JP2012082890A - 溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を得ることが可能な、溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板1にピアス孔11を設け、該ピアス孔11の中心11aと溶接ナット2のねじ孔22の中心22aとが概略一致した状態で、高強度鋼板1と溶接ナット2とを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々が接合されることで得られるものであり、溶接ナット2は、高強度鋼板1との接合面2aに略半球状のプロジェクション部21が設けられており、且つ、高強度鋼板1において、溶接熱影響部13の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板1の板厚H2との関係が、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす構成を採用している。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法に関し、特に、高強度鋼板と溶接ナットとをプロジェクション溶接によって接合することで得られ、遅れ破壊が抑制されるとともに高い静的強度を得ることが可能な、溶接ナット部を有する自動車用構造部材、及び、その製造方法に関するものである。
近年、例えば、フロントサイドメンバーやセンターピラー、ヒンジレインフォーメント等の自動車用構造部材においては、ドアを取り付けるためのヒンジ等を付ける必要性から、鋼板にナットが溶接された、溶接ナット部を有する構成が採用されている。そして、自動車用構造部材に備えられた溶接ナット部に、ボルトでヒンジ部品を取り付けることが可能な構成とされている。
上述のような溶接ナット部を有する自動車用構造部材を製造するにあたっては、プロジェクション溶接法を用いて鋼板の表面にナットを接合する方法が一般的である。このような、プロジェクション溶接によって得られる自動車用構造部材に要求される特性としては、鋼板とナットとの接合強度が高く、且つ、ばらつきが小さいことが挙げられる。
溶接ナット部を有する自動車用構造部材として、鋼板成分を適正化するとともに、溶接熱影響部の最大深さ部を含む、鋼板表面に垂直な方向での硬度分布に関して、ビッカース硬さ:400Hv以上の領域の厚さが鋼板厚さの30%以上であるか、あるいは、ビッカース硬さ:300Hv以上の領域の厚さが鋼板厚さの50%以上に制御されたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の自動車用構造部材によれば、上述のように、鋼板の板厚方向における硬度分布を適正範囲に制御することにより、ナットと鋼板との接合強度、具体的には、押込み剥離強度およびトルク剥離強度を向上させるとともに、接合強度のばらつきを低減できることが開示されている。
ここで、溶接ナット部を有する自動車用構造部材は、自動車に組み込んだ際の自重による応力や、走行した際の変動応力が加わる。さらに、腐食が進行する環境下では、ナットが鋼板に接合された接合部近傍の溶接熱影響部に遅れ破壊が発生することがある。この際の遅れ破壊特性は、主として、母材の強度や、溶接熱影響部の水素濃度の他、残留応力、変動加重応力あるいは自重応力等の各種応力によって変動する。具体的には、母材強度が高い場合や溶接熱影響部の水素濃度が高い場合、付与される応力が高い場合等に、遅れ破壊が生じやすくなる。
一方、例えば、鋼板に母材強度の低いものを採用した場合には、遅れ破壊特性の低下は抑制できるものの、自動車用構造部材の静的強度が低下するという問題がある。
このため、優れた遅れ破壊特性を備えるとともに、高い静的強度を備えた、溶接ナット部を有する自動車用構造部材が望まれている。
特開2010−116592号公報
しかしながら、特許文献1においては、上述のような遅れ破壊特性を改善したり、静的強度を向上させたりするための技術については、何ら提案されていない。即ち、特許文献1を含め、従来の技術では、プロジェクション溶接によって得られ、溶接ナット部を有する自動車用構造部材において、優れた遅れ破壊特性が得られ、さらに、高い静的強度が実現可能な技術については何ら提案されておらず、上記問題が解決できていないのが実情であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、特に、高強度鋼板と溶接ナットとをプロジェクション溶接によって接合した場合に、優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を得ることが可能な、溶接ナット部を有する自動車用構造部材、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等が上記問題を解決するために鋭意研究したところ、プロジェクション溶接前の母材強度が高い高強度鋼板を用い、溶接ナットに形成されるプロジェクションを適正な形状とし、さらに、鋼板板厚方向における溶接熱影響部の深さと鋼板板厚との関係を適正化することにより、優れた遅れ破壊特性と高い静的強度を両立できることを知見した。
そして、溶接ナットを高強度鋼板に対してプロジェクション溶接する際の溶接条件、即ち、通電加熱時の電流、通電時間及び加圧力の各々の関係を適正範囲に制御することにより、優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を備える、上記構成の溶接ナット部を有する自動車用構造部材が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板にピアス孔を設け、該ピアス孔の中心と溶接ナットのねじ孔の中心とが概略一致した状態で、前記高強度鋼板と前記溶接ナットとを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々が接合されることで得られる、溶接ナット部を有する自動車用構造部材であって、前記溶接ナットは、前記高強度鋼板との接合面に略半球状のプロジェクション部が設けられており、且つ、前記高強度鋼板における溶接熱影響部の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板の板厚H2との関係が、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たすことを特徴とする、溶接ナット部を有する自動車用構造部材。
[2] 前記高強度鋼板の板厚が0.6mm〜6.0mmの範囲であることを特徴とする、上記[1]に記載の溶接ナット部を有する自動車用構造部材。
[3] 溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板にピアス孔を形成し、該ピアス孔の中心と溶接ナットのねじ孔の中心とを概略一致させた状態で、前記高強度鋼板と前記溶接ナットとを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々を接合する、溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法であって、前記溶接ナットとして、前記高強度鋼板との接合面に略半球状のプロジェクション部を形成したものを用い、且つ、プロジェクション溶接による通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)の各々の関係が、次式{It/P=0.07〜0.4}を満たす条件で溶接することを特徴とする、溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法。
[4] 前記高強度鋼板の板厚を0.6〜6.0mmの範囲とすることを特徴とする、上記[3]記載の溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法。
本発明の溶接ナット部を有する自動車用構造部材によれば、上記構成の如く、プロジェクション溶接前の母材強度が1100MPa以上の高強度鋼板を用いるとともに、高強度鋼板との接合面に略半球状のプロジェクション部が設けられた溶接ナットを用い、さらに、高強度鋼板における溶接熱影響部の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板の板厚H2との関係が次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす構成を採用している。これにより、プロジェクション溶接前の強度の高い高強度鋼板を用いた場合であっても、優れた遅れ破壊特性と高い静的強度を両立することが可能となる。
また、本発明の溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法によれば、プロジェクション溶接による通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)の各々の関係を、次式{It/P=0.07〜0.4}を満たす条件として溶接することにより、上述のような、優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を備える自動車用構造部材を製造することが可能となる。
従って、例えば、フロントサイドメンバーやセンターピラー、ヒンジレインフォーメント等の自動車用構造部材に本発明を適用することにより、遅れ破壊特性及び静的強度の向上に伴う安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態を模式的に説明する図であり、(a)は高強度鋼板と溶接ナットとがプロジェクション溶接されてなる自動車用構造部材の構造を示す断面図、(b)は(a)の要部断面図である。 本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態を模式的に説明する図であり、(a)は溶接ナットの構造を詳細に説明する断面図、(b)は平面図である。 本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態を模式的に説明する図であり、プロジェクション溶接機を用いて高強度鋼板と溶接ナットとを溶接する工程を示す断面図である。 本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態を模式的に説明する図であり、プロジェクション溶接によって形成される溶接熱影響部の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板の板厚H2との関係{H1/H2}を変化させた際の、静的強度の変化を示すグラフである。 本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態を模式的に説明する図であり、プロジェクション溶接条件を変化させた際の、静的強度の変化を示すグラフである。
以下、本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の一実施形態について、図1〜図5を適宜参照しながら説明する。なお、本実施形態は、本発明の溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り本発明を限定するものではない。
本発明の溶接ナット部55を有する自動車用構造部材(以下、単に自動車用構造部材と略称することがある)50は、図1(a)、(b)に示す例のように、溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板1にピアス孔11を設け、該ピアス孔11の中心11aと溶接ナット2のねじ孔22の中心22aとが概略一致した状態で、高強度鋼板1と溶接ナット2とを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々が接合されることで得られるものである。そして、上述の溶接ナット2は、図2(a)、(b)に示す例のように、高強度鋼板1との接合面2aに略半球状のプロジェクション部21が設けられており、且つ、高強度鋼板1において、溶接熱影響部13の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板1の板厚H2との関係が、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす構成を採用している。
本発明において説明するプロジェクション溶接とは、被溶接物の溶接箇所に大電流を流し、この溶接箇所に発生する抵抗熱によって加熱しながら圧力を加えて溶接を行う、所謂抵抗溶接法の一種である。具体的には、図2(a)、(b)に示す例のように、溶接ナット2の、高強度鋼板1と溶接される接合面2aに突起状のプロジェクション部21を設けるか、あるいは、母材側(高強度鋼板1)の溶接箇所にプロジェクションを設け、このプロジェクション部に電流を集中して流すことで、加熱すると同時に加圧を行って接合する方法である。また、プロジェクション溶接は、重ね合わせた被溶接物を電極の先端で挟持し、通電と同時に電極で加圧することで溶接を行う、所謂スポット溶接法の装置を用い、電極を変更して行うことができる。
プロジェクション溶接は、上述のように、被溶接物の何れかに設けられた突起状のプロジェクション部に集中して通電を行うため、例えば、高強度鋼板と溶接ナットの板厚方向寸法が異なる場合であっても、小電流の通電で電流密度を高くすることができる。これにより、母材(高強度鋼板1)中において確実に溶接部を形成させることができ、良好な溶接を行うことが可能となる。
[高強度鋼板]
以下に、本発明における被溶接物である高強度鋼板1の鋼板特性について詳しく説明する。
「成分組成」
本発明で用いられる高強度鋼板の成分組成としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下に説明するような組成とされた鋼板を採用することができる。
(C:炭素)0.01〜0.5%
Cは、鋼の強度を確保するために必要な元素であり、その下限を0.01%とした。また、Cは、広い冷却速度の条件範囲で焼き入れ性を確保する上で必須の成分であるため、0.05%以上で添加することがより好ましい。一方、Cを過剰に添加すると溶接性が低下する場合があることから、その上限を0.5%とした。また、C含有量の上限は、溶接性とのバランスを考慮し、0.3%とすることがより好ましい。
(Si:シリコン)0.01〜1.5%
Siは、鋼の強度確保や焼き入れ性確保のために、その含有量を0.01%以上とした。しかしながら、Siの過剰な添加は鋼板のコスト向上をもたらすことから、その上限を1.5%に制限した。なお、鋼板の表面に溶融亜鉛を施す場合、Siはめっき性を劣化させることから、その上限を0.2%に制限することが好ましい。
(Mn:マンガン)0.1〜4%
Mnは、鋼の強化効果や焼入れ性の向上効果が発現する最低添加量として、その下限を0.1%とする必要がある。一方、Mnの過剰な添加は、伸びに悪影響を及ぼすため、その上限を4%とした。
(Cr:クロム)0.01〜2%
Crの添加量の加減を0.01%としたのは、0.01%以上の添加で強度向上の効果や焼入れ性の向上効果が発現するためである。一方、Crの添加量の上限を2%としたのは、これを超える量でCrを添加すると、加工性・延性に悪影響を及ぼすためである。
(B:ボロン)0.0001〜0.01%
Bは、0.0001%以上の添加で焼入れ性の確保に有効であるものの、その添加量が0.01質量%を超えると、必要以上に鋼板強度が上昇して加工性が低下することから、その上限を0.01%とした。
(Ti:チタン)0.01〜0.3%
Tiは、鋼中で窒化物を形成することで、鋼中のBが窒化物を形成してBによる焼入れ性向上効果が低下するのを防止することができる。このような効果が発現するのは、Tを0.01%以上で添加した場合であるため、その下限を0.01%とした。一方、Tiを添加し過ぎると延性劣化をもたらすことから、その上限を0.3%とした。
(Al:アルミニウム)0.003〜1.5%
Alは、低Siの組成とする場合に、脱酸を目的として添加するものであり、その下限を0.003%とした。一方、Alの過剰な添加は、溶接性や溶融亜鉛めっき性を劣化させることから、その添加量の上限を1.5%とした。
本実施形態で用いられる高強度鋼板1は、上記必須成分に加え、強度のさらなる向上を目的として、さらに、強炭化物形成元素であるNb、V、Moの内の1種または2種以上を添加することができる。
(Nb:ニオブ)0.01〜0.05%
Nbは、微細な炭化物、窒化物又は炭窒化物を形成して、鋼板の強化に極めて有効であることから、必要に応じて0.01%以上を添加する。一方、Nbの過剰な添加は延性劣化をもたらすため、その上限を0.05%とした。
(V:バナジウム)0.001〜0.10%
Vは、少量の添加で焼入れ性を向上させる作用を有する元素であり、このような効果が発現する下限は0.001%である。一方、Vを過剰に添加すると溶接性が低下するため、その添加量を0.10%以下に制限した。
(Mo:モリブデン)0.05〜0.5%
Moは、0.05%以上の添加で鋼の強化効果や焼入れ性の向上効果が現れるため、これを下限とした。一方、Moの過剰な添加は延性劣化を伴うため、その添加量の上限を0.5%とした。
(Ca:カルシウム、Zr:ジルコニウム、REM:希土類元素)併せて0.0005〜0.01%
本実施形態においては、鋼板表面にめっき処理を施した場合、めっきの濡れ性を劣化させるSi系の内部粒界酸化相生成を抑制することを目的として、Ca、Zr、REM(希土類元素:原子番号57〜71)の内の1種又は2種以上を添加することができる。これにより、本実施形態では、鋼板中において、Si系の酸化物のような粒界酸化物が形成されるのではなく、比較的微細な酸化物を分散して形成させることができる。本実施形態においてCa、Zr、REMを添加する場合、これらの内の1種又は2種以上の元素を、併せて0.0005%以上添加することにより、上記効果が得られる。一方、これらの元素を過剰に添加することは、鋳造性や熱間加工性等の製造性、及び、鋼板製品の延性を低下させるため、その上限を0.01%に制限した。
「母材強度(引張強さ)」1100MPa以上
本発明の自動車用構造部材50においては、プロジェクション溶接を行う前の母材強度、即ち、溶接前の高強度鋼板1の引張強さを1100MPa以上に規定する。
鋼板の強度は、プロジェクション溶接後の自動車用構造部材50の遅れ破壊特性や、静的強度に対して大きな影響を及ぼす。本発明においては、まず、鋼板(母材)として、引張強さが1000MPa以上とされた高強度鋼板1を用いることで、プロジェクション溶接で得られる自動車用構造部材50の静的強度を高めている。一方、母材の強度を高めた場合には、一般に、接合部近傍の溶接熱影響部において遅れ破壊特性が低下し、構造部材を自動車に組み込んで走行した際に加わる応力や腐食等により、溶接熱影響部に遅れ破壊が発生することがある。
本発明においては、詳細を後述するが、高強度鋼板1に接合される溶接ナット2の接合面2aに略半球状のプロジェクション部21が設けられている。さらに、これとともに、高強度鋼板1の板厚H2と、プロジェクション溶接によって鋼板中に形成される溶接熱影響部13の板厚方向のサイズ(深さ寸法)H1とを、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす関係に規定している。これにより、プロジェクション溶接によって高強度鋼板1と溶接ナット2とを溶接して得られる自動車用構造部材50は、溶接熱影響部13における優れた遅れ破壊特性が得られるとともに、高い静的強度が得られる。
なお、高強度鋼板の引張強さが1100MPa未満では、そもそも、上述のような遅れ破壊特性が低下する問題は生じにくいという一方で、静的強度が低下するという問題があることから、本発明の適用対象外となる。
「鋼組織」
次に、本発明の自動車用構造部材50に用いられる高強度鋼板1の母材ミクロ組織について述べる。
自動車用構造部材を製造する際の熱間プレス工程においては、鋼板に焼き入れを施して高強度を達成するだけでなく、部品によっては、部分的に焼き入れを施さず、この部分を低強度・高延性とする必要がある。本発明者等は、上述のように焼き入れを施さない部分がある場合、即ち、母材まま、あるいは、組織変化の少ない熱処理を受けた部分がある場合に、この部分が高延性を発揮できる組織を見出した。具体的には、熱間プレス前の鋼のミクロ組織を、体積分率で50〜100%のフェライト相を含み、且つ、0〜50%のパーライトを含む組織とすることが好ましい。ここで、フェライト相は、加工性を確保するためには、下限を体積分率で50%とすることが好ましい。一方、パーライトは強度確保に有効であるため、フェライトと共存させるものの、過多にすると延性の低下が著しくなるため、その上限を50%とすることが好ましい。
なお、パーライトに替えて、強度確保のため、ベイナイトやマルテンサイトを共存させても良い。但し、ベイナイトやマルテンサイトが過多に存在すると延性の低下を招くことから、両組織の和を体積分率で50%以下とすることが好ましい。
「板厚」
本発明において用いられる高強度鋼板1の板厚H2は、特に限定されず、自動車用構造部材の分野で用いられる一般的な板厚、例えば、0.6〜6.0mm程度の板厚の高強度鋼板を用いることができる。また、板厚の増加とともに溶接熱影響部での応力集中も増加するので、高強度鋼板1の板厚H2は上記範囲であることが好ましい。
なお、本発明においては、詳細を後述するように、高強度鋼板1の板厚H2と、プロジェクション溶接によって鋼板中に形成される溶接熱影響部13の板厚方向のサイズ(深さ寸法)H1とを、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす関係に規定している。このため、高強度鋼板1の板厚H2は、プロジェクション溶接後の溶接熱影響部13の大きさも勘案しながら決定することが好ましい。
なお、プロジェクション溶接は抵抗溶接法なので、適切な溶接電流の範囲内で良好な溶接熱影響部13を形成させるためには、高強度鋼板1の板厚が所定以下であることが好ましく、具体的には上記上限であることが好ましい。一方、高強度鋼板の板厚が薄くなり過ぎると、接合部近傍に良好な溶接熱影響部を形成させても、母材自体が破断し、押し込み荷重が低レベルとなる他、部材の強度や剛性も担保できないので、上述のように、板厚の下限を0.6mmとすることが好ましい。
「めっき」
本発明において用いられる高強度鋼板1は、表面処理を施さずに、冷間圧延後の状態で母材として使用できるものであるが、必要に応じて、鋼板表面に、溶融亜鉛めっき、又は、合金化溶融亜鉛めっき等を施しても良い。また、めっきの表層に無機系、有機系の皮膜、例えば、潤滑皮膜等が設けられていても良い。また、これらのめっきの目付量についても、特に限定されず、プロジェクション溶接の障害とならない範囲で、適宜決定すれば良い。
高強度鋼板1の表面に上述のようなめっき処理を施すことにより、鋼板の耐食性を確保することができるとともに、熱間プレス時の酸化を防止できる効果が得られる。
なお、本発明の自動車用構造部材に用いられる高強度鋼板としては、例えば、特開2006−9116号公報に開示されたホットプレス鋼板や、特開2003−166035号公報に開示の裸高強度鋼板等を適用することが可能である。
[溶接ナット]
本発明の自動車用構造部材50は、図1(a)、(b)に示すように、高強度鋼板1にプロジェクション溶接されることで溶接ナット部55を構成する溶接ナット(ウェルドナット)2として、図2(a)、(b)に示すような、接合面2aに略半球状のプロジェクション部21が備えられたものを採用している。
本発明において用いられる溶接ナット(溶接ナット部)は、その概略形状や寸法がJIS B 1196に準拠するものである。また、本発明で用いられる溶接ナット2に備えられた突起部(プロジェクション部21)は、JIS B 1196に記載されたT型ナットに設けられている略半球状の突起形状を基本とするものである。
本発明において、溶接ナット2のプロジェクション部21に上記形状を採用した理由としては、一般的に用いられる溶接ナットの突起部には三角形の平坦面があり、溶接時に加圧した際、三角形の角部近傍において、片当たり現象等による当たりの強弱が発生することから、入熱がアンバランスとなり、ひいては大入熱部の残留応力が高レベルとなるため、全体では低入熱であっても、突起部周囲に遅れ破壊が発生してしまうことが挙げられる。本発明では、溶接ナット2に備えられるプロジェクション部21を略半球状で構成することにより、溶接時に加圧した際に、プロジェクション部21と高強度鋼板1との間で生じる当たりの強弱が緩和される作用が得られる。これにより、プロジェクション溶接時の応力集中作用や溶接電流の集中作用が抑制され、溶接入熱が均一となるので、溶接後の残留応力が低減され、遅れ破壊特性を向上させることが可能となる。
なお、溶接ナット2の接合面2aに設けられるプロジェクション部21の数(突起数)としては、3点とすることが好ましい。プロジェクション部21が、接合面2aに3点設けられていれば、溶接加圧の際に、プロジェクション部(突起部)21と高強度鋼板1との接触位置が3点となり、当たりの状態が面的に安定して定まるからである。接合面におけるプロジェクション部の数が2点だと、溶接加圧の際に、プロジェクション部と鋼板の当たりの状態が安定せず、また、4点以上では、当たりの弱いプロジェクション部が発生し、入熱のアンバランスが顕著となってしまうおそれがある。
なお、本発明においては、溶接ナット2の成分組成(鋼種)については特に制限されず、例えば、炭素鋼や合金鋼等、この分野で一般的に用いられているものと同成分のものを使用することができる。
また、本発明で用いる溶接ナット2の強度レベルとしても、特に制限されるものではなく、一般的な強度レベル、例えば、5T(490MPa相当)や、8T(785MPa相当)のものを好適に用いることができる。
またさらに、溶接ナット2は、ビッカース硬度Hvが320以下の材質からなることが好ましい。
[溶接熱影響部の深さH1と鋼板の板厚H2との関係]
本発明の自動車用構造部材50においては、高強度鋼板1における溶接熱影響部13の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板1の板厚H2との関係が次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす構成とされている。
ここで、本発明で規定する、高強度鋼板1における溶接熱影響部13の板厚方向の深さH1について、図1(a)、(b)を参照して説明する。ここで、図1(b)は、図1(a)に示す自動車用構造部材50におけるプロジェクション溶接箇所の拡大断面図である。図1(a)、(b)に示すように、まず、溶接ナット部55をねじ部の軸方向で見た時、略半球状の突起(プロジェクション部21)の中心を通り、且つ、ねじ部、即ちピアス孔11及びねじ孔22の軸に平行な平面で溶接ナット2及び高強度鋼板1を切断する。そして、この断面を観察した際、高強度鋼板1側の断面において、高強度鋼板1の表面1aから溶接熱影響部13の板厚方向下端までの長さを、溶接熱影響部13の深さH1とする。
上述のような、溶接熱影響部13の深さH1は、例えば、以下のような方法で測定することができる。
高強度鋼板1の溶接熱影響部13は、例えば、メタルフロー腐食液等を用いて出現させることが可能である。この際、溶接熱影響部13は、周囲の母材と比較して黒っぽい色に腐食されるため、光学顕微鏡や実体顕微鏡等の種々の手段を用いて判別することができるので、H1を容易に測定することが可能となる。また、この際、高強度鋼板1側と同時に溶接ナット2側も腐食されることになるが、溶接ナット2の溶接熱影響部(図示略)に関しては、特段に留意する必要は無い。これは、引張強さが980MPa級以下である一般的な溶接ナットの場合には、上述のような遅れ破壊が発生し難いからである。
本発明において、上記式により、H1/H2を0.05〜0.5の範囲に規定したのは、下記表1及び図4のグラフに示す実験結果のように、H1/H2が上記範囲である場合に、押込み荷重が5.9〜9.2(kN)の範囲と高い静的強度を示すとともに、遅れ破壊の発生が抑制されるためである。
Figure 2012082890
ここで、表1及び図5に示すように、H1/H2が0.05未満の場合、プロジェクション溶接時の入熱が小さ過ぎることから、押込み荷重が1.2(kN)程度となり、静的強度が不足する。また、H1/H2が0.5を超える場合には、後述の実施例の欄でより詳しく説明するが、プロジェクション溶接時の入熱が大き過ぎることから残留応力が増大し、遅れ破壊が発生する。
[製造方法]
以下に、上述したような本発明に係る、溶接ナット部を有する自動車用構造部材を製造する方法の一例について説明する。
本実施形態の自動車用構造部材50の製造方法は、溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板1にピアス孔11を形成し、該ピアス孔11の中心11aと溶接ナット2のねじ孔22の中心22aとを概略一致させた状態で、高強度鋼板1と溶接ナット2とを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々を接合する方法である。そして、溶接ナット2として、高強度鋼板1との接合面2aに略半球状のプロジェクション部21を形成したものを用い、且つ、プロジェクション溶接による通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)の各々の関係が、次式{It/P=0.07〜0.4}を満たす条件で溶接する方法を採用している。
本発明において、上記式により、It/Pを0.07〜0.4の範囲に規定したのは、下記表2及び図5のグラフに示す実験結果のように、It/Pが上記範囲である場合に、押込み荷重が5.9〜9.2(kN)の範囲と高い静的強度を示すとともに、遅れ破壊の発生が抑制されるためである。ここで、通電加熱時の電流I(kA)は、電極(図3に示すプロジェクション溶接機80の上部電極81を参照)に印加される電流であり、また、通電時間t(s)は、電流I(kA)で溶接通電する際の時間、加圧力P(kN)は、電極を溶接ナット2に押し付ける際の圧力である。
Figure 2012082890
ここで、表2及び図5に示すように、It/Pが4.0未満だと、プロジェクション溶接時の入熱が小さ過ぎることから、押込み荷重が1.2(kN)程度となり、静的強度が不足する。また、It/Pが20を超える場合には、後述の実施例の欄で詳しく説明するが、プロジェクション溶接時の入熱が大き過ぎることから残留応力が増大し、遅れ破壊が発生する。また、It/Pが20を超えると、プロジェクション溶接時の溶接散りの発生が過大になり、溶接品質の低下を招く場合がある。
本発明の製造方法では、上記条件で、高強度鋼板1と、略半球状のプロジェクション部21が接合面2aに設けられた溶接ナット2とを加圧しながらプロジェクション溶接を行うことにより、溶接入熱を均一、且つ、適正に制御することが可能となる。これにより、プロジェクション溶接によって高強度鋼板1と溶接ナット2とが接合部12で接合される際に形成され、高強度鋼板1において接合部12の近傍に形成される溶接熱影響部13のサイズや形状を適正に制御できる。具体的には、上記したような、溶接熱影響部13の鋼板板厚方向の深さH1と、高強度鋼板1の板厚H2との関係を、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす範囲で制御しながら、溶接熱影響部13を形成させることが可能となる。
なお、本発明の自動車用構造部材を製造する際の、その他の溶接条件としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
まず、プロジェクション溶接に使用する溶接機としては、例えば、従来公知の定置式ダイレクト通電方式で、電流が交流インバータ式である装置を使用することができる。また、溶接機に備えられる電極としては、例えば、溶接ナットと鋼板との溶接に一般的に用いられる、クロム銅合金等からなる、溶接ナットプロジェクション溶接用電極を採用することができる。
ここで、上述のような溶接機として、一般的なプロジェクション溶接機の一例を図3に示す。図3は、高強度鋼板1と溶接ナット2とを、プロジェクション溶接機80を用いて溶接する状態を説明する図であり、このプロジェクション溶接機80は、上部電極81、下部電極(固定電極)82、位置決めピン85を備えて概略構成される。
以下に、自動車用構造部材50を製造する手順について、図3に示すプロジェクション溶接機80を用いて高強度鋼板1と溶接ナット2とを溶接する場合を例に挙げて説明する。
まず、自動車用構造部材50を製造するにあたっては、プロジェクション溶接を行う前に、高強度鋼板1において溶接ナット部55が形成される位置にピアス孔11を形成する。この際、高強度鋼板1として、例えば、板厚が0.6mm以上6、0mm以下のものを用い、従来公知の加工方法を用いて、ピアス孔11を形成する。
また、高強度鋼板1の表面1aには、必要に応じて、予め、溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき等を、溶接の障害とならない程度の目付け量で施すことができる。またさらに、めっきの表層には、無機系、有機系の皮膜等を形成しておいても良い。
また、JIS B1196に準拠し、接合面2aに略半球状のプロジェクション部21を形成した溶接ナット2を準備する。
次に、図3に示すプロジェクション溶接機80に備えられる下部電極82上に高強度鋼板1をセットする。この際、位置決めピン85を、高強度鋼板1に設けられるピアス孔11を挿入することで、高強度鋼板1の位置決めを行う。
次に、溶接ナット2を、ねじ孔22に位置決めピン85を挿入して位置合わせしながら、高強度鋼板1上にセットする。これにより、高強度鋼板1に形成されたピアス孔11の中心11aと、溶接ナット2のねじ孔22の中心22aとが概略一致した状態でセットすることができる。また、この際、溶接ナット2の接合面2aに設けられた略半球状のプロジェクション部21が高強度鋼板1の表面1aと接触するようにセットする。
次に、重ね合わせられた高強度鋼板1と溶接ナット2とを、上部電極81と下部電極82との間に挟み、加圧することで、高強度鋼板1と溶接ナット2とを加圧しながら通電加熱を行う。これにより、高強度鋼板1と溶接ナット2(プロジェクション部21)との間が、プロジェクション溶接によって接合部12で接合される。このような概略手順により、図1(a)に示すような、溶接ナット部55を有する自動車用構造部材50を製造することができる。
従来、高強度鋼板と溶接ナットとをプロジェクション溶接する場合には、電極で溶接ナットの上部中心付近を押さえながら溶接するのが一般的であった。これに対し、本発明においては、図3に示すプロジェクション溶接機80を用いた場合のように、突起状のプロジェクション部21の直上部近傍を押さえる構成の上部電極81を用いることが好ましい。このような構成の上部電極81を備えるプロジェクション溶接機80を採用することにより、通電パス(電極間距離)の短縮を図ることができるとともに、上部電極81への熱伝導の促進により、接合部12近傍の温度上昇を抑制することができる。これにより、溶接熱影響部13における残留応力の低減が可能となる。
また、本発明においては、上記条件でプロジェクション溶接を行う際、初期加圧時間は、特に制限されるものではないが、生産性が低下しないように、60サイクル以下(60Hz)、あるいは、50サイクル以下(50Hz)とすることが好ましい。
また、溶接の際の保持時間としては、1〜60サイクル(60Hz)、あるいは、1〜50サイクル(50Hz)の範囲とすることが好ましい。保持時間が1サイクル未満では、静的強度を確保できない場合があり、また、60サイクル超(60Hz)あるいは50サイクル超(Hz)では、生産性を低下させてしまうことから上記範囲とした。
以上説明したように、本発明に係る溶接ナット部55を有する自動車用構造部材50によれば、上記構成の如く、プロジェクション溶接前の母材強度が1100MPa以上の高強度鋼板1を用いるとともに、高強度鋼板1との接合面2aに略半球状のプロジェクション部21が設けられた溶接ナット2を用い、さらに、高強度鋼板1における溶接熱影響部13の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板1の板厚H2との関係が次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす構成を採用している。これにより、プロジェクション溶接前の強度の高い高強度鋼板1を用いた場合であっても、優れた遅れ破壊特性と高い静的強度を両立することが可能となる。
また、本発明に係る自動車用構造部材50の製造方法によれば、プロジェクション溶接による通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)の各々の関係を、次式{It/P=0.07〜0.4}を満たす条件として溶接することにより、上述のような、優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を備える自動車用構造部材50を製造することが可能となる。
従って、例えば、フロントサイドメンバーやセンターピラー、ヒンジレインフォーメント等の自動車用構造部材に本発明を適用することにより、遅れ破壊特性及び静的強度の向上に伴う安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
以下、本発明に係る溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[鋼板サンプルの製造]
まず、下記表1の鋼種番号A1、A2に示すような化学成分組成を有する鋼を転炉で溶製し、常法に従って連続鋳造でスラブとした。そして、これらのスラブを、加熱炉中で1140℃〜1250℃の温度で加熱し、810℃〜880℃の仕上げ温度で熱間圧延を行い、600℃〜660℃にて巻き取り、高強度熱延鋼板とした。さらに、酸洗後に冷間圧延、焼鈍(焼鈍温度:720℃)を施し、高強度冷延鋼板(板厚:1.0mm及び2.3mm)とした。その後、鋼板表面に溶融亜鉛めっき(目付け量:90g/m)を施した。そして、この鋼板を用い、加熱炉にて950℃×5minの条件にて加熱を行うことで、ハット形状品の熱間プレスを実施し、部材強度1470MPaクラスの部材を採取した。この際に得られた部材は、幅100mm、長さ:300mm、高さ:60mmのハット形状であった(特開2006−9116号公報を参照)。
また、上記同様に、下記表1に示す鋼種番号Bのような化学成分組成を有する鋼を転炉で溶製し、常法に従って連続鋳造でスラブとした。そして、このスラブを、加熱炉中で1160℃〜1250℃の温度で加熱し、870℃〜900℃の仕上げ温度で熱間圧延を行い、650℃〜750℃にて巻き取った。これに続いて、酸洗後に冷間圧延を行い、次いで再結晶焼鈍を行った後、その後0.4%の調質圧延を施して、板厚が2.6mmの裸高強度鋼板とした(特開2003−166035号公報を参照)。
そして、上記手順で得られた鋼板から試験片を採取し、JIS Z 2201に従って引張強さ試験を行い、結果を下記表4に示した。
[プロジェクション溶接]
次に、上記手順で得られた高強度鋼板のサンプルを用いて、下記の条件でプロジェクション溶接を行ない、高強度鋼板に溶接ナットを溶接し、溶接後の遅れ破壊特性を調査するための供試材(溶接ナット部を有する構造部材)を作製した。この際、溶接ナットとして、JIS B 1196に準拠し、接合面に略半球状のプロジェクション部を備えたものを使用した。より具体的には、JIS B 1196規定による1B形・M8×1に類似した、強度区分8Tの溶接ナット(3個のプロジェクション部の突出距離が1mm)を用い、上記各種高強度鋼板(鋼種番号:A1、A2、B)とプロジェクション溶接を行った。
まず、高強度鋼板にピアス孔を形成した後、ピアス孔の中心と、溶接ナットのねじ孔の中心とを概ね一致させた状態とし、高強度鋼板と溶接ナットとを重ね合わせた状態で、加圧しながら通電加熱を行った。この際、通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)、並びにこれらの関係式である次式{It/P}を、下記表4に示す数値で変化させてプロジェクション溶接を実施した。このような手順により、図1(a)、(b)(図3も参照)に示すように、高強度鋼板と溶接ナットとをプロジェクション溶接によって接合し、溶接ナット部を有する構造部材の供試材を作製した。
また、プロジェクション溶接を行う際、溶接機として、定置式ダイレクト通電方式(交流インバータ)のものを用いた。また、溶接機に備えられる電極は、クロム銅合金等からなる、溶接ナットプロジェクション溶接用電極であった。また、この際の初期加圧時間は30サイクル/60Hzとし、保持時間は10サイクル/60Hzとした。
[評価方法]
上記手順で得られた、プロジェクション溶接後の供試材について、0.2Nの塩酸に100hrの時間で浸漬させることにより、遅れ破壊特性を評価した。この際、上記時間で浸漬した後、溶接部に割れが生じていない場合を「OK」とし、割れが生じた場合を「NG」として、結果を下記表4に示した。
また、プロジェクション溶接後の上記供試材について、JIS B 1196で規定された押込み剥離試験を行うことにより、静的強度特性を評価した。また、この際、H1/H2を変化させた場合の押込み加重(kN)について、上記した表2及び図4のグラフに示すとともに、It/Pを変化させた場合の押込み加重(kN)について、表2及び図5のグラフに示した。そして、押込み荷重(押込み剥離強度)が5.0kN以上である場合を「OK」とし、5.0kN未満を「NG」として、結果を下記表4に示した。
また、溶接熱影響部の深さH1について、上記したような、メタルフロー腐食液を用いて溶接熱影響部を出現させ、光学顕微鏡を用いて測定したうえで、高強度鋼板の板厚H2との関係(H1/H2)を下記表4に示した。
下記表3に、各鋼種の化学成分組成、板厚及びめっきの有無の一覧を示し、また、下記表4に、母材強度(引張強さ)、プロジェクション溶接条件(It/Pを含む)、H1/H2の一覧を示すとともに、遅れ破壊特性及び静的強度特性の評価結果の一覧を示す。
Figure 2012082890
Figure 2012082890
[評価結果]
表4に示す処理番号1、2、5〜8、11、12、14〜17、20、21は本発明例であり、また、処理番号3、4、9、10、13、18、19は比較例である(備考欄を参照)。
表4に示すように、本発明で規定するプロジェクション溶接条件で作製し、高強度鋼板の板厚H1と溶接熱影響部の板圧方向の深さH2との関係が本発明で規定する範囲とされた、本発明例のサンプルにおいては、遅れ破壊特性、並びに、静的強度特性の何れもが、全て「OK」の評価であり、これらの特性に優れていることが分かる。また、本発明例のサンプルが静的強度特性に優れている点については、上記した表2及び図4のグラフ、並びに、表2及び図5のグラフに示す結果からも明らかである。
これに対し、表4に示すように、本発明で規定する範囲外の条件でプロジェクション溶接行い、プロジェクション溶接後の高強度鋼板の板厚H1と溶接熱影響部の板圧方向の深さH2との関係が、本発明で規定する範囲外である比較例のサンプルは、遅れ破壊特性、又は、静的強度特性の何れかが「NG」の評価となった。
ここで、処理番号3の比較例のサンプルは、プロジェクション溶接条件の関係式である次式{It/P}が本発明で規定する下限未満であったため、H1/H2が本発明で規定する下限未満となり、静的強度特性が「NG」となった。
また、処理番号4の比較例では、次式{It/P}が本発明で規定する上限を超えているため、H1/H2が本発明で規定する上限超となり、遅れ破壊特性が「NG」となった。
また、処理番号9の比較例では、上記処理番号3と同様、次式{It/P}が本発明で規定する下限未満であったため、H1/H2が本発明で規定する下限未満となり、静的強度特性が「NG」となった。
また、処理番号10の比較例では、上記処理番号4と同様、次式{It/P}が本発明で規定する上限を超えているため、H1/H2が本発明で規定する上限超となり、遅れ破壊特性が「NG」となった。
また、処理番号13では、次式{It/P}が極端に大き過ぎ、本発明で規定する上限を超えているため、次式{H1/H2=1}、即ち、高強度鋼板の板厚方向全体で溶接熱影響部が形成され、遅れ破壊特性が「NG」となった。
また、処理番号18の比較例では、上記処理番号3、9と同様、次式{It/P}が本発明で規定する下限未満であったため、H1/H2が本発明で規定する下限未満となり、静的強度特性が「NG」となった。
また、処理番号19の比較例では、上記処理番号4、10と同様、次式{It/P}が本発明で規定する上限を超えているため、H1/H2が本発明で規定する上限超となり、遅れ破壊特性が「NG」となった。
ここで、上記した表1及び図4のグラフに示すように、H1/H2を変化させた場合の押込み加重(kN)は、H1/H2の数値が大きくなるほど高くなる傾向を示す一方、表4に示すように、遅れ破壊特性が低下することがわかる(処理番号10、13)。
また、表2及び図5のグラフに示すように、It/Pを変化させた場合の押込み加重(kN)は、It/Pの数値が大きくなるほど高くなる傾向を示す一方、表4に示すように、遅れ破壊特性が低下することがわかる(処理番号10、13)。
このように、プロジェクション溶接条件を適正化し、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たす条件でプロジェクション溶接を行うことにより、溶接後のサンプルにおいて、H1/H2が本発明の規定範囲に制御され、遅れ破壊特性及び静的強度特性を両立可能であることがわかる。
上記実施例の結果より、本発明の溶接ナット部を有する自動車用構造部材及びその製造方法が、優れた遅れ破壊特性及び高い静的強度を両立可能であることが明らかである。
本発明によれば、例えば、フロントサイドメンバーやセンターピラー、ヒンジレインフォーメント等の自動車用構造部材に本発明を適用することにより、遅れ破壊特性及び静的強度の向上に伴う安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
1…高強度鋼板、
11…ピアス孔、
11a…中心(ピアス孔)、
12…接合部、
13…溶接熱影響部、
2…溶接ナット、
2a…接合面、
21…プロジェクション部、
22…ねじ孔、
22a…中心(ねじ孔)、
50…溶接ナット部を有する自動車用構造部材(自動車用構造部材)、
55…溶接ナット部、
80…プロジェクション溶接機、
81…上部電極、
82…下部電極(固定電極)、
84…位置決めピン、
H1…高強度鋼板における溶接熱影響部の板厚方向の深さ、
H2…高強度鋼板の板厚、

Claims (4)

  1. 溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板にピアス孔を設け、該ピアス孔の中心と溶接ナットのねじ孔の中心とが概略一致した状態で、前記高強度鋼板と前記溶接ナットとを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々が接合されることで得られる、溶接ナット部を有する自動車用構造部材であって、
    前記溶接ナットは、前記高強度鋼板との接合面に略半球状のプロジェクション部が設けられており、且つ、前記高強度鋼板における溶接熱影響部の板厚方向の深さH1と、高強度鋼板の板厚H2との関係が、次式{H1/H2=0.05〜0.5}を満たすことを特徴とする、溶接ナット部を有する自動車用構造部材。
  2. 前記高強度鋼板の板厚が0.6〜6.0mmの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の溶接ナット部を有する自動車用構造部材。
  3. 溶接前の引張強さが1100MPa以上の高強度鋼板にピアス孔を形成し、該ピアス孔の中心と溶接ナットのねじ孔の中心とを概略一致させた状態で、前記高強度鋼板と前記溶接ナットとを加圧しながら通電加熱を行うプロジェクション溶接によって各々を接合する、溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法であって、
    前記溶接ナットとして、前記高強度鋼板との接合面に略半球状のプロジェクション部を形成したものを用い、且つ、プロジェクション溶接による通電加熱時の電流I(kA)、通電時間t(s)、加圧力P(kN)の各々の関係が、次式{It/P=0.07〜0.4}を満たす条件で溶接することを特徴とする、溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法。
  4. 前記高強度鋼板の板厚を0.6〜6.0mmの範囲とすることを特徴とする、請求項3に記載の溶接ナット部を有する自動車用構造部材の製造方法。
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