JP2012089790A - 太陽電池モジュールの検査方法及びこれを用いた太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜シリコン系の太陽電池モジュールの出力特性を評価するためのELを利用した検査方法及この検査方法を用いて製造される太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える太陽電池モジュールの検査方法であって、検査対象の太陽電池モジュールの順方向にバイアス電流を流す電流印加工程と、太陽電池モジュールの発電光入射面側から、電流印加工程後の太陽電池モジュールから生じる波長800nmから900nmの光を検出して、太陽電池モジュールのEL発光状態を表す発光分布画像を取得する発光分布画像取得工程と、発光分布画像取得工程により取得した発光分布画像に基づいて、基板全体の不良の有無を判断する不良判断工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】基板上に透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える太陽電池モジュールの検査方法であって、検査対象の太陽電池モジュールの順方向にバイアス電流を流す電流印加工程と、太陽電池モジュールの発電光入射面側から、電流印加工程後の太陽電池モジュールから生じる波長800nmから900nmの光を検出して、太陽電池モジュールのEL発光状態を表す発光分布画像を取得する発光分布画像取得工程と、発光分布画像取得工程により取得した発光分布画像に基づいて、基板全体の不良の有無を判断する不良判断工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、太陽電池に関し、特に発電層を製膜にて作成する薄膜系太陽電池に関する。
一般に、太陽電池モジュールが所望の発電能力を有しているか否かを確認するために、発電出力特性等の検査が行われている。この発電出力特性だけでは、性能良否の要因判断が難しく、性能不良箇所をより明確にする検査が望まれている。この不良箇所を判断する検査方法として、結晶型シリコン太陽電池の太陽電池モジュールの光電変換層に対して、順方向に電圧を印加した際に発生するエレクトロルミネッセンス(EL)を測定する検査方法が用いられている(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
しかし、面積が1m2を超える大型の薄膜シリコン系の太陽電池モジュールに対して、結晶型シリコン太陽電池と同様な手法で太陽電池セルから発せられるELを利用して検査を行う方法は、現時点では、評価内容および評価方法の検討が進んおらず、効果的な評価には活用されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、薄膜シリコン系の太陽電池モジュールの出力特性を評価するためのELを利用した検査方法及びこの検査方法を用いて製造される太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係る太陽電池モジュールの検査方法は、基板上に透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える太陽電池モジュールの検査方法であって、検査対象の太陽電池モジュールの順方向にバイアス電流を流す電流印加工程と、前記太陽電池モジュールの発電光入射面側から、前記電流印加工程後の前記太陽電池モジュールから生じる波長800nmから900nmの光を検出して、該太陽電池モジュールのEL発光状態を表す発光分布画像を取得する発光分布画像取得工程と、該発光分布画像取得工程により取得した発光分布画像に基づいて、前記基板全体の不良の有無を判断する不良判断工程と、を含むことを特徴とする。
本発明者らによると、アモルファスシリコン系(非晶質シリコン系)電池単層からなる太陽電池モジュール、およびアモルファスシリコン系電池層と結晶質シリコン系電池層からなる微結晶タンデム型太陽電池に対して、順方向に所定のバイアス電流を印加した場合には、光電変換層が800mnから900nmの波長で発光(エレクロトルミネセンス(EL)発光)することが判明した。また、この発光は、アモルファス層では上記波長で発光するが、結晶質層では発光が観察されないことも判明した。
そこで、太陽電池モジュールにバイアス電流を流して電荷が注入された光電変換層が発光する波長800nmから900nmのEL光を検出することとした。これにより、太陽電池モジュールのアモルファスシリコン系電池層の電流分布をEL発光に置き換えて計測・評価することが可能となった。そのため、太陽電池モジュールの膜形成分布異常の有無だけでなく、集積工程異常の有無やタンデム型太陽電池モジュールにおけるアモルファスシリコン系電池層(トップ層)と結晶質シリコン系電池層(ボトム層)とのバランス分布異常を高精度で特定可能となる。したがって、太陽電池モジュールを製膜する製膜装置やレーザーエッチングなどの集積化(セル直列化)装置における異常を早期に発見することが可能となり、太陽電池モジュールの重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュールの検査方法は、標準として比較用基準とする所定の発光分布画像と、前記発光分布画像取得工程により取得した前記太陽電池モジュールの前記発光分布画像とを比較する画像比較工程を含むことを特徴とする。
発明者らによると太陽電池モジュールの発電セル内の内部抵抗分布が影響するのは、光電変換層であり、この内部抵抗の変化によって影響をうけるアモルファスシリコン系電池層の電流分布によってEL発光分布が変わることが判明した。すなわち、微結晶タンデム型太陽電池のボトム層である結晶質シリコン系電池層を有していないアモルファスシリコン単層の場合には、発電セル内の内部抵抗の損失が小さいために、欠陥や不良を有していない正常なタンデム型太陽電池モジュールのEL発光よりも強く(明るく)発光する。また、微結晶タンデム型太陽電池モジュールのトップ層であるアモルファスシリコン系電池層の膜厚が薄い場合には、膜厚不良部分を有する微結晶タンデム型太陽電池モジュールのEL発光は、正常な微結晶タンデムモジュールのEL発光よりも弱く(暗く)発光する。そのため、微結晶タンデム型太陽電池モジュールの内部抵抗分布に影響するアモルファスシリコン電池層の電流分布が、EL発光の発光分布として反映されることが分かった。これは、従来から知られている結晶系の発電セルの欠陥部や不良部におけるEL発光の輝度が低くなり、結晶系の発電セルにおいてEL発光の輝度が高いほど良質な太陽電池であるとされている点とは、発光分布の発生要因が本質的に異なっていることを表していて、薄膜シリコン系の太陽電池モジュールに特出する特徴を見出したといえる。
そこで、本発明では、発光分布画像取得工程により取得した検査対象の太陽電池モジュールの発光分布画像と、所定の発光分布画像とを比較する画像比較工程を設けることとした。そのため、検査対象の太陽電池モジュールの発光分布画像の発光の輝度分布に応じて電流分布を知ることにより、間接的に発電セルの内部抵抗の変化の要因となりうる膜厚や膜質などの分布状態を検知することができる。したがって、太陽電池モジュールの発電性能良否の要因を判断することが容易となる。
本発明に係る太陽電池モジュールの検査方法は、前記発光分布画像中に、前記所定の発光分布画像より相対的に所定輝度範囲以上に発光輝度が低い低輝度発光領域または前記所定の発光分布画像より相対的に所定輝度範囲以上に発光輝度が高い高輝度発光領域が含まれており、かつ、前記低輝度発光領域または前記高輝度発光領域が前記太陽電池モジュール内に所定の割合以上含まれている場合には、該太陽電池モジュールを通常外として選別する選別工程と、該選別工程において通常外と選別された前記太陽電池モジュールと、その選別結果とを該太陽電池モジュールを製造する際の品質管理システムの情報と関連付ける関連付け工程とを有することを特徴とする。
所定の発光分布画像よりも発光輝度が低い低輝度発光領域または発光輝度が高い高輝度発光領域を有しており、それらの低輝度発光領域または高輝度発光領域が太陽電池モジュール全体に対して所定の割合以上含まれている場合には、その太陽電池モジュールを通常外として選別することとした。さらに、その結果と太陽電池モジュール発電性能や製造工程の中間検査結果とを関連付けることとした。そのため、太陽電池モジュール製造工程の品質管理が容易となり、標準外と選別された太陽電池モジュールを管理する管理システムを有効に作動させることができる。したがって、太陽電池モジュールを製膜する製膜装置やレーザーエッチングなど集積化装置の異常を早期に発見することが可能となり、製造装置の性能回復調整が容易になる。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、上記のいずれかに記載の太陽電池モジュールの検査方法を用いて製造されることを特徴とする。
太陽電池モジュールの電流分布をEL発光に置き換えて計測および評価することができる検査方法を用いて太陽電池モジュールを製造することとした。そのため、太陽電池モジュール全体の膜形成不均一な部分や集積化不良部分を特定することができ、製造される太陽電池モジュールの発電性能が低下した際に、製造装置の異常を早期に発見することが可能となる。したがって、太陽電池モジュールの重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
本発明の太陽電池モジュールの検査方法によれば、太陽電池モジュールに順方向にバイアス電流を流して電荷が注入された光電変換層が発光する波長800nmから900nmのエレクトロルミネッセンス(EL)光を検出することとした。これにより、太陽電池モジュールのアモルファス系電池層の電流分布をEL発光に置き換えて計測・評価することが可能となった。そのため、太陽電池モジュールの膜形成分布や集積部分の異常の有無を高精度で特定可能となる。したがって、太陽電池モジュールを製膜する製膜装置の異常を早期に発見することが可能となり、太陽電池モジュールの重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る検査方法によって検査が行われる太陽電池パネルついて図1から図9を参照して説明する。
図1は、本実施形態の太陽電池セルの構成を示し、(A)は、その模式図であり、(B)は、その回路図である。図2から図6には、図1に示す太陽電池セルをモジュール化する製造工程を表す概略図を示す。
以下、本発明の第1実施形態に係る検査方法によって検査が行われる太陽電池パネルついて図1から図9を参照して説明する。
図1は、本実施形態の太陽電池セルの構成を示し、(A)は、その模式図であり、(B)は、その回路図である。図2から図6には、図1に示す太陽電池セルをモジュール化する製造工程を表す概略図を示す。
本実施形態で説明する太陽電池モジュール2(図4参照)は、光電変換層4を形成したタンデム型シリコン系の太陽電池モジュール2であり、図示しない接着充填シート(EVA)とバックシート(PET/AL/PET構造)で密閉処理を施し、太陽電池パネルの周囲に図示しないガスケットを介して、アルミフレーム枠3L、3S(図6参照)が取付けられたものである。
光電変換装置5は、図1(A)に示すように基板6、透明電極層7、光電変換層4としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、中間コンタクト層93、及び裏面電極層8を備えている。なお、ここで、シリコン系とは、シリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
(1)図2(a):
基板6としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板6端面は、熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
基板6としてソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板6端面は、熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
(2)図2(b):
透明電極層7として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を膜厚約500nm〜800nm、熱CVD装置(図示せず)にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は、適当な凹凸のあるテクスチャー膜(図示せず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を約50nm〜150nm、熱CDV装置にて約500℃で製膜(図示せず)を形成しても良い。
透明電極層7として酸化錫膜(SnO2)を主成分とする透明電極膜を膜厚約500nm〜800nm、熱CVD装置(図示せず)にて約500℃で製膜処理する。この際、透明電極膜の表面は、適当な凹凸のあるテクスチャー膜(図示せず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を約50nm〜150nm、熱CDV装置にて約500℃で製膜(図示せず)を形成しても良い。
(3)図2(c):
その後、基板6をX−Yテーブル(図示せず)に設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板6とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
その後、基板6をX−Yテーブル(図示せず)に設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板6とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
(4)図2(d):
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層31、i層32及びn層33を、プラズマCVD装置(図示せず)により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層7上に太陽光の入射する側からアモルファスシリコン系p層31、アモルファスシリコン系i層32、アモルファスシリコン系n層33の順で製膜する。アモルファスシリコン系p層31は、非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。アモルファスシリコン系i層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。アモルファスシリコン系n層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。アモルファスシリコン系p層31とアモルファスシリコン系i層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層31、i層32及びn層33を、プラズマCVD装置(図示せず)により製膜する。SiH4ガス及びH2ガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層7上に太陽光の入射する側からアモルファスシリコン系p層31、アモルファスシリコン系i層32、アモルファスシリコン系n層33の順で製膜する。アモルファスシリコン系p層31は、非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。アモルファスシリコン系i層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。アモルファスシリコン系n層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。アモルファスシリコン系p層31とアモルファスシリコン系i層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
次に、第1セル層91の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質系シリコンp層41、結晶質系シリコンi層42、及び、結晶質系シリコンn層43を順次製膜する。結晶質系シリコンp層41は、Bドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質系シリコンi層42は、微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質系シリコンn層43は、Pドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。結晶質系シリコンn層43は、アモルファスn層であっても良い。
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板6の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板6に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
第1セル層91と第2セル層92との間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層93を設ける。中間コンタクト層93として、膜厚:20nm以上100nm以下のZnO(GaまたはALドープZnO)膜を、ターゲット:GaドープZnO焼結体を用いてスパッタリング装置(図示せず)により製膜する。また、中間コンタクト層93を設けない場合もある。
(5)図2(e)
基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層4の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層7のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板6側から照射しても良く、この場合は、光電変換層4の非晶質シリコン系の第1セル層91で吸収されたエネルギーにより発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層4をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は、前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め交差を考慮して選定する。
基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層4の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層7のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板6側から照射しても良く、この場合は、光電変換層4の非晶質シリコン系の第1セル層91で吸収されたエネルギーにより発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層4をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は、前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め交差を考慮して選定する。
(6)図3(a)
裏面電極層8としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層8を25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。また、600nm以上の長波長側反射光が必要なものにおいては、約100nm以上450nm以下の膜厚を有するCu膜と、約5nm以上150nm以下の膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。結晶質系シリコンn層43と裏面電極層8との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層4と裏面電極層8との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のZnO(GaまたはALドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
裏面電極層8としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層8を25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。また、600nm以上の長波長側反射光が必要なものにおいては、約100nm以上450nm以下の膜厚を有するCu膜と、約5nm以上150nm以下の膜厚を有するTi膜との積層構造としても良い。結晶質系シリコンn層43と裏面電極層8との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層4と裏面電極層8との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のZnO(GaまたはALドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
(7)図3(b)
基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板6側から照射する。レーザー光が光電変換層4で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層8が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層7のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板6側から照射する。レーザー光が光電変換層4で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層8が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層7のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
(8)図3(c)と図4(a)
発電領域を区分して、基板6端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板6側から照射する。レーザー光が透明電極層7と光電変換層4で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層8が爆裂して、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7が除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板6の端部から5nmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝16を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層4が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝16位置には、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14相当領域がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板6の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝16として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は、後工程で基板6の周囲膜除去領域14の膜面研磨除去処理を行うので設ける必要がない。
発電領域を区分して、基板6端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板6をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板6側から照射する。レーザー光が透明電極層7と光電変換層4で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層8が爆裂して、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7が除去される。パルス発振:1kHz以上50kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板6の端部から5nmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝16を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層4が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝16位置には、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14相当領域がある状態(図4(a)参照)が表れるべきであるが、基板6の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝16として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は、後工程で基板6の周囲膜除去領域14の膜面研磨除去処理を行うので設ける必要がない。
絶縁溝16は、基板6の端より5nmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール2内部へ外部から水分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
尚、以上までの工程におけるレーザー光は、YAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
(9)図4((a):太陽電池膜面側から見た図、(b):受光面の基板側から見た図)
後工程のEVA等を介したバックシート24(図5参照)との健全な接着・シール面を確保するために、基板6周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板6の端から5〜20mmで基板6の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は、前述の図3(c)の工程で設けた絶縁溝16よりも基板6端側において、Y方向は、基板6端側部付近の溝10よりも基板6端側において、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。研磨屑や砥粒は、基板6を洗浄処理して除去する。
後工程のEVA等を介したバックシート24(図5参照)との健全な接着・シール面を確保するために、基板6周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板6の端から5〜20mmで基板6の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は、前述の図3(c)の工程で設けた絶縁溝16よりも基板6端側において、Y方向は、基板6端側部付近の溝10よりも基板6端側において、裏面電極層8/光電変換層4/透明電極層7を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。研磨屑や砥粒は、基板6を洗浄処理して除去する。
(10)図4(a)および図4(b)
直列に並んだ一方端の発電セル15の裏面電極層8(図3参照)と、他方端部の発電セル15に接続した集電用セルの裏面電極層8とから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23(図5(a)参照)の部分から電力が取出せるように処理する。集電用銅箔は、各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール2の全体を覆い、基板6からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シート(図示せず)を配置する。
接着充填材シートの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は、本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24の端子箱23の取付け部分には、開口貫通窓を設けて集電用銅箔を取出す。この開口貫通窓部分では、バックシート24と裏面電極層8との間に絶縁体を複数層設置して外部からの水分などの浸入を抑制する。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータ装置(図示せず)により減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、接着充填材シート(EVA)を架橋させて密着し、密封処理をする。
なお、接着充填材シートは、EVAに限定されるものではなく、PVB(ポリビニルブチラール)など類似の機能を保有する接着充填剤を利用することが可能である。この場合は、圧着する手順、温度や時間など条件を適正化して処理を行う。
直列に並んだ一方端の発電セル15の裏面電極層8(図3参照)と、他方端部の発電セル15に接続した集電用セルの裏面電極層8とから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23(図5(a)参照)の部分から電力が取出せるように処理する。集電用銅箔は、各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール2の全体を覆い、基板6からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シート(図示せず)を配置する。
接着充填材シートの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は、本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24の端子箱23の取付け部分には、開口貫通窓を設けて集電用銅箔を取出す。この開口貫通窓部分では、バックシート24と裏面電極層8との間に絶縁体を複数層設置して外部からの水分などの浸入を抑制する。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータ装置(図示せず)により減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、接着充填材シート(EVA)を架橋させて密着し、密封処理をする。
なお、接着充填材シートは、EVAに限定されるものではなく、PVB(ポリビニルブチラール)など類似の機能を保有する接着充填剤を利用することが可能である。この場合は、圧着する手順、温度や時間など条件を適正化して処理を行う。
(11)図5(a)
太陽電池モジュール2(図4参照)の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル1(図5(c)参照)が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル1について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。なお、発電検査は、太陽電池モジュール2が完全に完成した後に行っても良いし、アルミフレーム枠3L、3S(図6参照)を取り付ける前に行っても良く、特に限定するものではない。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
太陽電池モジュール2(図4参照)の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b)
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル1(図5(c)参照)が完成する。
(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル1について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。なお、発電検査は、太陽電池モジュール2が完全に完成した後に行っても良いし、アルミフレーム枠3L、3S(図6参照)を取り付ける前に行っても良く、特に限定するものではない。
(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
(15)図6
太陽電池モジュール2の周囲において、太陽電池モジュール2へ強度を付加するとともに、取付け座となるアルミフレーム枠3L、3Sを取り付ける。太陽電池モジュール2とアルミフレーム枠3L、3Sとの間にはゴム製のガスケット等を介して、弾力性を保持しながら確実に保持することが好ましい。これで太陽電池パネル1が完成する。
太陽電池モジュール2の周囲において、太陽電池モジュール2へ強度を付加するとともに、取付け座となるアルミフレーム枠3L、3Sを取り付ける。太陽電池モジュール2とアルミフレーム枠3L、3Sとの間にはゴム製のガスケット等を介して、弾力性を保持しながら確実に保持することが好ましい。これで太陽電池パネル1が完成する。
上記の実施形態では、太陽電池としてタンデム型シリコン系太陽電池について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、アモルファスシリコン太陽電池、微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、上記の各太陽電池から適宜選択して多接合したトリプル型太陽電池などの他の種類の太陽電池にも同様に適用可能である。
更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
次に、本実施形態に係る検査方法に用いる太陽電池モジュール2の検査装置について説明する。
図7は、太陽電池モジュールの欠陥や不良の有無を検査する検査装置の概略を説明する模式図である。
検査装置100には、図7に示すように、検査テーブル(支持部)120と、昇降部130と、接触端子(入力部)140と、検査用XYテーブル(移動部)150と、CCDカメラ(イメージセンサ)160と、が設けられている。
図7は、太陽電池モジュールの欠陥や不良の有無を検査する検査装置の概略を説明する模式図である。
検査装置100には、図7に示すように、検査テーブル(支持部)120と、昇降部130と、接触端子(入力部)140と、検査用XYテーブル(移動部)150と、CCDカメラ(イメージセンサ)160と、が設けられている。
検査装置100は、太陽電池モジュール2におけるエレクトロルミネッセンスにより発せられる光(EL光)の発光分布を取得するにあたり、暗室(図示せず)内に配置されて、外光が遮断された状態とされることが望ましい。暗室には、太陽電池モジュール2の搬入や搬出が行われるための開閉部(図示せず)と、太陽電池モジュール2を前工程から暗室に搬送する、または、暗室から後工程に搬送するための搬送部(図示せず)とが設けられる。
太陽電池モジュール2は、発電光入射面側をZ軸下側のCCDカメラ160に向くよう、裏面電極層8をZ軸上側に向くようにして、暗室内に搬送される。
太陽電池モジュール2は、発電光入射面側をZ軸下側のCCDカメラ160に向くよう、裏面電極層8をZ軸上側に向くようにして、暗室内に搬送される。
検査テーブル120は、暗室の内部に搬入された太陽電池モジュール2を支持するものであり、昇降部130によって太陽電池モジュール2とともに上下方向に昇降されるものである。
検査テーブル120は、角筒状に形成された枠体121と、太陽電池モジュール2を移動可能に支持する複数の搬送ローラ122と、から主に構成されている。検査テーブル120には、太陽電池モジュール2の配置位置を決定する位置決め部(図示せず)と、太陽電池モジュール2の配置位置を検出する位置センサ(図示せず)と、が設けられる。
検査テーブル120は、角筒状に形成された枠体121と、太陽電池モジュール2を移動可能に支持する複数の搬送ローラ122と、から主に構成されている。検査テーブル120には、太陽電池モジュール2の配置位置を決定する位置決め部(図示せず)と、太陽電池モジュール2の配置位置を検出する位置センサ(図示せず)と、が設けられる。
枠体121は、搬送ローラ122を介して太陽電池モジュール2を支持するものであり、かつ、昇降部130によって昇降可能に支持されるものである。枠体121は、上下方向(図7のZ軸方向)に開口が位置するように配置され、内面の上端には複数の搬送ローラ122が配置されている。
搬送ローラ122は、枠体121における太陽電池モジュール2の搬送方向(図7のX軸方向)に沿って延びる内面に、当該搬送方向に等間隔に並んで配置され、枠体121に対して自転可能に取り付けられているものである。
位置決め部は、検査テーブル120における所定位置、特にY軸方向における所定位置に太陽電池モジュール2を導き、その位置から太陽電池モジュール2が移動しないように固定するものである。位置決め部は、検査テーブル120の枠体121における外面に、太陽電池モジュール2の四隅に対応する位置に配置されている。つまり、枠体121に4つの位置決め部が配置されている。
位置センサは、検査テーブル120における所定位置に太陽電池モジュール2が導かれたか否かを検出するセンサである。本実施形態では、光によって位置を検出するセンサが適用される。本実施形態では、検査テーブル120の枠体121における対角線上に一対の位置センサが配置されている。
昇降部130は、暗室の内部に配置されるものであって、検査テーブル120に載せられた太陽電池モジュール2を上下方向(Z方向)に移動させることにより、太陽電池モジュール2とイメージセンサ160との距離を調節するものである。
昇降部130には、支柱131と、直進ガイド132と、駆動機構133と、が主に設けられている。
昇降部130には、支柱131と、直進ガイド132と、駆動機構133と、が主に設けられている。
支柱131は、検査テーブル120の枠体121における角部に対応する位置に、つまり枠体121の四隅に隣接して上下方向に延びて配置される4本の角柱状の部材である。支柱131は、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2を支える柱状の部材であって、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2を移動させる際に上下方向に導くガイドとして機能する。
直進ガイド132は、検査テーブル120と支柱131との間に配置され、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2を支柱131に沿って移動させるものである。
直進ガイド132は、検査テーブル120と支柱131との間に配置され、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2を支柱131に沿って移動させるものである。
駆動機構133は、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2を上下方向に移動させるものである。駆動機構133は検査テーブル120を間に挟む一対の支柱131に配置されるものであり、例えば図7に示すように、昇降プーリ134と昇降ベルト135との組み合わせとされる。あるいは、スプロケットとチェーンとの組み合わせ等としても良い。昇降ベルト135が昇降プーリ134の間を回転駆動されると、それに伴い検査テーブル120が上下方向に移動する。
接触端子140は、太陽電池モジュール2の裏面電極層8に傷を与えることなく、裏面電極層8と電気的に接続されるものであって、光電変換層4に対して電圧を印加して電流(バイアス電流)を流すものである。さらに接触端子140は、検査テーブル120に配置された太陽電池モジュール2に対して接近離間可能とされ、かつ、裏面電極層8と電気的に接続された状態で、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2とともに上下方向に移動可能とされている。その一方で、接触端子140は光電変換層4に印加する電圧を供給する電源(図示せず)と電気的に接続されている。
接触端子140は、電圧を印加するために一つの太陽電池モジュール2に対して2つ配置されている。具体的には、太陽電池モジュール2の発電セル15(図4参照)における一方の端部の発電セル15の長手方向の略全長に対して一の接触端子140が配置され、他方の端部に他の接触端子140が配置されている。
接触端子140には、太陽電池モジュール2に沿って(X軸方向に)延びる棒状部分と、当該棒状部分から太陽電池モジュール2に向かって上下方向(Z軸方向)に延びる複数の接触部分と、が設けられている。複数の接触部分は、それぞれ太陽電池モジュール2における発電セル15と接触するように間隔をあけて配置されている。
接触端子140の複数の接触部分は、一方の端部の発電セル15の長手方向の略全長にわたり、電気的に略均等に接続することで、発電セル15に対して均一に電圧を印加し電流を流すことができる。
検査用XYテーブル150は、暗室の内部における底面に配置され、検査テーブル120及び太陽電池モジュール2に対してCCDカメラ160を水平方向(XY平面に沿う方向)に相対移動可能とするものである。
検査用XYテーブル150には、暗室の底面をX軸方向に移動可能に配置されたXステージ151と、Xステージ151の上面に配置され、Y軸方向に移動可能に配置されたYステージ152とが設けられている。
検査用XYテーブル150には、暗室の底面をX軸方向に移動可能に配置されたXステージ151と、Xステージ151の上面に配置され、Y軸方向に移動可能に配置されたYステージ152とが設けられている。
CCDカメラ160は、太陽電池モジュール2の光電変換層4から発せられる電磁波、本実施形態ではエレクトロルミネッセンスにより発せられる光(EL光)の分布を測定するものである。本実施形態では、例えば、波長600nm〜1000nmを検出することが可能な一般的なシリコン系受光素子を利用したCCDカメラ160が用いられる。CCDカメラ160は、Yステージ152の上面に配置され、太陽電池モジュール2に対してXY平面方向に相対移動可能とされている。
次に、上記検査装置100を用いて太陽電池モジュール2を検査する検査方法の工程を説明する。
暗室内に導入された太陽電池モジュール2は、検査テーブル120における枠体121の搬送ローラ122の上に搬入される。
暗室内に導入された太陽電池モジュール2は、検査テーブル120における枠体121の搬送ローラ122の上に搬入される。
太陽電池モジュール2が検査テーブル120の上に搬入されると、位置センサによって太陽電池モジュール2が搬入され、かつ、一対の位置センサの間に太陽電池モジュール2が配置されたことが検出される。すると、太陽電池モジュール2の搬入移動が停止し、位置決め部により太陽電池モジュール2は所定位置、特に搬送中に若干ずれ易いY軸方向において所定位置に導かれ、固定される。その後、暗室の開閉部が閉じられ、暗室の内部は閉空間となり外光が遮光される。
次いで、太陽電池モジュール2に対して2つの接触端子140が押しつけられ、接触端子140と裏面電極層8とが電気的に接続される。
接触端子140が発電セル15と接続されると、検査テーブル120、接触端子140及び太陽電池モジュール2は、昇降部130によって上方(+Z軸方向)に移動される。具体的には、昇降プーリ134によって昇降ベルト135が回転駆動され、昇降ベルト135が固定された検査テーブル120は、直進ガイド132によって支柱131に沿って上方に移動する。これにより撮影対象の太陽電池モジュール2とCCDカメラ160の相対位置を引き離して、広い面積での撮影を可能としている。
さらに、検査用XYテーブル150が移動されることにより、太陽電池モジュール2に対するCCDカメラ160の相対位置が調節される。
そして、接触端子140から太陽電池モジュール2に対して所定の電圧が印加される。電圧は、接触端子140から裏面電極層8を介して光電変換層4(発電セル15)に印加されて、所定値の電流が流れる。電圧が印加され所定値の電流が流れた光電変換層4では、EL光が発せられる。
CCDカメラ160は、太陽電池モジュール2から発せられた波長を検出し、EL光の発光分布画像を取得する。本実施形態の構成では、基板6側からEL光が検出される。CCDカメラ160は、太陽電池モジュール2における光電変換層4が設けられている全領域について一回で撮影し、発光分布画像を取得する。また、太陽電池モジュール2を複数箇所に分割して撮影し、画像処理で合成画像としても良い。
CCDカメラ160によりEL光の発光分布の画像取得が終了すると、太陽電池モジュール2への電圧の印加が終了される。
次いで、検査テーブル120、接触端子140及び太陽電池モジュール2が昇降部130により下方(−Z軸方向)に移動される。
次いで、検査テーブル120、接触端子140及び太陽電池モジュール2が昇降部130により下方(−Z軸方向)に移動される。
その後、接触端子140が上方(+Z軸方向)に太陽電池モジュール2の搬送に支障ないように移動され、太陽電池モジュール2から離脱される。さらに、暗室の開閉部が開かれ、太陽電池モジュール2が検査装置100から搬出される。
CCDカメラ160で取得された発光分布の画像が処理され、太陽電池モジュール2全体の欠陥や不良部分の有無が特定される。CCDカメラ160により取得された発光分布の画像は、基板6によるEL発光吸収などの影響されることなく、高い分解精度で太陽電池モジュール2全体を観察できるという特出すべき特徴がある。
次に、このような太陽電池モジュール2の検査装置100を用いて、太陽電池モジュール2に対して順方向に電流を印加した場合に太陽電池モジュール2が発光する波長を観測した。この観測には、太陽電池モジュール2の検査装置100のCCDカメラ160のレンズ入光部分(図示せず)であって太陽電池モジュール2とCCDカメラ160との間に長波長透過型シャープカットフィルタ161を挿入して行った。
CCDカメラ160のレンズ入光部分に様々な長波長透過型シャープカットフィルタ161を順次に挿入して太陽電池モジュール2の発光する波長を観測した。このように様々な長波長透過型シャープカットフィルタ161を挿入して太陽電池モジュール2の平均発光輝度を計測したグラフを図8に示す。図8は、縦軸に平均発光強度を示し、横軸に様々な長波長透過型シャープカットフィルタ161を経由したカット波長を示している。
特定波長より短波長側の透過をカットして長波長側を透過する長波長透過型シャープカットフィルタ161を用いて、様々な特定波長に対する長波長透過型シャープカットフィルタ161を取替え挿入して観察したところ、図8に示すように、800nmから900nmのカット波長において計測される波長の推移が大きく変化しており、特に800nmから850nmの波長域での波長の推移が大きいことがわかる。このことから、太陽電池モジュール2が800nmから900nmの波長域で発光しており、特に、800nmから850nmの波長域で著しく発光していることが判明した。
そこで、800nmから900nmの波長を透過する長波長透過型シャープカットフィルタ161をCCDカメラ160のレンズ入光部分に挿入した検査装置100を用いて薄膜シリコン系太陽電池の発光分布画像を取得して比較を行った。
図9には、薄膜シリコン系太陽電池のEL発光状況を示す発光分布画像の代表例が示されている。図9は、左から右に向かって不良が観察されない正常な微結晶タンデム型太陽電池モジュール2(微結晶タンデムモジュール)、アモルファスシリコン単層モジュール(アモルファス単層モジュール)、微結晶シリコン単層モジュール(微結晶単層モジュール)、一部に膜厚不良部分を有している微結晶タンデムモジュール2の順に示されている。ここで、一部に膜厚不良部分を有している微結晶タンデムモジュール2とは、トップ層91であるアモルファスシリコン系電池層の膜厚不良部分(欠陥)を有している微結晶タンデムモジュール2を観察したものである。
図9に示すように、不良の観察されない微結晶タンデムモジュール2およびアモルファス単層モジュールは、全体的にEL発光しており、微結晶タンデムモジュール2は、アモルファス単層モジュールに比べて発光の輝度が低いことが分かる。
このとき、各太陽電池モジュールには、短絡電流の1.1倍から2倍(本実施例での1.4m×1.1m基板のモジュールに対しては、電流:約1.5Aから3A)を順方向に通電することで、EL発光状況を的確に観察できることが判明した。短絡電流より小さいと、発光は暗く発光分布が観察しづらい。一方、短絡電流の2倍を超えると、発光自体は明るくなるが電流が集中した部分などで光電変換層の破損や劣化が懸念されるため、好ましくない。
このとき、各太陽電池モジュールには、短絡電流の1.1倍から2倍(本実施例での1.4m×1.1m基板のモジュールに対しては、電流:約1.5Aから3A)を順方向に通電することで、EL発光状況を的確に観察できることが判明した。短絡電流より小さいと、発光は暗く発光分布が観察しづらい。一方、短絡電流の2倍を超えると、発光自体は明るくなるが電流が集中した部分などで光電変換層の破損や劣化が懸念されるため、好ましくない。
また、微結晶単層モジュールについては、少なくとも短絡電流の1.1倍から2倍(電流:約1.5Aから3A)を順方向に通電することにより生じる発光波長、すなわち1000nm以下において発光を観察することができないことが分かる。
さらに、不良の観察されない正常な微結晶タンデムモジュール2の全体的に発光している発光状態と、アモルファスシリコン系電池層91に膜厚不良部分を有している微結晶タンデムモジュール2のある発光状態とを比較した場合、膜厚不良部分を有している微結晶タンデムモジュール2には、発光状態の相対的な分布において、膜厚不良部分に対応している位置に部分的に発光の輝度が低い低輝度発光領域(図中の丸印で示す)が生じている。
これらのことから、EL発光は、アモルファスシリコン層で発光することが判明した。
これらのことから、EL発光は、アモルファスシリコン層で発光することが判明した。
さらに、微結晶タンデムモジュール2とアモルファス単層モジュールとの比較から、アモルファス単層モジュールにはボトム層である結晶質シリコン系電池層92が無いことから、セルの内部抵抗による損失が少ないため、微結晶タンデムモジュール2よりも明るい発光が観察され、発光の輝度が高くなっていることが分かった。
以上より、微結晶タンデムモジュール2ではEL発光が観察されるが、これはトップ層であるアモルファスシリコン系電池層91がEL発光していて、ボトム層である結晶質シリコン系電池層92は少なくとも短絡電流の1.1倍から2倍(電流:約1.5Aから3A)においては、EL発光が観察されないことを示している。
このような結果に基づいて、微結晶タンデムモジュール2では、トップ層であるアモルファスシリコン系電池層91の電流分布が発光分布となることが判明した。これは、単結晶シリコンや多結晶シリコンにおいて、EL発光の輝度が高いほど少数のキャリアの拡散長の分布が大きくて良質な太陽電池とされる事象と比較して、結晶系モジュールとはEL発光分布の発生要因が異なっていることとなる。
たとえば、微結晶タンデムモジュール2の場合には、発光の輝度が高すぎるとボトム層である結晶質シリコン系電池層92の膜厚不良により、モジュール内で相対的に電流が偏り増加する領域が生じて、トップ層であるアモルファスシリコン系電池層91に電流が増加してEL発光の輝度が増加していることが想定されるため、結晶系モジュールとは異なり高輝度発光であれば良質な太陽電池であるとは言えないことが判明した。
また、レーザーエッチングなど集積化工程で、直列に並んだ発電セル15間の接続不良箇所が生じると電流モジュール内で相対的に電流が偏り増加する領域が生じて、トップ層であるアモルファスシリコン系電池層91の一部に電流が増加してEL発光の輝度が増加していることが想定されるため、結晶系モジュールとは異なり高輝度発光であれば良質な太陽電池であるとは言えないことが判明した。
以上述べたように、本実施形態に係る太陽電池モジュール2の検査方法及びこれを用いた太陽電池モジュール2の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
太陽電池モジュール2に短絡電流の1.1倍から2倍の順方向バイアス電流を流して、電荷が注入された光電変換層4が発光する波長800nmから900nmのエレクトロルミネッセンス(EL)光を検出することとした。これにより、太陽電池モジュール2のアモルファス層91の電流分布をEL発光に置き換えて計測・評価することが可能となった。そのため、太陽電池モジュール2の膜形成分布異常の有無や集積化状況の不良部分を高精度で特定可能となる。したがって、太陽電池モジュール2を製膜する製膜装置やレーザーエッチングなど集積化装置の異常を早期に発見することが可能となり、太陽電池モジュール2の重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
太陽電池モジュール2に短絡電流の1.1倍から2倍の順方向バイアス電流を流して、電荷が注入された光電変換層4が発光する波長800nmから900nmのエレクトロルミネッセンス(EL)光を検出することとした。これにより、太陽電池モジュール2のアモルファス層91の電流分布をEL発光に置き換えて計測・評価することが可能となった。そのため、太陽電池モジュール2の膜形成分布異常の有無や集積化状況の不良部分を高精度で特定可能となる。したがって、太陽電池モジュール2を製膜する製膜装置やレーザーエッチングなど集積化装置の異常を早期に発見することが可能となり、太陽電池モジュール2の重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
太陽電池モジュール2の電流分布をEL発光に置き換えて計測および評価することができる検査方法を用いて太陽電池モジュール2を製造することとした。そのため、太陽電池モジュール2全体の膜形成不均一な部分や集積化の異常部分を特定することができ、製造される太陽電池モジュール2の発電性能が低下した際に、製造装置の異常を早期に発見し、製造装置の性能回復調整を実施することが可能となる。したがって、太陽電池モジュール2の重大欠陥や不良の誘発を未然に防止することが可能となる。
〔第2実施形態〕
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、画像比較工程を有する点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、画像比較工程を有する点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
図10には、図1に示したタンデム型シリコン系の太陽電池モジュール2のトップ層91およびボトム層92の変化に伴うEL発光への影響を示す図表が示されている。ここで、図10の図表中に示されているRsは、上述した図1(B)に示した回路図の直列抵抗の変化を示し、Iphは、図1(B)に示した回路図の光電流の変化を示している。
なお、図10の図表中に示されているRs(T)はトップ層91の直列抵抗を示し、Rs(B)はボトム層92の直列抵抗を示している。
図10中の標準とは、上述した図9中の左欄に示した正常なタンデム型シリコン系の太陽電池モジュール2であり、このときの発光分布画像が所定の発光分布画像である。
なお、図10の図表中に示されているRs(T)はトップ層91の直列抵抗を示し、Rs(B)はボトム層92の直列抵抗を示している。
図10中の標準とは、上述した図9中の左欄に示した正常なタンデム型シリコン系の太陽電池モジュール2であり、このときの発光分布画像が所定の発光分布画像である。
図10のケース1の発光分布画像と基準条件(所定)の発光分布画像とを比べた結果、特定領域において発光の輝度が高く(明るく)なっている箇所がある。この場合の特定領域の直列抵抗および光電流の変化を分光感度特性などから調査したところ、図10に示すように、直列抵抗の値がボトム層92では小さくなり、かつ、光電流の値が増加していることが分かった。
また、図10に示すように、ケース1を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
これらの結果から、太陽電池モジュール2のボトム層である結晶質シリコン系層92の膜厚が薄化して、特定領域の発光の輝度が高くなっていることが判明した。
これらの結果から、太陽電池モジュール2のボトム層である結晶質シリコン系層92の膜厚が薄化して、特定領域の発光の輝度が高くなっていることが判明した。
このケース1のようにボトム層である結晶質シリコン系層92の膜厚の薄化が判明した太陽電池モジュール2を製膜したプラズマCVD装置について、そのプラズマCVD装置によって製膜された太陽電池モジュール2の発光分布画像の特定部分を日付順(時間経過順)に並べたものを図11に示している。図11は、(A)から、(B)、(C)の順に、日付が経過したプラズマCVD装置を用いて製膜された太陽電池モジュール2の発光分布画像である。
ここで、プラズマCVD装置は、図11(A)から(C)まで日付が経緯する間、メンテナンスは行われていない。
図11中の各丸印中の発光分布画像に注目してみると、図11(A)では、丸印中の発光分布画像とそれ以外の部分の発光分布画像との輝度の差は見られず、図11(A)の時点では、プラズマCVD装置が正常に製膜を行っていることがわかる。
図11中の各丸印中の発光分布画像に注目してみると、図11(A)では、丸印中の発光分布画像とそれ以外の部分の発光分布画像との輝度の差は見られず、図11(A)の時点では、プラズマCVD装置が正常に製膜を行っていることがわかる。
次に、図11(B)の丸印部分の発光分布画像をその周囲の発光分布画像と比較してみると、丸印部分の発光の輝度がその周囲の輝度よりも多少高いことがわかる。さらに、図11(C)の丸印部分の発光輝度は、図11(B)の丸印部分の輝度よりも更に高いことがわかる。
そこで、図11(C)の発光分布画像が取得された後に、この太陽電池モジュール2を製膜したプラズマCVD装置を調査したところ、ボトム層92の結晶質系シリコンi層42を製膜するプラズマCVD装置の製膜室において製膜ガス吹き出し孔が閉塞し始めており、部分的に製膜量が低下し膜厚が薄くなっていることが判明した。
このように、発光分布画像取得工程により取得した太陽電池モジュール2の発光分布画像と、基準の発光分布画像とを比較することによって、トップ層91とボトム層92との膜厚のバランスが変化した部分ではEL発光の均一性が失われることがわかった。そのため、太陽電池モジュール2の性能低下の要因であるプラズマCVD装置の不具合を早期に発見することができる。
トップ層91とボトム層92とのバランスの変化に伴うEL発光への影響について、更に図10のケース2の発光分布画像を基準条件の発光分布画像と比べたところ、ケース2の場合は、EL発光の輝度が低く(暗く)なっていた。このケース2の場合の直列抵抗および光電流の変化を分光感度特性などから調査したところ、図10中のケース2に示すように、直列抵抗の変化がボトム層92で大きく、かつ、光電流の変化が減少していた。
状況が不明なので、ケース2を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
状況が不明なので、ケース2を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
これらの結果から、ケース2の場合は、トップ層91は正常に製膜されているがボトム層92の結晶質系シリコンi層42の上記の輝度が低くなっている領域での膜質が低下しておりアモルファス化していることが判明した。
さらに、図10のケース3の発光分布画像を基準条件の発光分布画像と比較してみた。ケース3の発光分布画像は、基準条件の発光分布画像に比べて発光の輝度が高い特定領域が存在していた。このケース3の場合の特定領域の直列抵抗および光電流の値を調査したところ、図10中のケース3に示すように、直列抵抗の値がボトム層92では小さい抵抗値であり、かつ、光電流の値が増加していた。
また、ケース3を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
また、ケース3を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
これらの結果から、ケース3の場合には、トップ層91は正常に製膜されているがボトム層92の結晶質系シリコンi層42の膜質が向上しており結晶化が促進していることが判明した。
また、図10中のケース4の発光分布画像を基準条件の発光分布画像と比較してみた。ケース4の発光分布画像は、基準条件の発光分布画像に比べて発光の輝度が低くなっている特定領域が存在した。このケース4の場合の直列抵抗および光電流の変化を分光感度計測などによって調査したところ、図10中のケース4に示すように、直列抵抗の変化がトップ層91で大きく、かつ、光電流の変化が減少していた。
また、ケース4を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
また、ケース4を発生させたプラズマCVD装置の製膜室において、基板6上に単膜(300nm〜1μm程度)形成して、膜厚分布と膜質分布を評価した。
これらの結果から、ケース4の場合には、トップ層91のアモルファスシリコン系p層31またアモルファスシリコン系n層33が薄化しており、ボトム層92は正常に製膜されていることが判明した。
以上述べたように、本実施形態に係る太陽電池モジュール2の検査方法及びこれを用いた太陽電池モジュール2の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
発光分布画像取得工程により取得した検査対象の太陽電池モジュール2の発光分布画像と、基準条件(所定)の発光分布画像とを比較する画像比較工程を設けることとした。そのため、検査対象の太陽電池モジュール2の発光分布画像の発光の輝度に応じて、発電セル15の内部抵抗の変化の要因となりうるトップ層91の膜厚や膜質などとボトム層92の膜厚や膜質などとのバランス状態を検知することができる。したがって、太陽電池モジュール2の発電性能低下の要因を判断することが容易となる。
発光分布画像取得工程により取得した検査対象の太陽電池モジュール2の発光分布画像と、基準条件(所定)の発光分布画像とを比較する画像比較工程を設けることとした。そのため、検査対象の太陽電池モジュール2の発光分布画像の発光の輝度に応じて、発電セル15の内部抵抗の変化の要因となりうるトップ層91の膜厚や膜質などとボトム層92の膜厚や膜質などとのバランス状態を検知することができる。したがって、太陽電池モジュール2の発電性能低下の要因を判断することが容易となる。
〔第3実施形態〕
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態よりもさらに長波長側の透過光を観察できるよう長波長型シャープカットフィルタを用いる点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態よりもさらに長波長側の透過光を観察できるよう長波長型シャープカットフィルタを用いる点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
図12には、太陽電池モジュールの分離溝の一部に欠陥や不良が発生している場合の発光分布画像が示されている。
太陽電池モジュールの分離溝12(図3参照)形成時に分離不良部分が存在する場合には、裏面電極層8(図3参照)が連結した状態で残ってしまう。そのため、分離溝12の分離不良部分を電流が通過することとなり、抵抗の大きなトップ層である非晶質シリコン系電池層を通過する電流が低下する。そのため、分離不良部分の分離溝12を有しているセルは、図12の丸印で示すように、発光輝度が低く(暗く)なる。
また、この低輝度発光領域のセルを調査すると、起電力(Voc)と曲性因子(FF)が周囲のセルよりも低下していることから、セル全体にわたり発光輝度が低くなるものは、分離不良部分が存在する不良であると判断することができる。
太陽電池モジュールの分離溝12(図3参照)形成時に分離不良部分が存在する場合には、裏面電極層8(図3参照)が連結した状態で残ってしまう。そのため、分離溝12の分離不良部分を電流が通過することとなり、抵抗の大きなトップ層である非晶質シリコン系電池層を通過する電流が低下する。そのため、分離不良部分の分離溝12を有しているセルは、図12の丸印で示すように、発光輝度が低く(暗く)なる。
また、この低輝度発光領域のセルを調査すると、起電力(Voc)と曲性因子(FF)が周囲のセルよりも低下していることから、セル全体にわたり発光輝度が低くなるものは、分離不良部分が存在する不良であると判断することができる。
分離溝12の分離不良部分には、電流が集中するため内部抵抗損失によりジュール発熱が生じる。これにより、分離溝12の分離不良部分で温度が上昇するとともに、分離溝12の分離不良部分に隣接する正常な発電セルにも熱が伝播して周辺部より温度が上昇する(例えば、サーモビュアによる観察では、約5℃〜10℃上昇)。正常な発電セルの温度が上昇するとトップ層のバンドギャップが小さくなり、発光波長が長波長側へ多少移動することとなる。そのため、図12の丸印で示すようにより一層発光輝度が低くなる。
そこで、前述した図7の検査装置100のCCDカメラ160のレンズ入光部分に設けられているシャープカットフィルタ161(例えば、IR−84:820nm以下の波長光を90%以上カットする特性を保有するフィルタ)を数10mm長波長側のシャープカットフィルタ(例えば、IR−86:840nm以下の波長光を90%以上カットする特性を保有するフィルタ)に変更することとした。
このように、更に長波長側のシャープカットフィルタをCCDカメラ160のレンズ入光部分に挿入して、太陽電池モジュールが発光する波長を観測することによって、電流集中により発熱することで長波長側に移動したEL発光の周囲との相対的な輝度差が明確になり、標準の電流(所定の発光分布画像において流れる電流)と分離不良部分の分離溝12を流れる電流との違いによる電流分布を強調することができ、太陽電池モジュールの特性分布の評価が容易になる。
図7の検査装置100のCCDカメラ160のレンズ入光部分に設けられているシャープカットフィルタ161は、複種類のカットする波長に対する個々のフィルタがセットされていて、暗室(図示せず)の外側からの制御信号で必要な特性を持つシャープカットフィルタ161を選定してCCDカメラ160のレンズ入光部分に設置できるようシステム化されている。観測対象のモジュールに対して複種類の長波長側のシャープカットフィルタによる発光分布画像を得ることで、より電流分布を強調できるものを選定できるので好ましい。
以上述べたように、本実施形態に係る太陽電池モジュールの検査方法及びこれを用いた太陽電池モジュー2の製造方法によれば、以下の効果を奏する。
更に長波長側のシャープカットフィルタに変更して太陽電池モジュールが発光する波長を観測することによって、EL発光の周囲との相対的な輝度差をより明確にすることができる。そのため、標準の電流が流れる所定の発光分布画像と局部的に大きな電流が流れる発光分布画像とを比較することによって、電流分布が明確になる。したがって、太陽電池モジュールの特性分布評価が容易になる。
更に長波長側のシャープカットフィルタに変更して太陽電池モジュールが発光する波長を観測することによって、EL発光の周囲との相対的な輝度差をより明確にすることができる。そのため、標準の電流が流れる所定の発光分布画像と局部的に大きな電流が流れる発光分布画像とを比較することによって、電流分布が明確になる。したがって、太陽電池モジュールの特性分布評価が容易になる。
〔第4実施形態〕
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、太陽電池モジュールをセミサブモジュールに分割して発光分布画像の比較を行う点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、太陽電池モジュールをセミサブモジュールに分割して発光分布画像の比較を行う点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
図13には、サブモジュールおよびセミサブモジュールに分割した太陽電池モジュールを示し、(A)は、その模式図を示し、(B)は、その発光分布画像を示している。
図13(A)に示すように、大面積の太陽電池モジュール2の場合、複数のセミサブモジュール52に分割することがある。
このセミサブモジュール52は、個々に完全なサブモジュールに分割するのではなく、各サブモジュール間の一部の透明電極層(図示せず)や裏面電極層(図示せず)に導通箇所(局所導通部分54)を残して、分割されている。
図13(A)に示すように、大面積の太陽電池モジュール2の場合、複数のセミサブモジュール52に分割することがある。
このセミサブモジュール52は、個々に完全なサブモジュールに分割するのではなく、各サブモジュール間の一部の透明電極層(図示せず)や裏面電極層(図示せず)に導通箇所(局所導通部分54)を残して、分割されている。
図13(A)の太陽電池モジュール2の場合には、縦方向に5列のセミサブモジュール52に分割されており、隣接しているセミサブモジュール52間は絶縁レーザー56によって分離加工されている。各セミサブモジュール52は、複数の発電セル15(図4参照)を直列に接続して構成されている。
図13(A)の場合、太陽電池モジュール2を構成している左端のセミサブモジュール52aから右端のセミサブモジュール52eにおいては、その集積端部のセルの長手方向に集電用銅箔55が配置されている。また、各セミサブモジュール52の上方の銅箔55、および、各セミサブモジュール52の下方の銅箔55から配線するように銅箔58が絶縁シート(図示せず)を介して配置されている。このように銅箔58を配置して、この銅箔58を用いて集電して端子箱57から電力を取り出せるようになっている。
絶縁レーザー56によって、透明電極層と光電変換層と裏面電極層とが分離されているセミサブモジュール52間は、セミサブモジュール52を構成している一部に隣接しているセミサブモジュール52の一部分において、透明電極層と裏面電極層のすくなくとも一方が局所導通部分54となって導通している。
このため、セミサブモジュール52は、局所導通部分54のあるセルを境にして、更に小面積の部分セミサブモジュール領域51が存在している。
このため、セミサブモジュール52は、局所導通部分54のあるセルを境にして、更に小面積の部分セミサブモジュール領域51が存在している。
このように分割された太陽電池モジュール2の撮影は、上述した図7の検査装置100のCCDカメラ160が区分領域とされた部分セミサブモジュール領域51の一つを撮影することが可能な位置に移動して行われる。太陽電池モジュール2全体を1枚の画像で撮影するよりも、複数の分割画像として撮影することにより、画像解像度が増加して鮮明な画像を得られるので好ましい。
この場合、一の部分セミサブモジュール領域51におけるEL光の発光分布をCCDカメラ160で画像取得すると、CCDカメラ160は検査用XYテーブル150によって次の部分セミサブモジュール領域51の撮影位置に移動され、次の部分セミサブモジュール領域51の画像取得が行われる。これが部分セミサブモジュール領域51の数だけ繰り返し行われる。
部分セミサブモジュール領域51が小面積の場合は、隣接する複数の部分セミサブモジュール領域51を1枚の画像として撮影取得してもよい。CCDカメラ160により撮影された各部分セミサブモジュール領域51における発光分布画像は、太陽電池モジュール2の全体における発光分布画像として合成される。
画像取得範囲の分割数は、目的に応じて適宜設定することができる。
画像取得範囲の分割数は、目的に応じて適宜設定することができる。
上述のように分割されて取得された太陽電池モジュール2の全体におけるEL光の発光分布画像から、例えば、図13(B)に示すように、セミサブモジュール52e中の上方の部分セミサブモジュール領域51の丸印部分が周囲と比べて輝度が低いことがわかる。この部分を調査したところ、裏面レーザー分離溝に加工不良があることが判明した。
また、図13(B)に示すように、セミサブモジュール52e中の下方の部分セミサブモジュール領域51全体が周囲と比べて輝度が高いことがわかる。この部分は、上記裏面レーザー分離溝に加工不良があることで、電流が銅箔58を経由してセミサブモジュール52e中の下方の部分へと流れ込んで、太陽電池モジュール2に特性分布を発生させいることを示している。
このように、一部の裏面レーザー分離溝の加工不良が部分セミサブモジュール領域51単位でのEL光の発光分布へ影響があることが判明した。
このように、一部の裏面レーザー分離溝の加工不良が部分セミサブモジュール領域51単位でのEL光の発光分布へ影響があることが判明した。
このように、大面積の太陽電池モジュール2を区分領域として部分サブサブモジュール領域51を基本単位とした発光分布画像を用いて周囲の部分サブサブモジュール領域51の輝度との相対比較を行うことによって、太陽電池モジュール2内の性能分布評価を容易に行うことが可能となる。
〔第5実施形態〕
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、選別工程と関連付け工程とを有する点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態と基本的に同様であるが、第1実施形態とは、選別工程と関連付け工程とを有する点で異なっている。よって、本実施形態においては、この異なっている部分を説明し、その他の重複する構成要素、検査方法については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
検査対象の太陽電池モジュールの発光分布画像中に所定の発光分布画像に対して、発光輝度が全体より相対的に所定輝度範囲以上に低い低輝度発光領域、または発光輝度が全体より相対的に所定輝度範囲以上高い高輝度発光領域が含まれており、かつ、低輝度発光領域または高輝度発光領域が検査対象の太陽電池モジュール内に所定の割合以上含まれているかについて判断する。
検査対象の太陽電池モジュールの全体との相対比較にあたっては、太陽電池モジュール全体の輝度を平均してもよい。また太陽電池モジュールの50%以上を占める領域の輝度が所定範囲に収まる(外観的に同程度の明るさに見える)部分を抽出して、その輝度を平均してもよい。
そして、低輝度発光領域または高輝度発光領域を有する割合が所定の割合以上含まれている場合には、検査対象の太陽電池モジュールを通常外として選別する。
通常外と選別された太陽電池モジュールの基板IDと、その選別結果とを関連付けて記録する。この通常外として選別された太陽電池モジュールは、その後、ソーラシミュレータによって計測される。そして、ソーラシミュレータによる計測によりモジュール発電性能が所定値よりも低い場合には、異常モジュールと判定される。
ここで、通常外として選別された後、さらに、異常モジュールとして判定された太陽電池モジュールは、品質管理システムによって管理され、各製造装置と工程間検査結果の情報が集約されて、監視を続けるとともに評価・検討ができる。このように、品質管理システムにより異常情報とその基板IDとを管理することによって、製膜装置などの不具合発生時におけるメンテナンス作業のタイミングと作業内容にそれらの情報を利用することが可能となる。
以上述べたように、本実施形態に係る太陽電池モジュールの検査方法及びこれを用いた太陽電池モジュールの製造方法によれば、以下の効果を奏する。
所定の発光分布画像よりも発光輝度が低い低輝度発光領域または高い高輝度発光領域を有しており、それらの低輝度発光領域または高輝度発光領域が太陽電池モジュール全体に対して所定の割合以上含まれている場合には、その太陽電池モジュールを通常外として選定して、結果とその太陽電池モジュールとを関連付けることとした。そのため、太陽電池モジュールの品質管理が容易となり、通常外と選定された太陽電池モジュールを管理する品質管理システムを有効に作動させて各製造装置と工程間検査結果の情報を監視することが可能となる。したがって、太陽電池モジュールを製膜する製膜装置の異常を早期に発見することが可能となり、製膜装置の性能回復調整が容易になる。
所定の発光分布画像よりも発光輝度が低い低輝度発光領域または高い高輝度発光領域を有しており、それらの低輝度発光領域または高輝度発光領域が太陽電池モジュール全体に対して所定の割合以上含まれている場合には、その太陽電池モジュールを通常外として選定して、結果とその太陽電池モジュールとを関連付けることとした。そのため、太陽電池モジュールの品質管理が容易となり、通常外と選定された太陽電池モジュールを管理する品質管理システムを有効に作動させて各製造装置と工程間検査結果の情報を監視することが可能となる。したがって、太陽電池モジュールを製膜する製膜装置の異常を早期に発見することが可能となり、製膜装置の性能回復調整が容易になる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
2 太陽電池モジュール
4 光電変換層
6 基板
7 透明電極層
8 裏面電極層
4 光電変換層
6 基板
7 透明電極層
8 裏面電極層
Claims (5)
- 基板上に透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える太陽電池モジュールの検査方法であって、
検査対象の太陽電池モジュールの順方向にバイアス電流を流す電流印加工程と、
前記太陽電池モジュールの発電光入射面側から、前記電流印加工程後の前記太陽電池モジュールから生じる波長800nmから900nmの光を検出して、該太陽電池モジュールのEL発光状態を表す発光分布画像を取得する発光分布画像取得工程と、
該発光分布画像取得工程により取得した発光分布画像に基づいて、前記基板全体の不良の有無を判断する不良判断工程と、を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの検査方法。 - 前記順方向にバイアス電流を流す電流量は、前記太陽電池モジュールの短絡電流の1.1倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの検査方法。
- 標準として比較用基準とする所定の発光分布画像と、前記発光分布画像取得工程により取得した前記太陽電池モジュールの前記発光分布画像とを比較する画像比較工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュールの検査方法。
- 前記発光分布画像中に、前記所定の発光分布画像より相対的に所定輝度範囲以上に発光輝度が低い低輝度発光領域または前記所定の発光分布画像より相対的に所定輝度範囲以上に発光輝度が高い高輝度発光領域が含まれており、かつ、前記低輝度発光領域または前記高輝度発光領域が前記太陽電池モジュール内に所定の割合以上含まれている場合には、該太陽電池モジュールを通常外として選別する選別工程と、
該選別工程において通常外と選別された前記太陽電池モジュールと、その選別結果とを該太陽電池モジュールを製造する際の品質管理システムの情報と関連付ける関連付け工程とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの検査方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの検査方法を用いて製造されることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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-
2010
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