〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は認証装置の一例を示している。
この認証装置2は、本開示の認証装置及び認証プログラムの一例であって、入力データ4を登録されている認証対象データと照合する機能や、認証対象データを認証実績に応じて更新する機能を含んでいる。入力データ4は認証に用いられるデータであって、例えば、指紋画像を表す画像データであり、後述の認証対象データや参照データとなる。
この認証装置2は、図1に示すように、入力部6等の機能部を備えている。入力部6は、指紋等の生体情報のデータ入力手段の一例であって、認証に用いるデータ、認証対象データとなるデータの入力に用いられる。認証に用いるデータは、生体情報を表すデータであり、生体から採取されたデータ例えば、指紋を表すデータである。認証対象データは本人を表すデータであって、認証対象を表す登録データである。
認証対象データ記憶部8は、複数の認証対象データを記憶する記憶手段の一例であって、認証対象データは既述のデータである。この認証対象データ記憶部8に記憶される認証対象データは、単一でもよいが、複数の異なる認証対象データが記憶されている。これは、認証に冗長度を与えるためである。
参照データ記憶部10は、複数の参照データを記憶する記憶手段の一例である。ここで、参照データは、既述の認証対象データと照合された結果、複数の認証対象データの少なくとも一つと合致した入力データである。
照合部12は、入力データ4と認証対象データ記憶部8にある認証対象データとを照合し、参照データ記憶部10に参照データがあれば、その参照データとも照合する照合手段の一例である。この照合部12では、データが一致(合致)すれば認証成功であり、不一致であれば認証失敗である。この照合に関し、記憶制御部14では、入力データ4が認証対象データの何れにも合致しなければ、その入力データ4は記憶することなく廃棄(即ち、消去)される。入力データ4が認証対象データの何れにも合致しなければ、参照データ記憶部10に参照データがあったとしても、参照データとの照合は行わない。これにより、認証の迅速化が図られる。
記憶制御部14はデータの記憶制御手段の一例であって、データ記憶と記憶手段のデータ差替えを行う。具体的には、その一つは認証対象データに合致する入力データ4を参照データ記憶部10に記憶する。他の一つは照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が認証対象データを超える参照データを認証対象データ記憶部8の認証対象データに差し替える処理を行う。
この認証装置2の認証動作について、図2を参照する。図2は認証処理の処理手順の一例を示している。
この処理手順は、本開示の認証方法又は認証プログラムの一例であって、図2に示すように、入力部6にデータを入力し、認証対象データ記憶部8に認証対象として複数の認証対象データを記憶する(ステップS11)。この入力データは、指紋等の生体情報である。認証対象データ記憶部8に記録される認証対象データは例えば、3つである。
入力部6に認証のための新たなデータを入力する(ステップS12)。この入力データ4と認証対象データ記憶部8にある認証対象データとを照合する(ステップS13)。入力データ4が認証対象データ記憶部8の認証対象データの何れかに合致するかを判定する(ステップS14)。入力データ4が認証対象データの何れにも合致しなければ(ステップS14のNO)、入力データ4を消去、廃棄する(ステップS15)。
入力データ4が認証対象データの何れかに合致すれば(ステップS14のYES)、参照データ記憶部10に参照データがあるかを判定する(ステップS16)。参照データ記憶部10に参照データがあれば(ステップS16のYES)、その参照データと入力データ4とを照合し(ステップS17)、ステップS18に移行する。参照データ記憶部10に参照データがない場合(ステップS16のNO)にも、ステップS18に移行する。
ステップS18では、認証対象データの何れかに合致する入力データ4を参照データ記憶部10に記憶する。
そして、ステップS19では、照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が認証対象データの認証成功率を超える参照データを認証対象データ記憶部8の認証対象データに差し替える。
斯かる構成では、認証対象データの何れかに合致した入力データ4は認証に成功したデータであるから、参照データ記憶部10に記憶される。認証対象データの何れかに合致した入力データ4は、参照データ記憶部10にある参照データとも照合される。これら照合の回数即ち、照合回数を各データ毎に計数し、認証成功を計数すれば、認証対象データ及び参照データの照合回数及び認証成功率を求められる。これにより、照合回数に基準値を設定し、照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が認証対象データを超える参照データを認証対象データ記憶部8の認証対象データに差し替えられる。従って、認証成功率の高いデータに認証対象データを自動更新することができ、認証操作性の低下を防止できる。
既述のように認証実績に基づいて更新された認証対象データを用いれば、認証精度を高めることができる。
生体は生活環境等で変化するが、既述の認証対象データの自動更新では、認証対象データに生体状況や生体変化を反映させることができるので、生体認証の精度を高めることができる。
また、参照データは認証対象データの何れかに合致した入力データであるから、参照データ記憶部には認証に成功しているデータが記憶されている。認証失敗のデータの記憶をしないので、参照データ記憶部は有効データのみの記憶に費やされ、効率的にデータを記憶することができる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態について、図3を参照する。図3は第2の実施の形態に係る携帯電話機の認証機能部の一例を示している。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
この携帯電話機20は本開示の認証装置、認証プログラム又は携帯端末装置の一例であって、図3に示すように、認証機能部22が含まれる。この認証機能部22は、既述の認証装置2(図1)の機能を包含するアプリケーション部(APL)である。この認証機能部22は、コンピュータで実現され、入力部6に加えられた入力データ4をメモリ部24にある認証対象データを含むデータと照合し、認証結果を出力する。
入力部6は、指紋等の生体情報のデータ入力手段の一例であって、入力制御部26により制御される。入力制御部26は、入力制御手段の一例であって、入力部6からの入力や、指紋センサ部46(図4)の指紋採取等の入力データ4の取り込み、保持等の制御を行う。
メモリ部24はデータ記憶手段として認証対象データ格納部28、集積フォルダ30、審査フォルダ32を備える。認証対象データ格納部28は認証対象データを格納し、集積フォルダ30には認証対象データの何れかと合致する入力データ4が格納される。審査フォルダ32には集積フォルダ30から抽出された照合回数の多いデータが格納される。
照合部12は入力データ4と認証対象データ格納部28に登録されている認証対象データとの照合、集積フォルダ30にデータがあればそのデータとの照合、審査フォルダ32にデータがあればそのデータとの照合を行う照合手段の一例である。入力データ4が認証対象データ格納部28にある認証対象データの何れかと合致すれば認証成功、合致しなければ認証失敗であり、認証成功の場合には集積フォルダ30及び審査フォルダ32のデータとの照合が行われる。
記憶制御部14はデータ記憶制御手段の一例であって、認証対象データの登録処理、照合部12の照合結果を受けて入力データ4の格納や消去を行う。即ち、入力データ4が認証対象データの何れかに合致(認証成功)すれば、その入力データ4を集積フォルダ30に格納する。この場合、集積フォルダ30にデータ登録に必要な空きがなければ、差替え処理を実行し、審査フォルダ32とのデータ差替え処理の後、集積フォルダ30に空きを形成して入力データ4を格納する。入力データ4が認証対象データの何れにも不一致(認証失敗)であれば、その入力データ4は消去する。
演算処理部34は照合実績等の演算処理を行う演算手段の一例であって、照合回数の演算、照合回数の比較、照合合致回数の演算、照合合致回数の比較、認証成功率、認証成功率の比較等の演算を行う。照合回数、照合合致回数又は認証成功率で表される照合実績は、照合実績保存部284、304、324(図5、図6)に保存され、演算の度に保存中のデータの更新が行われる。照合回数や認証成功率の比較結果は、データの差替え処理に用いられる。
そして、表示制御部36は表示部38の表示制御手段の一例であって、指紋設定等、表示部38の表示画面の表示やその制御を行う。
次に、携帯電話機20のハードウェアについて、図4及び図5を参照する。図4は携帯電話機のハードウェアの一例を示し、図5はメモリ部の一例を示している。図4及び図5において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
この携帯電話機20は、本開示の認証装置又は携帯端末装置の一例であって、既述の認証装置2を備えている。この携帯電話機20には、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit )42、メモリ部24、操作入力部44、指紋センサ部46、表示部38、ディジタル・ベースバンド(DBB:Digital Baseband)部48が含まれている。
CPU42は、メモリ部24にあるOS(Operating System)や認証プログラムを実行し、各種の制御を実行する。この制御には、入力データの取込み、入力データの認証処理、表示制御等の各種の制御が含まれる。認証処理には、入力データと認証対象データ又は他のデータとの照合、照合回数のカウント、認証対象データ又は他のデータの認証成功率の演算、認証対象データ等の差替え処理等が含まれる。
メモリ部24はCPU42に実行させる既述のOSや認証プログラムが格納された記憶手段であって、Flashメモリ等の記録媒体で構成される。
操作入力部44は、ユーザデータ等の各種の情報を入力する手段の一例である。
指紋センサ部46は、既述の入力部6又はデータ入力部の一例であって、既述の生体情報の一例である指紋を生体から採取する手段の一例である。この指紋センサ部46は、エリア型又はスライド/スイープ型の何れでもよく、他の採取方式を採用してもよい。
表示部38は、ユーザデータや認証結果等の各種の情報を視覚的に表示する表示手段の一例であって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)表示器で構成される。
DBB部48は、CPU42又はDBB部48に備えるCPUによって制御され、無線部50で受信した無線信号から音声やデータを再生し、又は、音声信号やデータで変調した無線信号を送出する手段であり、この実施の形態では、起動要求やリセット出力がCPU42に対して発せられる。このDBB部48には、リアルタイムクロック(RTC:Real-time clock )部52、電源LSI(Large Scale Integration )54、電源スイッチ56が接続されている。
無線部50は、基地局との無線による通信手段である。RTC部52は、カレンダクロックとも称され、CPU42のクロックとは別系統で動作する計時手段の一例である。
電源LSI54は、DBB部48の給電制御部の一例であって、電源スイッチ56の操作によりリセット出力がDBB部48に対して発せられる。また、DBB部48から電源OFFの出力を受け、電源LSI54からリセット出力がDBB部48に発せられる。
メモリ部24は、図5に示すように、RAM(Random-Access Memory)58、プログラム記憶部60、データ記憶部62を備えている。RAM58は一時的なデータの格納手段であって、ワークエリアとして利用される。この実施の形態では、採取された指紋を表す入力データが一時的に格納される。
プログラム記憶部60は、既述のOS64や認証プログラム66等の各種のアプリケーションプログラムが格納される。認証プログラム66は、本開示の認証プログラムの一例である。
データ記憶部62は、ユーザデータ設定部68、認証対象データ格納部28、集積フォルダ30、審査フォルダ32の記憶領域を備える。ユーザデータ設定部68、認証対象データ格納部28、集積フォルダ30及び審査フォルダ32は、それぞれ独立したメモリとしてもよく、それぞれをフォルダ形式でデータ格納領域としてもよい。
ユーザデータ設定部68は、ユーザを識別するデータを設定する領域である。認証対象データ格納部28は、既述の認証対象データ記憶部8、第1の記憶部の一例であって、既述の認証対象データを格納する。この認証対象データ格納部28には、データ格納部282と、認証対象データの照合実績を保存する照合実績保存部284とが備えられている。
集積フォルダ30は、既述の参照データ記憶部10、第2の記憶部の一例であって、既述の参照データを格納し、認証対象データの何れかと合致した入力データを格納する。この集積フォルダ30には、データ格納部302と、データの照合実績を保存する照合実績保存部304とが備えられている。
審査フォルダ32は、既述の参照データ記憶部10、第3の記憶部の一例であって、集積フォルダ30から審査により後述の所定条件を備える参照データを格納し、具体的には、集積フォルダ30から差し替えられたデータを格納する。この審査フォルダ32には、データ格納部322と、データの照合実績を保存する照合実績保存部324とが備えられている。
次に、認証対象データ格納部28、集積フォルダ30及び審査フォルダ32について、図6を参照する。図6は認証対象データ格納部、集積フォルダ及び審査フォルダのデータ格納構造の一例を示している。
認証対象データ格納部28のデータ格納部282には、図6に示すように、複数の指紋データとして3つのデータを登録する登録部2821、2822、2823、各登録部2821、2822、2823に対応する実績保存部2841、2842、2843が備えられている。
この実施の形態では、3つの登録部2821、2822、2823が設定されているので、既述の規定数は3であるが、4以上でもよく、また3未満でもよい。
集積フォルダ30のデータ格納部302には、複数の指紋データとして5つのデータを登録する登録部3021、3022、3023、3024、3025、各登録部3021、3022、3023、3024、3025に対応する実績保存部3041、3042、3043、3044、3045が備えられている。
審査フォルダ32のデータ格納部322には、複数の指紋データとして3つのデータを登録する登録部3221、3222、3223、各登録部3221、3222、3223に対応する実績保存部3241、3242、3243が備えられている。
次に、携帯電話機20について、図7及び図8を参照する。図7は携帯電話機の前面側を示し、図8は携帯電話機の背面側を示している。
この携帯電話機20は、図7に示すように、筐体を操作側筐体部70と表示側筐体部72とに分離し、各筐体部70、72をヒンジ部74で連結し、開閉可能に構成している。操作側筐体部70には操作入力部44の一例として記号キー76、カーソルキー78が備えられているとともに、マイクロフォン80が備えられている。表示側筐体部72には、表示部38の一例であるLCD表示器が用いられ、表示画面82が設置されている。また、この表示側筐体部72にはレシーバ83が設置されている。
また、操作側筐体部70の背面側には、図8に示すように、ユーザの指から指紋を採取する手段の一例である既述の指紋センサ部46が設置されている。
次に、画面表示について、図9を参照する。図9は画面表示の一例を示している。図9において、図7と同一部分には同一符号を付してある。
この画面表示84は、生体認証の一例としての指紋認証の設定画面表示である。この画面表示84には図9に示すように、タイトル表示86とともに、指紋登録選択部88が表示されている。この指紋登録選択部88にカーソルキー78(図7)の操作によりカーソル表示90を重ねることにより、ガイド情報表示部92にガイド情報が表示される。この表示状態でカーソルキー78の中央にある決定キーや、表示画面82に表示されているソフトウェアキーに対応するハードキーの押下により、指紋採取が可能である。即ち、指紋の入力モードが開始される。
次に、指紋センサ部46について、図10を参照する。図10のAはエリア型の指紋センサの一例を示し、図10のBはスライド/スイープ型の指紋センサの一例を示している。
指紋センサ部46には既述の通り、エリア型指紋センサ94(図10のA)又はスライド/スイープ型指紋センサ96(図10のB)の何れを用いてもよい。
エリア型指紋センサ94は、図10のAに示すように、センサ本体98の中央に検出面積の広い検出エリア100を備えている。エリア型指紋センサ94では、検出エリア100に指102の指紋を当て静止することにより指紋を採取することができる。
また、スライド/スイープ型指紋センサ96は、図10のBに示すように、センサ本体98の中央に線状の検出部104を備えている。スライド/スイープ型指紋センサ96では、検出部104に指102の指紋を当て矢印で示す方向にスライドすることにより指紋を採取することができる。
次に、携帯電話機20の認証動作について、登録処理及び認証処理を説明する。
(1) 登録処理(FI)
認証対象データの登録処理について、図11を参照する。図11は認証対象データ登録の処理手順の一例を示している。
この処理手順は、本開示の認証方法の一例であって、登録データの登録処理であり、この登録処理FIは、認証開始の前置処理である。登録データは、利用者が予め登録するデータであって、既述の認証対象データである。認証対象データは認証対象データ格納部28に登録される。
この処理手順では、図11に示すように、指紋採取により、その指紋を表すデータを読み込ませる(ステップS101)。このデータの読み取りを判定し、読み取りに成功したか否かを判定する(ステップS102)。データの読み取りに失敗すれば(ステップS102のNO)、ステップS101に戻り、データの再読み取りを行う。
データの読み取りに成功すれば(ステップS102のYES)、このデータ読み取りの後、規定数(基準値)の読み取りが完了したか否かを判定する(ステップS103)。そのデータ読み取りの回数が規定数に到達していなければ(ステップS103のNO)、ステップS101に戻り、ステップS101ないしステップS103の処理を継続する。
規定数のデータ読み取りが完了していれば(ステップS103のYES)、既述の認証対象データである登録データが完成し、認証開始が可能な状態となる(ステップS104)。この処理を経て待機状態に移行する。
(2) 認証処理〔1回目〜X回目〕(FII)
1回目〜X回目の認証処理について、図12を参照する。図12は認証対象データ登録の処理手順の一例を示している。
この処理手順は、本開示の認証方法の一例であって、登録データの登録処理であり、認証処理である。この処理手順は、照合回数が1回からX回までの処理である。
集積フォルダ30は、差替えの対象となるデータを集積するフォルダであって、保存できるデータ数には閾値Xが設定されている。
審査フォルダ32は、実際に差替えの対象となるデータを集積するフォルダであって、保存できるデータ数には閾値Yが設定されている。
この処理手順は、照合回数が1以上閾値Xまでの処理であって、図12に示すように、データの読み取り(照合開始)により(ステップS201)、読み取ったデータが登録データの1個以上と合致するか否かを判定する(ステップS202)。読み取ったデータが何れの登録データにも合致しなければ(ステップS202のNO)、読み取ったデータを消去し(ステップS203)、次回照合のため、ステップS201の前に戻る。
読み取ったデータが何れかの登録データに合致即ち、登録データの1個以上に合致すれば(ステップS202のYES)、登録データについて、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS204)。
集積フォルダ30にデータがあるかを確認し(ステップS205)、集積フォルダ30にデータがなければ(ステップS205のNO)、読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS206)、次回照合のため、ステップS201の前に戻る。
集積フォルダ30にデータがあれば(ステップS205のYES)、読み取ったデータと集積フォルダ30のデータとを照合し、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS207)。
集積フォルダ30に(X−1)個のデータがあるかを確認し(ステップS208)、集積フォルダ30に(X−1)個のデータがなければ(ステップS208のNO)、読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS206)、次回照合のため、ステップS201の前に戻る。
集積フォルダ30に(X−1)個のデータがあれば(ステップS208のYES)、読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS209)、次回照合(処理FIII :図13)に移行する(ステップS210)。
(3) 認証処理〔(X+1)回目〜(X+Y−1)回目〕(FIII )
〔(X+1)回目〜(X+Y−1)回目〕の認証処理について、図13を参照する。図13は認証対象データ登録の処理手順の一例を示している。
この処理手順は、本開示の認証方法の一例であって、登録データの登録処理であり、認証処理である。この処理手順は、照合回数が(X+1)回から(X+Y−1)回までの処理である。
この処理手順では、図13に示すように、データの読み取り(照合開始)により(ステップS301)、読み取ったデータが登録データの1個以上と合致するか否かを判定する(ステップS302)。読み取ったデータが登録データの1個以上と合致しなければ即ち、何れの登録データにも合致しなければ(ステップS302のNO)、読み取ったデータを消去し(ステップS303)、次回照合のため、ステップS301の前に戻る。
読み取ったデータが何れかの登録データに合致即ち、登録データの1個以上に合致すれば(ステップS302のYES)、登録データについて、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS304)。
読み取ったデータと集積フォルダ30のデータとを照合し、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS305)。
審査フォルダ32にデータがあるかを確認し(ステップS306)、審査フォルダ32にデータがなければ(ステップS306のNO)、集積フォルダ30内のX回の照合実績を表す実績回数を持つデータを審査フォルダ32に移動する(ステップS307)。読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS308)、次回照合のため、ステップS301の前に戻る。
審査フォルダ32にデータがあれば(ステップS306のYES)、読み取ったデータと審査フォルダ32のデータとを照合し、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS309)。
審査フォルダ32に(Y−2)個のデータがあるかを確認し(ステップS310)、審査フォルダ32に(Y−2)個のデータがなければ(ステップS310のNO)、ステップS307、S308の処理の後、次回照合のため、ステップS301の前に戻る。
審査フォルダ32に(Y−2)個のデータがあれば(ステップS310のYES)、集積フォルダ30内のX回の実績回数を持つデータを審査フォルダ32に移動する(ステップS311)。読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS312)、次回照合(処理FIV:図14)に移行する(ステップS313)。
(4) 認証処理〔(X+Y)回目を超える場合〕(FIV)
〔(X+Y)回目を超える場合〕の認証処理について、図14を参照する。図14は認証処理の一例を示している。
この処理手順は、本開示の認証方法の一例であって、登録データの登録処理であり、認証処理である。この処理手順は、照合回数が(X+Y)回以降の処理である。
この処理手順では、図14に示すように、データの読み取り(照合開始)により(ステップS401)、読み取ったデータが登録データの1個以上と合致するか否かを判定する(ステップS402)。読み取ったデータが登録データの1個以上と合致しなければ即ち、何れの登録データにも合致しなければ(ステップS402のNO)、読み取ったデータを消去し(ステップS403)、次回照合のため、ステップS401の前に戻る。
読み取ったデータが何れかの登録データに合致即ち、登録データの1個以上に合致すれば(ステップS402のYES)、登録データについて、照合回数と照合合致回数を記憶し、成功率を算出する(ステップS404)。この場合、登録データ、審査フォルダ32内のデータの成功率の算出方法は、
成功率=(照合合致回数÷照合回数)×100〔%〕 ・・・(1)
で求められる。
読み取ったデータと集積フォルダ30のデータとを照合し、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS405)。
集積フォルダ30内のX回の実績回数を持つデータの成功率を算出する(ステップS406)。この場合、集積フォルダ30内のX回の実績回数を持つデータの成功率の算出方法は、
成功率=(照合合致回数÷X)×100〔%〕 ・・・(2)
で求められる。
読み取ったデータと審査フォルダ32のデータとを照合し、照合回数と照合合致回数を記憶する(ステップS407)。審査フォルダ32内のデータの成功率を式(1) を用いて算出する(ステップS408)。
登録データ内の成功率が最下位のデータと、審査フォルダ32内の成功率が最上位のデータとを比較する(ステップS409)。登録データ内の成功率が最下位のデータ≦審査フォルダ32内の成功率が最上位のデータであれば(ステップS409のYES)、差替えを行う(ステップS410)。登録データ内の成功率が最下位のデータ>審査フォルダ32内の成功率が最上位のデータであれば(ステップS409のNO)、差替えを行うことなく、ステップS411に移行する。
ステップS411では、審査フォルダ32内の成功率が最下位のデータと、集積フォルダ30内のX回の実績データを持つデータとを比較する。審査フォルダ32内の成功率が最下位のデータ>集積フォルダ30内のX回の実績データを持つデータであれば(ステップS411のNO)、集積フォルダ30内のX回の実績回数を持つデータを削除し(ステップS412)、読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS413)、次回照合のため、ステップS401の前に戻る。
審査フォルダ32内の成功率が最上位のデータ≦集積フォルダ30内のX回の実績データを持つデータであれば(ステップS411のYES)、審査フォルダ32内の成功率が最下位のデータを削除する(ステップS414)。このとき、審査フォルダ32には、データの格納位置がシフトし、空きを生じる。これにより、読み取ったデータを集積フォルダ30に格納し(ステップS415)、次回照合のため、ステップS401の前に戻る。
次に、認証処理について、図15、図16、図17、図18、図19、図20、図21、図22、図23、図24、図25、図26及び図27を参照する。
この認証処理は本開示の認証プログラムの実行処理の一例である。この認証処理では、既述の処理手順(図14)と読み取ったデータの格納時に相違がある。既述の認証処理では、読み取ったデータがデータ差替え処理(ステップS410)の後に集積フォルダ30に格納される(ステップS413、S415)。これに対し、以下の認証処理では、読み取ったデータがデータ差替え処理(ステップS410)より先に集積フォルダ30に格納されるが、何れの処理であってもよい。
(1) 認証1回目
図15の(a)に示すように、認証対象データ格納部28のデータ格納部282には複数の認証対象として例えば、3データ、3回の指紋採取を経て3個のデータA、B、Cが登録されている。
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図15の(b)に示すように、採取されたデータD(入力データ4)とデータA、B、Cとが個別に比較される。データDは、データB、Cと合致しない(不一致)が、データAと合致(一致)している。この場合、データDはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。図15の(b)において、○は一致、×は不一致を示している。
また、図15の(c)に示すように、データDがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータDは消去される。
この場合、データDは、データAと合致して認証に成功している。認証に成功した場合、認証対象データA、B、Cの照合実績を自動的に把握する。認証に成功したデータDは、図15の(d)に示すように、集積フォルダ30のデータ格納部302の登録部3025に自動的に保存される。集積フォルダ30には一定量の個数のデータ保存が可能であり、既述の通り、一定量は5個である。照合実績は、照合回数に対する合致回数を表す数値であって、認証1回目の照合実績は、データAが1/1、データBが0/1、データCが0/1であり、照合実績保存部284に登録されている。
(2) 認証2回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図16の(a)に示すように、新たに採取されたデータE(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと比較される。データEは、データCと合致しない(不一致)が、データA、Bと合致(一致)している。この場合、データEはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図16の(b)に示すように、採取したデータEがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータEは消去される。
データEは、データA、Bと合致して認証に成功しているので、図16の(c)に示すように、認証対象データA、B、Cの照合実績を把握する。この場合、照合実績は、データAが2/2、データBが1/2、データCが0/2である。
そして、データEは集積フォルダ30のデータ格納部302に保存されているデータDと比較される。この場合、データDと合致している。集積フォルダ30の照合実績保存部304には、データDの照合実績1/1が記録される。また、認証成功を得たデータEは図16の(d)に示すように、集積フォルダ30の登録部3025に登録、保存されるとともに、登録部3025にあったデータDは登録部3024にシフトさせる。
(3) 認証3回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図17の(a)に示すように、採取されたデータF(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データFは、データBと合致しない(不一致)が、データA、Cと合致(一致)している。この場合、データFはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図17の(b)に示すように、採取したデータFがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータFは消去される。
データFは、データA、Cと合致して認証に成功しているので、図17の(c)に示すように、認証対象データA、B、Cの照合実績を把握する。この場合、照合実績はデータAが3/3、データBが1/3、データCが1/3である。
そして、データFは集積フォルダ30のデータ格納部302に保存されているデータD、Eと比較され、データDと不一致、データEと合致している。照合実績はデータDが1/2、データEが1/1である。また、認証成功を得たデータFは、図17の(d)に示すように、集積フォルダ30の登録部3025に登録、保存されるとともに、データD、Eは登録部3024、3025から登録部3023、3024にシフトさせる。
(4) 認証4回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図18の(a)に示すように、採取されたデータG(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データGは、データA、Cと合致しない(不一致)が、データBと合致(一致)している。この場合、データGはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図18の(b)に示すように、採取したデータGがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータGは消去される。
図18の(c)に示すように、データGは、データBと合致して認証に成功している。この場合、照合実績はデータAが3/4、データBが2/4、データCが1/4である。
そして、データGは集積フォルダ30に保存されているデータD、E、Fと比較され、データDと不一致、データE、Fと合致している。照合実績はデータDが1/3、データEが2/2、データFが1/1である。また、認証成功を得たデータGは図18の(d)に示すように、集積フォルダ30の登録部3025に登録、保存されるとともに、データD、E、Fは登録部3023、3024、3025から登録部3022、3023、3024にシフトさせる。
(5) 認証5回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図19の(a)に示すように、採取されたデータH(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データHは、データCと合致しない(不一致)が、データA、Bと合致(一致)している。この場合、データHはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図19の(b)に示すように、採取したデータHがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータHは消去される。
図19の(c)に示すように、データHは、データA、Bと合致して認証に成功している。この場合、照合実績はデータAが4/5、データBが3/5、データCが1/5である。
そして、データHは集積フォルダ30に保存されているデータD、E、F、Gと比較され、データE、Gと不一致、データD、Fと合致している。照合実績はデータDが2/4、データEが2/3、データFが2/2、データGが0/1である。また、認証成功を得たデータHは図19の(d)に示すように、集積フォルダ30の登録部3025に登録、保存されるとともに、データD、E、F、Gは登録部3022、3023、3024、3025から登録部3021、3022、3023、3024にシフトさせる。この結果、集積フォルダ30の全ての登録部3021、3022、3023、3024、3025の空きがなくなる。
(6) 認証6回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図20の(a)に示すように、採取されたデータI(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データIは、データCと合致しない(不一致)が、データA、Bと合致(一致)している。この場合、データIはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図20の(b)に示すように、採取したデータIがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータIは消去される。
図20の(c)に示すように、データIは、データA、Bと合致して認証に成功している。この場合、照合実績はデータAが5/6、データBが4/6、データCが1/6である。
そして、データIは集積フォルダ30に保存されているデータD、E、F、G、Hと比較され、データE、F、Hと不一致、データD、Gと合致している。。照合実績はデータDが3/5、データEが2/4、データFが2/3、データGが1/2、データHが0/1である。
この場合、認証成功を得たデータIは集積フォルダ30の保存される条件を充足しているが、集積フォルダ30の登録部3021〜3025には空きがなく、この状態では保存することができない。そこで、データ保存に審査フォルダ32が用いられる。この審査フォルダ32は集積フォルダ30に対して照合回数が基準回数を超えるデータを保存する上位のフォルダである。この審査フォルダ32には既述の通り、複数のデータを登録する登録部3221、3222、3223が設定されている。集積フォルダ30の各データの照合回数の比較では、データDは、照合回数が基準回数=5〔回〕を超えているので、図20の(d)に示すように、審査フォルダ32の登録部3223に自動的に移送され、保存される。審査フォルダ32にも照合実績保存部324が設定され、データDの照合実績3/5が記録される。
この結果、集積フォルダ30の登録部3021に空きが生じるので、登録部3022、3023、3024、3025にあるデータE、F、G、Hは登録部3021、3022、3023、3024にシフトさせる。これにより、集積フォルダ30の登録部3025に空きが生じ、この登録部3025にデータIが保存される。
(7) 認証7回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図21の(a)に示すように、採取されたデータJ(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データJはデータCと合致しない(不一致)が、データA、Bと合致(一致)している。この場合、データJはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図21の(b)に示すように、採取したデータJがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータJは消去される。
図21の(c)に示すように、データJは、データA、Bと合致して認証に成功している。この場合、照合実績はデータAが6/7、データBが5/7、データCが1/7である。
また、データJは集積フォルダ30に保存されているデータE、F、G、H、Iと比較され、データE、G、Iと不一致、データF、Hと合致している。。照合実績はデータEが2/5、データFが3/4、データGが1/3、データHが1/2、データIが0/1である。また、審査フォルダ32に保存されているデータDとも比較され、データDと合致している。
この場合、認証成功を得たデータJは集積フォルダ30に保存される条件を充足しているが、集積フォルダ30の登録部3021〜3025には空きがない。そこで、図21の(d)に示すように、基準回数(=5〔回〕)を超えるデータEを審査フォルダ32の登録部3223にシフトさせるとともに、データDは登録部3223から登録部3222にシフトさせ、保存される。照合実績はデータDが4/6、データEが2/5である。
この結果、集積フォルダ30の登録部3021に空きが生じるので、登録部3022〜3025にあるデータF、G、H、Iは登録部3021〜3024にシフトさせる。これにより、集積フォルダ30の登録部3025に空きが生じ、この登録部3025にデータJが保存される。
(8) 認証8回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図22の(a)に示すように、採取されたデータK(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Cと個別に比較される。データKは、データB、Cと合致しない(不一致)が、データAと合致(一致)している。この場合、データKはデータA、B、Cの何れかに合致しているので、認証成功である。
また、図22の(b)に示すように、採取したデータKがデータA、B、Cの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータKは消去される。
図22の(c)に示すように、データKは、データAと合致して認証に成功している。この場合、照合実績はデータAが7/8、データBが5/8、データCが1/8である。
そして、データKは集積フォルダ30に保存されているデータF、G、H、I、Jと比較され、データHと不一致、データF、G、I、Jと合致している。照合実績はデータFが4/5、データGが2/4、データHが1/3、データIが1/2、データJが1/1である。また、審査フォルダ32に保存されているデータD、Eとも比較され、データD、Eと合致している。
この場合、認証成功を得たデータKは集積フォルダ30に保存される条件を充足しているが、集積フォルダ30の登録部3021〜3025には空きがない。この場合、図22の(d)に示すように、基準回数(=5〔回〕)を超えるデータFを審査フォルダ32の登録部3223にシフトさせるとともに、データD、Eは登録部3222、3223から登録部3221、3222にシフトさせ、保存される。照合実績はデータDが5/7、データEが3/6、データFが4/5である。
この結果、集積フォルダ30の登録部3021に空きが生じるので、登録部3022〜3025にあるデータG、H、I、Jは登録部3021〜3024にシフトさせる。これにより、集積フォルダ30の登録部3025に空きが生じ、この登録部3025にデータKが保存される。
このように認証対象データ格納部28、集積フォルダ30及び審査フォルダ32に空きがない状態(満杯状態)、即ち、データが予定量に到達すると、差替え審査が実行される。
先ず、認証対象データ格納部28にあるデータA、B、Cについて、成功率を演算すると、図23の(a)に示すように、データAは7/8=88〔%〕、データBは5/8=63〔%〕、データCは1/8=13〔%〕であり、データCが最下位の成功率である。
次に、審査フォルダ32にあるデータD、E、Fについて、成功率を演算すると、データDは5/7=71〔%〕、データEは3/6=50〔%〕、データFは4/5=80〔%〕であり、データFが最上位の成功率である。
そこで、認証対象データ格納部28の最下位のデータCと、審査フォルダ32の最上位のデータFとの成功率を比較し、データFの成功率がデータCの成功率を上回った場合に、これを契機に自動的に差替えを発生させる。この場合、
C(1/8=13〔%〕)<F(4/5=80〔%〕)
であるから、差替え処理を行う。この差替え処理では、図23の(c)に示すように、認証対象データ格納部28の登録部2823にデータCに代えてデータFを登録し、審査フォルダ32の登録部3223にデータFに代えてデータCを登録する。
次に、集積フォルダ30にあるデータGの成功率を演算すると、図24の(d)に示すように、データGは4回の照合実績を持ち、その成功率は2/4=50〔%〕である。
そこで、審査フォルダ32の最下位のデータCと、集積フォルダ30のデータGとの成功率を比較すると、図24の(e)に示すように、データGの成功率がデータCの成功率を上回った場合に、これを契機に自動的に差替え及びデータ削除を発生させる。この場合、
C(1/8=13〔%〕)≦G(2/4=50〔%〕)
であるから、差替え処理及びデータ削除を行う。この処理では、図24の(f)に示すように、審査フォルダ32の登録部3223にデータCに代えてデータGを登録し、審査フォルダ32の登録部3223にあったデータCを削除する。
この結果、集積フォルダ30の登録部3025に空きが生じるので、登録部3022〜3025にあるデータH、I、J、Kは登録部3021〜3024にシフトさせる。これにより、集積フォルダ30の登録部3025は空きとなる。
(9) 認証9回目
ユーザは認証対象と照合するため、新たに指紋を採取する。図25の(a)に示すように、採取されたデータL(入力データ4)は、認証対象のデータA、B、Fと個別に比較される。この場合、全てのデータA、B、Fと合致して認証成功である。
また、図25の(b)に示すように、採取したデータLがデータA、B、Fの何れにも合致しなければ、認証やり直し(認証失敗)となり、照合したデータLは消去される。
データLは、図25の(c)に示すように、審査フォルダ32にあるデータD、E、G、集積フォルダ30にあるデータH、I、J、Kと比較され、データD、G、Hと不一致、データE、I、J、Kと合致している。この場合、照合実績はデータAが8/9、データBが6/9、データFが5/6、データDが5/8、データEが4/7、データGが4/6、データHが1/4、データIが2/3、データJが2/2、データKが1/1である。
また、認証成功を得たデータLは、図25の(d)に示すように、集積フォルダ30の登録部3025に登録、保存され、集積フォルダ30の全ての登録部3021〜3025の空きがなくなる。
このように認証対象データ格納部28、審査フォルダ32及び集積フォルダ30に空きがない状態(満杯状態)、即ち、データが予定量に到達すると、差替え審査が実行される。
先ず、認証対象データ格納部28にあるデータA、B、F、審査フォルダ32にあるデータD、E、Gについて、成功率を演算する。図26の(a)に示すように、認証対象データ格納部28では、データAは8/9=89〔%〕、データBは6/9=67〔%〕、データFは5/6=83〔%〕であり、データBが最下位の成功率である。また、審査フォルダ32では、データDは5/8=63〔%〕、データEは4/7=57〔%〕、データGは4/6=67〔%〕であり、データGが最上位の成功率である。
そこで、認証対象データ格納部28の最下位のデータBと、審査フォルダ32の最上位のデータGとの成功率を比較すると、データGの成功率がデータBの成功率を上回った場合(G≧B)を契機に差替えを自動的に発生させる。この場合、図26の(b)に示すように、同率であっても差替えが発生する。そこで、
B(6/9=67〔%〕)=G(4/6=67〔%〕)
であるから、差替え処理を行う。この場合、審査フォルダ32にあるデータは照合回数が低く、新しいデータでの成功率を示しているので、成功率が同率であれば、審査フォルダ32にあるデータを優先し、認証対象にシフトさせる。この差替え処理では、図25の(c)に示すように、認証対象データ格納部28の登録部2822にデータBに代えてデータGを登録し、審査フォルダ32の登録部3223にデータGに代えてデータBを登録する。
次に、集積フォルダ30にあるデータHの成功率を演算すると、図27の(d)に示すように、データHは4回の照合実績を持ち、その成功率は1/4=25〔%〕である。
そこで、審査フォルダ32の最下位のデータEと、集積フォルダ30のデータHとの成功率を比較すると、データH、Eの大小関係を契機に、図27の(e)及び(f)に示すように、差替えやデータ削除が発生する。この場合、
E(4/7=57〔%〕)>H(1/4=25〔%〕)
であるから、差替え処理は行わず、データ削除を行う。この処理では、審査フォルダ32の登録部3222あるデータEを維持し、集積フォルダ30の登録部3021にあったデータHを削除する。
この結果、集積フォルダ30の登録部3021に空きが生じるので、登録部3022〜3025にあるデータI、J、K、Lは登録部3021〜3024にシフトさせる。これにより、集積フォルダ30の登録部3025は空きとなる。
以上述べた認証処理等に関し、変形例、特徴、効果等を以下に列挙する。
(a) 認証操作において、認証対象データの認証成功率を自動で計算し、実績数を把握する機能を備える。認証対象データと入力データ4との間に差分が生じ、認証失敗の頻度が高くなると、ユーザが最初に登録した認証対象データを自動的に成功率の高いデータと差し替える。これにより、認証率を高めることができる。
(b) 認証操作において照合に成功したデータを差し替えるためのデータとして集積フォルダ30や審査フォルダ32等で例示したように、別領域に一定量保存する機能を備える。
(c) 差し替えるためのデータとして別領域に保存したデータの成功率を自動で計算し、実績数を把握する機能を備える。
(d) 認証対象データをより成功率の高いデータと差し替えるため、集積フォルダ30と審査フォルダ32の2つのフォルダを備える。審査フォルダ32には集積フォルダ30から昇格したデータが登録される。
(e) 実際に照合に成功したデータを集積フォルダ30へ保存する機能を備える。
(f) 集積フォルダ30には一定の回数(X回)の照合を行う機能を備える。
(g) 集積フォルダ30にてX回の照合を終えたデータは審査フォルダ32に一定量まで自動で移動される機能を備える。
(h) 審査フォルダ32のデータが一定量を超えた場合、認証対象データの中で成功率が最下位のデータと、審査フォルダ32の中で成功率が最上位のデータ、最下位のデータとを算出する機能を備える。差替え用データを作るため、実際に照合する際に採取し照合に成功した指紋データは全て集積フォルダ30に保存し、ある一定の回数(X回)照合する。X回目の照合を終えたデータは審査フォルダ32へと移行させている。
(i) 審査フォルダ32の中で成功率が最上位のデータの成功率が、認証対象データの中で成功率が最下位のデータの成功率を上回る場合、差し替え行う機能を備える。
(j) 集積フォルダ30にてX回の照合を終えたデータの成功率に対し、閾値を設定し、この閾値を下回る場合、削除をする機能を備えてもよい。斯かる機能を備えれば、成功率の低いデータによる認証データの劣化による認証率の低下を防止できる。
(k) 集積フォルダ30にあるX回の照合を終えたデータの成功率と、審査フォルダ32の中で成功率が最下位のデータの成功率とを比較し、成功率と実績数が上回るものを審査フォルダ32へ保存する機能を備える。
(l) 集積フォルダ30にあるX回の照合を終えたデータの成功率と、審査フォルダ32の中で成功率が最下位のデータの成功率とを比較し、成功率と実績数が下回るものを削除する機能を備える。
(m) 審査フォルダ32のデータ個数が、予め決められた個数を超えた場合、データの差替え作業を開始する。これにより、効率的なデータ差替えが行える。データ差替えに当たり、認証対象データの中で成功率が最下位のデータと、審査フォルダ32にある成功率が最上位のデータとを比較した後、データ差替えをする。認証成功率の高いデータに更新され、結果として認証対象データの認証成功率の向上に寄与し、信頼性の高い認証が行える。
(n) 集積フォルダ30にてX回の照合を終えたデータに対し、一定の閾値を設定し、X回の照合を終えたデータがその閾値より下回る場合には、そのデータを削除してもよい。このようなデータ削除により、認証の信頼性を高めることができる。集積フォルダ30にてX回の照合を終えたデータが閾値を超えた場合は、審査フォルダ32の中で成功率が最下位のデータと比較し、集積フォルダ30にてX回の照合を終えたデータの成功率が上回る場合、データ差替えを行う。その際、成功率が下回ったデータは削除をする。認証成功率の低いデータを削除するので、価値のないデータの消去とともに、記憶手段の効率的な利用が図られる。
(o) 指紋認証の認証成功率が低下した場合、認証成功率の高いデータに自動で差し替えるので、このような認証機能を備えた携帯電話機の認証操作性を向上させることができる。
(p) 上記実施の形態では、認証対象データや差替えデータを共に成功率の計算に基づいてデータ更新を行っているので、利用者の生体情報例えば、指紋が変化しても、その変化に応じ、認証成功率に応じてデータを差し替えることができる。データ更新を自動化できるので、生体情報の経時変化に応じた最新の登録データで認証でき、認証性能を向上させることができる。
(q) 認証対象データは認証成功率に応じて自動更新するので、ユーザはデータ更新を何ら意識することなく、認証機能を利用するだけでよく、ユーザに対するデータ更新の負荷はなく、利便性の高い認証機能を実現することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、認証処理について、図28を参照する。図28は第3の実施の形態に係る認証処理の処理手順の一例を示している。
この認証処理の処理手順は、本開示の認証方法の一例であって、図28に示すように、採取されたデータと既存のデータとの照合を行う(ステップS501)。この照合処理において、照合に成功したか否かを判定し(ステップS502)、照合に成功しなければ(ステップS502のNO)、ステップS501に戻り、再度照合を行う。
照合に成功すれば(ステップS502のYES)、既存の登録データ、審査フォルダ32のデータと照合し、成功率を算出、実績数をカウントする(ステップS503)。集積フォルダ30のデータと照合し、実績をカウントする(ステップS504)。
集積フォルダ30にX回の照合実績があるデータがあるかを判定し(ステップS505)、集積フォルダ30にX回の照合実績があるデータがなければ(ステップS505のNO)、次回照合へ移行する(ステップS501)。
集積フォルダ30にX回の照合実績があるデータがあれば(ステップS505のYES)、X回目のデータの成功率を算出し(ステップS506)、審査フォルダ32にY個のデータがあるかを判定する(ステップS507)。
審査フォルダ32にY個のデータがなければ(ステップS507のNO)、次回照合へ移行する(ステップS501)。審査フォルダ32にY個のデータがあれば(ステップS507のYES)、登録データの最下位<審査フォルダの最上位であるかを判定し(ステップS508)、登録データの最下位<審査フォルダの最上位であれば(ステップS508のYES)、差替えを行う(ステップS509)。
登録データの最下位<審査フォルダの最上位でなければ(ステップS508のNO)、集積フォルダのX回目>審査フォルダの最下位であるかを判定する(ステップS510)。集積フォルダのX回目>審査フォルダの最下位であれば(ステップS510のYES)、差替え、また、審査フォルダ32の最下位を削除し(ステップS511)、次回照合に移行する(ステップS501)。また、集積フォルダのX回目>審査フォルダの最下位でなければ(ステップS510のNO)、集積フォルダ30のX回目を削除し(ステップS512)、次回照合に移行する(ステップS501)。
このような処理手順によっても、第2の実施の形態と同様に、認証機能を実現でき、認証成功率を高めることができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、認証装置2(図1)や携帯端末装置の一例として携帯電話機20(図3等)を開示したが、本発明は斯かる開示に限定されない。本発明は、パーソナルコンピュータ(PC)400(図29、図30)であってもよいし、携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)500(図31)であってもよい。更には、通信機能を備えるゲーム機器やディジタルカメラであってもよい。
PC400は既述の認証機能部22(図3)を備え、図29に示すように、操作側筐体部70と表示側筐体部72とをヒンジ部74で連結し、開閉可能に構成されている。操作側筐体部70には既述の指紋センサ部46が設置されている。斯かる構成によっても、上記実施の形態と同様の機能を実現し、同様の効果が得られる。図29において、上記実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
指紋センサ部46はPC400の操作側筐体部70に設置してもよいが、既述の指紋センサ部46に代え、図30に示すように、エリア型指紋センサ94を用いてもよい。このエリア型指紋センサ94は、PC400にエリア型指紋センサ94をケーブル95で接続した構成である。斯かる構成によっても、上記実施の形態と同様の機能を実現し、同様の効果が得られる。
PDA500では、既述の認証機能部22(図3)を備え、図31に示すように、筐体部502に既述のスライド/スイープ型指紋センサ96が設置されている。斯かる構成によっても、上記実施の形態と同様の機能を実現し、同様の効果が得られる。図31において、上記実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
(2) 上記実施の形態では、生体情報を用いた認証機能として指紋認証を例示したが、本開示の認証装置、認証プログラム及び携帯端末装置は静脈認証等の生体情報を用いてもよく、指紋認証に限定されない。
(3) 上記実施の形態では、指紋センサ部46を例示したが、この指紋センサ部46には既存のディジタルカメラを用いてもよい。
(4) 上記実施の形態の処理手順を示すフローチャート(図14)において、X回の実績回数を基準として照合合致回数や成功率を算出している。この算出に用いられるXは、集積フォルダ30のデータの格納数と一致する必要はなく、データの格納数Nより小さい値を用いてもよい。集積フォルダ30から審査フォルダ32に移行させる候補データは、実績回数の最大のものを用いればよい。
〔比較例〕
(1) 従来の指紋認証機器
指紋認証機能を搭載する携帯電話機及びその他の機器に関し、認証対象データは、ユーザが自ら差し替えることをしない限り更新されない。認証対象データを更新しても、認証成功率が上昇するとは限らない。指紋認証の登録の設定は、携帯電話機の持ち方や操作に慣れる前の段階で行われる。このため、操作に慣れると、当初の持ち方や指紋認証の操作に登録当初と差分を生じ、指紋認証に失敗する頻度が高くなり、故障と誤認するおそれがある。指紋認証を行う際、認証に成功するまで入力を繰り返さなければならない等、認証操作に不快感を伴う不都合があった。このような不都合は上記実施の形態により解決され、操作ミスによる認証失敗を削減でき、認証成功率を高めることができる。
(2) 認証に失敗した生体情報の記憶について
この比較例について、図32を参照する。図32は比較例の認証を示している。図32において、(A)はユーザ本人の認証、(B)はユーザ本人と他人の認証、(C)は他人の認証、(D)はユーザ本人と他人の認証、(E)はユーザ本人の認証を示している。
この比較例では、ユーザ本人の指102から指紋を継続採取している間にユーザではない他人が同時に指紋を採取した場合である。103はユーザではない他人の指を示している。認証の成功前の失敗画像を差し替え対象データとすることは、他人の画像も対象データにすることになる。
このような処理では、失敗画像を登録するため、指紋認証のセキュリティ不足が問題となる。
これに対し、本開示の認証装置、認証プログラム及び携帯端末装置では、認証失敗の画像を保存しておらず、認証成功画像のみを認証対象データ及び登録データとし、認証成功率の高いデータを保存している。このため、記憶容量の低減とともに、認証成功率の高いデータのみを保存することができ、認証成功率を向上させることができる。
次に、以上述べた実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本発明が限定されるものではない。
(付記1) データを入力する入力部と、
入力データと照合される複数の認証対象データを記憶する認証対象データ記憶部と、
前記入力データと照合される複数の参照データを記憶する参照データ記憶部と、
前記入力データと少なくとも前記認証対象データとを照合する照合部と、
前記認証対象データの何れかに合致する前記入力データを前記参照データ記憶部に記憶し、照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が前記認証対象データの認証成功率を超える参照データを前記認証対象データ記憶部の前記認証対象データに差し替える記憶制御部と、
を備えることを特徴とする認証装置。
(付記2) 前記データは、採取された指紋情報であることを特徴とする付記1に記載の認証装置。
(付記3) 前記認証対象データの何れにも合致しない入力データは消去することを特徴とする付記1に記載の認証装置。
(付記4) 前記参照データ記憶部は、前記参照データから抽出された前記照合回数の高い参照データを記憶する記憶部を備える付記1に記載の認証装置。
(付記5) 認証に用いるデータを入力する入力部と、
複数の認証対象データを記憶する第1の記憶部と、
前記認証対象データに合致した入力データを記憶する第2の記憶部と、
前記入力データと前記第1の記憶部にある前記認証対象データとを照合し、前記第2の記憶部にデータがあれば該データとも照合する照合部と、
前記入力データが前記認証対象データの何れかに合致すれば、前記第1の記憶部にある前記認証対象データの成功率、前記第2の記憶部にデータがあれば該データの成功率をも演算し、前記入力データを前記第2の記憶部に記憶する制御部と、
を備えることを特徴とする認証装置。
(付記6) 更に、複数のデータを記憶する第3の記憶部とを備え、前記制御部は、前記第2の記憶部にある前記データの個数が第1の基準値に到達した場合、前記第2の記憶部にある照合回数の最も多いデータを前記第3の記憶部に移行させ、前記第2の記憶部にある前記データを消去することを特徴とする付記5に記載の認証装置。
(付記7) 前記制御部は、前記第3の記憶部にある前記データの個数が第2の基準値に到達し、前記第3の記憶部にある成功率の最も高いデータの成功率が前記第1の記憶部にある成功率の最も低い認証対象データの成功率を超えていれば、前記第3の記憶部にある成功率の最も高いデータを認証対象データとして前記第1の記憶部に移行させ、前記第1の記憶部にある成功率の最も低い前記認証対象データを前記第3の記憶部に移行させることを特徴とする付記5に記載の認証装置。
(付記8) 前記制御部は、前記第2の記憶部にある前記データの個数が第1の基準値に到達した場合、前記第2の記憶部にある照合回数の最も多いデータの成功率が前記第3の記憶部にある成功率の最も低いデータの成功率以上であれば、前記第2の記憶部にある照合回数の最も多いデータと前記第3の記憶部にある成功率の最も低いデータとを差し替えることを特徴とする付記5に記載の認証装置。
(付記9) コンピュータによって実行される認証プログラムであって、
データを入力する機能と、
複数の認証対象データを認証対象データ記憶部に記憶する機能と、
複数の参照データを参照データ記憶部に記憶する機能と、
入力データと前記認証対象データとを照合し、前記参照データ記憶部に参照データがあれば該参照データとも照合する機能と、
前記認証対象データの何れかに合致する前記入力データを前記参照データ記憶部に記憶し、照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が前記認証対象データの認証成功率を超える参照データを前記認証対象データ記憶部の前記認証対象データに差し替える機能と、
を前記コンピュータに実行させる認証プログラム。
(付記10) コンピュータによって実行される認証プログラムであって、
認証に用いるデータを入力する機能と、
複数の認証対象データを第1の記憶部に記憶する機能と、
前記第1の記憶部にある前記認証対象データに合致する入力データを第2の記憶部に記憶する機能と、
前記入力データと前記第1の記憶部にある前記認証対象データとを照合し、前記第2の記憶部にデータがあれば該データとも照合する機能と、
前記入力データが前記認証対象データの何れかに合致すれば、前記第1の記憶部にある前記認証対象データの成功率、前記第2の記憶部にデータがあれば該データの成功率をも演算する機能と、
を前記コンピュータに実行させる認証プログラム。
(付記11) 認証機能を備える携帯端末装置であって、
データを入力する入力部と、
入力データと照合される複数の認証対象データを記憶する認証対象データ記憶部と、
前記入力データと照合される複数の参照データを記憶する参照データ記憶部と、
前記入力データと少なくとも前記認証対象データとを照合する照合部と、
前記認証対象データの何れかに合致する前記入力データを前記参照データ記憶部に記憶し、照合回数が基準値を超え且つ認証成功率が前記認証対象データの認証成功率を超える参照データを前記認証対象データ記憶部の前記認証対象データに差し替える記憶制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
以上説明したように、認証装置、認証プログラム及び携帯端末装置の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。