JP2012084214A - 近接場光発生素子、及び近接場光発生素子の製造方法、近接場光ヘッド、近接場光ヘッドの製造方法並びに情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コア23は、第1コア54と、第1コア54の側面を覆う第2コア55と、を備え、Z方向から見て多角形状に形成され、金属膜51は、コア23における側面23g上に配置され、Z方向から見て、金属膜51におけるコア23との界面の幅W1が、コア23の側面23gの幅W3よりも狭く形成されていることを特徴とする。
【選択図】図5
Description
このような記録再生ヘッドのうち、近接場光を利用した記録再生ヘッド(以下、近接場光ヘッドという)は、スライダと、スライダ上に配置された主磁極及び補助磁極を有する記録素子と、照射されたレーザ光から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、近接場光発生素子に向けてレーザ光を照射するレーザ光源と、レーザ光源から発せられたレーザ光を近接場光発生素子まで導く光導波路と、を主に備えている(例えば、特許文献1参照)。近接場光発生素子は、レーザ光を反射させながら伝播させるコア、及びコアに密着してコアを封止するクラッドを有する光束伝播素子と、コア及びクラッド間に配置されてレーザ光から近接場光を発生させる金属膜と、を有している。コアは、一端側(光入射側)から他端側(光出射側)に向かうレーザ光の伝播方向に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形されており、レーザ光を集光させながら他端側に向けて伝播させるようになっている。そして、コアにおける他端側の側面に上述した金属膜が配置されている。
また、上述したレーザ光の照射と同時に記録素子に駆動電流を供給することで、主磁極の先端に近接する磁気記録媒体の磁気記録層に対して記録磁界を局所的に印加する。その結果、保磁力が一時的に低下した磁気記録層に各種の情報を記録することができる。つまり、近接場光と磁場との協働により、磁気記録媒体への記録を行うことができる。
しかしながら、コアの幅を縮小すると、コア内を伝播するレーザ光の損失が大きくなり、十分な光量を得られないという問題がある。すなわち、近接場光のスポットサイズは縮小できるものの、光量が低下してしまう。
本発明に係る近接場光発生素子は、一端側に導入された光束を他端側に向けて集光しながら伝播するとともに、近接場光に生成した後に外部に発する近接場光発生素子であって、前記他端側に向けて前記光束を伝播させるコアと、前記コアにおける前記一端側から前記他端側に向かう前記光束の伝播方向に沿って配置され、前記コアとの界面に沿って前記光束を伝播させて、前記光束から前記近接場光を発生させる近接場光発生部と、を有し、前記コアは、第1コアと、前記第1コアを間に挟んで前記近接場光発生部の反対側から前記第1コアを覆う第2コアと、を備え、前記伝播方向から見て、前記第2コアの外側端部は、前記近接場光発生部の外側端部よりも外側に位置していることを特徴としている。
この構成によれば、第1コアと第2コアとの界面における光束の反射や吸収等を防止して、コアの一端側から他端側に向けて効果的に光束を伝播することができる。
この構成によれば、第2コアとクラッドとの界面で全反射する光束を、徐々に中心(第1コア)に向けて集光できるので、光束の伝播効率を向上できる。
この構成によれば、コア内を伝播した光束を、近接場光発生部に向けて効果的に反射させることができる。
この構成では、第2コアを覆うように遮光膜を形成することで、コアに入射した光束は、外部に漏れることなく、遮光膜と第2コアとの界面で反射されながら他端側に向けて伝播する。これにより、光束を効率的に近接場光発生部に入射させることができ、近接場光の発生効率を向上できる。
この構成によれば、伝播方向に直交する方向から見て第1コアと近接場光発生部とが重なり合うように配置されるため、コアの他端側まで伝播した光束を漏れなく近接場光発生部に入射させることができる。よって、近接場光の発生効率を向上させることができる。
この構成によれば、第1コア、及び近接場光発生部の母材とともに磁極の母材を同一のパターニング工程で一括してパターニングすることで、伝播方向から見て第1コア、近接場光発生部の、及び磁極の外側端部が同一面上に配置されることになる。これにより、例えば、第1コア、近接場光発生部、及び磁極をそれぞれ別工程でパターニングする場合と異なり、近接場光発生部、コア、及び磁極を精度良く位置決めすることができる。さらに、高価な位置合わせ装置を用いることなく、コア、近接場光発生部、及び磁極を位置決めすることができるので、装置コストを低減できる。
この場合、磁極が、近接場光発生素子を間に挟んで第1コアの反対側から近接場光発生部を覆うように形成される。そのため、近接場光の発生位置と、磁極からの磁場の発生位置とを高精度に位置決めでき、近接場光ヘッド自体の書き込みの信頼性を高め、高品質化を図ることができる。
また、仮に近接場光発生部でプラズモン共鳴を起こさずに、光束が近接場光発生部を透過してしまった場合であっても、光束を磁極で反射させてコア内に戻すことで、再び近接場光発生部に光束を入射させることができる。これにより、近接場光の発生効率をより向上できる。さらに、光束が近接場光発生部でプラズモン共鳴を起こさずに外部に漏れるのを抑制できるので、コアの近傍のみに極めて小さい近接場光のスポットを生成させることができる。
この構成によれば、上記本発明の近接場光発生素子を備えているので、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、近接場光ヘッド自体の書き込みの信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
この構成によれば、磁極が、近接場光発生素子を間に挟んでコアの反対側から近接場光発生部を覆うように形成されるため、近接場光の発生位置と、磁場の発生位置とを高精度に位置決めでき、近接場光ヘッド自体の書き込みの信頼性を高め、高品質化を図ることができる。
また、仮に近接場光発生部でプラズモン共鳴を起こさずに、光束が近接場光発生部を透過してしまった場合であっても、光束を磁極で反射させてコア内に戻すことで、再び近接場光発生部に光束を入射させることができる。これにより、近接場光の発生効率をより向上できる。さらに、光束が近接場光発生部でプラズモン共鳴を起こさずに外部に漏れるのを抑制できるので、コアの近傍のみに極めて小さい近接場光のスポットを生成させることができる。
この構成によれば、近接場光発生部と磁極とが導電性を有する金属材料からなる場合に、近接場光発生部と磁極とを電気的に絶縁できるとともに、近接場光発生部の合金化を抑制できるので、近接場光発生部での自由電子の運動に悪影響が及ぶことがない。そのため、近接場光の発生効率をより向上できる。
この構成によれば、上記本発明の近接場光ヘッドを備えているので、書き込みの信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
本発明に係る近接場光ヘッド及び情報記録再生装置によれば、上述した熱揺らぎ現象等の影響を抑制して、安定した記録を行うことができる。よって、書き込みの信頼性が高く、高密度記録化に対応することができ、高品質化を図ることができる。
なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層d2を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、近接場光Rと記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式によりディスクDに記録再生を行う装置である(図2参照)。
(情報記録再生装置)
図1は情報記録再生装置の構成図である。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、記録再生ヘッド(近接場光ヘッド)2と、記録再生ヘッド2を支持するビーム3と、記録再生ヘッド2にレーザ光(光束)L(図2参照)を入射させる光束入射機構4と、ビーム3を移動させるアクチュエータ5と、ディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモータ(回転駆動部)6と、上述した各構成品を総合的に制御する制御部8と、各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
図2は記録再生ヘッドの拡大断面図であり、図3は記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図である。
記録再生ヘッド2は、図2,図3に示すように、レーザ光Lから生成した近接場光Rを利用して回転するディスクDに各種の情報を記録再生するヘッドである。記録再生ヘッド2は、ディスク面D1から所定距離Hだけ浮上した状態でディスクDに対向配置されたスライダ20と、ディスクDに情報を記録する記録素子21と、ディスクDに記録されている情報を再生する再生素子22と、導入されたレーザ光Lを集光しながら伝播するとともに、近接場光Rに生成した後に外部に発する近接場光発生素子26と、を備えている。
なお、ディスクDの回転に伴って生じる空気流は、スライダ20の流入端側(ビーム3のX方向基端側)から流入した後、ABS20cに沿って流れ、スライダ20の流出端側(ビーム3のX方向先端側)から抜けている。
図3から図5に示すように、光束伝播素子25は、レーザ光Lの入射側(Z方向一端側)がスライダ20の上方を向くとともに、出射側(Z方向他端側)がディスクD側を向いた状態で、記録素子21の主磁極33のX方向側に隣接して固定されている。この光束伝播素子25は、一端側から導入されたレーザ光LをディスクDに対向する他端側に伝播させるコア23と、コア23に密着するクラッド24とから構成されており、全体として略板状に形成されている。
光束集光部23bは、一端側から他端側に向かうZ方向に直交する断面積(XY方向の断面積)が漸次減少するように絞り成形された部分であり、導入されたレーザ光Lを集光させながら他端側に向けて伝播させている。つまり、光束集光部23bに導入されたレーザ光Lのスポットサイズを、徐々に小さいサイズに絞ることができるようになっている。
ここで、図5,図6に示すように、本実施形態のコア23の他端側は、2層構造に構成されている。具体的に、コア23の他端側は、Z方向から見て三角形状の第1コア54と、第1コア54を覆うように形成された第2コア55と、で構成されている。この場合、第1コア54は、Z方向において、スライダ20の側面(流出端側の側面)の全域に形成され、コア23の全体(上述した反射面23aから近接場光生成部23c)を構成している。一方、第2コア55は、Z方向において、第1コア54の他端側を覆うように形成され、光束集光部23bの他端側から近接場光生成部23cを構成している。なお、第2コア55の形成領域は、上述した範囲に限られず、第1コア54全体を覆うように形成しても構わない。また、図5では、第2コア55のY方向両端部には、第1クラッド24a上をY方向に沿って延在する裾野部55aが形成されているが、少なくとも第1コア23を覆っていれば、裾野部55aは除去しても構わない。なお、以下の説明では、第1コア54及び第2コア55の側面を、コア23の側面23d、23gと同様の符号を用いて説明する。
また、ゲルマニウムをドープした石英でコア23(第1コア54及び第2コア55)を形成し、石英(SiO2)でクラッド24を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、レーザ光Lの波長が400nmのときに、コア23の屈折率が1.47より大きくなり、クラッド24の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。
基板d1としては、例えば、アルミ基板やガラス基板等である。軟磁性層d3は、高透磁率層である。中間層d4は、垂直記録層d2の結晶制御層である。垂直記録層d2は、垂直異方性磁性層となっており、例えばCoCrPt系合金が使用される。保護層d5は、垂直記録層d2を保護するためのもので、例えばDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜が使用される。潤滑層d6は、例えば、フッ素系の液体潤滑材が使用される。
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する場合について以下に説明する。
まず、図1に示すように、スピンドルモータ6を駆動させてディスクDを一定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ5を作動させて、キャリッジ11を介してビーム3をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置に記録再生ヘッド2を位置させることができる。この際、記録再生ヘッド2は、スライダ20の対向面20aに形成された2つの凸条部20bによって浮上する力を受けるとともに、ビーム3等によってディスクD側に所定の力で押さえ付けられる。記録再生ヘッド2は、この両者の力のバランスによって、図2に示すようにディスクD上から所定距離H離間した位置に浮上する。
ここで、図8に示すように、情報の記録を行う場合、制御部8はレーザ光源43を作動させて直線偏光のレーザ光Lを出射させるとともに、情報に応じて変調した電流をコイル34に供給して記録素子21を作動させる。
まず、レーザ光源43からレーザ光Lを光導波路42に入射させて、レーザ光Lをスライダ20側に導く。レーザ光源43から出射されたレーザ光Lは、光導波路42のコア42a内を先端(流出端)側に向かって進み、光束伝播素子25のコア23内に伝播する。コア23内に伝播したレーザ光Lは、反射面23aで略90度反射された後、光束集光部23b内を伝播する。光束集光部23bを伝播するレーザ光Lは、ディスクD側に位置する他端側に向かってコア23とクラッド24との間で全反射を繰り返しながら伝播する。特に、コア23の側面23d,23gにはクラッド24が密着しているので、コア23の外部に光が漏れることはない。よって、導入されたレーザ光Lを無駄にすることなく絞りながら他端側に伝播させて、近接場光生成部23cに入射させることができる。
この際、コア23は、Z方向に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形されている。そのため、レーザ光Lは光束集光部23b内を伝播するにしたがって徐々に絞り込まれてスポットサイズが小さくなる。
次に、上述した近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2の製造方法について説明する。図10,図11は図5に相当する図であって、近接場光発生素子の製造方法を説明するための工程図である。なお、以下の説明では、記録再生ヘッド2の製造工程のうち、主として近接場光発生素子の製造工程について具体的に説明する。
本実施形態では、複数のスライダ20形成領域がY方向及びZ方向に沿って連なってなる基板120(例えば、AlTiC(アルチック)等)を用意し、この基板120におけるスライダ20の各形成領域上に記録素子21、近接場光発生素子26、及び再生素子22を順に形成して、Y方向及びZ方向に沿って連なる複数の記録再生ヘッド2とした後、記録再生ヘッド2の形成領域毎にダイシングすることで、記録再生ヘッド2を製造する。
以上により、上底51aが第1コア54の側面23gと同一の幅を有するとともに、斜面51bが第1コア54の側面23dと同一面上に配置された金属膜51が形成される。なお、第1コア54以外の領域の金属膜母材151を完全に除去するためには、第1クラッド母材124aも僅かにエッチングされる。この場合、上述した第1パターニング工程において、第1コア母材154に残存部60を形成しておくことで、第2パターニング工程で第1クラッド母材124aがオーバーエッチングされるのを防止できる。
そして、図10(e)に示すように、コア23(第1コア54及び第2コア55)及び遮光膜52を覆うように、第2クラッド24bを形成する(第2クラッド形成工程)。その後、CMP等で第2クラッド24bの表面を研磨して、平坦面に形成する。そして、第2クラッド24b上に再生素子22を形成する。これにより、基板120上に記録素子21、近接場光発生素子26、及び再生素子22が形成される。
以上により、上述した近接場光発生素子26を有する記録再生ヘッド2が完成する。
この構成によれば、コア23に対して金属膜51を小さくすることで、コア23内を伝播するレーザ光Lの伝播効率の低下を抑制した上で、近接場光Rのスポットサイズの縮小化を図ることができる。これにより、光量を確保した上で、近接場光Rのスポットサイズを縮小できるので、ディスクDをより局所的に加熱することができる。
また、第1コア54と第2コア55とを同一材料により構成することで、第1コア54と第2コア55との界面におけるレーザ光Lの反射や吸収等を防止して、コア23の一端側から他端側に向けて効果的にレーザ光Lを伝播することができる。
この構成によれば、第1コア母材154と金属膜母材151とを同一のパターニング工程で一括してパターニングすることで、金属膜51の上底51aの幅W1を第1コア54の側面23gの幅W2と同等に形成することができる。そして、第2コア55により第1コア54を覆うことで、コア23(第1コア54及び第2コア55)の側面23gの幅W3に比べて幅の狭い金属膜51を簡単に形成できる。
この場合、例えば、第1コア54と金属膜51とをそれぞれ別工程でパターニングする場合と異なり、金属膜51と第1コア54とを精度良く位置決めすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態における記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図であり、図13は図11のD部拡大図である。また、図14は、記録再生ヘッドの流出端側の断面図であり、(a)は図12のE−E線に沿う断面図、(b)はF−F線に沿う断面図、(c)はG−G線に沿う断面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明は省略する。
図12〜図14に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド2は、スライダ20の流出端側の側面上にX方向に沿って近接場光発生素子26、記録素子21、及び再生素子22が順に配置されている。
このように、コア23をZ方向から見て三角形状または台形状に形成することで、コア23内を伝播したレーザ光を、金属膜51に向けて効果的に反射させることができる。なお、コア23のZ方向から見た断面形状は三角形状や台形状に限らず、五角形状等の多角形状に適宜設計変更が可能である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図17は、第3実施形態における記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図であり、図18は図17のH矢視図である。
図17,18に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド2は、記録素子21におけるコイル34と主磁極33との間に近接場光発生素子26が配置されている。本実施形態における記録素子21は、第1クラッド24a内にモールドされた補助磁極31及びコイル34と、第2クラッド24b内にモールドされた主磁極33と、補助磁極31及び主磁極33の間に配置されたヨーク135と、を備えている。
この構成によれば、上述した第3実施形態のようにヨーク135内にコア23を貫通させる等の加工が必要ないので、製造効率の向上を図ることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図20は、図5に相当する図であって、第4実施形態における記録再生ヘッドを示す図である。本実施形態では、第1コア54の側面23d、及び金属膜51の斜面51bとともに主磁極33の先端部分33a(後述する突出部211の斜面211b)の外側端部を同一面上に配置する点で、上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図20に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド202における主磁極33の先端部分33aは、第1クラッド24a内に埋設されたベース部210と、ベース部210からコア23側に向けてX方向に沿って突出する突出部211と、を有している。
まず、図21(a)に示すように、第1クラッド母材124aにおいて、主磁極33の先端部分33aの形成領域に開口部124bが形成されるようにパターニングし、この開口部124bを埋めるように、第1クラッド母材124a上に主磁極33の先端部分33aの母材(以下、磁極母材220という)を成膜する(磁極形成工程)。なお、第1クラッド124aの開口部124bは、絶縁体35、及び絶縁体35内にモールドされた主磁極33の基端部分が露出する深さまで形成する。これにより、図示しないが磁極母材220は、絶縁体35内で主磁極33の基端部分と接続される。
その後、上述した第2パターニング工程と同様の方法により、スパッタエッチングを行い、第1コア母材154、金属膜母材151、及び磁極母材220を一括してエッチングする。その後は、上述した第1実施形態の工程と同様の工程を経ることで、上述した図10に示す記録再生ヘッド202を製造できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図22は、図5に相当する図であって、第5実施形態における記録再生ヘッドを示す図である。
図22に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド302では、主磁極33の先端部分303が第1クラッド24aと金属膜51との間に配置されている。主磁極33の先端部分303は、Z方向に沿う一端側が絶縁体35内にモールドされた主磁極33の基端部分に接続される一方、他端側がコア23の端面23eと面一となるように形成されている。また、先端部分303は、Z方向から見てコア23側に向けて先細る等脚台形状に形成されている。具体的に、先端部分303の上底303aのY方向における幅は、金属膜51の下底51cと同一の幅に形成されている。さらに、先端部分303の斜面303bは、第1コア54の側面23d、及び金属膜51の斜面51bと同一面上に配置されている。すなわち、第1コア54、金属膜51、及び先端部分303の積層体は、Z方向から見て第1コア54の相似形状に形成されるとともに、上述した積層体の各側面(及び斜面)全体が第2コア55、及び遮光膜52により覆われている。
図23(a)に示すように、本実施形態の記録再生ヘッドは302を製造するためには、まず第1クラッド24a上に磁極母材304を成膜する(磁極形成工程)。なお、図示しないが、磁極母材304は、第1クラッド24a、及び絶縁体35を通して主磁極33の基端部分と接続されている。
次に、図23(b)に示すように、上述した第1実施形態と同様に金属膜母材151、及び第1コア母材154を成膜した後、上述した第1パターニング工程と同様の方法により、第1コア母材154に対してマスクパターン(不図示)を介して反応性イオンエッチング(RIE)を行う。本実施形態の第1パターニング工程では、第1コア母材154、金属膜母材151、及び磁極母材304をX方向に沿って一括してエッチングすることで、Z方向から見て第1コア母材154、金属膜母材151、及び磁極母材304の積層体が矩形状に残存する。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図25は、図5に相当する図であって、第6実施形態における記録再生ヘッドを示す図である。
図25に示すように、本実施形態の記録再生ヘッド402では、金属膜51と主磁極33の先端部分303との間に両者をX方向で画成する離間膜401が形成されている。この離間膜401は、絶縁材料により構成されていることが好ましく、本実施形態では上述したコア23(第1コア54、及び第2コア55)と同材料により形成されている。なお、第1コア54と第2コア55とを異なる材料で形成した場合には、離間膜401は第2コア55と同材料により形成することが好ましい。
本実施形態によれば、金属膜51と主磁極33の先端部分303とを電気的に絶縁できるとともに、金属膜51の合金化を抑制できるので、金属膜51での自由電子の運動に悪影響が及ぶことがない。そのため、近接場光Rの発生効率をより向上できる。
例えば、上述の実施形態では、記録再生ヘッドを浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面に対向配置されていればディスクと記録再生ヘッドとが接触していても構わない。つまり、本発明の記録再生ヘッドは、コンタクトスライダタイプの記録再生ヘッドであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
また、上述した実施形態では、本発明の記録再生ヘッド2をディスクDに対して垂直な記録磁界を与える垂直磁気記録方式に採用する場合について説明したが、これに限らず、ディスクDに対して水平な記録磁界を与える面内記録方式に採用しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、金属膜51の幅W1を第1コア54の幅W2と同等に形成した場合について説明したが、これに限らず、第2コア55の幅よりも狭ければ構わない。すなわち、金属膜51を第1コア54よりも狭く形成しても構わない。
また、スライダ20の背面(対向面20aとは反対側の面)側にレーザ43を搭載し、光導波路42を介さずに直接、光束伝播素子25にレーザ光Lを導入する構成にしても構わない。
Claims (12)
- 一端側に導入された光束を他端側に向けて集光しながら伝播するとともに、近接場光に生成した後に外部に発する近接場光発生素子であって、
前記他端側に向けて前記光束を伝播させるコアと、
前記コアにおける前記一端側から前記他端側に向かう前記光束の伝播方向に沿って配置され、前記コアとの界面に沿って前記光束を伝播させて、前記光束から前記近接場光を発生させる近接場光発生部と、を有し、
前記コアは、第1コアと、前記第1コアを間に挟んで前記近接場光発生部の反対側から前記第1コアを覆う第2コアと、を備え、
前記伝播方向から見て、前記第2コアの外側端部は、前記近接場光発生部の外側端部よりも外側に位置していることを特徴とする近接場光発生素子。 - 前記第1コアと前記第2コアとが同一材料からなることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生素子。
- 前記コアの他端面を外部に露出させた状態で、前記コアを覆うクラッドを有し、
前記第1コア、前記第2コア、及び前記クラッドは、前記クラッド、前記第2コア、前記第1コアの順で屈折率が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生素子。 - 前記コアの他端面は、前記伝播方向から見て三角形状、または台形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の近接場光発生素子。
- 前記第2コアを間に挟んで前記第1コアの反対側から前記第2コアを覆うように遮光膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の近接場光発生素子。
- 前記第1コアは、前記伝播方向に沿って延在する複数の側面を有し、
前記複数の側面は、前記近接場光発生素子が配置された第1側面と、前記伝播方向から見て前記第1側面の両側で、前記第1側面の面方向に交差する方向に沿って配置された第2側面と、を有し、
前記伝播方向から見て、前記第1コアの前記第2側面と同一面上に前記近接場光発生部の外側端部が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の近接場光発生素子。 - 一端側に導入された光束を他端側に向けて集光しながら伝播するとともに、近接場光に生成した後に外部に発する近接場光発生素子の製造方法であって、
前記他端側に向けて前記光束を伝播させるコアと、
前記コアにおける前記一端側から前記他端側に向かう前記光束の伝播方向に沿って配置され、前記コアとの界面に沿って前記光束を伝播させて、前記光束から前記近接場光を発生させる近接場光発生部と、を有し、
前記近接場光発生部の母材を形成する近接場光発生部形成工程と、
前記近接場光発生部を覆うように前記コアのうち、第1コアの母材を形成する第1コア形成工程と、
前記第1コアの母材、及び前記近接場光発生部の母材を一括してパターニングするパターニング工程と、
前記第1コアを間に挟んで前記近接場光発生部の反対側から前記第1コアを覆うように、前記コアのうち、第2コアを形成する第2コア形成工程と、を有していることを特徴とする近接場光発生素子の製造方法。 - 請求項7に記載の近接場光発生素子の製造方法を使用して、一定方向に回転する磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、情報を記録させる近接場光ヘッドの製造方法であって、
前記近接場光発生部形成工程の前段に、記録磁界を発生させる磁極の母材を形成する磁極形成工程を有し、
前記パターニング工程では、前記第1コアの母材、及び前記近接場光発生部の母材とともに、前記磁極の母材を同一工程で一括してパターニングすることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 一定方向に回転する磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、情報を記録させる近接場光ヘッドであって、
前記磁気記録媒体の表面に対向配置されたスライダと、
前記スライダの先端側に配置され、前記記録磁界を発生させる磁極を有する記録素子と、
前記他端側を前記磁気記録媒体側に向けた状態で前記記録素子に隣接して固定された、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の近接場光発生素子と、
前記スライダに固定され、前記一端側から前記コア内に前記光束を導入させる光束導入手段と、を備えていることを特徴とする近接場光ヘッド。 - 前記第1コアは、前記伝播方向に沿って延在する複数の側面を有し、
前記複数の側面は、前記近接場光発生素子が配置された第1側面と、前記伝播方向から見て前記第1側面の両側で、前記第1側面の面方向に交差する方向に沿って配置された第2側面と、を有し、
前記磁極は、前記近接場光発生部を間に挟んで前記第1コアの前記第1側面に対向配置されるとともに、前記伝播方向から見て、前記第1コアの前記第2側面と同一面上に前記磁極の外側端部が配置されていることを特徴とする請求項9記載の近接場光ヘッド。 - 前記近接場光発生部と前記磁極との間には、前記近接場光発生部と前記磁極との間を画成する離間膜が形成されていることを特徴とする請求項9または請求項10記載の近接場光ヘッド。
- 請求項9ないし請求項11の何れか1項に記載の近接場光ヘッドと、
前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動可能とされ、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で前記近接場光ヘッドを先端側で支持するビームと、
前記光束導入手段に対して前記光束を入射させる光源と、
前記ビームの基端側を支持するとともに、前記ビームを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
前記記録素子及び前記光源の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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