JP2012093081A - エンジン駆動ヒートポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補助熱源機32又は貯湯タンク27が設けられ、熱搬送流体供給手段57が補助熱源機32にて加熱された熱搬送流体を排熱熱交換器14に供給するように構成され、運転制御装置58が、排熱熱交換器14において熱搬送流体供給手段57により供給される熱搬送流体にて冷却水循環手段15にて循環される冷却水を加熱すべく、冷却水循環手段15及び熱搬送流体供給手段57の夫々の作動を制御して、エンジン1の冷却水を排熱熱交換器14との間で循環させながら、貯湯タンク27への熱搬送流体の供給を停止した状態で、補助熱源機32にて加熱された熱搬送流体を排熱熱交換器14を通過して補助熱源機32に戻るように循環させる冷却水加熱運転を行う。
【選択図】図3
Description
運転制御手段が、熱搬送流体加熱運転を行うことにより、排熱熱交換器において冷却水循環手段にて循環される冷却水が熱搬送流体供給手段にて供給される熱搬送流体を加熱して、エンジンの冷却水を用いて熱搬送流体を加熱している。加熱された熱搬送流体は、熱搬送流体供給手段によって熱利用部に供給されて給湯、風呂の追焚き、暖房等に利用されている。
例えば、エンジンや冷却水の温度が低い状態からエンジンを始動させたときには、エンジンや冷却水が温まるまでは冷却水を冷媒の加熱に利用できず、冷却水を冷媒の加熱に利用できるまでの時間が長くなる。また、外気温度が非常に低い厳寒時には、大気の熱により冷媒を加熱することが期待できないので、冷却水を冷媒の加熱に利用しても得られる暖房能力が要求されている暖房能力よりも不足することがある。しかも、冷却水を冷媒の加熱に利用することにより冷却水の温度が低下し過ぎてしまい、エンジンの燃焼ガス内の水蒸気が凝縮してエンジンオイルに溶け込み、エンジンオイルの劣化を招く等の不具合が発生する虞がある。
また、例えば、冷却水を冷媒の加熱に利用する場合には、運転制御手段が冷却水加熱運転を行うことにより、排熱熱交換器にて冷却水に加えられた熱を冷媒の加熱に利用することができる。したがって、外気温度が非常に低い厳寒時には、運転制御手段が冷却水加熱運転を行うことにより、得られる暖房能力を高めることができ、要求されている暖房能力よりも不足することを抑制できる。しかも、冷却水を冷媒の加熱に利用しても、冷却水の温度を高い温度に維持することができるので、エンジンオイルの劣化等の不具合の発生を抑制できる。
しかも、運転制御手段が冷却水加熱運転を行うことにより、排熱熱交換器にて加熱された冷却水を冷媒加熱用熱交換器に供給させて、排熱熱交換器にて冷却水に加えられた熱を冷媒の加熱に利用することができる。したがって、排熱熱交換器にて冷却水に加えられた熱により冷媒を効果的に加熱することができ、暖房能力の向上を効果的に図ることができる。
また、エンジンには、冷媒加熱用熱交換器を通過した後の冷却水が戻るので、排熱熱交換器において冷却水を高温に加熱しても、冷媒加熱用熱交換器の通過により温度低下された冷却水がエンジンに戻される。したがって、冷媒加熱用熱交換器に供給する冷却水の温度を極力高温としながら、エンジンに過度に高温の冷却水が戻されるのを防止できる。
冷媒加熱用熱交換器は、冷媒回路において、室外熱交換器と圧縮機との間に配設されているので、運転制御手段がヒートポンプ暖房運転を行うときには、室外熱交換器を通過した後の低温の冷媒が冷媒加熱用熱交換器に供給される。したがって、冷媒加熱用熱交換器において冷却水にて冷媒を加熱することができ、暖房能力の向上を図ることができる。運転制御手段がヒートポンプ冷房運転を行うときには、圧縮機からの高温の冷媒が冷媒加熱用熱交換器に供給される。したがって、冷却水循環手段にて高温の冷却水が冷媒加熱用熱交換器に供給されても、冷却水と冷媒との温度差が小さくでき、冷媒加熱用熱交換器において冷却水が冷媒をさらに高温に加熱してしまう等の悪影響を及ぼしてしまう事を防止できる。
以上のことから、ヒートポンプ暖房運転を行うときには暖房能力の向上を図りながら、ヒートポンプ冷房運転を的確に行うことができる。
このエンジン駆動ヒートポンプ装置は、図1〜図3に示すように、エンジン1により駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機2、冷媒から放熱させる凝縮器3、冷媒を膨張させる膨張弁4、冷媒に吸熱させる蒸発器5の順に冷媒を循環する冷媒回路6と、エンジン1の冷却水を利用する排熱利用装置7とから構成されている。圧縮機2は、エンジン1の駆動力がベルト1aで伝達されて回転駆動するように設けられている。
図1〜3において、流体の通流状態を太線及び矢印にて示している。図1〜図3は、流体が通流する部分が異なるだけでその他の構成については同様の構成を示している。
四方弁10は、冷媒回路6において、圧縮機2と室内機8との間の流路及び室外熱交換器9と圧縮機2との間の流路における接続状態を切り換えることにより、暖房状態と冷房状態とに切換自在に構成されている。
エンジン1、圧縮機2、四方弁10、膨張弁4、室外熱交換器9、及び、アキュムレータ11は、室外機13に備えられている。
冷却水循環手段15は、冷却水循環路17とその冷却水循環路17に設けられた冷却水循環ポンプ18とから構成されている。冷却水循環路17には、エンジン1本体の排熱を回収することに加えて、エンジン1の燃焼排ガスとの熱交換によりエンジン1の燃焼排ガスが有する熱を回収する排ガス熱交換器19が設けられている。また、図示は省略するが、冷却水循環路17にて複数の冷却水温度検出センサが設けられており、これら複数の冷却水温度検出センサにより、エンジン1に戻される冷却水の温度や排熱熱交換器14を通過した後の冷却水の温度等を検出するようにしている。
冷却水循環路17において、冷媒加熱用熱交換器16よりも下流側から分岐して冷却水バイパス路20の合流箇所よりも上流側に合流する冷却水分岐路22が設けられている。冷却水分岐路22には、室外ファン12の作動により冷却水が有する熱を室外の外気に放熱するラジエータ23、及び、リザーブタンク24が接続されたバッファ25が設けられている。冷却水循環路17において冷却水分岐路22の分岐箇所には、第2三方弁26が設けられている。
貯湯タンク27は、排熱熱交換器14の通過後の熱搬送流体としての貯湯水を貯留するように構成されている。熱利用部56は、貯湯水が給湯路49からの給湯に利用される給湯箇所、湯張りに利用される浴槽43、風呂の追焚きに利用される風呂熱交換器34、及び、暖房端末44での暖房に利用される暖房熱交換器36から構成されている。
また、熱搬送流体供給手段57により熱利用部56に供給される貯湯水を加熱可能な補助熱源機32が設けられている。補助熱源機32は、例えば、都市ガス等の燃料ガスを供給することにより燃焼するガスバーナを備え、そのガスバーナを燃焼させて貯湯水を加熱するガス燃焼式の給湯器にて構成されている。
貯湯水循環路28には、貯湯水の循環方向において、貯湯水循環ポンプ31、排熱熱交換器14、貯湯水循環路28を通流する貯湯水を加熱可能な補助熱源機32、補助熱源機32を通過する貯湯水の量を調整自在な第1貯湯水調整弁33が設けられている。
風呂熱交換器34は、風呂ポンプ38の作動により風呂循環路39にて循環される浴槽43の浴槽水を貯湯水循環路28の貯湯水にて加熱するように構成されている。暖房熱交換器36は、暖房ポンプ40の作動により暖房循環路41にて循環される暖房水を貯湯水循環路28の貯湯水にて加熱するように構成されている。暖房用熱交換器36にて加熱された暖房水は、床暖房パネル等の暖房端末44に供給されて暖房に用いられる。暖房用循環路41には、膨張タンク42が設けられている。
貯湯水戻し路30には、貯湯水の通流量を調整する第4貯湯水調整弁48が設けられ、その第4貯湯水調整弁48よりも下流側に貯湯水を給湯するための給湯路49が分岐接続されている。給湯路49には、給水路45から分岐された分岐給水路50が接続されており、貯湯水戻し路30からの貯湯水と分岐給水路50からの水とを混合させる状態で給湯するように構成されている。給湯路49には、分岐給水路50との接続箇所にミキシングバルブ51が設けられ、貯湯水戻し路30からの貯湯水と分岐給水路50からの水との混合比を調整自在に構成されている。分岐給水路50には、第2逆止弁52が設けられている。
給湯路49から分岐して風呂循環路39に接続された湯張り路53が設けられている。給湯路49から給湯する湯水を浴槽43に供給して浴槽43の湯張りを行えるように構成されている。湯張り路53には、湯張り弁54、第3逆止弁55が設けられている。
また、運転制御装置58は、ヒートポンプ暖房運転及びヒートポンプ冷房運転に加えて、排熱熱交換器14において冷却水循環手段15にて循環される冷却水にて熱搬送流体供給手段57にて供給される貯湯水を加熱すべく、冷却水循環手段15及び熱搬送流体供給手段57の夫々の作動を制御する熱搬送流体加熱運転と、排熱熱交換器14において熱搬送流体供給手段57により供給される補助熱源機32にて加熱された貯湯水にて冷却水循環手段15にて循環される冷却水を加熱すべく、補助熱源機32、冷却水循環手段15及び熱搬送流体供給手段57の夫々の作動を制御する冷却水加熱運転とを択一的に行うように構成されている。
運転制御装置58は、ヒートポンプ暖房運転又はヒートポンプ冷房運転を行うときに、熱利用要求条件が満たされていると、熱搬送流体加熱運転を行うように構成されている。運転制御装置58は、例えば、貯湯タンク27の貯湯量が満杯ではないときに要求される貯湯要求、風呂の追焚きを行う追焚き要求、暖房端末44にて暖房する暖房要求の何れか1つが満たされると、熱利用要求条件を満たしていると判別する。
また、運転制御装置58は、ヒートポンプ暖房運転において、エンジン1を始動させるときだけでなく、暖房能力が不足するとき及び外気温度が外気第2所定温度(例えば2℃)未満のときにも冷却水加熱運転を行うように構成されている。暖房能力が不足するときとは、ヒートポンプ暖房運転を行うことにより得られる暖房能力が要求されている暖房能力よりも不足するときである。例えば、外気温度が非常に低い(例えば2℃)厳寒時や、冷却水循環路17の冷却水の温度が冷却水第2所定温度(例えば55℃)以下となっているときである。
運転制御装置58は、冷却水加熱運転の実行中に、例えば、冷却水加熱運転の運転時間が設定時間に達する、又は、冷却水循環路17の冷却水の温度が冷却水第3所定温度(例えば70℃)以上になると、冷却水加熱運転を停止させるように構成されている。
ヒートポンプ冷房運転では、運転制御装置58が、エンジン1を駆動させて四方弁10を冷房状態に切り換えることにより、圧縮機2から吐出する冷媒が、冷媒加熱用熱交換器16、室外熱交換器9、膨張弁4、室内機8、アキュムレータ11の順に通過して圧縮機2に戻るように冷媒回路6にて循環される。
熱搬送流体加熱運転では、運転制御装置58が、冷却水循環ポンプ18を作動させ、且つ、第1三方弁21及び第2三方弁26の切換状態を制御することにより、冷却水循環手段15の作動を制御する。これにより、エンジン1からの冷却水が、排熱熱交換器14、冷媒加熱用熱交換器16、排ガス熱交換器19の順に通過してエンジン1に戻るように冷却水循環路17にて循環される。さらに、運転制御装置58が、貯湯水循環ポンプ31を作動させ、且つ、第1〜第4貯湯水調整弁33,35,37,48の開閉状態を制御することにより、熱搬送流体供給手段57の作動を制御する。図1では、運転制御装置58が、熱搬送流体供給手段57の作動を制御して、貯湯タンク27への貯湯を行っている状態を示している。
冷媒加熱用熱交換器16には、圧縮機2からの高温の冷媒が供給されるとともに、冷却水循環路17にてエンジン1の排熱を回収した高温の冷却水が供給される。冷媒加熱用熱交換器16では、冷媒と冷却水との温度差を小さくでき、冷媒と冷却水との間での熱交換が積極的には行われないので、冷媒は、ほとんど温度変化することなく冷媒加熱用熱交換器16を通過する。冷媒加熱用熱交換器16を通過した冷媒は、室外熱交換器9に供給されて凝縮して室外ファン12にて送風される外気に放熱される。室外熱交換器9を通過した冷媒は、膨張弁4にて膨張されて室内機8に供給される。室内機8では、冷媒が蒸発することにより吸熱されて室内を冷房する。
排熱熱交換器14には、エンジン1の排熱を回収した高温の冷却水が供給されるとともに、貯湯水循環路28にて貯湯タンク27の下部から取り出した貯湯水が供給される。貯湯タンク27は、高温の貯湯水を上部に且つ低温の貯湯水を下部に貯留させて温度成層を形成する状態で貯湯され、貯湯タンク27の貯湯量が満杯ではないので、貯湯タンク27の下部から取り出す貯湯水は低温となる。したがって、排熱熱交換器14では、冷却水が貯湯水を加熱する。冷媒加熱用熱交換器16では、上述の如く、高温の冷媒と高温の冷却水との間での熱交換が積極的には行われないので、冷却水は、ほとんど温度変化することなく冷媒加熱用熱交換器16を通過して排ガス熱交換器19に供給される。
冷媒加熱用熱交換器16を通過した後の冷却水の温度が冷却水第4所定温度(例えば82℃)以上になる場合には、運転制御装置58が第2三方弁26の切換状態を制御することにより、図中点線矢印にて示すように、冷媒加熱用熱交換器16を通過した冷却水を冷却水分岐路22に通流させてラジエータ23に供給する。ラジエータ23に供給される冷却水は、室外ファン12にて送風される外気に放熱して温度が低下されたのち、バッファ25を通過して排ガス熱交換器19に供給される。このようにして、エンジン1に過度に高温の冷却水が戻されるのを防止している。
ちなみに、冷媒加熱用熱交換器16を通過した後の冷却水の温度が冷却水第4所定温度(例えば82℃)以上になる場合としては、例えば、貯湯タンク27の貯湯量が満杯になり貯湯タンク27への貯湯が終了されることにより、排熱熱交換器14において冷却水が貯湯水を加熱する必要が無くなった場合である。
排熱熱交換器14では、冷却水が貯湯水を加熱するので、排熱熱交換器14にて加熱された貯湯水が、補助熱源機32を通過して貯湯タンク27の上部に供給される。このとき、補助熱源機32は、作動を停止しており、通過する貯湯水を加熱しない。排熱熱交換器14にて加熱された貯湯水が貯湯タンク27の上部に供給されることにより、高温の貯湯水を上部に且つ低温の貯湯水を下部に貯留させて温度成層を形成する状態で貯湯タンク27に貯湯する。
運転制御装置58は、貯湯タンク27の下部の貯湯水の温度が貯湯所定温度以上になると、貯湯タンク27の貯湯量が満杯であるとして、貯湯水循環ポンプ31を作動停止させて第4貯湯水調整弁48を閉じ貯湯タンク27への貯湯を終了させる。
ヒートポンプ暖房運転では、運転制御装置58が、エンジン1を駆動させて四方弁10を暖房状態に切り換えることにより、圧縮機2から吐出する冷媒が、室内機8、膨張弁4、室外熱交換器9、冷媒加熱用熱交換器16、アキュムレータ11の順に通過して圧縮機2に戻るように冷媒回路6にて循環される。
熱搬送流体加熱運転については、図1と同様に、運転制御装置58が、冷却水循環ポンプ18を作動させ、且つ、第1三方弁21及び第2三方弁26の切換状態を制御することにより、冷却水循環手段15の作動を制御する。これにより、エンジン1からの冷却水が、排熱熱交換器14、冷媒加熱用熱交換器16、排ガス熱交換器19の順に通過してエンジン1に戻るように冷却水循環路17にて循環される。また、運転制御装置58が、図1と同様に、貯湯水循環ポンプ31を作動させ、且つ、第1〜第4貯湯水調整弁33,35,37,48の開閉状態を制御することにより、熱搬送流体供給手段57の作動を制御する。図2においても、図1と同様に、運転制御装置58が、熱搬送流体供給手段57の作動を制御して、貯湯タンク27への貯湯を行っている状態を示している。
室内機8には、圧縮機2からの高温の冷媒が供給されるので、冷媒が凝縮することにより放熱されて室内を暖房する。室内機8を通過した冷媒は、膨張弁4にて膨張されて室外熱交換器9に供給される。室外熱交換器9に供給された冷媒は、室外ファン12にて送風される外気から吸熱して一部が蒸発し、冷媒加熱用熱交換器16に供給される。冷媒加熱用熱交換器16には、冷却水循環路17にてエンジン1の排熱を回収した高温の冷却水が供給される。したがって、冷媒加熱用熱交換器16では、冷却水が冷媒を加熱し、冷媒は完全に蒸発し、さらに加熱されるので、外気のみによるヒートポンプよりも暖房能力の向上を図ることができる。このようにして、冷媒加熱用熱交換器16は、ヒートポンプ暖房運転時の蒸発器5(室外熱交換器9)と圧縮機2との間における冷媒を加熱するように配設されている。
排熱熱交換器14では、図1と同様に、エンジン1からの高温の冷却水にて貯湯タンク27の下部から取り出した低温の貯湯水を加熱する。冷媒加熱用熱交換器16には、膨張弁4を通過して低温低圧になった冷媒が室外熱交換器9で一部蒸発し、低温低圧のまま気液混合状態の冷媒が供給されるので、冷却水が冷媒を加熱する。
排熱熱交換器14を通過した冷却水の温度が冷却水第5所定温度(例えば60℃)以下になる場合には、運転制御装置58が第1三方弁21の切換状態を制御することにより、図中点線矢印にて示すように、排熱熱交換器14を通過した冷却水の一部又は全量を冷却水バイパス路20に通流させて排ガス熱交換器19に供給するようにしている。このようにして、排熱熱交換器14を通過した冷却水の温度が冷却水第5所定温度(例えば60℃)以下の場合には、冷却水を冷媒加熱用熱交換器16に極力供給しないようにして、冷却水がさらに冷媒で冷却されて、冷却水の温度が下がり過ぎることを防止している。
貯湯水循環路28の貯湯水については、図1と同様であるので説明は省略する。
ヒートポンプ暖房運転では、図2と同様に、圧縮機2から吐出する冷媒が、室内機8、膨張弁4、室外熱交換器9、冷媒加熱用熱交換器16、アキュムレータ11の順に通過して圧縮機2に戻るように冷媒回路6にて循環される。
冷却水加熱運転では、運転制御装置58が、冷却水循環ポンプ18を作動させ、且つ、第1三方弁21及び第2三方弁26の切換状態を制御して、冷却水循環手段15の作動を制御する。これにより、エンジン1からの冷却水が、排熱熱交換器14、冷媒加熱用熱交換器16、排ガス熱交換器19の順に通過してエンジン1に戻るように冷却水循環路17にて循環される。さらに、運転制御装置58が、補助熱源機32にて貯湯水を加熱させて貯湯水循環ポンプ31を作動させ、且つ、第1〜第4貯湯水調整弁33,35,37,48の開閉状態を制御して、熱搬送流体供給手段57の作動を制御する。これにより、補助熱源機32にて加熱された貯湯水が、排熱熱交換器14を通過して補助熱源機32に戻るように貯湯水循環路28にて循環される。
運転制御装置58が、第2貯湯水調整弁35を開弁し且つ第3貯湯水調整弁37及び第4貯湯水調整弁48を閉弁して、補助熱源機32を通過した貯湯水を風呂熱交換器34、排熱熱交換器14の順に通過させて補助熱源機32に戻す形態で貯湯水循環路28にて循環させる。そして、運転制御装置58が、補助熱源機32の燃焼量を調整するとともに、第1貯湯水調整弁33の開度調整を行い貯湯水循環路28における循環流量全体を調整することにより、排熱熱交換器14に供給される貯湯水の温度を所望温度(例えば、70〜80℃)とし且つ排熱熱交換器14に供給される貯湯水の流量を所望流量となるようにしている。
冷却水循環路17の冷却水の温度が冷却水第1所定温度(例えば20℃)以下である又は外気温度が外気第1所定温度(例えば10℃)以下である場合にエンジン1を始動させるとき、暖房能力が不足するとき、外気温度が外気第2所定温度(例えば2℃)未満のときの夫々において、冷却水加熱運転が行われる。したがって、排熱熱交換器14に供給される冷却水の温度は、いずれのときであっても比較的低温になっている。一方、排熱熱交換器14には、補助熱源機32にて加熱された所望温度(例えば、70〜80℃)の貯湯水が供給される。したがって、排熱熱交換器では、貯湯水が冷却水よりも高温となり、貯湯水が冷却水を加熱する。
暖房能力が不足するとき、及び、外気温度が外気第2所定温度(例えば2℃)未満のときにも、排熱熱交換器14にて冷却水に加えられた熱を冷媒の加熱に優先的に利用できるので、得られる暖房能力を高めることができ、得られる暖房能力が要求されている暖房能力よりも不足することを抑制できる。しかも、排熱熱交換器14にて冷却水を加熱することにより、冷媒加熱用熱交換器16において冷却水を冷媒の加熱に利用しても、冷却水の温度が下がり過ぎるのを防止できる。
冷媒回路6の冷媒については、図2と同様であるので説明は省略する。
湯張り運転では、運転制御装置58が、ミキシングバルブ51の開度を調整するとともに湯張り弁54を開弁して、貯湯タンク27の上部から取り出した貯湯水に分岐給水路50からの水を混合させて風呂設定温度とした湯水を湯張り路53及び風呂循環路39にて浴槽43に供給するようにしている。
運転制御装置58は、給湯運転及び湯張り運転において、第1〜第4貯湯水調整弁33,35,37,48の開閉状態を制御して、貯湯水を補助熱源機32を通過させる形態で貯湯水循環路28にて循環させるとともに、補助熱源機32を作動させて、補助熱源機32にて加熱された貯湯水を給湯や湯張りに利用できるようにしている。このようにして、給湯運転や湯張り運転において得られる熱量が要求されている熱量よりも不足するときには、補助熱源機32にて加熱された貯湯水を利用することにより、得られる熱量が要求されている熱量よりも不足することを抑制できる。例えば、給湯運転及び湯張り運転では、貯湯タンク27の上部に貯湯されている貯湯水の温度が給湯設定温度よりも所定温度だけ高い温度よりも低いときに、補助熱源機32にて加熱された貯湯水を給湯や湯張りに利用している。
このとき、エンジン1が作動していれば、排熱熱交換器14において冷却水にて貯湯水を加熱することが可能である。したがって、運転制御装置58は、熱搬送流体加熱運転において追焚き運転を行うことにより、排熱熱交換器14にて加熱された貯湯水を風呂の追焚きに利用している。
温水暖房運転では、排熱熱交換器14において冷却水が貯湯水を加熱するだけでは得られる熱量が要求されている熱量よりも不足するときに、運転制御装置58が、第1〜第4貯湯水調整弁33,35,37,48の開閉状態を制御して、貯湯水を補助熱源機32を通過させる形態で貯湯水循環路28にて循環させるとともに、補助熱源機32を作動させて、補助熱源機32にて加熱された貯湯水を温水暖房に利用している。
(1)上記実施形態では、貯湯水循環路28において補助熱源機32を排熱熱交換器14よりも下流側に配置しているが、貯湯水循環路28において補助熱源機32を排熱熱交換器14よりも上流側に配置することもできる。補助熱源機32をどの位置に配置するかは適宜変更が可能である。
2 圧縮機
3 凝縮器
4 膨張弁
5 蒸発器
6 冷媒回路
8 室内機
9 室外熱交換器
10 切換手段(四方弁)
14 排熱熱交換器
15 冷却水循環手段
16 冷媒加熱用熱交換器
27 貯湯タンク
32 補助熱源機
56 熱利用部
57 熱搬送流体供給手段
58 運転制御手段(運転制御装置)
Claims (8)
- エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機、前記冷媒から放熱させる凝縮器、前記冷媒を膨張させる膨張弁、前記冷媒に吸熱させる蒸発器の順に前記冷媒を循環する冷媒回路と、
前記エンジンの冷却水を排熱熱交換器との間で循環させる冷却水循環手段と、
熱搬送流体を前記排熱熱交換器に供給し、前記排熱熱交換器の通過後の熱搬送流体を熱利用部に供給する熱搬送流体供給手段と、
前記排熱熱交換器において前記冷却水循環手段にて循環される冷却水にて前記熱搬送流体供給手段にて供給される熱搬送流体を加熱すべく、前記冷却水循環手段及び前記熱搬送流体供給手段の夫々の作動を制御する熱搬送流体加熱運転を行う運転制御手段とが設けられているエンジン駆動ヒートポンプ装置であって、
前記熱搬送流体供給手段により前記熱利用部に供給される熱搬送流体を加熱可能な補助熱源機と、前記排熱熱交換器の通過後の熱搬送流体を貯留する貯湯タンクとが設けられ、
前記熱搬送流体供給手段が、前記補助熱源機にて加熱された熱搬送流体を前記排熱熱交換器に供給するように構成され、
前記運転制御手段が、前記排熱熱交換器において前記熱搬送流体供給手段により供給される前記熱搬送流体にて前記冷却水循環手段にて循環される冷却水を加熱すべく、前記冷却水循環手段及び前記熱搬送流体供給手段の夫々の作動を制御して、前記エンジンの冷却水を排熱熱交換器との間で循環させながら、前記貯湯タンクへの熱搬送流体の供給を停止した状態で、前記補助熱源機にて加熱された熱搬送流体を前記排熱熱交換器を通過して前記補助熱源機に戻るように循環させる冷却水加熱運転を行うように構成されているエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記冷却水循環手段が、前記冷媒回路の冷媒を加熱する冷媒加熱用熱交換器を通過させる状態で冷却水を循環させるように構成され、
前記冷媒加熱用熱交換器は、前記冷媒回路において、前記蒸発器と前記圧縮機との間における冷媒を加熱するように配設されている請求項1に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記冷却水循環手段が、前記エンジン、前記排熱熱交換器、前記冷媒加熱用熱交換器の順に冷却水を通過させる状態で冷却水を循環させるように構成されている請求項2に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
- 前記凝縮器が、冷媒と室内の空気との間で熱交換可能な室内機にて構成され、
前記蒸発器が、冷媒と室外の外気との間で熱交換可能な室外熱交換器にて構成され、
前記運転制御手段が、前記室内を暖房するヒートポンプ暖房運転において、前記エンジンを始動させるときに前記冷却水加熱運転を行うように構成されている請求項2又は3に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記凝縮器が、冷媒と室内の空気との間で熱交換可能な室内機にて構成され、
前記蒸発器が、冷媒と室外の外気との間で熱交換可能な室外熱交換器にて構成され、
前記運転制御手段が、前記室内を暖房するヒートポンプ暖房運転において、暖房能力が不足するときに前記冷却水加熱運転を行うように構成されている請求項2〜4の何れか1項に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記凝縮器が、冷媒と室内の空気との間で熱交換可能な室内機にて構成され、
前記蒸発器が、冷媒と室外の外気との間で熱交換可能な室外熱交換器にて構成され、
前記運転制御手段が、前記室内を暖房するヒートポンプ暖房運転において、外気温度が所定温度未満であるときに前記冷却水加熱運転を行うように構成されている請求項2〜5の何れか1項に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 前記冷却水加熱運転の実行を指令する運転指令手段が設けられ、
前記凝縮器が、冷媒と室内の空気との間で熱交換可能な室内機にて構成され、
前記蒸発器が、冷媒と室外の外気との間で熱交換可能な室外熱交換器にて構成され、
前記運転制御手段が、前記室内を暖房するヒートポンプ暖房運転において、前記運転指令手段にて前記冷却水加熱運転の実行が指令されているときに前記冷却水加熱運転を行うように構成されている請求項2〜6の何れか1項に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。 - 冷媒回路に、冷媒と室内の空気との間で熱交換可能な室内機と、冷媒と室外の外気との間で熱交換可能な室外熱交換器と、前記室内機を前記凝縮器として機能させ且つ前記室外熱交換器を前記蒸発器として機能させる暖房状態と前記室内機を前記蒸発器として機能させ且つ前記室外熱交換器を前記凝縮器として機能させる冷房状態とに冷媒の通流状態を切換自在な切換手段とが設けられ、
前記冷媒加熱用熱交換器は、前記冷媒回路において、前記室外熱交換器と前記圧縮機との間に配設され、
前記運転制御手段が、前記切換手段を前記暖房状態に切り換えるヒートポンプ暖房運転と前記切換手段を前記冷房状態に切り換えるヒートポンプ冷房運転とを択一的に行うように構成されている請求項2〜7の何れか1項に記載のエンジン駆動ヒートポンプ装置。
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