JP2012086535A - 液体噴射装置および弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクを良好に攪拌することで沈降の発生を抑制できる液体噴射装置および弁装置を提供する。
【解決手段】媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッド3と、液体噴射ヘッド3に供給される液体を収容する液体収容部6と、液体噴射ヘッド3と液体収容部6との間の液体流路の途中に設けられ、液体を一時的に貯留させる液体貯留室を含む自己封止弁と、自己封止弁の下流側における下流側流路内にて液体を攪拌可能な攪拌機構と、を備える液体噴射装置100である。
【選択図】図1
【解決手段】媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッド3と、液体噴射ヘッド3に供給される液体を収容する液体収容部6と、液体噴射ヘッド3と液体収容部6との間の液体流路の途中に設けられ、液体を一時的に貯留させる液体貯留室を含む自己封止弁と、自己封止弁の下流側における下流側流路内にて液体を攪拌可能な攪拌機構と、を備える液体噴射装置100である。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体噴射装置および弁装置に関するものである。
従来から、インク滴を記録紙(媒体)に対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェットプリンター(以下、「プリンター」という。)が広く知られている。このようなプリンターにおいて、インクを一時貯留するとともに、一時貯留したインクの圧力変動を抑制した状態で液体噴射ヘッドへ供給するための圧力調整弁(自己封止弁)を備えたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術においては、インク流路の途中でインク成分の沈降が生じ、液体噴射ヘッドからインクを良好に吐出できなくなるといった問題があった。ここでいう「沈降」とは、一定期間液体を放置しておいた場合に、液体に含有されていた成分が沈殿し、液体の一部の領域に溜まることをいう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、インクを良好に攪拌することで沈降の発生を抑制できる液体噴射装置および弁装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の液体噴射装置は、媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容部と、前記液体噴射ヘッドと前記液体収容部との間の液体流路の途中に設けられ、前記液体を一時的に貯留させる液体貯留室を含む自己封止弁と、前記自己封止弁の下流側における下流側流路内にて前記液体を攪拌可能な攪拌機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の液体噴射装置によれば、攪拌機構が下流側流路内の液体を攪拌することができるので、液体噴射ヘッドには攪拌後の液体が供給されるようになる。よって、沈降の生じ易い液体を用いた場合であっても、液体噴射ヘッドから良好に噴射することができる。また、攪拌後の液体が液体噴射ヘッドに送られるので、液体の沈降に起因する目詰まりの発生を抑制することができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記攪拌機構は、前記下流側流路内を移動する移動体と、該移動体を磁力により移動させる移動部と、を含むのが好ましい。
この構成によれば、移動体が下流側流路内を移動することで液体を簡便且つ確実に攪拌させることができる。
この構成によれば、移動体が下流側流路内を移動することで液体を簡便且つ確実に攪拌させることができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記下流側流路には、前記移動体が一時的に収容される収容部が設けられるのが好ましい。
この構成によれば、収容部に移動体を収容することで、液体噴射ヘッドにおける液体噴射動作時に移動体が下流側流路を塞いでしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
この構成によれば、収容部に移動体を収容することで、液体噴射ヘッドにおける液体噴射動作時に移動体が下流側流路を塞いでしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
本発明の弁装置は、媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容部と、の間の液体流路の途中に用いられる弁装置であって、前記液体収容部から供給される前記液体を一時的に貯留させる液体貯留室と、前記液体貯留室と前記液体噴射ヘッドとの間を接続する液体流路と、前記液体流路内にて前記液体を攪拌可能な攪拌機構と、を備えたことを特徴とする。
本発明の弁装置によれば、攪拌機構が液体流路内の液体を攪拌することができるので、液体噴射ヘッドに攪拌後の液体を供給することができる。よって、沈降の生じ易い液体を用いた場合であっても、液体噴射ヘッドから液体を良好に噴射することができる。
また、上記弁装置においては、前記攪拌機構は、前記液体流路内を移動する移動体と、該移動体を磁力により移動させる移動部と、を含むのが好ましい。
この構成によれば、移動体が下流側流路内を移動することで液体を簡便且つ確実に攪拌させることができる。
この構成によれば、移動体が下流側流路内を移動することで液体を簡便且つ確実に攪拌させることができる。
また、上記弁装置においては、前記液体流路には、前記移動体が一時的に収容される収容部が設けられるのが好ましい。
この構成によれば、収容部に移動体を収容することで、液体噴射ヘッドにおける液体噴射動作時に移動体が下流側流路を遮るといった不具合の発生を抑制することができる。
この構成によれば、収容部に移動体を収容することで、液体噴射ヘッドにおける液体噴射動作時に移動体が下流側流路を遮るといった不具合の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
まず、本発明に係る液体噴射装置の一実施形態であるプリンターについて述べる。
図1は、プリンターの全体構成を示す平面図である。
本実施形態のプリンター100は、プリンター本体5と、インクカートリッジ6と、自己封止弁ユニット(弁装置)2および記録ヘッド3(液体噴射ヘッド)を搭載したキャリッジ4と、を備えて概略構成されている。本実施形態においては、インクカートリッジ6内に、例えば顔料インクが収容されている。すなわち、プリンター100は、記録ヘッド3から顔料インクを噴射可能とされている。
図1は、プリンターの全体構成を示す平面図である。
本実施形態のプリンター100は、プリンター本体5と、インクカートリッジ6と、自己封止弁ユニット(弁装置)2および記録ヘッド3(液体噴射ヘッド)を搭載したキャリッジ4と、を備えて概略構成されている。本実施形態においては、インクカートリッジ6内に、例えば顔料インクが収容されている。すなわち、プリンター100は、記録ヘッド3から顔料インクを噴射可能とされている。
プリンター本体5には、キャリッジ4を往復移動させるキャリッジ移動機構65(図6参照)と、記録紙(図示略)を搬送する紙送り機構66(図6参照)と、記録ヘッド3のクリーニング処理に用いられるキャッピング機構14と、記録ヘッド3のワイピング処理に用いられるワイピング部材WPと、記録ヘッド3に供給するインクを貯留(収容)したインクカートリッジ6とが設けられている。
キャリッジ移動機構65は、プリンター本体の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモーター9と、パルスモーター9の回転軸に接続されたこのパルスモーター9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンター本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に架け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12と、から構成されている。
このような構成のもとに、パルスモーター9を駆動することにより、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するようになっている。
このような構成のもとに、パルスモーター9を駆動することにより、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するようになっている。
また、紙送り機構66は、紙送りモーターやこの紙送りモーターによって回転駆動される紙送りローラー(いずれも図示せず)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン上に順次送り出すようになっている。
上記キャッピング機構14は、キャップ部材15、吸引ポンプ(不図示)等から構成される。キャップ部材15は、ゴム等の弾性材をトレイ形状に成型した部材によって構成してあり、ホームポジションに配設されている。なお、キャップ部材15は記録ヘッド3のノズル形成領域を覆った状態でノズル基板43のノズル形成面43Aに当接するようになっている。このホームポジションとは、キャリッジ4の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域に設定され、記録ヘッド3に対してクリーニング処理を行う際にキャリッジ4が位置する場所である。
記録ヘッド3のクリーニング処理時においては、キャリッジ4がホームポジションに位置し、キャップ部材15が記録ヘッド3のノズル基板43のノズル形成面43Aに当接して封止した状態で処理を行う。本実施形態中において、クリーニング処理とは、記録ヘッド3の各ノズル47からインクを強制的に排出させることでヘッドの吐出特性を維持あるいは回復させる所謂吸引処理を含んでいる。
具体的に説明すると、クリーニング処理(吸引処理)時には、封止状態で吸引ポンプ16を作動させることでキャップ部材15の内部(封止空部)を減圧し、記録ヘッド3内のインクがノズル47からインク滴として強制的に排出される。このとき、記録ヘッド3の全てのノズル47からインク滴が排出されるようになっている。
また、ワイピング部材WPは上記キャッピング機構14による吸引動作により、ノズル形成面43Aに付着したインクを拭き取るワイピング処理時に用いられるものである。ワイピング部材WPは、例えばエラストマー等の弾性部材から構成されている。
図2は、自己封止弁ユニット2の構成を示す斜視図である。自己封止弁ユニット2は、図2に示すように、インクを一時的に貯留させる圧力室(液体貯留室)22を含む圧力制御弁(自己封止弁)77を有している。
圧力制御弁77は、本体部20の一側面に形成されてインクカートリッジ6からのインクを受け入れる弁室21と、本体部20の他側面に形成され、上記弁室21内の開閉弁30を通過したインクを所定圧力に制御する圧力室22と、大気圧を受けて開閉弁30を開閉させる弾性隔壁37と、を含んで構成されている。弁室21は第1弁室21aおよび第2弁室21bを含む。圧力室22は、第1圧力室22aおよび第2圧力室22bを含む。ここで、第1弁室21aおよび第1圧力室22aは、本体部20における上方側の圧力制御弁77を構成するものであり、第1弁室21bおよび第1圧力室22bは、本体部20における下方側の圧力制御弁77を構成するものである。
弁室21および圧力室22は、本体部20の板厚方向から見て円形の形状である。また、弁室21と圧力室22とは、同軸位置に配置されている、すなわち、弁室21の中心と圧力室22の中心とが本体部20の板厚方向から見て一致した位置関係で配置されている。
本体部20の上部には、インク供給チューブ34から送られてくるインクを受け入れる流入部56a,56bが設けられている。具体的に、流入部56aにはインク供給チューブ34を介してインクカートリッジ6に接続されており、該インクカートリッジ6から白色の顔料インクが供給されるようになっている。また、流入部56bにはインク供給チューブ34を介してインクカートリッジ6に接続されており、該インクカートリッジ6から黒色の顔料インクが供給されるようになっている。
また、流入部56aは、インク流入路80を介して第1弁室21aに連通されている。また、流入部56bは、インク流入路81を介して第2弁室21bに連通されている。インク流入路81は、第1流路81aと第2流路81bとを含む。第1流路81aは、本体部20における第2圧力室22bと同じ側の面に設けられており、連通孔82を介して第2流路81bに接続されている。第2流路81bは、本体部20における第1圧力室22aと同じ側の面に設けられており、第2弁室21bに接続されるものである。
また、流入部56a,56bには、不図示のフィルターが取り付けられており、異物が弁室21内に侵入するのを抑制している。このフィルターは、インクカートリッジ6から弁室21に至る流路中の不純物をろ過して、開閉弁30(図3参照)の着座性を正常に維持するためのものである。
本体部20の下部には、圧力室22から供給されたインクを記録ヘッド3のケース流路24(図4参照)に送り出す流出部57a,57bが設けられている。流出部57aはインク流路68を介して第1圧力室22aに接続されている。インク流路68は、第1流路68aと第2流路68bとを含む。第1流路68aは連通孔90を介して第1圧力室22aに接続されるものであり、本体部20における第2圧力室22bと同じ側の面に設けられている。また、第2流路68bは連通孔91を介して第1流路68aに接続されるものであり、本体部20における第1圧力室22aと同じ側の面に設けられている。
また、流入部57bはインク流路69を介して第2弁室21bに連通されている。インク流路69は、連通孔92を介して第2弁室21bに接続されている。
ところで、本実施形態においては、上述のようにインクカートリッジ6内に顔料インクが収容されている。顔料インクは、耐ガス性、耐水性に優れるが、溶媒に色材を溶解した染料インクとは異なり、分散媒に顔料を分散させて製造されている。このため、長期間放置すると、顔料及び分散媒の比重差により顔料が沈降し、インクの濃度差が発生するおそれがある。特に白色インクは、その性質上、特に沈降が発生しやすいといった問題がある。なお、本実施形態では、沈降を生じ易いインクとして顔料インクを例示したが、本発明は該に限られることは無く、例えば、溶媒に対する比重が高い成分であって、インク組成物にあっては、例えば、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子から選択される1種を含むインク、またはそれらに結合または吸着した成分を含むインクを例示できる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラックを挙げることができる。金属顔料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタンの単体、またはそれらの合金を挙げることができる。中空樹脂粒子としては、例えば、米国特許第4880465号や特許第3562754号の明細書に記載されている中空樹脂粒子を挙げることができる。なお、中空樹脂粒子とは、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されているものである。中空樹脂粒子は、白色顔料として使用することができる。
これに対し、本実施形態に係るプリンター100は、圧力制御弁77の下流側流路内においてインクを攪拌可能な攪拌機構110を備えている。具体的に、本実施形態では、下流側流路として、沈降の生じ易い白色インクが流れるインク流路68の第2流路68bに攪拌機構110を設けている。この攪拌機構110を駆動させるタイミングとしては、記録ヘッド3からのインクの噴射動作の直前に行うのが望ましい。
攪拌機構110は、第2流路68b内を移動する移動体111と、この移動体111を磁力により移動させる移動部112と、を有している。本実施形態においては、移動体111として一方の半球部分の磁極がN極であり、他方の半球部分の磁極がS極である球状部材を用いている。
移動部112は、リニアモーター機構から構成されており、第2流路68bに沿って配置されている。移動体111は移動部112の磁力により第2流路68b内を簡便且つ確実に移動可能とされている。このような構成に基づき、移動体111が第2流路68b内を移動することで沈降が生じ易いインクを簡便且つ確実に攪拌できるようになっている。
なお、移動部112の構成は、リニアモーターのみに限定されない。例えば、N極またはS極に磁性された移動体111に対し、第2流路81bの両端部に設けた磁石の磁極をN極またはS極と切り替えることで移動体111を引き寄せる或いは引き離すような力を生じさせて第2流路68b内を移動させる構成であっても構わない。
また、第2流路68bには移動体111を一時的に収容可能な収容部113が設けられている。この構成によれば、収容部113に移動体111を収容することで、記録ヘッド3におけるインク噴射時に移動体111が第2流路68bを塞いでしまうといった不具合の発生を抑制できる。
図3は自己封止弁ユニット2の要部である圧力制御弁77の断面構成を示す図である。なお、弁室21および圧力室22は、図3に示すように、それらの中心部に設けられた連通孔23によって互いに連通されている。上記連通孔23には、弁軸25が貫通され、上記弁軸25の端部には、支持板26が結合されている。そして、この支持板26に、エラストマーのような弾性材料からなる環状の弁体27が固定されている。弁体27には、隆起した環状の着座部28が設けられている。この着座部28が、弁室21の底面に形成された着座面29すなわち弁座に着座するようになっている。着座部28の直径は、連通孔23の直径よりも大きく設定されている。これにより、弁体27が着座面29に着座したりはなれたりすることにより、連通孔23が開閉されるようになっている。一方、弁軸25の直径は、連通孔23の内径よりも小さく設定されている。これにより、この径差によって、インクの流通路が形成されている。上記のように、弁体27および着座面29によって開閉弁30が構成され、この開閉弁30が弁室21内に収容されている。
他方、圧力室22内に位置する弁軸25の端部には、円盤状の受け板32が固定されている。この受け板32と圧力室22の底面33との間に、圧縮コイルスプリング35が挿入されている。圧縮コイルスプリング35のばね力は、弁体27が着座面29に着座する方向に作用している。なお、この実施の形態においては、弁室21内に板ばね35が配置されている。この板ばね35は、インクが流通できる構造を有する。具体的には、例えば、円形のばね板に渦巻き状のスリットが設けられており、板ばね35により、圧縮コイルスプリング35と同方向のばね力が開閉弁30に作用している。
本体部20の圧力室22が開口している面に、ガスバリア性の高い可撓性のある弾性材料、例えばポリフェニレンサルファイドフィルムまたはポリイミドフィルム等の合成樹脂製フィルム、で構成されたシート部材36が熱溶着または接着剤で接合されている。シート部材36において圧力室22の開口部分を覆っている円形の部分が、後述の圧力制御弁の一部を構成する弾性隔壁37である。この弾性隔壁37に作用する大気圧によって得られる押圧力が、後述するように、開閉弁30を開閉させる。
前記シート部材36は、本体部20の弁室21が開口している側面にも、熱溶着あるいは接着で接合されている。すなわち、弁室21側に位置しているシート部材36は、圧力室22側に配置されているシート部材36と同様なポリフェニレンサルファイドフィルムまたはポリイミドフィルム等の合成樹脂製フィルムで構成されている。
以上の構成に基づき、自己封止弁ユニット2を通過するインクは、流入口57、弁室21、開閉弁30、連通孔23、圧力室22、インク流路68、69、及び、流出口57a,57bを通過するようになっている。
図4は、記録ヘッド3の構成を説明する断面図である。図4に示すように、記録ヘッド3は、合成樹脂のヘッドケース18を有したもので、このヘッドケース18の下端面に流路ユニット19を接合し、ヘッドケース18の内部にアクチュエータユニット17を収容し、流路ユニット19側とは反対側の上端面側に上記自己封止弁ユニット2が接続されるようになっている。
ヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路24が設けられている。このケース流路24の上端は上記自己封止弁ユニット2の流出口57a,57bにそれぞれ連通し、下端は流路ユニット19内の共通インク室44に連通するようになっている。したがって、自己封止弁ユニット2から導入されたインクは、ケース流路24を通じて共通インク室44側に供給されるようになっている。
アクチュエータユニット20は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子38と、この圧電振動子に接合される固定板39と、プリンター本体側からの駆動信号を圧電振動子38に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル40とから構成されている。各圧電振動子38は、固定端部側が固定板39上に接合され、自由端部側が固定板39の先端面よりも外側に突出している。すなわち、各圧電振動子38は、いわゆる片持ち梁の状態で固定板39上に取り付けられている。
固定板39は、圧電振動子38を支持するもので、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。アクチュエータユニット17は、固定板39の背面をケース内壁面に接着することでヘッドケース18に収納・固定されている。
流路ユニット19は、振動板41、流路基板42およびノズル基板43からなる流路ユニット構成部材が、積層された状態で一体化されて作製されたもので、共通インク室44からインク供給口45および圧力室46を通りノズル開口47aに至るまでの一連のインク流路を形成する部材である。圧力室46は、ノズル開口47aの列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されており、それぞれに対向する圧電振動子38を備えている。
共通インク室44は、自己封止弁ユニット2からのインクが導入される室である。この共通インク室44に導入されたインクは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給されるようになっている。
流路ユニット19の底部に配列されるノズル基板43は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル開口47aを列状に開設した金属製の薄い板材である。ノズル基板43の表面には、複数のノズル開口47aが形成されており、このようなノズル開口47aを形成したノズル基板43の表面により、ノズル開口47aが構成されている。すなわち、ノズル基板43の表面は、複数のノズル開口47aが形成されたノズル形成面43Aを構成している。
流路基板42は、結晶性を有する基材であるシリコンウェハを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板41は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板41の圧力室46に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子38の先端面が接合される島部48が形成されている。この部分は、ダイヤフラム部として機能するようになっている。すなわち、この振動板41は、圧電振動子38の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。
また、振動板41は、流路基板42の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部49としても機能するようになっている。このコンプライアンス部49に相当する部分については、ダイヤフラム部と同様に、エッチングなどにより支持板を除去して弾性フィルムだけにしている。
このような記録ヘッド3において、フレキシブルケーブル40を通じて駆動振動が圧電振動子38に供給されると、この圧電振動子38が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部48が圧力室46に近接する方向あるいは離間する方向に移動する。これにより、圧力室46の容積が変化し、圧力室46内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル47からインク滴Dが吐出されるようになっている。
図5はプリンター100の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター100は、図5に示すように、プリンター100全体の動作を制御する制御装置58を備えている。この制御装置58には、プリンター100の動作に関する各種情報を入力する入力装置59と、プリンター100の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置63と、時間の計測を実行可能な計測装置61とが接続されている。
また、制御装置58には、上述した紙送り機構66、キャリッジ移動機構65、キャッピング機構14等が接続されている。また、プリンター100は、圧電振動子38に入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器62を備えている。この駆動信号発生器62は、制御装置58に接続されている。また、制御装置58は、攪拌機構110の移動部112に電気的に接続されており、攪拌機構110の駆動を制御可能となっている。
駆動信号発生器62には、記録ヘッド3の圧電振動子38に入力する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータ、及び吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号が入力される。駆動信号発生器62は、入力されたデータ及びタイミング信号に基づいて吐出パルスを含む駆動信号を発生する。これにより、所定量のインク滴Dをノズル47から吐出することができる。
続いて、上記自己封止弁ユニット2の動作について説明する。制御装置58は、記録ヘッド3からのインクの噴射動作に先立ち、攪拌機構110を駆動する。これにより、自己封止弁ユニット2は、第2流路68b内を移動体111が移動することで沈降の生じ易い白色インクを良好に攪拌した状態で記録ヘッド3に供給することができる。制御装置58は、攪拌機構110によるインク攪拌動作が終了した後、移動体111を収容部113に収容する。これにより、移動体111が第2流路68bを塞ぐことを抑制している。
図6は自己封止弁ユニット2のインク吐出動作を説明するための図である。図6(a)に示す状態では、圧縮コイルスプリング35および板ばね35の力によって、弁体27の着座部28が着座面29に着座して連通孔23が閉じている。この状態から、印刷動作が開始されて記録ヘッド3からインクが吐出されると、このインク消費にしたがって圧力室22内のインクの圧力が低下する。このインクの圧力が所定値以下になると、大気圧が弾性隔壁37に作用しているために、圧縮コイルスプリング35が縮められるとともに板ばね35も図6(b)に示すように、右方に変形されて、着座部28が着座面29から離れる。これにより、連通孔23が開通状態となる、すなわち、開閉弁30が開弁した状態になる。
インク消費が進行して圧力室22内のインクの圧力が更に低下すると、図6(c)に示すように、開閉弁30は全開状態になる。これにより、インクカートリッジ6から送られてくるインクは弁室21及び連通孔23を経て圧力室22内に流入する。それによって圧力室22内の圧力が上昇すると、圧縮コイルスプリング35及び板ばね35の力により、着座部28が着座面29に再び着座して、連通孔23が再び閉弁状態となる。
このような構成に基づき、流入部56aから第1圧力室22aに流入したインクは、連通孔90を介して第1流路68aに送られ、さらに連通孔91を介して第2流路68bに送られるようになっている。また、第1圧力室22aに流入したインクは、最終的に、第2流路68bを介して流出部57aへと送られるようになっている。一方、流入部56bから第2圧力室22bに流入したインクは、連通孔92を介してインク流路69に送られ、流出部57bへと送られるようになっている。
圧縮コイルスプリング35及び板ばね35のばね定数や弾性隔壁37の受圧面積等は、インク消費に伴う圧力室22の内圧の変化量が小幅な範囲内で反復されるように、調整されている。したがって、記録ヘッド3に供給されるインクの圧力の変化量は、小幅な範囲内に制御される。これにより、インク滴の吐出状態が安定する。
以上述べたように、本実施形態に係るプリンター100によれば、攪拌機構110が設けられた自己封止弁ユニット2を備えるので、攪拌機構110が第2流路68bのインクを攪拌することができる。よって、記録ヘッド3に攪拌後のインクを供給することができる。したがって、沈降の生じ易い白色インクを用いる場合であっても、記録ヘッド3から良好に噴射することができる。
また、本実施形態では、沈降の生じ易い白色の顔料インクを収容したインクカートリッジ6と記録ヘッド3との間のインク流路のうち、記録ヘッド3の直前である第2流路68b内でインクを攪拌することができるので、記録ヘッド3内でのインクの沈降を起因とするノズル47の目詰まりの発生を抑制する場合に特に効果的である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上記実施形態は、2種類のインクを使用する構成であるため、自己封止弁ユニット2を一つ配設しているが、本発明は3種類以上のインクを使用する構成にも当然に適用されるものである。また、上記実施形態では、自己封止弁ユニット2のうち、沈降の生じ易い白色インクにおけるインク流路のみに攪拌機構を設ける場合について説明したが、黒色インクにおけるインク流路にも同様の攪拌機構を設ける構成にも当然適用可能である。
上述の実施形態では、液体噴射装置の一種として、インクジェット式のプリンターが採用されているが、インク以外の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用しても良い。例えば、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。
また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。
また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を、分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置などが挙げられる。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
2…自己封止弁ユニット(弁装置)、3…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、6…インクカートリッジ(液体収容部)、22…圧力室(液体貯留室)、77…圧力制御弁(自己封止弁)、68b…第2流路(下流側流路)、100…プリンター(液体噴射装置)、110…攪拌機構、111…移動体、112…移動部、113…収容部
Claims (6)
- 媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容部と、
前記液体噴射ヘッドと前記液体収容部との間の液体流路の途中に設けられ、前記液体を一時的に貯留させる液体貯留室を含む自己封止弁と、
前記自己封止弁の下流側における下流側流路内にて前記液体を攪拌可能な攪拌機構と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記攪拌機構は、前記下流側流路内を移動する移動体と、該移動体を磁力により移動させる移動部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記下流側流路には、前記移動体が一時的に収容される収容部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
- 媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに供給される前記液体を収容する液体収容部と、の間の液体流路の途中に用いられる弁装置であって、
前記液体収容部から供給される前記液体を一時的に貯留させる液体貯留室と、
前記液体貯留室と前記液体噴射ヘッドとの間を接続する液体流路と、
前記液体流路内にて前記液体を攪拌可能な攪拌機構と、を備えたことを特徴とする弁装置。 - 前記攪拌機構は、前記液体流路内を移動する移動体と、該移動体を磁力により移動させる移動部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の弁装置。
- 前記液体流路には、前記移動体が一時的に収容される収容部が設けられることを特徴とする請求項5に記載の弁装置。
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---|---|---|---|
JP2010237748A JP2012086535A (ja) | 2010-10-22 | 2010-10-22 | 液体噴射装置および弁装置 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
US9333754B2 (en) | 2014-03-06 | 2016-05-10 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and control method thereof |
US9476507B2 (en) | 2014-11-20 | 2016-10-25 | Seiko Epson Corporation | Valve, pressure controlling apparatus, liquid ejecting apparatus, and method of opening and closure valve |
-
2010
- 2010-10-22 JP JP2010237748A patent/JP2012086535A/ja active Pending
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