JP2012093396A - 光重合性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、低屈折率硬化膜、固体撮像素子、並びに、新規化合物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1−1)及び(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物と、重合性化合物と、を含有する光重合性化合物。一般式(1−1)又は(1−2)中、R3は、−S−、−N(R8)−等を表し、Z1はシランカップリング基等から選択される相互作用性基を表す。
【選択図】なし
Description
また、光重合開始剤の別の態様としては、光の照射により光重合開始剤が開裂してラジカルを発生する態様があり、発生したラジカルが重合性化合物を重合させ、パターンを形成しカラーフィルタ製造用、印刷版等の画像記録用等のネガ型レジストなどに用いられている。
このため、光重合性組成物のなかでも、特にカラーフィルタ用途の組成物に関しては、色材(着色剤)を高濃度で含有しつつも良好なパターン形成性を得る必要があるという点から、高感度で硬化し、かつ発生ラジカルの拡散性が制御された光重合性組成物及びこれに用いられる高感度で、安定性の良好な光重合開始剤が望まれている。
本発明の第1の目的は、露光光に対し高感度で硬化し、優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物、特に着色剤や粒子を含有する場合においても優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、露光光源波長における透過度の低い着色領域形成おいてもパターン形成性が良好で、支持体との密着性に優れた着色パターンが形成された、有機EL表示装置や固体撮像素子等に有用なカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供提供することにある。
本発明の第3の目的は、中空粒子又は多孔質粒子を含み、支持体との密着性に優れ、かつ中空粒子又は多孔質粒子の膜中からの脱落による欠陥が抑制された低屈折率硬化膜を提供することにある。
本発明の第4の目的は、本発明のカラーフィルタを備えてなり、高解像度の固体撮像素子を提供することにある。
本発明の第5の目的は、光重合開始剤として有用な新規な化合物を提供することにある。
一般式(1−2)中、R1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1は、前記一般式(1−1)におけるR1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1とそれぞれ同義である。
一般式(2−2)中、R1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpとそれぞれ同義である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SRa、−CON(Ra)(Rb)、−OC(O)N(Ra)(Rb)、−OC(O)Ra、−C(O)ORa、−S(O)Ra、−S(O)2Ra。ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。
<5> 前記着色剤が顔料であり、更に、顔料分散剤を含有する<4>に記載の光重合性組成物。
<6> 前記着色剤が、黒色着色剤である<4>又は<5>に記載の光重合性組成物。
<7> 前記黒色着色剤がチタンブラックである<6>に記載の光重合性組成物。
<8> カラーフィルタの着色領域形成に用いられる<4>〜<7>のいずれかに記載の光重合性組成物
<9> 更に、中空粒子又は多孔質粒子を含有する<1>〜<3>のいずれかに記載の光重合性組成物。
<10> <9>に記載の光重合性組成物を用いた低屈折率硬化膜。
<11> 支持体上に、<8>に記載の重合性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
<12> 支持体上に、<8>に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、
前記光重合性組成物層をパターン状に露光する工程と、
露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法。
<13> <10>に記載の低屈折率硬化膜、又は、<11>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<14> 前記一般式(2−1)、一般式(2−2)、一般式(3−1)又は一般式(3−2)で表される化合物。
これは、特定オキシム化合物がその分子構造中に有する支持体相互作用性基を介して、光重合性組成物と接触する支持体表面と相互作用しうることから、当該特定オキシム化合物が光分解した際において、露光光源に近くラジカル発生量の多い膜表面のみならず、支持体表面近傍においても充分なラジカル種の発生が確保される結果、露光光に忠実に硬化するためと推測される。また、本発明の光重合性組成物をパターン露光して得られたパターンの形状は、アンダーカットが見られず形状の安定したパターンが得られる。これは、特定オキシム化合物は、支持体表面との強い相互作用により優れた膜内部硬化性を有するためであると推測される。
本発明によれば、露光光源波長における透過度の低い着色領域形成おいてもパターン形成性が良好で、支持体との密着性に優れた着色パターンが形成された、有機EL表示装置や固体撮像素子等に有用なカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供提供することができる。
本発明によれば、中空粒子又は多孔質粒子を含み、支持体との密着性に優れ、かつ中空粒子又は多孔質粒子の膜中からの脱落による欠陥が抑制された低屈折率硬化膜を提供することができる。
本発明によれば、本発明のカラーフィルタを備えてなり、高解像度の固体撮像素子を提供することができる。
本発明によれば、光重合開始剤として有用な新規な化合物を提供することができる。
本発明の光重合性組成物は、以下に詳述する一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物(以下、適宜「特定オキシム化合物」と称する。)と、重合性化合物と、を含有する光重合性化合物である。
以下、本発明の光重合性化合物に含まれる各成分について説明する。
本発明の光重合性組成物は、一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物(特定オキシム化合物)を含有する。
特定オキシム化合物は、光重合開始剤として機能する化合物である。
一般式(1−2)中、R1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1は、前記一般式(1−1)におけるR1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1とそれぞれ同義である。
R2で表されるアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェノキシエチル基、フェニルチオメチル基、フェニルチオエチル基等が挙げられる。
これらのアルキル基の中でも、炭素鎖にヘテロ原子を含有するアルキル基が特に好ましい。
R2で表されるアリール基として具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオレニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メチルチオフェニル基、m−メチルチオフェニル基、p−フェニルチオフェニル基等が挙げられる。
これらの中でも、R2で表されるアリール基としては、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル基が更に好ましい。
R2で表されるヘテロアリール基として具体的には、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられ、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピラニル基、イミダゾリル基、チオキサントリル基、カルバゾリル基がより好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、R8で表されるアリール基の好ましい範囲は、R1がアリール基を表す場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)におけるR9がアリール基を表す場合、その好ましい範囲は、R1がアリール基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)又は(1−2)におけるR10又はR11がアリール基を表す場合の好ましい範囲は、R1がアリール基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Y1で表される2価の有機基としては、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、又は、これらを組み合わせてなる2価の有機基が挙げられる。Y1で表される2価の有機基が含むアルキレン基は、そのアルキレン鎖が、酸素原子、硫黄原子、アミノ基、又はカルボニル基により分断されていてもよい。
Z1で表される特定相互作用性基は、任意の支持体と相互作用しうる官能基である。
ここで、「特定相互作用性基」が相互作用する「支持体」とは、共有結合、水素結合、π−π相互作用、金属への錯体形成等の相互作用により、一般式(1−1)又は(1−2)で表される化合物におけるZ1を介して、当該化合物を支持しうる材料を意味し、その形状は特に限定されず、板状物、粒子等のいずれであってもよい。
例えば、支持体が、金、銀、銅、白金、パラジウム、鉄などの金属や、GaAs、InPなどの半導体化合物である場合には、特定相互作用性基としては、チオール基、チオイソシアナト基などの含硫黄官能基、モノアルキルシラン基が好ましい。特に、支持体が、金である場合には、特定相互作用性基としてはチオール基が最も好ましい。
支持体が、白金、パラジウム、金、銀などの金属であれば、特定相互作用性基としてはニトリル基も好ましい態様の1つである。
支持体が、ZrO2、TiO2、Al2O3、Ta2O5、Zr/Al2O3などの金属酸化物である場合には、特定相互作用性基としては、ホスホン酸基、リン酸エステル基も好ましい態様の1つである。
支持体が、TiO2、Al2O3、ガラス、石英、ITO、シリコン基板などである場合には、相特定互作用性基としてはアミノ基が好ましい。
支持体が、水素終端化シリコン(Si−H)、ハロゲン化シリコン(Si−X、X=Cl,Br,I)などである場合には、特定相互作用性基としては、水酸基や、不飽和炭化水素基が好ましい。
支持体が、水素終端化ダイヤモンド(C−H)である場合には、特定相互作用性基としては不飽和炭化水素基が好ましい。
−Si(R14)m(R15)n (4)
[一般式(4)中、R14はアルキル基を表し、R15は、アルコキシ基、アシルオキシ基、水酸基、又はハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、且つ、m+n=3を表す。]
一般式(4)におけるR15がアルコキシ基を表す場合、該アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。最も好ましいアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、又はプロピロキシ基である。
一般式(4)におけるR15がアシルオキシ基を表す場合、該アシルオキシ基としては、炭素数1〜10のアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアシルオキシ基がより好ましい。
一般式(2−2)中、R1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpとそれぞれ同義である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SRa、−CON(Ra)(Rb)、−OC(O)N(Ra)(Rb)、−OC(O)Ra、−C(O)ORa、−S(O)Ra、−S(O)2Ra。ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。
一般式(3−1)又は(3−2)におけるR15としては、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
なかでも、炭素鎖の一部がヘテロ原子で中断されたアルキル基が特に好ましい。
本明細書における特定オキシム化合物のモル吸光係数は、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用いて0.01g/Lの濃度で測定した値をいう。
第1の合成法は、アクリレート部位を有するオキシム化合物又はα−ケトオキシム化合物を、触媒量のアミン存在下テトラヒドロフラン(THF)中で、3−メルカプトトリエトキシシランと混合し、室温で攪拌する方法である。
第2の方法は、不飽和結合部位を有するオキシム化合物を、触媒量のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)存在下、PEGMEA中で3−メルカプトトリメトキシシランと混合し、80℃で加熱攪拌する方法である。
以下、カルバゾール骨格を有するオキシム化合物又はジフェニルスルフィド化合物類を用いた例により説明する。
具体的には、まず、カルバゾール類又はジフェニルスルフィド化合物類に対し、2度のFriedel-Craftsアシル化反応を行い、中間体であるケトンを合成する。続いて、該中間体をヒドロキシルアミンと反応させ、オキシム化合物類である前駆体を得る。また、α−ケトオキシム化合物の場合は、中間体であるケトンに対し、THF中、NaOMe存在下で亜硝酸イソペンチルを0℃で作用させることで前駆体が得られる。
次に、対応する酸クロライドと反応させることで、上記オキシム化合物類が合成される。
また、線量検出のための材料、更には、半導体製造用、TFT製造用、カラーフィルタ製造用、マイクロマシン部品製造用等のレジスト材料にも利用することができる。
さらに、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成用途に使用される、光硬化性が付与された低屈折率材料(重合性組成物)としても好適に利用することができる。
光重合性組成物(1)は、カラーフィルタにおける着色領域を形成する目的で使用されることから、特定オキシム化合物、重合性化合物に加え、必要により、着色剤を含有する。以下、光重合性組成物(1)が含有する各成分について述べる。
光重合性組成物(1)が含有する特定オキシム化合物は、当該組成物中において、光重合開始剤として機能する。特定オキシム化合物の詳細は既述の通りである。
特定オキシム化合物の含有量がこの範囲であると、光重合性組成物に光照射したときの感度がより高く、しかも硬化した膜の硬度が適度に得られ、パターン成形したときにパターン成形性が良好で、強度のあるパターンが得られる。
特定オキシム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合性組成物(1)には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記特定オキシム化合物以外の公知の光重合開始剤を併用してもよい。この場合において、公知の光重合開始剤は、特定オキシム化合物の50質量%以下の範囲で用いることが好ましい。
以下、本発明において特定オキシム化合物と併用可能な重合開始剤の例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
さらに、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物も好適に用いることができる。
併用される他の重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、添加量によっては、重合開始剤の拡散によるパターン形状の悪化を招くため、その含有量は、特定オキシム化合物の含有量に対し、50質量%以下であることが好ましい。
光重合性組成物(1)に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
(但し、一般式(A)中、R4及びR5は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物類としては市販品を用いてもよく、市販品の例としては、例えば、東亞合成(株)製のカルボキシ基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシ基含有5官能アクリレートを含むTO−1382などが挙げられる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、光重合性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物を2種以上併用する場合、その組み合わせ態様は、光重合性組成物(1)に要求される物性等に応じて適宜設定することができる。重合性化合物の好適な組み合わせ態様としては、多官能のアクリレート化合物から選択された2種以上の重合性化合物を組み合わせる態様が挙げられ、その好適な例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等から選択された重合性化合物の組み合わせが挙げられる。
光重合性組成物(1)は、着色剤を含有することができる。着色剤を含有することにより、所望色の着色光重合性組成物を得ることができる。
なお、光重合性組成物(1)は、短波長の光源である365nmや405nmの光源に優れた感度を有する特定オキシム化合物を重合開始剤として含有するため、着色剤を高濃度に含有する場合にも高感度に硬化することができる。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等、
C.I.Pigment Black 1等、
光重合性組成物(1)は、着色剤として黒色着色剤を用いた場合においても、高感度であり、パターン形成性、及び支持体密着性を発揮する。
このため、光重合性組成物(1)は、カラーフィルタの着色領域(画素)の形成のみならず、ブラックマトリックスの形成に使用してもよい。ブラックマトリックス形成用に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物、又は酸化チタンなどの金属酸化物を含有する金属混合物等からなる顔料がが挙げられ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、分散安定性の観点から、100:0〜100:60の範囲が好ましい。
黒色着色剤としては、チタンブラックが好ましい。
光重合性組成物(1)においては、チタンブラックを、予め調製されたチタンブラック分散物として含むことでチタンブラックの分散性、分散安定性が向上する。チタンブラック分散物とは、色材としてチタンブラックを含有する分散物のことである。
以下、チタンブラックについて説明する。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又は、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
例えば、acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40〜45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
さらに、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒子径分布(以下、単に「粒子径分布」という。)は、(平均粒子径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
すなわち、本発明における重合開始剤である特定オキシム化合物は、光吸収効率が高いことから、光重合性組成物中に着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で重合、硬化することができ、他の重合開始剤を用いた場合と比較し、顕著に感度向上効果が発揮される。
光重合性組成物(1)が着色剤としてチタンブラックや有機顔料などの顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、さらに顔料分散剤を添加することが好ましい。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料100質量部に対して、5〜100質量部の範囲が好ましく、10〜80質量部の範囲であることがより好ましい。
また、顔料誘導体を併用する場合、顔料誘導体の使用量としては、顔料100質量部に対し、1〜30質量部の範囲にあることが好ましく、3〜20質量部の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量部の範囲にあることが特に好ましい。
以下、光重合性組成物(1)が含有しうる任意成分について説明する。
光重合性組成物(1)は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、特定オキシム化合物に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合性組成物(1)は、更に共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、特定オキシム化合物や前記増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
光重合性組成物(1)に好適なチオール化合物としては、下記一般式(VI)又は一般式(VII)で表されるものがより好ましい。
一般式(VII)中、R30は、アルキル基、又はアリール基を表し、X1は、一般式(VI)のX1と同義である。
光重合性組成物(1)においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、更にバインダーポリマーを使用することができる。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とするために、水或いは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独或いは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独或いは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
光重合性組成物(1)においては、光重合性組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分に対し、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
光重合性組成物(1)においては、形成された硬化膜の支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。なお、特定オキシム化合物は、密着向上剤には包含されない。
密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。これらの例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
密着向上剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分中、0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.7質量%〜20質量%がより好ましい。
光重合性組成物(1)は、種々の有機溶剤を含有してもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。
光重合性組成物(1)は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する光重合性組成物(1)を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
界面活性剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
光重合性組成物(1)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
更に、光重合性組成物(1)に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の光重合性組成物は、パターン状の露光により露光領域が高感度で硬化して強固かつ、中空粒子又は多孔質粒子を高濃度に含有した場合でも、硬化膜中からの粒子の脱落が抑制された被膜を形成しうることから、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成用途に有用である。
以下、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成に好適な本発明の光重合性組成物である光重合性組成物(2)について、その好ましい態様について述べる。
光重合性組成物(2)が含有する特定オキシム化合物は、該組成物中、重合開始剤として機能しうる。光重合性組成物(2)における特定オキシム化合物は、既述のものである。
光重合性組成物(2)における特定オキシム化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
特定オキシム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合性組成物(2)においても、本発明の効果を損なわない範囲において、特定オキシム化合物以外の他の公知の重合開始剤を併用してもよい。
他の重合開始剤としては、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0139]、等に記載される重合開始剤が挙げられる。
光重合性組成物(2)に用いうる他の光重合開始剤の例としては、光重合性組成物(1)において挙げたものが同様に挙げられる。
光重合性組成物(2)が含有する重合性化合物としては、光重合性組成物(1)にて既述した付加重合性化合物が同様に好ましいものとして挙げられる。
また、これらの付加重合性化合物は、単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。硬化膜の屈折率を低くするために、重合性化合物としての屈折率は1.55以下、より好ましくは1.50以下であることが好ましい。
光重合性化合物(2)は、中空粒子又は多孔質粒子を含有してもよい。
中空粒子は、内部に空洞を有する構造のものであり、外郭に包囲された空洞を有する粒子を指し、多孔質粒子は、多数の空洞を有する多孔質の粒子を指す。以下、光重合性化合物(2)が含有しうる中空粒子又は多孔質粒子を、適宜「特定粒子」と称する。
特定粒子は、有機粒子であっても、無機粒子であってもよい。
特定粒子の中でも、屈折率を低下しやすい観点から、中空粒子であることがより好ましい。例えば、中空粒子をシリカで構成した場合には、中空シリカ粒子は、屈折率の低い空気(屈折率=1.0)を有しているため、その屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低くなる。
特定粒子の平均一次粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均一次粒子径とする。本明細書における平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出する。
ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、粒子が中空粒子である場合、中空粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。粒子が多孔質粒子である場合、多孔質粒子の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定することができる。
これらの無機粒子の平均一次粒子径は、1nm〜100nmであることが好ましく、1nm〜60nmであることがより好ましい。
無機粒子は、必要な空隙率を満たす限りにおいて、結晶系は、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよく、また単分散粒子でも、所定の粒子径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形状が最も好ましいが、数珠状、長径と短径の比が1以上の形状、あるいは不定形状であってもよい。
すなわち、無機粒子がシリカ粒子であり、カップリング剤がシラン化合物である場合、シラン化合物とシラノール基との反応により、オルガノシリル基(モノオルガノシリル、ジオルガノシリル、トリオルガノシリル基)がシリカ粒子の表面に結合するものである。表面処理されたシリカ粒子がその表面に有する有機基としては、飽和又は不飽和の炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。
上記カップリング剤は、無機粒子の表面処理剤として低屈折率膜用塗布液の調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられても、塗布液調製時にさらに添加剤として添加してもよい。
無機粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
シリカからなる特定粒子としては市販されているものを好ましく用いることができる。
例えば、日揮触媒化成(株)製スルーリアシリーズ(中空粒子、イソプロパノール(IPA)分散、4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)分散など)、OSCALシリーズ、日産化学(株)製スノーテックスシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、エチレングリコール分散、メチルエチルケトン(MEK)分散、ジメチルアセトアミド分散、MIBK分散、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メタノール分散、酢酸エチル分散、酢酸ブチル分散、キシレン−n−ブタノール分散、トルエン分散など)、日鉄鉱業(株)製シリナックス(多孔質粒子)、扶桑化学工業(株)製PLシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、トルエン分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メチルエチルケトン分散など)、EVONIK社製アエロジルシリーズ(多孔質粒子、プロピレングリコールアセテート分散、エチレングリコール分散、MIBK分散など)などのシリカ粒子を用いることができる。
光重合性組成物(2)が特定粒子を含有する場合には、該特定粒子の分散性を向上させる観点から、更に、粒子分散剤を含有することが好ましい。
分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
また、フォスファノール ML−200、エマール20T、E−27、ネオペレックスGS、ペレックスNBL、SS−H、SS−L、ポイズ532A、ラムテルASK、E−118B、E−150(花王(株))、EMULSOGEN COL−020、070、080(クラリアント)、プライサーフ A208B、A210B、A210G、A219B、AL、ラベリンFC−45(第一工業製薬(株))、パイオニン A−24−EA、A−28−B、A−29−M、A−44−B、A−44TW(竹本油脂(株))、AKYPO RLM100NV、RLM45、RLM45NV、ECT−3、ECT−3NEX、ECT−7、ホステンHLP、HLP−1、HLP−TEA(日本サーファクタント工業(株))が挙げられる。
これらの粒子分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
具体的には、粒子分散剤が分散樹脂である場合、その含有量は、特定粒子に対して、5〜100質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
光重合性組成物(2)は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーは、膜性向上の観点から含有されるものであって、膜性を向上させる機能を有していれば、種々のものを使用することがすることができる。
光重合性組成物(2)は、(A)特定オキシム化合物等の重合開始剤とともに増感剤を含有することが好ましい。本発明において用いうる増感剤としては、分光増感色素、光源の光を吸収して重合開始剤と相互作用する染料又は顔料などが挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては、例えば、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0144]〜[0202]、等に記載されるものが挙げられる。
増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。光重合性組成物(2)中の全重合開始剤と増感色素のモル比は100:0〜1:99であり、より好ましくは90:10〜10:90であり、最も好ましくは80:20〜20:80である。
光重合性組成物(2)には、感度を一層向上させる、或いは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。
光重合性組成物(2)は、該組成物の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
光重合性組成物(2)においては、形成された硬化膜の支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着促進剤を添加することができる。なお、特定オキシム化合物は、密着向上剤には包含されない。
密着促進剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
光重合性組成物(2)には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する光重合性組成物(2)を適用した塗布液を用いて膜形成する場合において、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
光重合性組成物(2)は、界面活性剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、界面活性剤の含有量は、光重合性組成物(2)の全固形分質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
光重合性組成物(2)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
更に、光重合性組成物(2)に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物〔光重合性組成物(1)〕を塗布して光重合性組成物層を形成する工程(以下、適宜「光重合性組成物層形成工程」と称する。)と、前記光重合性組成物層を、パターン状に露光する工程(以下、適宜「露光工程」と称する。)と、露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と称する。)と、を含む方法により製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルタについては、その製造方法を通じて詳述する。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
光重合性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の光重合性組成物(1)を塗布して光重合性組成物からなる層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、光重合性組成物の塗布膜厚としては、解像度と現像性の観点から、0.35μm〜1.5μmが好ましく、0〜40μm〜1.0μmがより好ましい。
支持体上に塗布された光重合性組成物(1)は、通常、70℃〜110℃で2分〜4分程度の条件下で乾燥され、光重合性組成物層が形成される。
露光工程では、前記光重合性組成物層形成工程において形成された光重合性組成物層をパターン状に露光する、パターン露光は、通常、マスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる方法で行われるが、走査露光によるパターン露光でもよい。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好ましい。露光に用いる放射線としては、365nmの波長を有するものが最も好ましい。照射強度は5mJ/cm2〜1500mJ/cm2が好ましく10mJ/cm2〜1000mJ/cm2がより好ましく、10mJ/cm2〜800mJ/cm2が最も好ましい。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分(着色パターン部分)だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒である。
また、無機の現像液も使用可能であり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが使用できる。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、本発明の光重合性組成物(1)を用いているため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、硬化した組成物は耐現像性に優れる。これによって、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。従って、液晶表示装置やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。つまり、本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子に適用されることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、光重合性組成物(1)を用いているため、露光部の基板との密着性が良好であり、形成された着色パターンの形状が良好であるために、支持体基板との高い密着性を示し、形状がシャープな着色画素を有することから、液晶表示装置用のカラーフィルタとしても好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示素子は、表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)
方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
本発明のカラーフィルタは、)特定オキシム化合物を含有する組成物を硬化させて得られるものであり、支持体との密着性に起因して剥離液体耐性に優れ、形成された画素のパターン形状も良好であることから、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。
さらに、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
材料・ケミカルズの市場(島 健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
次に、本発明の低屈折率硬化膜及びその製造方法について説明する。
本発明の低屈折率硬化膜は、光重合性組成物(2)を用いて光重合性組成物層を形成する工程(以下、適宜「光重合性組成物層形成工程」と称する。)、前記光重合性組成物層を露光する工程(以下、適宜「露光工程」と称する。)、及び、露光後の光重合性組成物層をアルカリ現像液により現像して硬化膜を形成する現像工程(以下、適宜「現像工程」と称する。)を含む方法により製造することができる。
光重合性組成物層は、本発明の光重合性組成物により形成される。
本発明の光重合性組成物から形成され光重合性組成物層の形成方法は特に限定されないが、例えば、該光重合性組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法、インクジェット法等の任意の方法により、基板(支持体)に塗布した後、溶媒を必要に応じて加熱処理で除去して塗膜(光重合性組成物層)を形成し、プリベーク処理を施すことにより形成することができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、光重合性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、感光性組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
光重合性組成物層を露光する工程は、必要に応じてマスクを介して行われる。
この露光に適用し得る活性光線又は放射線としては、赤外光、g線、h線、i線、KrF光、ArF光、X線、電子線等を挙げることができる。露光量、感度、解像度の観点から、i線、KrF光、ArF光、電子線が好ましく、さらに汎用性の観点から、i線、KrF光が最も好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm2〜10000mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。KrF光を用いる場合は、30mJ/cm2〜300mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。
また、露光した光重合性組成物層は、必要に応じて、次の現像処理前にホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜180℃で、0.5分間〜15分間程度加熱することができる。
続いて、露光後の光重合性組成物層に対し、露光部を現像してパターン膜(硬化膜)を得る(現像工程)現像液にて現像を行う(現像工程)。これにより、ネガ型のパターン(レジストパターン)を形成することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.3質量%の水溶液が望ましい。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液を感光性膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、更に好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液が光重合性組成物層に与える圧力が小さくなり、光重合性組成物層及びパターン膜が不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
このポストベークにおいて、加熱温度は、通常、120〜250℃、好ましくは160〜230℃である。また加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常、5〜30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30〜90分間程度である。
また、ポストベークに際しては、2回以上加熱するステップベーク法等を採用することもできる。
これにより、耐光性、耐気候性、膜強度が向上し、さらに低屈折率性も向上させることができる場合がある。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0.1〜50keVが好ましく、より好ましくは0.2〜30keV、特に好ましくは0.5〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0.01〜5μC/cm2、より好ましくは0.01〜2μC/cm2、特に好ましくは0.01〜1μC/cm2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜500℃が好ましく、より好ましくは20〜450℃、特に好ましくは20〜400℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。
重合体の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
以上のようにして得られた本発明の低屈折率硬化膜(パターン膜)は、優れた低屈折率性を示す。具体的には、パターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)は、1.35以下であることが好ましく、1.23〜1.34であることがより好ましく、1.24〜1.30であることが特に好ましい。上記範囲内であれば、後述する反射防止膜として有用である。
本発明の低屈折率硬化膜の好適な使用態様として、反射防止膜が挙げられる。特に、光学デバイス(例えば、イメージセンサ用マイクロレンズ、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスなど)用の反射防止膜として好適である。
反射防止膜のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
以下に、多層型の場合の各層について詳述する。
低屈折率層は、上述のように本発明の光重合性組成物を用いて得られるパターン膜から構成される。低屈折率層の屈折率及び厚さについて説明する。
本発明の組成物を用いて得られるパターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)、即ち、低屈折率膜(低屈折率層ともいう)の屈折率を1.35以下とすることが好ましい。この理由は、低屈折率膜の屈折率が1.35以下であることにより、高屈折率膜(高屈折率層ともいう)と組み合わせた場合に、反射防止効果を確実に発現させることができるためである。
低屈折率膜の屈折率を1.34以下とするのがより好ましく、1.33以下とするのがさらに好ましい。尚、低屈折率膜を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよい。
低屈折率層の厚さについても特に制限されるものではないが、例えば、20〜300nmであることが好ましい。低屈折率層の厚さが20nm以上となると、下地としての高屈折率膜に対する密着力が確実に得られ、一方、厚さが300nm以下となると、光干渉が生じにくく、反射防止効果がより確実に得られやすい。従って、低屈折率層の厚さを20〜250nmとするのがより好ましく、20〜200nmとするのがさらに好ましい。尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを20〜300nmとすればよい。
高屈折率層を形成するための硬化性組成物としては、特に制限されるものでないが、膜形成成分として、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シアネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを含むことが好ましい。これらの樹脂であれば、高屈折率層として、強固な薄膜を形成することができ、結果として、反射防止膜の耐擦傷性を著しく向上させることができる。
しかしながら、通常、これらの樹脂単独での屈折率は1.45〜1.62であり、高い反射防止性能を得るには十分で無い場合がある。そのため、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することにより、屈折率1.70〜2.20とすることが好ましい。また、硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる硬化性組成物を用いることができるが、より好適には生産性の良好な紫外線硬化性組成物が用いられる。
本発明の反射防止膜に用いるハードコート層の構成材料については特に制限されるものでない。このような材料としては、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
本発明の反射防止膜に用いうる基板の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる透明基板及びシリコンウエハを挙げることができる。これらの基板を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、液晶表示装置におけるカラーフィルターあるいは撮影素子等の広範な反射防止膜の利用分野において、優れた反射防止効果を得ることができる。
[合成例1:1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシムの合成]
氷浴で冷却したN−エチルカルバゾール(0.257mol)のクロロベンゼン(120mL)溶液に対して、塩化アルミニウム(268mol)を加えて溶解させた。次に、この溶液に同温度条件下でベンゾイルクロライド(0.267mol)を40分かけて滴下し、その後室温まで昇温し、一時間攪拌した。この反応液を再び、氷浴で冷却し、塩化アルミニウム(0.283mol)を加えて溶解させ、続いて同温度条件下でアセチルクロライド(0.308mol)を40分かけて滴下した後、室温まで昇温し、一時間攪拌した。この反応溶液を、氷浴で冷やした3.5N塩酸水280mLに注ぎ、更にここに8N塩酸水を200mL加えた後、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを溶媒留去し、12時間静置する。ここで、生じた固体をろ取することで1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノン(0.241mol)を得た。
ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.0652mol)及び、酢酸ナトリウム(0.0640mol)を水50mLに溶解させた水溶液を調製した。この水溶液に対し、1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノン(0.0595mol)の溶解したN−メチルピペリドン(NMP)120mL溶液を滴下し、滴下後80℃で1時間加熱攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0583mol)を得た。合成スキームは以下の通りである。
氷浴で冷却した1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0303mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0367mol)が溶解した酢酸エチル(100mL)とテトラヒドロフラン(50mL)との混合溶液に対して、アクリルクロライド(0.0370mol)を滴下し、滴下後同温度条件で1時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られるオイル状液体をN−メチルピペリドン(NMP)に溶かし、この溶液を水に加え再沈殿を行った後、ろ取することで1−(6‐ベンゾイル−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)エタノンオキシム−O−プロパ−2−エンー1−オン(0.0275mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
(1H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.73(t、2H,)、1.23(m、9H)、1.50(t、3H)、1.68〜1.80(m、2H)、2.52(s、3H)、2.62(t、2H)、2.80〜2.96(m、4H)、3.81(q、6H)、4.44(q、2H)、7.45〜7.60(m、4H)、7.62(t、1H)、7.85(dd、2H)、8.00(dd、1H)、8.10(dd、1H)、8.47(d、1H)、8.61(d、1H)
氷浴で冷却した1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0152mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0184mol)が溶解したテトラヒドロフラン(100mL)溶液に対して、4−ペンテノイルクロライド(0.0182mol)を滴下し、滴下後同温度条件で12時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られる固体を2−プロパノールにより再結晶を行い1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム−O−ペンタ−4−エンー1−オン(0.0081mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
(1H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.74〜0.80(m、2H,)、1.50(t、3H、J=7.2Hz)、1.64〜1.69(m、4H)、1.72〜1.85(m、2H)、2.51(s、3)、2.50〜2.60(m、6H)、3.75(S、9H)、4.44(q、2H、J=7.2Hz)、7.42〜7.48(m、2H)、7.50〜7.56(m、2H)、7.58〜7.66(m、1H)、8.00(dd、1H、J=8.7、1.8Hz)、8.10(dd、1H、J=8.4、1.8Hz)、8.47(d、1H、J=1.2Hz)、8.60(d、1H、J=1.2Hz)
上記の合成例1と同様に合成した中間体1(0.0200mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0232mol)が溶解した酢酸エチル(200mL)とテトラヒドロフラン(50mL)混合溶液に対して、アクリルクロライド(0.0238mol)を滴下し、滴下後同温度条件で1時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られるオイル状液体をN−メチルピペリドン(NMP)に溶かし、この溶液を水に加え再沈殿を行った後、ろ取することで中間体2(0.0155mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
(1H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.74(t、2H,)、1.23(m、9H)、1.51(t、3H)、1.65〜1.80(m、2H)、2.59(t、3H)、2.70〜2.89(m、4H)、3.12〜3.28(m、4H)、3.82(q、6H)、4.47(q、2H)、7.22〜7.32(m、4H)、7.49〜7.59(m、4H)、7.63(t、1H)、7.86(dd、2H)、8.10(dd、1H)、8.30(dd、1H)、8.65(dd、1H)、8.91(dd、1H)
〔1.着色光重合性組成物A−1の調製〕
カラーフィルタ形成用の光重合性組成物として、着色剤として顔料を含有するネガ型の着色光重合性組成物A−1を調製し、これを用いてカラーフィルタを作製した。
顔料としてC.I.ピグメント グリーン58と、C.I.ピグメント イエロー180との30/70(質量比)混合物40部、分散剤としてBYK2001〔Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%〕10部(固形分換算約4.51部)、及び、溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
得られた顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒子径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
下記組成A−1の成分を混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、着色光重合性組成物A−1を調製した。
<組成A−1>
・顔料分散液(P1) 600部
・バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(mol比:80/10/10、Mw:10,000) 200部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 60部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 60部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と略称する。) 1,000部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1部
・密着向上剤:γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5部
2−1.着色光重合性組成物層の形成
上記により得られた着色光重合性組成物A−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態に保持し、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して重合性組成物塗膜(着色光重合性組成物層)を形成した。
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリアランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、2.5kWの超高圧水銀灯を用いて、着色光重合性組成物層をパターン状に露光した。露光後の着色光重合性組成物層の全面を、無機系現像液(商品名:CD、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
その後、着色光重合性組成物層上に、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、次いで、220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に緑色(G)の着色パターンを有するカラーフィルタを得た。
着色光重合性組成物A−1の保存安定性及び露光感度、並びに、ガラス基板上に着色光重合性組成物を用いて着色パターンを形成した際の現像性、得られた着色パターンの加熱経時での基板密着性、パターン断面形状及び後加熱パターン断面形状について、下記のようにして評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
着色光重合性組成物A−1を、ガラス基板上にスピンコート塗布後、乾燥して膜厚1.0μmの塗膜を形成した。スピンコート条件は、300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、得られた塗膜を、線幅2.0μmのテスト用のフォトマスクを用い、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)により、10mJ/cm2〜1600mJ/cm2の種々の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して、露光後の塗膜を、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、エアー乾燥し、パターニングを完了した。
「2−3.加熱処理」においてポストベークを行った後形成されたパターンの断面形状をSEM観察して評価した。パターンの断面形状は矩形が最も好ましく、順テーパーが次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。
基板密着性は、パターン欠損が発生しているか否かを観察し、下記基準に基づいて評価した。
−評価基準−
◎:パターン欠損がまったく観察されなかった
○:パターン欠損が露光部パターン1.0μm四方あたり1から3個観察された
△:パターン欠損が露光部パターン1.0μm四方あたり3個を超え、10個以内観察された
×:パターン欠損が著しく多く観察された
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無をSEM(倍率:20000倍)にて観察し、現像性を評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
◎:未露光部には、残渣が全く観察されない
○:未露光部1.0μm四方に残渣が1から3個観察された
△:未露光部1.0μm四方に残渣が3個を超え、10個以内観察された
×:未露光部に、残渣が著しく確認された
実施例1−1での着色光重合性組成物A−1の調製に用いた組成A−1において、特定化合物1を、下記表1に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成A−1と同様にして、着色光重合性組成物A−2〜A−8及びA’−1〜A’−3を調製した。
更に、着色光重合性組成物A−2〜A−8及びA’−1〜A’−3を用いて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
〔1.レジスト液の調製〕
下記組成の成分を混合して溶解し、レジスト液を調製した。
−レジスト液の組成−
・PGMEA 19.20部
・乳酸エチル 36.67部
・樹脂:〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液〕 30.51部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.0061部
・フッ素系界面活性剤:DIC(株)製 F−475 0.83部
・光重合開始剤:みどり化学(株)製 TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤) 0.586部
6inchシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に前記レジスト液を乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハ基板を得た。
−C.I.Pigment Blue15:6分散液の調製−
C.I.Pigment Blue15:6を11.5部(平均一次粒子径:55nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を3.5部、PGMEA85部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装社製))により測定したところ、25nmであった。
<組成B−1>
・溶剤:PGMEA 21.09部
・重合性化合物1(下記構造) 0.582部
・重合性化合物2(下記構造) 0.582部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.360部
・着色剤:染料化合物1(下記構造) 1.200部
・Pigment Blue−15:6分散液(固形分濃度13.17%、顔料濃度10.13%) 24.8766部
・界面活性剤:DIC(株)製、商品名:F−781、PGMEAの1.0%溶液
1.250部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール(PGMEAの1.0%溶液)
0.060部
前記3.で調製した着色光重合性組成物B−1を、前記2.で得られた下塗り層付シリコンウエハ基板の下塗り層上に塗布し、重合性組成物の塗布膜を乾燥膜厚が0.6μmになるように形成し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長でパターンが2μm四方のIslandパターンマスクを通して10〜1600mJ/cm2の露光量で照射した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機〔DW−30型、(株)ケミトロニクス製〕の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板上に着色パターンを形成した。
以上のようにして、基板上に着色パターンが形成されたカラーフィルタを得た。
実施例2−1での着色光重合性組成物B−1の調製に用いた組成B−1において、特定化合物1を、下記表2に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成B−1と同様にして、着色光重合性組成物B−2〜B−8及びB’−1〜B’−3を調製した。
更に、着色光重合性組成物B−2〜B−8及びB’−1〜B’−3を用いて、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
−C.I.Pigment Red254分散液の調製−
C.I.Pigment Red254を14.0質量部(平均一次粒子径75nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を4.0質量部、PGMEA85質量部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装(株製))により測定したところ、30nmであった。
C.I.Pigment Yellow139を13.0質量部(平均一次粒子径70nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を3.0質量部、PGMEA90質量部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装(株)製))により測定したところ、25nmであった。
<組成C−1>
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 17.9部
・着色剤:C.I.PigmentRed 254の分散液 26.7部
(固形分:15質量%、固形分中の顔料含有率:60%)
・着色剤 C.I.PigmentYellow 139の分散液 17.8部
(固形分:15質量%、固形分中の顔料含有率:60%)
・重合性化合物:ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの3:7の混合物 3.5部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.5部
・バインダーポリマー:ベンジルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=70/30) 2.0部
実施例3−1での着色光重合性組成物C−1の調製に用いた組成C−1において、特定化合物1を、下記表3に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成C−1と同様にして、着色光重合性組成物C−2〜C−8及びC’−1〜C’−3を調製し、カラーフィルタを得た。
更に、着色光重合性組成物C−2〜C−8及びC’−1〜C’−3を用いて、実施例3−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
(黒色光重合性組成物の調製)
<チタンブラック分散液Aの調製>
下記組成d−1を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。この際の分散物の粘度は40,000mPa・sであった。
・着色剤:チタンブラック(平均一次粒子径75nm、三菱マテリアルズ(株)製13M−C) 35部
・溶剤:PGMEA 65部
・分散樹脂1(下記構造:x:50モル%、y:50モル%、Mw:30,000)のPGMEA 30%溶液 30部
下記組成D−1を攪拌機で混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、黒色光重合性組成物D−1を調製した。
<組成D−1>
・バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/アクリル酸共重合体 2.0部
〔組成比:ベンジルメタクリレート/アクリル酸共重合体=80/20(質量%)、重量平均分子量:25000〕
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0部
・チタンブラック分散液A(前記で得たもの) 24.0部
・溶剤:PGMEA 10部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート 8部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.8部
・重合禁止剤:4−メトキシフェノール 0.01部
実施例4−1において、黒色光重合性組成物D−1の調製に用いた組成D−1中の特定化合物1を、下記表4に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成D−1と同様にして、黒色光重合性組成物D−2〜D−8及びD’−1〜D’−3を調製した。
得られた黒色光重合性組成物D−2〜D−8及びD’−1〜D’−3について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例4−1で調製した黒色光重合性組成物D−1を用いて、塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上にスピーンコートで塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、パターンが2μm四方のinverseのIslandパターンマスク(格子枠の格子幅は0.8μm)を通して1000mJ/cm2の露光量で露光した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハをスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行なった。
次いで塗布膜が形成されているシリコンウエハを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥し、2.0μm四方のセルを有し、格子幅が0.8μmの格子状パターンを有するブラックマトリックスを有するシリコンウエハを形成した。
次いで、ブラックマトリックスが形成されたシリコンウエハ上の所定の領域に、実施例1−1で調製した着色光重合性組成物A−1を用いて、実施例1−1に記載の方法と同じ要領で1.2μm×1.2μmの緑色(G)の着色パターンを形成した。
実施例4−9にて得られたフルカラーのカラーフィルタを固体撮像素子に組み込んだところ、該固体撮像素子は、高解像度で、色分離性に優れることが確認された。
−中空粒子含有光重合性組成物E−1の調製−
下記組成E−1を混合し、得られた混合液を孔径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、実施例5−1の光重合性組成物E−1を調製した。
・中空シリカ粒子(屈折率:1.20):スルーリア2320(日揮触媒化成(株)製品、20質量%メチルイソブチルケトン分散液、平均一次粒子径:55nm、空隙率:40%) 262.5部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 3.8部
・樹脂1(下記構造、x:50モル%、y:30モル%、z:20モル%、Mw:12,000、20質量%PGME溶液、重合性化合物) 93.8部
・溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 140部
上記で得られた光重合性組成物E−1を、シリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上で100℃で2分間加熱して膜厚0.3μmの光重合性組成物層を形成した。
次いで、得られた光重合性成物層に対し、i線ステッパーFPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で、0.5ミクロンスクエアから100ミクロンスクエアまでのサイズが異なるドットアレイパターンのマスクを介して露光した。
露光後の感光性膜に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗し、膜厚0.1μmの透明パターン(パターン状の硬化膜)を得た。
粒子の脱落の評価は、硬化膜の表面において粒子が脱落して形成された凹部の有無により行った。評価は、視野領域を変えて5カ所で観察を行い、以下の基準により行った。結果を表5に示す。
−評価基準−
○:粒子の脱落による凹部がない
×:粒子の脱落による凹部が1つ以上観察された
実施例5−1において、光重合性組成物E−1の調製に用いた組成E−1中の特定化合物1 3.8部を、下記表5に示される特定化合物又は比較化合物 3.8部にそれぞれ変更し、その他は組成E−1と同様にして、光重合性組成物E−2〜E−8及びE’−1〜E’−3を調製した。
得られた光重合性組成物E−2〜E−8及びE’−1〜E’−3について、実施例5−1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Claims (14)
- 下記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物と、重合性化合物と、を含有する光重合性組成物。
[一般式(1−1)中、R1は、単結合又はカルボニル基を表す。R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R3は、−O−、−S−、−N(R8)−、−CH2−、又はカルボニル基を表し、R4は、単結合、−O−、−S−、−N(R9)−、−CH2−、又はカルボニル基を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれR2と互いに連結して環を形成してもよい。R7は1価の有機基を表す。R8、R9、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。pは1又は2の整数を示す。X1は、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Y1は2価の有機基を表す。Z1は、シランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、及び不飽和炭化水素基からなる群より選択される相互作用性基を表す。
一般式(1−2)中、R1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1は、前記一般式(1−1)におけるR1、R2、R3、R5、R6、R7、p、X1、Y1、及びZ1とそれぞれ同義である。] - 前記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物が、ぞれぞれ下記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物である請求項1に記載の光重合性組成物。
[一般式(2−1)中、R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表し、Y2は、炭素数1〜40のアルキレン基を含む連結基を表し、mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。R1、R2、R5、R6、R7、R9、X1及びpは、前記一般式(1−1)におけるR1、R2、R5、R6、R7、R9、X1及びpとそれぞれ同義である。
一般式(2−2)中、R1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpとそれぞれ同義である。] - 前記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物が、それぞれ下記一般式(3−1)及び一般式(3−2)で表される化合物である請求項2に記載の光重合性組成物。
[一般式(3−1)中、R14は、R5又はR6と互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Y3は、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R1、R5、R6、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SRa、−CON(Ra)(Rb)、−OC(O)N(Ra)(Rb)、−OC(O)Ra、−C(O)ORa、−S(O)Ra、−S(O)2Ra。ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。] - 更に、着色剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
- 前記着色剤が顔料であり、更に、顔料分散剤を含有する請求項4に記載の光重合性組成物。
- 前記着色剤が、黒色着色剤である請求項4又は請求項5に記載の光重合性組成物。
- 前記黒色着色剤がチタンブラックである請求項6に記載の光重合性組成物。
- カラーフィルタの着色領域形成に用いられる請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の光重合性組成物
- 更に、中空粒子又は多孔質粒子を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
- 請求項9に記載の光重合性組成物を用いた低屈折率硬化膜。
- 支持体上に、請求項8に記載の重合性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
- 支持体上に、請求項8に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、
前記光重合性組成物層をパターン状に露光する工程と、
露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法。 - 請求項10に記載の低屈折率硬化膜、又は、請求項11に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
- 下記一般式(2−1)、一般式(2−2)、一般式(3−1)又は一般式(3−2)で表される化合物。
[一般式(2−1)中、R1は、単結合又はカルボニル基を表す。R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれR2と互いに連結して環を形成してもよい。R7は1価の有機基を表す。R9、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表す。pは1又は2の整数を示す。X1は、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Y2は2価の有機基を表す。mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。
一般式(2−2)中、R1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R2、R5、R6、R7、R12、R13、X1、Y2、m、n、及びpとそれぞれ同義である。]
[一般式(3−1)中、R14は、R5又はR6と互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Y3は、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R1、R5、R6、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SRa、−CON(Ra)(Rb)、−OC(O)N(Ra)(Rb)、−OC(O)Ra、−C(O)ORa、−S(O)Ra、−S(O)2Ra。ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR1、R5、R6、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。]
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