JP2012084750A - 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012084750A
JP2012084750A JP2010230988A JP2010230988A JP2012084750A JP 2012084750 A JP2012084750 A JP 2012084750A JP 2010230988 A JP2010230988 A JP 2010230988A JP 2010230988 A JP2010230988 A JP 2010230988A JP 2012084750 A JP2012084750 A JP 2012084750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon substrate
pixel
inter
imaging device
state imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010230988A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Kubo
裕子 久保
Kenji Yoneda
健司 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2010230988A priority Critical patent/JP2012084750A/ja
Publication of JP2012084750A publication Critical patent/JP2012084750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Abstract

【課題】画素が微細化されても、不純物のイオン濃度分布にばらつきのない画素間分離層を有する固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することができる。
【解決手段】固体撮像装置1は、面方位制御された第1導電型のシリコン基板100と、シリコン基板100に形成された、第1導電型のフォトダイオード部102と第1導電型の電荷蓄積部109とを有する画素セル3と、画素セル3の周囲に形成された、第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層104とを備え、画素間分離層104は、画素間分離層104の底部とシリコン基板100との境界におけるイオン濃度分布が、少なくともフォトダイオード部102とシリコン基板100との境界および電荷蓄積部109とシリコン基板100との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオン注入されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばCCD固体撮像素子、MOS型固体撮像素子等の固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法に関する。
固体撮像装置は、フォトダイオードに蓄積された信号電荷を画素に備わった増幅トランジスタの制御電極に導き、信号電荷量に応じた出力を増幅トランジスタの主電極から増幅して出力するものである。特に、増幅型の固体撮像装置としては、増幅トランジスタとしてMOSトランジスタを使ったCMOSセンサの開発に力が注がれている。
固体撮像装置の製造プロセスでは、画素特性のばらつき要因となるチャネリング現象を抑制するために、ウェハ法線(即ち、半導体ウェハ面に対して垂直方向の線)に対して7°傾斜させてイオン注入し拡散層を形成することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
チャネリング現象とは、結晶性の物質の結晶軸や結晶面とほぼ平行にイオンを入射すると、結晶格子を構成する原子の幾何学的配置から、注入されたイオンが結晶を構成している原子に衝突せず、格子間を抜けていく現象である。このようなイオン注入の場合、イオンを結晶軸や結晶面と非平行に入射した場合に比べてイオン注入の深さのバラツキは大きくなる。そのため、特許文献1では、チャネリング現象を抑制するために半導体ウェハ面に対して垂直方向の線)に対して7°傾斜させてイオン注入し拡散層を形成している。単結晶シリコンの場合には、(110)面に対して垂直にイオン注入を行った場合に最もチャネリング現象が生じ易い。
また、オーバーフロードレインの形成や基板から深い位置までのフォトダイオードの形成には、ウェハ表面から基板中2.5μm以上の深い位置に不純物をイオン注入する必要がある。また、感度向上のためにはさらに深い位置まで拡散層を形成する必要がある(例えば、特許文献2参照)。
そのため、イオン注入の加速エネルギーは1MeV超の高エネルギーが必要とされている。しかし、注入したイオンが所望の領域から突き抜けないよう、マスクパターンのフォトレジスト膜は3μmを超える厚さにまで厚膜化される必要がある。
特開平10−209423号公報 特開2001−185711号公報
しかしながら、画素間分離層の形成においては、オーバーフロードレインやフォトダイオードよりも基板の深い領域までイオンを注入することが求められる。また、画素寸法が微細化されると、例えば、傾斜角度を7°として高エネルギーで不純物のイオンを注入しても、高アスペクト比のフォトレジスト膜、つまり、厚膜のフォトレジスト膜により画素間分離層のパターンが形成されたレジストパターンを使用すると、レジストパターンが影になって所望の微細領域にイオンが全く注入されないことがある。また、不純物分布のテール部(不純物が注入された領域の底部)では、イオン注入したい領域(フォトレジストの開口)の一方の外側に不純物が広がり、精度の良い(理想的な)不純物濃度分布を得られず、隣接画素間で混色が発生する課題がある。
例えば、図13は、シリコン基板300上にレジストパターン303を形成し、ウェハ法線に対して傾斜角度7°でイオン注入を実施する場合の説明図である。図13に示すように、レジストパターン303は、シリコン基板300上に、膜厚が3.6μmのフォトレジスト膜により形成されている。シリコン基板300に傾斜角度7°でイオン注入する場合、シリコン基板300に達するイオンは、レジストパターン303の端から横方向に442nmずれた位置から注入される。したがって、開口の幅が400nmの場合には、イオンはシリコン基板300に達せず、シリコン基板300に全く注入されない。
また、図14は図13と同様の構造に傾斜角度2°でイオン注入を実施する場合の説明図である。図14に示すように、シリコン基板300に傾斜角度を2°でイオン注入を実施する場合、シリコン基板300に達するイオンは、レジストパターン303の端から横方向に126nmずれた位置から注入される。したがって、開口の幅が400nmの場合には、拡散層304のようにイオン分布のテール部(不純物が注入された領域の底部)は、イオン注入したい領域の一方の外側に広がる。
上記課題に鑑み、本発明は、画素が微細化されても、不純物のイオン濃度分布にばらつきのない画素間分離層を有する固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係る固体撮像装置は、面方位制御された第1導電型のシリコン基板と、前記シリコン基板に形成された、第1導電型のフォトダイオード部と第1導電型の電荷蓄積部とを有する画素セルと、前記画素セルの周囲に形成された、前記第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層とを備え、前記画素間分離層は、前記画素間分離層の底部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布が、少なくとも前記フォトダイオード部と前記シリコン基板との境界および前記電荷蓄積部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオン注入されている。
また、本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、面方位制御された第1導電型のシリコン基板に、第1導電型のフォトダイオード部を形成する工程と、前記フォトダイオード部を含む画素セルの周囲の前記シリコン基板に、前記第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層を形成する工程と、前記画素セルに、第1導電型の電荷蓄積部を形成する工程とを少なくとも含み、前記画素間分離層を形成する工程において、前記画素間分離層の底部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布が、少なくとも前記フォトダイオード部と前記シリコン基板との境界および前記電荷蓄積部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオンを注入する。
この構成によれば、注入されたイオンは、結晶を構成している原子に衝突せず、格子間を抜けてシリコン基板の深い領域まで達する。これにより、横方向に広がるイオンは減少する。また、不純物のイオン濃度分布のテール部(イオンが注入された領域の底部)におけるイオン濃度分布は、少なくともフォトダイオード部とシリコン基板との境界および電荷蓄積部とシリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化している形状になる。したがって、画素間分離層は隣接する各画素を有効に分離することができるので、隣接画素の混色が生じるのを防止することができる。
また、チャネリング現象により同一の加速エネルギーで従来の方法よりも1.5倍程度の深い位置までイオンを注入することができるので、イオンの加速エネルギーを低くすることができる。これにより、フォトレジストの膜厚を薄くすることができる。
また、画素セルが微細化されてもイオンを注入する範囲をさらに精度よく規定でき、固体撮像装置の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
また、前記画素間分離層を形成する工程において、1回分のイオン注入により前記シリコン基板の深さ方向に2つのイオン濃度ピークを有するように前記シリコン基板にイオンを注入し、前記1回分のイオン注入を複数回繰り返すことが好ましい。
この構成によれば、チャネリング現象を利用することにより、1回分のイオン注入において、同一の注入エネルギーでチャネリング現象が生じていない場合のイオン濃度ピークとチャネリング現象が生じている場合のイオン濃度ピーク(チャネリングピーク)の2種類のピークの深さの領域にイオン注入を行うことができる。また、1回分のイオン注入を複数回繰り返すことにより、所定の深さの画素間分離層を形成することができる。ここで、チャネリングピークのほうが、チャネリング現象が生じていない場合のイオン濃度ピークよりも基板の深い領域に形成される。したがって、深さの異なる2つの領域にイオンを同時に注入することができるので、画素間分離層の製造工程を半減できる。
また、前記画素間分離層を形成する工程において、前記シリコン基板の法線方向に対し±0.1°以内の傾斜角度で前記シリコン基板にイオンを注入することが好ましい。
この構成によれば、イオンの注入角度の誤差を±0.1°以内と小さくすることにより、結晶性の物質の結晶軸や結晶面とほぼ平行にイオンを注入することができる。注入されたイオンは、結晶を構成している原子に衝突せず、格子間を抜けてシリコン基板の深い領域まで達する。横方向に広がるイオンが減少するので、例えば深いフォトダイオードを形成しても、深い領域でフォトダイオード分離が不十分となることがない。また、チャネリング現象により同一の加速エネルギーで従来の方法よりも1.5倍程度の深い位置までイオンを注入することができるので、フォトレジストを薄くすることができる。これにより、画素セルが微細化されてもイオンを注入する範囲をさらに精度よく規定でき、固体撮像装置の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
また、前記シリコン基板の結晶方位に対する前記イオンの注入角度を検出し、前記シリコン基板の角度を調整する工程をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、シリコン基板に対するイオンの注入角度を検出して精度よく調整することができる。したがって、チャネリング現象を効率よく利用してシリコン基板の深い領域まで画素間分離層を形成することが可能である。
また、前記シリコン基板の結晶方位は、(110)面に面方位制御されていることが好ましい。
また、前記シリコン基板は、結晶方位に対し±0.05°以内に面方位制御されていることが好ましい。
この構成によれば、シリコン基板の面方位を制御することによりシリコン基板に対するイオンの注入角度を精度よく調整して、チャネリング現象を効率よく利用してシリコン基板の深い領域まで画素間分離層を形成することが可能である。
また、前記画素間分離層を形成する工程の前に、前記シリコン基板上にレジストパターンを形成する工程をさらに含み、前記画素間分離層を形成する工程において、前記画素間分離層は、前記レジストパターンの高さよりも深く形成されることが好ましい。
この構成によれば、レジストパターンの高さよりも画素間分離層の深さのほうが大きいので、シリコン基板に精度よくイオン注入を行うことができる。
また、前記画素間分離層を形成する工程の前に、前記シリコン基板の上面に二酸化シリコン膜を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、二酸化シリコン膜を形成した後イオン注入を行うので、イオン注入によりシリコン基板がダメージを受けるのを防止することができる。また、シリコン基板の表面に金属などの汚染物質が付着したり、シリコン基板に汚染物質が導入したりするのを防止することができる。
また、前記二酸化シリコン膜の膜厚は、20nm以下であることが好ましい。
この構成によれば、二酸化シリコン膜を設けた場合でも、イオン注入の注入角度の擾乱を最低限に抑制でき、チャネリング現象を利用してシリコン基板の深い領域まで画素間分離層を形成することが可能である。
本発明によると、画素が微細化されても、不純物のイオン濃度分布にばらつきのない画素間分離層を有する固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る画素の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の工程を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るビーム角度検出器の概略構成図である。 イオンビームの角度の検出を説明するための図である。 スリットに入射されるイオンビームを表す図である。 複数個のビーム角度検出器によるイオンビームの角度の検出を説明するための図である。 各注入角度でのシリコン基板深さ方向に対するイオン濃度分布を示す図である。 イオンビームの注入角度に対するチャネリング阻害指標図である。 本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の深さ方向に対するイオン濃度分布図である。 図10における本実施形態の場合の注入深さに対するイオン濃度分布を詳細に示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の工程を示す図である。 従来の傾斜角度7°での拡散層形成方法の説明図である。 従来の傾斜角度2°での拡散層形成方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明について、以下の実施の形態および添付の図面を用いて説明を行うが、これは例示を目的としており、本発明がこれらに限定されることを意図しない。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置は、面方位制御された第1導電型のシリコン基板と、シリコン基板に形成された、第1導電型のフォトダイオード部と第1導電型の電荷蓄積部とを有する画素セルと、画素セルの周囲に形成された、第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層とを備え、画素間分離層は、画素間分離層の底部とシリコン基板との境界におけるイオン濃度分布が、少なくともフォトダイオード部とシリコン基板との境界および電荷蓄積部とシリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオン注入されている。このような構成により、画素が微細化されても、不純物のイオン濃度分布にばらつきのない画素間分離層を有する固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係る第1の実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の概略構成図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る画素の構成を示す図であり、図2(a)は、画素アレイの構成を示す図、図2(b)は、画素セルの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置1は、MOS型の固体撮像装置であり、複数の画素セル3がアレイ状に並べられた画素アレイ2と、画素アレイ2を行方向に選択する垂直走査回路と、画素アレイ2から列方向に信号を読み出す読出し回路とを備えている。
各画素セル3は、シリコン基板上に形成されたリセットトランジスタ10と、増幅トランジスタ11と、転送トランジスタ12とを備えている。
図2(a)は、画素アレイ2の構成を示す図であり、複数の画素セル3は、画素アレイ2において、後に説明する第2拡散層104により、隣接する画素セル3から分離されている。
また、図2(b)は、画素セル3の構成を示す図である。画素セル3は、リセットトランジスタ10と、増幅トランジスタ11と、転送トランジスタ12とを備えている。また、画素セル3は、シリコン基板100の深い領域に、p型不純物としてボロンが注入された第3拡散層105を有している。
転送トランジスタ12は、第1拡散層102と、ゲート電極107と、第4拡散層109とを備えている。ここで、第1拡散層102は、固体撮像装置1において光信号を電気信号に変換するフォトダイオード部、第4拡散層109はフォトダイオード部で電気信号に変換された電荷を蓄積する電荷蓄積部(フローティングディフュージョン)である。
次に、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法について説明する。図3(a)〜図3(f)は、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の工程を示す図であり、図2に示した転送トランジスタ12を例として示している。
まず、図3(a)に示すように、第1導電型であるn型のシリコン基板100を準備する。シリコン基板100として、例えば、上面が(110)面に面方位制御されている単結晶シリコンを準備する。単結晶シリコンの場合、(110)面に対して垂直にイオン注入を行った場合に最もチャネリング現象が生じ易いためである。また、シリコン基板100は、結晶方位に対し±0.05°以内に面方位制御されているものを準備する。
次に、シリコン基板100上に、フォトリソグラフィー技術により、フォトダイオード部が形成される位置に開口を設けた第1レジストパターン101を形成する。そして、n型不純物として、例えば砒素を加速エネルギー200keV、ドーズ量7E12/cm2でイオン注入し、第1拡散層102を形成する。
第1レジストパターン101を除去した後、図3(b)に示すように、シリコン基板100上に、画素間分離層を形成する位置に開口を設けた第2レジストパターン103を形成する。画素間分離層は、各画素セル3を電気的に分離するためのものであり、イオン注入により形成される。
ここで、例えば、画素間分離層の幅が400nm、画素セル3の幅が1μm、レジスト膜厚が2.4μmであれば、レジストパターン103のアスペクト比は2.4、レジストパターン103の開口された領域であるイオン注入領域のアスペクト比は6である。
次に、シリコン基板100(シリコンウェハ)の法線に対して±0.1°の傾斜角度で、第2導電型であるp型不純物をイオン注入する。p型不純物として、例えばボロン(B)を用いる。加速エネルギーを1.2MeV、800keV、600keV、400keV、200keVと順次変更して、ドーズ量1E12/cm2でイオン注入し、画素間分離層となる第2拡散層104を形成する。シリコン基板100の法線に対して±0.1°の傾斜角度でイオン注入することにより、チャネリング現象が生じ、シリコン基板100の深い領域までイオンが注入されるので、第2拡散層104はシリコン基板100において深く形成される。なお、第1導電型および第2導電型は、n型およびp型でなく、p型およびn型であってもよい。
その後、図3(c)に示すように、第2レジストパターン103を除去し、シリコン基板100上に、画素セル3の位置に開口を設けたレジストパターンを形成する。そして、シリコンウェハの法線に対して±0.1°の傾斜角度で、p型不純物をイオン注入する。p型不純物として、例えばボロン(B)を用いる。加速エネルギーを2.1MeVとして、ドーズ量1E12/cm2でイオン注入し、第3拡散層105を形成する。
次に、図3(d)に示すように、シリコン基板100の表面の熱酸化により、SiO2からなるゲート絶縁膜106を形成する。続いて、ゲート絶縁膜106上にポリシリコン膜をCVD法で堆積し、フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術により転送トランジスタ12のゲート電極107を形成する。
次に、図3(e)に示すように、転送トランジスタ12において電荷蓄積部が形成される位置に開口を設けた第3レジストパターン108を形成する。そして、n型不純物として例えばリン(P)をイオン注入し、電荷蓄積部である第4拡散層109を形成する。その後、図3(f)に示すように、レジストパターン108を除去する。
イオンビームをシリコンウェハの法線に対して精度よく0°に制御する方法の一例を以下に示す。図4は、互いにスリット幅が異なるスリット3枚から構成されるビーム角度検出器の概略構成図である。図4(a)には、ビーム角度検出器120とシリコンウェハ121との位置関係を示している。
図4(a)に示すように、ビーム角度検出器120は、3枚の互いに間隔を離して設置されたスリット(スリット1、スリット2、スリット3)を備えている。また、図4(b)〜図4(d)はそれぞれスリット1、スリット2、スリット3の構成を示している。図4(b)〜図4(d)に示すように、最もビーム側に設けられたスリット1の幅が最も狭く、ビームから離れるにしたがいスリット幅は広くなる。
また、スリット1、スリット2、スリット3は、図4(b)〜図4(d)に示すように、絶縁物125によりそれぞれ左右に分離されている。つまり、スリット1は、図4(b)に示すように、絶縁物125によりスリット片S11、S12に分離されている。スリット片S11、S12には、独立した電流計A11、A12がそれぞれ接続されており、スリット片S11、S12に入射するイオンビームに対応した電流をモニターできるようになっている。同様に、図4(c)に示すように、スリット2は絶縁物125によりスリット片S21、S22に分離されている。スリット片S21、S22には、独立した電流計A21、A22がそれぞれ接続されている。また、図4(d)に示すように、スリット3は絶縁物125によりスリット片S31、S32に分離されている。スリット片S31、S32には、独立した電流計A31、A32がそれぞれ接続されている。
ここで、ビーム角度検出器120によるイオンビームの角度の検出について説明する。図5(a)〜図5(c)は、イオンビームの角度検出を説明するための図である。図6(a)〜(c)は、スリットに入射されるイオンビームを示す図である。
図5(a)に示すように、イオンビームが完全にシリコンウェハ121の表面の法線に平行(0°)の場合を考える。イオンビームはまずスリット1に入射する。このとき、スリット1のスリット幅より広いイオンビームはスリット1を通過できず、スリット片S11、S12に入射される。そのため、図6(a)に示すように、スリット片S11、S12にそれぞれ接続された電流計A11、A12には電流が流れる。このとき、イオンビームはシリコンウェハ121の表面の法線に平行に入射されるため、スリット片S11とS12に入射するイオンビーム電流は等しくなり、その結果、電流計A11、A12の値は等しくなる(A11=A12)。なお、電流の絶対値は、イオンビーム電流とイオンビーム形状により決定されるので、ここではA11=A12となることのみ、あるいはA11/A12=1となることが重要である。
スリット1を抜けたイオンビームは、続いてスリット2およびスリット3に入射される。スリット2およびスリット3はスリット1よりスリット幅が広いため、スリット片S21、S22、S31、S32にイオンビームが入射されることはない。よって、スリット片S21、S22、S31、S32にそれぞれ接続された電流計A21、A22、A31、A32に流れる電流は、それぞれ0となる。
次に、図5(b)に示すように、イオンビームが単純に一方向に傾いた場合を考える。図5(b)に示すように、スリット1にイオンビームが斜めに入射されると、スリット片S11に入射されるイオンビームは、スリット片S12に入射されるイオンビームより多くなるため、電流計A11、A12の値は電流計A11のほうが大きくなる(A11>A12)。しかし、図6(b)に示すように、スリット1を通過したイオンビームは、一方向に傾いたままスリット2に入射される。このとき、スリット2の幅はスリット1の幅よりも大きいが、イオンビームは傾いているため、スリット2のスリット片S21に入射される。イオンビームはスリット片S11のほうに傾いているため、スリット2のスリット片S22には、入射されない。よって、電流計A11のみに電流が流れ、電流計A22には電流が流れない。
スリット2を抜けたイオンビームは、さらにスリット3の幅より幅の広いスリット3のスリット片S31、S32のうちスリット片S31に入射される。ただし、スリット片S31に入射されるかはイオンビームの傾きしだいである。このとき、スリット1とスリット2の距離、スリット2とスリット3の距離、さらにスリット1、スリット2、スリット3のスリット幅、各スリットのスリット片S11、S12、S21、S22、S31、S32に入射する電流値を検出すれば、イオンビームがシリコンウェハ121に対してどの程度傾いているか幾何学計算で求めることができる。
なお、スリット2、スリット3のスリット片S21、S22、S31、S32にイオンビームが入射しないように、スリット片S11、S12に接続された電流計A11、A12の値が所定値になるようにイオンビームの照射方向の調整を行ってもよい。イオンビームの照射方向の調整でイオンビームの角度が補正できないときは、シリコンウェハ121自身を傾ける(具体的には、シリコンウェハ121はプラテン(図示せず)上に固定されているのでプラテンを機械的に傾ける)ことでイオンビーム角度のずれを補正することが可能となる。
なお、ビーム角度検出器120において、スリットの数は最低2個あれば十分であり、スリット間の間隔が広いほど角度分解能は高くなる。好ましくは、スリットの数は3個あれば十分であり、それ以上の個数ではビームライン中にこのビーム角度検出器120を挿入することでビームラインが長くなるため得策ではない。
これまでは、イオンビームは平行ビームで広がらないことを前提にしたが、次に、イオンビーム広がり(ビームダイバージェンス)がある場合について述べる。ここでは、イオンビームが均等に広がることを仮定している。
図5(c)に示すように、イオンビームはまずスリット1に入射し、図6(c)に示すように、スリット片S11、S12に接続された電流計A11、A12に流れる電流の値は等しくなる(A11=A12)。ここで、ビームダイバージェンスは存在してもビームは傾いているわけではないので、スリット1のスリット片S11、S12に入射されるイオンビームの量は等しい。
図5(c)に示すように、スリット1を抜けたイオンビームはスリット2に向けて広がり、スリット2のスリット片S21、S22に接続された電流計A21、A22に流れる電流の値として検出される。電流計A21、A22に流れる電流の値は等しく(A21=A22)、電流計A11、A12に流れる電流の値より小さい。
さらに、スリット2を抜けたイオンビームはスリット3に向けて広がり、スリット3のスリット片S31、S32に接続された電流計A31、A32を流れる電流の値として計測される。電流計A31、A32に流れる電流の値は等しく(A31=A32)、電流計A21、A22を流れる電流の値より小さい。電流計A11、A12、A21、A22、A31、A32を流れる電流の値と各スリットの幅、各スリット間の間隔からビーム広がり角度を計算することができる。例えば、電流計A21、A22、A31、A32で検出される電流の値が0となるように、イオンビーム広がりを制御すればよい。
イオンビーム広がりは、シリコンウェハ121の傾斜を調整しても解消できないので、イオンビームのビームライン側でのビーム整形が必要となる。どうしてもビーム整形ができない場合は、スリットにてビーム中心付近のみ取り出して用いることも可能である。イオンビームの中心付近は、広がりが小さいからである。
このように、複数個のスリットに入射される電流を検出し、これらの電流が0になるようにイオンビームを調整することで、シリコンウェハ121に入射されるイオンビームの角度制御が可能である。
なお、ここではシリコンウェハ121の一方向(水平方向)のイオンビームの角度測定について述べたが、シリコンウェハ121の複数の方向においてこの角度測定を行ってもよい。
図7は、複数個のビーム角度検出器120によるイオンビームの角度の検出を説明するための図である。図7に示すように、ビーム角度検出器120は、シリコンウェハ121に対して、位置Cc、Cu、Cb、Cr、Clにそれぞれ1つずつ設けられている。これにより、シリコンウェハ121の広い範囲にわたって、イオンビームの角度を検出し調整することができる。
また、ビーム角度検出器120は、複数個備えた構成でなくても、一のビーム角度検出器120が水平、垂直方向を移動し複数の位置でイオンビームを検出する構成であってもよい。なお、このイオンビーム角度検出器120によるイオンビーム角度の検出は、イオン注入開始前に実施されるものであり、注入角度測定および補正作業の完了後ビーム角度検出器120がビームライン外に退避する機構を有してもよい。
次に、イオンビームの角度を変更して、シリコン基板100にp型の不純物としてボロンを注入する場合のボロン濃度分布について説明する。図8は、各注入角度でのシリコン基板100の深さ方向に対するボロン濃度分布を示す図である。図8に示すように、イオンビームが完全にシリコン基板100(シリコンウェハ)の法線に平行(0°)に精度よく注入される場合、チャネリング現象が生じる。つまり、イオンビームがシリコン基板100に対して0°で入射された場合、図8に示すように、不純物であるボロンのイオン濃度分布は、注入深さが2.4μmと3.0μmの2つの深さにおいてボロンの濃度ピーク(イオン濃度ピーク)を有する。注入深さ2.4μmにおけるイオン濃度ピークは、チャネリング現象によらずにボロンが注入されたイオン濃度ピーク(主ピーク)である。また、注入深さ2.8μmにおけるイオン濃度ピークは、チャネリング現象によってシリコン基板100の深い領域までボロンが注入されたイオン濃度ピーク(チャネリングピーク)である。
つまり、チャネリング現象を利用すると、チャネリング現象を利用しない場合に比べて1.2〜1.3倍程度の深さまでイオンを注入することができる。なお、このときのイオンの加速エネルギーは、いずれの場合も同一である。また、チャネリングピークのほうがチャネリング現象が生じていないイオン濃度ピークよりもイオン濃度が高い。
具体的には、図8において注入深さ3.0〜3.5μm付近に示すイオン濃度分布のテール部(イオンが注入された領域の底部)とシリコン基板100との境界におけるイオン濃度分布が、少なくともチャネリング現象が生じていないイオン注入により形成されるフォトダイオード部(第1拡散層102)とシリコン基板100との境界および電荷蓄積部(第4拡散層109)とシリコン基板100との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化している形状になる。つまり、注入深さ3.0〜3.5μm付近において、ボロンが注入された第2拡散層104は、広がらず、また、第2拡散層104の深い領域で細くならず、シリコン基板100と明確に区別できることになる。また、深い領域にボロンが注入されているので、第2拡散層104は隣接する画素セル3を分離する画素間分離層として有効に機能しうる。
これに対し、イオンビームがシリコンウェハの法線に対して0.3°で注入された場合には、注入深さが2.4μmと3.0μmの2つの深さにおいてボロンの濃度ピーク(イオン濃度ピーク)を有するものの、チャネリング現象が生じていないイオン濃度ピークのほうがチャネリングピークよりもボロンのイオン濃度が高くなり、イオン濃度分布のテール部における濃度分布にばらつきが発生している。したがって、上記したイオンビームの角度がシリコンウェハに対して0°の場合と同様の効果を得ることは難しい。
また、シリコンウェハに対して2°でイオン注入されたものでは、注入深さ2.4μmにおいて、チャネリング現象によらずにボロンが注入されたイオン濃度ピークは見られるものの、注入深さ2.8μmにおけるチャネリングピークはほとんど見られず、イオンが深い領域まで注入されていないことがわかる。したがって、上記したイオンビームの角度がシリコンウェハに対して0°の場合と同様の効果を得ることは難しい。
なお、本実施形態において、「急峻」とは、注入深さが0.1μm変化するのに対し、イオン濃度が1decade(桁)以上低下する場合をいう。したがって、図8において、イオンビームの角度がシリコンウェハに対して0°の場合には、イオン濃度分布のテール部における濃度分布は急峻であるが、イオンビームの角度がシリコンウェハに対して0.3°、2°の場合には、イオン濃度分布のテール部における濃度分布は急峻ではない。
図9は、イオンビームの注入角度に対するチャネリング阻害指標図である。図9よりイオンビームの注入角度が±0.2°より大きくずれると、チャネリングの阻害が顕著になりチャネリング現象による深い領域へのイオンの注入が不十分となる。これに対し、イオンビームの注入角度が±0.1°以内に抑えられると、チャネリング現象により深い領域へ注入されたイオンの濃度が高くなるので、上記したイオン濃度分布のテール部における濃度分布のばらつきを抑制できる。
図10に、従来と本実施形態の場合の注入深さに対するボロンのイオン濃度分布を示す。図10に示す従来のイオン濃度の結果は、イオンビームの角度誤差を十分制御しないでシリコンウェハの法線に対して0°で高エネルギー注入した場合のボロン濃度の深さ方向分布を、シリコンウェハのセンターとエッジとで計測したものである。また、本実施形態のイオン濃度の結果は、±0.1°以内に角度誤差を制御した場合のボロンのイオン濃度分布である。
また、図11は、図10における本実施形態の場合の注入深さに対するボロンのイオン濃度分布を詳細に示した図である。
図10において、「従来0°Edge」および「従来0°Center」として示したボロン濃度分布のグラフは、±0.1°以内に角度誤差を制御していない場合のものである。
±0.1°以内に角度誤差を制御していない場合のグラフは、図10において「本発明0°」として示した、±0.1°以内に角度誤差を制御した場合のグラフに比べて、ボロンのイオン濃度分布のテール部における濃度分布ばらつきがブロードである。これは、チャネリング現象が一部生じている状態であり、チャネリング現象の発生度合いによってテール部におけるボロンのイオン濃度分布が変化していることを示している。また、±0.1°以内に角度誤差を制御していないイオン注入の場合、シリコンウェハのセンターとエッジでの同一の深さにおけるイオン濃度分布のばらつきが顕著である。
一方、本実施形態に示す、±0.1°以内に角度誤差を制御したイオン注入の場合には、シリコンウェハのセンターとエッジとでイオン濃度分布が重なる程度にシリコンウェハの面内のイオン濃度分布バラツキは低減されている。
また、±0.1°以内に角度誤差を制御した場合には、チャネリングピークとチャネリング現象が生じていない場合のイオン濃度ピークとが同程度の濃度になり、深さ方向の広い範囲にわたってブロードな濃度分布を形成する。
詳細には、図11に示すように、加速エネルギーを200keV、400keV、600keV、800keV、1.2MeVと順次変更して、ドーズ量1E12/cm2でボロンをイオン注入した場合、各加速エネルギーによるイオン注入において、チャネリングピークとチャネリング現象を生じないイオン濃度ピークの2つのピークが生じ、各加速エネルギーによるこれらのピークの重ね合わせにより、注入深さ1.0μm〜2.8μmにおいてブロードなイオン濃度分布を達成している。
したがって、チャネリング現象が生じていないイオン濃度ピークによるイオン注入で深さ方向の広い範囲にわたって一定の濃度の第2拡散層104を形成する場合、従来であればほぼ均等に10段程度の注入エネルギーで順次ボロンをイオン注入することによって形成していたのに対し、本実施形態における方法によれば、同一の注入エネルギーで、チャネリングピークとチャネリング現象が生じていないピークの2種類のピークによるイオン注入が同時に行われるため、5段程度の注入エネルギーにより、チャネリング現象が生じていないイオン濃度ピークによるイオン注入と同等の深さ方向にわたって一定濃度の拡散層を形成することができる。これにより、第2拡散層104の製造工程を半減できる効果も得られる。
本実施形態によると、画素間分離層である第2拡散層104の形成に±0.1°の傾斜角度でのイオン注入を用いて注入角度の誤差を小さくすることにより、横方向に広がるイオンが減少する。また、チャネリング現象により深い領域に第2拡散層104を形成しても、深い領域で隣接するフォトダイオード部の分離が不十分となることがない。これにより、隣接画素間の混色を抑えることができる。
また、チャネリング現象により同一の加速エネルギーで従来の方法よりも1.3〜1.5倍程度の深い領域までイオンを注入することができるので、フォトレジストの膜厚を通常の3.6μmから2.4μmへと薄くすることができる。したがって、レジストパターン103のアスペクト比を3.6から2.4へ、レジストパターン103の開口された位置であるイオン注入領域のアスペクト比を9から6へと低減できる。よって、イオン注入領域をさらに精度よく規定でき、固体撮像装置1の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図12(a)〜図12(f)は、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法の工程を示す図である。図12(d)〜(f)については、第1の実施形態と同等である。図12(a)〜(c)については、第1の実施形態に対して、イオン注入前に例えば熱酸化によってシリコン基板100上に二酸化シリコン膜210を形成し、第1拡散層102、第2拡散層104、第3拡散層105を形成するイオン注入工程の完了後、二酸化シリコン膜210を除去する点が異なっている。
二酸化シリコン膜210ごしにイオン注入することは従来より実施されてきている。二酸化シリコン膜210は、イオンの注入によりシリコン基板100がダメージを受けるのを防止するため、および、シリコン基板100の表面へ金属などの汚染物質が付着・導入するのを予防するために設けられるものである。
ここで、チャネリング現象を利用してシリコン基板100の深い領域まで拡散層を形成する場合、二酸化シリコン膜210はアモルファス構造であるため、厚すぎるとシリコン基板100にイオンが到達するまでに注入角度が擾乱を受け、制御性よくチャネリング現象を発生させることを阻害する。そのため、二酸化シリコン膜210を使用する場合は、二酸化シリコン膜210の膜厚を20nm以下にすることが望ましい。20nm以下の二酸化シリコン膜210であれば、イオン注入の注入角度の擾乱を最低限に抑制でき、チャネリング現象を利用してシリコン基板100の深い領域まで第2拡散層104を形成することが可能になる。なお、本実施形態では、一例として膜厚10nmの二酸化シリコン膜210を用いている。
本実施形態によると、第1の実施形態と同様に画素間分離層である第2拡散層104の形成に±0.1°の傾斜角度でのイオン注入を用いて注入角度の誤差を小さくしている。これにより、横方向に広がるイオンが減少するので、シリコン基板100の深い領域に拡散層を形成しても、隣接するフォトダイオードの分離が深い領域において不十分となることがない。したがって、隣接画素間の混色を抑えることができる。
また、チャネリング現象により同一の加速エネルギーで従来の方法よりも1.3〜1.5倍程度の深い領域までイオンを導入することができる。これにより、フォトレジストの膜厚を通常の3.6μmから2.4μmへと薄くすることができる。したがって、レジストパターン103のアスペクト比を3.6から2.4へ、レジストパターン103の開口された部分であるイオン注入領域のアスペクト比を9から6へと低減できる。よって、イオン注入領域をさらに精度よく規定でき、固体撮像装置の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図12(f)で、画素間分離層の第2拡散層104の形成に±0.1°の傾斜角度でのイオン注入を用いて注入角度の誤差を小さくするため、制御性よくチャネリング現象が生じ、イオン濃度分布はチャネリングを生じない場合のイオン濃度ピーク(主ピーク)の深さより深い位置にチャネリングピークをもつ。なお、最深部のイオン濃度分布は、この場合チャネリングピークにより形成されるため、最深部での深さ方向への不純物の広がりは表層部の不純物の広がりに対して急峻な分布となる。また、横方向に広がるイオンも減少するので、第2拡散層104を深く形成しても深い領域でフォトダイオード分離が不十分となることがない。したがって、隣接画素間の混色を抑えることができ、固体撮像装置1の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形を行ってもよい。
例えば、シリコン基板は結晶方位に対し±0.05°以内に精度良く面方位制御されていれば、バルク上にエピタキシャル層を有するいわゆるエピウェハであってもよく、同様に、SOI基板であってもよい。
なお、イオン注入の角度誤差を±0.05°以下にするとさらに大きな効果を得ることができるのは言うまでもない。
また、シリコン基板の結晶方位は、(110)面に限らず、その他の結晶方位であってもよい。
また、イオンの注入角度の検出は、上記した方法に限らず、その他の方法により検出してもよい。
また、本発明によれば幅が小さいパターンにおいても深い拡散層を精度よく形成できるので、例えば、バイポーラトランジスタのウェルを囲む分離などの微細なデバイスや、他のデバイス、特に、高耐圧デバイスにおいても適用可能である。
また、本発明に係る固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法には、上記実施形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施形態や、実施形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る固体撮像装置を備えた各種デバイスなども本発明に含まれる。例えば、本発明に係る固体撮像装置を備えたディジタルスチルカメラも本発明に含まれる。
本発明は、画素が微細化されても隣接画素間の混色を抑制できる固体撮像装置および固体撮像装置を製造する方法等に有用である。
1 固体撮像装置
2 画素アレイ
3 画素セル
100、300 シリコン基板
101 第1レジストパターン
102 第1拡散層(フォトダイオード部)
103 第2レジストパターン
104 第2拡散層(画素間分離層)
105 第3拡散層
106 ゲート絶縁膜
107 電極
108 第3レジストパターン
109 第4拡散層(電荷蓄積部)
120 ビーム角度検出器
121 シリコンウェハ(シリコン基板)
210 二酸化シリコン膜
303 レジストパターン
304 拡散層

Claims (10)

  1. 面方位制御された第1導電型のシリコン基板と、
    前記シリコン基板に形成された、第1導電型のフォトダイオード部と第1導電型の電荷蓄積部とを有する画素セルと、
    前記画素セルの周囲に形成された、前記第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層とを備え、
    前記画素間分離層は、前記画素間分離層の底部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布が、少なくとも前記フォトダイオード部と前記シリコン基板との境界および前記電荷蓄積部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオン注入されている
    固体撮像装置。
  2. 面方位制御された第1導電型のシリコン基板に、第1導電型のフォトダイオード部を形成する工程と、
    前記フォトダイオード部を含む画素セルの周囲の前記シリコン基板に、前記第1導電型と異なる第2導電型の画素間分離層を形成する工程と、
    前記画素セルに、第1導電型の電荷蓄積部を形成する工程とを少なくとも含み、
    前記画素間分離層を形成する工程において、前記画素間分離層の底部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布が、少なくとも前記フォトダイオード部と前記シリコン基板との境界および前記電荷蓄積部と前記シリコン基板との境界におけるイオン濃度分布よりも急峻に変化するようにイオンを注入する
    固体撮像装置の製造方法。
  3. 前記画素間分離層を形成する工程において、1回分のイオン注入により前記シリコン基板の深さ方向に2つのイオン濃度ピークを有するように前記シリコン基板にイオンを注入し、
    前記1回分のイオン注入を複数回繰り返す
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  4. 前記画素間分離層を形成する工程において、前記シリコン基板の法線方向に対し±0.1°以内の傾斜角度で前記シリコン基板にイオンを注入する
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  5. 前記シリコン基板の結晶方位に対する前記イオンの注入角度を検出し、前記シリコン基板の角度を調整する工程をさらに含む
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  6. 前記シリコン基板の結晶方位は、(110)面に面方位制御されている
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  7. 前記シリコン基板は、結晶方位に対し±0.05°以内に面方位制御されている
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  8. 前記画素間分離層を形成する工程の前に、前記シリコン基板上にレジストパターンを形成する工程をさらに含み、
    前記画素間分離層を形成する工程において、前記画素間分離層は、前記レジストパターンの高さよりも深く形成される
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  9. 前記画素間分離層を形成する工程の前に、前記シリコン基板の上面に二酸化シリコン膜を形成する工程をさらに含む
    請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
  10. 前記二酸化シリコン膜の膜厚は、20nm以下である
    請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
JP2010230988A 2010-10-13 2010-10-13 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 Pending JP2012084750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010230988A JP2012084750A (ja) 2010-10-13 2010-10-13 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010230988A JP2012084750A (ja) 2010-10-13 2010-10-13 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012084750A true JP2012084750A (ja) 2012-04-26

Family

ID=46243311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010230988A Pending JP2012084750A (ja) 2010-10-13 2010-10-13 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012084750A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015188083A (ja) * 2014-03-13 2015-10-29 株式会社半導体エネルギー研究所 撮像装置
JP2015216369A (ja) * 2014-04-23 2015-12-03 株式会社半導体エネルギー研究所 撮像装置
CN107204271A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 住友重机械离子技术有限公司 离子注入方法及离子注入装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015188083A (ja) * 2014-03-13 2015-10-29 株式会社半導体エネルギー研究所 撮像装置
JP2015216369A (ja) * 2014-04-23 2015-12-03 株式会社半導体エネルギー研究所 撮像装置
CN107204271A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 住友重机械离子技术有限公司 离子注入方法及离子注入装置
JP2017174850A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 住友重機械イオンテクノロジー株式会社 イオン注入方法およびイオン注入装置
US10453689B2 (en) 2016-03-18 2019-10-22 Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co., Ltd. Ion implantation method and ion implantation apparatus
TWI696214B (zh) * 2016-03-18 2020-06-11 日商住友重機械離子技術有限公司 離子植入方法及離子植入裝置
CN107204271B (zh) * 2016-03-18 2020-12-22 住友重机械离子技术有限公司 离子注入方法及离子注入装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9818794B2 (en) Solid-state image sensor and camera
US7592579B2 (en) Photoelectric conversion device manufacturing method, semiconductor device manufacturing method, photoelectric conversion device, and image sensing system
EP2866260B1 (en) Solid-state imaging apparatus, method for manufacturing the same, and imaging system
KR20160091244A (ko) 고체 촬상 장치 및 고체 촬상 장치의 제조 방법
US8349640B2 (en) Method of manufacturing solid-state image sensor
US8648944B2 (en) Solid-state image sensor and camera having impurity diffusion region
JP6406585B2 (ja) 撮像装置
US7964928B2 (en) Photodetector with an improved resolution
US10347680B2 (en) Charge storage cell and method of manufacturing a charge storage cell
JP2007288136A (ja) 固体撮像装置およびその製造方法
JP2012084750A (ja) 固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法
CN113013187B (zh) 像素装置的负偏置隔离结构
JP2001308304A (ja) 固体撮像素子の製造方法
JP2010021253A (ja) 固体撮像素子の製造方法
US20050145963A1 (en) Manufacturing method of solid-state image pickup device, and solid-state image pickup device
JP4779781B2 (ja) 固体撮像装置とその製造方法
CN114078896B (zh) 具有穿硅鳍片转移门的图像传感器
US20220278148A1 (en) Tilted transfer gate for advanced cmos image sensor
JP2005159062A (ja) 固体撮像装置の製造方法およびイオン注入角度算出プログラム
US20090045479A1 (en) Image sensor with vertical drain structures
JPH0685233A (ja) 固体撮像装置の製造方法
JP2006294799A (ja) 固体撮像素子及びその製造方法
JP2008244392A (ja) 固体撮像素子及びその製造方法
JP2007123655A (ja) 固体撮像素子
JPH04257265A (ja) 固体撮像素子の製造方法