JP2013120842A - 光電変換装置の検査方法及び検査装置 - Google Patents

光電変換装置の検査方法及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】裏面電極層のレーザエッチングによる分離状況及び個々のセル性能を簡易かつ高精度で検査することができる検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】抵抗計測部が隣接する2つの発電セル1S間の抵抗値を測定する。検査部130が抵抗値と下限閾値及び上限閾値と比較して、不良セルを検出する。検査部130は抵抗値が下限閾値よりも小さい第1不良セルの数、及び、抵抗値が上限閾値よりも大きい第2不良セルの数を計測する。検査部130が第1不良セルの数及び第2不良セルの数を、光電変換装置の性能との相関に基づき設定された許容数と比較する。第1不良セルの数及び第2不良セルの数の少なくとも一方が許容数を超える場合に、検査部130は光電変換装置が異常品と判断する。第1不良セルの数及び第2不良セルの数の両方が許容数以下である場合に、検査部130は光電変換装置が正常品と判断する。
【選択図】図9

Description

本発明は光電変換装置を検査する検査方法及び検査装置に関し、特に発電層を製膜で作製する薄膜系太陽電池の検査方法及び検査装置に関する。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。このような太陽電池は、外部へ取り出せる電力を増加させるために、1枚の基板上に複数の発電セルを形成し、それぞれを直列接続させた集積構造(モジュール構造)とされる。
薄膜系太陽電池の集積化工程では、透明電極層をレーザエッチングする工程と、光電変換層及び裏面電極層をレーザエッチングする工程が実施される。透明電極層のレーザエッチングは、透明電極層形成後に実施される。光電変換層及び裏面電極層のレーザエッチングは、レーザエッチングされた透明電極層上に光電変換層及び裏面電極層を形成した後に実施される。
透明電極層のレーザエッチングでは、レーザ照射で蒸発した透明電極層の成分が残渣として基板に再付着し、透明電極層の分離溝を埋めて分離溝の一部で短絡が生じることがある。このため、短絡の有無を確認する中間検査が実施される。
特許文献1は、電極膜の一部をストライプ状に除去して複数の短冊状の電極を形成した後、異なる電極間の抵抗値を計測し、短絡を検出することを開示している。特許文献2は、透明電極層のセル段への分割加工状況をチェックするためにセル段間抵抗の計測を実施することを開示している。
また、光電変換層及び裏面電極層のレーザエッチングにおいても、エッチング工程の良否を判定する検査が実施される。特許文献3は、暗室にて検査対象の薄膜太陽電池モジュールに順方向のバイアス電流を流したときに発生する発光を検出し、発光状態に基づいて欠陥位置及び欠陥の種類を特定する検査方法が開示されている。
特開2003−318431号公報(請求項1、段落[0017]) 特開2008−283023号公報(段落[0027]) 特開2011−138969号公報(請求項1、段落[0056]〜[0072])
本発明は、より簡易な方法により、裏面電極層のレーザエッチングによる分離状況や個々のセル性能を高精度で検査することができる検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板上に複数の発電セルが配列されて集積され、各々の前記発電セルが、前記基板上に、透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える光電変換装置の検査方法であって、検査対象の前記光電変換装置について隣接する2つの前記発電セル間の抵抗値を測定する抵抗値測定工程と、前記抵抗値測定工程で取得した前記抵抗値と予め設定されている下限閾値とを比較して、前記抵抗値が前記下限閾値よりも小さい場合に、前記抵抗値が測定された前記2つの発電セルを第1不良セルと判定する第1不良セル判定工程と、前記検査対象光電変換装置における前記第1不良セル数を計測する第1不良セル計測工程と、前記抵抗値測定工程で取得した前記抵抗値と予め設定されている上限閾値とを比較して、前記抵抗値が前記上限閾値よりも大きい場合に、前記抵抗値が測定された前記2つの発電セルを第2不良セルと判定する第2不良セル判定工程と、前記検査対象の光電変換装置における前記第2不良セル数を計測する第2不良セル計測工程と、前記第1不良セル数と前記光電変換装置の性能との相関に基づき第1の許容数を設定し、前記第2不良セル数と前記光電変換装置の性能との相関に基づき第2の許容数を設定し、前記第1不良セル計測工程で取得した前記第1不良セル数を前記第1の許容数とを比較し、前記第2不良セル計測工程で取得した前記第2不良セル数と前記第2の許容数とを比較し、前記第1の不良セル数及び前記第2の不良セル数の少なくとも一方が前記第1の許容数または前記第2の許容数を超える場合に、検査対象の前記光電変換装置が異常品であると判定し、前記第1の不良セル数が前記第1の許容数以下且つ前記第2のセル数が前記第2の許容数以下である場合に、検査対象の前記光電変換装置が正常品であると判定する光電変換装置判定工程とを含む光電変換装置の検査方法を提供する。
また、本発明は、基板上に複数の発電セルが配列されて集積され、各々の前記発電セルが、前記基板上に、透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える光電変換装置を検査する検査装置であって、前記発電セルの配列方向に延在する一対の接触端子と、各々の前記接触端子に前記発電セルと同じ数で設けられ、各々の前記発電セルの前記裏面電極層の表面に接触して電気的に導通する複数の接触部と、隣接する前記接触部の間の回路に設置され、隣接する前記発電セル間の抵抗値を測定する抵抗計測部と、前記複数の抵抗計測部に接続される検査部とを含み、前記検査部が、前記抵抗値の上限閾値及び下限閾値を予め格納し、前記下限閾値を下回る第1不良セルと前記上限閾値を超える第2不良セルとを検出し、前記第1の不良セルの数及び前記第2の不良セルの数を計測する第1の判定部と、前記第1の不良セルの数と前記光電変換装置の性能との相関に基づいて決定された第1の許容数と、前記第2の不良セルの数と前記光電変換装置の性能との相関に基づいて決定された第2の許容数とを予め格納し、前記第1不良セル数と第1の許容数との比較及び前記第2不良セル数と第2の許容数との比較に基づいて、検査対象とされる前記光電変換装置の良否を判定する第2の判定部とを含む検査装置を提供する。
上記の検査方法及び検査装置に依れば、不良と判定される発電セルの特定及び加工不良とされる分離溝の特定と、発電セルが不良となった原因とが特定できる。また、各発電セルのうち不良品質セルの数や、分離溝の不良加工状況の分離溝の数と、光電変換装置の性能とが関係づけられる。従って、裏面電極層及び光電変換層の分離溝の加工状況を、より簡易かつ高性能に検査することが可能となる。
このため、従来より薄膜太陽電池モジュールの性能評価に用いられているソーラシミュレータと比較して、より詳細に光電変換装置の性能の評価と不良化要因の特定を実施することができる。光電変換装置の製造過程で上記の検査装置及び検査方法により中間検査を実施することにより、不良化箇所の特定とその数量増減を監視できるので、光電変換装置の生産工程において歩留まりを向上させることができる。また、光電変換装置の性能監視がより容易となり、的確な性能改善に繋げることができる。
上記の検査方法において、複数の前記光電変換装置についての前記抵抗値の度数分布を予め取得し、該度数分布において適正な接続を有する前記発電セルに起因する正規分布を取得し、平均となる前記抵抗値が最も高い前記正規分布において、前記平均よりも高抵抗側で度数が前記正規分布から外れて低下する前記抵抗値の区間を特定し、該区間の前記抵抗値のうち最小値を、前記上限閾値に設定することが好ましい。
上記の検査方法において、複数の前記光電変換装置についての前記抵抗値の度数分布を予め取得し、該度数分布において適正な接続を有する前記発電セルに起因する正規分布を取得し、平均となる前記抵抗値が最も低い前記正規分布よりも低抵抗側で、度数が前記正規分布から外れて増加する前記抵抗値の区間を特定し、該区間の前記抵抗値のうち最大値を、前記下限閾値に設定することが好ましい。
上記発明に依れば、発電セル間の抵抗値の度数分布に基づいて、適切な接続を有する発電セルの抵抗値範囲を特定することができる。この適切な抵抗値範囲に基づいて光電変換装置の検査を実施することにより、検査精度を向上させることができる。
上記の検査方法において、前記抵抗計測工程が、100ルクス以下の照度条件で実施されることが好ましい。
裏面電極層形成後の発電セル間の抵抗測定では、光電変換層の影響も含まれる。光照射条件で本発明の検査を実施すると、光電変換層において起電力が発生し光電流が抵抗測定回路に流入し、測定される抵抗値のばらつき発生の要因となる。そこで、本発明では上記の低照度条件で実施することにより、光電流を極少として検査精度の向上が図られる。
上記の検査方法において、前記抵抗値が前記下限閾値よりも小さい場合に、前記抵抗値が計測された前記隣接する2つの発電セルの間に正のバイアス電流を供給し、前記発電セル間の分離溝の加工不良部分を焼き切って、前記分離溝を補修する補修工程を更に備えても良い。
この場合、前記バイアス電流を一定電圧で供給している間の前記バイアス電流の計測と、前記バイアス電流を一時的に停止している間の前記抵抗値の計測と繰り返して実施しながら前記補修工程を行っても良い。
上記検査装置において、前記隣接する接触部の間で前記抵抗計測部が設けられる回路と並列とされる別の回路に設置され、前記隣接する発電セル間に正のバイアス電流を供給する直流電源と、前記バイアス電流の供給及び停止を繰り替えして切り替えるスイッチとを備える補修部を更に含み、前記補修部が前記検査部に接続され、前記検査部が、前記直流電源から正のバイアス電流を供給させるとともに前記スイッチを閉鎖して、前記第1不良セルに前記正のバイアス電流を流通させて前記第1不良セルの間の分離溝を補修する補修制御部を更に含んでいても良い。
この場合、前記補修部が電流計を更に含み、該電流計が前記第1不良セルに前記正のバイアス電流を計測し、前記抵抗計測部が、第1不良セルへの前記正のバイアス電流の供給が停止されている間の前記抵抗値を計測し、前記補修制御部が、前記正のバイアス電流の値と、前記正のバイアス電流の供給が停止されている間の前記抵抗値を監視して、前記補修の完了を判断しても良い。
発電セル間の抵抗値が下限閾値よりも小さい場合は、発電セル間の分離溝にレーザ加工不良部分、すなわち電気的に分離不足な箇所が発生していると判断できる。
発電セル間の抵抗測定部の回路は、発電セル間の分離溝のレーザ加工不良部分の補修にも適用可能である。上記のように、隣接する接触部の間でレーザ加工不良部分を含む発電セルの存在が検出された場合に、抵抗計測部を設置した回路と並列する別の回路より当該発電セルに正のバイアス電流を流すと、レーザ加工不良部分に電流が集中する。これにより、レーザ加工不良部分の分離が不十分であった箇所が焼切れる。すなわち、分離溝のレーザ加工不良部分が補修されて、分離溝を連続させて電気的分離をすることができる。
上記の補修の途中において正のバイアス電流を一時停止し、正のバイアス電流値と発電セル間の抵抗値を監視することにより、レーザ加工不良部分が焼切れ補修が終了したことを判断することができる。
本発明の光電変換装置の検査方法及び検査装置に依れば、より詳細で高精度の性能評価を簡易な方法で実施することができる。その結果、生産過程における歩留まりを向上させることができるとともに、効果的な性能改善を実施することができる。
検査対象とされる光電変換装置の構成を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。 第1実施形態に係る検査装置の概略図である。 第1実施形態に係る検査装置の概略図である。 第1実施形態に係る検査装置の別の例の概略図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の検査方法を説明するフローチャートである。 タンデム型薄膜太陽電池モジュールにおける発電セル間の段間抵抗値の度数分布の一例である。 タンデム型薄膜太陽電池モジュールにおける発電セル間の段間抵抗値の度数分布の一例である。 下限不良セル数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係の一例である。 下限不良セル数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係の一例である。 上限不良セル数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係の一例である。 第2実施形態に係る検査装置の概略図である。
図1は、本発明において検査対象とされる光電変換装置の構成を説明する模式図である。本発明の光電変換装置は、例えば薄膜太陽電池モジュールとされる。薄膜太陽電池モジュール1には、基板2上に、透明電極層3、光電変換層4、裏面電極層5がこの順で設けられる。透明電極層溝6と分離溝9との間において、透明電極層3、光電変換層4及び裏面電極層5が積層されている部分が、発電セル1Sとされる。薄膜太陽電池モジュール1では、基板2上に複数の発電セルが配列されている。
図2乃至図8を用いて、検査対象の光電変換装置の製造工程を説明する。図2乃至図8は、検査対象の光電変換装置として薄膜太陽電池モジュールを製造する工程を説明する模式図である。
図2に示すように、基板2として、面積が1mを越える大型のソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.0mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
図3に示すように、基板2に、透明電極層3として酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜が、熱CVD装置を用いて製膜される。この製膜処理の際、酸化錫膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。あるいは、透明電極層3は熱CVD装置を用いずに、酸化亜鉛膜(ZnO)を主成分とする透明電極膜をスパッタなどで形成してもよい。
基板2と透明電極層3との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成してもよい。アルカリバリア膜は、例えば、熱CVD装置にて酸化シリコン膜(SiO)を製膜することにより形成される。
透明電極層3が製膜されると、図4に示すように透明電極層溝6が形成される。
具体的には、基板2がX−Yテーブルに設置され、YAGレーザの第1高調波(1064nm)が、図の矢印に示すように、透明電極層3の膜面側から照射される。透明電極層3はレーザ光によりレーザエッチングされ、約6mmから15mmまでの範囲の間隔をあけて透明電極層溝6が形成される。この透明電極層溝6により、透明電極層3は短冊状に区切られる。
入射されるYAGレーザのレーザパワーは、透明電極層溝6の加工速度が適切な速度になるように調節される。透明電極層3に対して照射されるレーザ光は、基板2に対して、発電セルの直列接続方向と略直交する方向に相対移動される。
透明電極層溝6が形成されると、図5に示すように、光電変換層4が透明電極層3上に積層される。
光電変換層4は、シリコン系光電変換層、化合物半導体系光電変換層(CIGS型、CdTe型)などとされ、特に限定されない。シリコン系光電変換層の場合、アモルファスシリコン系や結晶質シリコン系を適用できる。なお、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
本実施形態の薄膜太陽電池モジュールは、p層、i層、n層からなる発電層を1層備えるシングル型太陽電池としても良い。あるいは、複数の発電層を積層させたタンデム型太陽電池やトリプル型太陽電池としても良い。シリコン系タンデム型太陽電池の場合、アモルファスシリコン系の発電層上に、結晶質シリコン系の発電層を積層させる。ここで、結晶質シリコン系とはアモルファスシリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコン系や多結晶シリコン系などが含まれる。この場合、2つの発電層の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層(GaやAlドープZnO膜など)を設けることができる。
光電変換層4が積層された後、図6に示すように、接続溝7が形成される。
具体的には、基板2がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、光電変換層4の膜面側から照射される。光電変換層4は、レーザ光によりレーザエッチングされ、接続溝7が形成される。レーザ光は、約10kHzから約20kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。さらに、接続溝7の位置は、前工程で加工された透明電極層溝6と交差しないように位置決め公差を考慮した上で選定される。
レーザ光は光電変換層4の膜面側から照射してもよいし、反対側の基板2側から照射しても良く、特に限定するものではない。基板2側から照射した場合、レーザ光のエネルギーは、光電変換層4で吸収されて高い蒸気圧が発生する。この高い蒸気圧を利用して光電変換層4がエッチングされるため、更に安定したレーザエッチング加工を行うことが可能となる。
接続溝7が形成された後、図7に示すように、裏面電極層5が光電変換層4上に積層される。このとき、接続溝7の中にも裏面電極層5が積層され、透明電極層3と裏面電極層5とを接続する接続部8が形成される。
裏面電極層5は、Ag膜、Ag膜とTi膜、または、Ag膜とAl膜からなる層とされ、スパッタリング装置により製膜される。シリコン系タンデム型太陽電池の場合は、Ag膜の代わりにCu膜を用いても良い。
裏面電極層5と光電変換層4との間に、裏面透明電極層を設けても良い。裏面透明電極層は、GaやAlがドープされたZnO膜などの透明導電性酸化物の膜とされ、スパッタリング装置により製膜される。裏面側の構造を2層構成とすることにより、光電変換層4と裏面電極層5との間の接触抵抗が低減されるとともに、光の反射が向上される。
裏面電極層5が積層された後、図8に示すように、裏面電極層5を絶縁し、発電セルを分離するために分離溝9が形成される。具体的には、基板2がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、基板2側から照射される。入射されたレーザ光は光電変換層4で吸収され、光電変換層4内で高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により光電変換層4及び裏面電極層5は爆裂して除去される。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
分離溝9が形成された後、基板11の端周辺の膜端部において絶縁溝が形成される。絶縁溝は、発電領域を区分することにより、基板の端周辺の膜端部において直列接続部分が短絡し易い部分を切り離して、その影響を除去するものである。絶縁溝19は、基板11の端より5mmから15mmまでの範囲内の位置まで形成されていることが好ましい。
絶縁溝を形成する際には、基板がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、基板側から入射される。入射されたレーザ光は透明電極層3と光電変換層4において吸収され、高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により裏面電極層5が爆裂して、裏面電極層5、光電変換層4及び透明電極層3が除去される。
レーザ光は、約1kHzから約50kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
なお、ここまでに説明した工程においてYAGレーザをレーザ光として用いているが、YAGレーザに限られることなく、YVO4レーザや、ファイバーレーザなども同様にレーザ光として使用してもよい。
絶縁溝が形成された後、基板周辺(周囲膜除去領域)の積層膜(裏面電極層〜透明電極層)が除去されて周囲膜除去領域が形成される。上述の積層膜は、基板の端から5mmから20mmまでの範囲内で、基板の全周囲にわたり除去され周囲膜除去領域を形成する。当該積層膜を除去することにより、後工程において行われる接着充填材シートを介したバックシート(PET/Al/PET)の接着が健全に行われ、シール面を確保することができる。このようにすることで、絶縁耐圧の確保及び太陽電池パネル端部から薄膜太陽電池モジュール内部への外部水分の侵入を抑制することができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る検査装置及び光電変換装置の検査方法を以下で説明する。
図9及び図10は、第1実施形態に係る検査装置の概略図である。本実施形態の検査装置100は、検査テーブル(支持部)110と、接触端子(入力部)120と、検査部130とを備える。
図9の検査装置100の検査テーブル110は、検査対象の薄膜太陽電池モジュール1(光電変換装置)の基板2が水平になるように、薄膜太陽電池モジュール1を支持するものである。検査テーブル110は、図9に示すように、角筒上に形成された枠体111と、薄膜太陽電池モジュール1を移動可能に支持する複数の搬送ローラ112とから主に構成されている。検査テーブル110には、薄膜太陽電池モジュール1の配置位置を決定する位置決め部113と、薄膜太陽電池モジュール1の配置位置を検出する位置センサ114とが設けられる。
枠体111は、搬送ローラ112を介して薄膜太陽電池モジュール1を支持する。枠体111の内面の上端に、複数の搬送ローラ112が設置される。搬送ローラ112は、枠体111における薄膜太陽電池モジュール1の搬送方向(図9における矢印の方向)に沿って延びる内面に、搬送方向に等間隔に並んで配置され、枠体111に対して自転可能に取り付けられている。
位置決め部113は、検査テーブル110における所定位置、特に、基板面内であって基板搬送方向に垂直な方向における所定位置に薄膜太陽電池モジュール1を導き、その位置から薄膜太陽電池モジュール1が移動しないように固定するものである。本実施形態では、基板搬送方向の搬送中心ラインに基板中心ラインがそろうように位置調整する。位置決め部は、検査テーブル110の枠体111における外面に、薄膜太陽電池モジュール1の四隅付近に対応する位置に配置されている。つまり、枠体111に4つの位置決め部が配置されている。
位置センサ114は、検査テーブル110における所定位置に薄膜太陽電池モジュール1が導かれたか否かを検出するセンサである。本実施形態では、光によって位置を検出するセンサが適用される。本実施形態では、検査テーブル110の枠体111における対角線上に一対の位置センサが配置されている。
接触端子120は、薄膜太陽電池モジュール1の裏面電極層5に傷を与えることなく、裏面電極層5と電気的に接続されるものであって、光電変換層4に対して電圧を印加して電流を流すものであり、裏面電極層5を経由した隣接セル間の抵抗値計測を行うことができる。
接触端子120には接触端子可動部(不図示)が接続され、接触端子可動部により検査テーブル110に配置された薄膜太陽電池モジュール1に対して接近離間可能とされる。図9において、接触端子120は接触端子可動部により上下方向に移動可能とされる。基板搬送時では、接触端子120は薄膜太陽電池モジュール1と接触しないように離間されて配置されている。検査時では、接触端子120は接触端子可動部により薄膜太陽電池モジュール1に向けて移動するようになっている。
図9において、接触端子120は、電圧を印加するために一つの薄膜太陽電池モジュール1に対して2つ配置されている。具体的には、薄膜太陽電池モジュール1の発電セル1Sにおける一方の端部の薄膜太陽電池モジュール1の長手方向の略全長に対して一の接触端子120が配置され、他方の端部に他の接触端子120が配置されている。つまり、接触端子120は発電セル1Sの配列方向に沿って延在している。図9では、発電セル1Sは薄膜太陽電池モジュール1の長手方向に集積するよう配列されており、基板搬送方向は薄膜太陽電池モジュール1の長手方向と同じとなっている。このため、接触端子120は、基板搬送方向に延在している。
接触端子120は、薄膜太陽電池モジュール1の配列方向に沿って延びる棒状部分121と、棒状部分121から薄膜太陽電池モジュール1に向かって延びる複数の接触部122とを備える。接触部122は弾力性を有する。複数の接触部122は、各々が棒状部分121により絶縁状態に支持されている。接触部122は、一方の端部の発電セル1Sの長手方向の略全長にわたり、電気的に略均等に接続することで、該発電セル1Sの各々に対して均一に電圧を印加し電流を流すことができる。図10に示すように、複数の接触部122は、それぞれ薄膜太陽電池モジュール1における発電セル1Sと接触するように間隔をあけて配置されている。1つの接触端子120に設けられる接触部122の数は、薄膜太陽電池モジュール1の発電セル1Sの数と同一とされる。
抵抗計測部123は、隣接する発電セル1S間の段間抵抗を計測する。抵抗計測部123は、直流電源(不図示)に接続される。段間抵抗は、接触部122より1少ない数だけ計測される。測定を実施する接触部122の回路の端部にある接点が、抵抗計測部123の接点に順次接続されて、段間抵抗が計測される。具体的に、接点124は、接触部122aの接点124aと抵抗計測部123の接点124Aが接続され、接触部122bの接点124bと抵抗計測部123の他方の接点124Bが接続されると、発電セル1Saと発電セル1Sbとの間の段間抵抗が計測される。次いで、接触部122bの接点124bと抵抗計測部123の接点124Aとが接続され、接触部122cの接点124cと抵抗計測部123の他方の接点124Bとが接続されるように接点を切り替えると、発電セル1Sbと発電セル1Scとの間の段間抵抗が計測される。
あるいは、隣接する接触部122の間の回路にそれぞれ抵抗計測部123が設けられていても良い。抵抗計測部123は、接触端子120の棒状部分121の内部に格納されていても良いし、棒状部分121と別置き設置されていても良い。
図9において接触端子120は2つ配置しているが、薄膜太陽電池モジュール1の配列方向に沿って一方の端部に接触端子120が設置されていても良い。但し、接触端子120を図9のように2つ配列していると、一方の接触端子120において接触部122と発電セル1Sとの接触不良があった場合にも、他方の接触端子120からの情報を利用することが可能である。この場合、2つの接触端子120で計測した抵抗値の平均を求める、あるいは、接触不良により明確に異常数値であると判断した抵抗値を除外することで、計測の信頼性が向上ずる。
検査部130は例えばコンピュータとされる。検査部130はデータロガーを備える。検査部130は、抵抗計測部123に接続される。すなわち、抵抗計測部123で計測された各発電セル1S間の段間抵抗値は、検査部130のデータロガーに送信されるようになっている。データロガー内の切替えにより、上述のように計測が実施される接触部122の接点124a〜cと抵抗計測部123の接点124A,Bとが切り替えられるようになっている。
検査部130は、薄膜太陽電池モジュールの不良セル数を計測する第1の判定部と、第1の判定部で計測された不良セル数に基づいて、製造された薄膜太陽電池モジュールの良否を判定する第2の判定部とを備える。
図11は、第1実施形態に係る検査装置の別の例である。
図11の検査装置200の検査テーブル210は、薄膜太陽電池モジュール1の基板2を鉛直方向に対して5°〜15°傾けた状態で基板2を搬送する製造ラインにおいて、薄膜太陽電池モジュール1を支持するものである。従って、検査テーブル210の枠体211は、基板2と平行になるよう配設され、鉛直方向に対して5°〜15°傾いて固定されている。
図11において、位置決め部及び位置センサは省略されているが、図9の検査装置100と同じ位置に設置されている。
搬送ローラ212は、枠体211の上下に設置されている。下側の搬送ローラ212aは、その円周に薄膜太陽電池モジュール1を載置して、薄膜太陽電池モジュール1を支持する。上側の搬送ローラ212bは、薄膜太陽電池モジュール1の基板の裏側(透明電極層〜裏面電極層が設けられる面と反対側)において、搬送ローラ212bの円周が薄膜太陽電池モジュール1と接触し、薄膜太陽電池モジュール1を支持する。
接触端子220は、図9及び図10の接触端子120と同様の構成とされる。すなわち、接触端子220は、発電セル1Sと同数の接触部222を有する。接触端子220は、検査テーブル210と同様に、鉛直方向に対して5°〜15°傾けて設置されている。接触端子220の棒状部分の長手方向が枠体211により鉛直方向から傾けて配置されている薄膜太陽電池モジュール1の基板に対して略平行となるように、2つの接触端子220が設置されている。基板搬送時において、接触端子220は接触端子可動部(不図示)により薄膜太陽電池モジュール1と接触しないように離間されている。検査時においては、接触端子120は接触端子可動部により、薄膜太陽電池モジュール1の基板に対して垂直方向に移動して、薄膜太陽電池モジュール1と接触させられる。
図11の検査装置200では、薄膜太陽電池モジュール1の発電セル1Sの集積方向は基板搬送方向と垂直となっている。このため、接触端子220は、基板搬送方向と垂直方向に延在している。図11においても、図9と同様の検査部230が設置される。
第1実施形態に係る検査装置100,200は、被計測対象の薄膜太陽電池モジュール1と、検査テーブル110,210と接触端子120,220とが、暗室または遮光室(不図示)内に配置されて、外光が遮断された状態または減光された状態とされることが好ましい。検査中の薄膜太陽電池モジュール1に起電力が発生して発電電流が流通可能な程度の光が照射されると、抵抗計測回路へ光電流が流れ込んで、測定される段間抵抗値のばらつき発生の要因となる。暗室または遮光室内の照度は、通常の発電性能検査の1/1000程度とされる。具体的に、100ルクス以下が好ましく、さらに好ましくは、20ルクス以上50ルクス以下に管理される。
図12は、第1実施形態に係る光電変換装置の検査方法を説明するフローチャートである。以下では、図9及び図10の検査装置100を用いて説明する。
まず、分離溝9が形成された薄膜太陽電池モジュール1(光電変換装置)が、暗室または遮光室内に設置された検査テーブル110における枠体111の搬送ローラ112の上に搬入される(S1)。
なお、分離溝9が形成された薄膜太陽電池モジュール1は、基板端部の絶縁溝形成前のものでも良いが、絶縁溝が形成された後のものでも良い。基板の端面や製膜面と反対側に裏面電極層が回り込んで形成されていると、段間抵抗値に影響を与えるが、絶縁溝が形成された薄膜太陽電池モジュールであれば、これらの影響を除外することができるので好ましい。また、周囲膜除去領域が形成された後のものでも同様に、基板2の端面や製膜面と反対側に回り込んだ裏面電極層による段間抵抗計測値への影響を除外することができるので好ましい。
薄膜太陽電池モジュール1が検査テーブル110の上に搬入されると、位置センサ114によって薄膜太陽電池モジュール1が搬入され、かつ、一対の位置センサ114の間に薄膜太陽電池モジュール1が配置されたことが検出される。すると、薄膜太陽電池モジュール1の搬入移動が停止し、位置決め部113により薄膜太陽電池モジュール1は所定位置、特に基板搬送方向と垂直方向における所定位置に導かれ、固定される(S2)。暗室で計測する場合は、その後、暗室の開閉部が閉じられ、暗室の内部は閉空間となり外光が遮光される。なお、遮光室の場合は、開閉部を設けられていない。
次いで、2つの接触端子120が薄膜太陽電池モジュール1に向かって(図9では下方に)移動し、薄膜太陽電池モジュール1に対して2つの接触端子120が押しつけられる(S3)。各接触端子120の複数の接触部122が、薄膜太陽電池モジュール1の対応する発電セル1Sにそれぞれ弾性を持って接触する。これにより、接触端子120の複数の接触部122と裏面電極層5とが電気的に接続される。
接触部122が発電セル1Sと接続されると、抵抗計測部123の各々は、隣接する発電セル間の段間抵抗を測定する(S4)。抵抗計測部123は、計測された段間抵抗値を検査部130の第1の判定部に送信する。検査部130の第1の判定部は、各発電セル間の段間抵抗値を取得する。
抵抗計測部123により発電セル間の段間抵抗の計測が終了すると、接触端子120が薄膜太陽電池モジュール1の搬送に支障がないように(図9では上方に)移動し、薄膜太陽電池モジュール1から離脱される(S5)。さらに、暗室内計測の場合は開閉部が開かれ、薄膜太陽電池モジュール1が検査装置100から搬出される(S6)。これにより、薄膜太陽電池モジュールの段間抵抗検査が終了する(S7)。
検査部130は、取得した段間抵抗値に基づいて、以下の工程により計測結果の判定を実施する(S8)。
<第1判定工程>
検査部130の第1の判定部には、適正な段間抵抗値範囲が予め格納されている。第1の判定部は、1枚の薄膜太陽電池モジュールについて、取得した各発電セルの段間抵抗値と、適正な段間抵抗値範囲との比較を実施する。適正な段間抵抗値範囲は、段間抵抗値と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係を予め取得しておき、当該相関関係に基づいて決定される。
図13は、タンデム型薄膜太陽電池モジュールについて、発電セル間の段間抵抗値の度数分布の例である。同図において、横軸は0.2kΩ毎に区間を区切った段間抵抗値、縦軸は度数である。図13の測定対象とされる薄膜太陽電池モジュールは、1.4m×1.1m角の基板上に光電変換層としてアモルファスシリコン層及び微結晶シリコン層が製膜されている。1つの薄膜太陽電池モジュールに対しては、発電セルが97段形成されており、その隣接するセル間の段間抵抗は96点計測されている。この薄膜太陽電池モジュールを590枚について評価して、96点×590枚=56,640点の段間抵抗値について、度数分布を表したものである。
図13の度数分布では、主として、段間抵抗値0.8kΩ〜1.0kΩの間を平均とする正規分布と、段間抵抗値5.6kΩ〜5.8kΩの間を平均とする正規分布とが合成された形状となっている。
隣接する発電セルにおける裏面電極層間の抵抗は、薄膜太陽電池モジュールの性能と次のような相関関係を有する。
段間抵抗値が大きい場合、発電セル間の接続溝7の底面に裏面電極層5が十分に製膜されず、接続部8において透明電極層3と裏面電極層5との接続界面の不良によって接触抵抗が増加していると考えられる。あるいは、少なくとも一方の発電セルにおける光電変換層4(アモルファスシリコン層や微結晶シリコン層)の膜質が悪化していると考えられる。接続不良により、セル間のシリーズ抵抗が増大する。また、アモルファスシリコン層や微結晶シリコン層の膜質の悪化により、薄膜太陽電池モジュールの短絡電流が低下する。
段間抵抗値が小さい場合、分離溝の一部にレーザ加工の途切れがあり、短絡が生じていると考えられる。分離溝の途切れは、分離溝形成のレーザエッチング加工工程において基板側からレーザを照射する際に、レーザ照射部分の基板表面に付着した異物や傷が原因となり、レーザ光が光電変換層4へ到達しないことで発生する。分離溝の一部に短絡が生じていると、隣接するセル間で漏れ電流が発生し、薄膜太陽電池モジュールの開放電圧の低下やシャント抵抗の低下やシリーズ抵抗の増加が発生して、薄膜太陽電池モジュールの性能が低下する。
本実施形態では、図13のような段間抵抗値の度数分布を取得し、度数分布の中で適正な接続を有する発電セルに起因する正規分布を特定する。図13において、段間抵抗値5.6〜5.8kΩを平均とする正規分布が、適正な接続を有する発電セルの分布である。段間抵抗値0.8kΩ〜1.0kΩを平均とする正規分布は、適正な発電セル間の接続を有しているが、膜厚のばらつき等のレーザ加工以外の要因により抵抗が低減している発電セルに起因する分布である。0.8kΩ〜1.0kΩを平均とする正規分布も、適正範囲内の段間抵抗値を有している分布である。
次いで、段間抵抗値の度数分布から適正な段間抵抗値範囲を設定する。
図13のように適正な接続を有する発電セルに起因する分布が複数存在する場合、平均となる抵抗値が最も高い正規分布について、平均より高抵抗側での度数の急激な変化の有無が確認される。図13では、段間抵抗値5.6kΩ〜5.8kΩを平均とする正規分布が、上述の「平均となる抵抗値が最も高い正規分布」である。6.0kΩ〜6.2kΩの区間での度数は、正規分布から外れて大幅に低下している。正規分布では、5.6kΩ〜5.8kΩの区間での度数を中心にして、〜5.6kΩの度数分布と、5.8kΩ〜の度数分布はほぼ対称な形状になる。しかし、図13においては、5.6kΩ〜5.8kΩの区間での度数に対して、〜5.6kΩの度数分布は0.2kΩの区間毎に相対値で約10%ずつ度数が低下している。一方、5.6kΩ〜5.8kΩの区間での度数に対して0.2kΩの区間毎に、5.8kΩ〜6.0kΩの区間での度数は相対値で約10%の度数低下があるが、6.0kΩ〜6.2kΩの区間での度数は、相対値で50%以上の度数低下があり、相対値で20%程度の低下であるべき当該正規分布から相対値で60%程度外れて低下している。また、6.0kΩ〜6.2kΩの区間での度数が正規分布であると想定した場合は、5.2kΩ〜5.4kΩの区間での度数程度が得られるべきことから、6.0kΩ〜6.2kΩの区間での度数は5.2kΩ〜5.4kΩの区間での度数に対して、相対値で60%以上の度数が少ない状況と言える。
本実施形態では、図13での正規分布から外れた値として得られた数値の半分以上で正規分布から外れると判断する。すなわち正規分布として想定される度数と比較して、相対値で30%以上、より厳密には50%以上低下していれば、正規分布から外れると判断する。正規分布から外れると判断された区間における段間抵抗の最小値が、上記の適正な段間抵抗値範囲の上限閾値に設定される。
図13では横軸を度数分布における段間抵抗値の区間を0.2kΩに設定したが、検査に求められる精度に応じて、当該区間の値が適宜設定される。
平均となる抵抗値が最も低い正規分布について、平均より低抵抗側での度数の急激な変化の有無が確認される。図13では、段間抵抗値0.8kΩ〜1.0kΩを平均とする正規分布が、上述の「平均となる抵抗値が最も低い正規分布」である。図13では段間抵抗値0.2Ω以下の度数が高くなっている。0kΩ〜0.2kΩの区間での度数が正規分布であると想定した場合は、1.4kΩ〜1.6kΩの区間での度数程度もしくは0.2kΩ〜0.4kΩの区間より15%程度低い度数が得られるべきことから、0kΩ〜0.2kΩの区間での度数は0.2kΩ〜0.4kΩの区間での度数に対して、相対値で200%以上の度数が多い状況といえ、明らかに正規分布から外れている。
さらに、図14は、図13における段間抵抗値0.1Ω以下の結果を抽出して表した度数分布である。同図において、横軸は0.01kΩ毎の段間抵抗値、縦軸は度数である。図13及び図14を参照すると、図14の0.01kΩ〜0.1kΩは、図13における0.8kΩを平均とする正規分布の裾であると判断される。0kΩ〜0.01kΩの区間での度数は、正規分布から外れて大幅に増加している。0kΩ〜0.01kΩの区間での度数は、0.01kΩ〜0.02kΩの区間での度数に対して、相対値で450%程度増加している。また、0.01kΩ〜0.02kΩの区間での度数に対して、0.02kΩ〜の0.01kΩ毎の区間での度数は相対的に20%〜15%程度ずつ度数が低下している。これより0kΩ〜0.01kΩの区間での度数は、正規分布であると想定した場合は、0.01kΩ〜0.02kΩの区間の度数に対して、得られるべき度数(0.02kΩ〜の0.01kΩ毎の区間での度数の20%増加)に対して、相対値で380%以上の度数が多い状況であり、当該正規分布から相対値で380%程度外れて増加している。
本実施形態では、図13、図14での正規分布から外れた値として得られた数値の半分以上で正規分布から外れると判断する。すなわち、正規分布として想定される度数と比較して、相対値で100%以上、さらに好ましくは200%以上増加していれば、正規分布から外れると判断する。正規分布から外れると判断された区間における段間抵抗の最大値が、上記の適正な段間抵抗値範囲の下限閾値に設定される。
ここでは度数分布における段間抵抗値の区間を0.01kΩに設定して下限閾値の設定を行ったが、検査に求められる精度に応じて、当該区間の値が適宜設定される。
なお、正規分布が1つのみである場合、その正規分布を用いて上記と同様にして上限閾値及び下限閾値が設定される。
適正な段間抵抗値範囲として上述のように設定された上限閾値及び下限閾値が、検査部130の第1の判定部に格納される。すなわち、図13及び図14の例においては、上限閾値0.6kΩ、下限閾値0.01kΩが第1の判定部に格納されている。
上限閾値より大きい場合、図13では6.0kΩより大きい場合は、発電セル間の接続不良による接触抵抗増加及びアモルファスシリコン層または微結晶シリコン層の膜質悪化に起因する不良セルによる分布である。
下限閾値より小さい場合、図14における0kΩ〜0.01kΩの分布は、レーザ加工の途切れにより短絡が発生した不良セルによる分布である。
検査部130の第1の判定部は、取得した発電セルの段間抵抗値が設定範囲の下限閾値(本実施形態では0.01kΩ)未満である場合、分離溝にレーザ加工不良(短絡)が生じていると判定する。第1の判定部は、当該2つの発電セルを下限不良セルとして数を計測する。すなわち、第1の判定部は、下限不良セル数を2と計測する。但し、第1の判定部は、連続する抵抗計測部で下限閾値未満の段間抵抗値が計測されている場合、式(1)により下限不良セル数を計測する。
下限不良セル数=m+1 …(1)
式(1)において、m:下限閾値未満の段間抵抗値が計測された抵抗計測部の数、m≧2である。なお、下限閾値未満の段間抵抗値の計測数は、欠陥が発生している分離溝の数に相当する。
検査部130の第1の判定部は、取得した発電セルの段間抵抗値が設定範囲の上限閾値(本実施形態では6.0kΩ)より大きい場合、シリーズ抵抗の増大または膜質の悪化が発生していると判定する。当該発電セルを上限不良セルとして数を計測する。すなわち、第1の判定部は、上限不良セル数を2と計測する。但し、第1の判定部は、連続する抵抗計測部で上限閾値を超える段間抵抗値が計測されている場合、式(2)により上限不良セル数を計測する。
上限不良セル数=n+1 …(2)
式(2)において、n:上限閾値を超える段間抵抗値が計測された抵抗計測部の数、n≧2である。
検査部130の第1の判定部は、1枚の薄膜太陽電池モジュールについて、下限不良セル数の合計を計算し、取得する。第1の判定部は、1枚の薄膜太陽電池モジュールについて、上限不良セル数の合計を計算し、取得する。
上記の検査では、下限閾値未満の段間抵抗値が計測された抵抗計測部と上限閾値を超える段間抵抗値が計測された抵抗計測部が連続している場合、第1の判定部は重複している発電セルを下限不良セル及び上限不良セルの両方と判断し、重複して数を計測している。
検査部130の第1の判定部は、取得した下限不良セル数の合計及び上限不良セル数の合計を、検査部130の第2の判定部に送信する。
<第2判定工程>
検査部130の第2の判定部は、第1の判定部から送信されて取得した下限不良セル数の合計と上限不良セル数の合計とを、それぞれ許容される不良セルの数(許容不良セル数)と比較する。下限不良セルの許容不良セル数は、下限不良セル数の数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係を予め取得し、当該相関関係に基づいて決定される。上限不良セルの許容不良セル数は、上限不良セル数の数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係を予め取得し、当該相関関係に基づいて決定される。
図15及び図16は、下限不良セル数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係の例である。図15及び図16において、横軸は1枚の薄膜太陽電池モジュールで計測された下限不良セルの数である。図15の縦軸において、第1軸が薄膜太陽電池モジュールの開放電圧(Voc)、第2軸が薄膜太陽電池モジュールの短絡電流(Isc)及びシリーズ抵抗(R)である。図16の縦軸において、第1軸が薄膜太陽電池モジュールの最大出力(Pmax)、第2軸が薄膜太陽電池モジュールのシャント抵抗(Rsh)である。
図15を参照すると、下限不良セルが10段より大きくなると、開放電圧が急激に低下する傾向が見られる。シリーズ抵抗は下限不良セルが20段まで大きな変化は見られないが、20段より大きくなるとシリーズ抵抗が増大する傾向がある。下限不良セルが36段の場合、開放電圧が大幅に低下するとともにシリーズ抵抗が大幅に増大する結果が得られた。一方、短絡電流は下限不良セル数に依存せずほぼ一定である。
図16を参照すると、下限不良セルが10段より大きくなると、最大出力が低下する傾向がある。シャント抵抗に関して、下限不良セル10段以下ではばらつきがあるものの高い出力が得られる。下限不良セル10段〜20段になると、シャント抵抗の値に大きな変化はないが、ばらつきが抑制される。下限不良セルが36段の場合、最大出力、シャント抵抗はともに大幅に減少した。
図17は、上限不良セル数と薄膜太陽電池モジュールの性能との相関関係の例である。同図において、横軸は1枚の薄膜太陽電池モジュールで計測された上限不良セルの数である。縦軸において、第1軸が薄膜太陽電池モジュールの開放電圧(Voc)、第2軸が薄膜太陽電池モジュールの短絡電流(Isc)及びシリーズ抵抗(R)である。
図17を参照すると、開放電圧及び短絡電流は、上限不良セル数に依存せずほぼ一定である。シリーズ抵抗は、特に上限不良セル数が20段を超えると、上限不良セル数の増加に伴って増加する傾向がある。
本実施形態では、図15及び図16に基づいて、下限不良セルの許容不良セル数を20に設定する。より高性能の薄膜太陽電池モジュールを得るためには、下限不良セルの許容不良セル数を10に設定しても良い。本実施形態では、図17に基づいて、上限不良セルの許容不良セル数を20に設定する。下限不良セル及び上限不良セルの許容不良セル数は、それぞれ検査部130の第2の判定部に格納されている。
検査部130の第2の判定部は、第1判定工程で取得した下限不良セル数及び上限不良セル数の少なくとも一方が許容不良セル数を超える場合、当該薄膜太陽電池モジュールを異常品と判定する。検査部130の第2の判定部は、異常品を検出した場合(異常時)、警報を発しても良い(S9)。
検査部130の第2の判定部は、第1判定工程で取得した下限不良セル数及び上限不良セル数のいずれも許容不良セル数以下である場合、当該薄膜太陽電池モジュールを正常品と判定する。
検査部130は、第2の判定部で得た異常品及び正常品の情報を薄膜太陽電池モジュール毎に対比させて、データロガーに記録する(S10)。
また、異常品の発生要因分析のためには、計測された段間抵抗値の情報を併せてデータロガーに記録することが好ましい。
第1実施形態の検査方法が終了した後に絶縁溝形成、周囲膜除去、バックシートの接着が実施する前に、データロガーに記録された異常品及び正常品の情報が呼び出される。正常品と判定された薄膜太陽電池モジュールに対して、後工程であるバックシートの接着や端子箱の接着などのパネル化工程などが実施される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る検査装置及び光電変換装置の検査方法を以下で説明する。
図18は、第2実施形態に係る検査装置の概略図である。図18の検査装置300は、図10の検査装置100に対して、接触端子320の隣接する接触部322の間に、抵抗計測部323が設けられる回路と並列な回路が更に設けられている。当該回路に補修部340が設置される。補修部340は、直流電源341とスイッチ342とを備える。回路に、電流計343が設置される。回路及び補修部340は、抵抗計測部323に対してそれぞれ設けられている。
一対の接触端子320のそれぞれについて抵抗計測部323を設ける場合は、補修部340についても一対の接触端子320のそれぞれについて設置される。
直流電源341は、抵抗計測部323にも接続される。すなわち、補修部340と抵抗計測部323とは、電源が共通である。直流電源341は、回路を介して隣接する発電セル1S間に正のバイアス電流を供給可能である。
スイッチ342は、開閉によって発電セルへのバイアス電流の供給及び停止を繰り返し切り替えることができるものである。初期状態では、スイッチ342は開放されている。
補修部340は、図9における接触端子120の外部に設置される。補修部340の直流電源341、スイッチ342及び電流計343は、図9における検査部130に各々接続される。
第2実施形態の場合、図9における検査部130は、隣接する発電セル間の分離溝のレーザ加工不良の補修を実施する補修制御部を更に備える。
図18を用いて、第2実施形態に係る光電変換装置の検査方法を以下で説明する。
薄膜太陽電池モジュールの搬送から段間抵抗の測定まで(S1〜S4)は、第1実施形態と同様の工程で実施される。段間抵抗の測定では、接触部322a〜cの接点324a〜cと抵抗計測部323の接点324A,Bとの接触が順次切り替えられ、隣接する発電セルに正のバイアス電流が流れる方向に、直流電源341から抵抗計測部323に微小電流が供給される。
抵抗計測部による発電節間の段間抵抗の計測が終了すると、抵抗計測部323は計測された段間抵抗値を検査部の第1の判定部に送信する。第1の判定部は、各発電セル間の段間抵抗値を取得する。
第2実施形態では、2つの接触端子が薄膜太陽電池モジュール1に対して押し付けられた状態で、第1実施形態の第1判定工程と同様の工程にて、第1の判定部が取得した発電セルの段間抵抗値と上限閾値及び下限閾値との比較を実施し、不良セルの原因を特定する。
第1の判定部が取得した発電セルの段間抵抗値が下限閾値(例えば0.01kΩ)未満であり分離溝にレーザ加工不良が生じていると判定した場合、検査部の補修制御部は補修工程を実施する。
補修制御部は、2つの接触端子320が薄膜太陽電池モジュール1に対して押し付けられた状態で、下限閾値未満の段間抵抗を測定した隣接する接触部322に接続した抵抗計測部323に並列して設置される補修部340を作動させる。
具体的に、直流電源341は補修制御部により制御され、所定値の正バイアス電流を供給する。検査工程における正バイアス電流の大きさは、薄膜太陽電池モジュールの発電時に発電セル間に流れる正バイアス電流の2倍〜3倍程度とされる。補修中のバイアス電流は一定電圧で供給される。
直流電源341から供給される正バイアス電流を所定値に設定し、補修制御部はスイッチ342を閉鎖させる。スイッチ342の閉鎖により、下限閾値未満の段間抵抗が測定された発電セル1S間に正のバイアス電流が供給される。
例えば、発電セル1Saと発電セル1Sbとの間の段間抵抗値を計測する場合、接点324aと接点324Aとが接続され、接点324bと接点324Bとが接続される。計測された発電セル1Saと発電セル1Sbとの間の段間抵抗値が下限閾値未満であった場合、接触部322a,bがそれぞれ発電セル1Sa,1Sbに接触した状態で、補修部340のスイッチ342が閉鎖され、直流電流341から所定値の正バイアス電流が供給される。バイアス電流が一方の発電セル1Saから他方の発電セル1Sbへと流れる際に、分離溝9のレーザ加工不良部分(短絡部分)に電流が集中する。これにより、レーザ加工不良部分が焼切られ、レーザ加工不良部分が補修される。
バイアス電流の供給を所定時間継続した後、補修制御部はスイッチ342を開放させる。これにより、補修が終了される。
次いで、接点324bと接点324Aとが接続され、接点324cと接点324Bとが接続され、発電セル1Sbと発電セル1Scとの間の段間抵抗値が計測される。発電セル1Sbと発電セル1Scとの間の段間抵抗値が下限閾値未満であった場合、上述の補修工程が実施される。
バイアス電流を所定時間供給するのに換えて、補修制御部が補修時のバイアス電流の大きさをモニタリングするとともに、補修途中でバイアス電流を一時停止して段間抵抗値を計測して、補修の終了を制御しても良い。
具体的に、補修制御部は、補修を実施する発電セル間にバイアス電流を供給する。電流計343が、回路を流通するバイアス電流の大きさを計測する。電流計343は、計測したバイアス電流値を補修制御部に送信する。補修制御部は、補修途中でバイアス電流の供給を一時的に停止する。次いで、抵抗計測部323は、補修が実施されている発電セル1S間の段間抵抗を計測する。抵抗計測部323は、計測した段間抵抗値を補修制御部に送信する。
補修制御部は、バイアス電流の供給が一時停止されている間の段間抵抗値及びバイアス電流が供給されている間のバイアス電流の大きさを取得する。レーザ加工不良部分が焼切られると、段間抵抗値が増大するとともに、バイアス電流値が低下する。段間抵抗値が増加して一定となり、且つ、バイアス電流が低下して一定となった時点で、補修制御部はスイッチ342を開放させる。これにより、補修が終了される。
上記の実施形態では、ガラス基板2上に、透明電極層3、光電変換層4、裏面電極層5がこの順で設けられた薄膜太陽電池モジュール1を用いて説明したが、本発明は、金属基板などの非透光性基板上に製造され、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
1 薄膜太陽電池モジュール(光電変換装置)
1S 発電セル
2 基板
3 透明電極層
4 光電変換層
5 裏面電極層
6 透明電極層溝
7 接続溝
8 接続部
9 分離溝
100,200,300 検査装置
110,210 検査テーブル
111,211 枠体
112,212 搬送ローラ
113 位置決め部
114 位置センサ
120,220,320 接触端子
121 棒状部分
122,222,322 接触部
123,323 抵抗計測部
124 接点
130,230 検査部
340 補修部
341 直流電源
342 スイッチ
343 電流計

Claims (9)

  1. 基板上に複数の発電セルが配列されて集積され、各々の前記発電セルが、前記基板上に、透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える光電変換装置の検査方法であって、
    検査対象の前記光電変換装置について隣接する2つの前記発電セル間の抵抗値を測定する抵抗値測定工程と、
    前記抵抗値測定工程で取得した前記抵抗値と予め設定されている下限閾値とを比較して、前記抵抗値が前記下限閾値よりも小さい場合に、前記抵抗値が測定された前記2つの発電セルを第1不良セルと判定する第1不良セル判定工程と、
    前記検査対象光電変換装置における前記第1不良セル数を計測する第1不良セル計測工程と、
    前記抵抗値測定工程で取得した前記抵抗値と予め設定されている上限閾値とを比較して、前記抵抗値が前記上限閾値よりも大きい場合に、前記抵抗値が測定された前記2つの発電セルを第2不良セルと判定する第2不良セル判定工程と、
    前記検査対象の光電変換装置における前記第2不良セル数を計測する第2不良セル計測工程と、
    前記第1不良セル数と前記光電変換装置の性能との相関に基づき第1の許容数を設定し、前記第2不良セル数と前記光電変換装置の性能との相関に基づき第2の許容数を設定し、前記第1不良セル計測工程で取得した前記第1不良セル数を前記第1の許容数とを比較し、前記第2不良セル計測工程で取得した前記第2不良セル数と前記第2の許容数とを比較し、前記第1の不良セル数及び前記第2の不良セル数の少なくとも一方が前記第1の許容数または前記第2の許容数を超える場合に、検査対象の前記光電変換装置が異常品であると判定し、前記第1の不良セル数が前記第1の許容数以下且つ前記第2のセル数が前記第2の許容数以下である場合に、検査対象の前記光電変換装置が正常品であると判定する光電変換装置判定工程とを含む光電変換装置の検査方法。
  2. 複数の前記光電変換装置についての前記抵抗値の度数分布を予め取得し、該度数分布において適正な接続を有する前記発電セルに起因する正規分布を取得し、
    平均となる前記抵抗値が最も高い前記正規分布において、前記平均よりも高抵抗側で度数が前記正規分布から外れて低下する前記抵抗値の区間を特定し、
    該区間の前記抵抗値のうち最小値を、前記上限閾値に設定する請求項1に記載の光電変換装置の検査方法。
  3. 複数の前記光電変換装置についての前記抵抗値の度数分布を予め取得し、該度数分布において適正な接続を有する前記発電セルに起因する正規分布を取得し、
    平均となる前記抵抗値が最も低い前記正規分布よりも低抵抗側で、度数が前記正規分布から外れて増加する前記抵抗値の区間を特定し、
    該区間の前記抵抗値のうち最大値を、前記下限閾値に設定する請求項1に記載の光電変換装置の検査方法。
  4. 前記抵抗計測工程が、100ルクス以下の照度条件で実施される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光電変換装置の検査方法。
  5. 前記抵抗値が前記下限閾値よりも小さい場合に、前記抵抗値が計測された前記隣接する2つの発電セルの間に正のバイアス電流を供給し、前記発電セル間の分離溝の加工不良部分を焼き切って、前記分離溝を補修する補修工程を更に含む請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光電変換装置の検査方法。
  6. 前記バイアス電流を一定電圧で供給している間の前記バイアス電流の計測と、前記バイアス電流を一時的に停止している間の前記抵抗値の計測と繰り返して実施しながら前記補修工程を行う請求項5に記載の光電変換装置の検査方法。
  7. 基板上に複数の発電セルが配列されて集積され、各々の前記発電セルが、前記基板上に、透明電極層と、光電変換層と、裏面電極層とを備える光電変換装置を検査する検査装置であって、
    前記発電セルの配列方向に延在する一対の接触端子と、
    各々の前記接触端子に前記発電セルと同じ数で設けられ、各々の前記発電セルの前記裏面電極層の表面に接触して電気的に導通する複数の接触部と、
    隣接する前記接触部の間の回路に設置され、隣接する前記発電セル間の抵抗値を測定する抵抗計測部と、
    前記複数の抵抗計測部に接続される検査部とを含み、
    前記検査部が、
    前記抵抗値の上限閾値及び下限閾値を予め格納し、前記下限閾値を下回る第1不良セルと前記上限閾値を超える第2不良セルとを検出し、前記第1の不良セルの数及び前記第2の不良セルの数を計測する第1の判定部と、
    前記第1の不良セルの数と前記光電変換装置の性能との相関に基づいて決定された第1の許容数と、前記第2の不良セルの数と前記光電変換装置の性能との相関に基づいて決定された第2の許容数とを予め格納し、前記第1不良セル数と第1の許容数との比較及び前記第2不良セル数と第2の許容数との比較に基づいて、検査対象とされる前記光電変換装置の良否を判定する第2の判定部とを含む検査装置。
  8. 前記隣接する接触部の間で前記抵抗計測部が設けられる回路と並列とされる別の回路に設置され、前記隣接する発電セル間に正のバイアス電流を供給する直流電源と、前記バイアス電流の供給及び停止を繰り替えして切り替えるスイッチとを備える補修部を更に含み、
    前記補修部が前記検査部に接続され、
    前記検査部が、前記直流電源から正のバイアス電流を供給させるとともに前記スイッチを閉鎖して、前記第1不良セルに前記正のバイアス電流を流通させて前記第1不良セルの間の分離溝を補修する補修制御部を更に含む請求項7に記載の検査装置。
  9. 前記補修部が電流計を更に含み、該電流計が前記第1不良セルに前記正のバイアス電流を計測し、
    前記抵抗計測部が、第1不良セルへの前記正のバイアス電流の供給が停止されている間の前記抵抗値を計測し、
    前記補修制御部が、前記正のバイアス電流の値と、前記正のバイアス電流の供給が停止されている間の前記抵抗値を監視して、前記補修の完了を判断する請求項8に記載の検査装置。
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