JP4049460B2 - 貯湯式の給湯熱源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯湯タンクと、その貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように湯水を加熱する加熱手段と、前記貯湯タンク内の上部の湯水を給湯する給湯路と、前記貯湯タンク内の湯水を外部放熱部に循環供給する循環供給手段と、前記加熱手段および前記循環供給手段の作動を制御する制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような貯湯式の給湯熱源装置は、貯湯タンク内に温度成層を形成して湯水が貯湯されるように加熱手段にて加熱し、貯湯タンク内の上部の湯水を給湯路を介して給湯するとともに、貯湯タンク内の湯水を外部放熱部に循環供給することにより、比較的小型の加熱手段を用いて貯湯タンク内に温度成層を形成して湯水を貯湯し、その貯湯された湯水を給湯および外部放熱部にて有効利用することができるものである。
【0003】
そして、従来、貯湯タンクの底部から取り出した湯水を加熱手段にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給するように連絡水管が設けられ、この連絡水管の途中部には、貯湯タンク内の湯水を加熱するための熱交換部と外部放熱部とが兼用するように設けられ、給湯するときには、貯湯タンクの底部から取り出した湯水を加熱手段にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給して温度成層を形成して貯湯しながら給湯し、外部放熱部にて放熱を行うときには、外部放熱部に供給される熱媒を加熱手段にて加熱して放熱するようにしているものがあった(例えば、実開昭56−34249号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のものでは、給湯されるときにのみ貯湯タンクへの貯湯が行われるために、給湯開始時に貯湯タンク内に十分な貯湯量がなければ、貯湯タンク内の貯湯量が給湯量に追いつかなくなり、湯切れが生じる虞があった。
また、上述の湯切れを防止するためには、予め給湯に必要な貯湯量よりも設定量だけ多い余剰貯湯量になるように、加熱手段を作動させることが考えられるが、余剰貯湯されている湯が給湯されなければ、湯が利用されずに冷めて無駄になる虞があった。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、貯湯タンク内に十分な貯湯量を確保しながら、その貯湯されている湯を有効に利用することができる貯湯式の給湯熱源装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、貯湯タンク内における湯水の温度成層の形成状態が高温部分の形成範囲が設定値よりも下方である余剰貯湯状態であるか否かを検出する余剰貯湯状態検出手段が設けられ、制御手段が、余剰貯湯状態検出手段の検出情報に基づいて、余剰貯湯状態を維持するように、加熱手段および循環供給手段の作動を制御するように構成されている。したがって、貯湯タンク内における湯水の温度成層の形成状態が余剰貯湯状態を検出すると、その余剰に貯湯されている湯を外部放熱部における熱源として利用することができるので、貯湯タンク内に十分な貯湯量が確保されるようにして、すなわち、余剰貯湯状態になるようにして、貯湯タンク内の湯を利用して外部放熱部における放熱を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる貯湯式の給湯熱源装置をエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムに適応した例を図面に基づいて説明する。
このエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムは、図1に示すように、室内の冷暖房をするエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cが設けられ、このエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cのエンジン排熱およびヒートポンプ式冷暖房における排熱、ならびに、補助熱源を利用しながら貯湯タンク1内の湯水を加熱する加熱手段としての加熱部K、貯湯タンク1内の湯を利用して放熱する外部放熱部Hのそれぞれが貯湯タンク1内の湯水を循環するための循環路2に設けられ、循環ポンプ3を作動させて貯湯タンク1内の湯水を循環路2にて循環するようにしている。そして、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cの運転、加熱部Kおよび循環ポンプ3などの動作を制御する制御手段としての制御装置Sが設けられている。
【0009】
前記貯湯タンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用いて給水する給水路4が接続され、その上部から風呂場や台所などの給湯栓5に給湯する給湯路6が接続され、給湯栓5で使用された量だけの水を給水路4から貯湯タンク1に給水するようにしている。
また、循環路2を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すために、循環路2と貯湯タンク1とが、貯湯タンク1の上部、中間部、底部の3箇所で連通接続されている。
【0010】
つまり、貯湯タンク1の上部には、循環路2と貯湯タンク1とを接続する上部接続路7aと、循環路2と上部接続路7aとの接続箇所に上部用三方弁7bとが設けられ、貯湯タンク1の中間部には、循環路2と貯湯タンク1とを接続する中間部接続路8aと、循環路2と中間部接続路8aとの接続箇所に中間部用三方弁8bとが設けられ、貯湯タンク1の底部には、循環路2と貯湯タンク1とを接続する底部接続路9aと、循環路2と底部接続路9aとの接続箇所に底部用三方弁9bとが設けられている。
したがって、各三方弁7b,8b,9bを切換えることによって、循環路2を通流する湯水を貯湯タンク1に戻したり、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すようにし、循環供給手段Jが、循環路2、循環ポンプ3、各接続路7a,8a,9a、各三方弁7b,8b,9bなどによって構成されている。
【0011】
また、貯湯タンク1内に加熱された湯を貯湯する際には、底部接続路9aにより貯湯タンク1の底部の水を循環路2に取り出し、その水を加熱部Kで加熱しながら循環路2を循環させて、その加熱された湯を上部接続路7aにより貯湯タンク1の上部に戻して温度成層を形成して貯湯する。そして、その貯湯量が必要最小貯湯量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する貯湯温サーミスタ10、必要最小貯湯量よりも設定量だけ多い余剰貯湯量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する余剰貯湯状態検出手段としての余剰湯温サーミスタ11が設けられている。なお、必要最小貯湯量とは、給湯栓5にて給湯することが予測される範囲の給湯量で行われるときに、湯切れが生じないように予め貯湯しておく貯湯量のことである。
そして、貯湯温サーミスタ10の設置位置は、貯湯タンク1と中間接続路8aとの接続箇所よりも上方に位置し、余剰湯温サーミスタ11の設置位置は、貯湯タンク1と中間部接続路8aとの接続箇所よりも下方に位置する。
【0012】
前記加熱部Kは、循環路2における湯水の循環方向上手側から下手側に向けて、ヒートポンプ式冷暖房における排熱を利用して加熱する第1熱交換部12、エンジン排熱を利用して加熱する第2熱交換部13、補助熱源としてのバーナBを備える燃焼装置Nにより加熱する第3熱交換部14を順に設けて構成され、それぞれの熱交換部12,13,14において循環路2を通流する湯水を熱交換により加熱できるようにしている。
前記外部放熱部Hは、本実施形態においては、循環路2における湯水の循環方向上手側から下手側に向けて、風呂追焚き用熱交換部15、床暖房用熱交換部16を順に設けて構成されている。つまり、浴槽内の湯水を風呂追焚き用循環ポンプ15aの作動により風呂追焚き用循環路15bを介して風呂追焚き用熱交換部15に供給して熱交換により図外の浴槽の湯水を追焚きをできるようにしている。また、床暖房用循環ポンプ16aの作動により床暖房用循環路16bを通流する熱媒を床暖房用熱交換部16にて熱交換して床暖房をできるようにしている。
【0013】
ちなみに、第1熱交換部12が底部用三方弁9bと中間部用三方弁8bとの間の循環路2に設けられ、第2熱交換部13および第3熱交換部14が中間部用三方弁8bと上部用三方弁7bとの間の循環路2に設けられ、循環ポンプ3が第3熱交換部14と上部用三方弁7bとの間の循環路2に設けられている。そして、風呂追焚き用熱交換部15および床暖房用熱交換部16が上部用三方弁7bと底部用三方弁9bとの間の循環路2に設けられている。
【0014】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cは、室内機Ui、室外機Uoから構成され、室内機Uiと室外機Uoとは、冷媒配管rで接続されている。
前記室内機Uiには、膨張弁Vex、室内熱交換器Ni、その室内熱交換器Niで温調した空気SAを空調対象域へ送出する室内空調用送風機Fiが備えられている。
前記室外機Uoには、ガスエンジンGE、ラジエターRG、ラジエター用送風機RF、圧縮機Cmp、アキュムレータAc、四方弁Vx、室外熱交換器No、その室外熱交換器Noに対し外気TAを通風する室外空調用送風機Foが備えられている。また、ガスエンジンGEの冷却用の冷却水をラジエターRGとの間で循環させる冷却水路wが設けられ、この冷却水路wにラジエター用ポンプRPが設けられている。
【0015】
そして、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cは、ガスエンジンGEにより圧縮機Cmpを作動させて、四方弁Vxの切換え操作により冷房運転と暖房運転とを選択切換え可能に構成されている。また、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cには、冷房運転における排熱が冷媒により第1熱交換部12に供給される加熱状態と室外熱交換器Noに供給される排熱状態とに切換える第1排熱切換機構17と、ガスエンジン排熱が冷却水により第2熱交換部13に供給される加熱状態とラジエターRGに供給されて排熱される排熱状態とに切換える第2排熱切換機構18とが設けられている。
【0016】
具体的に説明すると、第1排熱切換機構17は、室外熱交換器Noと第1熱交換部12とが並列になるように冷媒配管rに接続されているバイパス冷媒配管17a、バイパス冷媒配管17aと冷媒配管rとの接続箇所にそれぞれ設けられている三方弁17b,17cから構成されている。
そして、冷房運転における排熱が冷媒により第1熱交換部12に供給される加熱状態においては、冷媒が冷媒配管r、バイパス冷媒配管17a、第1熱交換部12、バイパス冷媒配管17a、冷媒配管rの順に供給される。また、冷房運転における排熱が冷媒により室外熱交換器Noに供給される排熱状態においては、冷媒が冷媒配管r、室外熱交換器No、冷媒配管rの順に供給される。
【0017】
第2排熱切換機構18は、ラジエターRGと第2熱交換部13とが並列になるように冷却水路wに接続されているバイパス冷却水路18a、バイパス冷却水路18aと冷却水路wとの接続箇所にそれぞれ設けられている三方弁18b,18cから構成されている。
そして、ガスエンジン排熱が冷却水により第2熱交換部13に供給される加熱状態においては、冷却水が冷却水路w、バイパス冷却水路18a、第2熱交換部13、バイパス冷却水路18a、ラジエター用ポンプRP、冷却水路wの順に供給される。また、ガスエンジン排熱が冷却水によりラジエタRGに供給されて排熱される排熱状態においては、冷却水が冷却水路w、ラジエターRG、ラジエター用ポンプRP、冷却水路wの順に供給される。
【0018】
そして、冷房運転においては、室内熱交換器Niを蒸発器として機能させて、空調対象域への供給空気SAを冷却温調し、第1排熱切換機構17が排熱状態に切り換えられていると、室外熱交換器Noを凝縮器として機能させて外気に対して放熱し、第1排熱切換機構17が加熱状態に切り換えられていると、第1熱交換部12にて循環路2を通流する湯水に対して放熱する。
また、暖房運転においては、室内熱交換器Niを凝縮器として機能させて、空調対象域への供給空気SAを加熱温調し、室外熱交換器Noを蒸発器として機能させて外気TAから吸熱するようにしている。
【0019】
このようにして、冷房運転または暖房運転が実行されるときにおいて、冷却水によりガスエンジンGEの排熱を回収して、第2排熱切換機構18が排熱状態に切り換えられていると、ラジエター用送風機RFを駆動させラジエターRGにおいて放熱し、第2排熱切換機構18が加熱状態に切り換えられていると、第2熱交換部13にて循環路2を通流する湯水に対して放熱するように構成されている。
【0020】
さらに詳述すると、冷房運転においては、圧縮機Cmpから吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁Vxを介して室外熱交換器Noに供給し、第1排熱切換機構17が排熱状態に切り換えられている場合には、この室外熱交換器Noにおいて外気との熱交換により凝縮させる。
【0021】
そして、凝縮器としての室外熱交換器Noから送出される凝縮工程通過冷媒を、膨張弁Vexを介して室内熱交換器Niに供給し、この室内熱交換器Niにおいて冷却対象空気との熱交換により蒸発される。
その後、蒸発器としての室内熱交換器Niから送出される低圧乾き蒸気冷媒を、四方弁VxおよびアキュムレータAcを介して圧縮機Cmpの吸入口に戻す。このようにして、冷却対象域である室内が冷房されることになる。
【0022】
また、暖房運転については、圧縮機Cmpから吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁Vxを介して室内熱交換器Niに供給し、この室内熱交換器Niにおいて加熱対象空気との熱交換により凝縮させる。
【0023】
そして、凝縮器としての室内熱交換器Niから送出される凝縮構成通過冷媒を、膨張弁Vexを介して室外熱交換器Noに供給し、この室外熱交換器Noにおいて外気との熱交換により蒸発させる。
その後、蒸発器としての室外熱交換器Noから送出される低圧乾き蒸気冷媒を四方弁VxおよびアキュムレータAcを介して圧縮機Cmpの吸入口に戻す。このようにして、加熱対象域である室内が暖房されることになる。
【0024】
前記制御装置Sは、図2に示すように、燃焼装置N、循環ポンプ3および各三方弁7b,8b,9bなどの貯湯タンク1側の動作を制御する給湯用コントローラTC、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cの運転を制御する冷暖房装置用コントローラRCから構成され、この給湯用コントローラTCと冷暖房装置用コントローラRCが通信可能に構成されている。
【0025】
つまり、給湯用コントローラTCは、給湯用操作装置KSの指令に基づいて、循環ポンプ3、燃焼装置N、各三方弁7b,8b,9bの動作を制御するように構成され、冷暖房装置用コントローラRCは、冷暖房用操作装置RSの指令に基づいて、ガスエンジンGE、第1排熱切換機構17、第2排熱切換機構18の動作を制御するように構成されている。
そして、前記冷暖房装置用コントローラRCは、冷暖房用操作装置RSの指令に基づいて、冷房運転または暖房運転を実行するとともに、第1排熱切換機構17と第2排熱切換機構18の切換えを行うように構成されている。
【0026】
前記給湯用コントローラTCは、給湯用操作装置KSにより運転が指令されている状態で、貯湯運転を実行する時間帯などの貯湯運転の実行タイミングであって、貯湯タンク1内に必要最小貯湯量の貯湯がされていないと、すなわち、貯湯温サーミスタ10による検出温度が設定温度未満であると、貯湯タンク1への貯湯処理を行う。そして、貯湯タンク1への貯湯が行われた後、貯湯タンク1内の貯湯量が必要最小貯湯量以上であるときに、外部放熱部Hにおける放熱要求に伴って外部放熱部Hにて放熱処理を行う。
【0027】
具体的に説明すると、給湯用操作装置KSにより運転が指令されている状態で、貯湯タンク1内に必要最小貯湯量の貯湯がされていないと、すなわち、貯湯温サーミスタ10による検出温度が設定温度未満であると、貯湯処理の実行が要求されて、図3に示すように、循環ポンプ3を作動させ、貯湯タンク1の底部の水を循環路2に取り出すように底部用三方弁9bを切換えて、貯湯タンク1の底部の水を加熱部Kにて加熱しながら循環させる。
そして、例えば、循環路2を通流する湯水が十分に加熱される設定時間が経過すると、あるいは、循環路2における湯水の温度が設定温度以上になると、循環路2を通流する湯を貯湯タンク1の上部に戻すように上部用三方弁7bを切り換えて、加熱された湯を貯湯タンク1の上部に戻して貯湯を行う。
【0028】
また、上述の貯湯タンク1への貯湯が行われた後、貯湯タンク1内の貯湯量が必要最小貯湯量以上であるときに、給湯用操作装置KSの指令により風呂追焚きが指令されるか、床暖房装置の運転が開始されるか、または、その両方がされて、風呂追焚き用循環ポンプ15aや床暖房用循環ポンプ16aが作動され、放熱処理の実行が要求されると、循環ポンプ3を作動させ、貯湯タンク1内の中間部の湯水を循環路2に取り出すように中間用三方弁8bを切換え、循環路2の湯水を貯湯タンク1の底部に戻すように底部用三方弁9bを切換える。
そして、図4に示すように、貯湯タンク1の中間部の湯水を熱源として風呂追焚き用熱交換部15と床暖房用熱交換部16のうちの放熱が要求されている一方またはその両方において放熱し、放熱後の湯水を貯湯タンク1の底部に戻すようにする。
【0029】
このようにして、貯湯タンク1内に余剰貯湯されているときには、その余剰貯湯されている湯を、貯湯タンク1の中間部から取り出して外部放熱部Hにおける熱源として利用しながら、貯湯タンク1の底部に戻すことができるので、余剰貯湯されている湯を有効活用しながら、貯湯タンク1内に余剰貯湯されている余剰貯湯状態を維持することが可能となる。
【0030】
また、加熱部Kの動作について説明すると、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cが冷房運転を実行している状態で、かつ、第1排熱切換機構17が加熱状態に切換えられると、第1熱交換部12において、ヒートポンプ式冷暖房における排熱を熱源として循環路2を通流する湯水を加熱することが可能となる。
また、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cが作動されている状態で、かつ、第2排熱切換機構18が加熱状態に切り換えられると、第2熱交換部13において、ガスエンジン排熱を熱源として循環路2を通流する湯水を加熱することが可能となる。
そして、第3熱交換部14においては、燃焼装置Nを作動させてバーナBの燃焼により循環路2を通流する湯水を加熱することができる。
【0031】
このようにして、第1〜3熱交換部12,13,14のそれぞれの熱交換部において加熱可能であるが、貯湯タンク1への貯湯や外部放熱部Hに対する加熱負荷に応じて、第1熱交換部12、第2熱交換部13、および、第3熱交換部14における加熱作動の実行が制御される。
つまり、例えば、運転の立ち上がりなどのように加熱負荷が大きいときには、第1排熱切換機構および第2排熱切換機構を加熱状態に切換え、かつ、バーナBによる燃焼を行い、第1〜3熱交換部12,13,14の全ての熱交換部において加熱可能にする。
【0032】
また、通常時には、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cの運転状態よって第1および第2熱交換部12,13における加熱が可能となるために、第1および第2熱交換部12,13において加熱されるか否かに基づいて、燃焼装置Nを作動させてバーナBの燃焼により第3熱交換部14において加熱されるか否かが判別される。
つまり、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cの運転状態よって第1および第2熱交換部12,13における加熱が行われないときには、あるいは、第1および第2熱交換部12,13における加熱では貯湯タンク1への貯湯に対する加熱負荷に不足するときには、燃焼装置Nを作動させてバーナBの燃焼により第3熱交換部14における加熱を実行して、貯湯タンク1への貯湯や外部放熱部Hに対する加熱負荷に対応するように加熱部Kの動作を制御するようにしている。
【0033】
前記制御装置Sの制御動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、給湯用操作装置KSにより運転が指令されている状態で、貯湯運転を実行する時間帯などの貯湯運転の実行タイミングであって、貯湯タンク1内に必要最小貯湯量の貯湯がされていないと、すなわち、貯湯温サーミスタ10の検出温度TKが設定温度未満であると、貯湯運転を開始して貯湯処理を実行する。
【0034】
つまり、循環ポンプ3を作動させ、底部用三方弁9bを貯湯タンク1の水を循環路2に取り出すように切換えて、貯湯タンク1の底部の水を加熱部Kにて加熱しながら循環させ、例えば、循環路2を通流する湯水が十分に加熱される設定時間が経過すると、あるいは、循環路2における湯水の温度が設定温度以上になると、循環路2を通流する湯を貯湯タンク1に戻すように上部用三方弁7bを切り換えて、加熱された湯を貯湯タンク1の上部に戻して貯湯処理を行う。
【0035】
このようにして、貯湯処理を実行して、その貯湯量が必要最小貯湯量よりも設定量だけ多い余剰貯湯量になると、すなわち、余剰湯温サーミスタ11による検出温度TYが設定温度以上になると、貯湯処理の終了が要求されて、停止処理を実行して貯湯運転を終了する。
つまり、循環ポンプ3が作動中であればその作動を停止させ、第1〜3熱交換部12,13,14にて循環路2の湯水が加熱されないように、第1排熱切換機構17および第2排熱切換機構18が加熱状態に切換えられていると排熱状態に切換えるとともに、バーナBが燃焼中であればバーナBでの燃焼を停止させる。
【0036】
また、貯湯運転を実行する時間帯などの貯湯運転の実行タイミングであって、貯湯タンク1内に必要最小貯湯量の貯湯がされているときに、すなわち、貯湯温サーミスタ10の検出温度TKが設定温度以上のときに、貯湯タンク1への貯湯を行う貯湯処理を実行している貯湯運転中であると、その貯湯処理が継続して実行される。
そして、貯湯タンク1内に余剰貯湯量の貯湯が行われて、貯湯運転が終了された後に、給湯用操作装置KSの指令により風呂追焚きが指令されるか、床暖房装置の運転が開始されるか、または、その両方がされて、放熱処理の実行が要求されると、放熱運転を開始して放熱処理を実行する。
つまり、循環ポンプ3を作動させ、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すように中間用三方弁8bを切換え、循環路2の湯水を貯湯タンク1内に戻すように底部用三方弁9bを切換えて、貯湯タンク1の中間部の湯水を熱源として風呂追焚き用熱交換部15と床暖房用熱交換部16のうちの放熱が要求されている一方またはその両方において放熱する。
【0037】
そして、上述のように貯湯運転が終了しているときに、給湯用操作装置KSの指令により風呂追焚きが指令されず、かつ、床暖房装置の運転が停止された状態で、放熱処理の実行が要求されていないと、貯湯温サーミスタ10の検出温度TKが設定温度未満となるまで、あるいは、給湯用操作装置KSの指令により風呂追焚きが指令されたり、床暖房装置の運転が開始されたりして、放熱処理の実行が要求されるまで、貯湯処理あるいは放熱処理の実行を待機させる待機処理を実行する。
つまり、循環ポンプ3が作動していればその作動を停止させ、第1排熱切換機構17および第2排熱切換機構18が加熱状態に切換えられていると排熱状態に切換えるとともに、バーナBが燃焼中であればバーナBでの燃焼を停止させる。
【0038】
このようにして、貯湯運転を実行する時間帯などの貯湯運転の実行タイミングにおいては、貯湯運転や放熱運転が実行されるが、貯湯運転の実行タイミングでなければ、上述の停止処理が実行される。
つまり、循環ポンプ3が作動中であればその作動を停止させ、第1〜3熱交換部12,13,14にて循環路2の湯水が加熱されないように、第1排熱切換機構17および第2排熱切換機構18が加熱状態に切換えられていると排熱状態に切換えるとともに、バーナBが燃焼中であればバーナBでの燃焼を停止させる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、貯湯タンク1への貯湯を行うとき、および、外部放熱部Hにて放熱を行うときには、共通の循環路2および循環ポンプ3にて行うようにしているが、それぞれ各別に設けるようにしてもよい。
つまり、図6に基づいて説明すると、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部Kにて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する貯湯用循環路19が設けられ、この貯湯用循環路19には貯湯用循環ポンプ20が設けられ、貯湯タンク1の中間部から取り出した湯水を外部放熱部Hにて放熱したのち、その湯水を貯湯タンク1の底部に戻す放熱用循環路21が設けられ、この放熱用循環路21には放熱用循環ポンプ22が設けられている。
そして、放熱用循環路21と貯湯タンク1の中間部との接続箇所は、貯湯タンク1内に設けられている貯湯温サーミスタ10と余剰湯温サーミスタ11の間に位置する。なお、上記実施形態と同様の構成は同符号を記すことで、その説明を省略する。
【0046】
そして、貯湯タンク1への貯湯を行うときには、貯湯用循環ポンプ20を作動させて、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部Kにて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給して、貯湯タンク1内に温度成層を形成して湯水を貯湯する。
外部放熱部Hにて放熱を行うときには、放熱用循環ポンプ22を作動させて、貯湯タンク1の中間部から取り出した湯水を熱源として外部放熱部Hにて放熱したのち、その湯水を貯湯タンク1の底部に戻す。
【0049】
(2)上記実施形態では、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Cのエンジン排熱およびヒートポンプ式冷暖房における排熱を利用して加熱部Kにおける加熱を可能としているが、家庭用コージェネレーションシステムにおけるエンジン排熱および発電機排熱を利用して加熱部Kにおいて加熱するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムの概略構成図
【図2】 制御装置の制御ブロック図
【図3】 エンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムの概略構成図
【図4】 エンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムの概略構成図
【図5】 制御装置の制御動作を示すフローチャート
【図6】 別実施形態におけるエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムの要部を示す図
【符号の説明】
1 貯湯タンク
6 給湯路
10 貯湯温サーミスタ
11 余剰貯湯状態検出手段(余剰湯温サーミスタ)
H 外部放熱部
J 循環供給手段
K 加熱手段
S 制御手段
Claims (1)
- 貯湯タンクと、その貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように湯水を加熱する加熱手段と、前記貯湯タンク内の上部の湯水を給湯する給湯路と、前記貯湯タンク内の湯水を外部放熱部に循環供給する循環供給手段と、前記加熱手段および前記循環供給手段の作動を制御する制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置であって、
前記貯湯タンク内における湯水の温度成層の形成状態が高温部分の形成範囲が設定値よりも下方である余剰貯湯状態であるか否かを検出する余剰貯湯状態検出手段が設けられ、
前記余剰貯湯状態検出手段が、前記貯湯タンク内の貯湯量が必要最小貯湯量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する貯湯温サーミスタにて検出される前記必要最小貯湯量よりも設定量だけ多いかを湯温を検出することにより検出する余剰湯温サーミスタであり、
前記循環供給手段が、前記貯湯タンク内における前記貯湯温サーミスタと前記余剰湯温サーミスタとの間の前記中間部の湯水を取り出し、前記外部放熱部にて放熱して前記貯湯タンクの底部に戻す形態で湯水を循環させること、及び、前記貯湯タンクの底部の湯水を取り出し、前記加熱手段にて加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す形態で湯水を循環させることを行なえるように構成され、
前記制御手段が、前記貯湯温サーミスタと前記余剰湯温サーミスタの検出情報に基づいて、前記必要最小貯湯量以上を維持するように、前記貯湯タンクの底部の湯水を取り出し、前記加熱手段にて加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す形態で湯水を循環させる貯湯処理と、前記貯湯タンク内における前記貯湯温サーミスタと前記余剰湯温サーミスタとの間の中間部の湯水を取り出し、前記外部放熱部にて放熱して前記貯湯タンクの底部に戻す形態で湯水を循環させる放熱処理を行うべく、前記加熱手段および前記循環供給手段の作動を制御するように構成されている貯湯式の給湯熱源装置。
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