JP2005240573A - 二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法 - Google Patents

二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出力タービンの回転数変化に伴って冷却空気流量のアンバランスが生じた場合でも、それに柔軟に対応して冷却空気流量を最適化し、出力タービンを効率的に冷却することができる二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法を提供する。
【解決手段】圧縮機駆動タービン5と、この圧縮機駆動タービン5と独立して回転する出力タービン2と、この出力タービン2各段のホイールスペース36〜38のうち、少なくとも初段の静翼40及び動翼10間のホイールスペース36に圧縮機3からの冷却空気を導く常時開放の冷却空気流路70と、出力タービン2の初段動翼10よりも下流側に位置するホイールスペース37,38に、圧縮機3から抽気された冷却空気を導く補助冷却空気流路80と、この補助冷却空気流路80を開閉する開閉手段83とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、互いに独立して回転する圧縮機駆動タービン及び出力タービンを有する二軸式ガスタービンに係り、詳しくは、圧縮機から抽気された空気をタービンロータ内で冷却媒体として用いる二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法に関する。
近年、ガスタービンの高効率化を狙って燃焼ガス温度を高める傾向がある。しかし、燃焼ガス温度が高温化すれば、タービンの静翼及び動翼の冷却能力を強化しなければならず、ホイールスペース及びディスクホイールの温度上昇を抑制するためにも、タービン主流路を流れる燃焼ガスのタービンロータへの洩れ込みをシールする冷却空気を増加させる必要性が生じる。そこで、ホイールスペース及びディスクホイールの温度上昇を抑制するために、圧縮機で抽気した空気をタービン静翼内に設けた冷却通路に導き、静翼を冷却した後、静翼のダイアフラムに設けた空気供給孔からホイールスペースにシール空気を噴出する技術が提唱されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平10−184312号公報
二軸式ガスタービンは、圧縮機、燃焼器とともにガスジェネレータを構成する圧縮機駆動タービンと出力タービンとを備えており、これら圧縮機駆動タービンと出力タービンとは、別々の回転軸を有し互いに独立して回転する。従来、主に発電用に用いられるガスタービンは一軸式であり、定格回転数で運用されるのが一般的であったが、二軸式ガスタービンでは、ガスジェネレータを定格回転数とする一方、出力タービンを接続した負荷機器に応じた回転数で運用できる利点がある。この種の二軸式ガスタービンの出力タービンにおけるホイールスペースの冷却においても、上記従来技術と同様、圧縮機からの冷却空気を静翼を介してホイールスペースへ導くのが一般的であるが、通常、この冷却空気の一部は、さらに下流側のホイールスペースの冷却に用いられる。
しかしながら、二軸式ガスタービンでは、連結する負荷機器によって出力タービンの回転数を変化させるために、圧縮機吸込み流量や燃焼器での燃焼温度を変化させる。このように圧縮機吸込流量や燃焼温度を変化させると、冷却空気流量のバランスが崩れ、出力タービンの各ホイールスペースへの冷却空気量に過不足が生じる恐れがある。
本発明は、以上に鑑みなされたもので、その目的とするところは、出力タービンの回転数変化に伴って冷却空気流量のアンバランスが生じた場合でも、それに柔軟に対応して冷却空気流量を最適化し、出力タービンを効率的に冷却することができる二軸式ガスタービン及びその冷却空気供給方法を提供することにある。
上記目的を達成すために、本発明は、互いに独立して回転する圧縮機駆動タービンと出力タービンとを有する二軸式ガスタービンにおいて、上記出力タービンの静翼及び動翼間のホイールスペースに冷却空気を供給する常時開放の冷却空気流路と、上記ホイールスペースのうち、冷却性能が不足する可能性がある箇所に冷却空気を供給する開閉可能な補助冷却空気流路とを備える。
本発明によれば、出力タービンの回転数変化に伴って冷却空気流量のアンバランスが生じても、それに応じて補助冷却空気流路を開閉して各ホイールスペースの冷却空気流量を最適化し、出力タービンを効率的に冷却することができる。よって、エネルギー効率及び信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の二軸式ガスタービンの第1実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、二軸式ガスタービンの全体構成を簡略的に示した回路図である。
この図1において、二軸式ガスタービン100は、ガスジェネレータ1と、出力タービン2とで構成されている。
ガスジェネレータ1は、空気(大気)aを吸入し所定の圧力まで圧縮し圧縮空気を生成する圧縮機3と、この圧縮機3からの圧縮空気bを燃料cとともに燃焼し、高温高圧の燃焼ガスdを生成する燃焼器4と、この燃焼器4からの燃焼ガスdによって軸動力を得る圧縮機駆動タービン5とを備えている。圧縮機3と圧縮機駆動タービン5とは、回転軸6を介して互いに同心状に連結されており、圧縮機駆動タービン5で得られた軸動力は、圧縮機3の駆動に利用される。
一方、出力タービン2は、圧縮機駆動タービン5の下流側に設けられ、圧縮機駆動タービン5とともにタービン部を構成し、圧縮機駆動タービン5から排出される燃焼ガスeによって圧縮機駆動タービン5と独立して回転する。出力タービン2を通過した排気ガスfは、出力タービン2から排出される。この出力タービン2には、例えばパイプラインのポンプや発電機等といった様々な負荷機器7が連結軸8を介して連結され、連結された負荷機器7は、連結軸8を介して伝達される出力タービン2からの軸動力により駆動される。
このように、二軸式ガスタービン100では、圧縮機3と圧縮機駆動タービン5とを連結する回転軸6と、出力タービン2と負荷機器7とを連結する連結軸8とが分離され、圧縮機駆動タービン5と出力タービン2とが互いに独立して回転するため、出力タービン2側の回転数を、ガスジェネレータ1側の回転数と変えて運転することが可能である。したがって、ガスジェネレータ1側の回転数を定格回転数とし、出力タービン2側の回転数を連結した負荷機器7に適した回転数に制御することが可能となり、ガスタービンとしての運用の幅を拡大することができる。
図2は、本実施形態の二軸式ガスタービンの要部の詳細図であり、出力タービン2付近における上半部の軸方向断面を示している。
図2において、出力タービン2の回転体側の構成を説明すると、その初段動翼10は、初段動翼シャンク11及び初段動翼ダブテール12を介し、中心孔14を有する中空の初段ディスクホイール13の外周部に植設されている。第二段動翼(本例では最終段動翼)20は、第二段動翼シャンク21及び第二段動翼ダブテール22を介し、中実の第二段ディスクホイール23の外周部に植設されている。上記ディスクホイール13,23の間には、スペーサディスク30が介設されており、これらディスクホイール13,23及びスペーサディスク30は、出力タービン2のロータ軸端に位置するスタブシャフト31に対し、周方向に均等に配置された複数本のスタッキングボルト32によって強固に締結されている。
一方、出力タービン2の静止体側の構成を説明すると、その初段静翼40は、外径側エンドウォール41と内径側エンドウォール42との間に環状に配置され、タービンケーシング(図示せず)の内周部に固定されている。初段静翼40の内径側には、ダイアフラム43が装着されている。同様に、第二段静翼50は、外径側エンドウォール51と内径側エンドウォール52との間に環状に配置され、タービンケーシング(図示せず)の内周部に固定されている。第二段静翼50の内径側には、ダイアフラム53が装着されている。
なお、出力タービン2の軸方向前側に位置する圧縮機駆動タービン5も、出力タービン2とほぼ同様の構成であり、その最終段動翼60は、最終段動翼シャンク61及び最終段動翼ダブテール62を介し、圧縮機駆動タービン5の最終段ディスクホイール63の外周部に植設されている。この圧縮機駆動タービン5の最終段ディスクホイール63と出力タービン2の初段動翼ディスクホイール13の間は、出力タービン2における初段静翼40のダイアフラム43の内周側に接合された隔壁(仕切り板)33によって隔てられている。
ここで、圧縮機駆動タービン5及び出力タービン2は、静翼に対して動翼を回転させるので、静止体側と回転体側との間に間隙が存在し、軸方向において各段の静翼及び動翼間にホイールスペースが形成されている。例えば、図2において、出力タービン2の初段静翼40の前側には、圧縮機駆動タービン5における最終段動翼60のシャンク61、ダブテール62、出力タービン2における初段静翼40の内径側エンドウォール42、ダイアフラム43で囲まれて初段静翼前側ホイールスペース35が形成されている。また、出力タービン2の初段静翼40及び初段動翼10間には、初段静翼40の内径側エンドウォール42、ダイアフラム43、初段動翼10のシャンク11、ダブテール12で囲まれて初段動翼前側ホイールスペース36が形成されている。同様に、初段動翼10及び第二段静翼50間には、初段動翼10のシャンク11、ダブテール12、第二段静翼50の内径側エンドウォール52、ダイアフラム53で囲まれた第二段静翼前側ホイールスペース37が、第二段静翼50及び第二段動翼20間には、第二段静翼50の内径側エンドウォール52、ダイアフラム53、第二段動翼20のシャンク21、ダブテール22で囲まれた第二段動翼前側ホイールスペース38が、それぞれ形成されている。
このように構成された本実施形態の二軸式ガスタービンにおいては、上記ホイールスペース35〜38のうち、初段動翼前側ホイールスペース36に、圧縮機3における主流路の所定の抽気位置(ホイールスペース36に流入しようとする燃焼ガスよりも高圧位置)から抽気された冷却空気を、出力タービン2の初段静翼40を介し静止体側から導く常時開放の冷却空気流路70が設けられている。この冷却空気流路70は、初段静翼40のダイアフラム43内のキャビティ、ダイアフラム43の後側に設けた冷却空気供給孔71を介し、初段静翼前側ホイールスペース36に連通している。
上記冷却空気流路70はまた、圧縮機駆動タービン5及び出力タービン2間の隔壁33を経由する分岐流路72を有し、冷却空気の一部を出力タービン2の回転中心に向かって導くようになっている。この分岐流路72からの冷却空気は、出力タービン2の初段ディスクホイール13の中心孔14を介し、出力タービン2の初段動翼10よりも下流側に位置するホイールスペース37,38に導かれる。
また、出力タービン2のホイールスペース36〜38のうち、初段動翼10よりも下流側に位置するホイールスペース37,38に圧縮機3からの冷却空気を導くように、冷却空気流路70から分岐してなる補助冷却空気流路80が設けられている。この補助冷却空気流路80は、第二段静翼50、第二段静翼50のダイアフラム53内のキャビティ、該ダイアフラム53の前後に設けた冷却空気供給孔81,82を介し、第二段静翼前側ホイールスペース37、第二段動翼前側ホイールスペース38にそれぞれ連通している。補助冷却空気流路80には、例えばオリフィス等、該補助冷却空気流路80を開閉する開閉手段83が設けられている。
さらに、前述した出力タービン2の各ホイールスペース36〜38には、これら各ホイールスペース36〜38の温度を検出する温度センサ90〜92が設けられている。これら温度センサ90〜92は、それぞれ静止体側、例えば各ホイールスペース36〜38に臨むダイアフラム43,53に取り付けてあり、それぞれ図示しない制御手段に電気的に接続している。図示しない制御手段は、これら温度センサ90〜92からの検出信号に応じて、例えば燃焼器4への燃料噴射量や圧縮機3の吸込空気量等を制御し、出力タービン2の回転数等を制御するようになっている。このとき、本実施形態において、該制御手段は、特に温度センサ91,92により検出されたホイールスペース37,38のいずれかの温度が設定のしきい値を超えた場合、開閉手段83を開放するようにプログラムされている。
以上のように構成された二軸式ガスタービンにおいて、燃焼器4からの高温高圧の燃焼ガスは、圧縮機駆動タービン5に流入し、圧縮機駆動タービン5の最終段動翼60を通過した後、さらに、出力タービン2の初段静翼40、初段動翼10、第二段静翼50、第二段動翼20を通過する。
こうして圧縮機駆動タービン5、出力タービン2を通過する際、燃焼ガスは、前述したホイールスペース35〜38内に流入しようとする。燃焼ガスがホイールスペース36〜38に流入してしまうと、ホイールスペース35〜38を取り囲む動翼ダブテール12,22等が温度上昇し、動翼ダブテール12,22の熱変形を招きガスタービンの信頼性の低下を招く。そればかりか、ホイールスペース36〜38に燃焼ガスが流入すると、ディスクホイール13,23及びスペーサディスク30に不均一な温度上昇をもたらし、ディスクホイール13,23及びスペーサディスク30に熱応力が発生し熱アンバランスの原因となる。こうした熱アンバランスも、ロータ回転体の振動を増加させる可能性があり、ガスタービンの信頼性を低下させる一因となる。
このようなホイールスペース35〜38への燃焼ガスの流入を回避するため、圧縮機3から抽気した圧縮空気を冷却空気流路70により出力タービン2の初段静翼40に導き、この圧縮空気をホイールスペース36〜38の冷却及びシールに用いる。初段静翼40に導かれた冷却空気は、初段静翼ダイアフラム43に流入し、一部はダイアフラム43に設けた冷却空気供給孔71を通って、ホイールスペース36に導かれ、ホイールスペース36の冷却及びシールに用いられる。また、この初段静翼40に導かれた冷却空気の一部は、隔壁33内に設けた冷却空気流路70における分岐流路72を通ってロータ中心に向かい、初段ディスクホイール13の中心孔14を介してディスクホイール13,23の間に導かれる。そして、ディスクホイール13,23間に導かれた冷却空気は、それぞれディスクホイール13及びスペーサディスク30間、ディスクホイール23及びスペーサディスク30間の間隙を通ってキャビティ95,96に流入する。こうしたキャビティ95,96に蓄えられた冷却空気は、それぞれホイールスペース37,38の冷却及びシールに用いられる。このように、初段ディスクホイール13の中心孔14を通して冷却空気をホイールスペース37,38へ導入することで、ホイールスペース37,38のシールのみならず、ガスタービンの起動、停止時におけるディスクホイール13,23の温度を均一化することも可能となり、ディスクホイール13,23の温度不均一による熱アンバランスを回避して、信頼性を確保することができる。
このとき、冷却空気流路70からの冷却空気は、上記したように複数箇所のホイールスペースに導かれる。タービンは増速翼列であるため、このタービンに供給された燃焼ガスは、タービン翼列を通過する際に増速され温度及び圧力を低下させるので、上流ほど高温高圧である。したがって、初段動翼前側ホイールスペース36に流入しようとする燃焼ガスは、それよりも下流に位置するホイールスペース37,38に流入しようとする燃焼ガスよりも高圧であり、初段動翼前側ホイールスペース36の温度が最も高温となり得る。よって、初段動翼前側ホイールスペース36に流入しようとする燃焼ガスをシールするためには、この初段動翼前側ホイールスペース36に導かれる冷却空気が、初段動翼前側ホイールスペース36に流入しようとする燃焼ガスよりも高圧でなければならない。
本実施形態においては、ガスタービン運転中、温度センサ90〜92によって各ホイールスペース36〜38の温度を監視しているが、例えば、初段動翼前側ホイールスペース36の温度だけが上昇したとする。ホイールスペース36の温度が上昇すれば、このホイールスペース36への冷却空気流量を増加させる必要があるが、ホイールスペース36への冷却空気流量を増加させることで、ホイールスペース36の冷却性能及びシール性能は向上するものの、初段ディスクホイール13の中心孔14を介し下流側のホイールスペース37,38に供給される冷却空気流量も増加してしまい、適正な冷却状態にあるホイールスペース37,38が過冷却状態となる場合がある。このような必要以上の冷却空気を導入することは、ガスタービンの効率低下に大きく関わる。さらに、冷却空気流量を増大させることで、ロータ内部のスタッキングボルト32とディスクホイール13,23との間隙等からの冷却空気の漏洩量も増加し、冷却空気の圧力損失が増大する。これもガスタービン効率低下の一因となる。
但し、この場合には、例えば、分岐流路72に設けた絞り(図示せず)を調整して分岐流路72を絞ることによって、下流側のホイールスペース37,38への冷却空気流量の増大を防止することは可能である。
しかしながら、本実施形態においては、二軸式ガスタービンであるがゆえ、連結する負荷機器2によって出力タービン2の回転数を変更する場合があることから、単に分岐流路72に絞りを設けただけでは冷却空気流量のアンバランスを防止することが困難なケースが起こり得る。すなわち、出力タービン2の回転数を変更する際には、圧縮機3の入口案内翼(図示せず)の開度を調整したり、燃焼器4での燃料噴射量を制御し燃焼温度を調整したりする。一例として、出力タービン2の回転数を下げるために、例えば、圧縮機3の入口案内翼の開口面積を小さくし、圧縮機吸込み流量を低減させたとする。一般にガスタービンシステムは、流量がバランスするように設計されるが、圧縮機3の吸込み流量を低減した場合、全体の流量バランスが崩れて下流側のホイールスペース37,38に十分な冷却空気が供給されなくなる恐れがある。
そこで、本実施形態では、補助冷却空気流路80を設け、ホイールスペース37,38への冷却空気流量が不足した場合に、開閉手段83を開いて補助的にホイールスペース37,38への冷却空気流量を増大させる。通常、これ以外の時には、開閉手段83は閉状態とし、補助冷却空気流路83を介してホイールスペース37,38に冷却空気が流れない状態とする。補助冷却空気流路80の開閉制御は、例えば温度センサ91,92によるホイールスペース37,38の検出温度が設定のしきい値を超えた場合に、図示しない制御手段によって開閉手段83に指令信号が出力され、この指令信号を受けて開閉手段83が開閉することにより行われる。但し、これに限らず、例えば、温度センサ90〜92によるホイールスペース36〜38の検出温度をモニタしながら、操作盤等を適宜操作して手動で開閉手段83の開閉を行うようにしても構わない。この場合には、温度センサ90〜92の検出温度に応じて開閉手段83を開閉するように制御手段にプログラムする必要はない。
以上のように、本実施形態によれば、出力タービン2の回転数を変更した場合に、冷却空気流量のアンバランスが生じた場合でも、これに追従して各ホイールスペース36〜38への冷却空気流量を最適化し、各ホイールスペース36〜38の温度上昇を抑制することができる。しかも、下流側のホイールスペース37,38の温度が上昇したときにのみ補助冷却空気流路80を開放するので、ホイールスペース37,38に対し適正流量の冷却空気を導入でき、過冷却を防止することができる。よって、ガスタービン効率の低下を最小限に抑制し、信頼性を向上させることができる。
図3は、本発明の二軸式ガスタービンの第2実施形態の要部の詳細図であり、図2と同様、出力タービン2付近における上半部の軸方向断面を示している。
図3において、本実施形態が前述した第1実施形態と相違する点は、補助冷却空気流路80が、冷却空気流路70から分岐したものではなく、冷却空気流路70と独立して設けられている点にある。補助冷却空気流路80の抽気位置は、圧縮機3の主流路における冷却空気流路70の抽気位置よりも上流側、すなわち冷却空気流路70の抽気段よりも低圧段であり、好ましくは、ホイールスペース37における燃焼ガスのシールに必要最低限の圧力が確保される程度に設定する。その他の構成及び動作については第1実施形態と同様であり、このような構成としても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ここで、圧縮機3から抽気される冷却空気の圧力は、冷却されるホイールスペースに流入しようとする燃焼ガスの圧力よりも高くなければならない。しかし、冷却空気の精製にも圧縮機3にて相応のエネルギーを要するため、抽気する冷却空気の圧力が必要以上に高いと、目的のホイールスペースに流入しようとする燃焼ガスのシール効果は十分に得られるものの、ガスタービン効率は低減する。したがって、シール性とガスタービン効率とのバランスを考慮すれば、抽気する冷却空気の圧力は、目的となるホイールスペースに流入しようとする燃焼ガスよりも若干高い程度が最適値となる。それに対し、先の第1実施形態においては、補助冷却空気流路80が冷却空気流路70から分岐しているため、下流側のホイールスペース37,38に対し、補助冷却空気流路80を介して高圧側のホイールスペース36に合わせた圧力の冷却空気が流れ込むようになっていた。
本実施形態によれば、補助冷却空気流路80を通る冷却空気は、冷却空気流路70に導かれる冷却空気よりも低圧で、必要最小限の圧力に設定してあるので、出力タービン2の回転数を変化させた際、冷却空気流路70からの冷却空気流量のアンバランスから下流側のホイールスペース37,38の温度が上昇しても、ホイールスペース37,38に対し、エネルギー効率の低下を最小限に止めて十分な冷却空気を供給することができる。よって、ガスタービン効率をさらに向上させ、より高い信頼性を確保することができる。
図4は、本発明の二軸式ガスタービンの第3実施形態の要部の詳細図であり、図2及び図3と同様、出力タービン2付近における上半部の軸方向断面を示している。
図4において、本実施形態が前述した第2実施形態と主に相違する点は、出力タービン2の初段動翼10よりも下流側に位置するホイールスペース37,38に、圧縮機3から抽気された冷却空気を出力タービン2の軸端に位置するスタブシャフト31、及び出力タービンのロータ内部を経由して回転体側から導く常時開放の第2の冷却空気流路75を備えたことである。
第2の冷却空気流路75は、排気ディフューザ93の内周側に設けたスタブシャフト31の軸受支持部94に設けた冷却空気孔76と、スタブシャフト31に設けた冷却空気孔77と、中空の最終段ディスクホイール23に設けた中心孔24とを経由し、さらにディスクホイール13及びスペーサディスク30間、スペーサディスク30及びディスクホイール23間の間隙、キャビティ95,96を介し、それぞれ冷却空気をホイールスペース37,38に供給するようになっている。本実施形態において、冷却空気流路70は、その分岐流路72を省略し、ホイールスペース36のみに冷却空気を流通する構成となっている。これに伴い、初段ディスクホイール13は中実のもので構成してある。また、第2の冷却空気流路75の抽気位置は、冷却空気流路70の抽気位置よりも低圧段とする。その他の構成や動作は、前述した第2実施形態と同様である。
本実施形態においても、前述した第1及び第2実施形態と同様の効果が得られる。加えて、通常時、ホイールスペース38と、その下流側のホイールスペース37,38とに別系統で冷却空気を導入することにより、それぞれ適正圧力の冷却空気を導入することができるので、エネルギー効率の低下を最小限に抑制することができ、なおかつ、ガスタービンの起動、停止時における出力タービン2の各ディスクホイール13,23の温度均一化も可能となり、より高い信頼性を確保することができる。
なお、以上において、一般に、タービン側の仕様やロータの構造によって冷却系統の構成も異なるが、本発明は、冷却系統の構成や配置、或いは冷却媒体の種類等が異なる場合においても、適用可能である。
本発明の二軸式ガスタービンの全体構成を簡略的に示した回路図である。 本発明の二軸式ガスタービンの第1実施形態の要部の詳細図であり、出力タービン付近における上半部の軸方向断面を示している。 本発明の二軸式ガスタービンの第2実施形態の要部の詳細図であり、出力タービン付近における上半部の軸方向断面を示している。 本発明の二軸式ガスタービンの第3実施形態の要部の詳細図であり、出力タービン付近における上半部の軸方向断面を示している。
符号の説明
2 出力タービン
3 圧縮機
5 圧縮機駆動タービン
10 初段動翼(動翼)
13 初段ディスクホイール
14 中心孔
20 第二段動翼(動翼、最終段動翼)
23 第二段ディスクホイール(最終段ディスクホイール)
24 中心孔
31 スタブシャフト
36 ホイールスペース
37 ホイールスペース
38 ホイールスペース
40 初段静翼(静翼)
50 第二段静翼(静翼、最終段静翼)
70 冷却空気流路
72 分岐流路
75 第2の冷却空気流路
80 補助冷却空気流路
83 開閉手段
90 温度センサ
91 温度センサ
92 温度センサ
100 二軸式ガスタービン

Claims (8)

  1. 圧縮機からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスにより軸動力を得る二軸式ガスタービンにおいて、
    前記圧縮機に連結された圧縮機駆動タービンと、
    この圧縮機駆動タービンの下流側に設けられ、該圧縮機駆動タービンと独立して回転する出力タービンと、
    この出力タービン各段の静翼及び動翼間のホイールスペースのうち、少なくとも前記出力タービン初段の静翼及び動翼間のホイールスペースに、前記圧縮機から抽気された冷却空気を導く常時開放の冷却空気流路と、
    前記ホイールスペースのうち、前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースに、前記圧縮機から抽気された冷却空気を導く補助冷却空気流路と、
    この補助冷却空気流路を開閉する開閉手段と
    を備えたことを特徴とする二軸式ガスタービン。
  2. 圧縮機からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して得た燃焼ガスにより軸動力を得る二軸式ガスタービンにおいて、
    前記圧縮機に連結された圧縮機駆動タービンと、
    この圧縮機駆動タービンの下流側に設けられ、該圧縮機駆動タービンと独立して回転する出力タービンと、
    この出力タービン各段の静翼及び動翼間のホイールスペースの温度を検出する温度センサと、
    前記ホイールスペースのうち、少なくとも前記出力タービン初段の静翼及び動翼間のホイールスペースに、前記圧縮機から抽気された冷却空気を、前記出力タービンの初段静翼を介し静止体側から導く常時開放の冷却空気流路と、
    前記ホイールスペースのうち、前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースに、前記圧縮機から抽気された冷却空気を導く補助冷却空気流路と、
    この補助冷却空気流路を開閉する開閉手段と、
    前記温度センサにより検出された前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースの温度が設定のしきい値を超えた場合、前記開閉手段を開放する制御手段と
    を備えたことを特徴とする二軸式ガスタービン。
  3. 請求項1に記載の二軸式ガスタービンにおいて、前記補助冷却空気流路は、前記冷却空気流路から分岐してなることを特徴とする二軸式ガスタービン。
  4. 請求項1に記載の二軸式ガスタービンにおいて、前記補助冷却空気流路は、前記冷却空気流路と独立して設けられ、その抽気位置が、前記圧縮機における前記冷却空気流路の抽気位置よりも上流側であることを特徴とする二軸式ガスタービン。
  5. 請求項1に記載の二軸式ガスタービンにおいて、前記冷却空気流路は、前記出力タービンの初段静翼を介し静止体側から冷却空気を導くとともに、前記圧縮機駆動タービン及び前記出力タービン間の隔壁を経由する分岐流路を有し、かつ、前記出力タービンの初段ディスクホイールは中心孔を有しており、該中心孔を介し、前記冷却空気流路の分岐流路からの冷却空気が、前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースに導かれることを特徴とする二軸式ガスタービン。
  6. 請求項1に記載の二軸式ガスタービンにおいて、前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースに、前記圧縮機から抽気された冷却空気を前記出力タービンの軸端に位置するスタブシャフト、及び前記出力タービンのロータ内部を経由して回転体側から導く常時開放の第2の冷却空気流路を備えたことを特徴とする二軸式ガスタービン。
  7. 請求項6に記載の二軸式ガスタービンにおいて、前記第2の冷却空気流路は、前記出力タービンの最終段ディスクホイールに設けた中心孔を経由することを特徴とする二軸式ガスタービン。
  8. 互いに独立して回転する圧縮機駆動タービンと出力タービンとを有する二軸式ガスタービンの冷却空気供給方法において、
    前記出力タービン各段の静翼及び動翼間のホイールスペースのうち、少なくとも初段の静翼及び動翼間のホイールスペースに連通する常時開放の冷却空気流路と、前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースに連通する開閉可能な補助冷却空気流路とを形成し、
    前記出力タービンの初段動翼よりも下流側に位置するホイールスペースの温度が設定のしきい値を超えた場合、前記補助冷却空気流路を開放し、該ホイールスペースへの冷却空気供給量を増加させる
    ことを特徴とする二軸式ガスタービンの冷却空気供給方法。
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