JP2012091954A - ブッシング - Google Patents

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Abstract

【課題】ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスを高温状態に維持することにより、例えば、高密度プリント配線板の構成材料として利用可能な極細ガラス繊維モノフィラメントを効率よく紡糸できるブッシングを提供する。
【解決手段】ガラス繊維製造装置に設けられる白金を含有するブッシング100であって、複数の開口部1を有するプレート状のスクリーン20を備え、スクリーン20の幅方向の両端に電圧を印加した場合、当該スクリーン20に電圧の勾配に沿って電流が連続的に流れる通電領域と連続的に流れない非通電領域とが存在し、非通電領域において、金属が存在する中実部2の平面積(S1)と金属が存在しない空間部1の平面積(S2)との比(S1/S2)を0〜15/70の範囲に設定してある。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス繊維製造装置に設けられる白金を含有するブッシングに関する。
ガラス繊維の製造工程においては、一般に、ブッシングと呼ばれる成形部材が使用される。ガラス繊維を製造するには、先ず、ガラス繊維の製造ラインに設置されたガラス溶融炉でガラス原料やカレット、マーブル等の固体ガラス素材を加熱し、高温の溶融ガラスとする。次いで、清澄槽で清澄化・均質化した溶融ガラスをフィーダーから紡糸装置に供給する。紡糸装置は、一般に、ブッシング、ブッシングブロック、及びフローブロック等で構成される。ブッシングの構成部材であるブッシング本体の底部には、ベースプレートが取り付けられている。ベースプレートには0.70〜2.00mmの径を有するブッシングノズルが10〜8000本設けられ、当該ブッシングノズルから溶融ガラスを吐出することにより、繊維状のガラスモノフィラメントとして紡糸する。なお、紡糸工程において、ガラス溶融炉やフィーダーを構成する耐火物等の異物がブッシングノズル上に落下すると、ブッシングノズルが目詰まりを起こす虞がある。そこで、ブッシング本体の内部には、異物がブッシングノズル上に堆積することを防止するためのスクリーンが設けられている。
ブッシングノズルから吐出される溶融ガラスは、ガラス溶融炉内では1200℃以上の高温となっているが、ガラス溶融炉、清澄槽、及びフィーダーからブッシング本体を経てベースプレートの位置に到達するまでに温度が低下し得る。この理由の一つに、ブッシングを取り囲んでいるブッシングブロックが放熱し易い耐火物で構成されていることが挙げられる。ブッシングブロックから吐出させる溶融ガラスが十分に高温状態に維持されていないと、溶融ガラスの均質化が不十分となるため、紡出されたガラス繊維に気泡の混入等の問題が発生し得る。この場合、例えば、高密度プリント配線板の構成材料として利用可能な極細ガラス繊維モノフィラメントを効率よく紡糸することができない。従って、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスの均質化を図ることは重要である。
ブッシングの内部で溶融ガラスを高温状態に維持する技術として、従来、ブッシング本体の内部のスクリーンを通電し、それによって発生する抵抗熱によりスクリーンを通過する溶融ガラスを加熱するガラス繊維製造装置があった(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1によれば、ブッシング内のスクリーンには溶融ガラスが通過する直径5mmの円形の孔が多数設けられており、当該スクリーンを通電加熱することで、円形孔を通過する溶融ガラスの温度低下を抑制することに寄与できるとされている。
特開2008−266057号公報
スクリーンを通電加熱する場合、通常、スクリーンの両端に電圧を印加するため、電流はスクリーンの一端側から他端側に向けて一方向に流れることになる。そのため、スクリーンに設けられた複数の孔の形状や配置によっては、孔が電流の流れを阻害し、十分な抵抗熱を発生させることができない場合がある。特許文献1のガラス繊維製造装置においては、上述のように、スクリーンには直径5mmの円形孔が多数設けられているが、例えば、円形孔を最密配置(1つの円形孔の周囲に60°毎に6つの円形孔を密接して配置させる形態)すると、電流は円形孔を回避しながらジグザグの経路でスクリーンの一端側から他端側に向けて流れることになる。そのため、スクリーンには電流が流れ難い領域が生じ、このような領域が広く存在すると加熱効率の低下を招き、溶融ガラスを高温状態に維持することが困難となる。なお、スクリーンに流す電流量を増加させるため、スクリーンの厚みを増大させることも考えられる。ところが、スクリーンを構成する白金等の貴金属は非常に高価であり、スクリーンの貴金属使用量を増加させると製造コストが大幅に上昇するため、あまり現実的ではない。
このように、現状においては、スクリーンを厚くすることなく溶融ガラスの加熱効率を改善し得るブッシングは未だ開発されていない。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスを高温状態に維持することにより、例えば、高密度プリント配線板の構成材料として利用可能な極細ガラス繊維モノフィラメントを効率よく紡糸できるブッシングを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るブッシングの特徴構成は、
ガラス繊維製造装置に設けられる白金を含有するブッシングであって、
複数の開口部を有するプレート状のスクリーンを備え、
前記スクリーンの幅方向の両端に電圧を印加した場合、当該スクリーンに電圧の勾配に沿って電流が連続的に流れる通電領域と連続的に流れない非通電領域とが存在し、
前記非通電領域において、金属が存在する中実部の平面積(S1)と金属が存在しない空間部の平面積(S2)との比(S1/S2)を0〜15/70の範囲に設定してある点にある。
上記課題で述べたように、現状では、スクリーンを厚くすることなく、ブッシングの内部の溶融ガラスを高温状態に維持することは困難であった。これは、スクリーンに設けられた複数の孔の形状や配置が最適化されていないため、電流が流れ難い領域が比較的広い範囲に亘って存在し、スクリーンを通電加熱した際の溶融ガラスの加熱効率が低下してしまうことが一因である。従って、スクリーンを厚くすることなく、ブッシングの内部の溶融ガラスを高温状態に維持するためには、スクリーンにおける溶融ガラスの通過量を一定以上に確保しつつ、電流が流れ難い領域をできる限り減らして、溶融ガラスの加熱効率を改善させることが有効となる。
そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、複数の開口部を有するスクリーンにおいて、電圧の勾配に沿って電流が連続的に流れる通電領域と連続的に流れない非通電領域とを設け、当該非通電領域において、金属が存在する中実部の平面積(S1)と金属が存在しない空間部の平面積(S2)との比(S1/S2)を0〜15/70の範囲に設定すれば、電流が流れ難い領域を減らしつつ、溶融ガラスの加熱効率を改善できることが判明した。
本構成のブッシングであれば、非通電領域において、金属が存在する中実部の平面積(S1)と金属が存在しない空間部の平面積(S2)との比(S1/S2)が下限値の0の場合、非通電領域に中実部が存在せず、スクリーンの非通電領域が一端側から他端側まで連続的に繋がったスリット状となる。このようなスリット状の開口部であれば、加熱に貢献しない白金等の貴金属は実質的に皆無となるため、溶融ガラスの加熱効率は最大となる。さらに、スクリーンを溶融ガラスがスムーズに通過することができるので、溶融ガラスの流動状態も安定する。一方、非通電領域において、上記の比(S1/S2)の上限値を15/70とすることで、加熱に貢献しない白金等の貴金属の使用量をできるだけ少なくしてコストダウンに寄与しながら、一定以上の加熱効率を得ることが可能となる。すなわち、上記の範囲であれば、低コストでブッシングを構成しながらも、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスを十分に均質化することができる。
本発明に係るブッシングにおいて、前記開口部の1個あたりの開口面積は、0.8〜6600mmであることが好ましい。
本構成のブッシングであれば、ガラス溶融炉、フィーダー、及びブッシングブロック等を構成している耐火物の一部が劣化等により剥離し、異物として落下した場合であっても、スクリーンに設けられた複数の開口部の1個あたりの開孔面積の下限値を0.8mmとすることで、異物がブッシングノズルの上に堆積することにより発生する目詰まりを防止しながら、スクリーンにおける溶融ガラスの通過を確実に確保し、ガラス繊維の紡糸を継続的に実施することができる。一方、当該面積の上限値を6600mmとすることで、落下した異物をスクリーンで確実に捕捉することができる。
本発明に係るブッシングにおいて、前記開口部の形状は、電圧の勾配に平行な方向が垂直な方向よりも長手の楕円又は長穴であることが好ましい。
開口部が同一面積であれば、楕円の短軸又は長穴の短辺のサイズは、同一面積の円の直径よりも短くなる。本構成のブッシングであれば、非通電領域が細長形状になるため、通電領域の総面積が増え、通電領域に流れる電流が増加する。その結果、スクリーンから十分な抵抗熱が発生し、溶融ガラスの加熱効率が改善する。従って、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスを十分に均質化することができる。また、開口部の形状が楕円又は長穴であれば、落下した異物が開口部に引っ掛かる確率が高まる。その結果、異物を効率的に捕捉することができる。長穴には、両端が直線で構成されたもの(矩形やスリット状のもの)や、両端をラウンドしたもの等が含まれる。
本発明に係るブッシングにおいて、前記電圧の勾配に対して垂直な方向に沿って、前記通電領域と前記非通電領域とが一定間隔で交互配置されていることが好ましい。
本構成のブッシングであれば、スクリーンの一部に通電領域が偏って存在することがないので、通電領域から発生した抵抗熱によってスクリーン周辺の温度分布が均一となり、スクリーン全体での溶融ガラスの加熱効率が改善する。その結果、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスを十分に均質化することができる。また、スクリーンの一部に非通電領域が偏って存在することがないので、異物が空間部に効率よく捕捉されるとともに、溶融ガラスの流動状態も安定する。
本発明に係るブッシングにおいて、前記非通電領域において、前記中実部と前記空間部とが一定間隔で交互配置されていることが好ましい。
本構成のブッシングであれば、非通電領域において空間部が偏らず、万遍なく存在することになる。これにより、非通電領域に存在する空間部の夫々を通過する溶融ガラスに通電領域から発生した抵抗熱が均一に与えられ易くなり、スクリーンを通過する溶融ガラスの加熱効率が改善する。その結果、ブッシングノズルから吐出する直前の溶融ガラスの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスを十分に均質化することができる。また、異物がスクリーンの何れの位置に落下しても、空間部がスクリーンの幅方向に亘って万遍なく存在するため、非通電領域の一部に空間部が偏って存在している場合より、空間部によって異物が捕捉され易い。さらに、溶融ガラスが、非通電領域に万遍なく存在する空間部に分散してスクリーンを通過するため、溶融ガラスの流動状態もより安定する。
図1は、本発明のブッシングの全体構造を示す概略図である。 図2は、本発明の第1実施形態によるスクリーンを示す概略図である。 図3は、本発明の第2実施形態によるスクリーンを示す概略図である。 図4は、ブッシング本体の内部に存在する溶融ガラスの温度分布のシミュレーション結果である。
以下、本発明のブッシングに関する実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<ブッシング>
図1は、本発明のブッシング100の全体構造を示す概略図である。ブッシング100は、ガラス繊維を製造する紡糸装置の主要部であり、高温の溶融ガラスMからガラス繊維を紡出するために使用される成形部材の一種である。ブッシング100は、ブッシング本体10、スクリーン20、ベースプレート70、及びブッシングノズル80を備えている。ガラス繊維の製造にあたっては、先ず、製造ラインに設置されたガラス溶融炉(図示せず)で、ガラス原料やカレット、マーブル等の固体ガラス素材を加熱して高温の溶融ガラスMとし、この溶融ガラスMを清澄槽(図示せず)で清澄化・均質化した後、フィーダー30からブッシング100につながる流入部40に流入させる。なお、フィーダー30には複数のブッシング100を取り付けることができ、その場合、複数のブッシング100に溶融ガラスMを同時に供給することができる。流入部40に流入した溶融ガラスMは周囲をフローブロック50で囲まれた空間に流れ落ち、さらに、周囲をブッシングブロック60で囲まれた空間を経て、ブッシング本体10に供給される。フローブロック50及びブッシングブロック60は、クロム煉瓦やジルコン煉瓦等の耐火物で構成される。ブッシング本体10は、白金等の貴金属で構成される。本発明では、ブッシングブロック60がフローブロック50の下流側に存在している。このため、ブッシング本体10が劣化等の理由により交換が必要となった場合であっても、ブロック全体を交換せずとも、ブッシング本体10が直接取り付けられているブッシングブロック60の交換のみで足りる。
ブッシング本体10の底部には、ベースプレート70が取り付けられている。ベースプレート70には0.70〜2.00mmの径を有するブッシングノズル80が10〜8000本設けられ、ブッシングノズル80から吐出した溶融ガラスMが繊維状のガラスモノフィラメントとして紡糸される。ガラスモノフィラメントは冷却後、集束剤を塗布され、多数本のモノフィラメントが集束されたガラスストランドとして巻き取られ、ガラスケーキ等が作製される。
ブッシング本体10の内部には、異物がブッシングノズル80上に堆積することを防止するためのスクリーン20が設けられている。スクリーン20は、本発明における主要な構成要素である。スクリーン20には、溶融ガラスMが通過するための複数の開口部が形成されている。スクリーン20はブッシング本体10を横断するように、ブッシング本体10の側壁部に全周的に取り付けられる。スクリーン20の取り付け位置は、ブッシング本体10の内部であって、ベースプレート70より上方であれば、特に限定されない。ブッシング本体10へのスクリーン20の取り付け方法には、リベットによる結合や溶接等がある。スクリーン20は、白金等の貴金属で構成されているため、通電により抵抗熱が発生し、スクリーン20の近傍に存在する溶融ガラスM又はスクリーン20の開口部を通過する溶融ガラスMを加熱する。
ところで、スクリーン20の開口部は、ある種の絶縁体として作用する。スクリーン20を通電加熱する場合、例えば、スクリーン20の幅方向の両端に電圧を印加する。このとき、スクリーン20の一端側から他端側に向けて電圧勾配が発生し、電流が流れる。ここで、電流の流れる先の領域に開口部(空間部)が存在すると、電流は当該開口部を回避し、側方に逸れようとする。そうすると、開口部の周囲には電流が殆ど流れないため、開口部付近においては抵抗熱が効率よく発生しない。
一方、スクリーン20を構成する白金等の貴金属は非常に高価であるため、抵抗熱の発生に貢献しない貴金属はできるだけ少なくしたいという要望がある。そこで、本発明では、スクリーン20に設けられる開口部の形状や配置を工夫することにより、溶融ガラスMの加熱効率の改善を図っている。以下、それらの実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図2は、スクリーン20の一実施形態であり、第1実施形態によるスクリーン21の概略図を示す。スクリーン21には複数の開口部1が設けられており、これらは全て同一の形状及び大きさである。スクリーン21の両端に電圧を印加すると、図中のグラフで示すようにスクリーン21に電圧の勾配が発生する。このため、スクリーン21の一端側から他端側に向けて電流が一方向に(図中の矢印方向に)流れることになる。ただし、前述のように、スクリーン21に設けられている開口部1には電流が流れないため、電圧の勾配に平行な方向において、開口部1が位置する帯状の領域は電流が連続的に流れない非通電領域となる。一方、非通電領域に隣接する開口部1が位置しない帯状の領域は電流が連続的に流れる通電領域となる。本実施形態においては、電圧の勾配に対して垂直な方向に沿って、通電領域と非通電領域とが一定間隔で交互配置されており、非通電領域において、金属が存在する中実部2と金属が存在しない空間部としての開口部1とが一定間隔で交互配置されている。従って、通電領域から発生した抵抗熱によってスクリーン21周辺の温度分布が均一となり、スクリーン21の近傍に存在する溶融ガラスM又はスクリーン21の開口部1を通過する溶融ガラスMの加熱効率が改善する。このスクリーン21であれば、ガラス溶融炉(図示せず)やフィーダー30を構成する耐火物等の異物が落下した場合でも、当該異物は開口部1に効率よく捕捉される。また、スクリーン21における溶融ガラスMの通過量が一定以上に確保される結果、溶融ガラスMがスクリーン21を通過する効率も低下しない。ここで、スクリーン21を構成するに際し、非通電領域において、中実部2の平面積(S1)と空間部1の平面積(S2)との比(S1/S2)を0〜15/70の範囲に設定する。上記比(S1/S2)が下限値である0の場合、非通電領域に中実部2が存在せず、スクリーン21の非通電領域が一端側から他端側まで連続的に繋がったスリット状となる。スリット状の開口部1を有するスクリーン22については、次の第2実施形態において詳述する。上記比(S1/S2)が上限値である15/70の場合、加熱に貢献しない白金等の貴金属の使用量をできるだけ少なくしてコストダウンに寄与しながら、一定以上の加熱効率を得ることが可能となる。すなわち、上記の範囲であれば、低コストでブッシング100を構成しながらも、ブッシングノズル80から吐出する直前の溶融ガラスMの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスMを十分に均質化することができる。
開口部1の1個あたりの開口面積は、0.8〜6600mmであることが好ましい。ガラス溶融炉(図示せず)、フィーダー30、及びブッシングブロック60等を構成している耐火物の一部が劣化等により剥離し、異物として落下した場合であっても、スクリーン21に設けられた複数の開口部1の1個あたりの開孔面積の下限値を0.8mmとすることで、異物がブッシングノズル80の上に堆積することにより発生する目詰まりを防止しながら、スクリーン21における溶融ガラスMの一定量の通過を確実に確保し、ガラス繊維の紡糸を継続的に実施することができる。一方、当該面積の上限値を6600mmとすることで、落下した異物をスクリーン21で確実に捕捉することができる。
開口部1の形状は、電圧の勾配に平行な方向が垂直な方向よりも長手の長穴であることが好ましい。開口部1が同一面積であれば、楕円の短軸又は長穴の短辺のサイズは、同一面積の円の直径よりも短くなる。この場合、非通電領域がより細長形状になるため、通電領域の総面積が増え、通電領域に流れる電流が増加する。その結果、スクリーン21から十分な抵抗熱が発生し、溶融ガラスMの加熱効率が改善する。従って、ブッシングノズル80から吐出する直前の溶融ガラスMの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスMを十分に均質化することができる。また、開口部1の形状が楕円又は長穴であれば、落下した異物が開口部1に引っ掛かる確率が高まる。その結果、異物を効率的に捕捉することができる。長穴には、両端が直線で構成されたもの(矩形やスリット状のもの)や、両端をラウンドしたもの等が含まれる。
〔第2実施形態〕
図3は、スクリーン20の一実施形態であり、第2実施形態によるスクリーン22の概略図を示す。スクリーン22は、第1実施形態のスクリーン21に設置された複数の開口部1全体がスリット状になったものである。従って、開口部1以外の構成についての詳細な説明は省略する。また、図面においても、電源及び電圧勾配のグラフは省略する。
開口部1の形状が、電圧の勾配に平行な方向が垂直な方向よりも長手の矩形であり、非通電領域において、中実部2の平面積(S1)と空間部1の平面積(S2)との比(S1/S2)が0であれば、開口部1全体がスリット状となる。スリット状の開口部1には電流が流れないため、電圧の勾配に平行な方向において、開口部1が位置する帯状の領域は電流が連続的に流れない非通電領域となる。第2実施形態の非通電領域においては、第1実施形態にあった中実部2は存在しない。一方、非通電領域に隣接する開口部1が位置しない帯状の領域は電流が連続的に流れる通電領域となる。このようなスリット状の開口部1であれば、加熱に貢献しない白金等の貴金属は実質的に皆無となるため、溶融ガラスMの加熱効率は最大となる。さらに、スクリーン22を溶融ガラスMがスムーズに通過することができるので、溶融ガラスMの流動状態も安定する。なお、ブッシング本体10の内部へのスクリーン22の取り付けを容易にするため、スクリーン22の幅方向の両側において、非通電領域と通電領域との相対位置を固定する帯状の固定部材(図示せず)を設けても構わない。第2実施形態のスクリーン22を採用すれば、低コストでブッシングを構成しながらも、ブッシングノズル80から吐出する直前の溶融ガラスMの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスMをより十分に均質化することができる。
〔シミュレーション結果〕
次に、本発明のブッシング100を用いた場合、溶融ガラスMの加熱効率が改善されることを確認するため、以下に説明するシミュレーションを行った。
このシミュレーションでは、図2に示した第1実施形態のスクリーン21と同タイプの長穴が形成されたスクリーンを備えたブッシング、及び図3に示した第2実施形態のスクリーン22と同タイプのスリットが形成されたスクリーンを備えたブッシングを使用することを想定している。また、比較として、従来の円形孔を有するスクリーンを備えたブッシングについても同様のシミュレーションを行った。各シミュレーションにおいて、電圧勾配に垂直な方向での長穴の幅、スリットの幅、及び円形孔の直径を同一に設定した。また、電圧勾配に平行な方向の任意断面及び垂直な方向の任意断面において、ベースプレート70から10mm上方位置に存在する溶融ガラスMの温度を計算した。
図4は、上記3タイプのスクリーンを備えたブッシングにおいて、ブッシング本体10の内部に存在する溶融ガラスMの温度分布のシミュレーション結果である。当該温度分布は、ブッシング本体10の内部に設けられたスクリーンを通電し、それによって発生する抵抗熱によってもたらされる各位置における溶融ガラスMの温度を反映している。図4(a)は電圧勾配に平行な方向における温度分布を示し、図4(b)は電圧勾配に垂直な方向における温度分布を示している。図4(a)において、グラフの左右軸は、全ブッシングノズル80が存在する範囲の電圧勾配に平行な方向の両端位置を示し、図4(b)において、グラフの左右軸は、全ブッシングノズル80が存在する範囲の電圧勾配に垂直な方向の両端位置を示す。図4(a)及び(b)に示す基準点とは、従来の円形孔を有するスクリーンを備えたブッシングを使用した場合のベースプレート70の中心位置に対応する点であり、図4(a)及び(b)の基準点は同一である。上記基準点における温度をベース温度と規定し、当該ベース温度と溶融ガラス温度との差をグラフに示している。図4(a)及び(b)より、電圧勾配に平行な方向及び電圧勾配に垂直な方向において、開口部1の形状がスリット状であると、何れの位置においても、溶融ガラスMの温度が最も高くなることが判明した。開口部1の形状が長穴であると、スリット状である場合ほどではないが、従来の円形である場合より溶融ガラスMの温度が高くなることが判明した。このように、本発明のブッシング100を使用すれば、ブッシングノズル80から吐出する直前の溶融ガラスMの温度を高温状態に維持し、溶融ガラスMを十分に均質化することができると言える。なお、図示しないが、スクリーンの厚みを増大させると、溶融ガラスMの温度をさらに上昇させることができることも判明した。
本発明のブッシングは、ガラス製品、例えば高密度プリント配線基板の構成材料に用いられるガラス繊維を製造するガラス繊維製造装置に利用可能である。
1 開口部(空間部)
2 中実部
10 ブッシング本体
20,21,22, スクリーン
30 フィーダー
40 流入部
50 フローブロック
60 ブッシングブロック
70 ベースプレート
80 ブッシングノズル
100 ブッシング

Claims (5)

  1. ガラス繊維製造装置に設けられる白金を含有するブッシングであって、
    複数の開口部を有するプレート状のスクリーンを備え、
    前記スクリーンの幅方向の両端に電圧を印加した場合、当該スクリーンに電圧の勾配に沿って電流が連続的に流れる通電領域と連続的に流れない非通電領域とが存在し、
    前記非通電領域において、金属が存在する中実部の平面積(S1)と金属が存在しない空間部の平面積(S2)との比(S1/S2)を0〜15/70の範囲に設定してあるブッシング。
  2. 前記開口部の1個あたりの開口面積は、0.8〜6600mmである請求項1に記載のブッシング。
  3. 前記開口部の形状は、電圧の勾配に平行な方向が垂直な方向よりも長手の楕円又は長穴である請求項1又は2に記載のブッシング。
  4. 前記電圧の勾配に対して垂直な方向に沿って、前記通電領域と前記非通電領域とが一定間隔で交互配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載のブッシング。
  5. 前記非通電領域において、前記中実部と前記空間部とが一定間隔で交互配置されている請求項1〜4の何れか一項に記載のブッシング。
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