JP2012092782A - 過給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのパフォーマンスを向上できる過給制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1に設けられ過給または制動回生可能な電動ターボチャージャ3と、電動ターボチャージャ3を制御する制御部4と、エンジン回転数と燃料流量と排気ガスの空燃比の目標値との関係を第一のマップとして記憶すると共にエンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングと排気ガスの空燃比の推定値との関係を第二のマップとして記憶する記憶部6とを備え、制御部4は、第一のマップから空燃比の目標値を読み取ると共に第二のマップから空燃比の推定値を読み取り、推定値が目標値より低いとき電動ターボチャージャ3を駆動してブースト圧を上げ、推定値が目標値より高いとき電動ターボチャージャ3で制動回生させてブースト圧を下げるように構成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンへの吸気を過給する過給制御装置に関するものである。
一般にエンジンは出力やトルクを上げると排気温度も上がるが、排気温度が過度に高温になった場合、エンジンシステムの劣化やさまざまな環境下で耐久性の問題が生じる。
ゆえに、排気温度はいかなる状況下でも排気温度の限界を超えないように設定されている。
なお、エンジンには、組立てのバラツキ、部品のバラツキ、センサのバラツキ等があるため、バラツキによる悪条件が重なった場合でも必要な耐久性を得られるように排気温度の限界は低めに設定されている。
特開2006−177171号公報 特開平8−182382号公報
ところで、本発明者は、排気ガスの状態を制御することで、エンジンの燃費、出力、トルク、耐久性等のパフォーマンスを更に向上できることを見出した。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、エンジンのパフォーマンスを向上できる過給制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、エンジンに設けられ過給または制動回生可能な電動ターボチャージャと、該電動ターボチャージャを制御する制御部と、エンジン回転数と燃料流量と排気ガスの空燃比の目標値との関係を第一のマップとして記憶すると共にエンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングと排気ガスの空燃比の推定値との関係を第二のマップとして記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記記憶部の前記第一のマップから空燃比の目標値を読み取ると共に前記記憶部の前記第二のマップから空燃比の推定値を読み取り、該推定値が前記目標値より低いとき前記電動ターボチャージャを駆動してブースト圧を上げ、前記推定値が前記目標値より高いとき前記電動ターボチャージャで制動回生させてブースト圧を下げるように構成されたものである。
本発明によれば、エンジンのパフォーマンスを向上できる。
図1はエンジンと過給制御装置の説明図である。 図2は過給制御を示す流れ図である。
図1に示すように、過給制御装置2は、エンジン1に設けられ排気ガスからのエネルギーで過給、または制動回生可能な電動ターボチャージャ3と、電動ターボチャージャ3を制御する制御部4と、制御部4にエンジン1等の各種情報を提供するための記憶部6と、制御部4に接続されエンジン回転数を検出する回転数センサ5と、制御部4に接続されブースト圧(過給圧)を検出する吸気圧センサ(MAPセンサ:マニフォールドプレッシャセンサ)7と、制御部4に接続され吸入空気量を検出する吸入空気量センサ(MAFセンサ:マスエアフローセンサ)8と、制御部4に接続されエンジン冷却水の水温を検出する水温センサ9と、制御部4に接続され外気温を検出する外気温センサ10と、制御部4に接続されエンジンオイルの油温を検出する油温センサ25とを備える。
エンジン1はディーゼルエンジンからなり車両(図示せず)に搭載されている。エンジン1は、エンジン本体1aに吸気ガスを供給する吸気通路11を有すると共に、排気ガスを排出する排気通路12を有する。
電動ターボチャージャ3は、排気通路12に設けられ排気ガスにより回転駆動されるタービン13と、吸気通路11に設けられタービン13からの駆動力で吸気ガスを加圧するコンプレッサ14と、タービン13の動力をコンプレッサ14に伝達するタービン軸15と、タービン軸15を回転駆動し、またはタービン軸15からの動力で発電するモータジェネレータ16とを備える。モータジェネレータ16には、その出力を調節するためのインバータIVが接続されており、インバータIVには、放電可能かつ充電可能な電源としてのバッテリ(リチウムイオン電池等)BTが接続されると共に制御部4が接続されている。制御部4は、インバータIVを介して電動ターボチャージャ3のモータジェネレータ16を制御するようになっている。
コンプレッサ14より下流の吸気通路11には、インタークーラー17が設けられている。また、タービン13よりも上流の排気通路12とコンプレッサ14よりも下流の吸気通路11とには、排気ガスを吸気側に還流するためのEGR装置18が設けられている。EGR装置18は、吸気通路11と排気通路12を接続するEGR通路19と、EGR通路19に設けられ排気通路12から吸気側に還流する排気ガスの量を調節するためのEGRバルブ20と、EGRバルブ20より下流のEGR通路19に設けられたEGRクーラー21とを備える。
回転数センサ5は、エンジン1に設けられており、検出したエンジン回転数を制御部4に電気信号として出力するようになっている。
吸気圧センサ7は、吸気通路11の吸気マニフォールド22に設けられおり、検出した吸気圧を制御部4に電気信号として出力するようになっている。
吸入空気量センサ8は、コンプレッサ14より上流の吸気通路11に設けられており、検出した吸入空気量を制御部4に電気信号として出力するようになっている。
水温センサ9は、エンジン1に設けられており、検出した水温を制御部4に電気信号として出力するようになっている。
油温センサ25は、エンジン1に設けられており、検出した油温を制御部4に電気信号として出力するようになっている。
制御部4と記憶部6は、ECM(エンジンコントロールモジュール)23に形成されている。
記憶部6は、エンジン回転数と燃料流量と排気ガスの空燃比の目標値との関係を第一のマップ(図示せず)として記憶すると共に、エンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングと排気ガスの空燃比の推定値との関係を第二のマップ(図示せず)として記憶している。特に第一のマップ中の空燃比の目標値は、エンジン回転数及び燃料流量に応じた理想的な空燃比であり、エンジンの運転状態に応じた最適な空燃比である。また、第二のマップ中の空燃比の推定値は、エンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングとから推定される現在の空燃比である。
制御部4は、記憶部6の第一のマップから空燃比の目標値を読み取ると共に、記憶部6の第二のマップから空燃比の推定値を読み取り、この推定値が前記目標値より低いとき電動ターボチャージャ3を駆動してブースト圧を上げ、前記推定値が前記目標値より高いとき電動ターボチャージャ3で制動回生させてブースト圧を下げるように構成されている。
次に過給制御とその作用について説明する。
図2に示すように、ステップS1にて、エンジン駆動中、制御部4は、エンジン回転数、ブースト圧、吸入空気量、水温、外気温及び油温のそれぞれを対応するセンサ5、7、8、9、10、25から取得すると共に、記憶部6から燃料噴射量と燃料噴射タイミングを取得し、これらエンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングとに基づいて記憶部6の第二のマップから排気ガスの空燃比の推定値(推定λ値)を読み取る。なお、記憶部6に記憶された燃料噴射量と燃料噴射タイミングは、ECM23の別の制御部(例えば燃料噴射を制御する制御部等)にてエンジン回転数やアクセル開度等から算出されたものであり、逐次更新されている。
ステップS2にて、制御部4は、エンジン運転条件(エンジン回転数、トルク(アクセル開度))で決まる燃料流量を取得し、この燃料流量とステップS1にて読み取ったエンジン回転数とに基づいて記憶部6の第一のマップから空燃比の目標値(設定λ値)を読み取り、前記推定値と前記目標値を比較する。推定値が目標値より低い場合、ステップS3に進む。
ステップS3にて、制御部4は、インバータIVを介して電動ターボチャージャ3を駆動するように制御してブースト圧を上げる。排気ガスの空燃比は上がり、前記目標値に近づく。制御部4は、推定値が目標値以上になるまで電動ターボチャージャ3を駆動させ続ける。これにより、空燃比は最適化され、燃焼効率が向上し、エンジン1の出力、トルク、燃費、耐久性等のパフォーマンスが向上する。
ステップS2にて推定値が目標値より高い場合、ステップS4に進む。
ステップS4にて、制御部4は、インバータIVを介して電動ターボチャージャ3を制御して電動ターボチャージャ3で制動回生させる。すなわち、電動ターボチャージャ3のモータジェネレータ16で発電すると共に、その電気をバッテリBTに充電することでタービン13及びコンプレッサ14を制動する。排気ガスの空燃比は下がり、前記目標値に近づく。制御部4は、推定値が目標値以下になるまで電動ターボチャージャ3で制動回生し続ける。これにより、無駄な過給を防止できると共に排気ガスから無駄なエネルギを回収でき、エンジン1のパフォーマンスを向上できる。
このように、過給制御装置2が、エンジン1に設けられ過給または制動回生可能な電動ターボチャージャ3と、電動ターボチャージャ3を制御する制御部4と、エンジン回転数と燃料流量と排気ガスの空燃比の目標値との関係を第一のマップとして記憶すると共にエンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングと排気ガスの空燃比の推定値との関係を第二のマップとして記憶する記憶部6とを備え、制御部4は、記憶部6の第一のマップから空燃比の目標値を読み取ると共に記憶部6の第二のマップから空燃比の推定値を読み取り、この推定値が前記目標値より低いとき電動ターボチャージャ3を駆動してブースト圧を上げ、推定値が目標値より高いとき電動ターボチャージャ3で制動回生させてブースト圧を下げるように構成されるものとしたため、排気ガスの空燃比を最適化でき、燃焼効率を向上でき、排気ガスから無駄なエネルギを回収でき、エンジン1のパフォーマンスを向上できる。また、各種部品のバラツキとは無関係に空燃比を最適化でき、エンジン1のパフォーマンスを最大に生かすことができる。
なお、制御部4は第二のマップから空燃比の推定値を読み取ったのち、第一のマップから空燃比の目標値を読み取るものとしたが、逆に第一のマップから空燃比の目標値を読み取ったのち、第二のマップから空燃比の推定値を読み取ってもよいのは勿論である。
また、制御部4に燃料流量センサを接続し、この燃料流量センサで検出される燃料流量を用いて記憶部6の第一のマップから空燃比の目標値(設定λ値)を読み取るものとしてもよい。精度向上を図ることができる。
1 エンジン
2 過給制御装置
3 電動ターボチャージャ
4 制御部
5 回転数センサ
6 記憶部
7 吸気圧センサ
8 吸入空気量センサ
9 水温センサ
10 外気温センサ
25 油温センサ

Claims (1)

  1. エンジンに設けられ過給または制動回生可能な電動ターボチャージャと、該電動ターボチャージャを制御する制御部と、エンジン回転数と燃料流量と排気ガスの空燃比の目標値との関係を第一のマップとして記憶すると共にエンジン回転数と燃料噴射量とブースト圧と吸入空気量と水温と外気温と油温と燃料噴射タイミングと排気ガスの空燃比の推定値との関係を第二のマップとして記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記記憶部の前記第一のマップから空燃比の目標値を読み取ると共に前記記憶部の前記第二のマップから空燃比の推定値を読み取り、該推定値が前記目標値より低いとき前記電動ターボチャージャを駆動してブースト圧を上げ、前記推定値が前記目標値より高いとき前記電動ターボチャージャで制動回生させてブースト圧を下げるように構成されたことを特徴とする過給制御装置。
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