JP2012093396A - 光重合性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、低屈折率硬化膜、固体撮像素子、並びに、新規化合物 - Google Patents

光重合性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、低屈折率硬化膜、固体撮像素子、並びに、新規化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】露光光に対し高感度で硬化し、優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物の提供。
【解決手段】下記一般式(1−1)及び(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物と、重合性化合物と、を含有する光重合性化合物。一般式(1−1)又は(1−2)中、Rは、−S−、−N(R)−等を表し、Zはシランカップリング基等から選択される相互作用性基を表す。

【選択図】なし

Description

本発明は、光重合性組成物、該光重合性組成物を用いてなるカラーフィルタ及びその製造方法、該光重合性組成物を用いてなる低屈折率硬化膜、該カラーフィルタを備えた固体撮像素子、並びに、重合開始剤として有用な新規化合物に関する。
光重合性組成物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物に光重合開始剤を加えたものがある。このような光重合性組成物は、光を照射されることによって重合硬化するため、光硬化性インキ、感光性印刷版、カラーフィルタ、各種フォトレジスト等に用いられている。
また、光重合性組成物に用いられる光重合開始剤としては、例えば、光の照射により酸を発生し、発生した酸を触媒とする態様があり、具体的には、発生した酸を触媒とする色素前駆体の発色反応を利用して、画像形成、偽造防止、エネルギー線量検出のための材料に用いられ、或いは、発生した酸を触媒とする分解反応を利用した半導体製造用、TFT製造用、カラーフィルタ製造用、マイクロマシン部品製造用等のポジ型レジストなどに用いられている。
また、光重合開始剤の別の態様としては、光の照射により光重合開始剤が開裂してラジカルを発生する態様があり、発生したラジカルが重合性化合物を重合させ、パターンを形成しカラーフィルタ製造用、印刷版等の画像記録用等のネガ型レジストなどに用いられている。
近年、青色レーザの普及により、特に短波長(365nmや405nm)の光源に感受性を有する光重合性組成物が種々の用途から望まれており、これを実現するための短波長の光源に対して高い感度を示す光重合開始剤に対する要求が高まってきている。しかしながら、一般的に、感度に優れた光重合開始剤は安定性に欠けることから、感度向上と同時に保存安定性をも満たす光重合開始剤が望まれている。
そこで、光重合性組成物に用いられる光重合開始剤として、多種のオキシムエステル化合物が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、これら公知のオキシムエステル化合物は、光分解によって発生するラジカル種の分子量が小さく膜中拡散しやすいものの、露光光源に近くラジカル発生量の多い膜表面での硬化性は良好であるが、膜の深部においては充分な硬化性が得られないという問題があった。
更に、このようなオキシムエステル化合物を用いたカラーフィルター用感光性着色組成物が開示されているが(例えば、特許文献7参照)、短波長の光に対する感度に関しては、未だ不充分であり、着色剤の含有により膜自体の吸光度が大きなカラーフィルタの着色膜(パターン)形成においては、膜の深部に至る硬化性向上が困難となり、支持体との界面での硬化性が不足してしまうことから、形成された硬化膜と支持体との密着性向上が望まれていた。
一方、イメージセンサー用カラーフィルタは、CCDなどの固体撮像素子の高集光性、かつ、高色分離性による画質向上のため、カラーフィルタの高着色濃度、薄膜化への強い要求がある。既述のようなカラーフィルタ用光重合性組成物において、高着色濃度を得るために色材を多量に添加すると、固体撮像素子に適用しうる2.5μm以下の如き微細な画素パターンの形状を忠実に再現するには硬化感度が不足し、パターン再現性を向上するために高エネルギーの光照射を行うと、露光時間が長くなり、製造上の歩留まり低下が顕著になるという問題点があった。
このため、光重合性組成物のなかでも、特にカラーフィルタ用途の組成物に関しては、色材(着色剤)を高濃度で含有しつつも良好なパターン形成性を得る必要があるという点から、高感度で硬化し、かつ発生ラジカルの拡散性が制御された光重合性組成物及びこれに用いられる高感度で、安定性の良好な光重合開始剤が望まれている。
米国特許第4255513号明細書 米国特許第4590145号明細書 特開2000−80068号公報 特開2001−233842号公報 特開2006−342166号公報 特開2007−231000号公報 特開2005−202252号公報 特開平9−328522号公報
本発明の課題は、下記目的を達成することにある。
本発明の第1の目的は、露光光に対し高感度で硬化し、優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物、特に着色剤や粒子を含有する場合においても優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、露光光源波長における透過度の低い着色領域形成おいてもパターン形成性が良好で、支持体との密着性に優れた着色パターンが形成された、有機EL表示装置や固体撮像素子等に有用なカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供提供することにある。
本発明の第3の目的は、中空粒子又は多孔質粒子を含み、支持体との密着性に優れ、かつ中空粒子又は多孔質粒子の膜中からの脱落による欠陥が抑制された低屈折率硬化膜を提供することにある。
本発明の第4の目的は、本発明のカラーフィルタを備えてなり、高解像度の固体撮像素子を提供することにある。
本発明の第5の目的は、光重合開始剤として有用な新規な化合物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有するオキシムエステル化合物を光重合開始剤として用いることで、高感度で、かつ、発生ラジカルの拡散抑制、支持体との相互作用によるパターン形成性と膜内部硬化性に優れる光重合性組成物が得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。前記課題を解決するための具体的手段を以下に示す。
<1> 下記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物と、重合性化合物と、を含有する光重合性組成物。
一般式(1−1)中、Rは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。Rは、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表し、Rは、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれRと互いに連結して環を形成してもよい。Rは1価の有機基を表す。R、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。pは1又は2の整数を示す。Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Yは2価の有機基を表す。Zは、シランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、及び不飽和炭化水素基からなる群より選択される相互作用性基を表す。
一般式(1−2)中、R、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZとそれぞれ同義である。
<2> 前記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物が、ぞれぞれ下記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物である<1>に記載の光重合性組成物。
一般式(2−1)中、R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表し、Yは、炭素数1〜40のアルキレン基を含む連結基を表し、mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。R、R、R、R、R、R、X及びpは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、X及びpとそれぞれ同義である。
一般式(2−2)中、R、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpとそれぞれ同義である。
<3> 前記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物が、それぞれ下記一般式(3−1)及び一般式(3−2)で表される化合物である<2>に記載の光重合性組成物。
一般式(3−1)中、R14は、R又はRと互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Yは、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R、R、R、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SR、−CON(R)(R)、−OC(O)N(R)(R)、−OC(O)R、−C(O)OR、−S(O)R、−S(O)Ra。ここで、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。
<4> 更に、着色剤を含有する<1>〜<3>のいずれかに記載の光重合性組成物。
<5> 前記着色剤が顔料であり、更に、顔料分散剤を含有する<4>に記載の光重合性組成物。
<6> 前記着色剤が、黒色着色剤である<4>又は<5>に記載の光重合性組成物。
<7> 前記黒色着色剤がチタンブラックである<6>に記載の光重合性組成物。
<8> カラーフィルタの着色領域形成に用いられる<4>〜<7>のいずれかに記載の光重合性組成物
<9> 更に、中空粒子又は多孔質粒子を含有する<1>〜<3>のいずれかに記載の光重合性組成物。
<10> <9>に記載の光重合性組成物を用いた低屈折率硬化膜。
<11> 支持体上に、<8>に記載の重合性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
<12> 支持体上に、<8>に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、
前記光重合性組成物層をパターン状に露光する工程と、
露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法。
<13> <10>に記載の低屈折率硬化膜、又は、<11>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<14> 前記一般式(2−1)、一般式(2−2)、一般式(3−1)又は一般式(3−2)で表される化合物。
本発明の光重合組成物は、特定オキシム化合物を光重合開始剤として用いたことにより、高感度かつパターン形状が良好で、膜内部硬化性に優れたものとなる。
これは、特定オキシム化合物がその分子構造中に有する支持体相互作用性基を介して、光重合性組成物と接触する支持体表面と相互作用しうることから、当該特定オキシム化合物が光分解した際において、露光光源に近くラジカル発生量の多い膜表面のみならず、支持体表面近傍においても充分なラジカル種の発生が確保される結果、露光光に忠実に硬化するためと推測される。また、本発明の光重合性組成物をパターン露光して得られたパターンの形状は、アンダーカットが見られず形状の安定したパターンが得られる。これは、特定オキシム化合物は、支持体表面との強い相互作用により優れた膜内部硬化性を有するためであると推測される。
本発明によれば、露光光に対し高感度で硬化し、優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物、特に着色剤や粒子を含有する場合においても優れた膜内部硬化性を有する光重合性組成物を提供することができる。
本発明によれば、露光光源波長における透過度の低い着色領域形成おいてもパターン形成性が良好で、支持体との密着性に優れた着色パターンが形成された、有機EL表示装置や固体撮像素子等に有用なカラーフィルタ、及び、該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供提供することができる。
本発明によれば、中空粒子又は多孔質粒子を含み、支持体との密着性に優れ、かつ中空粒子又は多孔質粒子の膜中からの脱落による欠陥が抑制された低屈折率硬化膜を提供することができる。
本発明によれば、本発明のカラーフィルタを備えてなり、高解像度の固体撮像素子を提供することができる。
本発明によれば、光重合開始剤として有用な新規な化合物を提供することができる。
[光重合性組成物]
本発明の光重合性組成物は、以下に詳述する一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物(以下、適宜「特定オキシム化合物」と称する。)と、重合性化合物と、を含有する光重合性化合物である。
以下、本発明の光重合性化合物に含まれる各成分について説明する。
<一般式(1−1)又は一般式(1−2)で表される化合物(特定オキシム化合物)>
本発明の光重合性組成物は、一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物(特定オキシム化合物)を含有する。
特定オキシム化合物は、光重合開始剤として機能する化合物である。
なお、本明細書において、特定オキシム化合物を示す各一般式におけるアルキル基及びアリール基は、特に言及しない限り、無置換であっても、更に置換基を有するものであってもよい。

一般式(1−1)中、Rは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。Rは、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表し、Rは、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれRと互いに連結して環を形成してもよい。Rは1価の有機基を表す。R、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基を表す。pは1又は2の整数を示す。Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Yは2価の有機基を表す。Zは、シランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、及び不飽和炭化水素基からなる群より選択される相互作用性基を表す。
一般式(1−2)中、R、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZとそれぞれ同義である。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rは、単結合又はカルボニル基を表し、カルボニル基がより好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が更に好ましい。該アルキル基は、炭素鎖の一部がヘテロ原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、等)で分断されたアルキル基であってもよい。
で表されるアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェノキシエチル基、フェニルチオメチル基、フェニルチオエチル基等が挙げられる。
これらのアルキル基の中でも、炭素鎖にヘテロ原子を含有するアルキル基が特に好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜12のアリール基が更に好ましい
で表されるアリール基として具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオレニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メチルチオフェニル基、m−メチルチオフェニル基、p−フェニルチオフェニル基等が挙げられる。
これらの中でも、Rで表されるアリール基としては、フェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモフェニル基が更に好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表されるヘテロアリール基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びリン原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を有する炭素数2〜12のヘテロアリール基が挙げられる。
で表されるヘテロアリール基として具体的には、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられ、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピラニル基、イミダゾリル基、チオキサントリル基、カルバゾリル基がより好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rは、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表す。Rはアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表されるアルキル基の好ましい範囲は、Rがアルキル基を表す場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表されるアリール基の好ましい範囲は、Rがアリール基を表す場合の好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)において、Rは、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表す。Rはアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(1−1)におけるRがアルキル基を表す場合、その好ましい範囲は、Rがアルキル基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)におけるRがアリール基を表す場合、その好ましい範囲は、Rがアリール基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)又は(1−2)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれRと互いに連結して環を形成してもよい。R10及びR11は、各々独立に、アルキル基を表す。
一般式(1−1)又は(1−2)におけるR10又はR11がアルキル基を表す場合の好ましい範囲は、Rがアルキル基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)又は(1−2)におけるR10又はR11がアリール基を表す場合の好ましい範囲は、Rがアリール基を表す場合における好ましい範囲と同様である。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rは1価の有機基を表し、pは1又は2の整数を示す。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Rで表される一価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アシル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、該置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
で表されるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、及び2−エチルヘキシル基が例示できる。
で表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、o−、m−又はp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、及びメシチル基が例示できる。
で表されるアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、及び4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を表し、カルボニル基がより好ましい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Yは2価の有機基を表す。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Yで表される2価の有機基としては、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、又は、これらを組み合わせてなる2価の有機基が挙げられる。Yで表される2価の有機基が含むアルキレン基は、そのアルキレン鎖が、酸素原子、硫黄原子、アミノ基、又はカルボニル基により分断されていてもよい。
一般式(1−1)又は(1−2)において、Zは、シランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、及び不飽和炭化水素基からなる群より選択される相互作用性基(以下、適宜「特定相互作用性基」とも称する。)を表す。
で表される特定相互作用性基は、任意の支持体と相互作用しうる官能基である。
ここで、「特定相互作用性基」が相互作用する「支持体」とは、共有結合、水素結合、π−π相互作用、金属への錯体形成等の相互作用により、一般式(1−1)又は(1−2)で表される化合物におけるZを介して、当該化合物を支持しうる材料を意味し、その形状は特に限定されず、板状物、粒子等のいずれであってもよい。
特定相互作用性基としては、支持体表面に存在する官能基と反応して結合しうる反応性基が好ましく、具体的には、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのシランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基などの含硫黄官能基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、アルケン、アルキンなどの不飽和炭化水素基などが好ましく用いられる。
特定相互作用性基は、支持体の材質に応じて、選択することが好ましい。
例えば、支持体が、金、銀、銅、白金、パラジウム、鉄などの金属や、GaAs、InPなどの半導体化合物である場合には、特定相互作用性基としては、チオール基、チオイソシアナト基などの含硫黄官能基、モノアルキルシラン基が好ましい。特に、支持体が、金である場合には、特定相互作用性基としてはチオール基が最も好ましい。
支持体が、白金、パラジウム、金、銀などの金属であれば、特定相互作用性基としてはニトリル基も好ましい態様の1つである。
支持体が、Al、AgO、CuO、Zr/Alなどの金属酸化物、oxide−NHなどの酸化物である場合には、特定相互作用性基としてはカルボキシル基が好ましい。
支持体が、ZrO、TiO2、Al、Ta、Zr/Alなどの金属酸化物である場合には、特定相互作用性基としては、ホスホン酸基、リン酸エステル基も好ましい態様の1つである。
支持体が、TiO、Al、ガラス、石英、ITO、シリコン基板などである場合には、相特定互作用性基としてはアミノ基が好ましい。
支持体が、ガラス、マイカ、SiO、SnO、GeO、ZrO、TiO、Al、ITO、SUS、PTZなどである場合には、特定相互作用性基としてはシランカップリング基も好ましい態様の1つである。
支持体が、水素終端化シリコン(Si−H)、ハロゲン化シリコン(Si−X、X=Cl,Br,I)などである場合には、特定相互作用性基としては、水酸基や、不飽和炭化水素基が好ましい。
支持体が、水素終端化ダイヤモンド(C−H)である場合には、特定相互作用性基としては不飽和炭化水素基が好ましい。
これらの中でも、支持体としては、入手し易さ、工業材料としての応用のし易さ、ドメイン構造の形成のし易さの点から、金、ガラス、石英、マイカ、ITO、TiO、シリコンが好ましい。また、支持体相互作用性基としては、支持体との反応性、ドメイン構造の形成のし易さから、シランカップリング基、チオール基、カルボキシル基、又はホスホン酸基が好ましい。
で表される特定相互作用性基がシランカップリング基である場合、該シランカップリング基は、下記一般式(4)で表されるシランカップリング基であることが好ましい。
−Si(R14(R15 (4)
[一般式(4)中、R14はアルキル基を表し、R15は、アルコキシ基、アシルオキシ基、水酸基、又はハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、且つ、m+n=3を表す。]
一般式(4)におけるR14がアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。最も好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、又はプロピル基である。
一般式(4)におけるR15がアルコキシ基を表す場合、該アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。最も好ましいアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、又はプロピロキシ基である。
一般式(4)におけるR15がアシルオキシ基を表す場合、該アシルオキシ基としては、炭素数1〜10のアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアシルオキシ基がより好ましい。
一般式(4)で表されるシランカップリング基の好ましい態様は、R14がメチル基であり、R15がメトキシ基であり、mが1であり、nが2である組み合わせ、又は、R15がメトキシ基であり、mが0であり、nが3である組み合わせである。
一般式(1−1)又は(1−2)で表される化合物は、下記一般式(2−1)又は(2−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2−1)中、R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表し、Yは、炭素数1〜40のアルキレン基を含む連結基を表し、mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。R、R、R、R、R、R、X及びpは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、X及びpとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2−2)中、R、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpとそれぞれ同義である。
一般式(2−1)又は(2−2)において、R12が、炭素数1〜6のアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、炭素数1から4のアルキル基がより好ましい。R12として最も好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、又はプロピル基である。
一般式(2−1)又は(2−2)において、R13で表される加水分解性基としては、アルコキシ基、アシルオキシ基、水酸基、又はハロゲン原子が挙げられる。
13で表される加水分解性基がアルコキシ基を表す場合、該アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。R13として最も好ましいアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、又はプロピロキシ基である。
13で表される加水分解性基がアシルオキシ基を表す場合、該アシルオキシ基としては、炭素数1〜10のアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアシルオキシ基がより好ましい。
一般式(2−1)又は(2−2)において、m=2、n=1であるとき、2つのR12は同じであっても異なっていてもよい。また、m=1、n=2であるとき、2つのR13は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(2−1)又は(2−2)で表される化合物は、下記一般式(3−1)又は(3−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(3−1)中、R14は、R又はRと互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Yは、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R、R、R、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
(I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SR、−CON(R)(R)、−OC(O)N(R)(R)、−OC(O)R、−C(O)OR、−S(O)R、−S(O)Ra。ここで、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
一般式(3−2)中、R、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。
一般式(3−1)又は(3−2)において、R14が、R又はRと互いに連結して環構造を形成しうる基である場合、形成される環構造としては、例えば、5員環、6員環、7員環等の環構造が挙げられる。
一般式(3−1)又は(3−2)において、R14が、置換基を有さないアルキル基、又は前記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が更に好ましい。該アルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、又はシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
一般式(3−1)又は(3−2)において、R14が、置換基を有さないアルキル基である場合、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、又はシクロヘキシルエチル基がより好ましく、ヘキシル基が特に好ましい。
14が前記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基である場合、該置換基としては、−SR、アルケニル基、又はアルキニル基がより好ましく、−SRが特に好ましい。
一般式(3−1)又は(3−2)において、R15がアルキル基を表す場合、該アルキル基の好ましい範囲は、R14におけるアルキル基の好ましい範囲と同様である。
一般式(3−1)又は(3−2)におけるR15としては、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
一般式(3−1)において、R16がアルキル基を表す場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい。該アルキル基は、炭素鎖の一部がヘテロ原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、等)で分断されたアルキル基であってもよい。R16で表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
なかでも、炭素鎖の一部がヘテロ原子で中断されたアルキル基が特に好ましい。
一般式(3−1)又は(3−2)において、Yで表される2価の連結基に含まれるアルキレン鎖は、炭素数2〜40であり、炭素数4〜20が好ましく、炭素数6〜10がより好ましい。
一般式(3−1)又は(3−2)において、R17、R18、R19、R20、及びR21がそれぞれアルキル基を表す場合、該アルキル基の好ましい範囲は、R14におけるアルキル基の好ましい範囲と同様である。
一般式(3−1)又は(3−2)において、m=2、n=1であるとき、2つのR12は同じであっても異なっていてもよい。また、m=1、n=2であるとき、2つのR13は同じであっても異なっていてもよい。
特定オキシム化合物の365nmにおけるモル吸光係数は、酢酸エチル中で50〜500000が好ましく、100〜40000がより好ましく、500〜30000がさらに好ましい。
本明細書における特定オキシム化合物のモル吸光係数は、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用いて0.01g/Lの濃度で測定した値をいう。
以下、特定オキシム化合物の具体例〔例示化合物(A−1)〜(A−21)〕を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

特定オキシム化合物は、合成スキーム1及び2(下記参照)として示す2つの一般的な合成法に準じて得ることができる。
第1の合成法は、アクリレート部位を有するオキシム化合物又はα−ケトオキシム化合物を、触媒量のアミン存在下テトラヒドロフラン(THF)中で、3−メルカプトトリエトキシシランと混合し、室温で攪拌する方法である。
第2の方法は、不飽和結合部位を有するオキシム化合物を、触媒量のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)存在下、PEGMEA中で3−メルカプトトリメトキシシランと混合し、80℃で加熱攪拌する方法である。
特定オキシム化合物の合成において合成原料として用いうるオキシム化合物類は、例えば、下図に示す合成スキームにより合成できる。
以下、カルバゾール骨格を有するオキシム化合物又はジフェニルスルフィド化合物類を用いた例により説明する。
具体的には、まず、カルバゾール類又はジフェニルスルフィド化合物類に対し、2度のFriedel-Craftsアシル化反応を行い、中間体であるケトンを合成する。続いて、該中間体をヒドロキシルアミンと反応させ、オキシム化合物類である前駆体を得る。また、α−ケトオキシム化合物の場合は、中間体であるケトンに対し、THF中、NaOMe存在下で亜硝酸イソペンチルを0℃で作用させることで前駆体が得られる。
次に、対応する酸クロライドと反応させることで、上記オキシム化合物類が合成される。
上記した特定オキシム化合物中、一般式(2−1)、一般式(2−2)、一般式(3−1)、及び一般式(3−2)で表される化合物は、いずれも新規化合物である。
本発明の光重合性組成物は、特定オキシム化合物が有する光重合開始機能を利用して、以下に示す用途の硬化性材料に適用することができる。
即ち、例えば、印刷インク材料(例えば、スクリーン印刷インク用、オフセットもしくはフレキソ印刷インク用、UV硬化インク用)、木材又は金属に対する、白色もしくは有色仕上げ用材料、粉末コーティング材料(特に、紙、木材、金属又はプラスチックに対するコーティング材料用)、建築物のマーキング用や道路マーキング用材料、写真複製手法用として、ホログラフ記録の記録材料、画像記録材料、有機溶媒もしくは水性アルカリで現像できる印刷版原版の記録層用材料、スクリーン印刷マスクの製造のための光硬化性コーティング用材料、歯科充填用組成物、接着剤、感圧接着剤、積層用樹脂材料、液体及び乾燥薄膜双方のエッチングレジスト用材料、はんだレジスト用材料、電気めっきレジスト用材料、永久レジスト用材料、プリント回路板や電子回路用の光構成性誘電体用材料、様々な表示用材料、光学スイッチ用材料、光学格子(干渉格子)形成用材料、光回路の製造用材料、大量硬化(透明成形用型でのUV硬化)又はステレオリトグラフィ手法による三次元的物品の製造用材料(例えば、米国特許第4,575,330号明細書に記載されるような材料)、複合材料(例えば、所望であれば、ガラス繊維及び/又はその他の繊維ならびに他の助剤を含み得るスチレン系ポリエステル)その他の厚層組成物の製造用材料、電子部品及び集積回路のコーティング又は密封のためのレジスト用材料、光ファイバー形成用材料、光学レンズ(例えば、コンタクトレンズもしくはフレネルレンズ)製造のためのコーティング用材料、医用機器、補助具又はインプラントの製造や、例えば、ドイツ国特許第19,700,064号及び欧州特許第678,534号各明細書に記載のようなサーモトロピック特性を有するゲルの製造用材料などの各種の用途が挙げられる。
また、線量検出のための材料、更には、半導体製造用、TFT製造用、カラーフィルタ製造用、マイクロマシン部品製造用等のレジスト材料にも利用することができる。
さらに、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成用途に使用される、光硬化性が付与された低屈折率材料(重合性組成物)としても好適に利用することができる。
以下に、本発明の光重合性組成物の応用例として、カラーフィルタの着色領域形成等に好適に用いうる光重合性組成物(1)、及び、低屈折率反射防止膜の形成に好適に用いうる光重合性組成物(2)を例に詳細に説明するが、本発明の光重合性組成物の用途は、これらに限定されるものではない。
なお、ここで、本発明の光重合性組成物において「固形分」とは、該光重合性組成物に含有される全成分から溶剤を除いたものを意味する。
−光重合性組成物(1)−
光重合性組成物(1)は、カラーフィルタにおける着色領域を形成する目的で使用されることから、特定オキシム化合物、重合性化合物に加え、必要により、着色剤を含有する。以下、光重合性組成物(1)が含有する各成分について述べる。
〔(1)−特定オキシム化合物〕
光重合性組成物(1)が含有する特定オキシム化合物は、当該組成物中において、光重合開始剤として機能する。特定オキシム化合物の詳細は既述の通りである。
光重合性組成物(1)における特定オキシム化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し0.5〜40質量%が好ましく、1〜35質量%がより好ましく、1.5〜30質量%が更に好ましい。
特定オキシム化合物の含有量がこの範囲であると、光重合性組成物に光照射したときの感度がより高く、しかも硬化した膜の硬度が適度に得られ、パターン成形したときにパターン成形性が良好で、強度のあるパターンが得られる。
特定オキシム化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(他の光重合開始剤)
光重合性組成物(1)には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記特定オキシム化合物以外の公知の光重合開始剤を併用してもよい。この場合において、公知の光重合開始剤は、特定オキシム化合物の50質量%以下の範囲で用いることが好ましい。
併用可能な光重合開始剤は、光により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、例えば、(ビス)アシルホスフィンオキシド又はそのエステル類、アセトフェノン系化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物等、及び特定オキシム化合物とは構造の異なるオキシム化合物等が挙げられる。
感度の観点から、特定オキシム化合物とは構造の異なるオキシムエステル化合物、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、α−アミノケトン化合物、トリハロメチル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、及び、チオール化合物が好ましく、アシルホスフィンオキシド系化合物、特定オキシム化合物とは構造の異なるオキシムエステル化合物、α−アミノケトン化合物等がより好ましい。
以下、本発明において特定オキシム化合物と併用可能な重合開始剤の例を挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
アセトフェノン系化合物としては、具体的には、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、及び、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。なかでも好ましく用いられる2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、商品名「イルガキュア−907(BASF社製)」として入手可能である。
トリハロメチル化合物として、より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
特定オキシム化合物とは構造の異なるオキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979)1653−1660、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物が挙げられ、市販品としては、BASF社製 IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム))等が好適なものとして挙げられる。
さらに、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物も好適に用いることができる。
アシルホスフィンオキシド系化合物としては、特開平5−345790号公報記載の化合物や、特開平6−298818号公報の段落番号[0027]記載の化合物が挙げられる。例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメチトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシドなどが挙げられる。また、市販品としては、BASF社製 DAROCURE TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)等が好適なものとして挙げられる。
αーアミノケトン化合物としては、例えば、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられ、これは、商品名「イルガキュア−379(BASF社製)」として入手可能である。
併用される他の重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、添加量によっては、重合開始剤の拡散によるパターン形状の悪化を招くため、その含有量は、特定オキシム化合物の含有量に対し、50質量%以下であることが好ましい。
〔(1)−重合性化合物〕
光重合性組成物(1)に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(但し、一般式(A)中、R及びRは、それぞれ、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
重合性化合物としては市販品を用いてもよく、市販品の例としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(日本製紙ケミカル(株)製)、UA−7200」(新中村化学工業(株)製、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適である。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物類としては市販品を用いてもよく、市販品の例としては、例えば、東亞合成(株)製のカルボキシ基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシ基含有5官能アクリレートを含むTO−1382などが挙げられる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、光重合性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、光重合性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
光重合性組成物(1)における重合性化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し1〜90質量%が好ましく、2〜70質量%がより好ましく、3〜50質量%が更に好ましい。
重合性化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物を2種以上併用する場合、その組み合わせ態様は、光重合性組成物(1)に要求される物性等に応じて適宜設定することができる。重合性化合物の好適な組み合わせ態様としては、多官能のアクリレート化合物から選択された2種以上の重合性化合物を組み合わせる態様が挙げられ、その好適な例としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等から選択された重合性化合物の組み合わせが挙げられる。
〔(1)−着色剤〕
光重合性組成物(1)は、着色剤を含有することができる。着色剤を含有することにより、所望色の着色光重合性組成物を得ることができる。
なお、光重合性組成物(1)は、短波長の光源である365nmや405nmの光源に優れた感度を有する特定オキシム化合物を重合開始剤として含有するため、着色剤を高濃度に含有する場合にも高感度に硬化することができる。
光重合性組成物(1)において用いられる着色剤は特に限定されるものではなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができ、これらは光重合性組成物の用途に応じて適宜選択される。本発明の光重合性組成物をカラーフィルタ製造に用いる場合であれば、カラーフィルタの色画素を形成するR、G、B等の有彩色系の着色剤(有彩色着色剤)、及びブラックマトリクス形成用に一般に用いられている黒色系の着色剤(黒色着色剤)のいずれをも用いることができる。
特定オキシム化合物を含有する本発明の光重合性組成物は、露光量が少なくても高感度に硬化することができるため、光を透過し難い黒色着色剤を含有する光重合性組成物に、特に好ましく用いることができる。
以下、光重合性組成物(1)に適用しうる着色剤について、カラーフィルタ用途に好適な着色剤を例に詳述する。
有彩色系の顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I. Pigment Green 7,10,36,37,58等、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等、
C.I.Pigment Black 1等、
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
顔料としては、無機顔料を用いてもよく、無機顔料としては、例えば、金属顔料、金属化合物や金属酸化物などからなる金属含有無機顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
光重合性組成物(1)は、着色剤として黒色着色剤を用いた場合においても、高感度であり、パターン形成性、及び支持体密着性を発揮する。
このため、光重合性組成物(1)は、カラーフィルタの着色領域(画素)の形成のみならず、ブラックマトリックスの形成に使用してもよい。ブラックマトリックス形成用に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物、又は酸化チタンなどの金属酸化物を含有する金属混合物等からなる顔料がが挙げられ、カーボンブラックとチタンブラックとの組合せが好ましい。また、カーボンブラックとチタンブラックとの質量比は、分散安定性の観点から、100:0〜100:60の範囲が好ましい。
−チタンブラック−
黒色着色剤としては、チタンブラックが好ましい。
光重合性組成物(1)においては、チタンブラックを、予め調製されたチタンブラック分散物として含むことでチタンブラックの分散性、分散安定性が向上する。チタンブラック分散物とは、色材としてチタンブラックを含有する分散物のことである。
以下、チタンブラックについて説明する。
チタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
チタンブラックの粒子の粒子径は特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、平均一次粒子径が、3nm〜2000nmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜500nmであり、更に好ましくは、20nm〜200nmである。
チタンブラックの比表面積は、特に限定がないが、かかるチタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET法にて測定した値が通常5m/g〜150m/g程度、特に20m/g〜100m/g程度であることが好ましい。
チタンブラックとしては市販品を用いてもよく、市販品の例としては例えば、三菱マテリアル(株)製チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、赤穂化成(株)ティラック(Tilack)Dなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
また、光重合性組成物(1)において、着色剤として染料を用いる場合には、組成物中に均一に溶解した状態の着色光重合性組成物を得ることができる。
光重合性組成物(1)に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料は多量体であってもよい。
また、水又はアルカリ現像を行う場合、現像により光未照射部のバインダー及び/又は染料を完全に除去するという観点では、酸性染料及び/又はその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又は、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
例えば、acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40〜45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
なかでも、染料である着色剤としては、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系、ピロメテン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
さらに、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。
上述のごとく、光重合性組成物(1)において使用しうる着色剤は、染料、若しくは、顔料であることが好ましい。とりわけ、平均粒子径(r)が、20nm≦r≦300nm、好ましくは125nm≦r≦250nm、特に好ましくは30nm≦r≦200nmを満たす顔料が望ましい。このような平均粒子径の顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ高光透過率の画素を得ることができる。ここでいう「平均粒子径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒子径を意味する。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒子径分布(以下、単に「粒子径分布」という。)は、(平均粒子径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
前記した平均粒子径及び粒子径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒子径は通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤及び溶媒と混合した顔料混合液として、例えばビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
光重合性組成物(1)に含有される着色剤の含有量としては、光重合性組成物の全固形分中、20質量%〜95質量%であることが好ましく、25質量%〜90質量%がより好ましく、30質量%〜80質量%が更に好ましい。
着色剤の含有量を上記範囲とすることで、光重合性組成物(1)によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られる。また、光硬化が充分に進み、膜としての強度を維持することができるため、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなることを防止することができる。
すなわち、本発明における重合開始剤である特定オキシム化合物は、光吸収効率が高いことから、光重合性組成物中に着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で重合、硬化することができ、他の重合開始剤を用いた場合と比較し、顕著に感度向上効果が発揮される。
〔(1)−顔料分散剤〕
光重合性組成物(1)が着色剤としてチタンブラックや有機顔料などの顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、さらに顔料分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。また、川研ファインケミカル(株)製のヒノアクトT−8000Eなどの両性分散剤も挙げられる。
これらの顔料分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
光重合性組成物(1)における顔料分散剤の含有量としては、(C)着色剤である顔料100質量部に対して、1〜80質量部であることが好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜60質量部であることが更に好ましい。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料100質量部に対して、5〜100質量部の範囲が好ましく、10〜80質量部の範囲であることがより好ましい。
また、顔料誘導体を併用する場合、顔料誘導体の使用量としては、顔料100質量部に対し、1〜30質量部の範囲にあることが好ましく、3〜20質量部の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量部の範囲にあることが特に好ましい。
光重合性組成物(1)において、着色剤としての顔料を用い、顔料分散剤をさらに用いる場合、硬化感度、色濃度の観点から、着色剤及び分散剤の含有量の総和が、光重合性組成物を構成する全固形分に対して、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
光重合性組成物(1)は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。
以下、光重合性組成物(1)が含有しうる任意成分について説明する。
〔(1)−増感剤〕
光重合性組成物(1)は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、特定オキシム化合物に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
光重合性組成物(1)に用いられる増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
光重合性組成物(1)中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔(1)−共増感剤〕
光重合性組成物(1)は、更に共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、特定オキシム化合物や前記増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、光重合性組成物(1)の全固形分の質量に対し、0.1質量%〜30質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲がより好ましく、0.5質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
また、光重合性組成物(1)は、共増感剤として、チオール化合物を含有することが好ましい。
光重合性組成物(1)に好適なチオール化合物としては、下記一般式(VI)又は一般式(VII)で表されるものがより好ましい。
一般式(VI)中、R29は、アリール基を表し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(VII)中、R30は、アルキル基、又はアリール基を表し、Xは、一般式(VI)のXと同義である。
光重合性組成物(1)がチオール化合物を含有する場合、その含有量としては、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、光重合性組成物の全固形分の質量に対し、0.5質量%〜30質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲がより好ましく、3質量%〜20質量%の範囲が更に好ましい。
〔(1)−バインダーポリマー〕
光重合性組成物(1)においては、皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、更にバインダーポリマーを使用することができる。バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とするために、水或いは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独或いは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独或いは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
光重合性組成物(1)で使用しうるバインダーポリマーの重量平均分子量としては、好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1,000以上であり、更に好ましくは2,000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
バインダーポリマーの含有量は、光重合性組成物(1)の全固形分中、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。
〔(1)−熱重合防止剤〕
光重合性組成物(1)においては、光重合性組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分に対し、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
〔(1)−密着向上剤〕
光重合性組成物(1)においては、形成された硬化膜の支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。なお、特定オキシム化合物は、密着向上剤には包含されない。
密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。これらの例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
密着向上剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全固形分中、0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.7質量%〜20質量%がより好ましい。
〔(1)−溶剤〕
光重合性組成物(1)は、種々の有機溶剤を含有してもよい。
ここで使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。
本発明の光重合性組成物が有機溶剤を含有する場合における固形分の濃度は、2質量%〜60質量%であることが好ましい。
〔(1)−界面活性剤〕
光重合性組成物(1)は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
光重合性組成物(1)は、特に、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する光重合性組成物(1)を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、光重合性組成物(1)中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株))等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の添加量は、光重合性組成物(1)の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
〔(1)−有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物〕
光重合性組成物(1)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
有機カルボン酸としては、具体的には、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸等のトリカルボン酸等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸等のフェニル基に直接カルボキシル基が結合したカルボン酸、およびフェニル基から炭素結合を介してカルボキシル基が結合したカルボン酸類が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のものが好ましく、具体的には、例えば、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸が好ましい。
有機カルボン酸無水物としては、例えば、脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物が挙げられ、具体的には、例えば、無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水n−オクタデシルコハク酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸無水物が挙げられる。芳香族カルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸等が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のものが好ましく、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が好ましい。
有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物の含有量は、通常、光重合性組成物(1)の全固形分中0.01〜10質量%、好ましくは0.03〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%の範囲である。
光重合性組成物(1)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有することによって、該組成物を用いたパターン形成において、形成されたパターンの高い密着性を保ちながら、未硬化の光重合性組成物の未溶解物の残存をより一層低減することが可能である。また、有機カルボン酸無水物の含有は、特定オキシム化合物の保存安定性を向上させるという利点をも有する。
〔(1)−その他の添加剤〕
更に、光重合性組成物(1)に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
−光重合性組成物(2)−
本発明の光重合性組成物は、パターン状の露光により露光領域が高感度で硬化して強固かつ、中空粒子又は多孔質粒子を高濃度に含有した場合でも、硬化膜中からの粒子の脱落が抑制された被膜を形成しうることから、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成用途に有用である。
以下、反射防止膜などの低屈折率硬化膜の形成に好適な本発明の光重合性組成物である光重合性組成物(2)について、その好ましい態様について述べる。
〔(2)−特定オキシム化合物〕
光重合性組成物(2)が含有する特定オキシム化合物は、該組成物中、重合開始剤として機能しうる。光重合性組成物(2)における特定オキシム化合物は、既述のものである。
光重合性組成物(2)における特定オキシム化合物の含有量は、該組成物の全固形分に対し、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。
特定オキシム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(他の重合開始剤)
光重合性組成物(2)においても、本発明の効果を損なわない範囲において、特定オキシム化合物以外の他の公知の重合開始剤を併用してもよい。
他の重合開始剤としては、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0139]、等に記載される重合開始剤が挙げられる。
光重合性組成物(2)に用いうる他の光重合開始剤の例としては、光重合性組成物(1)において挙げたものが同様に挙げられる。
〔(2)−重合性化合物〕
光重合性組成物(2)が含有する重合性化合物としては、光重合性組成物(1)にて既述した付加重合性化合物が同様に好ましいものとして挙げられる。
これらの、付加重合性化合物について、どのような構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。
感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましくない場合がある。
また、光重合性組成物(2)中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、開始剤、中空粒子等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させることがある。感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましくない相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じたり等の問題を生じうる。
これらの観点から、付加重合性化合物の含有量は、光重合性組成物(2)の全固形分に対し1〜90質量%が好ましく、2〜70質量%がより好ましく、3〜50質量%が更に好ましい。
また、これらの付加重合性化合物は、単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。硬化膜の屈折率を低くするために、重合性化合物としての屈折率は1.55以下、より好ましくは1.50以下であることが好ましい。
〔(2)−中空粒子又は多孔質粒子〕
光重合性化合物(2)は、中空粒子又は多孔質粒子を含有してもよい。
中空粒子は、内部に空洞を有する構造のものであり、外郭に包囲された空洞を有する粒子を指し、多孔質粒子は、多数の空洞を有する多孔質の粒子を指す。以下、光重合性化合物(2)が含有しうる中空粒子又は多孔質粒子を、適宜「特定粒子」と称する。
特定粒子は、有機粒子であっても、無機粒子であってもよい。
特定粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。特定粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
特定粒子の中でも、屈折率を低下しやすい観点から、中空粒子であることがより好ましい。例えば、中空粒子をシリカで構成した場合には、中空シリカ粒子は、屈折率の低い空気(屈折率=1.0)を有しているため、その屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低くなる。
中空粒子の製造方法としては、例えば特開2001−233611号公報に記載されている方法を適用できる。また、多孔質粒子の製造方法は、例えば特開2003−327424号、同2003−335515号、同2003−226516号、同2003−238140号等の各公報に記載されている方法を適用できる。
また、特定粒子は、平均一次粒子径が1nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。
特定粒子の平均一次粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均一次粒子径とする。本明細書における平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出する。
特定粒子の屈折率は、1.10〜1.40が好ましく、更に好ましくは、1.15〜1.35、最も好ましくは1.15〜1.30である。
ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、粒子が中空粒子である場合、中空粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。粒子が多孔質粒子である場合、多孔質粒子の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定することができる。
特定粒子は、低屈折率化の観点からは、中空又は多孔質の無機粒子が好ましい。無機の低屈折率粒子としては、フッ化マグネシウムやシリカの粒子が挙げられ、低屈折率性、分散安定性、コストの観点から、シリカ粒子であることがより好ましい。
これらの無機粒子の平均一次粒子径は、1nm〜100nmであることが好ましく、1nm〜60nmであることがより好ましい。
無機粒子は、必要な空隙率を満たす限りにおいて、結晶系は、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよく、また単分散粒子でも、所定の粒子径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形状が最も好ましいが、数珠状、長径と短径の比が1以上の形状、あるいは不定形状であってもよい。
無機粒子の比表面積は、10m/g〜2000m/gであることが好ましく、20m/g〜1800m/gであることがさらに好ましく、50m/g〜1500m/gであることが最も好ましい。
無機粒子は、光重合性組成物(2)中での、分散安定化を図るために、あるいは、バインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていてもよい。カップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、シランカップリング処理が特に有効である。
すなわち、無機粒子がシリカ粒子であり、カップリング剤がシラン化合物である場合、シラン化合物とシラノール基との反応により、オルガノシリル基(モノオルガノシリル、ジオルガノシリル、トリオルガノシリル基)がシリカ粒子の表面に結合するものである。表面処理されたシリカ粒子がその表面に有する有機基としては、飽和又は不飽和の炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。
上記カップリング剤は、無機粒子の表面処理剤として低屈折率膜用塗布液の調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられても、塗布液調製時にさらに添加剤として添加してもよい。
無機粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
特定粒子のより好適な態様はシリカ粒子である。
シリカからなる特定粒子としては市販されているものを好ましく用いることができる。
例えば、日揮触媒化成(株)製スルーリアシリーズ(中空粒子、イソプロパノール(IPA)分散、4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)分散など)、OSCALシリーズ、日産化学(株)製スノーテックスシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、エチレングリコール分散、メチルエチルケトン(MEK)分散、ジメチルアセトアミド分散、MIBK分散、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メタノール分散、酢酸エチル分散、酢酸ブチル分散、キシレン−n−ブタノール分散、トルエン分散など)、日鉄鉱業(株)製シリナックス(多孔質粒子)、扶桑化学工業(株)製PLシリーズ(多孔質粒子、IPA分散、トルエン分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メチルエチルケトン分散など)、EVONIK社製アエロジルシリーズ(多孔質粒子、プロピレングリコールアセテート分散、エチレングリコール分散、MIBK分散など)などのシリカ粒子を用いることができる。
シリカ粒子を、シリカ粒子と粒子分散剤(粒子分散剤の詳細は後述する)とを含有する分散液として、感光性組成物に添加する場合、シリカ粒子のシリカ分散液中の含有量は、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜30質量%がさらに好ましい。
光重合性組成物(2)の全固形分に対する特定粒子の含有量は、5質量%〜95質量%であることが好ましく、10質量%〜90質量%であることがより好ましく、20質量%〜90質量%であることが更に好ましい。
光重合性組成物(2)を用いて膜を形成する場合、特定粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。1mg/m以上であることによって、低屈折率化の効果や耐擦傷性の改良効果を確実に得ることができるとともに、100mg/m以下であることによって、硬化膜の表面に微細な凹凸ができて積分反射率が悪化することを抑制できる。
[(2)−粒子分散剤]
光重合性組成物(2)が特定粒子を含有する場合には、該特定粒子の分散性を向上させる観点から、更に、粒子分散剤を含有することが好ましい。
粒子分散剤としては、先に顔料分散剤として例示した化合物を同様に用いることができる。ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物などの分散樹脂や、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の化合物を挙げることができるが、樹脂であることが好ましい(以下、これを「分散樹脂」とも言う)。
分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
分散樹脂は粒子の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
分散樹脂の質量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、1000〜2×10であることが好ましく、2000〜1×10であることが更に好ましく、5000〜5×10であることが特に好ましい。
分散樹脂は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、111、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、森下産業社製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」等の分散樹脂等が挙げられる。
また、粒子分散剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性海面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤は市販品でも入手可能であり、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(以上、共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(以上、裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(以上、(株)ADEKA製)、及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。また、川研ファインケミカル(株)製 ヒノアクトT−8000Eなどの両性分散剤も挙げられる。
また、ELEBASE BA−100、BA−200、BCP−2、BUB−3、BUB−4、CP−800K、EDP−475、HEB−5、ファインサーフ 270、7045、7085、ブラウノン DSP−12.5、DT−03、L−205、LPE−1007、O−205、S−202、S−204、S−207、S−205T(青木油脂工業(株))、EMULGEN A−500、PP−290、アミート102、105、302、320、アミノーンPK−02S、エマノーンCH−25、エマルゲン 104P、108、404、408、A−60、A−90、B−66、LS−106、LS−114、レオドール430V、440V、460V、TW−S106、TW−S120V、レオドールスーパー TW−L120(花王(株))、ニューカルゲン 3000S、フS−3PG、FE−7PG、パイオニン D−6414(竹本油脂(株))、DYNOL604、オルフィン PD−002W、サーフィノール 2502、440、465、485、61(日信化学工業(株))等を挙げることができる。
また、フォスファノール ML−200、エマール20T、E−27、ネオペレックスGS、ペレックスNBL、SS−H、SS−L、ポイズ532A、ラムテルASK、E−118B、E−150(花王(株))、EMULSOGEN COL−020、070、080(クラリアント)、プライサーフ A208B、A210B、A210G、A219B、AL、ラベリンFC−45(第一工業製薬(株))、パイオニン A−24−EA、A−28−B、A−29−M、A−44−B、A−44TW(竹本油脂(株))、AKYPO RLM100NV、RLM45、RLM45NV、ECT−3、ECT−3NEX、ECT−7、ホステンHLP、HLP−1、HLP−TEA(日本サーファクタント工業(株))が挙げられる。
これらの粒子分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
光重合性組成物(2)における粒子分散剤の含有量は、特定粒子に対して1〜100質量%であることが好ましく、5〜80質量%がより好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましい。
具体的には、粒子分散剤が分散樹脂である場合、その含有量は、特定粒子に対して、5〜100質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
〔(2)−バインダーポリマー〕
光重合性組成物(2)は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーは、膜性向上の観点から含有されるものであって、膜性を向上させる機能を有していれば、種々のものを使用することがすることができる。
バインダーポリマーとしては、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」は特に限定的ではなく、いずれを使用してもよい。好ましくは水現像又は弱アルカリ水現像を可能とする、水又は弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。
線状有機高分子重合体は、光重合性組成物(2)における皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水又は有機溶剤現像剤の仕様に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらバインダーポリマーのなかでも、イソブチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマーを含む共重合体、及びアリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマーを含む共重合体が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらに高感度及び高解像度の観点から、ラジカル又はカチオン重合を利用し、活性光線又は放射線の照射により発生したラジカル又はカチオンによって、バインダーポリマーのラジカル又はカチオン重合反応が進行し、バインダーポリマーのアルカリ現像液に対する溶解性が減少することが好ましい。
バインダーポリマー中のラジカル又はカチオン重合性繰り返し単位は、酸又はラジカルの作用によりポリマー分子間に架橋が生じ、ゲル化することでアルカリ現像液に対する溶解性の減少に寄与する。
ラジカル重合性繰り返し単位としては、側鎖にフッ素原子又は珪素原子を有するとともに、ラジカル重合性基を有する化合物と反応して結合可能な樹脂に、該ラジカル重合性基を有する化合物を反応させることにより、樹脂に導入することが好ましい。例えば、カルボキシル基含有樹脂に、グリシジル(メタ)クリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和化合物や、アリルアルコール、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート等の不飽和アルコールを反応させた樹脂、水酸基を有するカルボキシル基含有樹脂に、遊離イソシアネート基含有不飽和化合物、不飽和酸無水物を反応させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加反応物に、多塩基酸無水物を反応させた樹脂、共役ジエン共重合体と不飽和ジカルボン酸無水物との付加反応物に、水酸基含有重合性モノマーを反応させた樹脂、塩基処理によって脱離反応が生起され不飽和基を与える特定官能基を有する樹脂を合成し、該樹脂に塩基処理を施すことでラジカル重合性繰り返し単位を有するバインダーポリマーを得ることができる。
中でも、カルボキシル基含有樹脂に、グリシジル(メタ)クリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和化合物を反応させた樹脂、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系化合物を重合させた樹脂に、(メタ)アクリル酸−2−イソシアネートエチル等の遊離イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させた樹脂、塩基処理によって脱離反応が生起され不飽和基を与える特定官能基を有する樹脂を合成し、該樹脂に塩基処理を施すことでラジカル重合性繰り返し単位を有するバインダーポリマーを得るのがより好ましい。
カチオン重合性繰り返し単位として、カチオン重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、エポキシ基、オキセタン基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。
カチオン重合性基を有するバインダーポリマーを得るには、例えば、エポキシ基を有するモノマー(以下「エポキシ基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合すればよい。前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(又はm−、又はp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらエポキシ基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性バインダーを得る際の単量体成分が前記エポキシ基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%であるのがよい。
硬化膜の屈折率を低くするために、バインダーポリマーとしての屈折率は1.55以下、より好ましくは1.50以下、最も好ましくは1.48以下であることが好ましい。
バインダーポリマー中、屈折率を低下させるための繰り返し単位としては、分岐アルキルやフッ素、(ポリ)シロキサンが好適に用いられ、これらの組成比はバインダーポリマー中で5モル%〜95モル%であることが好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましく、30モル%〜50モル%が最も好ましい。
バインダーポリマーは、光重合性組成物(2)中に任意な量で混和させることができる。画像強度等の点からは、感光層を構成する全固形分に対して、好ましくは1質量%〜30質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%の範囲である。
また、好ましい実施様態において、バインダーポリマーは実質的に水不溶でアルカリに可溶なものが用いられる。これにより、現像液として環境上好ましくない有機溶剤を用いないか若しくは非常に少ない使用量に制限できる。この様な使用法においてはバインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4meq/g〜3.0meq/gであり、好ましい分子量は3,000〜10万の範囲である。より好ましくは、酸価が0.6〜2.0、分子量が5,000から5万の範囲である。
〔(2)−増感剤〕
光重合性組成物(2)は、(A)特定オキシム化合物等の重合開始剤とともに増感剤を含有することが好ましい。本発明において用いうる増感剤としては、分光増感色素、光源の光を吸収して重合開始剤と相互作用する染料又は顔料などが挙げられる。
好ましい分光増感色素又は染料としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、例えば(アントラキノン)スクアリウム類、例えば(スクアリウム)等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては、例えば、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0144]〜[0202]、等に記載されるものが挙げられる。
また、光重合性組成物(2)に適用しうる増感剤としては、光重合性組成物(1)の説明において既述したものも挙げられる。
増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。光重合性組成物(2)中の全重合開始剤と増感色素のモル比は100:0〜1:99であり、より好ましくは90:10〜10:90であり、最も好ましくは80:20〜20:80である。
〔(2)−共増感剤〕
光重合性組成物(2)には、感度を一層向上させる、或いは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えてもよい。
共増感剤の例としては、光重合性組成物(1)の説明において既述したものも挙げられる。また、これらの他、特開平6−250387号公報に記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)等も挙げられる。
共増感剤を使用する場合には、光重合性組成物(2)に含有される重合開始剤の総量1質量部に対して、0.01質量部〜50質量部使用するのが適当である。
〔(2)−重合禁止剤〕
光重合性組成物(2)は、該組成物の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
〔(2)−密着促進剤〕
光重合性組成物(2)においては、形成された硬化膜の支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着促進剤を添加することができる。なお、特定オキシム化合物は、密着向上剤には包含されない。
密着促進剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、特開2008−32803号公報の段落番号〔0185〕に記載の化合物が挙げられる。
中でも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
光重合性組成物(2)は、密着促進剤を含有してもしなくてもよいいが、含有する場合、密着促進剤の添加量は、該組成物の全固形分に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、0.7質量%〜20質量%がより好ましい。
〔(2)−界面活性剤〕
光重合性組成物(2)には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、光重合性組成物(2)は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する光重合性組成物(2)を適用した塗布液を用いて膜形成する場合において、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、光重合性組成物(2)中における溶解性も良好である。
光重合性組成物(2)に適用しうる界面活性剤の具体例としては、光重合性組成物(1)に適用しうる界面活性剤として前掲したものが同様に挙げられる。
光重合性組成物(2)において、界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
光重合性組成物(2)は、界面活性剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、界面活性剤の含有量は、光重合性組成物(2)の全固形分質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
〔(2)−有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物〕
光重合性組成物(2)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
光重合性組成物(2)適用しうる有機カルボン酸、及び有機カルボン酸無水物としては、前記光重合性組成物(1)に適用しうる有機カルボン酸、及び有機カルボン酸無水物としてとして挙げたものが同様に挙げられる。
有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物の含有量は、通常、光重合性組成物(2)の全固形分中0.01〜10質量%、好ましくは0.03〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%の範囲である。
光重合性組成物(2)は、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物を含有することによって、該組成物を用いたパターン形成において、形成されたパターンの高い密着性を保ちながら、未硬化の光重合性組成物の未溶解物の残存をより一層低減することが可能である。また、有機カルボン酸無水物の含有は、特定オキシム化合物の保存安定性を向上させるという利点をも有する。
〔(2)−その他の添加剤〕
更に、光重合性組成物(2)に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
[カラーフィルタ及びその製造方法]
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物〔光重合性組成物(1)〕を塗布して光重合性組成物層を形成する工程(以下、適宜「光重合性組成物層形成工程」と称する。)と、前記光重合性組成物層を、パターン状に露光する工程(以下、適宜「露光工程」と称する。)と、露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と称する。)と、を含む方法により製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルタについては、その製造方法を通じて詳述する。
具体的には、本発明の光重合性組成物(1)を、直接又は他の層を介して支持体(基板)上に塗布して、光重合性組成物層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で現像することによって、各色(3色或いは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、本発明のカラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
〔光重合性組成物層形成工程〕
光重合性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の光重合性組成物(1)を塗布して光重合性組成物からなる層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明のカラーフィルタ用光重合性組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
光重合性組成物の塗布膜厚としては、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、光重合性組成物の塗布膜厚としては、解像度と現像性の観点から、0.35μm〜1.5μmが好ましく、0〜40μm〜1.0μmがより好ましい。
支持体上に塗布された光重合性組成物(1)は、通常、70℃〜110℃で2分〜4分程度の条件下で乾燥され、光重合性組成物層が形成される。
〔露光工程〕
露光工程では、前記光重合性組成物層形成工程において形成された光重合性組成物層をパターン状に露光する、パターン露光は、通常、マスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる方法で行われるが、走査露光によるパターン露光でもよい。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好ましい。露光に用いる放射線としては、365nmの波長を有するものが最も好ましい。照射強度は5mJ/cm〜1500mJ/cmが好ましく10mJ/cm〜1000mJ/cmがより好ましく、10mJ/cm〜800mJ/cmが最も好ましい。
本発明の光重合性組成物(1)は、特定オキシム化合物を用いているため、露光により高感度で硬化し、膜の深部まで良好な硬化性が得られるために、露光領域に形成される硬化膜(着色パターン部分)は支持体との密着性に優れる。
〔現像工程〕
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分(着色パターン部分)だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20秒〜90秒である。
現像液に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が使用される。
また、無機の現像液も使用可能であり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが使用できる。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
なお、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上述した、光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
以上説明した、光重合性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程(更に、必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタが作製される。
本発明のカラーフィルタは、電子ペーパーや有機EL等の画像表示デバイス、液晶ディスプレイ(液晶表示装置)、CCD等の固体撮像素子に好適に用いることができる。特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCD素子を構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとしても用いることができる。
[固体撮像素子]
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、本発明の光重合性組成物(1)を用いているため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、硬化した組成物は耐現像性に優れる。これによって、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。従って、液晶表示装置やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。つまり、本発明のカラーフィルタは、固体撮像素子に適用されることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
[液晶表示装置]
本発明のカラーフィルタは、光重合性組成物(1)を用いているため、露光部の基板との密着性が良好であり、形成された着色パターンの形状が良好であるために、支持体基板との高い密着性を示し、形状がシャープな着色画素を有することから、液晶表示装置用のカラーフィルタとしても好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示素子は、表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、なかでも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)
方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
本発明のカラーフィルタは、)特定オキシム化合物を含有する組成物を硬化させて得られるものであり、支持体との密着性に起因して剥離液体耐性に優れ、形成された画素のパターン形状も良好であることから、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。
さらに、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示素子に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺
材料・ケミカルズの市場(島 健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
[低屈折率硬化膜及びその製造方法]
次に、本発明の低屈折率硬化膜及びその製造方法について説明する。
<低屈折率硬化膜の製造方法>
本発明の低屈折率硬化膜は、光重合性組成物(2)を用いて光重合性組成物層を形成する工程(以下、適宜「光重合性組成物層形成工程」と称する。)、前記光重合性組成物層を露光する工程(以下、適宜「露光工程」と称する。)、及び、露光後の光重合性組成物層をアルカリ現像液により現像して硬化膜を形成する現像工程(以下、適宜「現像工程」と称する。)を含む方法により製造することができる。
〔光重合性組成物層形成工程〕
光重合性組成物層は、本発明の光重合性組成物により形成される。
本発明の光重合性組成物から形成され光重合性組成物層の形成方法は特に限定されないが、例えば、該光重合性組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法、インクジェット法等の任意の方法により、基板(支持体)に塗布した後、溶媒を必要に応じて加熱処理で除去して塗膜(光重合性組成物層)を形成し、プリベーク処理を施すことにより形成することができる。
基板としては、シリコンウエハ基板、SiO2ウエハ基板、SiNウエハ基板、ガラス基板、又は、これらの表面に各種金属層が形成された基板や、プラスチックフィルム、マイクロレンズ、イメージセンサー用オンチップカラーフィルターが塗布された基板などを挙げることができる。
基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スキャン法、インクジェット法が好ましい。特に好ましくは、スピンコーティング法である。スピンコーティング法については、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等が好ましく使用できる。
スピンコート条件としてはいずれの回転速度でもよいが、塗膜の面内均一性の観点より、直径300mmシリコン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。また光重合性組成物の吐出方法においては、回転する基板上に光重合性組成物を吐出する動的吐出、静止した基板上へ光重合性組成物を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶媒のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。
なお、本発明の光重合性組成物は、例えば、塗布装置吐出部のノズル、塗布装置の配管部、塗布装置内等に付着した場合でも、公知の洗浄液を用いて容易に洗浄除去することができる。この場合、より効率の良い洗浄除去を行うためには、本発明の感光性組成物に含まれる溶剤として前掲した溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。
また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も、本発明の光重合性組成物の洗浄除去用の洗浄液として好適に用いることができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、光重合性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、感光性組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
プリベーク処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン(株製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製造(株)製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業(株)製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、Cxシリーズ(東京エレクトロン(株)製)等が好ましく使用できる。上記プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、60℃〜150℃(好ましくは60℃〜120℃)で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
〔露光工程〕
光重合性組成物層を露光する工程は、必要に応じてマスクを介して行われる。
この露光に適用し得る活性光線又は放射線としては、赤外光、g線、h線、i線、KrF光、ArF光、X線、電子線等を挙げることができる。露光量、感度、解像度の観点から、i線、KrF光、ArF光、電子線が好ましく、さらに汎用性の観点から、i線、KrF光が最も好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm〜10000mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。KrF光を用いる場合は、30mJ/cm〜300mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。
また、露光した光重合性組成物層は、必要に応じて、次の現像処理前にホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜180℃で、0.5分間〜15分間程度加熱することができる。
〔現像工程〕
続いて、露光後の光重合性組成物層に対し、露光部を現像してパターン膜(硬化膜)を得る(現像工程)現像液にて現像を行う(現像工程)。これにより、ネガ型のパターン(レジストパターン)を形成することができる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.3質量%の水溶液が望ましい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。現像時間は、感光性組成物の組成によって異なるが、通常、25℃で30〜120秒間程度である。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液を感光性膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液が光重合性組成物層に与える圧力が小さくなり、光重合性組成物層及びパターン膜が不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
現像の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
リンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、現像を行ったウェハをリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、パターン膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱することにより行うことができる
このポストベークにおいて、加熱温度は、通常、120〜250℃、好ましくは160〜230℃である。また加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常、5〜30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30〜90分間程度である。
また、ポストベークに際しては、2回以上加熱するステップベーク法等を採用することもできる。
現像工程後、必要に応じて、形成されたパターン膜に対し後加熱及び/又は後露光を行い、パターン膜の硬化を更に促進させてもよい(硬膜処理による後硬化工程)。
これにより、耐光性、耐気候性、膜強度が向上し、さらに低屈折率性も向上させることができる場合がある。
硬膜処理とは、基板上のパターン膜を更に硬化し、膜に溶媒耐性などを、より与えることを意味する。硬膜の方法としては、加熱処理(焼成)することが好ましい。例えば、樹脂に残存する重合性基の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜600℃、より好ましくは200〜500℃、特に好ましくは200℃〜450℃で、好ましくは1分〜3時間、より好ましくは1分〜2時間、特に好ましくは1分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行ってもよい。
また、本発明では加熱処理ではなく、光照射や放射線照射などの高エネルギー線を照射することで、重合体中に、依然、残存する重合性基間の重合反応を起こして硬膜してもよい。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0.1〜50keVが好ましく、より好ましくは0.2〜30keV、特に好ましくは0.5〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0.01〜5μC/cm、より好ましくは0.01〜2μC/cm、特に好ましくは0.01〜1μC/cm2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜500℃が好ましく、より好ましくは20〜450℃、特に好ましくは20〜400℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。
重合体の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は160〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm−2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
加熱処理と光照射や放射線照射などの高エネルギー線処理照射を、同時に又は順次行うことにより硬膜してもよい。
膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。膜厚は、低屈折反射防止膜の使用目的に応じて適宜選択される。光重合性組成物(2)は、本発明の低屈折反射防止膜のみならず、低屈折性を利用した種々の用途に好適に使用される。
<低屈折率硬化膜>
以上のようにして得られた本発明の低屈折率硬化膜(パターン膜)は、優れた低屈折率性を示す。具体的には、パターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)は、1.35以下であることが好ましく、1.23〜1.34であることがより好ましく、1.24〜1.30であることが特に好ましい。上記範囲内であれば、後述する反射防止膜として有用である。
<反射防止膜>
本発明の低屈折率硬化膜の好適な使用態様として、反射防止膜が挙げられる。特に、光学デバイス(例えば、イメージセンサ用マイクロレンズ、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスなど)用の反射防止膜として好適である。
本発明の低屈折率硬化膜を、反射防止膜として使用した場合の反射率は低いほど好ましい。具体的には、450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率が3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
反射防止膜のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
上述した膜を単層型の反射防止膜として用いる場合には、透明基板の屈折率をnGとすると、反射防止膜の屈折率nは√nG、すなわち透明基板の屈折率に対して1/2乗であることが好ましい。例えば、光学ガラスの屈折率は1.47〜1.92(波長633nm、測定温度25℃)であるので、その光学ガラス上に形成される単層の反射防止膜のnは1.21〜1.38であることが好ましい。なお、その際の反射防止膜の膜厚は10nm〜10μmであることが好ましい。
上述した膜を、多層型の反射防止膜として用いる場合には、該膜を低屈折率層として使用し、例えば、その膜の下に、高屈折率層、ハードコート層、及び透明基板を含むことができる。このとき、基板の上に、ハードコート層を設けずに、直接、高屈折率層を形成してもよい。また、高屈折率層と低屈折率層の間、又は、高屈折率層とハードコート層の間に、さらに中屈折率層を設けてもよい。
以下に、多層型の場合の各層について詳述する。
(1)低屈折率層
低屈折率層は、上述のように本発明の光重合性組成物を用いて得られるパターン膜から構成される。低屈折率層の屈折率及び厚さについて説明する。
(i)屈折率
本発明の組成物を用いて得られるパターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)、即ち、低屈折率膜(低屈折率層ともいう)の屈折率を1.35以下とすることが好ましい。この理由は、低屈折率膜の屈折率が1.35以下であることにより、高屈折率膜(高屈折率層ともいう)と組み合わせた場合に、反射防止効果を確実に発現させることができるためである。
低屈折率膜の屈折率を1.34以下とするのがより好ましく、1.33以下とするのがさらに好ましい。尚、低屈折率膜を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよい。
また、低屈折率層を設ける場合、より優れた反射防止効果が得られることから、高屈折率層との間の屈折率差を0.05以上の値とするのが好ましい。低屈折率層と、高屈折率層との間の屈折率差が0.05以上であることにより、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られやすく、反射防止効果がより確実に得られやすい。従って、低屈折率層と、高屈折率層との間の屈折率差を0.1〜0.8の範囲内の値とするのがより好ましく、0.15〜0.7の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
(ii)厚さ
低屈折率層の厚さについても特に制限されるものではないが、例えば、20〜300nmであることが好ましい。低屈折率層の厚さが20nm以上となると、下地としての高屈折率膜に対する密着力が確実に得られ、一方、厚さが300nm以下となると、光干渉が生じにくく、反射防止効果がより確実に得られやすい。従って、低屈折率層の厚さを20〜250nmとするのがより好ましく、20〜200nmとするのがさらに好ましい。尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを20〜300nmとすればよい。
(2)高屈折率層
高屈折率層を形成するための硬化性組成物としては、特に制限されるものでないが、膜形成成分として、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シアネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを含むことが好ましい。これらの樹脂であれば、高屈折率層として、強固な薄膜を形成することができ、結果として、反射防止膜の耐擦傷性を著しく向上させることができる。
しかしながら、通常、これらの樹脂単独での屈折率は1.45〜1.62であり、高い反射防止性能を得るには十分で無い場合がある。そのため、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することにより、屈折率1.70〜2.20とすることが好ましい。また、硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる硬化性組成物を用いることができるが、より好適には生産性の良好な紫外線硬化性組成物が用いられる。
高屈折率層の厚さは特に制限されないが、例えば、20〜30,000nmであることが好ましい。高屈折率層の厚さが20nm以上となると、低屈折率層と組み合わせた場合に、反射防止効果や基板に対する密着力がより確実に得られやすく、一方、厚さが30,000nm以下となると、光干渉が生じにくく、反射防止効果がより確実に得られやすい。従って、高屈折率層の厚さを20〜1,000nmとするのがより好ましく、50〜500nmとするのがさらに好ましい。また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを20〜30,000nmとすればよい。尚、高屈折率層と基板との間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率層の厚さを20〜300nmとすることができる。
(3)ハードコート層
本発明の反射防止膜に用いるハードコート層の構成材料については特に制限されるものでない。このような材料としては、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
また、ハードコート層の厚さについても特に制限されるものではないが、1〜50μmとするのが好ましく、5〜10μmとするのがより好ましい。ハードコート層の厚さが1μm以上となると、反射防止膜の基板に対する密着力をより確実に向上しやすく、一方、厚さが50μm以下であると、均一に形成しやすい。
(4)基板
本発明の反射防止膜に用いうる基板の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる透明基板及びシリコンウエハを挙げることができる。これらの基板を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、液晶表示装置におけるカラーフィルターあるいは撮影素子等の広範な反射防止膜の利用分野において、優れた反射防止効果を得ることができる。
本発明の光重合性組成物を使用して得られるパターン膜は、光学デバイス(例えば、マイクロレンズ)用の表面保護膜、位相差膜としても用いることができる。
本発明の光重合性組成物は、特に、マイクロレンズ(ここで、マイクロレンズの概念は、マイクロレンズアレイの概念を含む)の被覆用途として、好適に使用することができる。
本発明の低屈折率硬化膜であるパターン膜は、本発明の光重合性組成物を用いて形成されており、屈折率が低く、パターン欠陥及び現像残渣が少なく、また高耐侯性で形成されているので、マイクロレンズや固体撮像素子用途に好適に用いられる。また、マイクロレンズや固体撮像素子用途以外の他の用途にも好適に使用される。他の用途としては、例えば、各種のOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクター等の液晶表示素子、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系、光ファイバコネクタ等の特に光の反射を抑制したい領域に設けられる膜、成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合材料、印刷インキ、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、プリント基板用レジスト、半導体製造用レジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト等、絶縁材、ホログラム材料、ウエハレベルレンズ本体或いはレンズ用遮光膜の形成材料、導波路用材料、オーバーコート剤、接着剤、粘着剤、粘接着剤、剥離コート剤等が挙げられ、本発明の低屈折率硬化膜であるパターン膜は、これら種々の用途に利用することができる。
特に、上述した成方法を用いてマイクロレンズの表面に本発明のパターン膜(低屈折率硬化膜)を形成することにより、上記特性を有する膜が表面に被覆された高精細なマイクロレンズを高い製品歩留りで簡便に形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準であり、「%」は、「質量%」である。
まず、実施例に用いる特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)、及び、比較例に用いる比較化合物(比較化合物1〜3)の詳細を以下に示す。なお、特定化合物1〜10の構造として示す(A−1)、(A−2)、(A−8)、(A−9)、(A−11)、(A−12)、(A−14)及び(A−15)は、前掲した特定オキシム化合物の例示化合物の番号と対応する。
比較化合物1の構造は以下の通りである。
上記一覧中に示される特定化合物1〜特定化合物8の合成方法を以下に示す。
1.特定化合物1〜3の合成
[合成例1:1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシムの合成]
氷浴で冷却したN−エチルカルバゾール(0.257mol)のクロロベンゼン(120mL)溶液に対して、塩化アルミニウム(268mol)を加えて溶解させた。次に、この溶液に同温度条件下でベンゾイルクロライド(0.267mol)を40分かけて滴下し、その後室温まで昇温し、一時間攪拌した。この反応液を再び、氷浴で冷却し、塩化アルミニウム(0.283mol)を加えて溶解させ、続いて同温度条件下でアセチルクロライド(0.308mol)を40分かけて滴下した後、室温まで昇温し、一時間攪拌した。この反応溶液を、氷浴で冷やした3.5N塩酸水280mLに注ぎ、更にここに8N塩酸水を200mL加えた後、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを溶媒留去し、12時間静置する。ここで、生じた固体をろ取することで1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノン(0.241mol)を得た。
ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.0652mol)及び、酢酸ナトリウム(0.0640mol)を水50mLに溶解させた水溶液を調製した。この水溶液に対し、1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノン(0.0595mol)の溶解したN−メチルピペリドン(NMP)120mL溶液を滴下し、滴下後80℃で1時間加熱攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0583mol)を得た。合成スキームは以下の通りである。
[合成例2:特定化合物1の合成]
氷浴で冷却した1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0303mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0367mol)が溶解した酢酸エチル(100mL)とテトラヒドロフラン(50mL)との混合溶液に対して、アクリルクロライド(0.0370mol)を滴下し、滴下後同温度条件で1時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られるオイル状液体をN−メチルピペリドン(NMP)に溶かし、この溶液を水に加え再沈殿を行った後、ろ取することで1−(6‐ベンゾイル−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル)エタノンオキシム−O−プロパ−2−エンー1−オン(0.0275mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):1.50(t、3H)、2.55(s、3H)、4.42(q、2H)、5.59(d、1H)、6.38(dd、1H)、6.61(m、1H)7.44〜7.59(m、4H)、7.61(t、1H)、7.89(dd、2H)、8.01(dd、1H)、8.10(dd、1H)、8.50(d、1H)、8.61(d、1H)
次いで、1−(6−ベンゾイル−9−エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム−O−プロパ−2−エンー1−オン(0.0052mol)と3−メルカプトトリエトキシシラン(0.0061mol)が溶解したテトラヒドロフラン(10mL)溶液に対して、トリエチルアミン(0.0021mol)を加え、室温下で30分攪拌した。その後、溶媒を留去してカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して特定化合物1(0.0045mol)を得た。合成スキームは以下の通りである。
得られた特定化合物1の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.73(t、2H,)、1.23(m、9H)、1.50(t、3H)、1.68〜1.80(m、2H)、2.52(s、3H)、2.62(t、2H)、2.80〜2.96(m、4H)、3.81(q、6H)、4.44(q、2H)、7.45〜7.60(m、4H)、7.62(t、1H)、7.85(dd、2H)、8.00(dd、1H)、8.10(dd、1H)、8.47(d、1H)、8.61(d、1H)
[合成例3:特定化合物2の合成]
氷浴で冷却した1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム(0.0152mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0184mol)が溶解したテトラヒドロフラン(100mL)溶液に対して、4−ペンテノイルクロライド(0.0182mol)を滴下し、滴下後同温度条件で12時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られる固体を2−プロパノールにより再結晶を行い1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム−O−ペンタ−4−エンー1−オン(0.0081mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):1.52(t、3H)、2.49〜2.60(m、5H)、4.44(q、2H)、5.09(dd、1H)、5.19(dd、1H)、5.82〜6.00(m、1H)7.46〜7.59(m、4H)、7.61(t、1H)、7.85(dd、2H)、8.00(dd、1H)、8.10(dd、1H)、8.48(d、1H)、8.61(d、1H)
次いで、1‐(6‐ベンゾイル‐9‐エチル‐9H‐カルバゾール‐3‐イル)エタノンオキシム−O−ペンタ−4−エンー1−オン(0.0023mol)と3−メルカプトトリメトキシシラン(0.0124mol)が溶解したPEGMEA(20mL)溶液を80℃で加熱攪拌した。これに対しアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.00003mol)を加え、同反応条件下で1.5持間加熱攪拌した後、室温まで冷却した。この反応液をヘキサンへと注ぎ、生じたオイルを集めることで特定化合物2(0.00020mol)を得た。合成スキームは以下の通りである。
得られた特定化合物1の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.74〜0.80(m、2H,)、1.50(t、3H、J=7.2Hz)、1.64〜1.69(m、4H)、1.72〜1.85(m、2H)、2.51(s、3)、2.50〜2.60(m、6H)、3.75(S、9H)、4.44(q、2H、J=7.2Hz)、7.42〜7.48(m、2H)、7.50〜7.56(m、2H)、7.58〜7.66(m、1H)、8.00(dd、1H、J=8.7、1.8Hz)、8.10(dd、1H、J=8.4、1.8Hz)、8.47(d、1H、J=1.2Hz)、8.60(d、1H、J=1.2Hz)
[合成例4:特定化合物3の合成]
上記の合成例1と同様に合成した中間体1(0.0200mol)とトリエチルアミン(TEA、0.0232mol)が溶解した酢酸エチル(200mL)とテトラヒドロフラン(50mL)混合溶液に対して、アクリルクロライド(0.0238mol)を滴下し、滴下後同温度条件で1時間攪拌した。水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出、水、及び、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄したのち有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後に得られるオイル状液体をN−メチルピペリドン(NMP)に溶かし、この溶液を水に加え再沈殿を行った後、ろ取することで中間体2(0.0155mol)を得た。得られた生成物の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):1.51(t、3H)、3.18〜3.24(m、4H)、4.46(q、2H)、6.01(dd、1H),6.16(dd、1H)、6.53(dd、1H)、7.20〜7.35(m、4H)、7.50〜7.59(m、4H)、7.63(t、1H)、7.88(dd、2H)、8.11(dd、1H)、8.35(dd、1H)、8.66(d、1H)、8.94(d、1H)
中間体2(0.00383mol)と3−メルカプトトリエトキシシラン(0.00428mol)が溶解したテトラヒドロフラン(10mL)溶液に対して、トリエチルアミン(0.00129mol)を加え、室温下で1時間攪拌した。その後、溶媒を留去してカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して特定化合物3(0.00257mol)を得た。合成スキームは以下の通りである。
得られた特定化合物3の構造はNMRにて同定した。同定結果を以下に示す。
H−NMR 300MHz 重クロロホルム):0.74(t、2H,)、1.23(m、9H)、1.51(t、3H)、1.65〜1.80(m、2H)、2.59(t、3H)、2.70〜2.89(m、4H)、3.12〜3.28(m、4H)、3.82(q、6H)、4.47(q、2H)、7.22〜7.32(m、4H)、7.49〜7.59(m、4H)、7.63(t、1H)、7.86(dd、2H)、8.10(dd、1H)、8.30(dd、1H)、8.65(dd、1H)、8.91(dd、1H)
更に、上記の合成例1〜合成例4と同様にして、特定化合物4〜特定化合物8を合成した。
[実施例1−1:顔料ピグメント グリーン58を用いた緑色光重合性組成物]
〔1.着色光重合性組成物A−1の調製〕
カラーフィルタ形成用の光重合性組成物として、着色剤として顔料を含有するネガ型の着色光重合性組成物A−1を調製し、これを用いてカラーフィルタを作製した。
1−1.顔料分散液(P1)の調製
顔料としてC.I.ピグメント グリーン58と、C.I.ピグメント イエロー180との30/70(質量比)混合物40部、分散剤としてBYK2001〔Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.1質量%〕10部(固形分換算約4.51部)、及び、溶媒として3−エトキシプロピオン酸エチル150部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
得られた顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒子径を動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
1−2.着色光重合性組成物A−1(塗布液)の調製
下記組成A−1の成分を混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、着色光重合性組成物A−1を調製した。
<組成A−1>
・顔料分散液(P1) 600部
・バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(mol比:80/10/10、Mw:10,000) 200部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 60部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 60部
・溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と略称する。) 1,000部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 1部
・密着向上剤:γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 5部
〔2.カラーフィルタの作製〕
2−1.着色光重合性組成物層の形成
上記により得られた着色光重合性組成物A−1をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態に保持し、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して重合性組成物塗膜(着色光重合性組成物層)を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリアランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
2−2.露光、現像
その後、2.5kWの超高圧水銀灯を用いて、着色光重合性組成物層をパターン状に露光した。露光後の着色光重合性組成物層の全面を、無機系現像液(商品名:CD、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の10%水溶液で被い、60秒間静止した。
2−3.加熱処理
その後、着色光重合性組成物層上に、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、次いで、220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。これにより、ガラス基板上に緑色(G)の着色パターンを有するカラーフィルタを得た。
〔3.性能評価〕
着色光重合性組成物A−1の保存安定性及び露光感度、並びに、ガラス基板上に着色光重合性組成物を用いて着色パターンを形成した際の現像性、得られた着色パターンの加熱経時での基板密着性、パターン断面形状及び後加熱パターン断面形状について、下記のようにして評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
3−1.着色光重合性組成物の露光感度(フレッシュ)
着色光重合性組成物A−1を、ガラス基板上にスピンコート塗布後、乾燥して膜厚1.0μmの塗膜を形成した。スピンコート条件は、300rpmで5秒の後、800rpmで20秒とし、乾燥条件は100℃で80秒とした。次に、得られた塗膜を、線幅2.0μmのテスト用のフォトマスクを用い、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)により、10mJ/cm〜1600mJ/cmの種々の露光量で露光した。次に、60%CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)現像液を使用して、露光後の塗膜を、25℃、60秒間の条件で現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、エアー乾燥し、パターニングを完了した。
露光感度の評価は、露光工程において光が照射された領域の現像後のパターン線幅が、1μm以上となる最小の露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。
3−2.パターン断面形状
「2−3.加熱処理」においてポストベークを行った後形成されたパターンの断面形状をSEM観察して評価した。パターンの断面形状は矩形が最も好ましく、順テーパーが次に好ましい。逆テーパーは好ましくない。
3−3.基板密着性
基板密着性は、パターン欠損が発生しているか否かを観察し、下記基準に基づいて評価した。
−評価基準−
◎:パターン欠損がまったく観察されなかった
○:パターン欠損が露光部パターン1.0μm四方あたり1から3個観察された
△:パターン欠損が露光部パターン1.0μm四方あたり3個を超え、10個以内観察された
×:パターン欠損が著しく多く観察された
3−4.未露光部残渣
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無をSEM(倍率:20000倍)にて観察し、現像性を評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
◎:未露光部には、残渣が全く観察されない
○:未露光部1.0μm四方に残渣が1から3個観察された
△:未露光部1.0μm四方に残渣が3個を超え、10個以内観察された
×:未露光部に、残渣が著しく確認された
基板密着性及び未露光部残渣いずれの評価基準においても、◎〜△は実用上問題のないレベルであり、◎及び○は優れた性能を有すると評価する。
[実施例1−2〜1−8、比較例1−1〜1−3]
実施例1−1での着色光重合性組成物A−1の調製に用いた組成A−1において、特定化合物1を、下記表1に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成A−1と同様にして、着色光重合性組成物A−2〜A−8及びA’−1〜A’−3を調製した。
更に、着色光重合性組成物A−2〜A−8及びA’−1〜A’−3を用いて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
表1の結果から、特定相互作用性基(シランカップリング基)を有する特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)を含有する各実施例の緑色光重合性組成物は、支持体との密着性に優れ、未露光部の現像後の残渣が少なく現像性にも優れていることが判る。また、これらの緑色光重合性組成物は露光感度が高く、比較例に対してパターン断面形状も優れていることが判る。
[実施例2−1:ピロメテン染料を用いた青色着色光重合性組成物]
〔1.レジスト液の調製〕
下記組成の成分を混合して溶解し、レジスト液を調製した。
−レジスト液の組成−
・PGMEA 19.20部
・乳酸エチル 36.67部
・樹脂:〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液〕 30.51部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.0061部
・フッ素系界面活性剤:DIC(株)製 F−475 0.83部
・光重合開始剤:みどり化学(株)製 TAZ−107(トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤) 0.586部
〔2.下塗り層付シリコンウエハ基板の作製〕
6inchシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に前記レジスト液を乾燥膜厚が2μmになるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間加熱乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハ基板を得た。
〔3.着色光重合性組成物B−1の調製〕
−C.I.Pigment Blue15:6分散液の調製−
C.I.Pigment Blue15:6を11.5部(平均一次粒子径:55nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を3.5部、PGMEA85部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装社製))により測定したところ、25nmであった。
下記組成B−1の化合物を混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、着色剤(顔料及び染料)を含有する着色光重合性組成物B−1を調製した。
<組成B−1>
・溶剤:PGMEA 21.09部
・重合性化合物1(下記構造) 0.582部
・重合性化合物2(下記構造) 0.582部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.360部
・着色剤:染料化合物1(下記構造) 1.200部
・Pigment Blue−15:6分散液(固形分濃度13.17%、顔料濃度10.13%) 24.8766部
・界面活性剤:DIC(株)製、商品名:F−781、PGMEAの1.0%溶液
1.250部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール(PGMEAの1.0%溶液)
0.060部
なお、染料化合物1は、特開2008−292970号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
〔4.着色光重合性組成物B−1によるカラーフィルタの作製及び評価〕
前記3.で調製した着色光重合性組成物B−1を、前記2.で得られた下塗り層付シリコンウエハ基板の下塗り層上に塗布し、重合性組成物の塗布膜を乾燥膜厚が0.6μmになるように形成し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長でパターンが2μm四方のIslandパターンマスクを通して10〜1600mJ/cmの露光量で照射した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機〔DW−30型、(株)ケミトロニクス製〕の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板上に着色パターンを形成した。
着色パターンが形成されたシリコンウエハ基板を真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50r.p.m.で回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥した。
以上のようにして、基板上に着色パターンが形成されたカラーフィルタを得た。
得られた各着色光重合性組成物B−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す
[実施例2−2〜2−8、比較例2−1〜2−3]
実施例2−1での着色光重合性組成物B−1の調製に用いた組成B−1において、特定化合物1を、下記表2に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成B−1と同様にして、着色光重合性組成物B−2〜B−8及びB’−1〜B’−3を調製した。
更に、着色光重合性組成物B−2〜B−8及びB’−1〜B’−3を用いて、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
表2の結果から、特定相互作用性基(シランカップリング基)を有する特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)を含有する各実施例の青色光重合性組成物は、支持体との密着性に優れ、未露光部の現像後の残渣が少なく現像性にも優れていることが判る。また、これらの青色光重合性組成物は露光感度が高く、比較例に対してパターン断面形状も優れていることが判る。
[実施例3−1:赤色着色光重合性組成物]
−C.I.Pigment Red254分散液の調製−
C.I.Pigment Red254を14.0質量部(平均一次粒子径75nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を4.0質量部、PGMEA85質量部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装(株製))により測定したところ、30nmであった。
−C.I.Pigment Yellow139分散液の調製−
C.I.Pigment Yellow139を13.0質量部(平均一次粒子径70nm)、及び顔料分散剤BYK−161(BYK社製)を3.0質量部、PGMEA90質量部からなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合・分散して、顔料分散液を調製した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO-3000-10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、顔料分散液を得た。顔料分散液について、顔料の平均1次粒子径を動的光散乱法(Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装(株)製))により測定したところ、25nmであった。
下記組成C−1の化合物を混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、着色剤(顔料)を含有する着色光重合性組成物C−1を調製した。
<組成C−1>
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 17.9部
・着色剤:C.I.PigmentRed 254の分散液 26.7部
(固形分:15質量%、固形分中の顔料含有率:60%)
・着色剤 C.I.PigmentYellow 139の分散液 17.8部
(固形分:15質量%、固形分中の顔料含有率:60%)
・重合性化合物:ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの3:7の混合物 3.5部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.5部
・バインダーポリマー:ベンジルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比=70/30) 2.0部
得られた各着色光重合性組成物C−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す
[実施例3−2〜3−8、比較例3−1〜3−3]
実施例3−1での着色光重合性組成物C−1の調製に用いた組成C−1において、特定化合物1を、下記表3に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成C−1と同様にして、着色光重合性組成物C−2〜C−8及びC’−1〜C’−3を調製し、カラーフィルタを得た。
更に、着色光重合性組成物C−2〜C−8及びC’−1〜C’−3を用いて、実施例3−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
表3の結果から、特定相互作用性基(シランカップリング基)を有する特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)を含有する各実施例の赤色光重合性組成物は、支持体との密着性に優れ、未露光部の現像後の残渣が少なく現像性にも優れていることが判る。また、これらの赤色光重合性組成物は露光感度が高く、比較例に対してパターン断面形状も優れていることが判る。
〔実施例4−1〕
(黒色光重合性組成物の調製)
<チタンブラック分散液Aの調製>
下記組成d−1を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。この際の分散物の粘度は40,000mPa・sであった。
<組成d−1>
・着色剤:チタンブラック(平均一次粒子径75nm、三菱マテリアルズ(株)製13M−C) 35部
・溶剤:PGMEA 65部
得られた分散物に、下記組成d−2を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌した。得られた混合溶液を、0.3mm径のジルコニアビーズを用いて、分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して、チタンブラック分散液A(以下、TB分散液Aと表記する。)を得た。
<組成d−2>
・分散樹脂1(下記構造:x:50モル%、y:50モル%、Mw:30,000)のPGMEA 30%溶液 30部
−黒色光重合性組成物D−1の調製−
下記組成D−1を攪拌機で混合し、得られた混合液を孔径1.0μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、黒色光重合性組成物D−1を調製した。
<組成D−1>
・バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/アクリル酸共重合体 2.0部
〔組成比:ベンジルメタクリレート/アクリル酸共重合体=80/20(質量%)、重量平均分子量:25000〕
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0部
・チタンブラック分散液A(前記で得たもの) 24.0部
・溶剤:PGMEA 10部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート 8部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 0.8部
・重合禁止剤:4−メトキシフェノール 0.01部
得られた各着色光重合性組成物D−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す
[実施例4−2〜4−8、比較例4−1〜4−3]
実施例4−1において、黒色光重合性組成物D−1の調製に用いた組成D−1中の特定化合物1を、下記表4に示される種類の特定化合物又は比較化合物に変更し、その他は組成D−1と同様にして、黒色光重合性組成物D−2〜D−8及びD’−1〜D’−3を調製した。
得られた黒色光重合性組成物D−2〜D−8及びD’−1〜D’−3について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
表4の結果から、特定相互作用性基(シランカップリング基)を有する特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)を含有する各実施例の黒色光重合性組成物は、支持体との密着性に優れ、未露光部の現像後の残渣が少なく現像性にも優れていることが判る。また、これらの黒色光重合性組成物は露光感度が高く、比較例に対してパターン断面形状も優れていることが判る。一方、比較例4−1〜4−3のパターンの密着性も低く、またパターン形状も好ましくない逆テーパー型であることが分かる。
[実施例4−9:固体撮像素子用カラーフィルタ]
実施例4−1で調製した黒色光重合性組成物D−1を用いて、塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上にスピーンコートで塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、パターンが2μm四方のinverseのIslandパターンマスク(格子枠の格子幅は0.8μm)を通して1000mJ/cmの露光量で露光した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハをスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行なった。
次いで塗布膜が形成されているシリコンウエハを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥し、2.0μm四方のセルを有し、格子幅が0.8μmの格子状パターンを有するブラックマトリックスを有するシリコンウエハを形成した。
次いで、ブラックマトリックスが形成されたシリコンウエハ上の所定の領域に、実施例1−1で調製した着色光重合性組成物A−1を用いて、実施例1−1に記載の方法と同じ要領で1.2μm×1.2μmの緑色(G)の着色パターンを形成した。
緑色(G)の着色パターンが形成された基板の所定の領域に、緑色(G)の着色パターンと同様にして、1.2μm×1.2μmの青色(B)及び赤色(R)の着色パターンを順次形成して、固体撮像素子用のフルカラーのカラーフィルタを作製した。
得られたフルカラーのカラーフィルタについて、実施例1−1と同じ方法で、黒色画像パターンとRGB各色の着色パターンそれぞれについて、断面形状及び基板密着性を評価したところ、いずれのパターンについても、形状は矩形であり、パターン欠損が無く、基板密着性に優れていることがわかった。
<固体撮像素子の作製>
実施例4−9にて得られたフルカラーのカラーフィルタを固体撮像素子に組み込んだところ、該固体撮像素子は、高解像度で、色分離性に優れることが確認された。
[実施例5−1:低屈折率透明パターン(低屈折率硬化膜)]
−中空粒子含有光重合性組成物E−1の調製−
下記組成E−1を混合し、得られた混合液を孔径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、実施例5−1の光重合性組成物E−1を調製した。
<組成E−1>
・中空シリカ粒子(屈折率:1.20):スルーリア2320(日揮触媒化成(株)製品、20質量%メチルイソブチルケトン分散液、平均一次粒子径:55nm、空隙率:40%) 262.5部
・特定オキシム化合物(重合開始剤):特定化合物1 3.8部
・樹脂1(下記構造、x:50モル%、y:30モル%、z:20モル%、Mw:12,000、20質量%PGME溶液、重合性化合物) 93.8部

・溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA) 140部
得られた光重合性成物E−1について、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
−低屈折率透明パターンの作製−
上記で得られた光重合性組成物E−1を、シリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上で100℃で2分間加熱して膜厚0.3μmの光重合性組成物層を形成した。
次いで、得られた光重合性成物層に対し、i線ステッパーFPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で、0.5ミクロンスクエアから100ミクロンスクエアまでのサイズが異なるドットアレイパターンのマスクを介して露光した。
露光後の感光性膜に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗し、膜厚0.1μmの透明パターン(パターン状の硬化膜)を得た。
得られた透明パターンの表面を走査型電子顕微鏡(製品名:S−4300、(株)日立製作所製)により観察することにより、透明パターンを構成する硬化膜からのシリカ粒子の脱落を観察した。
粒子の脱落の評価は、硬化膜の表面において粒子が脱落して形成された凹部の有無により行った。評価は、視野領域を変えて5カ所で観察を行い、以下の基準により行った。結果を表5に示す。
−評価基準−
○:粒子の脱落による凹部がない
×:粒子の脱落による凹部が1つ以上観察された
[実施例5−2〜5−8、比較例5−1〜5−3]
実施例5−1において、光重合性組成物E−1の調製に用いた組成E−1中の特定化合物1 3.8部を、下記表5に示される特定化合物又は比較化合物 3.8部にそれぞれ変更し、その他は組成E−1と同様にして、光重合性組成物E−2〜E−8及びE’−1〜E’−3を調製した。
得られた光重合性組成物E−2〜E−8及びE’−1〜E’−3について、実施例5−1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
表5の結果から、特定相互作用性基(シランカップリング基)を有する特定オキシム化合物(特定化合物1〜特定化合物8)を含有する各実施例の光重合性組成物は、支持体との密着性が優れており、中空粒子の脱落も抑制され、現像後の残渣も全く見られないことが判る。また、これらの光重合性組成物は露光感度が高く、比較例に対してパターン形状も優れていることも判る。一方、比較例の光重合性組成物は、密着性が低く、またパターン欠陥も多く、残渣、粒子の脱落も著しく見られることが判る。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物から選択された少なくとも1種の化合物と、重合性化合物と、を含有する光重合性組成物。


    [一般式(1−1)中、Rは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。Rは、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表し、Rは、単結合、−O−、−S−、−N(R)−、−CH−、又はカルボニル基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれRと互いに連結して環を形成してもよい。Rは1価の有機基を表す。R、R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。pは1又は2の整数を示す。Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Yは2価の有機基を表す。Zは、シランカップリング基、チオール基、チオイソシアナト基、ニトリル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノアルキルシラン基、ホスホン酸基、リン酸エステル基、及び不飽和炭化水素基からなる群より選択される相互作用性基を表す。
    一般式(1−2)中、R、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、p、X、Y、及びZとそれぞれ同義である。]
  2. 前記一般式(1−1)及び一般式(1−2)で表される化合物が、ぞれぞれ下記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物である請求項1に記載の光重合性組成物。


    [一般式(2−1)中、R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表し、Yは、炭素数1〜40のアルキレン基を含む連結基を表し、mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。R、R、R、R、R、R、X及びpは、前記一般式(1−1)におけるR、R、R、R、R、R、X及びpとそれぞれ同義である。
    一般式(2−2)中、R、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpとそれぞれ同義である。]
  3. 前記一般式(2−1)及び一般式(2−2)で表される化合物が、それぞれ下記一般式(3−1)及び一般式(3−2)で表される化合物である請求項2に記載の光重合性組成物。


    [一般式(3−1)中、R14は、R又はRと互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Yは、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R、R、R、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義である。
    (I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SR、−CON(R)(R)、−OC(O)N(R)(R)、−OC(O)R、−C(O)OR、−S(O)R、−S(O)Ra。ここで、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
    一般式(3−2)中、R、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。]
  4. 更に、着色剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
  5. 前記着色剤が顔料であり、更に、顔料分散剤を含有する請求項4に記載の光重合性組成物。
  6. 前記着色剤が、黒色着色剤である請求項4又は請求項5に記載の光重合性組成物。
  7. 前記黒色着色剤がチタンブラックである請求項6に記載の光重合性組成物。
  8. カラーフィルタの着色領域形成に用いられる請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の光重合性組成物
  9. 更に、中空粒子又は多孔質粒子を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光重合性組成物。
  10. 請求項9に記載の光重合性組成物を用いた低屈折率硬化膜。
  11. 支持体上に、請求項8に記載の重合性組成物を用いて形成された着色領域を有するカラーフィルタ。
  12. 支持体上に、請求項8に記載の光重合性組成物を塗布して光重合性組成物層を形成する工程と、
    前記光重合性組成物層をパターン状に露光する工程と、
    露光後の前記光重合性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項10に記載の低屈折率硬化膜、又は、請求項11に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  14. 下記一般式(2−1)、一般式(2−2)、一般式(3−1)又は一般式(3−2)で表される化合物。

    [一般式(2−1)中、Rは、単結合又はカルボニル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R及びRは、各々独立に、水素原子、−OR10、又は−SR11を表し、それぞれRと互いに連結して環を形成してもよい。Rは1価の有機基を表す。R、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。R12は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R13は加水分解性基を表す。pは1又は2の整数を示す。Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。Yは2価の有機基を表す。mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。
    一般式(2−2)中、R、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R、R、R12、R13、X、Y、m、n、及びpとそれぞれ同義である。]

    [一般式(3−1)中、R14は、R又はRと互いに連結して環構造を形成しうる基、置換基を有さないアルキル基、又は下記(I)群から選択される置換基を有するアルキル基を表す。R15は、水素原子、アルキル基、−OR17、−SR18、又は−N(R19)(R20)を表す。R16は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。Yは、炭素数2〜40のアルキレン鎖が、−S−、−O−、−N(R21)−、及びカルボニル基から選択された少なくとも1つにより分断された構造を有する2価の連結基を表す。R17、R18、R19、R20及びR21は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R、R、R、R12、R13、m、n及びpは、前記一般式(2−1)におけるR、R、R、R12、R13、m、n及びpとそれぞれ同義である。
    (I)群:シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−SR、−CON(R)(R)、−OC(O)N(R)(R)、−OC(O)R、−C(O)OR、−S(O)R、−S(O)Ra。ここで、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を示す。
    一般式(3−2)中、R、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpは、前記一般式(3−1)におけるR、R、R、R12、R13、R14、R15、m、n及びpとそれぞれ同義である。]
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