定された開始位置以上であるかどうかを確認する(14−1)。フォーカスレンズ7−2aの位置は、無限遠を0として、至近側になればなるほど位置(数値)は大きくなるものとしている。つまり現在位置が開始位置よりも遠い側にあるかどうかを判断する。現在位置が開始位置よりも遠い側にある場合(14−1のYES)、開始スキャン処理(6−2)にて、何かしらの検出があったかどうかを確認する。確認対象としては、ピーク検出があったかどうか、または単調減少があったかどうかの確認である。
開始スキャンの検出があった場合(14−2のYES)、その検出結果がピーク検出であるかどうかを確認する(14−3)。ピーク検出である場合(14−3のYES)、つまり開始スキャン処理にてピーク検出フラグがOnの場合であって、焦点距離がMeanよりも短い場合(14−4のYES)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを50ppsとする(14−5)、ピーク検出フラグがOnの場合であって、焦点距離がMeanよりも長い場合(14−4のNO)はフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとする(14−8)。
次に開始スキャンの検出が無い場合(14−2のNO)、または開始スキャンの検出があった場合で(14−2のYES)、ピーク検出ではなく単調減少フラグがOnであった場合であって(14−3のNO)、かつ、焦点距離がMeanよりも短い場合は(14−7のYES)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとする(14−8)。
開始スキャンの検出が無い場合(14−2のNO)、または開始スキャンの検出があった場合で(14−2のYES)、ピーク検出ではなく単調減少フラグがOnであった場合であって(14−3のNO)、かつ、焦点距離がMeanよりも長い場合は(14−7のNO)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを500ppsとする(14−9)。
次に現在位置が開始位置未満、つまり現在位置が開始位置よりも至近側にいる場合であって(14−1のNO)、焦点距離がMeanよりも短い場合(14−10のYES)、かつ、開始スキャンの検出があった場合は(14−11のYES)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを100ppsとする。現在位置が開始位置未満、つまり現在位置が開始位置よりも至近側にいる場合であって(14−1のNO)、焦点距離がMeanよりも短い場合(14−10のYES)、かつ、開始スキャンの検出がない場合は(14−11のNO)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを500ppsに設定する(14−14)。
焦点距離がMeanよりも長い場合(14−10のNO)であって、開始スキャンの検出があった場合は(14−13のYES)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを500ppsに設定する(14−14)。焦点距離がMeanよりも長い場合(14−10のNO)であって、開始スキャンの検出がなかった場合は(14−13のNO)、フォーカスレンズ7−2aのパルスレートを1000ppsに設定する(14−15)。
本実施例のように、開始位置までの駆動に関しては、焦点距離や開始スキャンの結果がピーク検出であった場合は低速にし、また検出できなかった場合は高速にするようにパルスレートを変更することによって、ピーク位置までの到達時間を早めることができるためAF速度を高速化することが可能となる。
また、AFスキャン時の開始位置以降の焦点検出に関しては、ピークが検出されている場合は低いパルスレートに設定して微調することでAF精度を高め、単調減少の場合はそれよりも速いパルスレートに設定し、速度・精度の両方が向上するように駆動する。そうでない低コントラストのような環境下においては、その位置周辺にはピーク位置が絶対無いと判断し、ピークが検出されている場合や単調減少時よりも高速なパルスレートで駆動させ、高速化する。
ここで注意すべきは、実際にフォーカスレンズ7−2aのパルスレートを変更する場合における加速・減速(スルーアップ・スルーダウン)であって、実施例1にて説明したとおり、本発明では開始位置以降の焦点検出でのパルスレートを、開始位置までの移動する際のフォーカスレンズ7−2aのパルスレートよりも低いパルスレートにする場合に、その減少度合いが急にならないように配慮した。これは本発明ではパルスモーターを使用したフォーカスレンズ駆動をしているが、特にDCモータを使用するようなレンズが重たいようなものを使用した場合には特に重要となる。本発明はそういったレンズに対応できる点が特徴でもある。
以上のように、開始スキャンの結果から被写体の環境を確認し、それに応じてパルスレートを変更し高速化、または精度を上げるために低速化することで、さまざまな被写体に対してAF速度・精度を向上させることが可能となるのが本発明の特徴である。
次に図15に戻り、AFフォーカス駆動速度設定処理(15−3)で設定されたパルスレートによってフォーカスモータ7−2bを駆動し、フォーカスレンズ7−2aを移動させる(15−4)。フォーカスレンズ7−2aを移動させながら映像信号を取得し、この映像信号に基づく画像データによってAF評価値を算出し評価値を取得する(15−5)。次にこのAF評価値より平滑微分演算処理(15−6)を行う。AF評価値の平滑微分演算処理については、前述のとおり、移動するフォーカスレンズ7−2aから所定のタイミングで取り込まれた被写体の画像データを基に取得したAF評価値をX[0]とし、X[0]よりもa個前に取得されたAF評価値をX[−a]、X[0]よりもa個後に取得されたAF評価値をX[a]とし、各AF評価値に対する重み係数をb1、b2・・とした場合、平滑微分値Y[0]は、実施例1と同様に、
Y[0]=Σ[i=0→a](X[i]−X[−i])×bi
によって求めることができる。
Y[0]=Σ[i=0→a](X[i]−X[−i])×bi
によって求めることができる。
フォーカスレンズ7−2aの移動に対応して取得するAF評価値の相関性を踏まえて上記の平滑微分値を求めることでAF評価値の極値を特定し、合焦位置を検出する。上記の演算式は前後3個のAF評価値を用いて平滑微分演算をするものであるが、演算に用いるAF評価値の個数はこれに限るものではない。
平滑微分値を求めるには複数個のAF評価値が必要となるため、焦点位置検出処理の開始直後やフォーカスレンズ7−2aの駆動終了範囲直前のAF評価値取得タイミングでは、平滑微分演算を行なうことができない。従って、焦点位置検出処理を開始してから平滑微分演算を開始できる個数のAF評価値を得るまで待ってから平滑微分演算処理を行なう。または、平滑微分演算処理に必要なAF評価値を、既に取得済のAF評価値を用いて推測し補間することで平滑微分演算処理を行う。
上記の焦点位置検出処理において、VD信号に同期して取得されるAF評価値と、AF評価値を元にして算出される平滑微分値を用いる。本実施例における平滑微分値も先に説明をした実施例1の平滑微分値と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図15において、平滑微分演算値より、ピーク位置検出処理を行う(15−7)。これは上記平滑微分値の符号が反転する点を検出する処理である。ピーク位置検出処理においてピークが検出されたか否かの判断を行い(15−8)、ピーク検出がされていない場合(15−8のYES)は、さらに現在のフォーカスレンズ7−2aの位置が終了位置まで達しているか否かの判定を行い(15−9)、達していない場合(15−9のNO)は、VD信号待ち(15−2)まで戻り、再度検出を行う。上記ピーク位置検出処理においてピーク検出がされている場合(15−8のNO)は焦点位置検出処理を終了する。
図6に戻り、上記焦点位置検出処理が終了すると、続いて合焦位置決定処理(6−4)、そして合焦位置への移動処理を行い(6−5)、撮像装置による一連のAF処理は終了する。上記合焦位置決定処理(6−4)、合焦位置への移動処理(6−5)の具体例は、実施例1について説明した処理と同じであるから、ここでは説明を省略する。
以上説明した実施例2によれば、撮影レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させている間にAF評価値を取得し、被写体状態を確認することで、その後の焦点位置検出処理において、AFのエリアを可変にすることや、開始位置前後でのパルスレートを変更して精度良く、かつ高速化することが可能となる。特に鏡胴ユニットによっては、その駆動範囲が大きいものや、動きの重いもの、駆動源としてDCモータを使用したものなどがあるが、これらのものに対しても有効である。
本発明に係る撮像装置および撮像方法は、デジタルカメラをはじめとして、携帯電話に組み込まれたカメラ、その他各種カメラに適用可能である。本発明に係る撮像装置および撮像方法によれば、自動合焦に要する時間を短縮することができるため、シャッターチャンスを逃がすことの少なくすることができる。
7 鏡胴ユニット
101 撮像素子(CCD)
104 ディジタルスティルカメラプロセッサ
7−2a フォーカスレンズ
7−2b フォーカスモータ
7−5 モータドライバ
101 撮像素子(CCD)
104 ディジタルスティルカメラプロセッサ
7−2a フォーカスレンズ
7−2b フォーカスモータ
7−5 モータドライバ
Claims (20)
- 撮像レンズを通過してきた被写体からの光を受光する撮像素子と、上記撮像レンズを移動させるレンズ移動手段と、上記撮影素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出手段と、を有する撮像装置において、
上記自動焦点検出手段は、
上記レンズ移動手段が上記撮像レンズを焦点検出動作開始位置に向かって移動させるとき、移動中の所定の時間間隔で取得される上記画像データからAF評価値を算出し、上記算出されたAF評価値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定手段と、
上記決定された開始位置に基づいて、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。 - 上記開始位置決定手段は、上記AF評価値の増減に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記レンズ移動手段が上記撮像レンズを移動させる速度に係る設定値を変更し、または、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データのエリアに係る設定値を変更する、ことを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときは、上記レンズ移動手段における上記撮像レンズの移動速度を遅く設定することと特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値が単純下降しているとき、上記撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときよりも上記撮像レンズの移動速度を速く設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出できなかったとき、または、上記撮像レンズの移動中の算出したAF評価値が単純下降していると判断されなったときは、上記撮像レンズの移動中に取得した上記AF評価値が単純下降しているときよりも上記レンズ移動手段における上記撮像レンズの移動速度を速く設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出したときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、予め設定されていたエリアよりも小さく設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出したときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、予め設定されていたエリアを含む複数のエリアとして設定することを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値が単純下降しているときには、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、上記開始位置決定手段が予め設定されていたエリアと同じ大きさに設定することを特徴とする請求項1,2,7,8のいずれかに記載の撮像装置。
- 上記焦点検出設定変更手段は、上記開始位置決定手段が上記撮像レンズを移動中に合焦位置を検出しなかったとき、または、上記撮像レンズを移動中に算出したAF評価値が単純下降していると判断しなかったときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、上記開始位置決定手段が予め設定されていたエリアよりも大きく設定することを特徴とする請求項1,2、7乃至9のいずれかに記載の撮像装置。
- 撮像レンズを通過してきた被写体の光を撮像素子で受光しこの撮像素子から得た画像データによって焦点を決定する自動焦点検出工程、決定された焦点位置に向かって上記撮像レンズを移動させたとき、移動中の所定の時間間隔で取得される上記画像データから上記AF評価値を算出するAF評価値算出工程、算出された上記AF評価値に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定する開始位置決定工程、上記決定された開始位置に基づいて、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データの取得条件に係る設定値を変更する焦点検出設定変更工程、を有することを特徴とする撮像方法。
- 上記開始位置決定工程は、上記AF評価値の増減に基づいて自動焦点検出の開始位置を決定することを特徴とする請求項11記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記撮像レンズを移動させる速度に係る設定値を変更し、または、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データのエリアに係る設定値を変更する、ことを特徴とする請求項11または12記載の撮像方法。
- 上記開始位置決定工程は、上記撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときは、上記撮像レンズの移動速度を遅く設定することと特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値が単純下降しているとき、上記撮像レンズの移動中に合焦位置を検出したときよりも上記撮像レンズの移動速度を速く設定することを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出できなかったとき、または、上記撮像レンズの移動中の算出したAF評価値が単純下降していると判断されなったときは、上記撮像レンズの移動中に取得した上記AF評価値が単純下降しているときよりも上記撮像レンズの移動速度を速くすることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出したときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、予め設定されていたエリアよりも小さく設定することを特徴とする請求項11または12記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値によって合焦位置を検出したときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、予め設定されていたエリアを含む複数のエリアとして設定することを特徴とする請求項11または12記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズの移動中に算出した上記AF評価値が単純下降しているときには、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、上記開始位置決定工程が予め設定されていたエリアと同じ大きさに設定することを特徴とする請求項11,12,17,18のいずれかに記載の撮像方法。
- 上記焦点検出設定変更工程は、上記開始位置決定工程が上記撮像レンズを移動中に合焦位置を検出しなかったとき、または、上記撮像レンズを移動中に算出したAF評価値が単純下降していると判断しなかったときは、上記AF評価値の算出に用いる上記画像データ内のエリアを、上記開始位置決定工程が予め設定されていたエリアよりも大きく設定することを特徴とする請求項11,12、17乃至19のいずれかに記載の撮像装置。
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