JP2012082689A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】羽根車3の背面に、環状多重に配置された複数本のフィン3a,3bと、これらフィン3a,3bと対向する位置に配置されたラビリンスパッキン5とを有し、羽根車3の出口と羽根車3の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、ラビリンスパッキン5に、羽根車3の背部圧力よりも高圧の冷却空気を供給する環状空間12を形成し、冷却空気を環状空間12から羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機1であって、環状空間12は、冷却空気が、羽根車3の背面に平行となる平面に沿うとともに、羽根車3の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように設けられている。
【選択図】図1
Description
しかしながら近年、遠心圧縮機のさらなる高圧力比化に伴って、羽根車の出口における空気温度がさらに高温化してきた。そのため、近年では、羽根車の出口における空気温度のさらなる高温化に耐え得る遠心圧縮機の開発が要求されている。
本発明に係る遠心圧縮機は、羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、前記冷気体が、前記羽根車の背面に平行となる平面に沿うとともに、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられている。
これにより、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに、供給口から供給された冷気体が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
これにより、羽根車が回転することによって羽根車の背面近傍に形成される空気の流れに、供給口から供給された冷気体が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
また、冷気体が、羽根車の背面に対して10度〜80度の角度をもって供給される(流される)ことになるので、羽根車の背面が、冷気体によりインピンジメント冷却されることになる。
これにより、羽根車の温度上昇をさらに抑えることができ、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
これにより、羽根車の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合における、羽根車の背面と冷気体との摩擦損失をなくすことができるとともに、羽根車の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
また、供給口から供給される冷気体の消費量を低減させることができる。
このような排気タービン過給機によれば、羽根車の温度上昇を抑えることができ、この温度上昇による羽根車の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる遠心圧縮機を具備しているので、遠心圧縮機の高圧力比化を図ることができる。
また、このような内燃機関によれば、供給口から供給される冷気体の消費量を低減させることができるので、内燃機関に供給される空気量を増加させることができて、内燃機関の高出力比化を図ることができる。
以下、本発明に係る遠心圧縮機の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る遠心圧縮機1を具備した排気タービン過給機100の要部概略構成図、図2は図1に示す遠心圧縮機1の要部を拡大して示す図、図3は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図、図4は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る遠心圧縮機1の、ロータ軸2に固定された羽根車3の周端部に位置する背面と、ケーシング4との間には、ラビリンスパッキン(シール機構)5が配設されている。
なお、図1中の符号9はスラストカラー、符号10は反スラスト軸受、符号11はディフューザである。
これにより、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに、環状空間12から供給された冷却空気CAが衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機について、図5および図6を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための側面図、図6は本実施形態に係る冷却空気(冷気体)の流れを説明するための背面図である。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
これにより、羽根車3が回転することによって羽根車3の背面近傍に形成される空気の流れASに、環状空間12から供給された冷却空気が衝突する(直角(垂直)にぶつかる)のを回避することができ、衝突損失を低減させることができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下を防止することができる。
また、冷却空気CAが、羽根車3の背面に対して10度〜80度(より好ましくは、30度〜60度)の角度をもって供給される(流される)ことになるので、羽根車3の背面が、冷却空気CAによりインピンジメント冷却されることになる。
これにより、羽根車3の温度上昇をさらに抑えることができ、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機について、図7を参照しながら説明する。
図7は本実施形態に係る遠心圧縮機の要部を拡大して示す図である。
なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
これにより、羽根車3の出口における空気温度が所定の温度(例えば、200℃)以下の場合における、羽根車3の背面と冷却空気との摩擦損失をなくすことができるとともに、羽根車3の温度上昇を抑えることができる。そして、その結果、温度上昇による羽根車3の強度低下およびクリープ寿命の低下をさらに防止することができる。
また、環状空間12から供給される冷却空気の消費量を低減させることができる。
また、このような内燃機関によれば、環状空間12から供給される冷却空気の消費量を低減させることができるので、当該内燃機関に供給される空気量を増加させることができて、当該内燃機関の高出力比化を図ることができる。
3 羽根車
3a フィン
3b フィン
5 ラビリンスパッキン
12 環状空間(供給口)
13 空気通路
31 遠心圧縮機
32 制御器
33 温度センサー
34 制御弁
100 排気タービン過給機
CA 冷却空気(冷気体)
Claims (5)
- 羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、
前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、
前記冷気体が、前記羽根車の背面に平行となる平面に沿うとともに、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられていることを特徴とする遠心圧縮機。 - 羽根車の背面に、環状多重に配置された複数本のフィンと、これらフィンと対向する位置に配置されたラビリンスパッキンとを有し、前記羽根車の出口と前記羽根車の背部に形成される空間との間をシールするシール機構を備え、
前記ラビリンスパッキンに、前記羽根車の背部圧力よりも高圧の冷気体を供給する供給口を形成し、前記冷気体を前記供給口から前記羽根車の背面に向けて流すように構成した遠心圧縮機であって、
前記冷気体が、前記羽根車の背面に対して10度〜80度の角度を有し、かつ、前記羽根車の外周縁の接線方向に平行となる流れを形成するように、前記供給口が設けられていることを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記羽根車の出口における空気温度を逐次測定して、その測定結果を制御器に逐次出力する温度センサーと、この温度センサーから送られてきた測定結果に基づいて、前記供給口に連通する空気通路の途中に接続された制御弁の弁開度を制御する制御器とが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心圧縮機。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機を具備していることを特徴とする排気タービン過給機。
- 請求項4に記載の排気タービン過給機を具備していることを特徴とする内燃機関。
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