JP2012086791A - 油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両のステアリング操作を油圧シリンダ21によってアシストする油圧式パワーステアリング装置は、油圧シリンダ21に対する作動油の給排量を変更可能な流量制御弁23と、操舵トルクセンサ、操舵角センサ及び車速センサと、これらセンサの検出結果に基づいて油圧シリンダ21に作動油を給排する際の給排態様を設定し、その設定された給排態様に応じて流量制御弁23を制御するECUとを備えている。
【選択図】図3
Description
図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、油圧式パワーステアリング装置1において、ステアリングホイール11が固定されたステアリングシャフト12と転舵シャフト16とは、それらに形成されたラック及びピニオンからなるピニオン・ラック機構15を介して連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト12の回転は、このピニオン・ラック機構15により転舵シャフト16の往復直線運動に変換される。そして、このステアリングシャフト12の回転に伴う転舵シャフト16の往復直線運動が、同転舵シャフト16の両端に連結されたタイロッド17を介して図示しないナックルに伝達されることにより、操舵輪18の舵角が変更されるようになっている。
ECU31には、トルクセンサ32、操舵角センサ33及び車速センサ34の出力信号に基づいて算出した操舵トルクτ、操舵角θ及び車速Vに基づいて目標アシスト力ASを算出するとともに、この目標アシスト力ASに基づいて流量制御弁23の開度指令値TAを演算する開度演算部71が設けられている。そして、ECU31は、開度演算部71の開度指令値TAに基づいて、電動ポンプ22の流量Qと、流量制御弁23による油圧シリンダ21に対する作動油の給排態様を制御する。
駐車支援制御は、駐車時に車両に取り付けられたモニタからの情報に基づいて、自動的にステアリング操作を実行することにより予め設定した駐車位置に駐車するものである。この駐車支援制御では、まず、図示しない車両側のECUによって予め設定された目標駐車位置とモニタからの情報である現在の車両位置との位置関係に応じて駐車するためのトルク指令値τaが算出される。そして、このトルク指令値τaはECU31(開度演算部71)に入力されるとともに、開度演算部71は、トルク指令値τa、車速V及び操舵トルクτに基づいて、現在の車両位置が目標駐車位置と一致するような開度指令値TAを算出する。そして、この開度指令値TAに基づいて、上述のように電動ポンプ22の流量Q及び各油圧室43,44の作動油の供給の切り替え及び切り替えられた油圧室への作動油の供給量を制御する。
図3に示すように、有底円筒形状をなす流量制御弁23のハウジング51内には、油圧シリンダ21への作動油の供給を調整するための円環状の調整弁52が固定されている。この調整弁52内には、中空円筒形状の弁部53が挿通されている。この弁部53は、その軸方向の一端に取り付けられたモータ54によって回転するとともに、その軸方向においてハウジング51の両端に設けられた軸受部材55により回動可能に支持されている。
車両の直進走行時または停止時のようにステアリング操作を行わないとき、すなわち、閉鎖状態に維持されているとき、図4に示すように、弁部53の凹部68は、第1ポート61の凹部61C及び第2ポート63の凹部63Cのそれぞれと径方向に重ならない。すなわち、流量制御弁23は第3モードとなる。このとき、電動ポンプ22は停止する。
(1)本実施形態では、ECU31が油圧シリンダ21への作動油の給排態様を開度指令値TAとして設定し、この開度指令値TAに基づいて流量制御弁23を制御することにより、油圧シリンダ21に対する作動油の給排態様、換言すれば油圧シリンダ21のアシスト力をそのときどきの車両の運転状態に即したかたちで変更することができる。このため、運転者によるステアリングホイールの操作に応じて一義的に油圧シリンダにおける作動油の給排態様が決定される従来の油圧式パワーステアリングと異なり、油圧シリンダのアシスト力をより高い自由度をもって制御することができるようになる。
図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と比較して異なる部分について詳細に説明するとともに、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態では、流量制御弁の構成及び制御が異なる。
車両の直進走行時及び停止時のようなステアリング操作を行わないとき、すなわち弁部82が閉鎖状態に応じた位置に維持されるとき、図6(a)に示すように、弁部82は、第1ポート85及び第2ポート86の両方を塞ぐようになる。すなわち、流量制御弁80は第3モードとなる。このとき、電動ポンプ22は停止する。
(4)本実施形態では、弁部82の往復動方向の両端に設けられたコイルばね88の復元力により、コイル87の電流供給が停止されたとき、弁部82は閉鎖状態に応じた位置に維持されるため、コイル87の電流供給のみで弁部82を位置制御する場合と比較して、容易な構成にて弁部82を閉鎖状態に応じた位置に維持することができる。また例えばコイル87に異常が生じた場合であっても、弁部82が閉鎖状態に応じた位置に自動的に復帰するため、油圧シリンダ21に意図しないアシスト力が発生することを抑制することができる。
本発明の油圧式パワーステアリング装置の具体的な構成は、上記各実施形態の内容に限定されるものではなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記各実施形態において、開度指令値TAに基づいて、電動ポンプ22はモータ45の回転速度により流量Qが制御されたが、これに代えて例えば図9に示すようにモータ45の電流値により電動ポンプ22の圧力Pを制御することもできる。すなわち、電流値演算部71Aは、操舵トルクτ、操舵角θ及び車速Vに基づいてモータ45に供給する電流指令値IAを算出する。そして、流量補正制御部78は、電流指令値IAに基づいて第1モード及び第2モードの切り替えと第1モード及び第2モードにおける油圧室へ供給する作動油の流量指令値QAとを算出する。この流量指令値QAはフィードバック制御部73に入力される。一方、フィードバック制御部73には、電流検出部79により検出された実電流IRと、回転角検出部74により検出された実回転角度SRとが入力される。そして、フィードバック制御部73は、流量指令値QAと、実電流IR及び実回転角度SRに基づく電流フィードバック制御とに基づいて駆動回路76に出力するモータ制御信号を生成する。これにより、電動ポンプ22の圧力Pが制御される。一方、流量指令値QAは、開度制御部77に入力される。開度制御部77は、第1実施形態と同様に、流量指令値QAに基づいて流量制御弁23の開度を制御する。
Claims (11)
- 車両のステアリング操作を油圧シリンダによってアシストする油圧式パワーステアリング装置において、
前記油圧シリンダに対する作動油の給排量を変更可能な流量制御弁と、
前記車両の運転状態を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて前記油圧シリンダに作動油を給排する際の給排態様を設定し、その設定された給排態様に応じて前記流量制御弁を制御する制御部とを含む
ことを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。 - 前記検出手段は操舵トルク及び操舵角並びに車速の少なくとも一つを前記車両の運転状態として検出する
ことを特徴とする請求項1記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記制御部は、目標駐車位置と現在の車両位置との位置関係に応じた情報を取り込んで同情報と前記検出される車両の運転状態の検出結果とに基づいて前記油圧シリンダに作動油を給排する際の給排態様を設定し、その設定された給排態様に基づいて前記車両位置が前記目標駐車位置と一致するように前記流量制御弁を制御する
請求項2に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記制御部は、路面の走行レーンにおける車両位置に応じた情報を取り込んで同情報と前記検出される車両の運転状態の検出結果とに基づいて前記油圧シリンダに作動油を給排する際の給排態様を設定し、その設定された給排態様に基づいて前記車両が前記走行レーン内に位置するように前記流量制御弁を制御する
請求項2または3に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記油圧シリンダは、転舵シャフトに設けられたピストンによりその内部が第1油圧室と第2油圧室とに区画されるものであり、
前記流量制御弁は、
作動油が供給される供給ポート、前記作動油が排出される排出ポート、前記第1油圧室に接続される第1ポート、前記第2油圧室に接続される第2ポートがそれぞれ周方向の異なる位置に形成されたハウジングと、このハウジングに回転可能に収容されるとともに、各ポートの連通状態を、前記供給ポートと前記第1ポートとを連通するとともに前記排出ポートと前記第2ポートとを連通する第1モードと、前記供給ポートと前記第2ポートとを連通するとともに前記排出ポートと前記第1ポートとを連通する第2モードとに切り替える弁部と、同弁部を回動駆動するモータとを含み、
前記制御部は、前記設定された給排態様に応じて前記弁部の回動量を前記モータを通じて調節することにより前記第1モード及び前記第2モードの切り替えと、それら各態様における前記第1及び第2ポートの作動油の給排量を調節する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 請求項5に記載の油圧式パワーステアリング装置において、
前記流量制御弁は前記モータの駆動に基づく前記弁部の回動によって捻られるトーションバーを備え、
同トーションバーは、前記モータが停止したとき、各ポートの連通状態を前記第1モードまたは前記第2モードから前記各ポートのいずれも閉鎖する状態に応じた位置に前記弁部を戻す
ことを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。 - 請求項5に記載の油圧式パワーステアリング装置において、
前記流量制御弁は前記モータの回転位置を検出するセンサを有し、
前記センサにより検出された前記モータの回動位置に基づいて前記弁部の位置が制御される
ことを特徴とする油圧式パワーステアリング装置。 - 前記油圧シリンダは、転舵シャフトに設けられたピストンによりその内部が第1油圧室と第2油圧室とに区画されるものであり、
前記流量制御弁は、
作動油が供給される供給ポート、前記作動油が排出される排出ポート、前記第1油圧室に接続される第1ポート、前記第2油圧室に接続される第2ポートがその長手方向の異なる位置にそれぞれ形成されたハウジングと、このハウジングに往復運動可能に収容されるとともに、各ポートの連通状態を、前記供給ポートと前記第1ポートとを連通するとともに前記排出ポートと前記第2ポートとを連通する第1モードと、前記供給ポートと前記第2ポートとを連通するとともに前記排出ポートと前記第1ポートとを連通する第2モードとに切り替える弁部と、同弁部を往復駆動する駆動機構とを含み、
前記制御部は、前記設定された給排態様に応じて前記弁部を前記長手方向の移動量を前記駆動機構を通じて調節することにより前記第1モード及び前記第2モードの切り替えと、それら各態様における前記第1及び第2ポートの作動油の給排量を調節する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記流量制御弁はモータの回動運動を往復運動に変換する変換機構を前記駆動機構として有するとともに、同変換機構を通じた前記弁部の往復動方向における移動量に応じて弾性変形する弾性部材を有し、
前記制御部は前記弾性部材の弾性力に応じて前記モータに作用するトルクにより変化する同モータの電流値に基づいて前記弁部の往復動方向における位置を検知しつつその位置を制御する
請求項8に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記流量制御弁はモータの回動運動を往復運動に変換する変換機構を前記駆動機構として有し、
前記制御部は前記変換機構における前記モータの回動量と前記弁部の往復動方向における移動量との関係に基づいて前記弁部の往復動方向における位置を検出しつつその位置をモータの回動量に基づいて制御する
請求項8に記載の油圧式パワーステアリング装置。 - 前記流量制御弁は、前記弁部の端部に設けられて同弁部をその電磁力により吸引駆動する電磁ソレノイドと同電磁ソレノイドの吸引力に抗して前記弁部を付勢する弾性部材とを含み、この電磁ソレノイドの電磁力を調節することにより前記弁部の往復動方向における位置を制御する
請求項8に記載の油圧式パワーステアリング装置。
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