JP2006343091A - 耐刃防御部材及び耐刃防御衣料 - Google Patents

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Yuki Ninomiya
有希 二ノ宮
Toshiji Moriwaki
淑次 森脇
Seiji Amagi
清司 天木
Koichi Shibata
孝一 柴田
Hiroyuki Miyake
裕之 三宅
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Abstract

【課題】優れた耐刃性と共に、長時間着用状態での快適性、着用者の動作に素早く追従する機動性を有する耐刃防御部材及び衣料。
【解決手段】複数の角形の耐刃板1を隣り合う耐刃板と周縁部2を重ねて配列し、耐刃板に設けられた連結孔3にジョイント4を挿通して互いに固定されない程度にルーズに連結した耐刃防御部材等であって、耐刃板を重ねた部分に連通する連結孔を設けて片側の耐刃板1aの連結孔をジョイントがスライドする長孔5で形成し、ジョイントを挿通させ耐刃板を連結すれば、ジョイントがスライドすることによって耐刃板が元の面に対し三次元方向に屈折可能な連結部6となる。要所に前記連結部を設けることにより着用快適性が大きく向上し機動性が改善される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として他人からの刀剣・刃物類による攻撃の危険から身体を防御するために使用する、複数の耐刃板が連結されてなる耐刃防御部材、前記耐刃防御部材を含んで連結し構成された耐刃防御衣料に関する。前記の耐刃防御衣料には、もっぱら前胸部や前腹部を防護するための前胸部用耐刃防御衣、左右の脇腹部をそれぞれ防護するための側部用耐刃防御衣、背中部を防護するための背面用防御衣等、及びこれらの防御衣を組合わせて連結し、もしくは一体化された防御衣が含まれる。
本発明に係る前記耐刃防御部材等は、警察官やガードマンが、犯罪者や挙動不審者からの各種刃物類による攻撃に対して身の安全を保つため、通常は外衣の下に重ねて使用し着用する。従って、耐刃防御部材等には、刃物類による攻撃に耐えて身体を防御する共に、警察官等が執行する職務行為に支障をきたさないように職務上の激しい動作に対する追従性、すなわち機動性に加えて、長時間の着用にも疲労を来さない軽量性、快適性が求められている。これらの要請に応える手段として耐刃防御部材等は、もっぱら耐刃性をもった小片の耐刃板を構成ユニットとして、これらの複数を連結して製作することにより耐刃性を損なわないで、着用者に機動性を付与し長時間着用における快適性を向上しようとしている。この目的を達成するためには、耐刃防御部材等にとり耐刃板の連結手段の適否は極めて重要な構成要素であって、従来からいくつかの手段が提案されている。
例えば、下記の特許文献1に記載された耐刃防御部材等は、あらかじめ曲率をもって製作された複数の耐刃板を、互いに周辺を重ね合わせリベットを挿通し、連結部が可動性を保持するように緩くかしめて連結することにより、着用性を向上させている。また、特許文献2に記載された耐刃防御部材等は、エレメント部材(耐刃板に相当)を隣接するエレメント部材とジクソーパズル風に噛合せて配列し、エレメント部材に設けられた孔部に共通する連結部材を挿入し固定して構成されている。そして着用者の体型、動作に応じて連結部材を屈曲させる。また、特許文献3及び4に記載の耐刃防御部材等では、曲げ加工を施した複数枚の耐刃板を隣り合う耐刃角形板の周縁部とを重ねて面状に配列し、互いに重なりあい、あるいは対峙する角の部分に連結孔を設けてジョイントを挿通し、耐刃板が互いに固定されない程度にルーズに掛け繋ぎ、連結して、身体動作に対する追従性の改良、着用快適性の向上を図っている。
特開2001−012899号公報 特開2005−036373号公報 特開2005−069672号公報 特願2004−317590に添付の明細書
前記の耐刃防御部材等に係る提案により、従来からの課題はある程度のレベルまで解決されるようになった。例えば、前記の特許文献4に記載された耐刃防御部材等において、耐刃性、耐衝撃性が大きく向上し、短時間の日常的動作における機動性や着用時の快適性が大きく改善された。この様な改善がなされてはいるが、従来のいずれの耐刃防御衣料も着用者の動作に対する追従性が十分でないために、長時間着用するだけで着用者に疲労が蓄積し、また、業務上発生する素早く大きな動作を制約するなど、機動性にも問題を残していた。さらに、前記耐刃防御部材等は、金属製の耐刃板やジョイントの緩やかな連結によって構成されているので、常に金属同士が接触・解離を繰り返しており、その際にいわゆる金属音が発生して秘密裏に活動する私服警官等に職務遂行上の不都合を生じていた。あるいは着用者や周辺の者に神経的な不快感を与え続けているという問題があった。
本願発明は、耐刃信頼性が高く、機敏な動作にも機動的に追従し、長時間、疲れないでかつ金属音を発生しない、快適に着用することのできる耐刃防御部材等を研究し、試作・評価を繰り返して完成されたものである。
従来の耐刃防御部材等について前記の課題を検討した結果、機動性、長時間着用時の快適性を阻害している原因は、耐刃防御部材等が着用者の体形や動作に追随して前記部材等の面に交叉する方向(以下、三次元方向という)への屈折性の不足に起因することを見いだした。そして、これらの問題に対し、例えば前胸部用耐刃防御衣では、前胸上縁(頸・肩周りの部分)、腹部裾の下縁部に配置されている耐刃防御部材等を、その面方向に対して3次元方向に屈折可能に構成することで予期した以上の改良効果がみられ、問題の解決に有効であることが判った。本発明は、耐刃防御部材等において、とくに前記したような部位を形成する耐刃板の連結孔をスライド可能に設けることにより耐刃板の連結部が三次元方向に屈折することが可能になり、耐刃性を損なうことなく課題を解決に導いたのである。さらに、金属接触部に薄い軟質シートを挟み込むことにより、業務遂行上に不都合をもたらし、また不快でもあった金属音の発生に関する課題を解消できた。
本発明は、優れた耐刃性を発揮すると共に三次元方向への屈折が可能な耐刃防御部材、及びこれを利用して構成した、長時間にわたり疲れないで快適に着用できる着用快適性と、業務上必要とする機敏な身体動作にスムーズに追従できる機動性とを兼ね備え、かつ課題の金属音を発生しない、極めて実用的な各種の耐刃防御衣料を提供する。
以下、本発明について具体的な実施形態を挙げながら図面を参照して説明する。まず、本発明に係る耐刃防御部材等を全体的に説明する。本発明に係る耐刃防御部材等は、耐刃板を三次元屈折可能なジョイントによって連結された部材であり衣料である。本発明に係る耐刃防御部材及び耐刃防御衣の実施形態例として、胸部前面を防御する耐刃防御チョッキの表面側を図1に、その裏面側(身体側)を図2に断面図と共に示した。なお、引用する図面は、すべて本発明の実施態様を例示するものであって本発明の技術的範囲を限定するものではない。
さて、本実施形態例で耐刃防御部材等は、複数の角形の耐刃板1を基本的なユニットとし、隣り合う耐刃板とそれぞれの周縁部2を重ねて配列され、耐刃板1に設けられた連結孔3にジョイント4を挿通して互いに固定されない程度にルーズに連結されている。耐刃板1は、通常、正方形又は矩形であって、碁盤の目状に配列され互いに連結されている。耐刃防御部材等が目的とする最終製品の形状によっては、周辺部などには梯形、三角形等異形の耐刃板を配列する。また、前記碁盤の目の縦、横の長さは適宜に設定し、これに合わせて必要な形状の耐刃板を組み合わせて配列することができる。耐刃板の形状や配列は前記のものに限定されるものではない。例えば、六角形の耐刃板を亀の甲状に配列してもよい。耐刃板の重ね方は、図1、図2に示されるように表層と裏層を市松様に配する2層方式が一般的ではあるが、羽重ね(よろい重ね)などにを配列することもできる。
ジョイント4には、連結しようとする耐刃板の数にもとづいて、先端を挿通端7とする矩形4a、L字形、T字形、十字形4b及び/又は放射状の板状体を利用する。各耐刃板に設けた連結孔3に挿通端7を挿通して折り曲げ、各耐刃板1を掛け繋いで連結する。連結孔3と挿通させたジョイントの挿通端7との間隙は、耐刃板、連結孔の寸法、形状にもよるが通常0.4〜2.5mm程度にして、少なくとも重なる耐刃板1が互いに摺動可能な程度にルーズに連結する。連結は、耐刃防御部材の表面から刃物等が衝突した際に挿通端7が開きにくいように、また挿入端7により生じる着用者の違和感を和らげるために、耐刃防御部材等の裏側(身体側)から表側に向かって挿通端7を挿通させることが望ましい。また、ジョイントにねじ、ボルト、又はリベットを用い、隣り合う耐刃板と重なる位置に連通する連結孔を設けて前記ジョイントを挿通し、ナットを用い又はかしめることにより耐刃板を連結することもできる。
なお、以下の説明は、図1、図2に例示した、耐刃板1を碁盤の目様に2層方式で配列し、板状体のジョイントを利用して連結した形態の耐刃防御部材あるいは耐刃防御チョッキ)を中心に行うが、その他の形態も本例に準じて実施することができる。
さて、本発明の耐刃防御部材等では、身体の動きが制約されて窮屈になり機動性や着用快適性等を害する原因箇所に、従来はなかった耐刃板1が含まれる面に対し三次元方向に屈折可能な連結部6を設けることによって、着用者の動作を耐刃防御衣料の束縛から解放する。その結果、着用者の動作に対する自由度が増大して、機敏な行動が可能になり長時間の着用快適性が改善される。
前記の屈折可能な連結部6の実施形態を図3〜6に例示した。図3は、2枚の耐刃板1aと1bとが重なる部分に連通する2対の連結孔を耐刃板周縁方向に並べて設け、一方の耐刃板1aの連結孔をともに長孔5aにして矩形ジョイント4aを用い、耐刃板を周縁方向に掛け繋いだ連結部6aを例示する一部切欠き拡大斜視図である。耐刃板1aと1bとが三次元方向に屈折可能に構成される。図4は同前分解斜視図である。また、図5は、1aと1bとが重なる部分に連通する1対の連結孔とを設け、一方の耐刃板1aの連結孔を長孔5bとして他方の連結板1bに設けた連結孔3’との間を、矩形ジョイント4aを用い耐刃板周縁と直角方向に掛け繋いで連結した、三次元方向に屈折可能な連結部6bの断面図であり、図6はその分解斜視図である。
図5、図6を参照して連結部6bについて詳しく説明する。周縁部を重ねて隣接する耐刃板のうち一方の耐刃板1aに長孔5bの連結孔を、他方の耐刃板1bには2つの連結孔3’を耐刃板の周縁に直交する方向に並べて設け、このうち周縁側の連結孔を長孔5bに連通させる。そして、ジョイント4aの片方の挿通端を長孔5bとこれに連通する連結孔3’とに挿通し、他方の挿通端を残る連結孔3’に挿通して、耐刃板1aと1bとを掛け繋いで連結する。着用者の身体の動きによって、例えば耐刃板1bに圧力が加わると、ジョイント4aが長孔5b内をスライドし耐刃板1bが連結部を中心に元の面(図5(a)の状態)から三次元方向に屈折する(図5(b)の状態)。前記の屈折は、耐刃板の配列・連結条件により耐刃板1aを屈折させることも、ジョイント4aを介して耐刃板1bを屈折させることもできる。また、耐刃板の縦・横双方向に利用してもよい。安全上、長孔5は耐刃部材の裏側に重なる耐刃板に設けて、表側の耐刃板により覆うことが望ましい。
前記の三次元方向に屈折する連結手段は、耐刃防御衣料であれば着用者の動作に対する制約を排除し着用快適性向上に有効な、周縁に配置された耐刃板の連結に利用するとよい。耐刃防御チョッキなどにおいては、屈折挙動を円滑にするために有効な前胸上縁とその両側(頸・肩周りの部分)、腹部裾の下縁に配置されている耐刃板の連結に好適である。また、側部用耐刃防御衣においては脇腹周縁部、背面用防御衣においては背中上縁や下縁部に好適に利用することができる。
また、耐刃板相互の屈折角度αについては、耐刃防御衣料の目的、着用者の体形や予め耐刃板に施した曲率にもよるが、例えば耐刃防御チョッキの場合、頸から肩に至る胸部上縁における耐刃板の最大屈折角度αは、5〜30度程度に設定するのが好適であり、腹部裾下縁でも5〜30度程度が好適である。長孔の寸法は所要の最大屈折角度αにもとづいて設定すればよい。大きな屈折や多方向経に屈折を求められる部位には、耐刃板の曲面加工と複数の三次元方向屈折連結部とを組み合わせて対応することができる。以上、内容を理解しやすくするため矩形ジョイントについて説明したが、矩形以外の形状のジョイントを用いた連結部においても耐刃板をスライドさせる方向に伸びる長孔を設けることにより容易に耐刃防御部材等を屈折させることができる。
次に、他の連結部について図7、図8を参照し具体的に説明する。図7に矩形ジョイント4aを利用した一般的な連結部を例示する。連結部のために耐刃板の周縁辺からの張出し8を設けているが、耐刃板の重ね代を少なくして耐刃防御部材等の軽量化を図ることができる。
図8を参考にして、十字形ジョイント4bを用いて対峙する4枚の耐刃板を掛け繋ぐ場合の基本的な連結部につき説明する。4枚の防刃板1の連結部では、耐刃板1が重なり合う部分を切除する。主に耐刃防御部材等の軽量化を図るためである。切除部分に沿ってスリット状の連結孔3を設け、切除によって生じる開口部分9を覆うに足りる大きさの十字形ジョイント4bを重ね、それぞれ挿通端7を各耐刃板の連結孔3に挿通して折り曲げ、各耐刃板を掛け繋いでルーズに連結する。開口部分9には、耐刃素材を用いて製作したジョイント4bを被せることで安全を図ることができる。
ところで上記の連結部について実地試験を行ったところ、耐刃板1に激しい衝撃が加わると、折り曲げたジョイントの挿通端7が伸びる危険のあることが判明した。防止策を研究した結果、図8に示すように、耐刃板1とジョイント4との間にジョイントワッシャ10を挟めば防げることが判った。ジョイントワッシャ10の位置を安定させるために、ジョイントワッシャ10には各耐刃板の連結孔7に連通する連結孔3を設けてジョイントの挿通端7を挿通させておくことが望ましい。耐衝撃性と耐刃性とを向上させるため、ジョイントワッシャ10は耐刃素材を用いて製作するとよい。また、ジョイントワッシャ10は独立した単品部品10aとして製作し使用することもできるが、耐刃板と一体化して製作し使用することが望ましい。耐刃板に一体化することにより、耐刃防御部材等の軽量化と耐衝撃性の向上とを図ることができる。図9に耐刃板と一体化されたジョイントワッシャ10bを利用した連結部を例示した。
耐刃板について説明する。図10は一般的な耐刃板の実施態様を例示する平面図(a)と断面図(b)とである。図11はジョイントワッシャと一体化したワッシャ付耐刃板の平面図を例示する。耐刃防御衣料としては着用中に周縁から刃物が滑り出て身体を傷つけるのを防御するために、耐刃防御衣料の周縁に沿って耐刃板の縁にリブ11を設けることが望まれる。さらに、耐刃板の面を滑って重ねた耐刃板の間から刃物が侵入するのを防ぐためには、重ねた耐刃板のいずれか一方、又は双方にリブ12を設けて防護するとよい。リブ12は、使用部位によって双方から互いに向かい合う方向に設けてもよい。これらのリブ12の必要性、位置、長さ、耐刃板基準面から方向、形状等は、使用される部位により適宜に設定すればよい。多くの場合、試作品によるテストや経験により設計することになる。
耐刃板を耐刃防御衣料等に利用するに際し、身体側におけるジョイント4の突出、耐刃板の周縁部による違和感を軽減するために、耐刃板の中央部に段差を付けた台状の凸状領域13を設けることがある。凸状領域13の位置、段差の程度、表面側か背面側か等については特段の制限はなく、着用感、外観等によって適宜に決めればよい。なお、耐刃板の中央部に段差を付けた台状の凸状領域13を設けることは好ましい態様であるが、凸状領域のみならず平板状や凹状領域のものであってもよく、これらの態様のものも本発明の範囲に含まれる。
耐刃板もしくは耐刃防御部材は、耐刃防御衣料を身体に密着させるため、身体に沿った方向に曲面を形成しておくとよい。具体的に例えば前胸部用耐刃防御衣では、所要の方向に、好ましくは100R〜200Rの範囲の、曲げ加工が施された耐刃板を、曲げ方向を揃え滑らかな曲面を形成するように配列する。さらに、着用性を向上する目的で複数の小さな通気孔14を設けることもできる。
また、耐刃板、ワッシャ及び/又はジョイントの素材には、耐刃性、適宜の加工性があり軽い材料を選択する。一般には金属、なかでもチタン、チタン合金、アルミニウム合金及びステンレス鋼が好適である。とくに汗をかいた際にも洗え、また腐蝕の懸念のないチタン、チタン合金が優れている。
さらに、金属音の発生を防止するために、耐刃板相互間、耐刃板とジョイントとの間、ワッシャと耐刃板もしくはジョイントとの間の金属同士が接触する面に薄い軟質素材15を挟み耐刃板に接着するなど固定すると有効である。軟質素材としては、ゴムシート、不織布などを、厚さは1mm以下が好適である。
本願発明に係る耐刃防御チョッキの着用時の形態を、図12〜14に斜視スケッチによって例示した。図12は基準着用時における形態を例示し脇下で着用者の体形に追従して身体に被さっている。図13は着用者が屈み込んだりして前傾状態になった際に円滑に身体動作に追従している状態を、図14はやや背中側に曲げるような後傾時の身体動作があったときの追従状態を示す。屈んだり後傾することは極めてしばしば見られる動作であるが、従来の耐刃防御チョッキでは、図13や図14に示されるような立体的変位が困難であったため、着用者の動作を著しく制約していた。本願発明によりこの様な制約は取り払われることとなった。
以上、本発明につき主に前胸部用耐刃防御衣を例示して説明したが、側部用耐刃防御衣、背面用防御衣や前記の防御衣を組み合わせ、若しくは同種の防御衣を相互に連結し、あるいは一体化して着用する場合にも、着用・防護する部位の体形や動作形態を勘案し、前記説明に準じて実施することができる。側部用耐刃防御衣の表面展開図及び横方向断面図を図15に、裏面(身体側)の展開図及び横方向断面図を図16に例示した。上記の耐刃防御衣及びそれらの組合せによって防御する範囲は使用目的に応じて適宜に設定し設計すればよい。
本発明に係る耐刃防御部材及び耐刃防御衣料は、耐刃防御性、機動性、着用快適性に優れ、金属音を発生することもないので、あらゆる分野、例えば、警察官、ガードマンが着用する耐刃防御衣料等に好適である。
本発明実施形態例を示す耐刃防御チョッキの表面展開図及び断面図 図1に例示した耐刃防御チョッキ裏面(身体側)の展開図及び断面図 耐刃板を矩形ジョイントを用い屈折可能に連結した連結部(6a)を例示 する斜視図 同上分解斜視図 耐刃板周縁直角方向に掛け繋いた連結部(6b)を例示する断面図 (a)元の状態:(b)屈折した状態 分解斜視図 矩形ジョイントを利用した一般的な連結部の一例を示す図 4枚の耐刃板を十字形ジョイントとジョイントワッシャ(独立部品)を用 いて掛け繋いだ連結部の平面図及び両断面図 ワッシャ付耐刃板を用いて掛け繋いだ連結部の平面図及び両断面図 一般的な耐刃板の実施態様を例示する(a)平面図:(b)断面図 ワッシャ付耐刃板の平面図 両脇下に沿って湾曲した着用時の本発明耐刃防御チョッキ斜視スケッチ 同図12、前傾時の斜視スケッチ 同図12、後傾時の斜視スケッチ 本発明実施形態例を示す身体側面耐刃防御衣の表面展開図及び断面図 図15に例示した耐刃防御衣裏面(身体側)の展開図及び断面図
符号の説明
1:耐刃板(総称)
1a:連結孔に長孔を設けた耐刃板 1b:1aに連結される耐刃板
1c:一体化ワッシャ付の耐刃板 1d:普通の耐刃板
2:耐刃板周縁部
3:耐刃板の連結孔
3’:耐刃板1bに設けられた連結孔
4:ジョイント(総称)
4a:矩形ジョイント 4b:十字形ジョイント
5:ジョイントがスライドする長孔としての連結孔
5a:挿通端がジョイント軸方向と直交する方向にスライドする長孔
5b:挿通端がジョイント軸方向にスライドする長孔
6:三次元方向に屈折可能な連結部(総称)
6a:5a方式の屈折可能連結部
6b:5b方式の屈折可能連結部
7:ジョイントの挿通端
8:耐刃板の張出し
9:耐刃板の切除によって生じた開口部分
10:ジョイントワッシャ
10a:ジョイントワッシャ(単品部品)
10b:耐刃板に一体化されたジョイントワッシャ
11:耐刃衣料の周縁に沿って設けられたリブ
12:耐刃板のリブ
13:耐刃板中央部の台地状領域
14:通気孔
15:軟質素材
A:表側(外側)
B:裏側(身体側)
α:耐刃板の元の位置からの最大屈折角度

Claims (18)

  1. 複数の角形の耐刃板(1)が、隣り合う耐刃板と周縁部(2)を重ねて配列され、耐刃板に設けられた連結孔(3)にジョイント(4)を挿通して互いに固定されない程度にルーズに連結されている耐刃防御部材であって、前記の耐刃板を重ねた部分に連通する連結孔を設け、かつ片側の耐刃板(1a)の連結孔をジョイントがスライドする長孔(5)に形成しジョイントを挿通させて他方側の耐刃板(1b)を連結し、ジョイントが長孔をスライドすることによって一方の耐刃板が元の面に対し三次元方向に屈折可能となる連結部(6)を含んで構成されていることを特徴とする耐刃防御部材。
  2. ジョイントが、連結しようとする耐刃板の数と連結方向とにもとづいて先端部を挿通端(7)とする矩形(4a)、L字形、T字形、十字形(4b)又は放射状の板状体に形成され、耐刃板に設けた連結孔に挿通端を挿通して折り曲げ耐刃板を掛け繋ぐことにより耐刃板を連結していることを特徴とする請求項1に記載の耐刃防御部材。
  3. ジョイントが、ねじ、ボルト、又はリベットであって、隣り合う耐刃板と重なる位置に連通して設けられた連結孔に挿通し、ナット又はカシメにより耐刃板をルーズに連結していることを特徴とする請求項1に記載の耐刃防御部材。
  4. 連結孔が、耐刃板の周縁辺から張り出して(8)設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の耐刃防御部材。
  5. 連結される各耐刃板の連結孔とジョイントの各連結孔とに連通する連結孔を設けたジョイントワッシャ(10a)が、ジョイントと耐刃板との間に挿入されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  6. 前記のジョイントワッシャが、連結される耐刃板のいずれかに一体化して形成されている(10b)ことを特徴とする、請求項5に記載の耐刃防御部材。
  7. 3以上の耐刃板の角の部分が重なり合う連結部において、前記のすべて又は一部の耐刃板の重なり合う部分が切り欠かれ、その結果生じた開口部分(9)にはジョイント及び/又はジョイントワッシャが所要の重ね代を保持して重ねられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  8. 耐刃板が、実質的に碁盤の目状に配列されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  9. 耐刃板には、中央部に段差を付けた台地状の領域(13)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  10. 耐刃板には、使用される部位の体形に合わせて予め曲げ加工が施されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  11. 耐刃板、ジョイントワッシャ及び/又はジョイントが、チタン、チタン合金、アルミニウム合金、及びステンレス鋼の中から選ばれた1種又は複数種の耐刃素材からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  12. 耐刃板相互間、耐刃板とジョイントとの間、ワッシャと耐刃板もしくはジョイントとの間等の金属同士が接触する面に、薄い軟質素材(15)が挟まれていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の耐刃防御部材。
  13. 三次元方向に屈折可能に連結された連結部を含んで構成された請求項1〜12のいずれかに記載の連結部耐刃防御部材を含んで構成されていることを特徴とする耐刃防御衣料。
  14. 三次元方向に屈折可能に連結された連結部が、周縁に配置された耐刃板の連結に利用されていることを特徴とする請求項13に記載の耐刃防御衣料。
  15. 三次元方向に屈折可能に連結された連結部が、前胸部上縁又は背中上縁に配置された耐刃板の連結に利用されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の耐刃防御衣料。
  16. 三次元方向に屈折可能に連結された連結部が、腹部下縁又は背中下縁に配置された耐刃板の連結に利用されていることを特徴とする請求項13、14又は15に記載の耐刃防御衣料。
  17. 三次元方向に屈折可能に連結された連結部が、脇腹周縁に配置された耐刃板の連結に利用されていることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の耐刃防御衣料。
  18. 請求項13ないし17に記載された耐刃防御衣料のうちの複数の衣料が、連結され若しくは一体に構成されていることを特徴とする耐刃防御衣料。
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