JPH04292423A - ガラス素地均質化方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガラス素地均質化方法
に係り、ガラス素地中に浸漬した抵抗発熱体によりガラ
スを溶融する方法において、泡、未溶解物をガラス素地
中に巻き込まず、ガラス素地を高度に均質化する方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ガラス溶解炉におけるガラス素地均質化
方法としては、炉内の熱対流により混合を行うもの、ま
たガスのバブリングを利用する方法などがある。

【０００３】また、特開平２−１９９０３０号において
は、最上部に原料投入部を有し、最下部にガラス素地出
口を備えた竪型のガラス溶融炉において、ガラス素地に
浸漬する少なくとも１つのレベルに、当該レベルにおけ
る炉の水平断面のほぼ全領域にわたって抵抗発熱体を設
けたガラス溶融炉において、炉内にガラス素地均質化用
加熱体を設け、該ガラス素地均質化用加熱体による加熱
によりガラス素地に熱対流を生じさせて均質化すること
を特徴とする方法が提案されている。

【０００４】スタ−ラ−による強制攪拌を用いる例では
、通常は均質化槽を別に設け、攪拌に伴う泡、未溶解物
の巻き込みの問題を避けることが多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】原料がガラス素地表面
を覆い（通常コ−ルドトップといわれる）炉上部からの
放熱を少なくした竪型ガラス溶解炉であって、ガラス素
地中に直接通電し原料の溶解を行なう炉においては、炉
内の熱対流を激しくしてガラス素地の均質化を促進しよ
うとした場合、泡、未溶解物がガラス素地中に巻き込ま
れやすく、素地中にこれらの欠点を含まずに、かつ均質
化を行なうことは困難であった。

【０００６】また、スターラーによる強制攪拌を用いて
も同様の困難があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１のガラス素地均
質化方法は、最上部に原料投入部を有し、最下部にガラ
ス素地出口を備え、ガラス素地に浸漬するレベルに、少
なくとも一つの開口を有し炉の水平断面のほぼ全領域を
おおう板状のガラス素地溶解用抵抗発熱体を設けた竪型
ガラス溶融炉において、炉上部よりバッチ層、抵抗発熱
体を通して攪拌用スタ−ラ−を挿入し、板状発熱体より
下部の領域において板状発熱体を通過したガラス素地を
強制攪拌することにより均質化することを特徴とする。

【０００８】すなわち、溶解したガラス素地は、発熱体
を通過して降下してくるが、発熱体より上部の流れを著
しく乱さず、主に発熱体下部の領域においてスタ−ラ−
による強制流を起こし、ガラス素地を均質化することが
可能であり、泡、未溶解物をガラス素地中に巻き込まず
、均質なガラスを得ることができる。

【０００９】このための条件として、比較的短時間で炉
出口まで到達する素地の流れ（いわゆるショ−トパス）
がないこと、素地流れが停滞する領域が無いこと、降下
してきた素地のほとんどがスタ−ラ−による流れに乗り
、引き伸ばし、せん断を受けること、ガラス素地溶解用
抵抗発熱体に向かう流れが十分弱いことが挙げられる。

【００１０】本出願人は、前記の板状のガラス素地溶解
用抵抗発熱体を設けた竪型ガラス溶融炉においては、ス
タ−ラ−の形状、大きさ、炉内での位置、回転数および
スタ−ラ−攪拌領域における炉の水平断面形状を適当に
選ぶことにより、上記の条件を満たし得ることを見いだ
した。

【００１１】

【作用】ガラス素地溶解用抵抗発熱体は、ガラス素地を
通してガラスバッチを均質に溶解させる。溶解した素地
は、この発熱体の開口部を通り、スタ−ラ−の存在する
領域において、このスタ−ラ−によって引き起こされる
強制流により混合が促進される。

【００１２】すなわち、ガラス素地溶解用抵抗発熱体下
部のガラス素地領域に、攪拌用スタ−ラ−を挿入し、発
熱体より上部の流れを著しく乱すことなく、このスタ−
ラ−の引き起こす強制流によって混合を促進させること
により、熱対流を抑制して熱履歴の短いガラス素地すな
わち加熱が不十分で泡や未溶解物を含んだガラス素地が
流出して製品に欠点を生じさせることや、ガラス素地表
面のバッチの不均一な溶解を引き起こすことを防止でき
るという、特開平２−１９９０３０号に係るガラス溶解
炉の板状発熱体による溶解方式の利点を損なうことなく
、ガラス素地の均質性を向上させることができる。

【００１３】ここで、ガラス素地溶解用抵抗発熱体は、
スタ−ラ−によるガラス素地の流れに対する邪魔板とし
ても働き、そのため例えばガラス素地中に電極を挿入し
、直接通電加熱により原料を溶解する炉においては泡、
未溶解物をガラス素地中に巻き込んでしまう程度の強さ
の流れでも、本発明においては抵抗発熱体の邪魔板の効
果により低減され、問題とならない場合があり、一般に
より強い攪拌を用いることができる。

【００１４】また本発明では、板状発熱体より下部のス
タ−ラ−攪拌領域において、炉の水平断面形状を適当に
選ぶことができる。築炉の作業性およびガラスの均質性
を考えると、水平断面形状は八角形が好ましい。しかし
、より高い均質性が要求される場合には、水平断面形状
が円形あるいは均質性の許容限がより低い場合には、四
角形のものも用いることができる。

【００１５】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。

【００１６】図１は本発明の実施に好適なガラス溶融炉
の一例を示す断面図、図２は図１■−■線に沿う断面図
、図３、図４、図５は炉上方からみたスタ−ラ−と発熱
体との位置関係を示す水平断面図、図６は、板状発熱体
より下部における炉の水平断面形状を示す水平断面図で
ある。

【００１７】本実施例のガラス溶融炉においては、種瓦
よりなる炉本体２は、上部に平面視で四角形をなす原料
投入口１、底部にガラス出口（本実施例では下方へ突出
するスロ−ト）６が設けられ、内部には溶融したガラス
素地Ｇが保持されている。このガラス素地Ｇの表面には
ガラス原料（バッチ）が均等に供給され、バッチ層３が
形成されている。しかして、炉内のガラス素地Ｇに浸漬
されるレベルに、当該レベルにおける炉の水平断面のほ
ぼ全領域にわたって、開口５が形成された板状の発熱部
４ａ（４ａ’）を有するガラス素地溶解用抵抗発熱体４
（４’）が設置されている。板状の発熱部４ａ（４ａ’
）より下部の領域における炉の水平断面形状は、八角形
である。

【００１８】溶解用抵抗発熱体４（４’）は、均一に分
布した多数の開口５を有する板状の発熱部４ａ（４ａ’
）と、その両端から上方に立ち上がるタ−ミナル部４ｂ
（４ｂ’　）を備えてなり、溶解用抵抗発熱体４の炉外
の端部は電源９に接続されている。溶解用抵抗発熱体４
の開口５は、ガラス素地Ｇの平面内温度分布をできるだ
け均一にするべく、等径、等形状のものを等間隔に形成
したものがよい。

【００１９】ガラス素地溶解用抵抗発熱体４（４’）は
、炉上部よりスタ−ラ−７を素地中に挿入できるよう、
炉の水平断面の約半分ずつをおおう、２つで１組のもの
となっており、溶解用抵抗発熱体４と４’との間隔は、
スタ−ラ−７がその間隙を通ってガラス素地中に挿入で
きる程度にあけてある。溶解用抵抗発熱体４と４’との
間隔は、加熱が不十分で泡や未溶解物を含んだガラス素
地が流出しないためには狭いほうが望ましく、スタ−ラ
−の軸が溶解用抵抗発熱体４（４’）に触れる可能性の
ない範囲で最小にするのがよい。例えば、軸径が３０ｍ
ｍの場合、間隙は６０ｍｍ以下が好ましい。

【００２０】スタ−ラ−の挿入方法は上記のものに限ら
ず例えば図４、図５のように発熱体に開口を設ける方法
でもよい。

【００２１】スタ−ラ−の位置、攪拌翼の形状、大きさ
、回転数は、溶解用抵抗発熱体４（４’）上の領域８に
おけるガラス素地の流れが著しく強くなく、加熱が不十
分で泡や未溶解物を含んだガラス素地が流出しない範囲
で、均質化が十分行なわれるよう選ばれる。ガラス素地
中に電極を挿入し、直接通電加熱により原料を溶解する
炉と比べた場合、溶解用抵抗発熱体４（４’）がガラス
素地の流れに対して邪魔板として働き、溶解用抵抗発熱
体４（４’）より上方に存在する泡や未溶解物を含んだ
ガラス素地を保護する形になっているので、より強い攪
拌を用いることができる。

【００２２】スタ−ラ−の攪拌翼は、主にスタ−ラ−か
らのガラス素地の上昇流（矢印Ｂ）を生じる上段翼７ａ
と、主にガラス素地の引き伸ばしを行なう中段翼７ｂと
、主にスタ−ラ−からのガラス素地の下降流（Ｃ）を生
じる下段翼　７ｃからなる。攪拌翼は均質化の点からは
大きいほうが望ましいが、溶解用抵抗発熱体４（４’）
上のガラス素地が適度な熱履歴を経るためには、溶解用
抵抗発熱体４（４’）付近の流れが弱いことが望ましく
、攪拌翼の両端間の長さをｄ、炉内の横方向の幅をＤと
したとき、０．３＜ｄ／Ｄ＜０．５であるのが好ましい
。

【００２３】スタ−ラ−７の位置は、泡、未溶解物をガ
ラス素地中に巻き込まないために、溶解用抵抗発熱体４
（４’）に近づき過ぎないのがよく、上段翼７ａと溶解
用抵抗発熱体４（４’）との距離Ｌはｄ／２以上とする
のが好ましい。

【００２４】スタ−ラ−の回転数は、スタ−ラ−の位置
、形状、大きさによるが、スタ−ラ−の中段翼７ｂの中
心の位置が、ガラス溶解用抵抗発熱体と炉底部との中間
点にある場合、毎分５〜２０回転が適当であった。これ
より高い回転数では、泡、未溶解物を巻き込むばかりで
なく、炉上部のバッチ層が不安定になる場合がある。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のガラス素地
均質化方法によれば、泡、未溶解物を巻き込むことなく
、スタ−ラ−により生じる強制流がガラス素地の混合効
果を高め、著しく均質性のよい高品質なガラス素地を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施に好適なガラス溶融炉の一
例を示す断面図である。

【図２】図２は図１■−■線に沿う断面図である。

【図３】図３はスタ−ラ−と発熱体との位置関係を示す
水平断面図である。

【図４】図４はスタ−ラ−と発熱体との位置関係を示す
水平断面図である。

【図５】図５はスタ−ラ−と発熱体との位置関係を示す
水平断面図である。

【図６】図６は発熱体より下部の炉の水平断面形状を示
す、図２■−■線に沿う水平断面図である。

【符号の説明】 １　　　　　　原料投入口 ２　　　　　　炉本体 ３　　　　　　バッチ層 ４　　　　　　溶解用抵抗発熱体 ５　　　　　　開口 ６　　　　　　出口 ７　　　　　　スタ−ラ−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　　　最上部に原料投入部を有し、最下
   部にガラス素地出口を備え、ガラス素地に浸漬するレベ
   ルに、少なくとも一つの開口を有し炉の水平断面のほぼ
   全領域をおおう板状のガラス素地溶解用抵抗発熱体を設
   けた竪型ガラス溶融炉において、炉上部よりバッチ層、
   前記板状発熱体を通して攪拌用スタ−ラ−を挿入し、板
   状発熱体より下部の領域において板状発熱体を通過した
   ガラス素地を強制攪拌することにより均質化することを
   特徴とするガラス素地均質化方法。