JP2012083236A - 角度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目盛盤の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じていても回転角度を適切に検出できる角度検出装置の提供。
【解決手段】 径方向に延びる複数の目盛線13が形成された円盤状の目盛盤11と、目盛線13を検出する検出器12とを備え、目盛盤11の回転に伴って検出器12から出力される検出信号Sdを参照して前記目盛盤の回転角度を検出する角度検出装置であって、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの偏心量δに基づく回転角度の誤差を補正する補正手段20を備え、補正手段20は、偏心量δを取得する偏心量取得部21と、偏心量取得部21で取得される偏心量δに基づいて、目盛線13の検出周波数を搬送周波数としかつ目盛盤11の回転周波数を変調周波数としたときの変調指数を算出する変調指数算出部22と、変調指数算出部22で算出される変調指数に基づいて、変調周波数の高次成分を算出する高次成分算出部23と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、角度検出装置に関する。
従来、円盤状の目盛盤とその回転を検出する検出器とを備えた角度検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような角度検出装置では、目盛盤の表面には、目盛盤の中心から周縁に向けて複数の目盛線が径方向あるいは放射状に形成される。検出器は、目盛盤の回転に伴って通過してゆく目盛線を検出する。この検出信号をカウントすることで、回転角度が検出される。
特許文献1に記載のエンコーダ装置(角度検出装置)は、被検知部(目盛線)を有する円板(目盛盤)と、2つのセンサ部材(検出器)とを備え、各センサ部材は、円板の回転中心に対して対称に配置されている。エンコーダ装置は、各センサ部材で検出される角度の平均値を算出することで、円板の回転角度を算出している。
図10に示すように、角度検出装置10は、複数の目盛線13を有する目盛盤11と、目盛盤11の周縁に沿って設置されて目盛線13を検出する検出器12とを備え、目盛盤11が回転した際に、検出器12を通過する目盛線13に対応した検出信号を出力し、この検出信号から目盛盤11の回転角度を検出する。
目盛線13は、目盛盤11の表面に径方向に形成され、その幾何学的中心は目盛中心Ogである。目盛線13は、目盛盤11の周縁近傍にあればよく、必ずしも目盛中心Ogまで達している必要はない。目盛盤11は、図示しない回転軸に接続され、回転中心Orを中心として回転する。検出器12は、回転中心Orから検出半径Rの位置で目盛線13を読み取る。理想的な状態は、目盛中心Ogと回転中心Orが一致している。
図11に示すように、角度検出装置10は、組み立てや、被検出物への取り付け、温度の変化などによって、目盛中心Ogと回転中心Orとがずれ(偏心)を生じることがある。このような場合、目盛盤11上の目盛中心Ogは、目盛盤11が回転した際に、回転中心Orを中心として偏心量δを半径とする円を描く。また、この偏心により、回転中心Orから検出半径Rに設置された検出器12では、目盛線13に対する検出部位14が変化する。
本来、目盛盤11は、検出部位14が回転中心Orから検出半径Rとされ、検出部位14は目盛線13における目盛中心Ogから検出半径Rの位置を読み取る。
しかし、図12に示すように、目盛中心Ogと検出器12との距離が遠い状態では、目盛中心Ogは最大で偏心量δだけ検出器12から離れ、検出部位14は目盛線13における目盛中心Ogから見かけ検出半径(R+δ)の位置を読み取る。
一方、図13に示すように、目盛中心Ogと検出器12との距離が近い状態では、目盛中心Ogは最大で偏心量δだけ検出器12に近づき、検出部位14は目盛線13における目盛中心Ogから見かけ検出半径(R−δ)の位置を読み取る。
図14において、検出部位14の読み取り位置が、目盛線13における目盛中心Ogから検出半径Rの位置であると、検出される目盛線13の間隔はdである。同様に、目盛中心Ogから見かけ検出半径(R−δ)の位置であると、検出される間隔はd’であり、目盛中心Ogに近い分だけ間隔dより小さくなる。目盛線13における目盛中心Ogから見かけ検出半径(R+δ)の位置であると、検出される間隔はd”であり、目盛中心Ogから遠い分だけ間隔dより大きくなる。
このように、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じると、実際の回転角度が同じでも、検出器12が読み取る目盛線13の間隔が周期的に変動する。その結果、角度検出装置10として検出する回転角度に誤差が生じるという問題がある。
このような問題に対し、特許文献1に記載のエンコーダ装置では、各センサ部材にて検出される角度の平均値を算出することで円板の回転角度を算出しているので、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの偏心量δに基づく誤差を低減させることができる。
図15および図16は、検出器12が読み取る目盛線13と、検出器12から出力される検出信号Sdとの関係を模式的に示す図である。
目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心がない状態では、図15に示すように、目盛線13は常に間隔dで一定であり、検出信号Sdは目盛線13における明暗の間隔を1周期とする一定の正弦波の信号S1となる。
一方、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じた状態では、図16に示すように、目盛線13は回転角度(0〜2π)に応じて間隔d’〜d”の間で変動する。このような変動により、検出器12から出力される検出信号Sdは、前述した正弦波の信号S1(図15参照)を搬送信号とし、目盛中心Ogの回転周期を1周期とする正弦波の信号S21を変調信号とし、この信号S21で信号S1を変調した周波数変調信号S22と考えることができる。
これは、検出器12が読み取る目盛線13の間隔d’〜d”の変動が、目盛中心Ogと回転中心Orとの間の偏心に起因するからである。
一般的に、周波数変調信号vは、以下の式(1)で表すことができる。なお、式(1)におけるVは搬送信号の振幅であり、fは搬送信号の周波数であり、fは変調信号の周波数であり、mは変調指数である。
また、ω=2πfとし、ω=2πfとして三角関数を展開すると、前述の式(1)は、以下の式(2)で表すことができる。
さらに、三角関数を第1種ベッセル関数で展開すると、前述の式(2)は、以下の式(3)で表すことができる。なお、式(3)におけるJ,J,…は、ベッセル関数である。
そして、前述の式(3)を式(2)に代入すれば、以下の式(4)を導出することができる。
すなわち、周波数変調信号vは、ベッセル関数で振幅が決まる変調信号における周波数fの1次成分(Jの項)とともに高次成分(1次より高次である2次以上の成分、J1,J2,…の項)を含んでいる。
従って、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じている状態では、検出器12から出力される検出信号Sd(周波数変調信号S22)は、目盛盤11における目盛中心Ogの回転周期を1周期とする正弦波の信号S21における周波数の高次成分を含んでいると考えられる。
特開平7−140844号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエンコーダ装置は、各センサ部材に基づいて検出される角度の平均値を算出することで円板の回転角度を算出しているので、信号S21における周波数の1次成分を補正することができるものの、前述した2次以上の高次成分を補正することができないという問題がある。
本発明の目的は、目盛盤の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じている状態でも目盛盤の回転角度を適切に検出することができる角度検出装置を提供することにある。
本発明は、検出信号に生じた偏心による誤差に対し、既存の1次成分の除去に加えて、高次成分の除去までを図るものであり、高次成分の誤差の算出に前記1次成分を利用する。
すなわち、本発明の角度検出装置は、径方向に延びる複数の目盛線が形成された円盤状の目盛盤と、前記目盛線を検出する検出器とを備え、前記目盛盤の回転に伴って前記検出器から出力される検出信号を参照して前記目盛盤の回転角度を検出する角度検出装置であって、前記目盛盤の目盛中心と回転中心との偏心量に基づく前記回転角度の誤差を補正する補正手段を備え、前記補正手段は、前記偏心量を取得する偏心量取得部と、前記偏心量取得部で取得される偏心量に基づいて、前記目盛線の検出周波数を搬送周波数としかつ前記目盛盤の回転周波数を変調周波数としたときの変調指数を算出する変調指数算出部と、前記変調指数算出部で算出される変調指数に基づいて、前記変調周波数の高次成分を算出する高次成分算出部と、を備えることを特徴とする。
このような本発明においては、補正手段により、目盛盤の目盛中心と回転中心との偏心量に基づく回転角度の誤差を補正する。補正手段は、偏心量取得部により目盛盤における偏心量を取得し、変調指数算出部により検出器からの検出信号における変調指数を算出し、高次成分算出部により検出信号の変調周波数の高次成分を算出する。このような補正手段によって、目盛盤における偏心による誤差のうち1次成分だけでなく高次成分に基づく誤差をも除去することができる。
変調指数算出部は、検出器から出力される検出信号を、目盛線の検出周波数を搬送周波数としかつ前記目盛盤の回転周波数を変調周波数としたときの周波数変調信号として、この周波数変調信号における変調指数mを求め、この変調指数mに基づいて、前述した式(4)の高次成分、すなわち検出信号である周波数変調信号に含まれる高次成分を算出する。
変調指数算出部においては、目盛盤における偏心量から変調指数mを求める。
変調指数mはm=Δf/fで定義される。ここで、Δfは周波数偏移であり、搬送周波数fが変調周波数fで変調された際に、搬送周波数fにあらわれる周波数の変化量の最大値である。
ここで、目盛盤の目盛数つまり目盛線の数をN、回転中心Orから検出器までの距離つまり検出半径をR[m]、回転中心Orと目盛中心Ogとの距離つまり偏心量をδ[m]とし、目盛盤の回転運動は角速度ω[rad/sec](周速度Rω[m/sec])で一定とする。目盛盤は目盛線の相互の間隔が一定である理想的なものとする。
このような条件で、目盛中心Ogが回転中心Orに対して偏心していない状態では、目盛中心Ogから検出半径Rの位置における間隔d(図14参照)は次の式(5)となる。
一方、目盛盤の目盛中心Ogと回転中心Orとの間に偏心が生じると、実際の回転角度が同じでも、検出器が読み取る目盛線の間隔dが周期的に変動する。
先に図14を用いて説明したように、目盛中心Ogが検出器に最も近づいた状態では、各々の距離つまり見かけ検出半径は(R−δ)[m]となり、このとき検出器が検出する目盛線の間隔はd’(d’<d)となる。目盛中心Ogが検出器から最も離れた状態では、各々の距離つまり見かけ検出半径は(R+δ)[m]となり、このとき検出器が検出する目盛線の間隔はd”(d”>d)となる。
例えば、目盛中心Ogが検出器に最も近づいた見かけ検出半径(R−δ)のとき、検出器が検出する間隔d’は次の式(6)となる。
偏心がない状態(間隔dで一定)の検出信号の周波数をfc、偏心が生じて間隔d’の状態での検出信号の周波数をfmaxとすると、これらは次の式(7)および式(8)となる。
目盛中心Ogの回転周波数fは、目盛盤の角速度ω[rad/sec]からf=ω/2πである。従って、変調指数mは次の式(9)となる。
式(9)の目盛数Nおよび検出半径Rは既知であり、従って偏心量δが得られれば式(9)から変調指数mを得ることができる。そして、変調指数mが得られれば、前述した式(4)の高次成分、すなわち検出信号である周波数変調信号に含まれる高次成分に基づく誤差をも除去することができる。
本発明において、偏心量δは、回転中心Orに対する目盛中心Ogの変位であり、偏心量取得部により取得する。
前述のとおり、目盛中心Ogは目盛盤の回転に伴って回転中心Orの周囲を回転し、その回転半径が偏心量δとなることから、偏心量取得部としては、機械的あるいは光学的な構成により偏心量を実測する構成が採用できる。
また、偏心量取得部としては、検出器の検出信号の1次成分から偏心量を演算する構成とすることもできる。さらに、既知の偏心誤差の補正手法(例えば特許第3826207号など)で用いる偏心に基づく誤差の1次成分を利用して偏心量δを算出してもよい。
本発明において、前記目盛盤の回転に伴う径方向の変位を取得する変位取得手段を備え、前記偏心量取得部は、前記変位取得手段で取得される径方向の変位に基づいて、前記偏心量を取得することが好ましい。
このような本発明では、変位取得手段の変位から偏心量を実測することができ、演算処理を簡略化することができる。
本発明では、前記目盛盤の周縁に沿って対向配置された一対の前記検出器を備え、前記偏心量取得部は、前記検出器の各々で検出される前記回転角度に基づいて、前記偏心量を取得することが好ましい。
このような本発明では、一対の検出器からの検出信号の平均により、偏心誤差の1次成分が相殺された信号が得られる。このような平均状態の信号と何れかの検出器の検出信号とから1次成分だけの偏心誤差が算出でき、この偏心誤差から偏心量が算出できる。角度検出装置では複数の検出器を配置することが一般的であることから、偏心補正のための専用構成の追加を必要としない。
本発明の第1実施形態を示す模式図である。 前記第1実施形態における検出器信号から目盛間隔データへの変換を示す模式図である。 前記第1実施形態において実際に得られる目盛間隔データを示すグラフである。 前記第1実施形態において計算で得られる目盛間隔データを示すグラフである。 前記第1実施形態における目盛番号のシフト量を示すグラフである。 本発明の第2実施形態を示す模式図である。 前記第2実施形態における検出器測定角度を示すグラフである。 前記第2実施形態における偏心誤差を示すグラフである。 前記第2実施形態における回転角度、偏心量、偏心誤差の関係を示す模式図である。 従来の角度検出装置の目盛盤および検出器を示す模式図である。 従来の角度検出装置における目盛盤の偏心を示す模式図である。 目盛中心と検出器とが遠い状態を示す模式図である。 目盛中心と検出器とが近い状態を示す模式図である。 偏心量による目盛間隔の変化を示す模式図である。 偏心がない状態の検出信号を示す模式図である。 偏心がある状態の検出信号を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本発明の第1実施形態が示されている。
図1において、角度検出装置10Aは、複数の目盛線13を有する目盛盤11と、目盛盤11の周縁に沿って設置されて目盛線13を検出する検出器12とを備え、目盛盤11の回転により検出部位14を通過する目盛線13に対応した検出信号を出力し、この検出信号から目盛盤11の回転角度を検出する。これらの構成は、従来の角度検出装置10と同様である。
角度検出装置10Aにおいて、検出器12の検出信号から目盛盤11の回転角度を検出するための演算処理は角度検出手段29で行われる。この角度検出手段29も既存の角度検出装置10で用いられる構成である。
角度検出装置10Aは、本発明に基づく補正手段20と、本発明の変位取得手段である変位センサ19とを備えている。
変位センサ19は、目盛盤11の周縁に沿って設置され、目盛盤11の外周位置までの距離を検出する機能を有する。変位センサ19における外周位置の検出方式としては、機械的な接触機構、光学的、音響的あるいは電気的な読み取り機構を用いることができる。
変位センサ19においては、目盛盤11が最も近づいた状態(図1の一点鎖線の状態)で最小距離Pnが検出され、目盛盤11が最も遠ざかった状態(図1の点線の状態)で最大距離Pfが検出される。これは、目盛盤11の幾何学的中心として形成された目盛中心Ogが偏心量δを半径として回転中心Orまわりに回転することで、目盛盤11の周縁に振れを生じ、周縁の変位となったものである。図1からも明らかなように、目盛盤11の周縁の振れ幅は偏心量δの2倍となる。
補正手段20は、偏心量取得部21、変調指数算出部22、高次成分算出部23を有する。
偏心量取得部21は、変位センサ19で検出された最小距離Pnおよび最大距離Pfから、偏心量δ=(Pn+Pf)/2を計算する。
変調指数算出部22は、偏心量取得部21から偏心量δを取得し、目盛盤11の角速度ωから目盛盤11の回転周波数f=ω/2πを取得するとともに、検出器12の検出信号Sdから目盛線13の周波数を検出して搬送周波数f(前述した式(7)参照)および搬送周波数fmax(前述した式(8)参照)を取得し、これらを前述した式(9)に代入することで変調指数mを算出する。
高次成分算出部23は、変調指数算出部22で算出される変調指数mから前述した式(4)を用いて検出信号Sdの高次成分(前述した式(4)のJ1以上の項)を算出し、補正値として角度検出手段29へ出力する。
角度検出手段29は、高次成分算出部23からの補正値により、検出信号Sdから算出される角度信号を補正し、補正された角度信号を出力する。
以下、補正手段20における搬送周波数f、搬送周波数fmaxおよび変調指数mの算出(変調指数算出部22)、検出信号Sdの高次成分の算出(高次成分算出部23)、角度信号の補正(角度検出手段29)について具体的に説明する。
先ず、変調指数算出部22は、検出器12からの出力信号Sdを元に、検出器12が読み取った目盛盤11の目盛間隔を時間に変換して記録する。
図2には目盛間隔データの取得処理が模式的に示されている。図2の左端にある検出器信号(検出器12からの出力信号)は、出力信号Sdの振幅の最大値と最小値の中間の値を閾値として二値化され、パルス信号に変換される。このパルス信号は、検出器12が目盛盤11の目盛の暗部から明部へ通過するタイミングでLowからHighへ切り替わり、続いて明部から暗部へ通過する際にHighからLowへ切り替わる。この切り替わりの1周期分(LowからHighへ切り替わった時点から、Lowに戻って再びHighに切り替わる時点まで)の時間は、検出器信号の周波数fよりも十分高い周波数の信号を得られる水晶発振器などのクロック信号を用いて計測し、目盛間隔データとして記録する。
目盛盤11に偏心がない場合、検出器信号の周波数は一定であるため、パルス信号の一周期分の時間(図2のt,t,t,t)も一定であり、目盛間隔データも一定の値となる。しかし、目盛盤に偏心がある場合、既に述べたように検出器信号の周波数が目盛盤11の回転周期で変動するため、パルス信号の時間間隔も同様に変動し、目盛間隔データにも目盛盤11の1回転で1周期となる周期的な変動を生じる。
例えば、目盛数10000の目盛盤を用い、基準点を目盛番号0番としてパルス信号の時間間隔(目盛間隔)を水晶発振器のクロック数で目盛間隔データへ変換すると、図2の右端に示す目盛間隔データが得られる。
次に、高次成分算出部23により、偏心量δを用いて偏心による誤差成分を計算する。
偏心による誤差成分の計算には前述した周波数変調信号vの式(1)を用いる。式(1)において、時刻tを前記水晶発振器信号の周波数fclkの逆数1/fclkを増分として、t=0〜2π/ω(目盛盤1回転の時間、ω[rad/s]は目盛盤回転速度)までの各時刻tについてvを求めれば、目盛間隔が一定の目盛盤において目盛盤の偏心により生じた高次成分を含んだ検出器信号を数値データとして得ることができる。数値データの検出器信号に対して図2と同様に二値化、パルス間隔→時間変換の処理を行えば、目盛間隔が一定の目盛盤において、目盛盤の偏心によって目盛間隔に誤差が生じた目盛間隔データを得られる。
既に分かっている目盛盤11の検出半径d、目盛数N、目盛盤11の回転速度ω、目盛盤11の偏心量δ、水晶発振器周波数fclkを用いれば、実際の目盛盤11で生じている偏心誤差を計算により求めることができる。
ここで、式(1)において、搬送周波数である検出器信号の周波数f,fmaxは式(7)および式(8)から、変調指数mは式(9)から求められ、また変調周波数f=ω/2πである。検出器信号の振幅Vは、二値化処理後のデータには影響を与えないため、例えばV=1としてよい。
角度検出手段29においては、検出信号Sdから先に計算された誤差成分を引くことで、偏心による誤差成分の補正を行う。
なお、測定により実際に得られる目盛間隔データでは、目盛盤の基準位置での偏心量が0とは限らないため、計算で得られる目盛間隔データとの差分(誤差)を計算する前に位相差を計算し、演算により位相合わせを行う必要がある。
図3および図4に実際に得られる目盛間隔データDRおよび計算で得られる目盛間隔データDCの例を示す。2つの目盛間隔データDR,DCの位相を合わせるためには、例えばクロック数が全体の平均値となる目盛番号を調べ、目盛番号の差分だけ計算で得られる目盛間隔データをシフトすればよい。例えば、図3および図4から、2つの目盛間隔データDR,DCはクロック数50000を平均値として周期的に振れている。従って、図5に示すように、実際に得られる目盛間隔データDRおよび計算で得られる目盛間隔データDCを重ねあわせ、前述したクロック数50000の位置での位相差を求め、この位相差をシフト量SDとする。
このようにして得たシフト量SDで計算で得られた目盛間隔の誤差データDCの位相を補正し、実際に得られた目盛間隔データDRと位相を合わせた状態で、実際の目盛間隔データDRと計算による目盛間隔の誤差データDCとの差をとることで、偏心による高次成分誤差を除去した目盛間隔の校正値を得ることができる。
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
補正手段20により、目盛盤11の目盛中心Ogと回転中心Orとが偏心している場合でも、これらの偏心量δに基づく回転角度の誤差を補正することができる。
すなわち、偏心量取得部21により目盛盤11の周縁の変位から偏心量δを取得し、変調指数算出部22により検出器12からの検出信号Sdにおける変調指数mを算出し、高次成分算出部23により検出信号Sdの変調周波数の高次成分を算出することができる。
このような補正手段20によって、目盛盤11に目盛中心Ogと回転中心Orとが偏心している状態でも、2次以上の高次成分を補正することができ、目盛盤の回転角度を適切に検出することができる。
また、本実施形態では、変位取得手段である変位センサ19により目盛盤11の周縁の変位(最小距離Pnおよび最大距離Pf)を検出し、これらから偏心量δを演算するようにしたので、偏心量取得部21における偏心量δの取得のための処理が簡単、迅速かつ正確に行える。
〔第2実施形態〕
図6から図9には本発明の第2実施形態が示されている。
図6において、角度検出装置10Bは、前述した第1実施形態の角度検出装置10Aと同様に、目盛線13を有する目盛盤11、検出部位14を有する検出器12および角度検出手段29を備えている。また、本発明に基づく構成である、偏心量取得部21、変調指数算出部22、高次成分算出部23を有する補正手段20を備えている。
但し、本実施形態と前述した第1実施形態とでは、次のような相違がある。
前述した第1実施形態では、検出器12が1つだけ設置されていたが、本実施形態では検出器12の径方向に対向する位置つまり互いに180度間隔で、一対の検出器12A,12Bが設置され、各々の検出出力SdA,SdBはそれぞれ角度検出手段29に接続されている。
前述した第1実施形態では、偏心量取得部21での偏心量δの取得のために、目盛盤11の周縁に変位センサ19を設置したが、本実施形態では変位センサが省略され、代わりに一対の検出器12A,12Bからの検出出力SdA,SdBが入力されている。そして、偏心量取得部21は、検出出力SdA,SdBの演算処理により偏心量δを算出する。
図7に示すように、一対の検出器12A,12Bからの検出出力SdA,SdBに対し、それぞれ角度検出手段29と同様な演算処理により検出角度を算出するとD1(θ),D2(θ)となる。これらの検出角度D1(θ),D2(θ)には、一対の検出器12A,12Bの180度配置に基づいて、互いに偏心の影響が反転した状態であらわれる。従って、検出角度D1(θ),D2(θ)の平均値(D1(θ)+D2(θ))/2は偏心の1次成分が相殺されたものとなる。
このような検出角度D1(θ),D2(θ)を用いて、目盛盤11の回転角度θにおける角度誤差ε(θ)を表すと式(10)となる。
図8に示すように、角度誤差ε(θ)は目盛盤11の回転角度θに対して正弦波を描く。図9に示すように、角度誤差ε(θ)は、検出部位14と回転中心Orおよび検出部位14と目盛中心Ogを結ぶ線分の挟み角となり、回転中心Orのまわりを回転する目盛中心Ogが描く正弦波に対応する。
これらから、偏心量δは角度誤差ε(θ)を用いて次の式(11)と表される。
以上のように、本実施形態においては、偏心量取得部21で検出出力SdA,SdBを演算処理して検出角度D1(θ),D2(θ)および角度誤差ε(θ)を演算し、さらに角度誤差ε(θ)から偏心量δを算出することができる。
そして、得られた偏心量δから、前述した第1実施形態と同様に、変調指数算出部22で変調指数mを算出し、高次成分算出部23で検出信号Sdの高次成分を算出し、角度検出手段29で検出信号Sdから算出される角度信号を補正する。
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
補正手段20により、前述した第1実施形態と同様に、目盛盤11に目盛中心Ogと回転中心Orとが偏心している状態でも、2次以上の高次成分を補正することができ、目盛盤の回転角度を適切に検出することができる。
また、本実施形態では、対向配置された一対の検出器12A,12Bからの検出出力SdA,SdBを演算処理して偏心量δを演算するようにしたので、前記第1実施形態のような変位センサ等の専用構成を必要とせず、構成を簡略にできる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、1個の検出器12と変位センサ19を用いたが、これらは複数あってもよい。前記第2実施形態では、2個一対の検出器12A,12Bを用いたが、3個以上の検出器12が設置されていてもよい。この場合、3個以上の検出器12のうち互いに180度間隔の対向配置(同じ直径線上)の一対を用いて偏心の1次成分を相殺できるようにすればよい。
偏心量δを取得するために、前記第1実施形態では変位センサ19を用いて目盛盤11の周縁の変位を検出し、前記第2実施形態では一対の検出器12からの検出角度D1(θ),D2(θ)から角度誤差ε(θ)を算出したが、他の方法で偏心量δを取得することもできる。
例えば、検出器12が複数設置される場合、角度自己校正法(例えば、特許第3826207号など参照)により自己校正値が求められるが、この自己校正値にも偏心誤差が含まれる。このため、この自己校正値の1次成分を利用し、前記第2実施形態と同様にして偏心量δを取得することもできる。
本発明は、回転部分の角度位置、角速度などを検出するための角度検出装置に好適に利用することができる。
10A,10B…角度検出装置
11…目盛盤
12,12A,12B…検出器
13…目盛線
14…検出部位
19…変位センサ
20…補正手段
21…偏心量取得部
22…変調指数算出部
23…高次成分算出部
29…角度検出手段
δ…偏心量
d…目盛線の間隔
1,D2…検出角度
,fmax…搬送周波数
…回転周波数
…変調指数
N…目盛数
Og…目盛中心
Or…回転中心
Pf…最大距離
Pn…最小距離
R…検出器の検出半径
Sd,SdA,SdB…検出器の検出出力
…振幅
…周波数変調信号

Claims (3)

  1. 径方向に延びる複数の目盛線が形成された円盤状の目盛盤と、前記目盛線を検出する検出器とを備え、前記目盛盤の回転に伴って前記検出器から出力される検出信号を参照して前記目盛盤の回転角度を検出する角度検出装置であって、
    前記目盛盤の目盛中心と回転中心との偏心量に基づく前記回転角度の誤差を補正する補正手段を備え、前記補正手段は、
    前記偏心量を取得する偏心量取得部と、
    前記偏心量取得部で取得される偏心量に基づいて、前記目盛線の検出周波数を搬送周波数としかつ前記目盛盤の回転周波数を変調周波数としたときの変調指数を算出する変調指数算出部と、
    前記変調指数算出部で算出される変調指数に基づいて、前記変調周波数の高次成分を算出する高次成分算出部と、を備えることを特徴とする角度検出装置。
  2. 請求項1に記載の角度検出装置において、
    前記目盛盤の回転に伴う径方向の変位を取得する変位取得手段を備え、
    前記偏心量取得部は、前記変位取得手段で取得される径方向の変位に基づいて、前記偏心量を取得することを特徴とする角度検出装置。
  3. 請求項1に記載の角度検出装置において、
    前記目盛盤の周縁に沿って対向配置された一対の前記検出器を備え、
    前記偏心量取得部は、前記検出器の各々で検出される前記回転角度に基づいて、前記偏心量を取得することを特徴とする角度検出装置。
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