JP2012089258A - 電子放出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子放出特性に優れる電子放出素子を提供する。
【解決手段】 カソードと該カソードから電界放出された電子が照射されるゲートとを備える電子放出素子であって、前記ゲートは、前記カソードから電界放出された電子が照射される部分に、モリブデンと酸素とを含む層を少なくとも有しており、前記層が、透過電子顕微鏡を用いた電子エネルギー損失分光法によるスペクトル測定において、397eV〜401eVの範囲と414eV〜418eVの範囲と534eV〜538eVの範囲と540eV〜547eVの範囲のそれぞれにピークを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像表示装置などに用いられる電界放出型の電子放出素子に関する。
画像表示装置などに用いられる電界放出型の電子放出素子として、特許文献1のような縦型の電子放出素子や、いわゆるスピント型と呼ばれる電子放出素子が知られている。このような電界放出型の電子放出素子において、カソードやゲートの表面の形態は電子放出特性に大きく寄与することが知られている。とくに、カソードの表面の形態は電子放出に直接関係するため、数多くの改良が加えられてきた。一方、ゲートに関しては、電子放出特性との直接的な関係よりは、製造工程などにおける課題の解決のために改良が加えられている。
特許文献2は、金属モリブデンからなるエミッタチップ(カソード)および金属モリブデンからなるゲート層の表面に酸化膜を形成し、この酸化膜を除去する工程でエミッタチップの先端形状やエミッタチップとゲート層間の距離を調整する方法が開示している。また、特許文献3は、モリブデン陰極(カソード)表面にMoO膜を形成し、装置に実装する際にMoO膜を加熱除去することにより陰極表面を清浄化する方法を開示している。
特開2010−146915号公報 特開平05−021002号公報 特開平09−306339号公報
電界放出型の電子放出素子では、より電子放出特性に優れる電子放出素子が望まれている。そこで、本発明は、電子放出特性に優れる電子放出素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされる本発明の電子放出素子は、カソードと該カソードから電界放出された電子が照射されるゲートとを備え、該ゲートは、前記カソードから電界放出された電子が照射される部分に、モリブデンと酸素とを含む層を少なくとも有しており、前記層が、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope)を用いた電子エネルギー損失分光法(Electron Energy−Loss Spectroscopy)によるスペクトル測定において、397eV〜401eVの範囲と534eV〜538eVの範囲と540eV〜547eVの範囲のそれぞれにピークを有することを特徴とする。
本発明によれば、電子放出特性に優れる電子放出素子を提供することができる。
モリブデンと酸素を含む膜のEELスペクトル 電子放出素子の構成の一例を示す模式図 モリブデン化合物標準試料のEELスペクトル 比較例のEELスペクトル 電子放出特性を示す図 作製工程を示す模式図 電子放出特性を測定する際の構成の一例を示す模式図 作製工程を示す模式図
[実施の形態]
以下に図面を参照して、好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
まず、本実施形態に係る電子放出素子の構成の一例について図2(a)〜図2(c)を用いて説明する。尚、本発明における電子放出素子は、少なくともカソードと、カソード(カソードの先端)と空隙を挟んで対向して設けられたゲートとを備える。そして、カソードから電界放出された電子がゲートに照射され、ゲートに照射された電子の少なくとも一部がゲート5で散乱した後に、散乱した電子の少なくとも一部が図7に示すように電子放出素子から離れて配置されたアノードに到達する。このようなカソードから電界放出された電子がゲートに照射される電子放出素子は、カソードとゲートとの間に印加する電圧にもよるが、一般に、カソードとゲートの間の距離(空隙の幅)が、50nmよりも小さい。
図2(a)は、本発明が好適に適用される電子放出素子の態様の一例の平面模式図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A線および図2(c)のA−A線での断面模式図である。図2(c)は図2(b)における矢印の方向から電子放出素子を眺めたときの側面模式図である。ここで示す電子放出素子は、基板1の表面に積層された絶縁部材3と、絶縁部材3を基板1との間に挟むように絶縁部材3の上面に設けられたゲート5と、を備えている。そして、更に、絶縁部材3の側面(図2(b)においては3f)に設けられたカソード6を備えており、カソード6は、その一部が絶縁部材3の上面の一部にまで延在し、突出部16を有している。なお、カソード6の先端である突出部16が電子放出部に対応する。そして、突出部16は、絶縁部材3の側面(図2(b)においては3f)と上面(図2(b)においては3e)との境界部である角部32に設けられている。尚、図2(b)では、絶縁部材3の側面(第1絶縁層3aの側面3f)が基板1の表面に対して垂直(90°)に示している。しかしながら、絶縁部材3の側面は、基板1の表面に対して90°よりも小さな傾斜(例えば45°から80°の範囲)を備えた斜面とすることができる。
そして、ここで示す例では、図2(c)に示すように、カソード6は複数の突出部16を備えている。そして、複数の突出部16の各々は、絶縁部材3の側面(図2(b)においては3f)と上面(図2(b)においては3e)との境界部である角部32に沿って並んで設けられている。カソード6に複数の突出部16を設けることで、突出部16を設けない形態に比較して電子放出部の位置を規定することができることに加え、突出部16を設けない形態に比較してより低い電圧で電子を放出することができる。
また、ゲート5と突出部16との間には空隙である間隙8が設けられている。そして、カソード6とゲート5との間に、ゲート5の電位がカソード6の電位よりも高くなるように電圧を印加することで、カソード6の突出部16から電子が電界放出される。
尚、ゲート5の配置位置は、図2(a)〜図2(c)に示す形態に限られるものではない。即ち、電子放出部である突出部16から電子が電界放出可能な電界を、突出部16に印加することができるように、カソード6と所定の間隔を置いて、ゲート5が配置されればよい。たとえば、従来公知の表面伝導型電子放出素子のように、フイルム状のカソードとフイルム状のゲートとが、同一基板の表面上に、間隙を挟んで対向して設けられた態様とすることもできる。或いは、従来公知のスピント型の電子放出素子のように、柱状あるいは錘状のカソードと、当該カソードの先端を、カソードの先端と所定の距離をおいて、取り囲むように設けたゲートとで構成した態様とすることもできる。
また、ここで示す例では、絶縁部材3を第1絶縁層3aと第2絶縁層3bとの積層体で構成した態様を示しているが、絶縁部材3は、1つの絶縁層で構成することもできる。また、絶縁部材3は、3つ以上の複数の絶縁層から構成することもできる。
図2(a)〜図2(c)に示す態様では、第1絶縁層3aの上面3eの一部の上に第2絶縁層3bが積層されている。即ち、第2絶縁層3bの側面3dを第1絶縁層3aの側面3fよりもカソード6から離れるように設けている。このようにすることで、絶縁部材3の上面が凹部7を備えることができる。このため、絶縁部材3の上面は段差を備えることになる。したがって、段差は、絶縁部材3の基板1からより離れた第1の上面と、基板1により近い第2の上面と、第1の上面と第2の上面とをつなぐ側面と、から構成されることになる。また、第2の上面が側面3fと(角部32を介して)つながった構成となる。ここで、絶縁部材3が第1絶縁層3aと第2絶縁層3bとで形成される場合、第1の上面は、第2絶縁層3bの上面3gに相当し、第2の上面は、第1絶縁層3aの上面3eの一部であって凹部7に露出している部分に相当する。また、第1の上面と第2の上面とをつなぐ側面は、第2絶縁層3bの側面3dに相当する。このため、図2(b)に示した態様においては、凹部7は、上記した第2の上面と、第1の上面と第2の上面とをつなぐ側面と、ゲート5の底面と、で形成される。
また、図2(a)〜図2(c)に示した態様では、ゲート5は、絶縁部材3に支持されている基部5―1と、当該基部からカソード6に向けて突出した突出部5−2とを備えている。そして、ゲート5の基部5−1は絶縁部材3の上面(第1の上面3g)の上に設けられ、ゲート5の突出部5−2が第2の上面と空隙を挟んで(離間して)、庇状に伸びて設けられている。
ゲート5は、カソード6と離れて、絶縁部材3の上面の、カソード6で覆われていない部分に接続しており、絶縁部材3によって支持されている。ゲート5は、基部5−1と、カソード6(特にはカソード6の突出部16)に近づくように基部5−1から突出した突出部5−2と、を備えている。尚、一般に、基板1の表面が平坦であれば、ゲート5の突出部5−2は基板1の表面に対して平行(実質的に平行)に突出する。そして、ゲート5の突出部5−2の突出方向とカソード6の突出部16の突出方向は、互いに交差する関係にある。即ち、図2(b)においては、ゲート5の突出部5−2の突出方向とカソード6の突出部16の突出方向とが直交する(90°で交わる)。そして、ゲート5の突出部5−2の突出方向とカソード6の突出部16の突出方向は90°以下で交差することが好ましい。突出部16の突出方向は、概ね、図2(b)のような断面における絶縁部材3の側面に沿った方向と言い換えることができる。また、突出部5−2の突出方向とは、概ね、図2(b)のような断面における基部5−1から突出部5−2が伸びている方向と言い換えることができる。
尚、基部5−1と突出部5−2は、理解を容易にするために用いた概念であり、基部5−1と突出部5−2を一体の部材とする形態、即ち、基部5−1と突出部5−2との明確な境界が存在しない形態とすることもできる。
基部5−1は、絶縁部材3の上面の一部に接続している(絶縁部材3の上面に載置されている)。図2(b)のように、絶縁部材3が、第1絶縁層3aと第2絶縁層3bとで構成される場合には、基部5−1は、第2絶縁層の上面3gに接続している。尚、基部5−1は、その底面の一部が絶縁部材3の上面と接続しない形態とすることもできる。即ち、基部5−1の一部(カソード6側の端部)が絶縁部材3の上面との間に空隙を形成している形態とすることもできる。尚、図2(b)では、基部5−1の底面の全てが、絶縁部材3の上面の一部と接続する形態となっている。
また、ゲート5の底面(絶縁部材3の上面に対向する面)に対するゲート5の側面5aの角度は、図2(b)では90°である場合を示したが、電子放出効率ηを向上するためには、90°より小さく設定することが望ましい。
また、ここでは、電子放出素子を上から見た際(図2(a)の方向から見た際)に、ゲート5の突出部5−2の外周(側面5a)が直線形状である場合を示した。しかしながら、本実施形態の電子放出素子はこのような形態に限定されるものではない。例えば、サイン波のような、円弧が連続した形態の外周(側面5a)とすることもできるし、三角波のような、直線同士が鋭角に繋がった形態の外周(側面5a)とすることもできる。また、例えば、突出部5−2の側面5aは円弧(曲率を有する)形状であるが、突出部同士の間に位置する部分は直線形状であるような組み合わせの形態とすることもできる。
尚、カソード6の突出部16との位置合わせの観点からは、少なくとも、ゲート5の突出部15の側面5a(特に突出部5−2の、基部5−1からの距離から最も離れた、先端に位置する部分の側面5a)は円弧(曲率を有する)形状であることが望ましい。
そして、ゲート5はモリブデンと酸素とを含む層を備えている。モリブデンと酸素とを含む層は、TEM−EELS法によるスペクトル測定で、397eV〜401eVの範囲と414eV〜418eVの範囲と534eV〜538eVの範囲と540eV〜547eVの範囲の夫々にピークを有する(図1(a)、図1(b)参照)。このようなスペクトルを備えるゲートを備えた電子放出素子は、良好な電子放出特性を備えることができる。このようなピークを備えない電子放出素子では、電子放出効率が低くなる。
尚、TEM−EELS法は、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope)中における電子エネルギー損失分光法(Electron Energy−Loss Spectroscopy)を指す。TEM−EELS法については、 「透過電子エネルギー損失分光における内殻励起スペクトルを利用した軽元素材料の局所領域構造解析」、武藤俊介(他1名)著、表面科学、Vol.23、No.6、pp.381−388、(2002)に開示されている。
また、ゲート5は、上記層のみで構成することもできるし、ゲート電極と、当該ゲート電極の表面の少なくとも一部であって、カソードから放出された電子が照射される部分に、上記層(ゲート層)を設けた(積層した)態様とすることもできる。図2(b)のような態様においては、カソード6から電界放出された電子のうち、ゲート5に照射される電子は、ゲート5の側面5aに入射する場合が多い。そのため、上記ゲート層は、少なくとも、ゲート電極の側面に設けておくことが望ましい。また、ゲート電極の底面(前述した絶縁部材3の第2の上面と空隙を挟んで(離間して)対向している部分)にもゲート層を設けることがより望ましい。このため、例えば、図2(b)で示した突出部5−2が上記層で構成された態様であってもよい。
本発明の電子放出素子を駆動する際には、図7に示すように、電子放出素子から所定距離(例えば数mm)離れてアノード20が設けられる。そして、ゲート5に印加される電位よりも十分に高い電位(例えばゲートの電位よりも2ケタ上の電位)がアノード20に印加される。これによって、カソード6から電界放出された電子がゲート5の表面で散乱された後、アノード20に到達する。アノードに蛍光体などの電子の照射により発光する発光体を設ければ、発光デバイスを形成することができる。このような発光デバイスを多数配列することでディスプレイを形成することができる。また、アノードに印加する電位を数百kVに設定すれば放射線発生装置を形成することができる。
以下、具体的な本発明の電子放出素子の実施例を説明する。
本実施例の電子放出素子の作製工程を図6(a)〜図6(f)に示した断面模式図を用いて以下に示す。
(工程1)まず最初に図6(a)に示すように基板1上に絶縁層30、40と、導電層50を積層する。尚、基板1は高歪点低ナトリウムガラス(旭硝子株式会社製 PD200)を用いる。
絶縁層30は、窒化シリコン膜をSiH、NH、N、Hガスを用いたCVD法にて形成し、その厚さを、500nmとする。絶縁層40は、酸化シリコン膜を、SiH、NOガスを用いたCVD法にて形成し、その厚さを、30nmとする。導電層50は窒化タンタル膜で構成し、スパッタ法にて形成し、その厚さとしては、30nmとする。
(工程2)次に、フォトリソグラフィー技術により導電層50上に不図示のレジストパターンを形成したのち、ドライエッチング法を用いて導電層50、絶縁層40、絶縁層30を順に加工する(図6(b)参照)。
この第1エッチング処理により、導電層50および絶縁層30はパターニングされてゲート電極5Aおよび第1絶縁層3aとなる。この時のエッチングガスとしては、絶縁層(30、40)及び導電層50にはフッ化物を作る材料が選択されているため、CF系のガスを用いる。このガスを用いてRIEを行うと、絶縁層(30、40)およびゲート電極5Aのエッチング後の側面の角度は基板1の表面(水平面)に対しておよそ60°の角度で形成される。
(工程3)続いて、レジストを剥離した後、BHF(ステラケミファ(株)製 高純度バッファードフッ酸LAL100)を用いて、凹部7の深さが約70nmになるように絶縁層40をエッチングする(図6(c)参照)。
上記BHFはフッ化アンモニウムとフッ酸との混合溶液である。この第2エッチング処理により、第1絶縁層3aと第2絶縁層3bとからなる絶縁部材3に、凹部7を形成する。
(工程4)次に、第1絶縁層3aの斜面3f上および上面3e上、及びゲート電極5上に、少なくとも第1絶縁層3aの斜面3f上の厚さが35nmになるように、モリブデン(Mo)を電子ビーム加熱蒸着法にて成膜する(図6(d)参照)。
この工程によって、導電性膜60Aと導電性膜50Bを同時に成膜する。導電性膜60Aと導電性膜60Bは接触するように形成する。本実施例では電子ビーム加熱蒸着の条件として、基板1の温度を100℃、蒸着速度(堆積速度)2.5Å/sec、全圧1×10−3Paで行う。
(工程5)次に、導電性膜60Aと導電性膜60Bに対するウェットエッチング処理(第3エッチング処理)を行う(図6(e)参照)。
エッチャントには濃度0.238wt%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)を用い、このエッチャントに導電性膜(60A、50B)を40秒間浸漬処理した後に、流水で5分間洗浄する。このようにして導電性膜(60A、50B)に対するアルカリ処理を行うことで、導電性膜(60A、50B)のそれぞれにおける膜密度の低い部分を、優先的にエッチングされる。その結果、角部32に沿って設けられた複数の突出部16を備えるカソード6(図2(b)、(c)参照)と、カソード6と間隙8を隔てて対向し且つゲート電極の少なくとも側面5aを覆うゲート層5Bと、を形成することができる。尚、当然であるが、第3エッチング処理により、導電性膜60Aがカソード6になり、導電性膜50Bがゲート層5Bとなる。
(工程6)次に、導電性膜60Aと導電性膜50Bとを大気に暴露する。具体的には、工程4を経た基板1を、大気中に取り出し、室温で1時間放置することにより行うことができる。
(工程7)最後に図6(f)に示すように、カソード電極2を形成する。カソード電極2の材料には銅(Cu)を用いる。その作成方法としてはスパッタ法を用い、その厚さは、500nmとする。
作成した電子放出素子の1.7mm上方にアノード20を、図7に示すように、設けて、アノード20の電圧を10kVとして電子放出特性を測定したところ、カソード電極2とゲート電極5との間に印加する駆動電圧Vfが23Vの時に、電子放出電流Ieが24μAであった。この時の電子放出特性を図5(a)に示す。
また本実施例におけるゲート層5Bの表層付近(ゲート電極5の側面5aを覆う部分)についてTEM−EELS測定をおこなった。測定試料は、集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて、作成した電子放出素子のゲート層5Bの表層付近を、図6(f)のように、基板1の表面に対して垂直な切断面を有するように、薄片化したものを使用した。試料厚は100nm程度であり、最後の薄片化加工は加速電圧2kVのGaイオンを用いておこなった。
TEM−EELS測定には加速電圧200kVの透過電子顕微鏡を用い、ビーム径を2nm程度まで絞って測定をおこなった。測定したエネルギー領域は360eV〜560eVである。以降、図示するスペクトルは測定されたスペクトルの一部分を拡大したものである。
ゲート層5Bはモリブデンと酸素を含む膜であるため、注目するエネルギー領域は、モリブデン由来のスペクトルが現われる380eV〜430eVと、酸素由来のスペクトルが現われる520eV〜570eVである。
得られたスペクトルを図1(a)、図1(b)に示す。本実施例では、モリブデン由来のスペクトルは399eVと416eVにピークを有し、酸素由来のスペクトルは536eVと545eVにピークを有している。また、それぞれのピークの半値全幅(FWHM)は、399eVのピーク(第1のピーク)が4eV、416eVのピーク(第2のピーク)が7eV、536eVのピーク(第3のピーク)が3eV、545eVのピーク(第4のピーク)が11eVである。
尚、本実施例と同様の製造方法で多数の電子放出素子(サンプル)を作成して、ゲート層5BのTEM−EELS測定を行った。その結果全てのサンプルで、第1のピークは397eV〜401eVの範囲に、第2のピークは414eV〜418eVの範囲に、第3のピークは534eV〜538eVの範囲に、第4のピークは540eV〜547eVの範囲に存在することがわかった。また、全ての電子放出素子における、第1のピークのFWHMは3〜5eVであり、第2のピークのFWHMは6〜8eVであり、第3のピークのFWHMは2〜4eVであり、第4のピークのFWHMは9〜14eVであることがわかった。
一方、比較のため、MoとMoOとMoOのそれぞれの市販の標準試料(キシダ化学株式会社製)についても、上記と同様のTEM−EELS測定を行った。
図3(a)および図3(b)に標準試料のMoのEELスペクトルを示す。図3(c)および図3(d)にMoOのEELスペクトルを示す。図3(e)および図3(f)にMoOのEELスペクトルを示す。
図1(a)及び図1(b)と、図3(a)及び図3(b)とを比較する。図3(a)では396eVに第1のピークが測定されているが、図1(a)の第1のピークとはピーク位置が異なることがわかる。また、図3(b)には図1(b)に見られる第3および第4のピークが測定されていない。
次に図1(a)及び図1(b)と、図3(c)及び図3(d)とを比較する。図3(c)の第1のピークは図1(a)の第1のピークと同じく399eVにみられる。一方、図3(d)では第3のピークが538eVに、第4のピークが548eVにみられ、これらのピークの位置は、図1(b)の第3および第4のピークの位置とは異なっている。
次に図1(a)及び図1(b)と、図3(e)及び図3(f)を比較する。図3(e)の第1のピークは398eVにみられ、図1(a)の第1のピークの位置とは僅かな違いしかない。しかし、図3(f)では第3のピークが533eVに、第4のピークが546eVにみられており、図1(b)の第3のピークの位置とは大きく異なっている。
これらのことから、カソード6から放出された電子が照射される、ゲート5の表層部分(ゲート層5B)は、純粋なMoやMoOやMoOとは異なった特別な組成を備えることがわかる。
(比較例1)
本比較例1では、実施例1におけるゲート層の形成方法を変更した。具体的には、実施例1の工程1から工程3までは実施例1と同様に行った。以下では工程4以降について図8(d)〜図8(f)を用いて説明する。図8(d)〜図8(f)は実施例1で説明した図6(d)〜図6(f)に対応する。
(工程4)次に、第1絶縁層3aの斜面3f上および上面3e上及びゲート電極5A上に、モリブデン(Mo)を、指向性スパッタリング法で成膜する(図8(d)参照)。この工程により、導電性膜60A1と導電性膜50B1が形成される。尚、導電性膜50B1はゲート電極5の側面5aと上面5bとを覆っている。
上記成膜工程では、スパッタタ−ゲットに対する基板1の表面の角度を水平になるようにセットした。ここではスパッタ粒子が限られた角度(具体的には基板1の表面に対して80°)で基板1の表面に入射されるよう、基板1とターゲットの間に遮蔽板を設けた。更に、アルゴンプラズマをパワー3kW、真空度0.1Paで生成し、基板1とMoターゲットとの距離を60mm(0.1Paでの平均自由行程以下)になるように基板1を設置した。そして、絶縁層3の斜面上のMoの厚さが15nmになるように10nm/minの蒸着速度で形成した。
(工程5)導電性膜50B1を覆うようにレジストマスク100を導電性膜60B1の上にのみ形成する。続いて、実施例1と同様にして、第1絶縁層3aの斜面3f上および上面3e上、及びゲート電極5A上に、モリブデン(Mo)を電子ビーム加熱蒸着法にて成膜する。電子ビーム加熱蒸着法における諸条件は実施例1の工程4に記載したものと同じである。この工程により、導電性膜60A2を覆う導電性膜60A1と、マスク100を覆う導電性膜60B2とが形成される。なお、第1絶縁層3aの斜面3f上に位置する、導電性膜60A1と導電性膜60A2のトータルの厚さが、実施例1と同様に35nmになるように成膜を行った。
(工程6)次に、実施例1の工程5と同様にして、導電性膜60A2と導電性膜60B2に対するウェットエッチング処理(第3エッチング処理)を行う。ウエットエッチングの諸条件は実施例1の工程5と同様とした。
(工程8)最後に、レジストマスク100を剥離して、ゲート電極5Aの上面5bおよび側面5aを覆うゲート層5B(導電性膜50B1)を露出させた後、カソード電極2を実施例1と同様にして形成した(図7(f))。
上記工程を経て形成した電子放出素子と実施例1の電子放出素子は、カソード6の突出部16の形状、ゲート層5Bとカソード6との最短距離である間隙8の幅が同等であることがTEM像から確認された。
この電子放出素子の電子放出特性を実施例1と同様に測定したところ、カソード電極2とゲート電極5Aとの間に印加する駆動電圧が23Vの時に、電子放出電流Ieが21μAであった。この時の素子の電子放出特性を図5(b)に示す。
また本比較例におけるゲート層5Bのゲート電極5Aの側面5aを覆う部分におけるEELスペクトルを、実施例1と同様に測定した結果を図4に示す。本比較例では398eVと415eVにモリブデン由来のピークを有するが、520eV〜570eVの範囲には酸素由来のピークが認められない。
また、実施例1の工程6の大気への暴露工程を行わない以外は実施例1と同様にして作成した電子放出素子を作成したところ、比較例1の電子放出素子とほぼ同様のEELスペクトルが測定された。すなわち、520eV〜570eVの範囲に酸素由来の有意なピークは認められなかった。また、電子放出電流Ie、および、電子放出効率(カソードとゲートの間を流れる電流(If)に対する電子放出電流(Ie)の比=Ie/If)は、実施例1の電子放出素子よりも低かった。
5 ゲート
6 カソード

Claims (3)

  1. カソードと該カソードから電界放出された電子が照射されるゲートとを備える電子放出素子であって、
    前記ゲートは、前記カソードから電界放出された電子が照射される部分に、モリブデンと酸素とを含む層を少なくとも有しており、
    前記層が、透過電子顕微鏡を用いた電子エネルギー損失分光法によるスペクトル測定において、397eV〜401eVの範囲と414eV〜418eVの範囲と534eV〜538eVの範囲と540eV〜547eVの範囲のそれぞれにピークを有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記ゲートはゲート電極を含み、前記層が前記ゲート電極を覆うことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 請求項1または2に記載の電子放出素子とアノードとを備えることを特徴とする装置。
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