JP2012083021A - 地中熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転中に、液状熱媒体の液面を熱交換器の下部に安定させ、凝縮器として使用する際には、凝縮のための伝熱面積を確保し、蒸発器として使用する際には、液のまま圧縮機に戻ることが防止できる地中熱交換器。
【解決手段】熱媒体を下方又は上方に流す第1側流路管と、第1側流路管の下端に接続され、第1側流路管と反対方向に熱媒体を流す第2側流路管とを含み、熱媒体を第1側流路管及び第2側流路管の一方から他方に流し、地中からの採熱及び/又は地中への放熱を行う地中熱交換器において、地中熱交換器の最下部近傍に、第1側流路管の流路又は第2側流路管の流路に連通し、液溜め部を具備する。さらに、第1側流路管の流路又は第2側流路管が地中熱交換器から液体または気体を地中から地上に向かって戻すとき、これらの流路管のうち少なくとも一つの流路管がその流路を開閉できる機能を具備する。
【選択図】図8

Description

本発明は、地中熱利用ヒートポンプ装置や地中熱を利用する低温度差発電装置等に使用する地中熱交換器とその運転方法に関する。
地中の浅い部分(例えば、地下2〜100m)の土の温度は年間を通し一定であり、例えば、関東地方では年間16℃程度である。すなわち、冬は外気に比べ、地中のほうが暖かく、夏は外気に比べ、冷たくなっている。この性質を利用して地中からの採熱又は地中への放熱を行うため、地中に埋設した地中熱交換器を具備するヒートポンプが知られており、地球環境問題やエコロジー等を背景として、近年、普及に力が注がれている。
現在多く普及しつつある方式は、水、ブライン等を二次熱媒体とする地中熱交換器を地中に埋設し、地上のフロン、アンモニア、炭化水素等、沸点の低い物質を一次熱媒体とするヒートポンプの熱交換器と接続し、地中から熱を採熱したり、地中に熱を捨てたりするシステムである。この方式では、一次熱媒体と二次熱媒体との間で熱交換を行うための熱交換器が必要である、ブライン等の二次熱媒体を循環するポンプが必要である等の問題点が存在する。
本発明者は、現在主流である二次熱媒体を地中で用いるシステムとは異なる、地表面下で作動媒体を直接凝縮させたり直接膨張させたりする熱交換器を利用するシステムについて検討した。そのような新システムでは、
(1)地下でヒートポンプの熱媒体を直接膨張させたり、凝縮させたりすることにより、二次熱媒体と一次熱媒体との間で熱交換を行なうための熱交換器が不用となり、冷凍機(ヒートポンプ)の蒸発温度と凝縮温度の差が小さくなり、冷凍機(ヒートポンプ)の負荷が減少する、
(2)ブライン等の二次熱媒体の循環ポンプが不用となる、
という2点の大きなメリットが想定される。
このような新システムに使用し得る地中熱交換器としては、密度の小さい(すなわち、気化熱媒体である気相部分が比較的多い)熱媒体が流れる直管状の低密度媒体流路管と、密度の大きい(すなわち、液化熱媒体である液相部分が比較的多い)熱媒体を流す直管状の高密度媒体流路管とをそれらの下端でU字型に接続したUチューブ方式、密度の小さい熱媒体が流れる低密度媒体流路管と、密度の大きい熱媒体が流れる複数の直管状の高密度媒体流路管とをマニホールドを介してそれらの下端部で接続した変形Uチューブ方式等が知られている(特許文献2参照、図4〜6参照)。これ等の熱交換器は、鉛直方向に配置される。熱交換器を鉛直方向に配置するのは、地表から離れた深い部分の熱を採取し、また、この深い部分に熱を捨てることを可能にすること、また、広い範囲に渡り表土を掘る必要がないことが特徴であり、これ等の特徴はブラインを用いるシステムと同様である。
一般に、ヒートポンプ装置や冷凍機等における熱媒体は、図1に示すように、それらの装置を構成する圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を循環し、一部においてもその不足が生じることがなく安定した運転が行えるように、十分な量を封入するように設計されているが、運転中の熱媒体は、主に凝縮器に多量に分布するように設計されている。このような熱媒体の分布は、Uチューブ方式等の地中熱交換器においても当て嵌まる。例えば、図2に示すように、地中の熱交換器を利用して冷房を行う場合において、Uチューブ方式等の地中熱交換器を凝縮器として使用する際、凝縮液化した熱媒体の液面が地中熱交換器の下部にあり、下方に向かう流路の大部分に充分なガス域が存在すると(図2左方の正常な液分布参照)、ガスの凝縮のための伝達面積が大きくなり、伝熱効率も高くなって望ましいが、凝縮液化した熱媒体の液面は、運転状況に応じて大きく変動することが知られている(特許文献1参照)。そして、凝縮液化した熱媒体が地上の膨張弁下方の高密度媒体流路管だけでなく、低密度媒体流路管の多くの部分をも占めると(図2右方の地中熱交換器に多量に液が流入した場合参照)、ガスの凝縮のための伝達面積が非常に小さくなり、ガスを十分に凝縮するためには、ガス温度をさらに高温・高圧とせざるを得なくなり、圧縮機の負荷が増し、冷房COP等で表される冷房効率が低下するという問題点が存在する(冷房COPは冷房能力を圧縮機の仕事率で除した値である)。
また、図3に示すように、地中熱利用のヒートポンプを暖房に用いる場合において、Uチューブ方式等の地中熱交換器を蒸発器として使用する際、地中熱交換器に多量の液状熱媒体が流入したときに、液状熱媒体が蒸発しきれずに低密度媒体流路管を上昇し液のまま圧縮機に戻る危険が生じるという問題点や、複数の低密度媒体流路管が設けられているとき、気化熱媒体の上昇流速が遅くなり、粘度の高い潤滑油が地中熱交換器の底部に溜まりやすく、回収するのが困難であるという問題点も存在する。
特許第2545720号公報 特開2003-148079号公報
本発明は、以上のようなUチューブ方式等の地中熱交換器に存在する問題点を解決し、上述のような新しいシステムにおいても効率的に使用し得る地中熱交換器の提供を課題とする。
本発明者は、従来の地中熱交換器の研究過程で、地中熱交換器の最下部近傍に液溜め部を設けると、該液溜め部が液状熱媒体の液面変動のバッファーとなり、凝縮器として用いる場合には、熱媒体が下方に流れている流路管にガスの凝縮のための充分な伝達面積をもたらすガス域が維持でき、蒸発器として用いる場合には、液状熱媒体が蒸発しきれずに液のまま圧縮機に戻ることが防止でき、上述のような問題点が解決できることを見出した。また、地中熱交換器を蒸発器として使用する際、複数の管が作動媒体の戻り管として用いられる場合には、少なくとも1つの戻り管の流路を閉鎖するとともに、流路管において熱媒体を上方に流すことにより、気化熱媒体の流速を高め、地中熱交換器の底部に溜まった潤滑油を気化熱媒体の上方流動とともに上方に流し、地中熱交換器から排出できることを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づくものであり、次のような特徴を有するものである。
(1)熱媒体を下方又は上方に流す1又は複数の第1側流路管と、第1側流路管の下端に直接的又は間接的に接続され、第1側流路管と反対方向に熱媒体を流す1又は複数の第2側流路管とを含み、熱媒体を第1側流路管及び第2側流路管の一方から他方に流し、地中からの採熱及び/又は地中への放熱を行う地中熱交換器において、地中熱交換器の最下部近傍に、第1側流路管の流路又は第2側流路管の流路に連通し、液状熱媒体が溜められる液溜め部を具備することを特徴とする地中熱交換器。
(2)第1側流路管及び/又は第2側流路管は、少なくとも一部がコイル状であることを特徴とする上記(1)に記載の地中熱交換器。
(3)第1側流路管と第2側流路管とは、前記液溜め部を介して接続されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の地中熱交換器。
(4)第1側流路管及び第2側流路管のうちの一方側の流路管が複数であり、他方側の流路管が1又は複数であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の地中熱交換器。
(5)上記(4)に記載の地中熱交換器の運転方法であって、地中から地表面に向かう気化熱媒体の流路となる少なくとも1つの前記一方側の流路管の流路を閉鎖するとともに、残りの前記一方側の流路管において熱媒体を上方に流すことにより、気化熱媒体の流速を高め、地中熱交換器の底部に溜まった潤滑油を気化熱媒体の上方流動とともに上方に流し、地中熱交換器から排出することを特徴とする地中熱交換器の運転方法。
(6)上記(4)に記載の地中熱交換器を用い、前記一方側の流路管において液化熱媒体を上方に流す地中熱交換器の運転方法であって、地中熱交換器に液化熱媒体が少量しかなく、地上等に置かれた膨張弁から地中熱交換器の最下部まで液化熱媒体の分布が連続していないときに、少なくとも1つの前記一方側の流路管の流路を閉鎖するとともに、残りの前記一方側の流路管において熱媒体を上方に流すことにより、該膨張弁から地中熱交換器の少なくとも最下部まで液化熱媒体の分布を連続させることを特徴とする地中熱交換器の運転方法。
(7)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の地中熱交換器を具備するヒートポンプ装置。
本発明の地中熱交換器は、液面を熱交換器の下部に安定させることができる。そのため、凝縮器として使用する際には、該凝縮器内に十分な液を蓄えつつ、ガスの凝縮のための伝達面積をもたらすガスの領域を充分に確保できるし、蒸発器として使用する際には、液状熱媒体が蒸発しきれずに液のまま圧縮機に戻ることが防止できる。
また、地中熱交換器を蒸発器として用い、例えば、第1側流路管において熱媒体を下方に流し、第2側流路管において気化熱媒体を上方に流す際に、複数の第2側流路管が設置されている場合には、バルブ操作等による一部の第2側流路管の流路閉鎖により、ガスを流す管の本数を減少させ気化熱媒体の流速を高めることによって、下部に滞留する潤滑油を圧縮機に戻すことが可能となる。
地上のヒートポンプ装置の概念図。 地中熱交換器を凝縮器として使用する場合のヒートポンプ装置の概念図。 地中熱交換器を蒸発器として使用する場合のヒートポンプ装置の概念図。 高密度媒体流路管と低密度媒体流路管をそれぞれ1本とした従来の地中熱交換器を示す図面。 高密度媒体流路管を1本、低密度媒体流路管を2本とした従来の地中熱交換器を示す図面。 高密度媒体流路管を1本、低密度媒体流路管を3本とした従来の地中熱交換器を示す図面。 第1側流路管と第2側流路管をそれぞれ1本とした本発明の実施例1の地中熱交換器を示す図面。 第1側流路管と第2側流路管をそれぞれ2本とした本発明の実施例2の地中熱交換器を示す図面。 第1側流路管を1本、第2側流路管を3本とした本発明の実施例3の地中熱交換器を示す図面。
本発明の地中熱交換器は、熱媒体を下方又は上方に流す流路を有する少なくとも1本の第1側流路管と、該第1側流路管の下端に直接的又は間接的に接続され、第1側流路管と反対方向に熱媒体を流す流路を有する少なくとも1本の第2側流路管とを含み、熱媒体を第1側流路管及び第2側流路管の一方から他方に流し、地中からの採熱及び/又は地中への放熱を行う地中熱交換器において、地中熱交換器の最下部近傍に、第1側流路管の流路又は第2側流路管の流路に連通し、液状熱媒体が溜められる液溜め部を具備することを特徴とする。
第1側流路管と第2側流路管とは、それらの少なくとも一方が下端部に曲折部などを有するものとして構成し、それらの下端を直接接続しても良いし、エルボ管等の他の接続管等を介して間接的に接続しても良い。このような接続により、熱媒体は、第1側流路を下方に流れ、最下端部で反転して、第2側流路を上方に流れるか、又は、第2側流路を下方に流れ、最下端部で反転して、第1側流路を上方に流れるようにして使用される。
本発明の地中熱交換器は、地中からの採熱と地中への放熱の一方だけを行うように使用しても良いし、地上等に設けたバルブ操作により、膨張弁や圧縮機への流路の切換等によって、両方を行うように使用することもできる。地中からの採熱と地中への放熱の両方を行う場合、第1側流路管と第2側流路管とは、地上部等に設けたバルブの操作によって、その一方が熱媒体を下方にのみ流し、他方が熱媒体を上方にのみ流すように使用しても良いし、また、第1側流路管と第2側流路管との一方が密度の小さい(すなわち、気化熱媒体である気相部分が比較的多い)熱媒体のみを流し、他方が密度の大きい(すなわち、液化熱媒体である液相部分が比較的多い)熱媒体のみを流すように(すなわち、地中からの採熱を行う場合と、地中への放熱を行う場合とで、熱媒体の流れを逆方向に流すように)使用しても良い。
液溜め部は、第1側流路管や第2側流路管の少なくとも一方の最下端近傍に設けても良いし、第1側流路管の下端と第2側流路管の下端とを接続する流路管に設けても良いし、両下端を液溜め部を介して接続するよう構成しても良い。要するに、液溜め部は、地中熱交換器の最下部近傍にあれば良く、具体的には、地中熱交換器の地中鉛直長さをLとしたとき、その最下部から0〜0.2L(好ましくは0〜0.1L)の範囲に設けることができる。
液溜め部は、地中熱交換器の運転中、その内部において熱媒体の気液界面が常に維持されるように設けられるのが好ましいが、必ずしもそれだけに限定されず、その内部が上方流路、又は、下方流路と連通し、液状熱媒体を少なくとも一時的に溜めることができるものであればどのようなものでも良い。
そのような液溜め部の形状構造は、限定されないが、流路管の所定流路長にわたり該流路の径より大きく形成された環状部とすることができるし、また、流路管の一部から外方に突出する各種形状(例えば、円柱状、角柱状、半球状等)の突部とすることもできる。さらに、液溜め部は外観が円環を押し出した形である中空の立体とすることができ、この両端の面に流路管を接続して使用することができる。
液溜め部は、地中熱交換器の運転中、その内部において熱媒体の気液界面が常に維持されるような内容積(溜め部を複数設ける場合は、それらの合計内容積)とするのが好ましい。一般的には、低密度媒体を流す側の流路管(低密度媒体を流す側を決めない場合には、第1側流路管又は第2側流路管)の全内容積の0.1〜5倍であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2倍(さらに好ましくは0.3〜1.5倍)である。
本発明は、このような液溜め部を具備するので、地中熱交換器を使用する際、液溜め部が熱媒体の液面変動のバッファーとなって熱媒体の液面を熱交換器の下部に安定させることができる。そのため、凝縮器として使用する際には、凝縮器内に十分な液を蓄えつつ、ガスの領域も充分に確保できるので、凝縮のための伝熱面積を確保することができ、高い伝熱効率を維持することができる。また、蒸発器として使用する際には、蒸発しきれない液状熱媒体は、少なくとも一時的に液溜め部に溜めおかれるので、液状熱媒体が蒸発しきれずに液のまま圧縮機に戻ることが防止できる。
第1側流路管又は第2側流路管を複数(例えば、2〜10本)設ける場合には、他方の流路管や液溜め部に接続する部分に複数の流路からの熱媒体を合流させたり、複数の流路に熱媒体を分流させたりするマニホールドを設けることができる。
複数の流路管の配置は、地中との熱伝達が効率的に行えるものであれば、どのようなものでも良いが、例えば、第1側流路管又は第2側流路管のいずれか一方を中心部に、他方をその周囲に等間隔に配置すること、全ての流路管を一列又は二列に並べて配置すること等が挙げられる。また、液溜め部に第1側流路管が内側に、第2側流路管が外側になるように接続された場合でも、液溜め部と地表近辺の間でその配置を第1側流路管が外側に、第2側流路管が内側になるように管を曲げることによって変えても良い。
第1側流路管、第2側流路管、液溜め部、マニホールドのそれぞれの接続は、直接的でも良いが、エルボ管継手等の曲管継手などを含む各種の接続乃至結合手段を用いることもできる。
第1側流路管や第2側流路管は、直管でも良いし、少なくとも一部がコイル状部や曲管部を有していても良い。第1側流路管や第2側流路管は、コイル状部を有するものとすると、直管のものに比べ同じ伝熱面積を得るための螺旋軸方向長さを大幅に短くすることが可能となる。
第1側流路管及び第2側流路管の少なくとも一方を複数設ける場合、少なくとも1本にその流路を開閉するバルブを具備せしめることができる。そのように構成しておくと、地中熱交換器を蒸発器として用い、例えば、第1側流路管において熱媒体を下方に流し、第2側流路管において気化熱媒体を上方に流す際に、地中熱交換器の下部に潤滑油が滞留する場合には、少なくとも1本の第2側流路管の流路をバルブにより閉鎖することにより、残りの第2側流路管における気化熱媒体の流速を速め、地中熱交換器の下部に滞留した潤滑油を容易に回収することができる。また、地中熱交換器を凝縮器として用い、例えば、第1側流路管において熱媒体を下方に流し、第2側流路管において液化熱媒体を上方に流す際に、地中熱交換器に液化熱媒体が少量しかなく、地上等に置かれた膨張弁から地中熱交換器の最下部まで液化熱媒体の分布が連続していないときに、少なくとも1つの第2側流路管の流路を閉鎖するとともに、残りの第2側流路管において熱媒体を上方に流すことにより、該膨張弁から地中熱交換器の少なくとも最下部まで液化熱媒体の分布を連続させることができ、それにより、地中熱交換器の運転や地中との熱伝達を安定化させることができる。
なお、本発明において、熱媒体の流れの「上方」、「下方」とは、それぞれ、「地中内から地表面に近づく方向」、「地表面から離れ地中内に向かう方向」を意味し、鉛直方向に限定されず、鉛直方向に対し傾斜していても良い。
地中熱交換器を構成する第1側流路管、第2側流路管、液溜め部等の材質は、限定するものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアミド等の合成樹脂、ステンレス鋼、チタン又はチタン系合金等の金属、合成樹脂や金属等を含む複合材料などとすることができる。
地表面近くの土の温度は、地上の温度の影響を受け易く、地中恒温部との温度条件が異なっていると考えられる。地中熱交換器における熱交換がそのような地表面近くの土の温度の影響を受けないように、第1側流路管及び/又は第2側流路管の地表近くの部分(地表から例えば1〜5mの範囲)を断熱材で被覆するなどの断熱処理をすることが望ましい。
また、地表面近くの温度を地中恒温部との温度条件に近づけるため、地表に断熱材を敷設することができる。
本発明の地中熱交換器は、住宅、事務所、工場、園芸施設等の冷暖房を行う地熱利用ヒートポンプ装置において有効に使用できる外、地中熱を冷却用に用いる低温度差発電用ランキンサイクル、地中熱を冷媒の冷却に用いる冷凍又は冷蔵装置、地中熱を融雪水の加熱に用いる融雪装置等の各種の装置においても有効に使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の設計変更が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図7に実施例1の地中熱交換器を示す。本実施例の地中熱交換器は、熱媒体を下方又は上方に流す1本の第1側流路管1と、該第1側流路管1の下端と接続され、第1側流路管1と反対方向に熱媒体を流す1本の第2側流路管2と、該第1側流路管1の最下端近傍に設けられた円筒状部で示される液溜め部4とを具備している。該液溜め部4は、前記円筒状部内を貫通する第1側流路を除く環状部分で構成され、凝縮器として使用する場合、例えば、第1側流路管1において熱媒体を下方に流し、第2側流路管2において液化熱媒体を上方に流す際に、熱媒体の液面が該円筒部内で安定させることができるので、気体状熱媒体が第1側流路管のほぼ全体に存在するようにして熱伝達効率を高める。
なお、熱媒体を前記と逆方向に流すように使用することもできる。
(実施例2)
図8に実施例2の地中熱交換器を示す。本実施例の地中熱交換器は、熱媒体を下方又は上方に流す2本の第1側流路管1と、熱媒体を第1側流路管1と反対方向に流す2本の第2側流路管2と、該第1側流路管1の最下端近傍に設けられた円筒状部で示される液溜め部4とを具備し、2本の第1側流路管1は、マニホールドを介することなくそれぞれ独自に液溜め部の上部に接続され、2本の第2側流路管2は、マニホールドを介することなくそれぞれ独自に液溜め部の下部に接続されている。該液溜め部4は、前記円筒状部内のうち該円筒状部内を貫通する第1側流路を除く部分で構成され、例えば、第1側流路管1において熱媒体を下方に流し、第2側流路管2において液化熱媒体を上方に流す凝縮器として使用する際に、熱媒体の液面を円筒状部分内で安定させることができるので、気体状熱媒体が第1側流路管1のほぼ全体に存在するようにして熱伝達効率を高める。
2本の第2側流路管2のうち少なくとも一方は、流路を開閉するバルブ(図示せず)を具備している。上記の例の運転を行う際、1本の第2側流路管2のバルブを開閉することにより、液溜め部以外にも液の収容を行うことができる容積の調整をすることが出来る。
地中熱交換器を蒸発器として用い、例えば、第1側流路管1において熱媒体を下方に流し、第2側流路管2において気化熱媒体を上方に流す際に、第1側流路管1や第2側流路管2の下部に潤滑油が滞留する場合には、1本の第2側流路管2の流路をバルブにより閉鎖することにより、他の1本における気化熱媒体のガス流速を速め、第1側流路管1や第2側流路管2の下部に滞留した潤滑油を容易に回収することができる。
なお、熱媒体を前記と逆方向に流すように使用することもできる。
(実施例3)
図9に実施例3の地中熱交換器を示す。本実施例の地中熱交換器は、熱媒体を下方又は上方に流す3本の第2側流路管2と、熱媒体を第2側流路管2と反対方向に流す1本の第1側流路管1と、該第1側流路管1の最下端近傍に設けられた円筒状部で示される液溜め部4とを具備している。3本の第2側流路管2は、マニホールドを介することなくそれぞれ独自に液溜め部4に接続されている。該液溜め部4は、前記円筒状部内を貫通する第1側流路を除く環状部分で構成され、凝縮器として使用し、例えば、第2側流路管2において熱媒体を下方に流し、第1側流路管において液化熱媒体を上方に流す際に、熱媒体の液面が該環状部分内で安定し、気体状熱媒体が第2側流路管2のほぼ全体に存在するようにして熱伝達効率を高める。
3本の第2側流路管2のうち少なくとも1本は、流路を開閉するバルブ(図示せず)を具備している。地中熱交換器を蒸発器として用い、例えば、第1側流路管1において熱媒体を下方に流し、第2側流路管2において気化熱媒体を上方に流す際に、第1側流路管1や第2側流路管2の下部に潤滑油が滞留する場合には、1本又は2本の第2側流路管2の流路をバルブにより閉鎖することにより、残りの2本又は1本の第2側流路管2の流路におけるガス流速を速め、第1側流路管1や第2側流路管2の下部に滞留した潤滑油を容易に回収することができる。
なお、熱媒体を前記と逆方向に流すように使用することもできる。
本発明の地中熱交換器は、第1側流路管や第2側流路管の流路について、本数、流路面積、流路形状、流路を形成する地中深さ等を各種設定することにより、民生用、商業用、園芸等の農業用、工業用のいずれの空調用ヒートポンプにも使用することができる。また、本発明の地中熱交換器は、地中熱を冷却用に用いる低温度差発電用ランキンサイクル、地中熱を冷媒の冷却に用いる冷凍又は冷蔵装置、地中熱を融雪水の加熱に用いる融雪装置等の各種の装置においても使用できるので、省エネルギーやエネルギーの有効活用に資することができる。
1 第1側流路管
2 第2側流路管
3 マニホールド
4 液溜め部
5 液化熱媒体(液状熱媒体)
6 気化熱媒体(気体状熱媒体)
11 圧縮機
12 凝縮器
13 膨張弁
14 蒸発器
15 低密度媒体流路管
16 高密度媒体流路管



Claims (7)

  1. 熱媒体を下方又は上方に流す1又は複数の第1側流路管と、第1側流路管の下端に直接的又は間接的に接続され、第1側流路管と反対方向に熱媒体を流す1又は複数の第2側流路管とを含み、熱媒体を第1側流路管及び第2側流路管の一方から他方に流し、地中からの採熱及び/又は地中への放熱を行う地中熱交換器において、地中熱交換器の最下部近傍に、第1側流路管の流路又は第2側流路管の流路に連通し、液状熱媒体が溜められる液溜め部を具備することを特徴とする地中熱交換器。
  2. 第1側流路管及び/又は第2側流路管は、少なくとも一部がコイル状であることを特徴とする請求項1に記載の地中熱交換器。
  3. 第1側流路管と第2側流路管とは、前記液溜め部を介して接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の地中熱交換器。
  4. 第1側流路管及び第2側流路管のうちの一方側の流路管が複数であり、他方側の流路管が1又は複数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の地中熱交換器。
  5. 請求項4に記載の地中熱交換器の運転方法であって、地中から地表面に向かう気化熱媒体の流路となる少なくとも1つの前記一方側の流路管の流路を閉鎖するとともに、残りの前記一方側の流路管において熱媒体を上方に流すことにより、気化熱媒体の流速を高め、地中熱交換器の底部に溜まった潤滑油を気化熱媒体の上方流動とともに上方に流し、地中熱交換器から排出することを特徴とする地中熱交換器の運転方法。
  6. 請求項4に記載の地中熱交換器を用い、前記一方側の流路管において液化熱媒体を上方に流す地中熱交換器の運転方法であって、地中熱交換器に液化熱媒体が少量しかなく、地上等に置かれた膨張弁から地中熱交換器の最下部まで液化熱媒体の分布が連続していないときに、少なくとも1つの前記一方側の流路管の流路を閉鎖するとともに、残りの前記一方側の流路管において熱媒体を上方に流すことにより、該膨張弁から地中熱交換器の少なくとも最下部まで液化熱媒体の分布を連続させることを特徴とする地中熱交換器の運転方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の地中熱交換器を具備するヒートポンプ装置。
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