JP2012083028A - 耐刃防御衣料用の耐刃防御部材 - Google Patents

耐刃防御衣料用の耐刃防御部材 Download PDF

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Abstract

【課題】着用者の動作に制限を受けることが少なく、又刃物等により刺された場合でも「耐開き性」が優れ、受けた傷を最小限にして着用者を防御する耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供する。
【解決手段】耐刃材料からなる複数枚の耐刃方形板2が、隣り合う耐刃方形板2と周縁部が重ねられて水平方向と垂直方向に配列された状態で相互に連結されてなる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材1において、前記耐刃方形板2が、周囲に隣接している耐刃方形板2と、少なくとも2つの連結端部を形成させた板状ジョイント部品を用いて、水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で、前記板状ジョイント部品の連結端部を、前記耐刃方形板2の連結部分に設けられたスリット状の連結孔にそれぞれ挿通させて、かつ着用者の身体側に該連結端部が折り曲げられることにより、相互に繋ぎ止められることによって、ルーズに相互が連結されて全体の面形状が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、刀剣・刃物類による攻撃の危険から身体を防御するために着用する耐刃防御衣料の内部に使用される耐刃防御部材に関する。
警察官やガードマンは、刃物を持った犯罪者や不審者、暴漢等からの攻撃に対して身体を防護するため、耐刃防御部材を内部に保持した耐刃防御衣料を着用して職務に従事することがある。
特に、最近は先端が非常に鋭利でかつ両刃のもの等の殺傷能力が高い刃物が犯罪行為に使用されることがあり、耐刃防御衣料に使用される耐刃防御部材は、あらゆる方向からのさまざまな攻撃に対して、より有効に防御できるとともに、受傷したとしてもより軽度で済むことができる耐刃防御部材が要請されている。
従来から耐刃防御を目的とした衣料用の部材は提案されている。
例えば、防刃及び防弾に供しうる金属薄板から概ね同形に裁断してなる雄板または雌板を、それぞれ雌板または雄板とのみ結合させ、また、雄板どうし及び雌板どうしを結合せず隣接せしめて連続的に縦横方向に連結してなる板状結合体であって、該雄板には、その周縁部付近から突起し前記金属薄板の厚さ以上の高さの立ち上がり部分を残して先端部を屈曲せしめられる爪部が設けられ、また、前記雄板には、該爪部の横幅より僅かに広く該爪部を緩入するスリットがその周縁部の内側に穿設されて構成されるという防刃・防弾用板状結合体が提案されている(特許文献1)。
また、周縁部に複数の連結用リベット孔が設けられた複数枚の金属板小片を、リベット孔を重ね合わせ連通させて所要の形状に配列し、リベットを挿通して緩くかしめて、連結部が可動性を保持できるように連結した耐刃防護板が提案されている(特許文献2)。
また、耐刃材料によって製作された複数枚の耐刃角形板を、隣り合う耐刃角形板と周縁部を重ねて配列し連結されてなる耐刃防御部材において、耐刃角形板が、少なくとも2つの連結端部を形成させた一個の板状ジョイント部品を用い、耐刃角形板の連結部分に設けたスリット状の連結孔にそれぞれ前記連結端部を挿通し折り曲げ、ジョイント部品を介して相互に繋ぎ止められることによって、ルーズに連結され、所要の面形状に構成されている耐刃防御部材が提案されている(特許文献3)。その提案では、特に、4枚の耐刃角形板の角先端部が重なり合って十字に交叉連結されることになる部分では、各耐刃角形板の重なり合う部分が切り欠かれ、その切欠き部分に沿ってスリット状の連結孔が設けられ、切欠きによって生じる開口部を覆うに足りる大きさの4つの連結端を有する十字型のジョイント部品を用い、それぞれ連結端部を連結孔に挿通させて折り曲げて各耐刃角形板をジョイント部品を介して相互に掛け繋ぐことによって4枚の耐刃角形板がルーズに連結されて面形状に構成したものが提案されている(特許文献3の請求項6、段落0009、図7など)。
しかし、これら従来の耐刃防御部材においては、いずれも着用者が自由な動作をするのに支障が大きいとの不都合点があった。
すなわち、特許文献1に記載のものでは、雄板と雌板とが雄板に設けられた爪部と雌板に設けられたスリットによって直接連結されるものであり、各金属薄板が相互間で相対的にほとんど動きにくいことにより、着用者が自由な動作を行うことの妨げになりがちであった。
また、特許文献2に記載のものでは、複数枚の金属板小片がリベットをリベット孔に挿通させて緩くかしめることにより連結部の可動性を確保しつつ連結がされるようにされているが、リベットでいわば点状に留めるため、該リベットを緩くカシメることによって連結部の可動性を確保しているとはいっても、その可動性は近年要求されるレベルではなかった。また、この特許文献2に記載のものは、全体を湾曲した立体形状に構成することを一つの発明本旨としているが、そのような立体形状に形付けられた防刃衣料を身につけることは、必ずしも着用者に自由な動きやすさをもたらすものではなく、むしろ窮屈さを与える方向であり、その点でも着用者の自由な動きを実現することについて近年の要求レベルには遠かった。
また、特許文献3に記載のものでは、十字型のジョイント部品を用いて上下左右の耐刃角形板を繋ぐことにより、耐刃角形板が相互間で相対的に上下左右方向で動きにくいものであり、ルーズに連結されているといっても、その着用者の自由な動きを実現する点では近年要求されるレベルには遠いものであった。
すなわち、従来、この種の防刃・防弾用板状結合体は、専ら、頑丈さという点に高いウェイトが置かれて構成されていた。これは、従来は、専守防衛・防御という点に主眼をおけばよかったことによると考えられる。
一方、これに対して、近時は、殺傷能力の高い刃物を用いて無差別に市民を巻き込んで犯罪行為をするような事件が発生しており、こうした事件では、警官やガードマンには、現場では防衛・防御だけでなく激しい格闘をした上で刃物を持った者を制圧することが要される場合が生じている。
そのようなときに、着用者の動きが制限されることがより少なくて、かつ防御という点でも、先端が非常に鋭利でかつ両刃のもの等の殺傷能力の高い刃物などに対して十分な防御能力を発揮できる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材が、従来に増して要求されている。
特に、凶器を持った犯人と格闘して制圧しその身柄を拘束する上で、自由な動作がしにくくなるようなものでは不適切であり、着用者が動作に制限を受けることが少ないほど良い。そしてかつ、先端が鋭利な刃物等に対しては、刃物により刺されるような状況のときであっても、いわゆる「耐開き性」がより優れていて、受けた傷を最小限にして広がることがないように防御できる耐刃防御部材が良いのである。
これらの点で全て高度に優れた耐刃防御部材を実現できれば、着用者自身の身体・生命を守ることができるほか、その着用者の任務遂行(犯人の身柄拘束)に直接に資することになるので、それは、ひいては犯罪行為から市民の生命を守ることにつながる。
このことは、言うまでもなく、さまざまな点で実に大きな技術上のさらには社会上の意義と意味を持つ。
実開昭61−89700号公報 特開2001−12899号公報 特開2005−69672号公報
上述したような点に鑑み、本発明の目的は、着用者の動作に制限を受けることがより少なく、また、刃物等により刺されたりした場合でもいわゆる「耐開き性」がより優れ受けた傷を最小限にして、着用者を防御できる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材は、以下の(1)の構成からなる。
(1)耐刃材料からなる複数枚の耐刃方形板が、隣り合う耐刃方形板と周縁部が重ねられて水平方向と垂直方向に配列された状態で相互に連結されてなる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材において、
(a)前記耐刃方形板が、周囲に隣接している耐刃方形板と、
(b)少なくとも2つの連結端部を形成させた板状ジョイント部品を用いて、水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で、
(c)前記板状ジョイント部品の連結端部を、前記耐刃方形板の連結部分に設けられたスリット状の連結孔にそれぞれ挿通させて、かつ着用者の身体側に該連結端部が折り曲げられることにより、相互に繋ぎ止められることによって、
ルーズに相互が連結されて全体の面形状が構成されてなることを特徴とする耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
また、かかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材は、以下の(2)〜(6)のうちのいずれかの構成を有することが望ましい。
(2)前記耐刃方形板が、湾曲に成形されていない平板状のものであることを特徴とする上記(1)記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
(3)前記板状ジョイント部品の連結端部の折り曲げる箇所に、底面の断面形状が円弧状のノッチ部が形成され、前記連結端部が該ノッチ部に沿って折り曲げられてなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
(4)前記耐刃方形板の最上段と最下段の列の中央に位置する耐刃方形板において、それぞれ、
(d)最上段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、上側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
および、
(e)最下段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、下側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
を特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
(5)前記底面の断面形状が円弧状であるノッチ部が、その底面の断面形状が、ノッチ深さ(D)が0.2〜0.3mm、曲率半径(R)が0.2〜0.3mm、ノッチ幅(W)が0.4〜0.6mmであることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
(6)耐刃方形板および板状ジョイント部品が、チタン合金、チタン、アルミニウム合金及びステンレス鋼の中から選ばれた1種または複数種の素材からなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
請求項1にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、着用者の動作に制限を受けることがより少なく、また、刃物等により刺されたりした場合でもいわゆる「耐開き性」がより優れた防刃防御部材を実現できる。
したがって、本発明によれば、受けた傷を最小限にして着用者を防御できる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供することができる。特に、本発明では、耐刃方形板が、周囲に隣接している耐刃方形板と、少なくとも2つの連結端部を形成させた板状ジョイント部品を用いて、水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で、ルーズに相互に連結されていることによって、耐刃方形板のそれぞれに曲げ加工を施したり、あるいは全体にベンダー曲げを入れたりせずとも、前後左右に滑らかな動きをすることができる面形状を形成することができ、従来の十字型ジョイントを使用した場合と比べて、曲がり代が大きく、着用者のより自由な動きを可能にするものである。
請求項2にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、請求項1にかかる本発明の効果においてより優れたものを、より精度良く安定して製造することができる。特に、耐刃方形板が平板状であることにより、刃先が耐刃防御部材の表面に当たって目開きすることが少なく真っ向から受け止めることができる。
請求項3にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、請求項1にかかる本発明の効果、特に、着用者がその動作に制限を受けることが少ない活動性・運動性の点で優れたものを、より精度良く安定して製造することができるとともに、耐開き性の点でも安定して、かつより高度に該耐開き性能を発揮することのできる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供することができる。
請求項4にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、請求項1にかかる本発明の効果が得られる他に、さらに全体の耐久性に優れた耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供することができる。
請求項5にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、板状ジョイント部品を連結孔に挿通させて折り曲げることにより隣接する耐刃方形板を連結するに際して、より正確・迅速に作業を進めることができるとともに、所望するとおりのルーズさと耐開き性を有して最適に連結させることができるものである。
請求項6にかかる本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材によれば、材質の点で非常に高度な耐刃防御性能を得ることができるとともに、全体的に軽量でその点でも着用者の運動性を妨げない、優れた耐刃防御衣料用の耐刃防御部材を提供することができる。
図(a)は本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材の1例を正面から(着用者と相対する側から)見た外観モデル正面図であり、図(b)はその下面図である。 図(a)は本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材の1例を背面から(着用者側から)見た外観モデル背面図であり、図(b)はその下面図である。 図1(a)に示した本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材の1例に用いられている耐刃方形板を個々に並べて代表的に示した正面図である。 それぞれ耐刃方形板を連結している板状ジョイント部品を示した図であり、図(a)は図1(a)に相当する正面図、図(b)と図(c)は図2(a)に相当する背面図であって、図(b)は連結端部を溶接していないもの、図(c)は図2のA部とB部に用いられる連結端部を溶接しているものをモデル的に示しているものである。 図(a)は、板状ジョイント部品を折り曲げて隣接する耐刃方形板を連結している状態を示した側面図、図(b)は、板状ジョイント部品の折り曲げる位置に設けるノッチを詳細に説明する側面である。 実施例で行った耐静荷重試験(耐開き性試験)で使用した試験架台を示したモデル図である。 実施例で行った耐静荷重試験(耐開き性試験)で使用した荷重治具を示したモデル図である。
以下、更に詳しく本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材について、図面などを参照しながら説明する。
図1(a)は本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材1の1例を正面から(着用者と相対する側から)見た外観モデル正面図であり、図1(b)はその下面図である。
図2(a)は本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材1の1例を背面から(着用者の側から)見た外観モデル背面図であり、図2(b)はその下面図である。この図2(a)に示した面が、耐刃防御衣料の収納ポケット生地を介して、着用者の胸側に面するようにして着用されるものである。
ちなみに、耐刃防御部材1の周縁部には、図1、図2において刃払い部(正面側)4(図1)、刃払い部(裏面側)4B(図2)と示しているように、正面側では外向きに、裏面側では内向きになるように刃払い部が通常設けられている。通常、この種の耐刃防御部材では、刃払い部が外向きになって存在する側が、着用時に正面側とされるものであり、本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材においては、基本的に、当初から身体に沿うように全体が湾曲されて形成されているというものではないので、該刃払い部の向きにより、上述のように正面側、裏面側(着用者側)を定めるものである。
本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材1は、図1、図2に示したように、例えば、金属材料などの耐刃材料からなる複数枚の耐刃方形板2が、隣り合う耐刃方形板2と周縁部が重ねられて水平方向と垂直方向に配列された状態(図示の例では、水平方向に7列、垂直方向に6段)で相互に連結されてなる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材において、
(a)前記耐刃方形板2が、周囲に隣接している耐刃方形板2と、
(b)少なくとも2つの連結端部3B(図4、図5)を形成させた板状ジョイント部品3を用いて、水平方向で一辺上で2カ所(図2中、一つの耐刃方形板2で、板状ジョイント部品31、32に例示した箇所)、垂直方向で一辺上で1カ所(図2中、同一の耐刃方形板2で、板状ジョイント部品33の箇所)で、かつ
(c)前記板状ジョイント部品3の連結端部3Bを、該耐刃方形板の連結部分に設けられたスリット状の連結孔(図3、図4の5)にそれぞれ挿通させて、かつ着用者の身体側になる側に該連結端部3Bが折り曲げられることにより相互に繋ぎ止められることによって、
相互にルーズに連結されて全体の面形状が構成されている。
本発明者らの各種知見によれば、耐刃方形板2の隣接しているものどうしが、水平方向で一辺上で2カ所の連結、垂直方向で一辺上で1カ所の連結で、かつ、板状ジョイント部品3の連結端部3Bを着用者の身体側になる側に該連結端部3Bが折り曲げられて、相互に繋ぎ止められて、ルーズに相互が連結されるようにして全体を構成すると、着用者の動作に制限を受けることがより少なく、かつ刃物等により刺されたりした場合でもいわゆる「耐開き性」がより優れ、着用者をより効果的に防御できる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材が実現できる。
特に、垂直方向で一辺上で1カ所の連結であることが、水平方向での動作の自由さを実現し、同時に、水平方向で一辺上で2カ所の連結であることが、全体のルーズさを保ちながら強度(構造体としての強度および耐刃強度)を大きくするのに寄与していると考えられる。すなわち、水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で、ルーズに相互が連結されていることにより、耐刃方形板のそれぞれに曲げ加工を施したり、あるいは全体にベンダー曲げを入れたりせずとも、滑らかな面形状を形成することができ、例えば、前述した特許文献3の十字型ジョイントを使用した場合と比べて、本発明のものは曲がり代が大きくて優れているのである。
したがって、本発明の耐刃防御部材においては、使用される耐刃方形板2は使用される位置に関わりなく、全て基本的に平板状に形成されている(周縁部の後述する刃払い部4、同4Bや、通気用の小孔8などによる凹凸部分はその例外である)。
そのため、本発明の耐刃防御部材は、その組立て完成時において、図1(b)、図2(b)に底面図で示したように平面的なものであり、基本的に、全体形態が身体に沿うように湾曲しているというものではない。むしろ、そのように初めから湾曲しているような立体構造では、各耐刃方形板2の相対的な動きの自由さに乏しく、着用者の自由な動作に支障を与える方向なのである。
なお、本発明の耐刃防御部材において、水平方向、垂直方向とは、耐刃防御部材の着用者が着用して直立起立した状態を想定したときの水平な方向と垂直な方向をそれぞれいい、図1と図2に矢印で示したとおりである。
また、「耐刃方形板」は、その輪郭の概要が方形(正方形、長方形)のものをいい、連結孔の存在上強度を持たせるためおよび/または全体の軽量化を図るため、等の理由でその辺の部分で、多少の凹凸が形成されているものなども含む概念である。例えば、図3に示した耐刃方形板の例は、重なり合いで全体を構成したときに正面側に現出している辺については直線状にし、正面側から見て重なり合いにより見えない辺(図1で、その一部を破線Lで示している)については、全体の重量を軽くするために、連結孔5、5A、5Bの付近以外で凹部を形成させている。なお、このように、裏面側に現出する辺には凹部を適宜に形成して全体の軽量化を図ることが好ましいが、該凹部をあまり大きくすると耐刃方形板の隙間から刃物の侵入を許してしまうケースが想定され、「耐開き性」では低下する方向になるので注意すべきである。なお、耐刃板が方形(正方形、長方形)ではない場合、たとえば、円形や楕円形などの場合には、刃が侵入できないようにすると、互いに重ね合わせる必要がある部分の面積が本発明の場合よりも大きくなり、極端な重量増加に繋がるので好ましくない。
また、本発明において、「耐刃方形板」は、その方形が、一つの耐刃防御部材の形状を成す上でその全体輪郭を構成するために必要な、その方形の一部が切り落とされた形状のもの(図3の207、208、210、211等)も含む概念である。
図3は、図1と図2に示した本発明にかかる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材の1例に用いられている耐刃方形板2を個々に並べて代表的に示した正面図であり、板状ジョイント部品を取り付けていない状態での分解図を示している。
個々の耐刃方形板2において、水平方向で真ん中の列に位置するもの(201、202、……、203の列)では、スリット状の連結孔5は水平方向での両側で上下に2つずつ設けられている。その図面に向かって右側の列のもの(204、205、……、206)では、水平方向での両側で、図面上、左側では連結孔5が1つ、右側では連結孔5が2つずつ設けられている。水平方向で真ん中の例から、図面上、左側の列のもの(212)では、水平方向での両側で、図面上、右側では連結孔5が1つ、左側では連結孔5が2つ設けられている。
垂直方向に延びる列(201、202、……、203)の相互間の連結に関しては、各耐刃方形板の下側で連結孔5Aが2つ、上側で連結孔5Bが1つ設けられている。
耐刃方形板は、その寸法は、タテ×ヨコ=50〜85mm×50〜110mmの範囲内とすることが好ましい。厚さは、使用する耐刃材料と必要な防護性能に応じて適時設計するが、チタン合金の場合、一般的には0.85〜0.95mmの範囲内とすることが、耐刃防護性能や全体の軽量性の点で好ましい。また、図1や図2に示したように、個々の耐刃方形板2には、通気性を持たせるため、正面側から裏面側に貫通する小孔8が適宜な複数個で設けられていることが好ましい。
図4に示したように、板状ジョイント部品3は、隣接する耐刃方形板どうしを連結するに際して、2つの連結孔5が設けられている一方の耐刃方形板では、その両端の連結端部3Bが該2つの連結孔5にそれぞれ挿通され、かつ、隣接している他方の耐刃方形板の1つ(1つしかない)の連結孔5に一端の連結端部3Bが挿通されて、裏側(着用者の胸側)に折り曲げられている。図4の(a)はその正面図であり図1に対応するものであり、図(b)と図(c)はその裏面図であり図2に対応するものである。
すなわち、正面側では板状ジョイント部品3は、2つの連結孔5に跨る一つの長方形状(あるいは正方形状)に見える。裏面側では該板状ジョイント部品3の両端の連結端部3Bが、2つの連結孔5から出て互いに先端が向き合うようにして、折り曲げられた状態が見えるものである。
隣接する耐刃方形板2を連結するに際しては、特に限定されるものではないが、図1で、垂直方向の列では、最も上方に位置する201が一番手前になるようにして、あとは、その下に、202、……、203となるように順番に重ねていくこと、また、水平方向の列では中央にある列(201、202、……、203)を一番手前にして、左右の端まで順番に下側に重ねていくようにして、板状ジョイント部品3を使用して連結していくと良く、このような図1、図2に示した重なり合い構造とすると、着用中、身体に沿って湾曲がしやすく、自由な動作の障害となりにくく好ましい。
上述した板状ジョイント部品において、その連結端部の折り曲げる箇所には、底面の断面形状が円弧状のノッチ部が形成され、該ノッチ部に沿って前記連結端部が折り曲げられることが好ましい。
図5(a)は、板状ジョイント部品3を折り曲げて隣接する耐刃方形板2どうしを連結している状態を示した側面図である。図5(b)は、板状ジョイント部品3の折り曲げる位置に設けるノッチ6を詳細に説明する側面である。
板状ジョイント部品3は、その寸法は、長さ×幅=20〜24mm×5〜7mmの範囲内とすることが好ましい。厚さは、使用する素材や必要な防護性能によっても相違するが、ステンレス鋼やチタンの場合、一般的には0.8〜1.0mmの範囲内とするのが曲げ加工性や、耐刃防護性能、全体の軽量性の点で好ましい。
また、ノッチ部6は、底面の断面形状が円弧状であるものとするのが好ましく、その底面の断面形状は、ノッチ深さ(D)が0.2〜0.3mm、曲率半径(R)が0.2〜0.3mm、ノッチ幅(W)が0.4〜0.6mmであることが好ましい。
耐刃方形板に設けられる連結孔5は、板状ジョイント部品3の横断面の寸法よりも一回り大きくして開口されていることが重要であり、特に、耐刃方形板どうしをルーズに連結することは、それらの相対的な寸法の大小関係と、かつ、板状ジョイント部品3を所望の箇所で緩やかに折り曲げることにより達成できる。「緩やかに折り曲げること」とは、折り曲げ箇所において、「Vの字形」ではなく、「Uの字形」を呈して比較的緩やかに折り曲げられていることを意味する。そのような「Uの字形」を呈して、かつ、より正確な位置で折り曲げるために、前述したような板状ジョイント部品の連結端部の折り曲げるべき箇所に、底面の断面形状が円弧状であるノッチ部を形成することが最も好ましいのである。
連結孔5は、その寸法が、板状ジョイント部品3の幅よりも長辺で0.2〜1.0mm程度、厚さよりも短辺で0.3〜1.0mm程度大きいことが適度なルーズさを持った連結を実現する上で良いものである。上述した板状ジョイント部品3の好ましい寸法との組合わせであれば、具体的には、連結孔5はその長辺×短辺=5.2〜8.0mm×1.1〜2.0mmの範囲内とするのが良い。
また、前記耐刃方形板の最上段と最下段の列の中央に位置する耐刃方形板において、それぞれ、
(d)最上段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、上側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が(図2(a)のA)、突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
および、
(e)最下段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、下側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が(図2(a)のB)、突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
が好ましい。このように構成すると、中心部の骨格が上端から下端までしっかりとしたものとなり、全体の強固さが一段と増す。
耐刃方形板は、チタン合金、チタン、アルミニウム合金、ステンレス鋼の中から選ばれた1種または複数種の素材からなるもの、また、板状ジョイント部品は、チタン、アルミニウム合金及びステンレス鋼の中から選ばれた1種または複数種の素材からなるものであることが耐刃性能を良好に発揮する上で好ましい。
本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材は、耐刃防御衣料の内部、たとえば専用の保持ポケット等の内部に保持されて着用される。使用される身体の部位は、上述の説明では主に胸部であることを対象にして説明したが、背中用や脇腹用、あるいは腰部用、その他の部位用等に全体形状が構成されたものであってもよく、いずれであっても本発明の前述した請求項1−6の構成を有すれば、本発明の効果を得ることができる。
以下に、本発明の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材の具体的構成と効果を、実施例と比較例により具体的に説明をする。
なお、以下の実施例および比較例において、耐刃防御部材の耐開き性の評価をする方法として、水平に置いた耐刃防御部材に対して垂直方向から静荷重を加えていき、連結による全体構造が破壊されることなく、どこまで耐えうるかの試験と評価を行った。その測定法は次の通りである。
(1)耐静荷重試験(耐開き性試験)
木製の角材(4cm×6cm×35cm)2本を間隔12cmで、平板上に平行に固定して試験架台11とした。その形状、寸法などは、図6(a)に正面図、図6(b)に平面図として示した通りである。
試験に供する耐刃防御部材は、その垂直方向を試験架台の角材の平行方向に一致するようにして、かつその耐刃防御部材の身体側の面を上にして試験架台に載せた。
更に、その耐刃防御部材の中央に、図7に形状、寸法などを示した荷重冶具12を載せた。図7(a)は正面図、同(b)は底面図である。さらに、ハンドリフター(株式会社カントー製リフトラー350)の爪部を荷重冶具12へ載せ、更にその爪部に重りを載せて耐刃防御部材へ荷重をかけた。爪部の重量が15kgであり、重りを1kgずつ追加して加えることにより、ジョイント部品の連結端部が開き始める時点での荷重(爪部重量+重り)(kg)を求めることにより耐静荷重試験とした。
この耐静荷重試験で、ジョイント部品の連結端部が開き始める時点での荷重が大きいほど、耐刃防御部材の耐開き性が良好なものである。
なお、後述の比較例2〜4では、連結端部を有さないジョイント部品を使用しているものであるため、上述のように重りを1kgずつ追加して加えていくことにより、耐刃防御部材の一部にでも塑性変形的な形態の変化が生じた時点での荷重(爪部重量+重り)(kg)を求めることにより耐静荷重試験とした。
実施例1
図1〜3に示したように耐刃方形板を組み合わせて耐刃防御板を作製した。耐刃方形板には、チタン合金(チタン含有量98%以上、厚さ0.9mm)を用いた。ジョイント部品には、ステンレス鋼(SUS304、厚さ0.8mm)を用いた。耐刃方形板は平板状であり、その基本寸法はタテ53mm×ヨコ50mmであるが、図1〜3に示したように、裏面側に現れる2辺については周縁部に凹部を形成して重量の軽減化を図っている。ジョイント部品は板状で長さ23.9mm×幅6mmである。連結孔は、長辺6.5mm×短辺1.5mmである。
ジョイント部品の連結端部を耐刃方形板の連結孔に挿通させて、着用者側に折り曲げて、耐刃方形板どうしをルーズに繋ぎとめた構成であり、かつノッチ形状をV字型(ノッチ深さD=0.3mm、V角度90°、ノッチ幅W=0.6mm)として折り曲げて連結させたものである。
実施例2
実施例1と同様であるが、ジョイント部品のノッチ形状をU字型(ノッチ深さD=0.3mm、曲率半径R=0.3mm、ノッチ幅W=0.6mm)として連結させたものである。
実施例3
実施例2と同様であるが、ノッチ深さD=0.25mm、曲率半径R=0.3mm、ノッチ幅W=0.59mmとして連結させたものである。
実施例4
実施例2と同様であるが、最上段と第下段の列の中央に位置する耐刃方形板について、最上段の耐刃方形板では上側2個の、最下段の耐刃方形板では下側2個のジョイント部品の連結端部が突き合されている部分を溶接で接合したものである。
比較例1
実施例1と同様であるが、ジョイント部品の連結端部を耐刃方形板の連結孔に挿通させて、着用者側と反対側に折り曲げて繋ぎとめた構成としたものである。
〔実施例1〜4および比較例1のまとめ〕
実施例1〜4および比較例1のそれぞれの耐刃防御部材について、耐静荷重試験(耐開き性試験)を行ったところ、表1に記載したとおりの結果を得た。この結果からわかるように、本発明にかかるものは、同一の耐刃方形板を使用しているにもかかわらず、比較例1のものと比べて耐開き性において優れた特性を有している。特に、底面の断面形状が円弧状でノッチ深さが浅めのもの(実施例3)は、非常に優れた耐開き性を有している。
これらの耐刃防御部材を耐刃防御衣料の胸部になるように入れて、使用してみたところ、本発明のもの(実施例1〜4)は、基本的な全体形状は平板状であるものの、着用者の身体の線に沿うように湾曲状にすることが可逆的に可能な、自由度の大きなものであり、着用者の自由な動きを妨げることが非常に少なく良好な運動許容性を示した。
Figure 2012083028
比較例2
上記した実施例と外形は同様の耐刃方形板を使用して、ただし、連結孔を各連結孔で1穴の円形孔として、その孔にリベット(棒状)を挿通させてかしめて、隣接する耐刃方形板とその水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で緩めにして連結させて繋ぎ、耐刃防御部材を構成した。このものは、全体は比較的フラットな平板状の耐刃防御部材であったが、全体に剛直で着用者の自由な動きを妨げることが多かった。耐静荷重試験(耐開き性試験)の結果は51kgはあったものの、運動許容性の点で満足できないものであった。
比較例3
上記した比較例2と外形は同様で、ただし全体に湾曲させた形状の耐刃方形板を使用して、比較例2と同様に連結孔を各連結孔で1穴の円形孔、その孔にリベットを挿通させてかしめて、隣接する耐刃方形板とその水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で緩めにして連結して繋ぎ、全体として、着用者の身体線に緩く沿うように湾曲した固定的立体形状を有する耐刃防御部材を構成した。このものは、湾曲した立体形状が全体で非常に剛直なことから着用者の自由な動きを妨げることが非常に多かった。耐静荷重試験(耐開き性試験)の結果は48kgはあったものの、運動許容性の点で満足できないものであった。
比較例4
上記した比較例2と外形は同様で、ただし、リベットによる連結を強固にして連結して繋ぎ、平板形状を有する耐刃防御部材を構成した。このものは、全体が非常に剛直なことから着用者の自由な動きを妨げることが非常に多かった。耐静荷重試験(耐開き性試験)の結果は45kgはあったものの、全体として満足できるものでなかった。
比較例5
上記した実施例と外形はほぼ同様で湾曲した耐刃方形板を使用して、ただし、連結孔を各耐刃方形板の四隅部に設けて、上下左右と斜め上下に隣接した複数の耐刃方形板を、十字型のジョイント部品を用いて、緩く連結させて全体に湾曲した耐刃防御部材を作製した(特開2006−125796号公報に記載されているものと類似のもので、ジョイントのかしめる向きを表の面側としたもの)。このものは、ある程度の運動許容性はあると認められるものの、全体の動きが多方向に満遍なくスムーズであるとは言い難く、近年、要請される運動許容性のレベルには至っていないと判断できるものであった。耐静荷重試験(耐開き性試験)の結果は65kgはあったものの、全体として満足できるものでなかった。
1:耐刃防御衣料用の耐刃防御部材
2:耐刃方形板
3:板状ジョイント部品
3B:連結端部
31:板状ジョイント部品(水平方向の連結)
32:板状ジョイント部品(水平方向の連結)
33:板状ジョイント部品(垂直方向の連結)
4:刃払い部(正面側)
4B:刃払い部(裏面側)
5:連結孔
6:ノッチ
7:溶接部
8:通気用の小孔
11:耐静荷重試験(耐開き性試験)で使用する試験架台
12:耐静荷重試験(耐開き性試験)で使用する荷重治具
A:上側にある板状ジョイント部品の連結端部の溶接部
B:下側にある板状ジョイント部品の連結端部の溶接部
L:正面側から見て、重なり合いにより見えない辺

Claims (6)

  1. 耐刃材料からなる複数枚の耐刃方形板が、隣り合う耐刃方形板と周縁部が重ねられて水平方向と垂直方向に配列された状態で相互に連結されてなる耐刃防御衣料用の耐刃防御部材において、
    (a)前記耐刃方形板が、周囲に隣接している耐刃方形板と、
    (b)少なくとも2つの連結端部を形成させた板状ジョイント部品を用いて、水平方向で一辺上で2カ所、垂直方向で一辺上で1カ所で、
    (c)前記板状ジョイント部品の連結端部を、前記耐刃方形板の連結部分に設けられたスリット状の連結孔にそれぞれ挿通させて、かつ着用者の身体側に該連結端部が折り曲げられることにより、相互に繋ぎ止められることによって、
    ルーズに相互が連結されて全体の面形状が構成されてなることを特徴とする耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
  2. 前記耐刃方形板が、湾曲に成形されていない平板状のものであることを特徴とする請求項1記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
  3. 前記板状ジョイント部品の連結端部の折り曲げる箇所に、底面の断面形状が円弧状のノッチ部が形成され、前記連結端部が該ノッチ部に沿って折り曲げられてなることを特徴とする請求項1または2記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
  4. 前記耐刃方形板の最上段と最下段の列の中央に位置する耐刃方形板において、それぞれ、
    (d)最上段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、上側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
    および、
    (e)最下段に位置する耐刃方形板では、その両サイド側にある上下2個の前記板状ジョイント部品のうち、下側にある板状ジョイント部品の着用者の身体側に折り曲げられた両連結端部が突き合わせ状態をなしてかつ溶接によって留められていること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
  5. 前記底面の断面形状が円弧状であるノッチ部が、その底面の断面形状が、ノッチ深さ(D)が0.2〜0.3mm、曲率半径(R)が0.2〜0.3mm、ノッチ幅(W)が0.4〜0.6mmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
  6. 耐刃方形板および板状ジョイント部品が、チタン合金、チタン、アルミニウム合金及びステンレス鋼の中から選ばれた1種または複数種の素材からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐刃防御衣料用の耐刃防御部材。
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