JP2012085591A - ダイエット食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可食キノコの粉砕品とクロレラ粉末との混合物に、繊維分解酵素による分解処理と、蛋白質分解酵素による蛋白質分解処理とを施して得られるキノコクロレラ抽出物と、少なくとも大麦、高麗人参、アロエ、ヨモギ、クマザサ、月桃葉、カリンを含んだ複数の可食植物素材を発酵させて得られる植物発酵物と、小麦粉をアミラーゼで処理した小麦粉アミラーゼ処理液をパントエア・アグロメランスによって発酵させて、同時に該パントエア・アグロメランスを培養して得られた小麦発酵抽出物と、を混合し、エクストルーダーで膨化することによって、課題を解決するダイエット食品を実現した。
【選択図】なし
Description
(1)可食キノコの粉砕品とクロレラ粉末との混合物に水を加える加水工程と、
(2)使用する繊維分解酵素に適したpH値に調整し、繊維分解酵素を添加した後、繊維分解酵素に適した温度で適時時間(例えば1〜2時間)保持する繊維分解処理工程と、
(3)使用する蛋白質分解酵素に適したpH値に調整し、蛋白質分解酵素を添加した後、蛋白質分解酵素に適した温度で適時時間(例えば1〜2時間)保持する蛋白質分解処理工程と、
(4)品温を高くして両酵素を失活させる酵素失活工程と、
(5)固形分を除去するろ過工程と、
(6)ろ液を濃縮し、凍結乾燥によって粉末状にする最終工程と、
を経て製造される。
(1)植物素材に水を加え混合する加水工程と、
(2)原料を蒸すための加熱工程と、
(3)種切りに適した温度に冷却し、発酵菌を接種した後、適温で適時時間(例えば1〜3日)保持する発酵工程と、
(4)殺菌のために加熱する殺菌工程と、
(5)乾燥させ粉砕し、ふるいにかける分級工程と、
(6)殺菌工程と、
を経て製造される。
(1)0.05〜10%の濃度になるように小麦粉を水に懸濁する加水工程と、
(2)1リットルあたり10〜50000単位アミラーゼを加えて10℃〜80℃で1〜24時間保温して、小麦でん粉を部分消化させるアミラーゼ処理工程と、
(3)予め調整した無機塩類混合溶液、塩化マグネシウム溶液、および、塩化カルシウム溶液を適量混合し、水を加え、0.1〜5%の小麦粉を含む懸濁液とする培地作成工程と、
(4)予め単離したパントエア・アグロメランスを添加し、1〜40℃で6時間から一週間発酵させる発酵工程と、
(5)発酵を終了させ、遠心分離(1000〜5000rpm、10〜60分間)等の操作により固形分を沈殿物として回収する回収工程と、
(6)回収した沈殿物を水または塩類緩衝液等で懸濁し、これを80〜140℃で10分から6時間保持して加熱抽出した後、遠心分離やろ過によって固形分を除去する加熱抽出工程と、
(7)ろ液を濃縮した後凍結乾燥にて粉末状にする最終工程と、
を経て製造される。
次のとおり本実施例1のダイエット食品を製造した(キノコクロレラ抽出物膨化品)。
(1)加水工程
エリンギ90%、ハナビラタケ6%、ヒマラヤタケ4%の混合粉砕物15kgと、クロレラ粉末15kgとを混合し、水を加えて増量して加熱した。品温90℃に達したところで加熱を終了し、その後40℃に保持した。
(2)繊維分解処理工程
繊維分解酵素のためのpH調整を行った。ここでは繊維分解酵素としてセルラーゼを使用するので、pH4.5に調整した。続いてセルラーゼAを1.7kg(クロレラ粉末の11.4%)添加した。その後、品温を40℃に保ち、2時間経過するのを待った。
(3)蛋白質分解処理工程
蛋白質分解酵素のためのpH調整を行った。ここでは蛋白質分解酵素としてパンクレアチンを使用するので、pH8.0に調整した。続いてパンクレアチンFを1.7kg(クロレラ粉末の11.4%)添加した。その後、品温を45℃に保ち、2時間経過するのを待った。
(4)酵素失活工程
品温が80℃に達するまで加熱して酵素を失活させた。
(5)ろ過工程
珪藻土ろ過により固形分を除去した。
(6)最終工程
ろ液を減圧濃縮、加熱減菌し、凍結乾燥して、キノコクロレラ抽出物を得た。
(7)膨化処理工程
膨化処理は、二軸型エクストルーダー(スエヒロEPM社製)により行った。キノコクロレラ抽出物のフィード量を10kg/時、添加水量を1kg/時、スクリュー回転数を100rpm、加圧力を1.3MPaとし、加圧・加熱処理を行った。このときの中間バレル温度は80℃、先端バレル温度は100℃、ダイプレート温度は100℃であった。ダイから押し出すことで膨化させた後、乾燥させ、200メッシュパス95%以上に粉砕し、ダイエット食品を得た。
次のとおり本実施例2のダイエット食品を製造した(植物発酵物の膨化品)。
(1)加水工程
大麦84.5%、あわ2.5%、ひえ2.5%、きび2.5%、たかきび1.5%、紫黒米1.5%、米粉1%、高麗人参エキス0.5%、アロエエキス0.5%、ヨモギエキス0.5%、クマザサエキス0.5%、月桃葉エキス0.5%、カリンエキス0.5%、ノブドウエキス0.5%、ウコンエキス0.5%の植物素材30kgに水10kgを加え混合した。
(2)加熱工程
原料を蒸すために品温を120度に加熱し、60分間保持した。
(3)発酵工程
40℃まで冷却し、麹菌3gを接種した。その後品温を40℃に保持したままで、2日間経過するのを待った。
(4)殺菌工程
殺菌のために品温を120度に加熱し、60分間保持した。
(5)分級工程
乾燥室(40℃)において1日間乾燥させた後、トルネード式粉砕機によって粉砕し、50メッシュパス95%以上にふるい分けした。
(6)殺菌工程
乾燥機(110℃)によって、18時間殺菌し、植物発酵物を得た。
(7)膨化処理工程
実施例1と同様であるため省略する。
次のとおり本実施例3のダイエット食品を製造した(キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物の混合品の膨化品)。キノコクロレラ抽出物および植物発酵物の製造並びに膨化処理については、実施例1および実施例2と同様であるため、小麦発酵抽出物の製造についてのみ説明する。
(A)種菌の調整
(A−1)小麦粉0.5gに蒸留水5mlを加え懸濁し、上澄みをLブロス寒天培地に0.1ml添加し、37℃で一晩培養した。
(A−2)黄色のコロニーを単離し、通常の方法で菌を同定し、パントエア・アグロメランスを単離し、これを50%グリセロール溶液に懸濁し、冷凍庫に保存した。このストックの一部をLB寒天培地にとり、37℃に放置してパントエア・アグロメランスの独立コロニーを作成した。
(A−3)前もって(C−3)と同じ組成で調製しておいた小麦粉培地10mlに、(A−2)で小麦粉より単離しておいたパントエア・アグロメランスのコロニーを一つ加え37℃で一晩(12〜15時間)緩やかに撹拌し、発酵させて、小麦粉発酵用の種菌を準備した。
(B)溶液の調整
(B−1)2リットルの三角フラスコにリン酸第二ナトリウム・7結晶水64g、リン酸第一カリウム15g、塩化ナトリウム2.5g、塩化アンモニウム5gをとり、精製水を加え全量1リットルとした(無機塩類混合溶液)。
(B−2)塩化マグネシウム・2結晶水13.1gをとり、精製水を加え全量を100mlとした(塩化マグネシウム溶液)。
(B−3)塩化カルシウム11.1gをとり、精製水を加え全量を100mlとした(塩化カルシウム溶液)。
(B−4)4リットルの精製水を5リットルの三角フラスコにいれた(精製水)。
(B−5)上記の溶液、精製水はすべてオートクレーブ(TOMY
BS−325、120℃、20分)して滅菌処理を行った。
(C)小麦発酵抽出物の製造
(C−1)加水工程
1リットルの三角フラスコに小麦粉(日清製粉)24gをとり、精製水を加え全量600mlとした(小麦粉加水液)。
(C−2)アミラーゼ処理工程
これを(B−5)と同様にオートクレーブした後、α−アミラーゼ(SIGMA、Bacillus、タンパク質1mg当たり1500〜3000単位の酵素活性)3mgを加え、65℃の水浴で4〜12時間加熱した(小麦粉アミラーゼ処理液)。
(C−3)培地作成工程
調整した溶液等をそれぞれ表1に示した量、無菌的に滅菌した3リットルの坂口フラスコに入れ小麦粉培地とした。
小麦粉培地に種菌を全量加え37℃で撹拌しながら、20〜30時間発酵させた。発酵液のpHを測定し、アンモニア水を加え、pHを7に調整した。これに、150mlの小麦粉アミラーゼ処理液と無機塩類混合溶液37.5mlを無菌的に添加し、同様に発酵を20〜30時間行った。同じ操作をさらに、もう一度繰り返し、合計で65〜80時間発酵させた。
(C−5)回収工程
発酵させた小麦粉発酵溶液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機
SCR−20B、5000rpm、20分間、4℃)し、沈殿を回収した。
(C−6)加熱抽出工程
回収した沈殿にリン酸緩衝液を加えて懸濁し、全量100mlとして、33mlずつ50ml遠心管に移し、沸騰水浴中で30分間加熱抽出した。加熱終了後、室温まで冷却し、本液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機
SCR−20B、10000rpm、20分間、20℃)した。遠心後、淡黄色の上清82mlをデカントで別の容器に回収した。
(C−7)最終工程
回収した上清を濃縮した後、凍結乾燥にて粉末状とし、小麦発酵抽出物を得た。
(D)配合および膨化処理
キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物を1:1:1(質量比)の割合で混合した。その後、実施例1と同様の方法で膨化し、ダイエット食品を得た。
実施例1と同様の方法で得たキノコクロレラ抽出物(未膨化品)を比較例1とした。
実施例2と同様の方法で得た植物発酵物(未膨化品)を比較例2とした。
次のとおり比較例3の粉末試料を製造した(キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物の混合品の未膨化品)。
(1)実施例1と同様の方法でキノコクロレラ抽出物を得た。実施例2と同様の方法で植物発酵物を得た。実施例3と同様の方法で小麦発酵抽出物を得た。
(2)それぞれを1:1:1の割合(質量比)で混合し、粉末試料を得た。
実施例1〜3および比較例1〜3について下記の条件で栄養分の吸着試験を行った。
脂溶性栄養分として、コレステロールおよびトリグリセリド(中性脂肪)について、吸着試験を行った。コレステロールまたはトリグリセリドの一定量を薬局方第2液(5mmol/Lコール酸(和光純薬工業)、10nMオレイン酸(和光純薬工業)を含むリン酸緩衝液pH6.8)と混ぜ、吸着能を評価したい検体を一定量(30mg/ml)加えた。37℃で60分振盪後、遠心分離により得られた上清中の残存栄養分を定量した。コレステロールおよびトリグリセリド濃度の測定は、BioVision社の測定キットの説明書に従った。
[式1]
残存栄養分の濃度/試験開始時の栄養分濃度×100=残存率(%)
100%−残存率(%)=吸着率(%)
(B)水溶性栄養分の吸着試験
水溶性栄養分として、可溶性でんぷん、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(スクロース)、グルコースの5種(全て和光純薬工業)について、吸着試験を行った。吸着試験の方法は、検体に、直接、糖質を添加したリン酸緩衝液を加え、一定時間、吸着された後に、溶液中の未吸着の糖質を除き、その後、沈殿にリン酸緩衝液を加え、加熱することで溶液中に遊離した糖質を測定するというものである。糖質の測定には、フェノール硫酸法を用いた。以下、具体的な方法を示す。
(B−2)リン酸緩衝液を690μl加え、さらに300μlの各糖(10mg/ml)を含むリン酸緩衝液を加え、撹拌した。その後、1時間、37℃にて振盪した。
(B−3)マイクロ遠心機(日立、SCT15B)を用いて遠心分離(10000rpm、5分間)を行い、上清を除いた。
(B−4)沈殿に、リン酸緩衝液を1ml加え、撹拌した。その後、ブロックヒーターを用いて100℃に加熱し、20分間保持した。
(B−5)室温まで冷ました後、マイクロ遠心機(日立、SCT15B)を用いて遠心分離(10000rpm、5分間)を行い、上清を糖含量の測定に供した。測定は、n=3で実施した。
(B−6)
上記測定用の上清100μlを1.5mlプラスチックチューブに入れ、5%フェノール水溶液100μlを加え、ボルテックスミキサーで撹拌した。
(B−7)濃硫酸500μlを加え、フタをして、直ちにボルテックスミキサーで撹拌した。
(B−8)反応液の温度が室温まで下がった後、各反応液200μlを96穴マイクロプレートに移し、プレートリーダーにより、主波長490nm、副波長668nmの吸光度値を測定した(島津製作所、分光光度計UV−1700)。
(B−9)グルコースを標準品として0μg/ml、12.5μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、75μg/ml、および、100μg/mlにより検量線を作成し、各検体の糖濃度をグルコース換算の値で求めた。
(A)脂溶性栄養分の吸着試験について
コレステロールの吸着率についての結果を表2に示した。また、トリグリセリドの吸着率についての結果を表3に示した。
可溶性でんぷん、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(スクロース)、グルコースの吸着率についての結果を表4に示した。
次のとおり本実施例4のダイエット食品を製造した(錠剤)。
実施例3のダイエット食品72g、還元麦芽糖水飴(三菱商事フードテック)1000g、および、セルロース(旭化成)620gを混合し、整粒して顆粒を製造した。この顆粒を二酸化ケイ素(富士シリシア化学)18gおよびショ糖エステル(三菱化学フーズ)90gを加えて打錠用顆粒とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が300mgの錠剤6000個を製造した。
<評価例2>
年齢20〜50歳で、BMIが25以上30未満(肥満1度)の健康な20人(男性10名、女性10名)をボランティアとして、ダイエット効果の評価試験に参加させた。各ボランティアのダイエット食品摂取前の体重を測定し、上記ダイエット食品を4週間毎日10錠ずつ摂取させた。そして、最後に摂取した翌日に体重を測定し、体重の減少率を下記式により算出した。なお、ボランティアには、朝・夕食前にそれぞれ5錠ずつ、1日合計10錠を摂取することだけを遵守させ、これまで摂取していた食事を制限する必要がないことを伝えた。
[式2]
(摂取4週間後の体重−摂取前の体重)/摂取前の体重×100=体重減少率(%)
その結果、体重減少率は、平均4.0%±1.0(標準誤差)であり、体重が減少する傾向が見られた。この結果は、本発明のダイエット食品が、ダイエット効果を有することを示している。
(1)可食キノコの粉砕品とクロレラ粉末との混合物に水を加える加水工程と、
(2)使用する繊維分解酵素に適したpH値に調整し、繊維分解酵素を添加した後、繊維分解酵素に適した温度で適時時間(例えば1〜2時間)保持する繊維分解処理工程と、
(3)使用する蛋白質分解酵素に適したpH値に調整し、蛋白質分解酵素を添加した後、蛋白質分解酵素に適した温度で適時時間(例えば1〜2時間)保持する蛋白質分解処理工程と、
(4)品温を高くして両酵素を失活させる酵素失活工程と、
(5)固形分を除去するろ過工程と、
(6)ろ液を濃縮し、凍結乾燥によって粉末状にする最終工程と、
を経て製造される。
(1)植物素材に水を加え混合する加水工程と、
(2)原料を蒸すための加熱工程と、
(3)種切りに適した温度に冷却し、発酵菌を接種した後、適温で適時時間(例えば1〜3日)保持する発酵工程と、
(4)殺菌のために加熱する殺菌工程と、
(5)乾燥させ粉砕し、ふるいにかける分級工程と、
(6)殺菌工程と、
を経て製造される。
(1)0.05〜10%の濃度になるように小麦粉を水に懸濁する加水工程と、
(2)1リットルあたり10〜50000単位アミラーゼを加えて10℃〜80℃で1〜24時間保温して、小麦でん粉を部分消化させるアミラーゼ処理工程と、
(3)予め調整した無機塩類混合溶液、塩化マグネシウム溶液、および、塩化カルシウム溶液を適量混合し、水を加え、0.1〜5%の小麦粉を含む懸濁液とする培地作成工程と、
(4)予め単離したパントエア・アグロメランスを添加し、1〜40℃で6時間から一週間発酵させる発酵工程と、
(5)発酵を終了させ、遠心分離(1000〜5000rpm、10〜60分間)等の操作により固形分を沈殿物として回収する回収工程と、
(6)回収した沈殿物を水または塩類緩衝液等で懸濁し、これを80〜140℃で10分から6時間保持して加熱抽出した後、遠心分離やろ過によって固形分を除去する加熱抽出工程と、
(7)ろ液を濃縮した後凍結乾燥にて粉末状にする最終工程と、
を経て製造される。
次のとおり参考例1のダイエット食品を製造した(キノコクロレラ抽出物膨化品)。
(1)加水工程
エリンギ90%、ハナビラタケ6%、ヒマラヤタケ4%の混合粉砕物15kgと、クロレラ粉末15kgとを混合し、水を加えて増量して加熱した。品温90℃に達したところで加熱を終了し、その後40℃に保持した。
(2)繊維分解処理工程
繊維分解酵素のためのpH調整を行った。ここでは繊維分解酵素としてセルラーゼを使用するので、pH4.5に調整した。続いてセルラーゼAを1.7kg(クロレラ粉末の11.4%)添加した。その後、品温を40℃に保ち、2時間経過するのを待った。
(3)蛋白質分解処理工程
蛋白質分解酵素のためのpH調整を行った。ここでは蛋白質分解酵素としてパンクレアチンを使用するので、pH8.0に調整した。続いてパンクレアチンFを1.7kg(クロレラ粉末の11.4%)添加した。その後、品温を45℃に保ち、2時間経過するのを待った。
(4)酵素失活工程
品温が80℃に達するまで加熱して酵素を失活させた。
(5)ろ過工程
珪藻土ろ過により固形分を除去した。
(6)最終工程
ろ液を減圧濃縮、加熱減菌し、凍結乾燥して、キノコクロレラ抽出物を得た。
(7)膨化処理工程
膨化処理は、二軸型エクストルーダー(スエヒロEPM社製)により行った。キノコクロレラ抽出物のフィード量を10kg/時、添加水量を1kg/時、スクリュー回転数を100rpm、加圧力を1.3MPaとし、加圧・加熱処理を行った。このときの中間バレル温度は80℃、先端バレル温度は100℃、ダイプレート温度は100℃であった。ダイから押し出すことで膨化させた後、乾燥させ、200メッシュパス95%以上に粉砕し、ダイエット食品を得た。
次のとおり参考例2のダイエット食品を製造した(植物発酵物の膨化品)。
(1)加水工程
大麦84.5%、あわ2.5%、ひえ2.5%、きび2.5%、たかきび1.5%、紫黒米1.5%、米粉1%、高麗人参エキス0.5%、アロエエキス0.5%、ヨモギエキス0.5%、クマザサエキス0.5%、月桃葉エキス0.5%、カリンエキス0.5%、ノブドウエキス0.5%、ウコンエキス0.5%の植物素材30kgに水10kgを加え混合した。
(2)加熱工程
原料を蒸すために品温を120度に加熱し、60分間保持した。
(3)発酵工程
40℃まで冷却し、麹菌3gを接種した。その後品温を40℃に保持したままで、2日間経過するのを待った。
(4)殺菌工程
殺菌のために品温を120度に加熱し、60分間保持した。
(5)分級工程
乾燥室(40℃)において1日間乾燥させた後、トルネード式粉砕機によって粉砕し、50メッシュパス95%以上にふるい分けした。
(6)殺菌工程
乾燥機(110℃)によって、18時間殺菌し、植物発酵物を得た。
(7)膨化処理工程
参考例1と同様であるため省略する。
次のとおり本実施例1のダイエット食品を製造した(キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物の混合品の膨化品)。キノコクロレラ抽出物および植物発酵物の製造並びに膨化処理については、参考例1および参考例2と同様であるため、小麦発酵抽出物の製造についてのみ説明する。
(A)種菌の調整
(A−1)小麦粉0.5gに蒸留水5mlを加え懸濁し、上澄みをLブロス寒天培地に0.1ml添加し、37℃で一晩培養した。
(A−2)黄色のコロニーを単離し、通常の方法で菌を同定し、パントエア・アグロメランスを単離し、これを50%グリセロール溶液に懸濁し、冷凍庫に保存した。このストックの一部をLB寒天培地にとり、37℃に放置してパントエア・アグロメランスの独立コロニーを作成した。
(A−3)前もって(C−3)と同じ組成で調製しておいた小麦粉培地10mlに、(A−2)で小麦粉より単離しておいたパントエア・アグロメランスのコロニーを一つ加え37℃で一晩(12〜15時間)緩やかに撹拌し、発酵させて、小麦粉発酵用の種菌を準備した。
(B)溶液の調整
(B−1)2リットルの三角フラスコにリン酸第二ナトリウム・7結晶水64g、リン酸第一カリウム15g、塩化ナトリウム2.5g、塩化アンモニウム5gをとり、精製水を加え全量1リットルとした(無機塩類混合溶液)。
(B−2)塩化マグネシウム・2結晶水13.1gをとり、精製水を加え全量を100mlとした(塩化マグネシウム溶液)。
(B−3)塩化カルシウム11.1gをとり、精製水を加え全量を100mlとした(塩化カルシウム溶液)。
(B−4)4リットルの精製水を5リットルの三角フラスコにいれた(精製水)。
(B−5)上記の溶液、精製水はすべてオートクレーブ(TOMY
BS−325、120℃、20分)して滅菌処理を行った。
(C)小麦発酵抽出物の製造
(C−1)加水工程
1リットルの三角フラスコに小麦粉(日清製粉)24gをとり、精製水を加え全量600mlとした(小麦粉加水液)。
(C−2)アミラーゼ処理工程
これを(B−5)と同様にオートクレーブした後、α−アミラーゼ(SIGMA、Bacillus、タンパク質1mg当たり1500〜3000単位の酵素活性)3mgを加え、65℃の水浴で4〜12時間加熱した(小麦粉アミラーゼ処理液)。
(C−3)培地作成工程
調整した溶液等をそれぞれ表1に示した量、無菌的に滅菌した3リットルの坂口フラスコに入れ小麦粉培地とした。
小麦粉培地に種菌を全量加え37℃で撹拌しながら、20〜30時間発酵させた。発酵液のpHを測定し、アンモニア水を加え、pHを7に調整した。これに、150mlの小麦粉アミラーゼ処理液と無機塩類混合溶液37.5mlを無菌的に添加し、同様に発酵を20〜30時間行った。同じ操作をさらに、もう一度繰り返し、合計で65〜80時間発酵させた。
(C−5)回収工程
発酵させた小麦粉発酵溶液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機
SCR−20B、5000rpm、20分間、4℃)し、沈殿を回収した。
(C−6)加熱抽出工程
回収した沈殿にリン酸緩衝液を加えて懸濁し、全量100mlとして、33mlずつ50ml遠心管に移し、沸騰水浴中で30分間加熱抽出した。加熱終了後、室温まで冷却し、本液を遠心分離(日立、高速冷却遠心機
SCR−20B、10000rpm、20分間、20℃)した。遠心後、淡黄色の上清82mlをデカントで別の容器に回収した。
(C−7)最終工程
回収した上清を濃縮した後、凍結乾燥にて粉末状とし、小麦発酵抽出物を得た。
(D)配合および膨化処理
キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物を1:1:1(質量比)の割合で混合した。その後、参考例1と同様の方法で膨化し、ダイエット食品を得た。
参考例1と同様の方法で得たキノコクロレラ抽出物(未膨化品)を比較例1とした。
参考例2と同様の方法で得た植物発酵物(未膨化品)を比較例2とした。
次のとおり比較例3の粉末試料を製造した(キノコクロレラ抽出物と植物発酵物と小麦発酵抽出物の混合品の未膨化品)。
(1)参考例1と同様の方法でキノコクロレラ抽出物を得た。参考例2と同様の方法で植物発酵物を得た。実施例1と同様の方法で小麦発酵抽出物を得た。
(2)それぞれを1:1:1の割合(質量比)で混合し、粉末試料を得た。
参考例1〜2、実施例1および比較例1〜3について下記の条件で栄養分の吸着試験を行った。
脂溶性栄養分として、コレステロールおよびトリグリセリド(中性脂肪)について、吸着試験を行った。コレステロールまたはトリグリセリドの一定量を薬局方第2液(5mmol/Lコール酸(和光純薬工業)、10nMオレイン酸(和光純薬工業)を含むリン酸緩衝液pH6.8)と混ぜ、吸着能を評価したい検体を一定量(30mg/ml)加えた。37℃で60分振盪後、遠心分離により得られた上清中の残存栄養分を定量した。コレステロールおよびトリグリセリド濃度の測定は、BioVision社の測定キットの説明書に従った。
[式1]
残存栄養分の濃度/試験開始時の栄養分濃度×100=残存率(%)
100%−残存率(%)=吸着率(%)
(B)水溶性栄養分の吸着試験
水溶性栄養分として、可溶性でんぷん、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(スクロース)、グルコースの5種(全て和光純薬工業)について、吸着試験を行った。吸着試験の方法は、検体に、直接、糖質を添加したリン酸緩衝液を加え、一定時間、吸着された後に、溶液中の未吸着の糖質を除き、その後、沈殿にリン酸緩衝液を加え、加熱することで溶液中に遊離した糖質を測定するというものである。糖質の測定には、フェノール硫酸法を用いた。以下、具体的な方法を示す。
(B−2)リン酸緩衝液を690μl加え、さらに300μlの各糖(10mg/ml)を含むリン酸緩衝液を加え、撹拌した。その後、1時間、37℃にて振盪した。
(B−3)マイクロ遠心機(日立、SCT15B)を用いて遠心分離(10000rpm、5分間)を行い、上清を除いた。
(B−4)沈殿に、リン酸緩衝液を1ml加え、撹拌した。その後、ブロックヒーターを用いて100℃に加熱し、20分間保持した。
(B−5)室温まで冷ました後、マイクロ遠心機(日立、SCT15B)を用いて遠心分離(10000rpm、5分間)を行い、上清を糖含量の測定に供した。測定は、n=3で実施した。
(B−6)
上記測定用の上清100μlを1.5mlプラスチックチューブに入れ、5%フェノール水溶液100μlを加え、ボルテックスミキサーで撹拌した。
(B−7)濃硫酸500μlを加え、フタをして、直ちにボルテックスミキサーで撹拌した。
(B−8)反応液の温度が室温まで下がった後、各反応液200μlを96穴マイクロプレートに移し、プレートリーダーにより、主波長490nm、副波長668nmの吸光度値を測定した(島津製作所、分光光度計UV−1700)。
(B−9)グルコースを標準品として0μg/ml、12.5μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、75μg/ml、および、100μg/mlにより検量線を作成し、各検体の糖濃度をグルコース換算の値で求めた。
(A)脂溶性栄養分の吸着試験について
コレステロールの吸着率についての結果を表2に示した。また、トリグリセリドの吸着率についての結果を表3に示した。
可溶性でんぷん、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ショ糖(スクロース)、グルコースの吸着率についての結果を表4に示した。
次のとおり本実施例2のダイエット食品を製造した(錠剤)。
実施例1のダイエット食品72g、還元麦芽糖水飴(三菱商事フードテック)1000g、および、セルロース(旭化成)620gを混合し、整粒して顆粒を製造した。この顆粒を二酸化ケイ素(富士シリシア化学)18gおよびショ糖エステル(三菱化学フーズ)90gを加えて打錠用顆粒とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が300mgの錠剤6000個を製造した。
<評価例2>
年齢20〜50歳で、BMIが25以上30未満(肥満1度)の健康な20人(男性10名、女性10名)をボランティアとして、ダイエット効果の評価試験に参加させた。各ボランティアのダイエット食品摂取前の体重を測定し、上記ダイエット食品を4週間毎日10錠ずつ摂取させた。そして、最後に摂取した翌日に体重を測定し、体重の減少率を下記式により算出した。なお、ボランティアには、朝・夕食前にそれぞれ5錠ずつ、1日合計10錠を摂取することだけを遵守させ、これまで摂取していた食事を制限する必要がないことを伝えた。
[式2]
(摂取4週間後の体重−摂取前の体重)/摂取前の体重×100=体重減少率(%)
その結果、体重減少率は、平均4.0%±1.0(標準誤差)であり、体重が減少する傾向が見られた。この結果は、本発明のダイエット食品が、ダイエット効果を有することを示している。
Claims (4)
- 可食キノコの粉砕品とクロレラ粉末との混合物に、繊維分解酵素による分解処理と、蛋白質分解酵素による蛋白質分解処理とを施して得られるキノコクロレラ抽出物を、エクストルーダーで膨化したことを特徴とするダイエット食品。
- 少なくとも大麦、高麗人参、アロエ、ヨモギ、クマザサ、月桃葉、カリンを含んだ複数の可食植物素材を発酵させて得られる植物発酵物を、エクストルーダーで膨化したことを特徴とするダイエット食品。
- 可食キノコの粉砕品とクロレラ粉末との混合物に、繊維分解酵素による分解処理と、蛋白質分解酵素による蛋白質分解処理とを施して得られるキノコクロレラ抽出物と、
少なくとも大麦、高麗人参、アロエ、ヨモギ、クマザサ、月桃葉、カリンを含んだ複数の可食植物素材を発酵させて得られる植物発酵物と、
小麦粉をアミラーゼで処理した小麦粉アミラーゼ処理液をパントエア・アグロメランスによって発酵させて、同時に該パントエア・アグロメランスを培養して得られた小麦発酵抽出物と、
を混合し、エクストルーダーで膨化したことを特徴とするダイエット食品。 - 請求項1または3において、
前記可食キノコには、エリンギ、ハナビラタケ、ヒマラヤヒラタケ、アガリクス、シイタケ、エノキタケ、ブナシメジのうち少なくとも1種が含まれていることを特徴とするダイエット食品。
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