以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るカメラシステム1の要部断面図である。本実施形態では、電子装置の一例として、カメラシステム1について説明する。カメラシステム1は、カメラ本体2と交換可能な撮影レンズ3を組み合わせて撮像装置として機能する、レンズ交換式一眼レフカメラである。
撮影レンズ3は、フォーカスレンズ、ズームレンズおよび防振レンズを含むレンズ群4、絞り5、カメラシステム1の振れを検出する角速度センサ6、レンズ群4を駆動する図示していない駆動装置等を備える。角速度センサ6は、少なくとも光軸に直交する2軸周りの角速度を検出する。駆動装置は、例えば振動波モータ、VCMにより構成される複数のモータを有し、フォーカスレンズを光軸方向に駆動し、防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動する。
また、撮影レンズ3は、撮影レンズ3の全体を制御すると共に、カメラ本体2と協働するレンズCPU7を有する。
カメラ本体2は、撮影レンズ3からの光束を反射してファインダ光学系8に導く反射位置と、撮影レンズ3からの光束がCCDまたはCMOSなどから構成される撮像素子9に入射するように退避する退避位置とで揺動するメインミラー10を備える。
メインミラー10の一部の領域は半透過領域となっており、カメラ本体2は、この半透過領域を透過した光束を焦点検出センサ11へ反射するサブミラー12を備える。サブミラー12は、メインミラー10に連動して揺動し、メインミラー10が退避位置をとるときには、サブミラー12も光束から退避する。なお、焦点検出センサ11は、位相差方式により入射する光束の焦点状態を検出する。
反射位置にあるメインミラー10で反射された光束は、焦点板13、ペンタプリズム14を介してファインダ光学系8へ導かれる。ファインダ光学系8は複数のレンズを含み、ユーザはファインダ光学系8により被写界を確認することができる。
ペンタプリズム14を透過する光束の一部は測光センサ15に導かれる。測光センサ15は、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより、被写界の輝度分布を計測する。また、ペンタプリズム14の上方にはGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)モジュール16を備える。
さらに、カメラ本体2は、撮影レンズ3のマウント部近傍で撮影レンズ3と干渉しない位置に、被写界の音を取り込むマイクロフォン17を備える。また、カメラ本体2は、ファインダ光学系8の近傍に、ビープ音などを発するスピーカ18を備える。
メインミラー10が退避位置にあるときには、撮影レンズ3からの光束は、ローパスフィルタ19を介して撮像素子9に入射する。撮像素子9の近傍には撮像基板20が設けられており、撮像基板20の後方には外部に面して背面モニタ21が設けられている。
また、カメラ本体2は、姿勢センサ22を備える。姿勢センサ22は、カメラシステム1の姿勢を検出する。具体的には、カメラシステム1が横向きに構えられているのか、縦向きに構えられているのか、さらには、ユーザが背面モニタ21を視認しやすい姿勢である前傾姿勢であるのか等の姿勢を検出する。
図2は、本実施形態に係るカメラシステム1のブロック図である。図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
撮像基板20は、撮像素子9を駆動する駆動回路23、撮像素子9の出力をデジタル信号に変換するA/D変換回路24、ASICで構成される画像処理制御回路25および撮像素子9からの信号の高周波成分を抽出するコントラストAF回路26などを有している。
画像処理制御回路25は、デジタル信号に変換された画像信号に対してホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理を施すと共に、JPEGなどの画像圧縮を行って画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルは、二次記録媒体34に記憶される。二次記録媒体34は、カメラ本体2に対して着脱可能なフラッシュメモリなどの記録媒体であっても良いし、カメラ本体2に内蔵されるSSD(Solid State Drive)などの記録媒体であっても良い。
画像処理を施された画像信号は、背面モニタ制御回路28の制御により、背面モニタ21に表示される。撮影直後に撮影された画像信号を所定時間表示すれば、二次記録媒体34に記録された画像ファイルに対応する画像をユーザに視認させることができる。
また、撮像素子9が連続的に光電変換する被写界像を、二次記録媒体34に記録することなく背面モニタ21に逐次表示すればライブビュー表示を実現できる。ライブビュー表示を実行している場合、カメラシステム1は、被写界の映像をスルー画として認識し続けている。これにより、顔認識、笑顔検出等の画像処理を伴う撮影動作が実行できる状態になる。
さらに、撮像素子9が連続的に光電変換する被写界像を、例えばMPEG、H.264などの動画圧縮処理を画像処理制御回路25で施して二次記録媒体34に記録すれば、動画撮影を実現することができる。このとき、マイクロフォン17で収集した被写界の音声も圧縮処理して、動画データに同期させて記録する。生成される動画像のフレームレートは、例えば30fpsなど、複数のフレームレートから選択されて設定される。
コントラストAF回路26は、撮像素子9からの撮像信号の高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成し、これが最大になるフォーカスレンズ位置を検出する。具体的には、画像処理制御回路25から入力される画像信号から、バンドパスフィルタを用いて所定の高周波成分を抽出し、ピークホールド、積分等の検波処理を行ってAF評価値信号を生成する。生成したAF評価値信号は、カメラ本体CPU27に出力する。
レンズCPU7は、角速度センサ6で検出した手振れをキャンセルするように、撮影レンズ3内の防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動して光学式手振れ補正を実現している。手振れ補正はこのような光学式手振れ補正に限らず、撮像素子9に駆動機構を付与して、光軸方向とは異なる方向に駆動して手振れをキャンセルする撮像素子駆動式手振れ補正を採用することもできる。
さらには、画像処理制御回路25から出力された複数枚の画像間の動きベクトルを算出し、算出した画像間の動きベクトルをキャンセルするように画像読み出し位置を制御して手振れをキャンセルする電子式手振れ補正を採用することもできる。光学式手振れ補正および撮像素子駆動式手振れ補正は特に静止画撮影に好適であり、動画撮影にも適用される。電子式手振れ補正は動画撮影に好適である。これらの方式は、選択的、追加的に採用され得る。
測光センサ15は、上述のように、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより被写界の輝度分布を計測するが、計測結果はカメラ本体CPU27に出力する。カメラ本体CPU27では、選択された測光モードに応じて露出値を算出する。測光モードとしては、明るい部分と暗い部分のバランスを取る分割測光モード、画面中央を適正露出とする中央重点測光モード、選択したフォーカスポイントの狭領域を適正露出とするスポット測光モードなどが選択され得る。
カレンダ部54は、水晶発振子、計時用集積回路等を有しており、年月日時分秒といったカレンダ情報を保持する。カメラ本体CPU27は、カレンダ部54から時間に関する情報を適宜検出することができる。GPSモジュール16は、GPS衛星からのGPS信号を受信してカメラ本体2が存在している緯度、経度、高度情報を算出する。カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16からカメラ本体2が存在している位置に関する情報を適宜検出することができる。
フラッシュROM29は、EEPROM(登録商標)であり、カメラシステム1を動作させるプログラムのほか、各種調整値、設定値を記憶する記憶装置である。具体的には、AF調整データ、AE調整データ、製造時の年月日時間データ、設定スイッチの設定履歴などの設定値を記憶している。また、フラッシュROM29は、メニュー設定画面およびユーザガイド画面の所定回数分の使用履歴を記憶している。
フラッシュROMに格納する設定値のうち、ユーザが設定または変更する設定値は、背面モニタ21に表示する設定画面のメニュー項目として用意されている。設定画面において、メニュー項目は、種類に応じて複数に分類され、さらにそれぞれの分類の中でその従属関係からツリー構造状に階層化されて、カメラ本体CPU27に管理されている。
なお、カメラシステム1は、上記設定値の種類と設定値の変更が及ぼす影響等をユーザに説明するガイド機能を有する。ガイド機能は、ユーザに対して説明する内容をガイド画面として保持している。ガイド画面は、メニュー項目と同様に、種類に応じて複数に分類され、さらにそれぞれの分類の中でツリー構造状に階層化されてカメラ本体CPU27に管理されている。ガイド画面からは、設定画面に以降して、撮影条件に関する設定値を設定することもできる。ただし、ガイド画面は、ユーザを誘導するものであって、カメラシステム1の撮影条件を設定するとは限らない。
RAM30は、フラッシュROM29に記憶されたプログラムが展開され、カメラ本体CPU27が高速にアクセスできるDRAMなどの高速RAMである。特に頻繁に参照される各種調整値、設定値などもフラッシュROM29からコピーされ、カメラ本体CPU27からのアクセスを容易にする。
背面モニタ制御回路28は、上述のように画像処理された画像の他、フラッシュROM29から読み出したメニュー設定画面およびユーザガイド画面を背面モニタ21へ表示する表示制御を行う。また、背面モニタ21の表面にはタッチパネルセンサが積層されており、ユーザが背面モニタ21のメニュー項目等を視認しつつタッチパネルセンサを操作したときには、その座標とその座標に対応して表示されていたメニュー項目をカメラ本体CPU27へ出力する。
姿勢センサ22は、上述のように、カメラシステム1の姿勢を検出する。姿勢センサ22は、簡単なものでは、フォトインタラプタの赤外光を、重力によって移動する小球が遮断するかにより一軸方向の姿勢を検出するセンサを組み合わせて構成される。カメラシステム1の姿勢として正確な角度まで検出したい場合には、3軸加速度センサなどが用いられる。特に本実施形態においては、ユーザが背面モニタ21を視認しやすい姿勢である前傾姿勢であるか否かが検出できればよい。方位センサ33は、2軸または3軸の磁気センサを組み合わせて形成され、カメラシステム1がどの方向を向いているかを検出する。
イベント情報取得部31は、ネットワークを介して特定の施設で開催されるイベント情報を取得する。イベント情報取得部31は、無線LAN等のネットワーク接続部と、特定の施設におけるイベント情報をネットワーク上から取得するプログラムとを有してもよい。また、イベント情報取得部31は、ネットワーク上で公開された情報にアクセスするに限らず、撮影者が予め構築したイベント情報に関するデータベースにアクセスするようにしても良い。また、イベント情報取得部31は、ネットワークに接続するのではなく、撮影者が例えばスケジュール情報としてフラッシュROM29に記憶させたデータベースにアクセスするように形成することもできる。
レリーズスイッチ32は、2段式のスイッチである。ユーザがレリーズスイッチ32を半押しすると、カメラ本体CPU27は、オートフォーカス、測光などの撮影準備動作を行う。さらにユーザがレリーズスイッチ32を全押しすると、カメラ本体CPU27は、静止画、動画の撮影動作を開始する。
カメラ本体CPU27は、レンズCPU7と協働してカメラシステム1の全体を制御する。本実施形態において、カメラ本体CPU27は、設定画面およびユーザガイド画面の少なくとも一方を背面モニタ21へ表示する制御を行う。
図3は、カメラ本体2の背面外観図である。他の図と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
カメラ本体2の背面には、ファインダ光学系8の後端および背面モニタ21と、それらを挟んで、背面ダイヤル35、十字ボタン36、決定ボタン37、再生モードボタン38、削除ボタン39、確認ボタン40等が配される。
カメラ本体2は、再生モードボタン38が押された場合に再生モードで動作する。再生モードにおいては、二次記録媒体34に格納された撮影画像データが背面モニタ21に表示される。この状態で背面ダイヤル35を回転させることにより、背面モニタ21に表示される撮影画像が順次切り替わる。このように、背面ダイヤル35は、画像を選択する選択部を形成する。
再生モードにおいて背面モニタ21にある画像が表示されている場合に、削除ボタン39を押すと、当該画像を、カメラ本体2に装填された二次記録媒体34から削除できる。ただし、一動作で画像削除が完了すると、誤操作により撮影画像データが削除される場合が生じる。そこで、削除ボタン39に続いて確認ボタン40が押された場合に削除が実行される。
なお、十字ボタン36は、上下左右の4箇所に個別にオン/オフするスイッチを有する。これにより、例えば、背面モニタ21に二次元的に配置された画像または選択肢を選択する場合に十字ボタン36を使用できる。また、十字ボタン36に含まれる4つのスイッチに、一時的に個別の機能を割り当てる場合もある。
決定ボタン37は、十字ボタン36により選択した選択肢等を決定旨の指示を入力する場合に押される。これにより、確認ボタン40の場合と同様に、一動作で何らかの動作が確定することを防止している。
図4は、カメラ本体2が再生モードになった場合に、背面モニタ21に表示される表示画像のひとつを例示する図である。図示の例では、背面モニタ21に、複数の撮影画像データに対応する複数の縮小画像49が表示されている。複数の縮小画像49は、例えば図中の一点鎖線で示すように撮像順に配列される。
背面モニタ21に表示された複数の縮小画像49に対して、ユーザは背面ダイヤル35を操作することにより、図中に点線で示す選択枠43を、図中に一点鎖線で示す撮影順に移動させる。これにより、ひとつの縮小画像49に対応した撮影画像データが特定される。この状態で削除ボタン39を押すことにより、その縮小画像49に対応した撮影画像データの削除が指示される。
背面モニタ21において、上記のようにしてユーザから削除を指示された画像データA〜Eの縮小画像49には、図中に実線で示すように表示形態が変化した選択枠43が各々に付加される。更に、ユーザが、削除すべき撮影画像データA〜Fを全て特定した後に確認ボタン40を押すと、撮影画像データが削除される。このように、ユーザは、選択した縮小画像49に対応する撮影画像データA〜Fを一括して削除できる。
なお、上記の例では、背面モニタ21に複数の縮小画像49を表示させて、削除する画像を指示する例を示した。しかしながら、細部を確認しながら削除すべき画像を特定できるように、背面モニタ21全体にひとつの画像を表示するようにしてもよい。この場合は、例えば、画像毎に削除ボタン39および確認ボタン40を押して、撮影画像データをひとつずつ削除する。
図5は、カメラシステム1で生成される画像ファイル50の構造を示す図である。画像ファイル50は、タグデータ51、サムネイル画像データ52および本画像データ53を格納する。
本画像データ53は、カメラシステム1により撮影された撮影画像データに相当する。これに対して、サムネイル画像データ52は、本画像データ53よりも低い解像度、色深度等を有する。これにより、カメラシステム1が格納した複数の本画像データ53を一覧表示する場合に、取り扱いを容易にしている。
タグデータ51は、本画像データ53を撮影したカメラシステム1の仕様、撮影条件等を格納する。また、本画像データ53のファイルフォーマットとしてJPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマットが採用された場合、タグデータ付きの画像ファイルは、EXIFファイルとして規定された情報を含む。
より具体的には、本画像データ53を撮影したカメラシステム1のメーカ、仕様、ファームウエアの版数、開放F値等の基本情報の他、撮影時の露出時間、F値、ISO値、焦点距離、撮影日時等の撮影条件情報が記録される。更に、カメラシステム1の、カレンダ部54、姿勢センサ22、方位センサ33、GPSモジュール16、イベント情報取得部31等が検出した日時、姿勢、方位、位置、イベント等に関する撮影環境情報をタグデータ51に付加して記録できる。
カメラシステム1において、レリーズボタンが半押しされ、撮影条件が固定された状態になった時点でタグデータ51が生成される。また、カメラシステム1において、レリーズボタンが半押しから全押しにされた場合、生成されたタグデータ51は、本画像データ53と共に画像ファイル50に格納される。よって、撮影画像データを含む画像ファイルには、上記の撮影環境情報および撮影条件情報も含まれている。
図6は、カメラシステム1においてカメラ本体CPU27が実行する制御手順を示す流れ図である。カメラ本体CPU27は、カメラシステム1の電源がオンになっている間、すでに撮像されて保存されていた撮影画像に対して削除すべき旨の指定がなされたか否かを判断する(ステップS101)。
なお、カメラ本体CPU27は、複数の画像が削除された場合に、ステップS101の判断を「YES」としてもよい。ここで、「複数の撮影画像データが削除された」ことの一例として、一度の再生モードに入ってから抜けるまでの間に予め定められた数の画像が削除された場合がある。また、予め定めた閾値時間、例えば5分間の間に複数の撮影画像の削除が指定された場合、すなわち削除の動作が繰り返し行われている場合に、複数の撮影画像データが削除されたと判断してもよい。
ここで、予め定められる時間は、設定画面において、背面表示部に表示された選択肢から、十字ボタン36および決定ボタン37を含む選択部を用いてユーザが選択してもよい。また、予め定められた数も、設定画面において、背面表示部に表示された選択肢から、十字ボタン36および決定ボタン37を含む選択部を用いてユーザに選択させてもよい。
撮影画像データが削除されたことを検出した場合(ステップS101:YES)、カメラ本体CPU27は、削除が指示された撮影画像データを再表示用に一時保存する(ステップS102)。二次記録媒体34の容量に余裕がある場合、カメラ本体CPU27は、削除された撮影画像データをそのまま残し、当該撮影画像データの各々に削除が指示されていることを示すフラグを立ててもよい。
また、二次記録媒体34の容量に余裕がない場合、カメラ本体CPU27は、画像ファイル50から本画像データ53を削除し、サムネイル画像データ52およびタグデータ51を一時保存してもよい。これにより、後述する問い合わせをする場合に、問い合わせ対象の画像をユーザに対して表示できる。
その後、カメラ本体CPU27は、カメラ本体2が撮影態勢にあるか否かを予測する(ステップS103)。即ち、カメラ本体CPU27は、例えば、ユーザによりレリーズスイッチ32が半押しされた場合には、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1が撮影態勢にあると予測する(ステップS103:YES)。
カメラ本体CPU27は、カメラシステム1が撮影態勢にあると判断した場合(ステップS103:YES)、GPSモジュール16および方位センサ33などの出力から削除された画像が撮影された位置と方位とがほぼ同じである場合に自動反映モード(ステップS104)を起動する。自動反映モードの内容については、他の図を参照して後述するが、自動反映モードにおいて、カメラ本体CPU27は、削除を指定された撮影画像について当該撮影画像のデータが生成された撮影時の撮影条件から削除理由を推測し、推定された削除理由に対応した撮影条件を算出する。
カメラ本体CPU27は、算出された撮影条件を設定し(ステップS105)、カメラシステム1に撮影を実行させる(ステップS106)。このように、撮影画像が削除された後にカメラシステム1が撮影態勢にある場合、カメラ本体CPU27は、自動反映モードをを用いて、撮影を完了させる。なお、ステップS106の撮影において、カメラ本体CPU27は、二次記録媒体34の残り容量が逼迫している場合に、ステップS102において一時保存された撮影画像データを削除または圧縮した後に撮影を実行してもよい。
このように、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1が撮影態勢にあると判断した場合は、ユーザによる操作を妨げることなく撮影を実行させる。ただし、ユーザが意図的に、撮影を優先しないことをカメラ本体2に設定している場合はこの限りではない。
また、カメラ本体CPU27は、例えば、ユーザが、撮影画像を背面モニタ21に再生表示させる再生操作を繰り返していることを検出した場合に、カメラシステム1が撮影態勢にないと判断する(ステップS103:NO)。あるいは、カメラ本体CPU27は、姿勢センサ22がカメラシステム1の傾きを判定して、カメラシステム1が撮影態勢にはないと判断する(ステップS103:NO)。更に、カメラ本体CPU27は、ユーザが十字ボタン36を操作している場合、背面モニタ21のタッチパネルセンサを操作している場合、即ち、レリーズスイッチ32とは異なるものが操作されている場合に、カメラシステム1は撮影態勢ではないと判断する。
カメラ本体CPU27は、撮影画像の削除後にカメラシステム1が撮影態勢にないと判断した場合(ステップS103:NO)、次に、削除された撮影画像の再撮影が許容される状況か否かを判断する(ステップS108)。
例えば、カメラ本体CPU27は、削除された撮影画像の画像ファイル50のタグデータ51から、当該画像の撮影日時を参照する。そして、カメラ本体CPU27は、現在の日時と削除した撮影画像の撮影日時が近い場合、例えば1時間以内の場合には、カメラシステム1が削除画像の撮影環境に近い状態にあり、削除画像の再撮影が許容されると判断する(ステップS108:YES)。一方、カメラ本体CPU27は、削除画像の撮影日時と現在の日時とが大きく隔たっている場合には、削除画像の撮影対象を再撮影することはもはや許容されないと判断する(ステップS108:NO)。
なお、カメラ本体CPU27は、削除画像のタグデータ51から参照した撮影位置の情報と、GPSモジュール16から参照した現在位置の情報とを比較することによっても、再撮影が許容されるか否かを判断できる。また、カメラ本体CPU27は、削除画像のタグデータ51から参照したイベント情報と、イベント情報取得部31から参照したイベントの内容、イベント開始時刻、イベント終了時刻等の情報とを比較することによっても、再撮影が許容されるか否かを判断できる。
また更に、カメラ本体CPU27は、更に、方位センサ33による方位情報、天候、季節等、他の情報を参照してもよいし、これらの情報を併せて再撮影が許容されるか否かを判断してもよい。更に、ユーザからの再撮影の指示を受け付ける受付部を設けてもよい。
カメラ本体CPU27は、上記のようにして再撮影が許容されると判断した場合(ステップS108:YES)に、ガイドモード(ステップS109)を起動する。ガイドモードにおいて、カメラ本体CPU27は、削除を指定された撮影画像について、当該撮影画像のデータが生成された撮影時の撮影条件から削除理由を推測して、推測した削除理由を反映した表示画面を準備して背面モニタ21に表示する。ここで、推測できる削除理由が複数ある場合には、複数のガイドを順次起動してもよい。
これにより、カメラ本体CPU27は、ユーザに対して再撮影を奨めると共に、検出した環境情報および推測した削除理由に対応したガイド画面または設定画面を背面モニタ21に表示する。これにより、カメラ本体CPU27は、推定した削除理由を解消または抑制すべく撮影条件の変更するようにユーザを誘導する。
ガイドモードによるガイドの結果として撮影条件を設定する(ステップS105)。削除理由とユーザの意図とがいずれも反映された撮影条件で、削除画像の撮影対象を再撮影する(ステップS106)。また、カメラ本体CPU27は、上記のようにして再撮影が許容されないと判断した場合(ステップS108:NO)に、確認モード(ステップS110)を起動する。確認モードにおいて、カメラ本体CPU27は、削除された撮影画像の削除理由をユーザに問い合わせて、より精度の高い削除理由を収集する。これにより、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1に設定された撮影条件の初期値に、削除理由をより高精度に反映させることができる。確認モードにおいて削除理由を確認された撮影画像は、二次記録媒体34から完全に消去される(ステップS406)。
なお、カメラ本体CPU27は、ステップS106における撮影が終わった場合に、ステップS102において削除された後に一時保存された撮影画像が残っているか否かを調べる(ステップS107)。一時保存された撮影画像が残っている場合(ステップS107:NO)、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1が撮影態勢にあるか否かを再び調べる(ステップS103)。また、カメラ本体CPU27は、残っている撮影画像がない場合(ステップS107:NO)、一連の制御を終了させる。
図7は、自動反映モードにおけるカメラ本体CPU27の制御手順を示す流れ図である。自動反映モードを開始する状況になった場合(図6、ステップS104)、カメラ本体CPU27は、まず、カメラシステム1が撮影をする周辺の環境に関する周辺環境情報を取得する(ステップS201)。周辺環境情報は、例えば、カレンダ部54から取得した日時情報、方位センサ33から取得したカメラシステム1の向き、GPSモジュール16から取得した緯度、経度および高度、フラッシュROM等から取得した地図情報、イベント情報取得部31から取得したイベント情報等を含む。
次に、カメラ本体CPU27は、ステップS102において一時保存された削除画像のタグデータ51から、削除を指定された画像の周辺環境情報を検索し、ステップS201において取得した周辺環境情報と類似する周辺環境情報を含む削除画像を抽出する(ステップS202)。更に、カメラ本体CPU27は、ステップS202において抽出した削除画像の撮影条件情報を参照して、当該画像の削除理由を推定する(ステップS203)。
更に、カメラ本体CPU27は、推定した削除理由から、当該削除理由が生じない撮影条件を算出して(ステップS204)、自動反映モードを終了する。これにより、カメラ本体CPU27は、削除理由が生じ難い撮影条件をカメラシステム1に設定して(図6、ステップS105)撮影を実行できる。よって、ステップS106において実行される撮影は、ユーザの撮影意図をよりよく反映したものとなる。
この場合に、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1に現在設定されている撮影条件と、削除指示された画像の中から現在の周辺環境に一番近い環境で撮影された削除画像の撮影条件とを比較する。そして、カメラ本体CPU27は、現在の撮影条件と削除指示された画像の条件とが同じ場合には、現在の撮影条件で撮影された画像が、既に削除を指定された画像と同じ削除理由で後に削除指定される可能性が高いと判断して、異なる撮影条件を算出する。
例えば、カメラ本体CPU27は、カレンダ部54から取得した現在の時刻が夕刻または夜であれば、撮影画像が暗かったことが削除理由であったと推定する(ステップS203)。そこで、カメラ本体CPU27は、現在の設定よりも低速秒時のシャッタ速度と、シャッタの低速秒時にあった絞り量とを算出する(CPU204)。また、カメラ本体CPU27は、シャッタ秒時を低速秒時に設定したことに伴い手振れが発生しやすくなると判断して、カメラシステム1における手振れ補正機能を有効にしてもよい。これにより、夕刻または夜の撮影において生じがちな露出不足の発生を抑制できる。
また、カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16から取得した位置情報、方位センサ33から取得した方位情報、フラッシュROM29等から取得した地図情報等に基づいて取得したカメラシステム1の周辺環境に基づいて削除が指定された画像の削除理由を推定する(ステップS203)。そして、カメラ本体CPU27は、例えば、地図情報により撮影対象が海岸、山岳地帯等の風景等であると推測できる場合に撮影画像に白飛び等が生じやすいことから、現在の周辺環境において測光センサ15の測光結果から算出された露出値よりも、数段アンダーになる撮影条件を算出する(ステップS204)。これにより、露出過剰による白とび等の発生を抑制できる。
更に、カメラ本体CPU27は、ユーザが春の山にいる場合に、新緑の木々、葉の色を鮮やかにするように変更した、画像処理制御回路25における設定値を算出して設定してもよい。また、ユーザが秋に山にいると判断すれば、紅葉の葉の色を鮮やかにするように変更した、画像処理制御回路25における設定値を算出して設定してもよい。
また更に、カメラ本体CPU27は、ユーザが水族館に来ている場合に、屋内の水槽内の魚などを撮影するのに適した感度、ホワイトバランス、色味になるように、画像処理制御回路25における設定値を算出して設定してもよい。また、カメラ本体CPU27は、イベント情報取得部31から取得した情報に基づいて、ユーザが花火撮影に来ていると判断すれば、打ち上げ花火に最適な露出、花火を鮮やかに撮影できるように、画像処理制御回路25における設定値を算出して設定してもよい。
なお、カメラ本体CPU27は、レリーズスイッチ32が全押しされたときに、当初設定されていた撮影条件の設定値と、自動反映モードにより算出された撮影条件の設定値とで、それぞれ画像を撮影してもよい。また、カメラ本体CPU27は、ユーザが複数枚の画像の削除指示した後に、短時間で同じ撮影対象を再撮影する場合に、ユーザがその撮影対象の画像を残したいと希望していると判断し、カメラ本体CPU27は、レリーズスイッチ32が半押しされてAE、AF等の撮影準備をした後の数秒間(3〜5秒)に、当該撮影対象を動画で二次記録媒体34に記録してもよい。これにより、当該撮影対象の画像を確実に残すことができる。
図8は、カメラ本体CPU27がガイドモードにおいて実行する制御手順を示す流れ図である。既に説明したように、ガイドモードは、削除を指定された撮影画像を取り直すことができる周辺環境にカメラシステム1がいるにもかかわらず、カメラシステム1が撮影態勢にない場合に起動される。ガイドモードにおいては、削除画像における撮影対象を適切な撮影条件で撮影することにより、よりユーザの意図に沿った撮影画像を得るべくガイドすることを旨とする。
既に説明した通り、ガイドモードが起動されたとき(図7、ステップS109)、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1は撮影態勢にないが、削除を指定された撮影画像の撮影対象を再撮影することが許容される状況であることを確認している。そこで、カメラ本体CPU27は、スピーカ18からビープ音を発する等して、ユーザの注意を喚起して、ユーザに再撮影の意志があるか否かを調べる(ステップS301)。
カメラ本体CPU27は、姿勢センサ22の出力等を参照して、上記ビープ音に対してユーザがカメラシステム1を持ち上げて背面モニタを観察する等の反応を示した場合、再撮影の可能性があると判断する(ステップS301:YES)。しかしながら、カメラ本体CPU27は、ユーザからの反応がない場合に、例えば、ステップS301に入ってから予め定めた閾値時間が経過したことを契機として、ユーザに再撮影をする意志がないと判断して、ガイドモードを終了してもよい(ステップS301:NO)。
次に、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1にブラケットモードが設定されているか否かを調べる(ステップS302)。カメラシステム1にブラケットモードが設定されている場合、カメラシステム1は、撮影条件を変化させつつ複数回の撮影をする。よって、カメラ本体CPU27は、撮影条件を絞り込むガイドは不要と判断して、ガイドモードを終了する(ステップS302:NO)。
カメラシステム1にブラケットモードが設定されていない場合(ステップS302:NO)、カメラ本体CPU27は、削除された撮影画像データについて、当該データが生成された撮影時の撮影条件に起因する削除理由を推定する(ステップS303)。次に、カメラ本体CPU27は、推定した削除理由に基づいて、背面モニタ21に表示する表示画面を準備する(ステップS304)。カメラ本体CPU27が準備する表示画面は、ガイド画面と設定画面とを含む。削除理由と表示画面の関係については、例をあげて後述する。
図9は、表示画面のひとつであるガイド画面の一例を示す図であり、背面モニタ21に、再撮影をガイドする旨のガイドメッセージ41と、時間、場所、イベントという、その時点で選択可能なガイド項目42を選択肢として表示している。ユーザは、十字ボタン36と決定ボタン37を用いて、いずれかのガイド項目42を、カメラ本体CPU27に対して指示する。
再び図8を参照すると、カメラ本体CPU27は、準備した表示画面を背面モニタ21に表示し(ステップS305)、ユーザの指示を受け付けるべく待機する(ステップS306)。カメラ本体CPU27は、予め設定された閾値時間が経過してもユーザからの指示が入力されない場合、ガイドモードが中断されたと判断してガイドモードを終了する(ステップS306:NO)。一方、ガイド項目42を選択する等のユーザからの指示が入力された場合(ステップS306:YES)、カメラ本体CPU27は、次に表示する表示画面があるか否かを調べる(ステップS307)。
カメラ本体CPU27は、次に表示すべき表示画面がある場合(ステップS307:YES)、再び、表示画面を準備して(ステップS304)背面モニタ21に表示する(ステップS305)。カメラ本体CPU27は、表示画面がもはや無い場合(ステップS307:NO)、ガイドに対するユーザの指示に基づいて変更した撮影条件を算出する(ステップS308)。
なお、上記ガイドモードにおいて、カメラ本体CPU27が背面モニタ21に表示させる表示画面には、ガイド画面ではなく、設定画面が含まれる場合がある。図10は、そのような設定画面のひとつを例示する図である。図示のように、設定画面には、設定項目44と、設定値の選択候補45が表示される。また、設定値は、現在設定されている選択候補に、他と区別できるマークが付されている。図示の例では、現在の設定値は矩形枠により包囲されている。
また、図9に示した例では、ガイド画面は、文字により選択肢を表示している。しかしながら、カメラ本体CPU27は、削除を指定された撮影画像に対して、ガイド項目を適用した結果を画像処理により生成して、背面モニタ21全体表示してもよい。この場合、ガイド項目は、画像に重畳して表示される。これにより、ユーザは、ガイド画面の内容を、具体的且つ直感的に把握できる。
このように、設定画面は、カメラシステム1の設定モードにおいて背面モニタ21に表示される設定メニューの画面と同じ内容を有し、選択する設定値の候補を直截に表示する。次に、ガイドモードにおけるカメラ本体CPU27の判断について具体的に説明する。
図9に示したガイド画面において、撮影時間が選択された場合、カメラ本体CPU27は、「撮影時刻」が選択されると、カレンダ部54から現在の時刻を確認する。そして、夕暮れから夜間の暗い状況下での撮影か、それ以外の明るい状況下での撮影かを判断する。
なお、カメラ本体CPU27は、GPSモジュール16からの位置情報、イベント情報取得部31からのイベント情報を得て、それらの情報を加味してもよい。また、外部から情報を取得する機能を有する場合は、天候等の情報を加味してもよい。
次に、カメラ本体CPU27は、次の表示画面として、他のガイド画面を表示する。すなわち、カメラ本体CPU27は、上記の時刻に関する情報から、カメラシステム1が夕方または夕方または夜に撮影していると判断する。そこで、このような場合に次に表示すべきガイド画面を準備して(ステップS304)、背面モニタ21に表示する(ステップS305)。
上記ステップS305において表示されるガイド画面には、撮影対象が暗い場合に有効な、例えば下記のようなガイド項目42が表示される。
1.夕焼け/夕日
2.夜景/夜景ポートレート
3.ISO感度/ノイズ
4.手振れ補正/赤め軽減/発光禁止
5.撮影テクニック
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により、例えば夕焼け/夕日が選択された場合に、更に、背面モニタ21に夕焼けまたは夕日のいずれかを選択するガイド画面を表示する。そして、いずれかが選択された場合に、ユーザの選択に応じてホワイトバランス及び露出を夕焼け用または夕日用に補正する。なお、カメラ本体CPU27は、ユーザにより細かい設定を行わせる設定画面を表示させてもよい。
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により夜景/夜景ポートレートが選択された場合に、背面モニタ21に夜景モードと夜景ポートレートのいずれかを奨めるガイド画面を表示する。カメラ本体CPU27は、夜景が選択された場合に、ストロボを発光禁止にすると共に、シャッタスピードを低速側に設定する設定画面を表示して、ユーザに設定させる。
一方、カメラ本体CPU27は、ガイド画面において夜景ポートレートが選択された場合に、ストロボを強制発光にすると共に、シャッタスピードを低速側に設定し、顔検出機能をONにする。また、カメラ本体CPU27は、夜景ボートレート撮影では手振れが発生しやすいので、手振れ補正機能をオンにする等、前述の複数の手振れ補正方式を併用して手振れ補正制御を実行するようにしてもよい。
更に、カメラ本体CPU27は、夜景/夜景ポートレートが選択された場合に顔認識を実行し、顔認識ができれば夜景ポートレートとし、顔認識ができなければ夜景撮影と判断して、第2選択画面を省いてもよい。
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作によりISO感度/ノイズが選択された場合に、背面モニタ21にISO感度またはノイズを選択するガイド画面を表示する。カメラ本体CPU27は、ISO感度が選択された場合に、背面モニタに、ISO感度を設定する設定画面を表示する。
一方、カメラ本体CPU27は、ノイズが選択された場合に、現在選択されているISO感度を表示すると共に、現在設定されているISO感度よりも低いISO感度を設定できるように、ISO感度の設定画面を表示する。このような場合は、図10に示したように、ガイド画面ではなく設定画面が表示される。
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により手振れ/赤目軽減/ストロボ発光禁止が選択された場合に、背面モニタ21に、「手振れ」、「赤目軽減」、「ストロボ発光禁止」を選択するガイド画面を表示して、ユーザが選択した項目に応じて設定する。
なお、この設定は、ユーザの操作履歴に応じて変更するようにしてもよい。具体的には、カメラ本体CPU27は、ユーザが過去の暗い状況での撮影において実行した設定の中から項目を選択し、あるいは、あまり操作したことがない項目、すなわち、設定に慣れていない項目を選択したりするようにすればよい。
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により撮影テクニックが選択された場合に、背面モニタ21に、「背景をぼかす/被写体を止めて撮る」を選択するガイド画面を表示する。そして、カメラ本体CPU27は、「背景をぼかす」が選択された場合には絞り5の絞り値を小さくして、背景がぼけるように設定する。また、カメラ本体CPU27は、「被写体を止めて撮る」が選択された場合には、シャッタスピードを高速側に設定する。
次に、撮影対象が明るい場合に有効なガイド内容について例示する。このような場合、カメラ本体CPU27は、背面モニタ21に下記のようなガイド項目を表示させる。
1.アクティブD−ライティング
2.逆光
3.ストロボ発光禁止、
4.ISO感度/連写/セルフタイマ
5.撮影テクニック
カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により、アクティブD−ライティングが選択された場合に、背面モニタ21にアクティブD−ライティングの効き具合を選択する設定画面を表示する。これにより、ユーザは、アクティブD−ライティングを有効にして、その効果を享受できる。
なお、アクティブD−ライティングは、白とびおよび黒つぶれの発生を防止しつつ、撮影画像の階調を維持する撮影および画像処理の手法を意味する。すなわち、撮影する場合に、白とびが生じない低めの露出値で撮影をした後、低輝度から中間輝度の画素領域の輝度を持ち上げる階調補正処理を施して画像ファイルを生成する。これにより、明部の階調性を維持したまま、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
同様に、撮影する場合に、黒つぶれが生じない高めの露出値で撮影をした後、低輝度から中間輝度の画素領域の輝度を押し下げる階調補正処理を施して画像ファイルを生成する。これにより、暗部の階調性を維持したまま、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
このように、測光センサ15の出力から算出された露出値に対して所定の段数分だけアンダーまたはオーバーに露出値を変更し、得られた画像に対して階調補正処理を施すことで、階調性の維持と全体的な適正露出を実現する撮影モードを、アクティブD−ライティングという。
再びガイド項目について説明する。カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により「逆光」が選択された場合、ストロボに強制発光モードを設定するように制御し、ストロボ発光禁止が選択された場合にストロボの発光を禁止するように制御する。
また、カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により「ISO感度/連写/セルフタイマ」が選択された場合に、背面モニタ21に、ストロボに強制発光モードを設定するように制御し、ストロボ発光禁止が選択された場合に、「ISO感度」「連写」「セルフタイマ」を選択するガイド画面を表示して、選択された項目を設定する。
なお、「ISO感度/連写/セルフタイマ」のガイド項目では、表示内容をユーザの操作履歴に応じて変更するようにしてもよい。具体的には、カメラ本体CPU27は、ユーザが過去の朝、日中などの明るい状況での撮影において実行した設定の中から項目を選択し、あるいは、あまり操作したことがない項目、すなわち、設定に慣れていない項目を選択したりするようにすればよい。撮影テクニックについては、上記した撮影対象が暗い場合のガイド項目と共通なので重複する説明を省く。
次に、図9に示したガイド画面において撮影場所が選択された場合に、次の段階で表示されるガイド画面について説明する。カメラ本体CPU27は、「撮影場所」が選択されると、GPSモジュール16から現在の場所を取得する。また、地図情報等を参照して、海での撮影か、山での撮影か、屋内または屋外での撮影かを判断する。また、カメラ本体CPU27は、カレンダ部54からの時間情報、イベント情報取得部31からのイベント情報、更に、外部から取得した天候情報等を取得して加味してもよい。
なお、位置および施設が判っていても、屋内か屋外かは不明瞭な場合がある。例えば、そこが学校であるとしても、校舎の中か校庭なのかの区別がつかない場合がある。また、水族館等でも、屋外施設が含まれる場合があるので、インドア/アウトドアについては、ガイド画面を表示してユーザに選択させるガイド画面を表示してもよい。
また、カメラ本体CPU27は、インドアが選択された場合に、取得した位置の施設情報から、学校、水族館、結婚式場等、当該施設の用途に応じた設定画面またはガイド画面を表示してもよい。なお、地図情報等は、フラッシュROM29に記憶させてもよいし、インターネット回線等を通じて外部から取得してもよい。
カメラ本体CPU27は、上記のようにして撮影場所に関する情報を取得すると、特定された撮影場所に対応したガイド画面または設定画面を背面モニタ21に表示する。なお、カメラ本体CPU27は、上記、撮影場所に関する情報に加えて、カレンダ部54から取得した日時情報を参照して、撮影条件を変化させてもよい。例えば、施設が学校であって、卒業式シーズンであれば、画像処理制御回路25により色合いを抑え気味にしてもよい。
同様に、カメラ本体CPU27は、アウトドアが選択された場合に、取得した位置情報(山、海、学校、鉄道等)に応じた撮影設定をガイドしてもよい。この場合も、カメラ本体CPU27は、カレンダ部54から日時情報を取得して、季節、時間帯に応じた設定をしてもよい。
更に、カメラ本体CPU27は、図9に示したガイド画面において「イベント」のガイド項目が選択されると、GPSも16から取得した位置情報と、カレンダ部54から取得した日時情報に基づいて、イベント情報取得部31から、ユーザがいる場所のイベント情報を取得する。ここで、カメラ本体CPU27は、イベント候補が複数検出された場合に、複数のイベント情報を背面モニタ21に表示して、ユーザに該当イベントを選択させてもよい。
このように、本実施形態においては、ユーザが複数の画像の削除を指示した後に、ガイドモードにより削除理由と撮影状況に応じた撮影ガイドを実行する。これにより、ユーザの意図に沿った画質の画像が撮影しやすくなる。
図11は、カメラ本体CPU27が確認モードにおいて実行する制御手順を示す流れ図である。確認モード(図6、ステップS110)において、カメラ本体CPU27は、カメラシステム1が撮影態勢ではないので、ユーザに時間的余裕があると判断している。
そこで、確認モードにおいては、カメラ本体CPU27は、削除を指定された撮影画像データについて、ユーザに削除理由を問い合わせて確認する(ステップS401)。なお、カメラ本体CPU27は、確認モードを起動した場合に、スピーカ18からビープ音を発して、カメラシステム1が確認を求めていることに対してユーザの注意を喚起してもよい。
図12は、上記手順のステップS401を実行する場合に背面モニタ21に表示される内容を例示する図である。背面モニタ21には、削除を指示された複数の画像の縮小画像49と、縮小画像49に対する問い合わせ項目46と、当該問い合わせ項目46への応答としての選択肢47とが併せて表示される。
ユーザは、十字ボタン36によりいずれかの選択肢47に選択枠48を移動させ、決定ボタン37を押すことにより、当該画像Bに対して削除を指定した削除理由をカメラ本体CPU27に応答する。
なお、背面モニタ21に表示された複数の縮小画像49のうち、問い合わせ項目46の対象となる画像Bの縮小画像49は、他の縮小画像49よりも大きく表示される。また、既に問い合わせを済ませた画像Aの縮小画像49はグレイアウトされ、更に、次の縮小画像49に対する問い合わせを開始するために縮小画像49が下方にスクロールされて背面モニタ21からフレームアウトされる。
また、図示の例では、削除を指定されて一時保存されている画像を、縮小画像49により表示している。しかしながら、カメラ本体CPU27は、背面モニタ21全体に削除を指定された撮影画像を表示し、問い合わせ項目46、選択肢47等を撮影画像に重畳して表示してもよい。これにより、撮影画像が大きく表示され、ユーザにとって画像の細部を把握しやすくなる。
再び図11を参照すると、問い合わせを発したカメラ本体CPU27は、ユーザから応答があったか否かを調べる(ステップS402)。ここで、カメラ本体CPU27は、ユーザからの反応がない場合に、予め定めた閾値時間が経過したことを契機として、ユーザに応答の意志がないと判断して、確認モードを終了してもよい(ステップS402:NO)。
一方、カメラ本体CPU27は、ユーザからの応答があった場合(ステップS402:YES)、削除対象の撮影画像データの各々について、当該撮影画像データが生成された撮影時の撮影条件に起因する削除理由を、ユーザが選択した選択肢47により受け付ける(ステップS403)。
更に、カメラ本体CPU27は、受け付けた削除理由の選択項目に対応して、カメラシステム1の撮影条件の初期値を調整する(ステップS404)。これにより、カメラシステム1の撮影条件に関する初期値は、削除理由発生が減じるように変更される。
なお、調整された設定は、例えば、当該撮影データを撮影したときにカメラ本体2に装着されていた撮影レンズ3の種類と関連付けて保存されてもよい。これにより、撮影レンズ3を交換した場合でも、合焦に関する調整された設定値が保存され、再び当該撮影レンズ3が装着された場合に、ユーザの意図を反映した撮影条件を再設定する。
次に、削除理由を確認した撮影画像に対して、救済モードが実行されてもよい(ステップS405)。救済モードについては、他の図を参照して後述する。
問い合わせに対する応答が済んだ画像Aの撮影画像データは、既に説明したように、二次記録媒体34から完全に消去される(ステップS406)。ここで図6を参照すると判るように、カメラ本体CPU27は、削除理由が未確認の削除画像が残る限り、また、カメラシステム1が撮影態勢にならない限り(ステップS103:NO)、削除理由の確認を繰り返す(ステップS110)。
換言すれば、カメラシステム1が撮影態勢になった場合には、確認モードは中断される。しかしながら、カメラシステム1の撮影態勢が解除された場合には、再び確認モードが起動される。
上記のように、確認モードでは、図11に示した一連の制御が実行される。しかしながら、更に、カメラ本体CPU27は、ユーザに対して削除理由を階層的に問い合わせてもよい。即ち、カメラ本体CPU27は、削除理由として例えばピントが選択された場合、ピントがどういう状態であったかを更に問い合わせてもよい。
図13は、削除理由について階層的な問い合わせをする場合に、背面モニタ21に表示される内容の一例を示す図である。問い合わせの第一段階で例えばピントが選択された場合、カメラ本体CPU27は、ピントに係る第二段階の問い合わせを背面モニタ21に表示させる。
図示の例では、選択されたピントという削除理由について、更に、ピントがどのように合っていなかったのかを問い合わせる選択肢47を表示している。この選択肢47に対してユーザは、十字ボタン36によりいずれかの選択肢47に選択枠48を移動させ、決定ボタン37を押すことにより、当該画像Bに対して削除を指示した削除理由をカメラ本体CPU27に通知する。
このように、問い合わせを2段階にすることにより、カメラ本体CPU27は、撮影画像データの削除理由をより高精度に把握できる。即ち、撮影画像データBにおいて、たとえユーザの意図とは異なっていても、何らかの被写体にピントがあっていれば、カメラ本体CPU27は、削除の原因がピントにあることを十分に把握できない。
しかしながら、削除原因がピントであり、ピントのずれが意図した位置よりも手前あるいは遠くであったことが判れば、ユーザの撮影意図をカメラ本体CPU27が把握できる。そこで、カメラ本体CPU27は、焦点検出センサ11の出力に対してオフセットを設定させ、ユーザの意図した位置に合焦位置を近づけることができる。また、撮影レンズ3の経年変化等に起因する合焦のずれに対しても対応できる。
また、削除原因がピントにあるが、ピントのずれ方がどちらともいえないという選択肢47を受け付けた場合は、寧ろ、合焦の問題ではなく、手ブレまたは被写体ブレに原因があると解釈してもよい。このような場合、カメラ本体CPU27は、シャッタ速度が高くなるプログラムを設定する。
図14は、上記のような問い合わせ内容の一覧を例示する図である。図6に示した選択肢47における色合い、明るさの各項目についても、図7に示した第二段階の問い合わせのように、それぞれ複数の選択肢47を含む第二段階の問い合わせを用意できる。ユーザにこれらの問い合わせをしてユーザの選択を受け付けることにより、カメラ本体CPU27は、撮影条件の分析では検知できないユーザの撮影意図を抽出できる。
即ち、色合いに対しては、例えば、冷たい色であったか、ぬるい色であったかを問い合わせることにより、オートホワイトバランスでは検出することができないユーザの色に対する意図を知ることができる。なお、ここで「冷たい色であった」とは、撮影画像の色温度がユーザの想定していた色温度よりも高かった場合に、撮影画像が青白く見えることを意味している。また、「ぬるい色であった」とは、撮影画像の色温度がユーザの想定していた色温度よりも低かった場合に、撮影画像が赤く見えることを意味している。即ち、上記のような問い合わせにより、色温度に対する知識がないユーザからも、色に関する撮影意図をカメラ本体CPU27に受け付けさせることができる。なお、ユーザの撮影に対する習熟度に応じて、撮影画像の彩度、明度等を直截に指定させてもよい。
更に、明るさについても、ユーザの撮影意図に対して暗かったか明るかったかを問い合わせることにより、自動露出の適否では評価できないユーザの撮影意図を把握できる。また、仮にユーザが露出補正をしていた場合でも、ユーザの意図に対する補正量の適否をカメラ本体CPU27が把握でき、自動的に補正量を調整できる。
また更に、カメラ本体CPU27は、ユーザの十字ボタン36の操作により構図が選択された場合に、主要被写体の大きさ不足していたことが削除理由なのか、不要な被写体が写り込んでいたことが削除理由なのかをユーザに問い合わせてもよい。
なお、例えば、問い合わせ項目46として「被写体の表情」が選ばれ、更に、被写体の目つぶり、笑顔ではなかったこと等が選ばれた場合は、撮影条件の変更では対応できない。また、撮影済みの画像に対する画像処理で対応することもできない。そこで、カメラ本体CPU27は、ガイドモードが次に起動した場合(図6、ステップS109)に、カメラシステム1の目つぶり防止モードまたは笑顔検出モードを推奨するガイド画面を表示するようにしてもよい。
なお、目つぶり防止モードは、僅かな時間間隔をおいて複数の撮影をすることにより、目つぶりのない映像を確保する機能を意味する。また、笑顔検出は、ライブモードにおけるスルー画から、画像上の笑顔の特徴を検出して撮影を実行する機能を意味する。
同様に、カメラ本体CPU27は、削除理由が白とびまたは黒つぶれであった場合に、ガイドモードが起動したとき(図6、ステップS109)に、アクティブD−ライティングの利用を推奨するガイド画面を表示してもよい。
また、問い合わせ項目および問い合わせ内容が上記の例に限られるわけではないことはもちろんである。問い合わせに対する削除理由の受付に係るユーザの手間が過剰にならない範囲で、より多くの問い合わせ事項について問い合わせてもよい。それにより、カメラ本体CPU27は、ユーザの撮影意図をより精密に反映させて撮影できる。
また、問い合わせ事項の内容および表示方法が図示の例に限られないことはいうまでもない。例えば、問い合わせの対象となるひとつの撮影画像データを背面モニタ21全面に表示して、問い合わせ事項を、撮影画像データにスーパインポーズして表示してもよい。また、アイコン、イラスト等、文字以外により表示してもよい。
なお、上記した削除理由の確認は、削除を指定された複数の撮影画像データについて一枚ずつ実行してもよいし、例えば5分から10分程度の予め定めた時間内に撮影した一群の画像をグループとして、そのうちの一枚を代表として問い合わせてもよい。例えば、カメラ本体CPU27は、複数の削除指定画像のうちの最後に撮影された画像を用いてもよい。
また、1つのグループに対して問い合わせる場合には、当該グループに含まれる撮影画像データの撮影対象が同じであることが望ましい。よって、上記した撮影時刻に基づくグルーピングに加え、顔認識による分類、構図の類似度により分類してもよい。
図15は、カメラ本体CPU27が救済モードにおいて実行する制御手順を示す流れ図である。救済モードにおいて、カメラ本体CPU27は、救済の対象となる撮影画像が、グループ化された一群の撮影画像の一部であり、当該グループに属する他の画像が削除されずに残されているか否かを調べる(ステップS501)。
救済対象と同じグループに属する他の画像が削除されていない場合(ステップS501:NO)、カメラ本体CPU27は、当該グループの撮影対象について、残すべき撮影画像をユーザが既に獲得していると判断して、救済モードを終了する。一方、同じグループに属する画像が全て削除されている場合(ステップS501::YES)、カメラ本体CPU27は、当該撮影画像に対して確認された削除理由が、回復できるものか否かを判断する(ステップS502)。
すなわち、既に説明した通り、撮影済みの画像における白とびまたは黒つぶれが削除理由であった場合、白とびまたはクリアランスやつぶれが生じた領域では、画像の階調を回復することができない。また、被写体の表情、目つぶりが削除理由である場合、被写体の表情を補正することはできない。よって、このような削除理由により削除された撮影画像については、補正を試みることなく救済モードを終了する(ステップS502:NO)。
一方、削除理由が色、明るさ、構図等、画像処理で対応できる場合(ステップS502:YES)、カメラ本体CPU27は、削除理由を解消または軽減すべく、画像処理制御回路25に画像処理を指示する(ステップS503)。更に、カメラ本体CPU27は、補正した撮影画像を、背面モニタ21に表示して、ユーザに補正結果を提示する(ステップS504)。
次に、カメラ本体CPU27は、補正した画像を再保存するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS505)。ユーザが保存しないことを指示した場合(ステップS505:NO)、カメラ本体CPU27は、救済モードを終了する。一方、ユーザが保存することを指示した場合(ステップS505:YES)、補正画像を保存した後(ステップS506)に救済モードを終了する。
このように、救済モードを実行することにより、いったんは削除を指定された撮影画像を、再撮影することなく救済することができる。次に、救済モードにおける画像処理を具体的に例示する。
ある撮影画像に対する削除理由が色に係わる場合、カメラ本体CPU27は、背面モニタ21に色相調整の設定画面を表示させる。これにより、ユーザは、十字ボタン36を操作して、撮影画像の色を変化させることができる。また、カメラ本体CPU27は、同様に、ホワイトバランスの調整、肌色の彩度を調整する美肌補正の実行等をガイドしてもよい。更に、撮影画像を、モノクロ画像、セピア画像等に変換することを提案してもよい。
カメラ本体CPU27は、上記画像処理後の撮影画像を補正画像として背面モニタ21に表示させ(ステップS504)、保存するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS505)。上記画像処理によりユーザの削除理由が解消または軽減された場合、ユーザは、補正画像を保存すべく指示する(ステップS505:YES)。これにより、いったんは削除された撮影画像を、再撮影することなく救済できる。
また、ある撮影画像に対する削除理由が構図に係るものであり、更に、主要被写体が小さく写っていることが詳細な削除理由である場合、カメラ本体CPU27は、主要被写体を拡大する処理を画像処理制御回路25に実行させる。この場合、カメラ本体CPU27は、画像の拡大率を十字ボタン36の操作量に応じて拡大させてもよい。また、背面モニタ21にタッチパネルセンサが積層されている場合は、タッチパネルセンサにより拡大箇所および拡大率を選択させてもよい。
また、ある撮影画像に対する削除理由が構図に係るものであり、更に、不要な被写体が大きく写っていることが詳細な削除理由である場合、カメラ本体CPU27は、画像をトリミングする処理を画像処理制御回路25に実行させる。この場合、カメラ本体CPU27は、十字ボタン36によりトリミング範囲をユーザに指定させてもよい。あるいは、カメラ本体CPU27は、画像中の不要な被写体をぼかす処理を画像処理制御回路25に実行させてもよい。
また、ある撮影画像に対する削除理由が構図に係るものであり、更に、白とびまたは黒つぶれが詳細な削除理由である場合に、カメラ本体CPU27は、白とびまたは黒つぶれを抑制するγカーブ補正を画像処理制御回路25に実行させてもよい。既に説明したように、白とびおよび黒つぶれを修復することはできないが、目立たなくすることができる。このような補正画像を保存するか否かは、背面モニタ21に表示して(ステップS504)、ユーザの判断に任される(ステップS505)。
なお、上記実施例においては画像削除が複数行われた場合について詳述したが、1枚の画像削除に上記実施例を適用しても構わない。また、上記実施例においては、レンズ交換式一眼レフカメラであるカメラシステム1を例として説明した。しかしながら、上記の制御は、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラおよびビデオカメラはもちろん、携帯電話などにも適用できる。
図16は、撮影条件設定プログラムを実行するパーソナルコンピュータ60を模式的に示す図である。パーソナルコンピュータ60は、ケーブル61を介して、カメラシステム1と接続されている。
パーソナルコンピュータ60は、ディスプレイ62、本体部63およびキーボード64を有する。本体部63は、予め定められた画像処理を施した上でディスプレイ62に画像を表示する表示制御部、カメラシステム1との通信により撮影画像データを格納する記録媒体、実行すべきプログラムをロードする場合に用いられる光学ドライブ65等を備える。また、本体部63は、ロードされたプログラムを実行するプロセッサを備える。
上記のようなパーソナルコンピュータ60は、プログラムを読み込ませることにより、図15までに示した制御手順を実行する画像処理装置として動作する。また、パーソナルコンピュータ60は、ケーブル61を介して、カメラシステム1から撮影画像データを受け取って処理の対象とすることができる。
よって、ユーザは、より大きなディスプレイ62およびキーボード64を用いて、撮影画像の選択および削除と、削除理由の問い合わせに対する応答ができる。ユーザの応答を受け付けて調整された撮影条件の設定値は、例えば、ケーブル61を介してカメラシステム1に設定して実行させることができる。これにより、ユーザの意図を反映した撮影条件の下で、以降の撮影をすることができる。
なお、カメラシステム1およびパーソナルコンピュータ60の間の撮影画像データおよび設定情報の転送は、図示のようにケーブル61を経由してもよいし、無線通信であってもよい。また、撮影画像データが格納された二次記録媒体を受け渡すことにより、撮影画像データおよび設定情報を受け渡してもよい。なお、撮影条件設定プログラムの実行は、カメラシステム1およびパーソナルコンピュータ60に限られるものではなく、店頭あるいはオンラインのプリントサービス設備等で実行してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示していない限り、あるいは、前の処理の出力を後の処理で用いない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するとは限らない。