JP2012082646A - 調整池ダム水位制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 雷発生などの非常時でも調整池ダムの水位を自動で適正に制御することが可能な調整池ダム水位制御システムを提供する。
【解決手段】 調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件が入力される条件入力手段10と、条件入力手段10に入力された条件に基づき調整池ダム50における予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲を選択する水位切替条件判定手段20と、水位切替条件判定手段20によって選択された特定の水位制御範囲に基づき調整池ダム50の水位が特定の水位制御範囲となるように発電機46側から調整池ダム50に流入する水W1の量と取水ゲート51を介して下流側に放流する水W3の量とを制御する水位切替指令手段30と、を備える。
【選択図】 図2

Description

この発明は、水力発電における調整池ダムの水位制御システムに関し、とくに雷発生などの非常時でも調整池ダムの水位を自動で適正に制御することが可能な調整池ダム水位制御システムに関する。
水力発電においては、調整池ダムの上流に位置する発電機側から調整池ダムに流入する水の量と、調整池ダムに貯留された水を取水ゲートを介して下流側に放流する水の量とを調整することにより、調整池ダムの水位を適正に保つ必要がある。つまり、調整池ダムにおいては、水位が調整池ダムを越えることがあってはならず、また水位が過度に低水位になるのを回避することが必要であり、上流側からの流入量と下流側への放水量とのバランスをとる必要がある。調整池ダムにおいては、通常は夜間に水を溜めて昼間に下流側に放流しており、これらの操作は運転員による手動操作によって行われている。
従来からダムの水位を制御する技術として電力系統監視制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この電力系統監視制御装置においては、将来の水系状態の予測内容を表示手段によって表示し、運転員は表示内容に基づき合理的に水系を運用することが可能となっている。
特開平9−19194号公報
しかし、雷の発生時には、調整池ダムの水位を監視する運転員は、落雷によって多発する電気事故に対応するとともに、雷雨によって調整池ダムに流入する水の急激な増加にも対応しなければならず、運転員による調整池ダムの水位調整に対する操作が遅れ、調整池ダムの水位を適切な範囲に維持することが困難になる可能性がある。特許文献1の電力系統監視制御装置では、運転員は表示内容を確認してから水位調整の操作を行う必要があり、雷発生などの非常時には対応に遅れが生じるという問題がある。したがって、雷発生などの非常時においても、調整池ダムにおける水位を自動で適正な範囲に制御するシステムの開発が望まれる。
そこで本発明は、雷発生などの非常時でも調整池ダムの水位を自動で適正に制御することが可能な調整池ダム水位制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、上流に位置する発電機側から調整池ダムに流入する水の量と該調整池ダムに貯留された水を取水ゲートを介して下流側に放流する水の量とを調整し、前記調整池ダムの水位を制御する調整池ダム水位制御システムであって、前記調整池ダムの上流側の気象条件および水理条件が入力される条件入力手段と、前記条件入力手段に入力された条件に基づき前記調整池ダムにおける予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲を選択する水位切替条件判定手段と、前記水位切替条件判定手段によって選択された特定の水位制御範囲に基づき前記調整池ダムの水位が特定の水位制御範囲となるように前記発電機側から前記調整池ダムに流入する水の量と前記取水ゲートを介して下流側に放流する水の量を制御する水位切替指令手段と、を備えたことを特徴とする調整池ダム水位制御システムである。
この発明によれば、条件入力手段からの気象条件および水理条件に基づき、調整池ダムにおける予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲が水位切替条件判定手段によって選択される。そして、水位切替条件判定手段によって選択された特定の水位制御範囲に基づき、調整池ダムの水位が特定の水位制御範囲となるように発電機側から調整池ダムに流入する水の量と取水ゲートを介して下流側に放流する水の量とが水位切替指令手段によって制御される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調整池ダム水位制御システムにおいて、前記水位切替指令手段には、選択により前記水位切替条件判定手段に代えて手動操作部からの指令情報が入力可能であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、条件入力手段に入力された気象条件および水理条件に基づき、調整池ダムにおける予め設定された複数の水位範囲のうち特定の水位範囲を選択するようにしているので、調整池ダムの水位を入力条件に応じて適正に制御することができる。これにより、調整池ダムに貯留されている水の調整池ダムからの越流を防止することができ、越流による溢水電力(電力ロス)を防止することができる。また、越流に伴う調整池ダムからの誤放流を防止することができ、調整池ダムの下流側への予期しない放流を回避することができる。さらに、調整池ダムの水位制御は自動で行われるので、従来に比べて雷発生などの非常時における運転員の負担を軽減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、水位切替指令手段には、選択により水位切替条件判定手段に代えて手動操作部からの指令情報が入力可能であるので、雷発生などの非常時以外は、手動操作によって調整池ダムの水位を制御することができる。
本発明の実施の形態に係わる調整池ダム水位制御システムの概要を示すブロック図である。 図1の調整池ダム水位制御システムおよび調整池ダムの周辺の概要を示すブロック図である。 図1の調整池ダム水位制御システムの水位切替条件判定手段における制御処理手順を示すフローチャートである。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける水位切替指令手段の構成を示すブロック図である。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける発電機と取水ゲートの制御構成を示すブロック図である。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける制御可能な水位範囲を示す特性図である。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける条件入力手段に入力される気象条件および水理条件を示す特性図である。 図1の調整池ダム水位制御システムの手動操作部に格納されている通常水位運用時のプログラムテーブルである。 図1の調整池ダム水位制御システムの水位切替条件判定手段に格納されている中水位運用時のプログラムテーブルである。 図1の調整池ダム水位制御システムの水位切替条件判定手段に格納されている低水位運用時のプログラムテーブルである。 図1の調整池ダム水位制御システムの水位切替条件判定手段に格納されている作業水位運用時のプログラムテーブルである。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける通常水位運用時の水位の変動を示す特性図である。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける中水位運用時の水位の変動を示す特性図である。 図1の調整池ダム水位制御システムにおける低水位運用時の水位の変動を示す特性図である。
つぎに、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
図1ないし図14は、本発明の実施の形態を示している。図2に示すように、調整池ダム水位制御システム1は、調整池ダム50の水位を自動制御するのに用いられる。調整池ダム50の上流側には、上流ダム40が設けられている。上流ダム40と調整池ダム50は、管路45を介して接続されている。管路45の途中には、上流ダム40から放流される水W1によって駆動される第1の発電機46が設けられている。第1の発電機46は、水W1の流量を調整する流量調整機能を有しており、第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水W1の量が調整可能となっている。また、調整池ダム50には、支川Aからの水W2が流入するようになっている。第1の発電機46の制御は、調整池ダム水位制御システム1からの指令に基づき、発電機制御装置47を介して行われる。
調整池ダム50には、調整池ダム50に貯留された水を下流側に放流するための管路55が接続されている。管路55には、取水ゲート51が設けられており、調整池ダム50から放流される水W3の水量(放流量)が調整可能となっている。管路55における取水ゲート51の下流側には、第2の発電機56が設けられている。取水ゲート51の制御は、調整池ダム水位制御システム1からの指令に基づき、取水ゲート自動制御装置52を介して行われる。調整池ダム50の水位は、ダム水位センサ54によって常時計測されている。ダム水位センサ54からの水位計測信号は、発電機制御装置47および取水ゲート自動制御装置52に入力されている。
図1に示すように、調整池ダム水位制御システム1は、条件入力手段10、水位切替条件判定手段20、手動操作部21、切替スイッチ22、水位切替指令手段30を有している。条件入力手段10には、調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件が入力されるようになっている。気象条件としては、例えば気象庁からの雨量警報(警報・注意報)があり、水理条件としては、支川Aの川残留流量、上流ダム40における雨量、調整池ダム50への水の流入量がある。
図3に示すように、上流ダム40における雨量は、上流雨量計41によって計測され、この雨量計測データはテレメータ43を介して条件入力手段10に入力される。また、支川Aの水位は、水位計42によって計測され、この水位計測データはテレメータ43を介して条件入力手段10に入力される。ここで、支川Aの水位を水位計42によって計測するのは、支川Aの水位から調整池ダム50に流入する水W2を算出するためである。また、気象庁からの雨量警報は、通信ネットワーク44を介して取得することが可能であり、取得された気象情報は条件入力手段10に入力されるようになっている。
この実施の形態においては、図5に示す条件入力手段10に入力される調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件は、ディスプレイ(図示略)などを介して表示されるようになっており、運転員は目視によって条件入力手段10に入力される気象条件および水理条件を確認することができる。これにより、調整池ダム50の水位は、条件入力手段10および水位切替条件判定手段20を利用した自動制御だけでなく、ディスプレイに表示される気象条件および水理条件に基づく運転員による手動操作部21の手動操作によっても制御可能となっている。
条件入力手段10に入力された調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件は、水位切替条件判定手段20に出力されるようになっている。水位切替条件判定手段20は、条件入力手段10に入力された条件に基づき調整池ダム50における予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲を選択する機能を有している。図9ないし図11に示すように、水位切替条件判定手段20には、水位運用のためのプログラムテーブル(マトリックス)M1〜M3が記憶されている。
この実施の形態においては、調整池ダム50の水位の自動制御については、中水位運用、低水位運用、作業水位運用の3種類があり、このうち作業水位運用はオプションであり、調整池ダム50について特殊な水位設定をする場合のみに適用される。また、中水位運用、低水位運用、作業水位運用は、条件入力手段10および水位切替条件判定手段20を利用した自動制御によって行われ、通常水位運用のみが図8のプログラムテーブルM0に基づく手動操作部21を利用した手動操作によって行われる。水位切替条件判定手段20は、調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件が条件入力手段10される毎に、各プログラムテーブル(マトリックス)M1〜M3のうちのいずれかを選択し、調整池ダム50の水位を入力条件に応じてリアルタイムに自動制御するようになっている。
図1に示すように、水位切替条件判定手段20と水位切替指令手段30との間には、切替スイッチ22が設けられている。切替スイッチ22は、自動運転と手動運転とを切替える機能を有している。切替スイッチ22は、自動運転時には、水位切替指令手段30を水位切替条件判定手段20側に接続し、手動操作部21を切り離すようになっている。また、切替スイッチ22は、手動運転時には、水位切替指令手段30を手動操作部21側に接続し、水位切替条件判定手段20を切り離すようになっている。手動操作部21には、図8に示すプログラムテーブル(マトリックス)M0が記憶されている。
水位切替指令手段30は、水位切替条件判定手段20によって選択された特定の水位制御範囲に基づき、調整池ダム50における特定の水位制御範囲となるように第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水の量W1と取水ゲート51を介して下流側に放流する水W3の量を制御する機能を有している。また、手動操作時には、水位切替指令手段30は、手動操作部21からの指令情報に基づき、第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水の量W1と取水ゲート51を介して下流側に放流する水W3の量を制御する機能を有している。水位切替指令手段30は、図4に示すように、論理回路30aを有しており、水位切替条件判定手段20からの判定結果に基づき第1の遠隔制御装置31および第2の遠隔制御装置32に水位切替のための指令信号を出力するようになっている。
図3に示すように、水位切替指令手段30には、第1の遠隔制御装置31および第3の遠隔制御装置48を介して発電機制御装置47が接続されており、第1の発電機46は水位切替指令手段30からの指令によって制御されるようになっている。同様に、水位切替指令手段30には、第2の遠隔制御装置32および第4の遠隔制御装置53を介して取水ゲート自動制御装置52が接続されており、取水ゲート51は水位切替指令手段30からの指令によって制御されるようになっている。
図5は、調整池ダム水位制御システム1における第1の発電機46および取水ゲート51の制御構成を示している。発電機制御装置47は、第3の遠隔制御装置48からの指令信号K1〜K3を受信し、この受信した指令信号K1〜K3によって水位設定値を記憶し、発電機制御盤を介して第1の発電機46の制御を行うようになっている。ここで、指令信号K1は設定水位指令信号であり、指令信号K2は中水位指令信号であり、指令信号K3は低水位指令信号である。指令信号K4は、指令信号K1〜K3に該当しない場合の信号を示している。
図5に示すように、取水ゲート自動制御装置52は、第4の遠隔制御装置53からの指令信号E1〜E3を受信し、この受信した指令信号E1〜E3によって水位設定値を記憶し、ゲート制御盤を介して取水ゲート51の制御を行うようになっている。ここで、指令信号E1は設定水位指令信号であり、指令信号E2は中水位指令信号であり、指令信号E3は低水位指令信号である。指令信号E4は、指令信号E1〜E3に該当しない場合の信号を示している。
図6は、調整池ダム50の水位の制御範囲を示している。ここで、手動で行われる通常水位運用における水位制御は、水位L1と水位L6との間の範囲内で行われる。自動で行われる低水位運用における水位の制御は、水位L3と水位L4との間の範囲で行われ、中水位運用における水位制御は、水位L2と水位L5との間の範囲で行われる。図4に示すように、調整池ダム50の水位が上限値を逸脱した場合は、管路45を流れる水W1の流量を制限して第1の発電機46の出力を抑制または停止させ、取水ゲート51を開とする必要がある。また、調整池ダム50の水位が下限値を逸脱した場合は、管路45を流れる水W1の流量を増加させるとともに、第1の発電機46の出力を増加させ、取水ゲート51を閉とする必要がある。作業水位運用における水位の制御範囲は、その作業の種類毎にその都度設定される。
図7は、現在の水利データ(テレメータ・オンラインデータ)を示している。図7に示すように、調整池ダム50の水位は、最低水位が0mに設定されており、最高水位が6.00mに設定されている。条件入力手段10に入力される条件としては、調整池ダム流入量Qi、上流雨量累計雨量R1、上流雨量時間雨量R2、支流流量Qs、雨量警報Aがある。調整池ダム50の水位は、図7の入力条件に基づき設定されており、各設定水位は発電機制御装置47と取水制御装置52の双方に記憶されている。
つぎに、調整池ダム水位制御システム1における制御手順および作用について説明する。
まず、調整池ダム50における通常水位運用について説明する。通常水位運用においては、図1に示す切替スイッチ22が手動操作部21側に切替えられ、調整池ダム50の水位制御は運転員を介して手動で行われる。したがって、通常水位運用においては、条件入力手段10および水位切替条件判定手段20を利用した制御は行われない。すなわち、通常水位運用は、雷発生などによる調整池ダム50の異常な水位の変動はないとの前提で適用され、通常は夜間に第1の発電機46の運転によって流入する水W1を調整池ダム50に水を溜め、昼間に調整池ダム50から水W2を放流し、第2の発電機によって56発電を行うようにしている。
図12は、通常水位運用における水位の変動を示しており、通常水位運用では、通常は深夜に調整池ダム50に水を蓄え、昼間に調整池ダム50からの水を発電に利用するように運転を行う。通常水位運用では調整池ダム50の水位は、ほぼ最低水位LWL(LWL=0m)近傍および最高水位HWL(HWL=6.00m)近傍まで変動する。通常水位運用では、上限水位が5.80mに設定されるとともに、下限水位が0.50mに設定され、この範囲内での水位制御が行われる。
雷発生による非常時には、図1に示す切替スイッチ22が水位切替条件判定手段20側に切替えられ、調整池ダム50の水位制御は運転員を介すことなく自動で行われる。
図3は、自動による調整池ダム50の水位制御手順を示している。図3のフローチャートに示すように、ステップS1では、条件入力手段10に入力された調整池ダム50の上流側の気象条件および水理条件に基づき、低水位運用に該当するか否かが判断される。ステップS1で低水位運用に該当すると判断された場合は、その旨の信号が水位切替指令手段30に出力される。そして、水位切替指令手段30は、第1の遠隔制御装置31および第3の遠隔制御装置48を介して発電機制御装置47に低水位運用に応じた指令信号を出力するとともに、第2の遠隔制御装置48を介して取水ゲート自動制御装置52に低水位運用に応じた指令信号を出力する。これにより、第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水W1は低水位運用に応じた量に制御され、取水ゲート51を介して下流側に放流される水W3の量も低水位運用に応じた量に制御される。
図14は、調整池ダム50からの出水が多い低水位運用での水位の変動を示している。調整池ダム50からの出水が多いと予想される場合は、上流等からの水の流入も多く、急激な水の流入に対応して水位設定の上限を低めにし、下限を高めにすることにより、極力調整池ダム50からの放流にならないよう、できるだけ増水分を確保するような制御処理を行う。ここで、上流等からの水の流入とは、上流ダム40からの水の流入だけでなく、支川からの残流入も含まれる。図14に示すように、低水位運用における調整池ダム50の水位は、通常水位運用に比べて水位制御範囲が狭くなるとともに、水位の変動の周期が著しく短くなる。低水位運用では、上限水位が例えば3.00mに設定されるとともに、下限水位が2.00mに設定され、この範囲内での水位制御が行われる。
図3のステップS1において、低水位運用に該当しないと判断された場合は、ステップS2に進み、中水位運用に該当するか否かが判断される。ステップS2で中水位運用に該当すると判断された場合は、その旨の信号が水位切替指令手段30に出力される。そして、水位切替指令手段30は、第1の遠隔制御装置31および第3の遠隔制御装置48を介して発電機制御装置47に中水位運用に応じた指令信号を出力するとともに、第2の遠隔制御装置32および第4の遠隔制御装置48を介して取水ゲート自動制御装置52に中水位運用に応じた指令信号を出力する。これにより、第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水W1は中水位運用に応じた量に制御され、取水ゲート51を介して下流側に放流される水W3の量も中水位運用に応じた量に制御される。
図13は、調整池ダム50からの出水が少ない中水位運用での水位の変動を示している。調整池ダム50からの出水が少ないと予想される場合は、上流等からの水の流入もあまり増加していないと考えられ、上限の制限水位を若干低めで運用する。ここで、上流等からの水の流入とは、上述と同様に上流ダム40からの水の流入だけでなく、支川からの残流入も含まれる。中水位運用における調整池ダム50の水位は、通常水位運用に比べて水位制御範囲が狭くなるとともに、水位の変動の周期も短くなる。中水位運用では、上限水位が例えば4.00mに設定されるとともに、下限水位が1.50mに設定され、この範囲内での水位制御が行われる。
図3のステップS2において、中水位運用に該当しないと判断された場合は、再びステップS1に戻り、上述の制御が繰り返される。図3に示すように、ステップS3は、作業水位運用に該当すると判断された場合に適用されるものである。作業水位運用は、オプションとして特殊な水位設定をする場合のみに適用され、図9の中水位運用および図10の低水位運用よりも優先度が高く設定される。
図3に示すように、ステップS3では、例えば手動操作部21に設けられた作業設定スイッチから指令信号が水位切替指令手段30に出力される。そして、水位切替指令手段30は、第1の遠隔制御装置31および第3の遠隔制御装置48を介して発電機制御装置47に作業水位運用に応じた指令信号を出力するとともに、第2の遠隔制御装置32および第4の遠隔制御装置48を介して取水ゲート自動制御装置52に作業水位運用に応じた指令信号を出力する。これにより、第1の発電機46側から調整池ダム50に流入する水W1は作業水位運用に応じた量に制御され、取水ゲート51を介して下流側に放流される水W3の量も作業水位運用に応じた量に制御される。
作業水位運用においては、図11に示すように、上流雨量累計雨量R1、上流雨量時間雨量R2、支流流量Qsがその都度設定される。また、作業水位運用のプログラムテーブルM3においては、水位を所定値まで復帰させるための復帰バンド(水位制御幅)として0.20mが設けられている。
このように、条件入力手段10に入力された気象条件および水理条件に基づき、調整池ダム50における予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲を選択するので、調整池ダム50の水位を入力条件に応じて適正に制御することができる。これにより、調整池ダム50に貯留されている水の調整池ダム50からの越流を防止することができ、越流による溢水電力(電力ロス)を防止することができる。また、越流に伴う調整池ダム50からの誤放流を防止することができ、調整池ダム50の下流側への予期しない放流を回避することができる。さらに、調整池ダム50の水位制御は自動で行われるので、従来に比べて雷発生などの非常時における運転員の負担を軽減することができる。
また、水位切替指令手段30には、選択により水位切替条件判定手段20に代えて手動操作部21からの指令情報が入力可能であるので、雷発生などの非常時以外は、手動操作部21を用いた手動操作によって調整池ダム50の水位を制御することができる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態では、調整池ダム水位制御システム1は、一つの調整池ダム50の水位を制御対象としているが、複数の調整池ダムの水位を制御対象とする構成とすることも可能である。また、水位切替条件判定手段20における判定手順については、水位制御範囲が狭く水位変動の周期が著しい低水位運用を「判定優先度1」とし、つぎに中水位運用の「判定優先度2」とした構成としているが、この手順に限定されることはなく、中水位運用について優先して判定する構成としてもよい。
1 調整池ダム水位制御システム
10 条件入力手段
20 水位切替条件判定手段
21 手動操作部
22 切替スイッチ
30 水位切替指令手段
46 第1の発電機(発電機)
47 発電機制御装置
50 調整池ダム
51 取水ゲート
52 取水ゲート自動制御装置
54 ダム水位センサ

Claims (2)

  1. 上流に位置する発電機側から調整池ダムに流入する水の量と該調整池ダムに貯留された水を取水ゲートを介して下流側に放流する水の量とを調整し、前記調整池ダムの水位を制御する調整池ダム水位制御システムであって、
    前記調整池ダムの上流側の気象条件および水理条件が入力される条件入力手段と、
    前記条件入力手段に入力された条件に基づき前記調整池ダムにおける予め設定された複数の水位制御範囲のうち特定の水位制御範囲を選択する水位切替条件判定手段と、
    前記水位切替条件判定手段によって選択された特定の水位制御範囲に基づき前記調整池ダムの水位が特定の水位制御範囲となるように前記発電機側から前記調整池ダムに流入する水の量と前記取水ゲートを介して下流側に放流する水の量を制御する水位切替指令手段と、
    を備えたことを特徴とする調整池ダム水位制御システム。
  2. 前記水位切替指令手段には、選択により前記水位切替条件判定手段に代えて手動操作部からの指令情報が入力可能であることを特徴とする請求項1に記載の調整池ダム水位制御システム。
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