JP2007013586A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、シャッターチャンスを逃すことなく、また、手振れ補正機構を搭載することなく良好に撮影を行うことができる撮影装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ10の撮影ボタン16を半押しして全押しすると、3軸加速度センサ42によって振動情報採取が開始され、同時に被写体が撮影されるとともに、被写体像が電子データとしてHDD40に記録され、そして、被写体像が液晶モニタ24に表示される。次に、撮影時の状態のデータを収集し、手振れ許容可否を判定する。すなわち、CPU30によって算出した変位量と、その状態における許容変位量と比較する。そして、算出した変位量が許容変位量を超えた場合には、液晶モニタ24に再撮影を喚起する旨の内容を表示させるとともに、再撮影モードを液晶モニタ24に表示させ、ユーザーに再撮影モードのうち一つのモードを選択させる。
【選択図】 図6
【解決手段】デジタルカメラ10の撮影ボタン16を半押しして全押しすると、3軸加速度センサ42によって振動情報採取が開始され、同時に被写体が撮影されるとともに、被写体像が電子データとしてHDD40に記録され、そして、被写体像が液晶モニタ24に表示される。次に、撮影時の状態のデータを収集し、手振れ許容可否を判定する。すなわち、CPU30によって算出した変位量と、その状態における許容変位量と比較する。そして、算出した変位量が許容変位量を超えた場合には、液晶モニタ24に再撮影を喚起する旨の内容を表示させるとともに、再撮影モードを液晶モニタ24に表示させ、ユーザーに再撮影モードのうち一つのモードを選択させる。
【選択図】 図6
Description
本発明は撮像装置に係り、特に撮影ボタンの押圧操作時の手振れに起因する像振れ対策がなされた撮像装置に関する。
特許文献1の如く、撮影ボタンの押圧操作から実際の露光開始までにレリーズタイムラグを持たせることにより、手振れによる像振れを防止したカメラが知られている。このカメラによれば、シャッタースピードの状態に基づき、例えばシャッタースピードが遅い場合には大振れが生じ易いのでレリーズタイムラグを長めに設定し、大振れが収まった時点で露光を開始する。
また、引用文献2に記載されたカメラは、撮影時にぶれ演算された演算値と、予め定められた許容値とを比較し、ぶれ演算値の方が大きい場合に、通常の撮影モードからぶれ低減モードへ移行させる露光開始制御手段とを有している。この露光開始制御手段によれば、撮影モードがぶれ低減モードに移行されると、実際の露光のタイミングを所定時間遅延し、振れが収まった時点で露光を開始する。
特開平10−232418号公報
特開平8−320511号公報
特許文献1、2に開示された従来のカメラは、双方ともレリーズタイムラグを持たせることにより、像振れを防止したカメラである。しかしながら、カメラを扱うユーザーは通常、シャッターチャンスを狙って撮影ボタンを押すものなので、特許文献1、2の如くレリーズタイムラグを持つカメラでは、ユーザーが意図して撮影したものと実際に撮影されたものとが異なり、ユーザーにとっては扱い難いという問題があった。
レリーズタイムラグを持つカメラとは別に、シャッター速度を高速にして像振れを防止したカメラもある。このカメラは、高照度の場合には有効であるものの、低照度の場合には露出不足となり良好に撮影を行うことができない。また、手振れを補正する手振れ補正機構を搭載したカメラも知られているが、この機構を搭載することでカメラが高価になるとともに大型化し、消費電力も増大するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シャッターチャンスを逃すことなく、また、手振れ補正機構を搭載することなく良好に撮影を行うことができる撮像装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、撮像装置に生じる振動を検知する振動検知手段と、前記撮像装置の撮影時に前記振動検知手段によって検知された振動と、あらかじめ設定された許容振動とを比較し、検知された振動が許容振動を超えた場合に、前記撮像装置の表示手段に撮影モードを表示させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、撮像装置の撮影時、すなわち撮影ボタンの押圧操作時に生じる振動を振動検出手段によって検知すると、制御手段は、振動検出手段によって検知した振動と、あらかじめ設定されている許容振動(手振れによる振動が画質に悪影響を与えない振動の限界値)とを比較し、検知した振動が許容振動を超えた場合に、撮像装置の表示手段に、撮影モードを表示させる。これにより、ユーザーは、振動の如何に関係無く、被写体をシャッターチャンスを逃すことなく撮影することができ、また、撮影した被写体に関して振動の評価を表示手段に表示された撮影モードによって確認することができるので、振動が許容振動を超えた場合には再度撮影する等の善後策を、表示手段に表示された撮影モードを参考にし、撮影の直後に講じることができる。よって、本発明の撮像装置によれば、手振れ補正機構を搭載することなく良好に撮影を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記撮影モードは、再撮影を促す再撮影モードであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記再撮影モードには、ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影させるモード、シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影させるモード、レリーズタイムラグを長くして再撮影させるモードがあり、これらのモードが前記表示手段に表示されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、表示手段に表示された再撮影モードに従って、ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影することを選択(モード移行)すると、SN比が若干悪くなるが、手振れによる危険性(画質不良)を低減できる。また、シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影することを選択(モード移行)すると、被写体周囲の背景が露光不足になる懸念はあるが手振れによる画質不良を回避できる。なお、レリーズタイムラグを長くして(実際の露光開始時間を所定時間遅延させて)再撮影することを選択した場合には、次回の撮影においてシャッターチャンスは逃すが手振れによる画質不良は回避できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3のうちいずれか一つにおいて、前記振動検出手段は、前記撮像装置に内蔵されたハードディスクドライブユニットの落下を検出する3軸加速度センサであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、ハードディスクドライブユニットの落下を検出する3軸加速度センサが、ハードディスクドライブユニットにあらかじめ装着されていることに着目し、この3軸加速度センサを、本発明の振動検出手段として兼用したので、部品点数及びコストを削減することができる。
3軸加速度センサは、互いに直交するX、Y、Z軸を感応軸とし、これら3軸の表示値(表示値=運動加速度成分−重力加速度成分)が同時にゼロを示したときに、撮像装置が自由落下状態と判定する。ハードディスクドライブユニットでは、3軸加速度センサによって自由落下が検出されると、ヘッド退避手段によってヘッドがハードディスクドライブユニットのハードディスクから退避し、ハードディスク及びヘッドを保護する。3軸加速度センサによる加速度の検出方式としては静電量型、圧電型、ピエゾ抵抗型がある。また、最近の3軸加速度センサは小型軽量化され、3軸加速度センサの存在によって撮像装置が大型になることはない。
なお、振動検出手段は、ハードディスクドライブユニットにあらかじめ装着された3軸加速度センサに限定されるものではなく、撮像装置のAF測距方法の判別用のもの、AE範囲の判別用のもの、撮像装置の縦横姿勢を検出し表示部に画像を常に正立させて表示させるためにあらかじめ撮像装置に内蔵されたものであってもよい。
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4において、前記撮像装置は、被写体を固体撮像素子によって撮像し、固体撮像素子から出力される被写体を示す電子情報を電気的消去可能なメモリに記憶させる電子カメラであることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、撮影時の振動により画質不良が判明した画像を、メモリから電気的に消去することができる。
データを消去して再撮影が可能な電子カメラにおいて、撮影ミスは銀塩カメラに比べて重要ではなく、撮影ミスに気が付かずに次の撮影場所に移ってしまい撮影機会を逃すことの方が問題となる。そこで電子カメラにおいては、手振れ如何にかかわらずシャッターチャンス優先にて撮影を行い、レリーズ時に許容振動を超える振動が発生した場合にのみ警告を表示して、撮影者に再撮影と請求項3の如くモード移行を促してその場での撮影ミスを低減する。
本発明に係る撮像装置によれば、被写体をシャッターチャンスを逃すことなく撮影することができ、また、撮影した被写体に関して振動の評価を表示手段に表示された内容によって確認することができ、これによって、振動が許容振動を超えた場合には再度撮影する等の善後策を撮影の直後に講ずることができるので、手振れ補正機構を搭載することなく良好に撮影を行うことができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置の好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の撮像装置を、電子カメラであるデジタルカメラに適用した例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラ機能を有するカメラ付き携帯電話機、銀塩フィルムを使用するカメラに適用可能である。
図1は、実施の形態のデジタルカメラ10を正面から見た斜視図であり、図2はデジタルカメラ10を背面から見た斜視図である。また、図3は、デジタルカメラ10の全体構成を示したブロック図である。
図1、図2の如くデジタルカメラ10は、カメラケース12の前面の左側に前方に膨らんだグリップ部14が形成され、グリップ部14が位置するカメラケース12の上面には撮影ボタン16が配置されている。この撮影ボタン16は、グリップ部14を把持したユーザーの右手の人指し指によって操作可能な位置に設けられている。更に、カメラケース12の前面の略中央部には、撮影レンズ18を保持した沈胴/繰り出し式のテレスコープ型レンズ鏡胴20が前方に突出して設けられている。更にまた、カメラケース12の前面の右側上部には、キセノン管を有するストロボ発光部22が設けられるとともに、カメラケース12の背面には図2の如く液晶モニタ24、モード選択スイッチ26、十字キー27等の各種スイッチ、及びファインダ28がそれぞれ所定の位置に設けられている。
デジタルカメラ10は、図3の如く中央処理装置(CPU)30によってその全体動作が統括制御されている。CPU30は、所定のプログラムに従ってカメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算など、各種演算を実施する演算手段として機能する。
バス32を介してCPU30と接続されたROM34には、CPU30が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM36には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
また、メモリ(SDRAM)38は、プログラムの展開領域及びCPU30の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。HDD(ハードディスクドライブユニット)40は画像データ専用の一時記憶メモリであって消去可能であり、自由落下及び振動(動的加速度)を検出する3軸加速度センサ42が内蔵されている。3軸加速度センサ42によってデジタルカメラ10の自由落下が検出されると、HDD40に内蔵された不図示のヘッド退避手段によってヘッドをHDD40のハードディスクから退避させる。
また、3軸加速度センサ42は、撮影ボタン16の押圧操作(レリーズ)時にカメラケース12に発生している3軸(直交するX、Y、Z軸)方向の振動を検出し、各軸毎に検出された振動を示す電圧信号をCPU30に出力する。CPU30は、前記各軸毎に出力される電圧信号の変位量(振れの速度に相当)を算出し、この変位量と予め記憶されている許容振動を示す変位量とを比較し、算出された変位量が許容振動を示す変位量を超えたとき、液晶モニタにその旨を表示し警告し、その後、モード移行を内容を表示してユーザーに再撮影を促す。このモード移行については後述する。
モード選択スイッチ26は、撮影モードと再生モードとを切り換えるための操作手段である。モード選択スイッチ26を操作して可動接片26Aを接点aに接続させると、その信号がCPU30に入力され、デジタルカメラ10は撮影モードに設定される。また、可動接片26Aを接点bに接続させると、デジタルカメラ10は記録済みの画像を再生する再生モードに設定される。
撮影ボタン16は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にオンになるS1スイッチと、全押し時にオンになるS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
メニュー/OKキー(図2には不図示)は、液晶モニタ24の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キー27は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタンとして機能する。キャンセルキー(図2には不図示)は、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
液晶モニタ24は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。この液晶モニタ24は液晶ディスプレイであるが、これに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置を用いることも可能である。
デジタルカメラ10は、メディアソケット46を有し、メディアソケット46には記録メディア48を装着することができる。記録メディアの形態は特に限定されず、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。
メディアコントローラ50は、メディアソケット46に装着される記録メディア48に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
また、デジタルカメラ10は、パソコンその他の外部機器と接続するための通信手段としてUSBインターフェース部52を備えている。USBケーブルを用いてデジタルカメラ10と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。もちろん、通信方式はUSBに限らず、その他の通信方式を適用してもよい。
次に、デジタルカメラ10の撮影機能について説明する。
モード選択スイッチ26によって撮影モードが選択されると、カラーCCD固体撮像素子(以下CCDと記載)54を含む撮像部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。
レンズ鏡胴20は、フォーカスレンズを含む撮影レンズ18と絞り兼用メカシャッター56とを含む光学ユニットである。レンズ鏡胴20は、CPU30によって制御されるレンズ駆動部58、絞り駆動部60によって電動駆動され、ズーム制御、フォーカス制御及びアイリス制御が行われる。
撮影レンズ18を通過した光は、CCD54の受光面に結像される。CCD54の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD54は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU30は、タイミングジェネレータ62を介してCCD54での電荷蓄積時間を制御する。なお、CCD54に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
CCD54の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU30の指令に従いタイミングジェネレータ62から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
CCD54から出力された信号はアナログ処理部(CDS/AMP)64に送られ、ここで画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器66に加えられる。A/D変換器66によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、画像入力コントローラ68を介してメモリ38に記憶される。
画像信号処理回路70は、メモリ38に記憶されたR、G、B信号をCPU30の指令に従って処理する。すなわち、画像信号処理回路70は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU30からのコマンドに従ってメモリ38を活用しながら所定の信号処理を行う。
画像信号処理回路70に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路70において輝度信号及び色差信号に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路70で処理された画像データはHDD40に記録される。
撮影画像を液晶モニタ24にモニタ出力する場合、HDD40から画像データが読み出され、バス32を介してビデオエンコーダ72に送られる。ビデオエンコーダ72は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して液晶モニタ24に出力する。
撮影ボタン16が半押しされ、S1がオンになると、デジタルカメラ10はAE及びAF処理を開始する。すなわち、CCD54から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ68を介してAF検出回路74並びにAE/AWB検出回路76に入力される。
AE/AWB検出回路76は、1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU30に提供する。CPU30は、AE/AWB検出回路76から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定され、これに従いCPU30はCCD54の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
また、AE/AWB検出回路76は、自動ホワイトバランス調整時には、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU30に提供する。CPU30は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、各分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行い、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、例えば、各比の値がおよそ1になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。前述した各比の値を1以外の値になるようにホワイトバランス調整回路のゲイン値を調整すると、ある色味が残った画像を生成することができる。
デジタルカメラ10におけるAF制御は、例えば映像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカシングレンズ(撮影レンズ18を構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズ)を移動させるコントラストAFが適用される。すなわち、AF検出回路74は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)に予め設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部、及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
AF検出回路74で求めた積算値のデータはCPU30に通知される。CPU30は、レンズ駆動部58を制御してフォーカシングレンズを移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカシングレンズを移動させるようにレンズ駆動部58を制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
撮影ボタン16が半押しされ、S1オンによってAE/AF処理が行われ、撮影ボタン16が全押しされ、S2オンによって記録用の撮影動作がスタートする。S2オンに応動して取得された画像データは画像信号処理回路70において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ38に格納される。
メモリ38に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路78によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ50を介して記録メディア48に記録される。例えば、静止画についてはJPEG形式で記録される。
モード選択スイッチ26により再生モードが選択されると、記録メディア48に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路78を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路70及びビデオエンコーダ72を介して表示用の信号に変換された後、液晶モニタ24に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が液晶モニタ24の画面上に表示される。
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア48から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が液晶モニタ24に再生表示される。なお、デジタルカメラ10は、電源回路80を介して供給される電池82の電力によって駆動される。以上がカメラ1の全体構成である。
ところで実施の形態のデジタルカメラ10は、HDD42に内蔵された3軸加速度センサ42を利用し、撮影ボタン16の押圧操作(撮影)時にデジタルカメラ10に生じた振動を検出している。また、振動を示す電圧信号は3軸加速度センサ42の各軸からCPU30に出力される。CPU30は、振れによって画質に悪影響を与える、y軸・x軸(図1参照)から出力される電圧信号の変位量(振れの速度に相当)を算出し、この変位量と予め記憶されている許容振動を示す変位量とを比較し、算出された変位量が許容振動を示す変位量を超えたとき、液晶モニタ24にその旨を表示して警告し、その後、モード移行を内容を表示してユーザーに再撮影を促す。y軸は、デジタルカメラ10を正横位置に構えたときの鉛直軸であり、x軸は水平軸である、CCD54の結像面はy−x平面にあるため、変位量はy軸・x軸の変位量を取得すればよく、z軸の変位量は不要である。また、警告は音声によって実行してもよい。
ここで、3軸加速度センサ42のy軸・x軸から出力される電圧信号の変位量は下記の(1)式にて算出できる。
変位量=((y軸最大値−y軸最小値)2 +(x軸最大値−x軸最小値)2 )1/2 …(1)
また、許容振動を示す変位量はROM34に記憶され、この記憶された変位量はCPU30によって読み出され、前記(1)式にて算出された変化量と比較される。
また、許容振動を示す変位量はROM34に記憶され、この記憶された変位量はCPU30によって読み出され、前記(1)式にて算出された変化量と比較される。
図4には、ROM34に記憶された許容振動に対応する変位量(以下、許容変位量)が示されている。同図の如く、シャッター速度に対応した焦点距離のテレ(TELL)端及びワイド(WIDE)での許容変位量がROM34に記憶される。例えば、シャッター速度が1/100のときのテレ端での許容変位量は1.2であり、ワイド端での許容変位量は1.9である。また、シャッター速度が1/10のときのテレ端での許容変位量は0.2であり、ワイド端での許容変位量は0.4である。
図5には、時刻0(s)にて撮影ボタン16を押圧操作したときの各軸から出力される電圧信号波形が示されている。このグラフの横軸は時刻(s)を示し、縦軸は電圧が示されている。なお、振動を示す電圧信号波形は、3軸加速度センサ42の出力をハイパスフィルタに透してDC分をカットし、変位分のみを抽出して増幅することにより取得することができる。
この場合の許容変位量を(1)式にて算出すると、
許容変位量=((3.6−2.8)2 +(2.8−1.95)2 )1/2 ≒1.17
となる。
許容変位量=((3.6−2.8)2 +(2.8−1.95)2 )1/2 ≒1.17
となる。
よって、このときに例えばシャッター速度が1/60でワイド端の場合(許容変位量=1.6)には、許容変位量以下なので手振れの問題はないが、テレ端の場合(許容変位量=1.0)には、許容変位量を超えているので、液晶モニタ24に「手振れが発生しました」と文字表示して警告する。この後、モード移行の内容(撮影モード)を液晶モニタ24に表示してユーザーに再撮影を促す。
液晶モニタ24には、「ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影」するモードと、「シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影」するモードと、「実際の露光開始時間を所定時間遅延させて再撮影」するモードとが文字表示され、その中から一つのモードを選択可能となっている。「ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影」モードが選択されると、撮影時のSN比が若干悪くなるが、手振れによる危険性(画質不良)を低減できる。また、「シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影」するモードが選択されると、被写体周囲の背景が露光不足になる懸念はあるが手振れによる画質不良を回避できる。更に、「実際の露光開始時間を所定時間遅延させて再撮影」するモードが選択されると、シャッターチャンスは逃すが手振れによる画質不良は回避できる。
このように構成されたデジタルカメラ10によれば、撮影ボタン16の押圧操作時に生じる振動を3軸加速度センサ42によって検知すると、CPU30は、3軸加速度センサ42によって検知した振動と、あらかじめ設定されている許容振動(手振れによる振動が画質に悪影響を与えない振動の限界値)とを比較し、シャッター速度に応じて、検知した振動が許容振動を超えた場合に、その内容を液晶モニタ24に表示させる。
これにより、ユーザーは、振動の如何にかかわらず被写体をシャッターチャンスを逃すことなく撮影することができ、また、撮影した被写体に関して振動の評価を液晶モニタ24に表示された内容によって一目瞭然に確認することができるので、振動が許容振動を超えた場合には再度撮影する等の善後策を撮影の直後に講じることができる。よって、本発明の撮像装置によれば、手振れ補正機構を搭載することなく良好に撮影を行うことができる。
データを消去して再撮影が可能なデジタルカメラ10においては、撮影ミスは銀塩カメラに比べて重要ではなく、撮影ミスに気が付かずに次の撮影場所に移ってしまい撮影機会を逃すことの方が問題となる。そこで実施の形態のデジタルカメラ10では、シャッターチャンス優先にて撮影を行い、レリーズ時に許容振動を超える振動が発生した場合にのみ警告を表示して、撮影者に再撮影とモード移行を促すので、その場での撮影ミスを低減することができる。
図6は、CPU30によるデジタルカメラ10の動作の一例を示したフローチャートである。
まず、デジタルカメラ10の電源をオンにした後、撮影ボタン16を半押しするとともに(S(STEP)100)全押しすると(S110)、3軸加速度センサ42によって振動情報採取が開始され(S120)、同時に被写体が撮影されるとともに(S130)、被写体像が電子データとしてHDD40に記録され(S140)、そして、被写体像が液晶モニタ24に表示される(S150)。
次に、撮影時の状態のデータ(ズーム(焦点距離)、シャッター時間(シャッター速度)、振動量(変位量))を収集し(S160)、手振れ許容可否を判定する(S170)。すなわち、CPU30によって(1)式により算出した変位量と、その状態(図4参照)における許容変位量と比較する。そして、算出した変位量が許容変位量以下の場合には、良好に撮影されたと判断して処理を終了するが(S180)、算出した変位量が許容変位量を超えた場合には、液晶モニタ24に再撮影を喚起する旨の内容を表示させるとともに(S190)、再撮影モードを液晶モニタ24に表示させ(S200)、ユーザーに再撮影モードのうち一つのモードを選択させる(S210)。
これにより、ユーザーは、ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影するモードを選択することができ(S220)、また、シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影するモードを選択することができ(S230)、更に、実際の露光開始時間を所定時間遅延させて再撮影するモードを選択することができる(S240)。この後、選択したモードに従って再撮影が行われる(S250)。なお、再撮影を拒否した場合には処理が終了する(S180)。
10…デジタルカメラ、12…カメラケース、16…撮影ボタン、18…撮影レンズ、20…レンズ鏡胴、24…液晶モニタ、26…モード選択スイッチ、30…CPU、34…ROM、40…HDD、42…3軸加速度センサ、54…カラーCCD固体撮像素子、70…画像信号処理回路
Claims (5)
- 撮像装置に生じる振動を検知する振動検知手段と、
前記撮像装置の撮影時に前記振動検知手段によって検知された振動と、あらかじめ設定された許容振動とを比較し、検知された振動が許容振動を超えた場合に、前記撮像装置の表示手段に撮影モードを表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記撮影モードは、再撮影を促す再撮影モードであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記再撮影モードには、ISO感度を上げるとともに露光時間を短縮させて再撮影させるモード、シャッター速度を高速にするとともにストロボ発光させて再撮影させるモード、レリーズタイムラグを長くして再撮影させるモードがあり、これらのモードが前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記振動検知手段は、前記撮像装置に内蔵されたハードディスクドライブユニットの落下を検出する3軸加速度センサであることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は、被写体を固体撮像素子によって撮像し、固体撮像素子から出力される被写体を示す電子情報を電気的消去可能なメモリに記憶させる電子カメラであることを特徴とする請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191822A JP2007013586A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191822A JP2007013586A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007013586A true JP2007013586A (ja) | 2007-01-18 |
Family
ID=37751475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005191822A Pending JP2007013586A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007013586A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009178349A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2009282117A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Fujifilm Corp | 撮影装置およびその制御方法並びにプログラム |
JP2010025699A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-04 | Shibaura Mechatronics Corp | 基板の位置認識装置及び撮像認識方法 |
-
2005
- 2005-06-30 JP JP2005191822A patent/JP2007013586A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009178349A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2009282117A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Fujifilm Corp | 撮影装置およびその制御方法並びにプログラム |
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A711 | Notification of change in applicant |
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