JP2012082853A - 自動変速機の変速ショック軽減装置 - Google Patents

自動変速機の変速ショック軽減装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクフェーズでのトルク低下ショックを変速機入力トルクの増大により軽減するに際し、トルクフェーズの開始を変速機入力トルクの増大に調時させる。
【解決手段】変速開始時t1より、解放側クラッチH&LR/Cを作動圧指令値Po_oに追従する実圧Poの低下で解放させ、締結側クラッチD/Cを作動圧指令値Pc_o(実線)に追従する実圧Pc(破線)の上昇で締結させる。H&LR/CおよびD/Cの掛け替えによる1→2アップシフト時のトルクフェーズで生ずるトルク低下をt3におけるモータトルクTmの増大で相殺して変速機出力トルクToを実線t1での値To1に保ち、変速ショックを軽減する。Pcがα1またはα2のようにずれてToがβ1またはβ2になるとき、Pc_oのプリチャージ圧をγ1またはγ2に補正し、α1またはα2が破線特性になるようにし、D/Cの締結開始をモータトルクTmの増大タイミングt3に一致させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、変速摩擦要素の選択的な締結により回転メンバ間を結合させて対応変速段への変速が可能な自動変速機の変速ショック軽減装置、特に、変速中におけるトルクフェーズでのトルク変動を、自動変速機への入力トルクの増大により抑制するようにした自動変速機の変速ショック軽減装置に関するものである。
上記のような自動変速機においては、変速摩擦要素の締結・解放切り替えにより、選択中の変速段から対応する変速段への変速が行われる。
この変速中における変速摩擦要素の締結・解放切り替えに際し、締結状態から解放状態に切り替えるべき解放側変速摩擦要素と、解放状態から締結状態に切り替えるべき締結側変速摩擦要素とが共に解放されている時間が存在すると、変速機入力回転の空吹けを生ずる。
そこで、解放側変速摩擦要素が締結容量を0にされる前に締結側変速摩擦要素が締結容量を持ち始めるよう、これら変速摩擦要素を締結・解放切り替えする。
そのため、解放側変速摩擦要素および締結側変速摩擦要素が共に締結容量を持つ、所謂オーバーラップ期間が存在し、この間、変速機出力トルクが一時的なインターロック傾向により引き込まれて低下する。
かかるトルクフェーズでのトルク低下は、車両を減速させるような変速ショックを惹起する。
かかる変速中におけるトルクフェーズでのトルク低下を防止する変速ショック軽減装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
この提案技術は、トルクフェーズでのトルク低下に調時して自動変速機への入力トルクを増大させ、かかる変速機入力トルクの増大により上記のトルク低下を相殺して、変速機出力トルクを一定に保ち、変速ショックを抑制しようとするものである。
特開平05−319144号公報
しかし、自動変速機の締結側変速摩擦要素が変速に際し、ロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、変速ショックの原因である上記のトルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)は、個体差によるバラツキとか、変速摩擦要素の経時変化により様々に異なる。
そのため、トルクフェーズでのトルク低下を相殺すべく行われる変速機入力トルクの増大が当該トルクフェーズでのトルク低下に調時することは希である。
締結側変速摩擦要素がロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が遅くなったことで、変速ショック軽減用の変速機入力トルクの増大がトルクフェーズでのトルク低下に対し早すぎることになった場合、
変速機出力トルクを変速開始時の変速機出力トルクよりも増大方向へ変化させる傾向となり、この変化が変速ショックを発生させる。
締結側変速摩擦要素がロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が早くなったことで、変速ショック軽減用の変速機入力トルクの増大がトルクフェーズでのトルク低下に対し遅れることになった場合、
変速機出力トルクを変速開始時の変速機出力トルクよりも低下方向へ変化させる傾向となり、この変化が変速ショックを発生させる。
本発明は、変速摩擦要素が締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が個体差によるバラツキとか、変速摩擦要素の経時変化により異なる場合でも、変速ショック軽減用の変速機入力トルクの増大が絶えず、トルクフェーズ(トルク低下)開始タイミングに調時して行われることとなるよう、変速摩擦要素の動作速度を補正して、上記の問題を解消し得るようにした自動変速機の変速ショック軽減装置を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明による自動変速機の変速ショック軽減装置は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず前提となる自動変速機の変速ショック軽減装置を説明するに、これは、
変速摩擦要素の選択的な締結により回転メンバ間を結合させて対応変速段への変速が可能な自動変速機に用いられ、
該変速中におけるトルクフェーズでのトルク変動を、自動変速機への入力トルクの増大により抑制するようにしたものである。
本発明は、かかる自動変速機の変速ショック軽減装置に対し、以下のような変速機出力トルク変化物理量検出手段および変速摩擦要素動作速度補正手段を設けた構成に特徴づけられる。
前者の変速機出力トルク変化物理量検出手段は、上記変速の指令時からトルクフェーズ終了時までの間における自動変速機の出力トルク変化に関した物理量を検出するものである。
また後者の変速摩擦要素動作速度補正手段は、変速機出力トルク変化物理量検出手段で検出した変速機出力トルク変化物理量が設定値以上の変速機出力トルク変化を示すものであるとき、該変速機出力トルク変化物理量が上記設定値未満の変速機出力トルク変化を示すものとなるよう、上記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度を補正するものである。
上記した本発明による自動変速機の変速ショック軽減装置によれば、
変速の指令時からトルクフェーズ終了時までの間における変速機出力トルク変化に関した物理量が設定値以上の変速機出力トルク変化を示すものであるとき、該変速機出力トルク変化物理量が上記設定値未満の変速機出力トルク変化を示すものとなるよう、締結すべき変速摩擦要素の動作速度を補正するため、
変速の指令時からトルクフェーズ終了時までの間における変速機出力トルク変化を上記設定値未満に保つことができる。
かように変速機出力トルク変化が上記設定値未満に保たれるよう、締結すべき変速摩擦要素の動作速度を補正するということは、
この変速摩擦要素が締結容量を持ち始めてトルクフェーズが開始される(変速ショックの原因であるトルク低下が開始される)タイミングを、個体差や経時変化によっても絶えず、変速ショック軽減用の変速機入力トルクの増大に調時させることを意味し、
この調時がずれて大きな変速機出力トルク変化、つまり変速ショックが発生するのを防止することができる。
しかも本発明においては、変速ショック軽減用の変速機入力トルクの増大タイミングを操作して上記の調時を実現するのではなく、締結すべき変速摩擦要素の動作速度の補正により上記の調時を実現するため、以下の効果が奏し得られる。
つまり、変速機入力トルクの増大タイミングを操作して上記の調時を実現するのでは、同じ変速条件の時しか上記の効果を得ることができないし、変速条件が異なる場合において上記の効果を得ようとしても、精度が実用に耐えないほど低いし、演算が複雑になって実際的でない。
しかし本発明のごとく、締結すべき変速摩擦要素の動作速度を補正することにより上記の調時を実現する場合、変速条件が異なる場合においても同じ補正により同じ効果を得ることができ、コスト的にも実用上も有利である。
本発明の一実施例になる自動変速機の変速ショック軽減装置を内蔵するハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す略線図である。 図1における自動変速機の選択変速段と、変速摩擦要素の締結・解放との組み合わせ示す締結論理図である。 図1における変速ショック軽減装置が変速ショック軽減用に行う変速摩擦要素の動作速度補正制御プログラムを示すフローチャートである。 図3の制御プログラムにおける車両振動判定処理のプログラムを示すフローチャートである。 図3による変速摩擦要素の動作速度補正制御を示す動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる自動変速機の変速ショック軽減装置を内蔵するハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系とともに示し、1はエンジン、2は自動変速機、3はモータ/ジェネレータである。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機2をタンデムに配置し、エンジン1(詳しくはクランクシャフト1a)からの回転を自動変速機2の入力軸4へ伝達する軸5に結合してモータ/ジェネレータ3を設ける。
モータ/ジェネレータ3は、ハウジング内に固設した環状のステータ3aと、このステータ3a内に所定のエアギャップを持たせて同心に配置したロータ3bとよりなり、運転状態の要求に応じ、電動モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機2間に配置する。
モータ/ジェネレータ3は、ロータ3bの中心に上記の軸5を貫通して結着し、この軸5をモータ/ジェネレータ軸として利用する。
かかるモータ/ジェネレータ3およびエンジン1間、詳しくは、モータ/ジェネレータ軸5とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチCL1を介挿し、この第1クラッチCL1によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ3間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチCL1は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ3および自動変速機2間は、モータ/ジェネレータ軸5と変速機入力軸4との直接結合により相互に直結させる。
自動変速機2は、その変速機構部分が周知の遊星歯車式自動変速機と同様なものであるが、これからトルクコンバータを排除して、その代わりにモータ/ジェネレータ3を変速機入力軸4に直接結合したものとする。
自動変速機2を以下に概略説明する。
自動変速機2は、入力軸4に同軸突き合わせ関係に配置した出力軸7を具え、これら入出力軸4,7上にエンジン1(モータ/ジェネレータ3)の側から順次フロントプラネタリギヤ組Gf、センタープラネタリギヤ組Gm、およびリヤプラネタリギヤ組Grを載置して具え、これらを自動変速機2における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ3)に最も近いフロントプラネタリギヤ組Gfは、フロントサンギヤSf 、フロントリングギヤRf 、これらに噛合するフロントピニオンPf 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCf よりなる単純遊星歯車組とする。
次にエンジン1(モータ/ジェネレータ3)に近いセンタープラネタリギヤ組Gmは、センターサンギヤSm 、センターリングギヤRm 、これらに噛合するセンターピニオンPm 、および該センターピニオンを回転自在に支持するセンターキャリアCm よりなる単純遊星歯車組とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ3)から最も遠いリヤプラネタリギヤ組Grは、リヤサンギヤSr 、リヤリングギヤRr 、これらに噛合するリヤピニオンPr 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCr よりなる単純遊星歯車組とする。
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する変速摩擦要素としては、フロントブレーキFr/B、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、ダイレクトクラッチD/C、リバースブレーキR/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを設け、これらを以下のごとくプラネタリギヤ組Gf,Gm,Grの上記構成要素に相関させて自動変速機2の遊星歯車変速機構を構成する。
フロントリングギヤRfは入力軸4に結合し、センターリングギヤRmは、インプットクラッチI/Cにより適宜入力軸4に結合可能とする。
フロントサンギヤSfは、フロントブレーキFr/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能にする。
フロントキャリアCfおよびリヤリングギヤRrを相互に結合し、センターリングギヤRmおよびリヤキャリアCrを相互に結合する。
センターキャリアCmは出力軸7に結合し、センターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSr間は、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cにより相互に結合可能とする。
リヤサンギヤSrおよびリヤキャリアCr間をダイレクトクラッチD/Cにより結合可能とし、リヤキャリアCrをリバースブレーキR/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能とする。
センターサンギヤSmは更に、フォワードブレーキFWD/Bにより変速機ケース2aに適宜固定可能にする。
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bの図2に〇印で示す選択的締結により、前進第1速、前進第2速、前進第3速、前進第4速、および前進第5速の前進変速段と、後退変速段とを得ることができる。
なお、上記したエンジン1、モータ/ジェネレータ3および自動変速機2より成る図1のパワートレーンを具えたハイブリッド車両は、モータ/ジェネレータ3と、変速機出力軸7に結合した駆動車輪との間を切り離し可能に結合する第2クラッチが必要であるが、
本実施例においてはこの第2クラッチを自動変速機2の前、若しくは、後に追加して新設する構成を採用せず、
この代わりに、自動変速機2内に既存する前記した6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうち、後述のごとくに選択した変速摩擦要素を第2クラッチとして流用する。
以下、図1につき上述したパワートレーンの選択モードごとの機能を説明する。
図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチCL1を解放し、自動変速機2を所定変速段が選択された動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ3を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ3からの出力回転のみが変速機入力軸4に達することとなり、自動変速機2が当該入力軸4への回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸7より出力する。
変速機出力軸4からの回転はその後、図示せざるディファレンシャルギヤ装置を経て左右駆動輪に至り、車両をモータ/ジェネレータ3のみによって電気走行(EV走行)させることができる。(EVモード)
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行モード(HEVモード)が要求される場合、第1クラッチCL1を締結すると共に、自動変速機2を所定変速段が選択された動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ3からの出力回転の双方が変速機入力軸4に達することとなり、自動変速機2が当該入力軸4への回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸7より出力する。
変速機出力軸7からの回転はその後、図示せざるディファレンシャルギヤ装置を経て左右駆動輪に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ3の双方によってハイブリッド走行させることができる。(HEVモード)
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ3を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ3のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
ここで、自動変速機2内における6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうち、どの変速摩擦要素を第2クラッチとして流用するのかを以下に説明する。
第2クラッチは、エンジン始動に際して始動ショック軽減用に伝達トルク容量を低下制御(スリップ制御)する必要があり、また、エンジン始動要求がエンジン負荷増大時のEVモード→HEVモード切り替えに伴って発生するため、エンジン負荷の増大に呼応した自動変速機のダウンシフトを生ずることがあり、
従って、当該ダウンシフトの有無、および、エンジン負荷を代表する運転者のアクセル操作との関連において、変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうちの何れを第2クラッチとして流用するかを決定する。
つまり、EVモード→HEVモード切り替え時(エンジン始動時)に自動変速機2のダウンシフトが要求される場合、若しくは、該ダウンシフト要求が発生するであろうアクセル操作が行われた場合は、該ダウンシフト時に締結状態から解放状態へ切り替えるべき解放側変速摩擦要素がダウンシフト中に伝達トルク容量を低下されることから、この解放側変速摩擦要素を第2クラッチとして流用し、
かかる解放側変速摩擦要素(第2クラッチ)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
エンジン始動時に自動変速機2のダウンシフトが要求されない場合、若しくは、該ダウンシフト要求が発生する可能性のないアクセル操作が行われた場合は、現在の変速段を選択するための変速摩擦要素(変速段ごとに図2に○で示した変速摩擦要素)のうち、最も入力トルク変動遮断効果の高い変速摩擦要素を第2クラッチとして流用し、
かかる解放側変速摩擦要素(第2クラッチ)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
これがため、自動変速機2内における各変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bの入力トルク変動遮断率(変速摩擦要素の伝達トルク容量低下制御によるスリップで変速機入力トルク変動を遮断可能な割合)を変速段ごとに予め求めておき、現在の変速段を選択するための変速摩擦要素のうち、入力トルク変動遮断率が最も高い変速摩擦要素を第2クラッチとして流用し、
かかる入力トルク変動遮断率の最も高い変速摩擦要素(第2クラッチ)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
ちなみに、第2クラッチとして用いる自動変速機2内に既存の変速摩擦要素はもともと、第1クラッチCL1と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものである。
次に、上記ハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ3、第1クラッチCL1、および、上記のように選択して流用する自動変速機2内の第2クラッチ(以下、符号CL2を付す)の制御システムを、図1に基づき概略説明する。
この制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ11を具え、該パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmと、第1クラッチCL1の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
統合コントローラ11には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、
モータ/ジェネレータ3の回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ13からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ14からの信号と、
変速機出力回転数No(車速)を検出する出力回転センサ15からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ16からの信号と、
モータ/ジェネレータ3用の電力を蓄電しておくバッテリ(図示せず)の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ17からの信号とを入力する。
統合コントローラ11は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1、および第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、このエンジンコントローラ21は、センサ12で検出したエンジン回転数Neと目標エンジントルクtTeとから、エンジン回転数Neのもとで目標エンジントルクtTeを実現するためのスロットル開度制御や燃料噴射量制御などにより、エンジントルクが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御する。
目標モータ/ジェネレータトルクtTmはモータ/ジェネレータコントローラ22に供給され、このモータ/ジェネレータコントローラ22は、バッテリの電力をインバータ(図示せず)により直流−交流変換して、また当該インバータによる制御下でモータ/ジェネレータ3のステータ3aに供給し、モータ/ジェネレータトルクが目標モータ/ジェネレータトルクtTmに一致するようモータ/ジェネレータを制御する。
なお目標モータ/ジェネレータトルクtTmが、モータ/ジェネレータ3に回生ブレーキ作用を要求するようなものである場合、モータ/ジェネレータコントローラ22はインバータを介し、センサ17で検出したバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)との関連においてバッテリが過充電とならないような発電負荷をモータ/ジェネレータ3に与え、
モータ/ジェネレータ3が回生ブレーキ作用により発電した電力を交流−直流変換してバッテリに充電する。
第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1は第1クラッチコントローラ23に供給され、この第1クラッチコントローラ23は、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1に対応した第1クラッチ締結圧指令値と、第1クラッチCL1の実締結圧との対比により、第1クラッチCL1の実締結圧が第1クラッチ締結圧指令値となるよう第1クラッチCL1の締結圧を制御して、第1クラッチ3の伝達トルク容量を目標値tTc1となす制御を実行する。
第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2は変速機コントローラ24に供給され、この変速機コントローラ24は、第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2に対応した第2クラッチ締結圧指令値と、第2クラッチCL2の実締結圧との対比により、第2クラッチCL2の実締結圧Pc2が第2クラッチ締結圧指令値tTc2となるよう第2クラッチCL2の締結圧を制御して、第2クラッチCL2の伝達トルク容量を目標値tTc2となす制御を実行する。
なお変速機コントローラ24は基本的には、センサ15で検出した変速機出力回転数No(車速)およびセンサ16で検出したアクセル開度APOから予定の変速マップをもとに、現在の運転状態に好適な変速段を求め、この好適変速段が選択されるよう自動変速機2を自動変速させることを旨とするものである。
そして変速機コントローラ24は、この自動変速に際し後述のごとくに、本発明が狙いとする変速ショック軽減制御をも行うもので、そのため、変速機コントローラ24には、モータ/ジェネレータ3のモータトルクTmを検出するモータトルクセンサ18からの信号と、自動変速機2の出力トルクToを検出する変速機出力トルクセンサ19からの信号とを入力する。
<変速ショック対策>
図1における自動変速機2の変速ショック、および変速ショック対策を、図2に矢印で示すごとくハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの解放と、ダイレクトクラッチD/Cの締結とにより行う第1速から第2速へのアップシフト時につき、以下に説明する。
かかる1→2アップシフトは、解放側変速摩擦要素であるハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの締結状態から解放状態への切り替えと、締結側変速摩擦要素であるダイレクトクラッチD/Cの解放状態から締結状態への切り替えとにより行われる。
図5に基づき付言するに、瞬時t1での変速指令により変速が開始されると、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの作動圧指令値Po_oが変速指令時t1以降、図5のごとくに与えられ、これに追従するようハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの作動圧実際値Poが変速指令時t1以降、図5のごとくに低下制御され、かかるハイ・アンド・ローリバースクラッチ圧実際値Poの低下に応動して、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cが締結状態から解放状態へ状態切り替えされる。
かかるハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cの状態切り替えとの関連において、ダイレクトクラッチD/Cの作動圧指令値Pc_oが変速指令時t1以降、図5の実線で示すごとくに与えられ、これに追従するようダイレクトクラッチD/Cの作動圧実際値Pcが変速指令時t1以降、図5の破線で示すごとくに上昇制御され、かかるダイレクトクラッチ圧実際値Pcの上昇に応動して、ダイレクトクラッチD/Cが解放状態から締結状態へ状態切り替えされることで、1→2アップシフトを行わせることができる。
なおダイレクトクラッチD/Cは、変速指令時t1から瞬時t3までの間、ピストンストローク(ロスストローク)によりクラッチ隙間を詰めるよう動作するため、ダイレクトクラッチ圧実際値Pcをピストンリターンスプリング相当圧に保ち、瞬時t3にダイレクトクラッチ圧実際値Pcの図示する上昇により締結を開始されて締結容量を持ち始め、以後この締結容量をダイレクトクラッチ圧実際値Pcの上昇につれて増大され、完全締結状態になる。
ここで、ダイレクトクラッチ圧指令値Pc_oを図5に実線で示すごとく、変速指令時t1の直後に一時的にステップ状の高い初期指令油圧(所謂プリチャージ圧)にする理由は、上記した処から明らかなようにダイレクトクラッチD/Cの締結ショックに関与しないピストンストローク(ロスストローク)期間t1〜t3を短縮して、ダイレクトクラッチD/Cの解放状態から締結状態へ切り替え動作、つまり変速を速やかに完遂させるためである。
ところで上記変速中における変速摩擦要素の締結・解放切り替えに際し、締結状態から解放状態に切り替えるべきハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C(解放側変速摩擦要素)と、解放状態から締結状態に切り替えるべきダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)とが共に解放されている時間が存在すると、変速機入力回転の空吹けを生ずる。
この空吹けを防止するため図5に示すごとく、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C(解放側変速摩擦要素)が締結容量を0にされる前にダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)が締結容量を持ち始めるよう(図5では、ハイ・アンド・ローリバースクラッチ圧指令値Po_oの低下開始時にダイレクトクラッチ圧実際値Pcが上昇を開始するよう)、これら変速摩擦要素の締結・解放切り替え制御を遂行する。
そのため図5の瞬時t3の直後において、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C(解放側変速摩擦要素)およびダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)が共に締結容量を持つ、所謂オーバーラップ期間が存在し、この期間中に変速機出力トルクToが、図5では示さなかったが一時的なインターロック傾向により引き込まれて低下する。
かかるトルクフェーズでのトルク低下は、車両を減速させるような変速ショックを惹起する。
かかるトルクフェーズでのトルク低下を防止する変速ショック軽減対策のため、本実施例おいては、このトルク低下が開始される図5のトルクフェーズ開始瞬時t3からイナーシャフェーズ開始瞬時t5までの間、モータ/ジェネレータ3のモータ回転数Nmを不変に保って、そのモータトルクTmを例えば図5に示すごとくに増大させる。
かかるモータトルクTmの増大で、自動変速機2への入力トルクがその分だけ、トルク低下開始瞬時(トルクフェーズ開始瞬時)t3に調時して増大され、これにより上記トルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく一定に保ち、変速ショックを抑制することができる。
しかし、自動変速機2のダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)が1→2変速に際し、ロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、変速ショックの原因である上記トルク低下の開始タイミング(変速ショック発生タイミング)は、個体差によるバラツキとか経時変化により様々に異なる。
そのため、トルクフェーズでのトルク低下を相殺すべく図5の瞬時t3に開始されるモータトルクTmの増大が当該トルクフェーズでのトルク低下に調時することは希である。
前記したと同じダイレクトクラッチ圧指令値Pc_oによっても、ダイレクトクラッチ圧実際値Pcの上昇が図5に一点鎖線α1で示すように遅れた結果、ダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)がロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が図5の瞬時t4へと遅くなった場合、
図5の瞬時t3に開始される変速ショック軽減用のモータトルクTm(変速機入力トルク)の増大がトルクフェーズでのトルク低下タイミングt4に対し早すぎることとなって、変速機出力トルクToを図5に一点鎖線β1で示すごとく変速開始時t1の変速機出力トルクTo1よりも増大方向へ変化させ、この変速機出力トルク変化が変速ショックを発生させる。
前記したと同じダイレクトクラッチ圧指令値Pc_oによっても、ダイレクトクラッチ圧実際値Pcの上昇が図5に二点鎖線α2で示すように早まった結果、ダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)がロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が図5の瞬時t2まで早くなった場合、
図5の瞬時t3に開始される変速ショック軽減用のモータトルクTm(変速機入力トルク)の増大がトルクフェーズでのトルク低下タイミングt2に対し遅すぎることとなって、変速機出力トルクToを図5に二点鎖線β2で示すごとく変速開始時t1の変速機出力トルクTo1よりも低下方向へ変化させ、この変速機出力トルク変化が変速ショックを発生させる。
本実施例では、ダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)がロスストロークの終了により締結容量を持ち始めてトルクフェーズを開始し、トルク低下を開始するタイミング(変速ショック発生タイミング)が個体差によるバラツキとか経時変化により異なる場合においても、
変速ショック軽減用のモータトルクTm(変速機入力トルク)の増大が絶えず、トルクフェーズ(トルク低下)開始タイミングに調時して行われることとなるよう、ダイレクトクラッチD/C(締結側変速摩擦要素)の動作速度を補正して、上記の問題を解消するようになす。
本実施例においては、図1の変速機コントローラ24が図3の制御プログラムを実行して、締結側変速摩擦要素(上記ではダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御を以下のごとくに行うものとする。
ステップS11においては、変速開始判断がなされて変速指令が発せられたか否かを判定し、
次のステップS12において、この変速がアップシフトか否かをチェックし、
更にステップS13において、アクセルペダルの踏み込みによる正駆動状態か否かをチェックする。
ステップS11において変速開始判断時(変速指令時)でないと判定するときは勿論のこと、変速開始判断時(変速指令時)であっても、ステップS12およびステップS13において、この変速が正駆動状態でのアップシフト(つまり車速上昇に伴うオートアップシフト)でないと判定するときは、制御を元に戻して待機することにより締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行しない。
ステップS11〜ステップS13において、正駆動状態でのアップシフト(オートアップシフト)が指令されたと判定するとき、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可すべく、制御をステップS14へ進める。
かかる正駆動状態でのアップシフト(オートアップシフト)時に締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可する理由は、当該オートアップシフトの場合、図5に例示するモータトルクTmの増大によりトルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時の変速機出力トルクTo1に保持することができ、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能であるためである。
ステップS14においては、トルクフェーズ中にモータ/ジェネレータ3が出力可能な最大モータトルクTmmaxと、変速開始時t1のモータトルクTm1に変速前後ギヤ比段差Gr1を掛けて得られる変速前後モータトルク段差とを対比し、
Tm1×Gr1≦Tmmaxであるか否かにより、図5に例示するモータトルクTmの増大が可能で、これによりトルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時の変速機出力トルクTo1に保持することができるか否かを判定する。
ステップS14でTm1×Gr1>Tmmaxと判定するときは、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能でないことから、
制御を元に戻して待機することにより、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行せず、この制御が不適正に行われたり、無駄に行われることないようにする。
ステップS14でTm1×Gr1≦Tmmaxと判定するとき、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能であることから、
締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可すべく、制御をステップS15へ進める。
ステップS15においては、後で詳述する車両振動フラグVibFLAGを基に、VibFLAG=0(車両振動が小さい)か、VibFLAG=1(車両振動が大きい)かをチェックする。
ステップS15でVibFLAG=1(車両振動が大きい)と判定するときは、車両振動により締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能でないことから、
制御を元に戻して待機することにより締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行せず、この制御が不適正に行われたり、無駄に行われることないようにする。
ステップS15でVibFLAG=0(車両振動が小さい)と判定するときは、車両振動による影響を受けることなく、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能であることから、
締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可すべく、制御をステップS16へ進める。
ステップS16においては、変速中におけるアクセル開度APOの変動が、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現し得る許容範囲内の変動か否かをチェックする。
ステップS16で変速中のアクセル開度変動が許容範囲を超えていると判定するときは、大きなアクセル開度変動のため締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能でないことから、
制御を元に戻して待機することにより締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行せず、この制御が不適正に行われたり、無駄に行われることないようにする。
ステップS16で変速中のアクセル開度変動が許容範囲内の小さなものであると判定するときは、アクセル開度変動による影響を受けることなく、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能であることから、
制御をステップS17に進め、ここで締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可する。
この許可により、先ずステップS18において、変速開始(図5の瞬時t1)から設定時間T1が経過したか否かを判定し、かかる設定時間T1の経過時までは、ここで待機する。
設定時間T1が経過した後はステップS19において、時々刻々の変速機出力トルクToと、変速開始時t1における変速機出力トルクTo1との差(変速機出力トルク変化)の絶対値|To1−To|を求めると共に、この|To1−To|が設定値Tos1以上か否かにより、図5に一点鎖線β1または二点鎖線β2で示すような変速機出力トルクToの設定値Tos1を超えた増大変化または低下変化が発生しているか否かをチェックする。
従ってステップS19は、本発明における変速機出力トルク変化物理量検出手段に相当する。
なおステップS19における変速機出力トルク変化(To1−To)ついては、図1におけるトルクセンサ19の検出値Toを用いて、この変速機出力トルク変化(To1−To)を求めてもよいが、
本実施例においては、図1における回転センサ15で検出した時々刻々の変速機出力回転数Noと、変速開始時t1(図5参照)における変速機出力回転数No1と、変速機出力軸7から車輪駆動軸までの減速比ifと、タイヤ有効半径Rと、車両重量Mとを用いた、次式の演算により、つまり変速機出力回転数No(車速)の時間変化率から、変速機出力トルク変化(To1−To)を推定することとする。
To1−To={(d/dt)No1-(d/dt)No}×(2π・R2・M)÷(if2・60) ・・・(1)
なお、上式の演算により求めた変速機出力トルク変化(To1−To)は、変速機出力回転センサ15の計測誤差を内包しているため、適切なローパスフィルタによりフィルタ処理して、変速機出力トルク変化(To1−To)の推定精度を高めるのが肝要である。
ステップS19で、変速機出力トルクToの設定値Tos1を超えた増大変化(β1)または低下変化(β2)が発生していると判定する場合、締結側変速摩擦要素(図5ではダイレクトクラッチD/C)の締結開始タイミングが、例えば図5のα1またはα2で示すように、モータトルクTmの変速ショック軽減用増大タイミングt3から、瞬時t4またはt2へと大きくずれて、変速機出力トルクToの増大変化(β1)または低下変化(β2)による大きな変速ショックが発生する。
かかる変速ショック対策のため本実施例においては、ステップS21において、締結側変速摩擦要素(図5ではダイレクトクラッチD/C)に係わる作動圧指令値Pc_oの図5に例示したプリチャージ圧補正量ΔPcを、変速の種類(図5では1→2アップシフト)ごとに更新して学習する。
このプリチャージ圧補正量ΔPcは、図5に一点鎖線α1または二点鎖線α2で示す締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを破線で示す好適な経時変化となして、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するよう補正するためのものである。
従ってプリチャージ圧補正量ΔPcを求めるステップS21は、本発明における変速摩擦要素動作速度補正手段に相当する。
ステップS21における具体的な処理は、以下の通りである。
ステップS19における演算値(To1−To)が(To1−To)<−Tos1であれば、図5にβ1で示す変速機出力トルク増大変化が発生していることから、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcが同図に一点鎖線α1で示す経時変化を呈していると判断し、この一点鎖線α1で示す締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを、破線で示す好適な経時変化となして、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するようなプリチャージ圧補正量ΔPcを求めて、今までのプリチャージ圧補正量ΔPcと更新する。
逆にステップS19における演算値(To1−To)が(To1−To)>Tos1であれば、図5にβ2で示す変速機出力トルク低下変化が発生していることから、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcが同図に二点鎖線α2で示す経時変化を呈していると判断し、この二点点鎖線α2で示す締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを、破線で示す好適な経時変化となして、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するようなプリチャージ圧補正量ΔPcを求めて、今までのプリチャージ圧補正量ΔPcと更新する。
次のステップS22においては、図5に実線で例示した基準となる締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧指令値Pc_oを、プリチャージ圧に関し、ステップS21で求めたプリチャージ圧補正量ΔPcだけ補正して変更し、変更後の作動圧指令値Pc_oを図5にγ1またはγ2で示すように求める。
具体的には、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcが図5に一点鎖線α1で示す経時変化を呈しているとの判断時なら、図5に実線で例示した基準となる締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧指令値Pc_oを、プリチャージ圧に関し、ステップS21で求めたプリチャージ圧補正量ΔPcだけ補正して変更し、変更後の作動圧指令値Pc_oを図5にγ1で示すように求め、
これにより、α1で示す締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを、破線で示す好適な経時変化となして、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するよう速める。
また、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcが図5に二点鎖線α2で示す経時変化を呈しているとの判断時なら、図5に実線で例示した基準となる締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧指令値Pc_oを、プリチャージ圧に関し、ステップS21で求めたプリチャージ圧補正量ΔPcだけ補正して変更し、変更後の作動圧指令値Pc_oを図5にγ2で示すように求め、
これにより、α2で示す締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを、破線で示す好適な経時変化となして、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するよう遅くする。
図5にγ1またはγ2で示すようにプリチャージ圧を変更された作動圧指令値Pc_oは、次回の同じ変速(図5では1→2アップシフト)時に用いられ、この変速時に締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcを、個体差によるバラツキとか経時変化にかかわらず確実に、破線で示す好適な経時変化となし得て、
締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致するよう補正することができる。
上記した作動圧指令値Pc_oの学習制御による締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正によって、その締結開始タイミングが変速ショック軽減用モータトルク増大開始タイミングt3に一致することとなり、
図5に例示したような変速機出力トルクToの設定値Tos1を超えた増大変化(β1)または低下変化(β2)が発生するのを回避することができ、これらに起因した変速ショックを軽減、若しくは防止し得る。
これに呼応してステップS19が、変速機出力トルクToの設定値Tos1を超えた図5に示す増大変化(β1)または低下変化(β2)の発生を検知しなくなると、制御はステップS19からステップS23へと進み、このステップS23においてトルクフェーズが終了(イナーシャフェーズが開始)したか否かを、つまり図5の瞬時t5に至ったか否かを判定する。
ステップS23でトルクフェーズが未だ終了しておらず、トルクフェーズ中と判定する間、制御をステップS19に戻し、ステップS23でトルクフェーズ終了(イナーシャフェーズ開始)瞬時t5に至ったと判定するときに、図3のループから抜ける。
図4は、図3のステップS15においてチェックする車両振動フラグVibFLAGの設定プログラム(車両振動判定プログラム)を示す。
先ずステップS31において、今から所定時間T2前の変速機出力トルクToを読み込んで、これをTot2にセットする。
次のステップS32においては、所定時間T2前の変速機出力トルクTot2と、現在の変速機出力トルクToとの差分(変速機出力トルク変化)を演算し、その絶対値|To−Tot2|が車両振動大小判定値Tos2以上か否かを判定する。
ステップS32で|To−Tot2|≧Tos2と判定する場合、ステップS33において、車両振動が大きいことを示すように車両振動フラグVibFLAGを1にセットする。
次のステップS34おいては、この車両振動フラグVibFLAG=1の状態を所定時間T3だけ保持し、その後ステップS35において、車両振動フラグVibFLAGを0にリセットし、図4のループから抜ける。
一方、ステップS32で|To−Tot2|<Tos2と判定する場合、制御をステップS32に戻すことにより、ステップS35で行った車両振動フラグVibFLAG=0のリセット状態を保ち、この車両振動フラグVibFLAG=0により、車両振動が小さいことを表すようにする。
従って、車両振動フラグVibFLAGにより車両振動の大小判定を行うことができ、この車両振動フラグVibFLAGに基づく図3のステップS15での前記した車両振動大小チェックが可能である。
<実施例の効果>
上記した本実施例の変速ショック軽減装置によれば、
変速指令時t1からトルクフェーズ終了時t5までの間における変速機出力トルク変化|To1−To|が、図5にβ1,β2で示すように設定値Tos1以上となって変速ショックを発生させる場合(ステップS19)、
この変速機出力トルク変化|To1−To|が設定値Tos1未満になるよう、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧指令値Pc_oをプリチャージ圧に関し、γ1またはγ2へと学習制御により補正して、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の作動圧実際値Pcに係わる経時変化を、α1またはα2のようなものから図5に破線で示すような経時変化となすため(ステップS21およびステップS22)、以下の効果を得ることができる。
作動圧実際値Pcの経時変化を上記のごとく、図5に破線で示すようなものにすることで、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を、その締結開始が変速ショック軽減用モータトルク増大タイミングt3に一致するよう補正することとなり、
変速指令時t1からトルクフェーズ終了時t5までの間における変速機出力トルク変化|To1−To|を上記設定値Tos1未満に保つことができる。
かように変速機出力トルク変化|To1−To|が上記設定値Tos1未満に保たれるよう、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を補正するということは、
この変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)がロスストローク後の締結開始により締結容量を持ち始めてトルクフェーズが開始される(変速ショックの原因であるトルク低下が開始される)タイミングを、個体差や経時変化によっても絶えず、変速ショック軽減用モータトルク増大タイミングt3に調時させることを意味し、
この調時がずれて変速機出力トルク変化|To1−To|が大きくなり、これが原因で大きな変速ショックが発生するのを防止することができる。
しかも本実施例においては、変速ショック軽減用モータトルク増大タイミングt3を操作して上記の調時を実現するのではなく、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度の補正により上記の調時を実現するため、以下の効果を得ることができる。
つまり、変速ショック軽減用モータトルク増大タイミングt3を操作して上記の調時を実現するのでは、同じ変速条件の時しか上記の効果を得ることができないし、変速条件が異なる場合において上記の効果を得ようとしても、精度が実用に耐えないほど低いし、演算が複雑になって実際的でない。
しかし本実施例のごとく、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を補正することにより上記の調時を実現する場合、変速条件が異なる場合においても同じ補正により同じ効果を得ることができ、コスト的にも、また実用上も有利である。
更に、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度を補正するに際し、作動圧指令値Pc_oのプリチャージ圧を、その補正量ΔPcの学習制御により図5のγ1またはγ2へと補正して、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の上記した動作速度の補正を行うことにしたため、そしてプリチャージ圧が、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の締結開始までにおけるロスストロークを早期に完遂させるためのもので、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の締結ショックに何ら関与しないことから、
締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の締結ショックを何ら大きくすることなく、上記した効果を達成することができる。
また、図3のステップS12およびステップS13において、正駆動状態でのアップシフト(つまり車速上昇に伴うオートアップシフト)時にのみ、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の上記した動作速度補正制御を許可するようにしたため、以下の効果を得ることができる。
かかる正駆動状態でのアップシフト(オートアップシフト)時は、図5に例示するモータトルクTmの増大によりトルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時t1の変速機出力トルクTo1に保持することができ、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御による前記の効果を実現可能である。
しかし、モータトルクTmの増大によっても、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時t1の変速機出力トルクTo1に保持することができない変速の種類では、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御によっても、前記の効果を実現不能である。
ところで本実施例においては、このような変速の種類で締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御を行わないこととしたため、この制御が、本来の効果を得られないにもかかわらず、不適正に行われたり、無駄に行われてしまうのを避けることができる。
図5に例示するモータトルクTmの増大によりトルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時t1の変速機出力トルクTo1に保持することができ、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御による前記の効果を実現可能な変速の種類としては、
上記正駆動状態でのアップシフト(オートアップシフト)のほかに、逆駆動(エンジンブレーキ)状態でのダウンシフト(コーストダウンシフト)があり、かかるコーストダウンシフト時も、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御によって前記の効果を実現可能である。
この場合は、図3におけるステップS12でダウンシフトか否かをチェックし、ステップS13において逆駆動(エンジンブレーキ)状態か否かをチェックし、
これらステップで逆駆動(エンジンブレーキ)状態でのダウンシフト(コーストダウンシフト)と判定するとき、締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正制御を許可すべく制御をステップS14へ進め、逆駆動(エンジンブレーキ)状態でのダウンシフト(コーストダウンシフト)に非ずと判定するとき、制御を元に戻して待機することにより締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行せず、この制御が不適正に行われたり、無駄に行われることないようにする。
更にこの場合、ステップS16においては、変速中におけるブレーキペダル踏力の変動が、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現し得る許容範囲内の変動か否かをチェックすることとする。
このステップS16で変速中のブレーキペダル踏力変動が許容範囲を超えていると判定するときは、大きな制動力変動のため締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能でないことから、
制御を元に戻して待機することにより締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を実行せず、この制御が不適正に行われたり、無駄に行われることないようにする。
そしてステップS16で変速中のブレーキペダル踏力変動が許容範囲内の小さなものであると判定するときは、ブレーキペダル踏力変動による影響を受けることなく、締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御による前記の作用効果を実現可能であることから、
制御をステップS17に進め、ここで締結側変速摩擦要素の動作速度補正制御を許可する。
なお本実施例においては、図3のステップS19における変速機出力トルク変化|To1−To|を求めるに際し、図1における回転センサ15で検出される変速機出力回転数No(車速)を用いた前記(1)式の演算により、つまり変速機出力回転数No(車速)の時間変化率から推定するため、
自動変速機2にとって不可欠な既存の変速機出力回転センサ15の検出値を用いて変速機出力トルク変化|To1−To|を求めることができ、センサの追加が不要であってコスト上有利である。
更に本実施例においては、車両の振動が設定値未満(VibFLAG=0)である場合に限って(ステップS15)、前記した締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正を行うこととしたため、
締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正を行っても前記の作用効果を得られないほどに大きな車両振動が発生している間に、誤った締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の動作速度補正が行われるのを避けることができる。
<その他の実施例>
なお上記した実施例では、モータ/ジェネレータ(電動モータ)3を動力源の一部とするハイブリッド車両に搭載した自動変速機2の変速ショック軽減装置として構成したが、
本発明の変速ショック軽減装置は、電動モータのみを動力源とする電気自動車や、電動モータを搭載せずエンジンのみを動力源する車両の自動変速機に対しても同様の考え方により適用可能であること勿論である。
ただし、エンジンのみを動力源する車両の自動変速機に本発明の変速ショック軽減装置を用いる場合、トルク制御応答の低いエンジンのトルク増大によりトルクフェーズ時のトルクダウンを相殺することになるため、
トルク制御応答の高い電動モータのトルク増大によりトルクフェーズ時のトルクダウンを相殺することになるハイブリッド車両や電気自動車の自動変速機に本発明の変速ショック軽減装置を用いる方が有利である。
また前記したように、ステップS21およびステップS22で行う締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の学習制御による動作速度補正は、モータトルクTmの増大によりトルクフェーズでのトルク低下を相殺して、変速機出力トルクToを図5に実線で示すごとく変速開始時のTo1に保持することが可能な正駆動状態でのアップシフト(オートアップシフト)時および逆駆動(エンジンブレーキ)状態でのダウンシフト(コーストダウンシフト)時にのみ行うことが、誤学習防止のために必要であるものの、
ステップS21で更新した締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)のプリチャージ圧補正量ΔPc、およびステップS22で補正した作動圧指令値Pc_oのプリチャージ圧γ1またはγ2は、上記したオートアップシフトおよびコーストダウンシフト以外の変速のうち、同じ締結側変速摩擦要素(ダイレクトクラッチD/C)の締結により行われる変速時にも用いることができ、この変速時における変速ショックの軽減にも有用である。
1 エンジン
2 自動変速機
3 モータ/ジェネレータ(電動モータ)
4 変速機入力軸
CL1 第1クラッチ
7 変速機出力軸
Fr/B フロントブレーキ(変速摩擦要素)
I/C インプットクラッチ(変速摩擦要素)
H&LR/C ハイ・アンド・ローリバースクラッチ(変速摩擦要素)
D/C ダイレクトクラッチ(変速摩擦要素)
FWD/B フォワードブレーキ(変速摩擦要素)
11 統合コントローラ
12 エンジン回転センサ
13 モータ/ジェネレータ回転センサ
14 変速機入力回転センサ
15 変速機出力回転センサ
16 アクセル開度センサ
17 蓄電状態センサ
18 モータトルクセンサ
19 変速機出力トルクセンサ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
23 第1クラッチコントローラ
24 変速機コントローラ

Claims (11)

  1. 変速摩擦要素の選択的な締結により回転メンバ間を結合させて対応変速段への変速が可能な自動変速機に用いられ、
    該変速中におけるトルクフェーズでのトルク変動を、自動変速機への入力トルクの増大により抑制するようにした自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速の指令時から前記トルクフェーズの終了時までの間における自動変速機の出力トルク変化に関した物理量を検出する変速機出力トルク変化物理量検出手段と、
    該手段により検出した変速機出力トルク変化物理量が設定値以上の変速機出力トルク変化を示すものであるとき、該変速機出力トルク変化物理量が前記設定値未満の変速機出力トルク変化を示すものとなるよう、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度を補正する変速摩擦要素動作速度補正手段とを具備して成ることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記変速機出力トルク変化物理量が前記設定値以上の変速機出力トルクの増大を示すものであるとき、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度を速くするものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記変速機出力トルク変化物理量が前記設定値以上の変速機出力トルクの低下を示すものであるとき、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度を遅くするものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  4. 前記変速摩擦要素が油圧作動式のものであって、該変速摩擦要素の締結開始までのロスストローク速度を初期指令油圧の与え方により制御可能なものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記選択的に締結される変速摩擦要素の初期指令油圧を補正することにより、該変速摩擦要素の前記動作速度補正を行うものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記変速機入力トルクの増大によりトルクフェーズでのトルク変動を狙い通りに抑制し得る変速の種類である場合に限って、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度補正を行うものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速機出力トルク変化物理量検出手段は、前記変速機出力トルク変化に関した物理量として、車両加速度から求めた変速機出力トルク変化量を用いるものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  7. 請求項6に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速機出力トルク変化物理量検出手段は、変速機出力回転速度情報の時間変化率から前記車両加速度を求めるものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  8. 前記変速機出力トルク変化物理量検出手段が、前記変速機出力トルク変化に関した物理量として、前記車両加速度から求めた変速機出力トルク変化量を用いるものである、請求項6または7に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、車両の振動が設定値未満である場合に限って、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度補正を行うものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度に係わる補正情報を変速の種類ごとに学習値として記憶し、次回の同種の変速時に該学習値を用いた学習制御により、前記選択的に締結される変速摩擦要素の動作速度を補正するものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  10. 請求項9に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記変速摩擦要素動作速度補正手段は、前記変速機入力トルクの増大によりトルクフェーズでのトルク変動を狙い通りに抑制し得る変速の種類である場合に限って前記学習制御を実行し、これら以外の変速の種類のうち、前記学習制御の対象である変速摩擦要素と同じ変速摩擦要素の締結により行われる変速の種類においては、対応する記憶済学習値を用いて該変速摩擦要素の動作速度を補正するものであることを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
  11. 前記自動変速機が電動モータからのモータトルクを入力されるものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の自動変速機の変速ショック軽減装置において、
    前記トルクフェーズでのトルク変動を抑制するために行う前記変速機入力トルクの増大を、前記モータトルクの増大により遂行するよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速ショック軽減装置。
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