JP2012082185A - コラーゲン類吸収促進剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、経口摂取するコラーゲン類の体内吸収を促進するコラーゲン類吸収促進剤、コラーゲン類の体内吸収を高めるための経口用組成物及び方法を提供することを課題とした。
【解決手段】黒酢を有効成分として含有してなることを特徴とするコラーゲン類吸収促進剤、とりわけ黒酢とコラーゲン類を含有してなる前記吸収促進剤、コラーゲン類の体内吸収を高めるための、前記吸収促進剤を配合してなる経口組成物が提供され、又、黒酢とコラーゲン類を経口摂取する方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、黒酢を有効成分として含有してなることを特徴とするコラーゲン類の体内吸収率を高めるコラーゲン類吸収促進剤、該コラーゲン類吸収促進剤を配合してなる経口組成物、及び、これらの利用方法に関する。
コラーゲンは動物の皮膚、骨、軟骨等に多く含まれるタンパク質であり、ヒトの体内のタンパク質の約30%を占めているといわれている(非特許文献1)。皮膚の真皮層ではコラーゲンが約70%を占め(非特許文献2)、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類といった細胞外成分とともにマトリックス構造を形成して、細胞及び皮膚組織の支持、細胞間隙における保水、皮膚の潤滑性と柔軟性の保持、紫外線、乾燥環境、機械的刺激や損傷、微生物感染等の外的因子から皮膚組織を保護する等の役割を果たしている。又、骨においても、コラーゲンは骨組織中の有機成分の大部分を占め、骨強度の維持に重要な成分であるといわれている。
ところが、皮膚中のコラーゲンは、日常的に活性酸素や微生物の影響あるいは紫外線照射を受けて変性し分解される。又、加齢にともない生体の諸機能が低下し、体内のコラーゲンの含量が低下することが知られている。皮膚組織において、コラーゲン含量が低下すると、乾燥肌、肌荒れ、弾力性や柔軟性の低下、張りや艶の減少、シワ・たるみ・くすみの増加等の皮膚トラブルや肌の老化症状をひき起こすことが知られている。
骨組織におけるコラーゲン含量の低下は、骨粗鬆症をはじめとする骨減弱を起こしたり、関節においては、変形性関節症等の関節炎のリスクを高めたりする可能性が知られている。したがって、健康な肌、骨、関節等の機能を保つためには、不足するコラーゲンを体内に補給したり、体内のコラーゲン産生機能を調節して体内組織のコラーゲン量を維持あるいは増加させることが望ましい。
この観点から、日常の食事でコラーゲン含有食材を摂取することが推奨され、又、コラーゲンやゼラチンの加水分解ペプチドの摂取(例えば、特許文献1)、生体内におけるコラーゲン分解阻害剤(例えば、特許文献2)、コラーゲン合成促進剤(例えば、特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、コラーゲンやその加水分解物等を含むコラーゲン類が有する生理作用を生体内で発現させるためには、食事等からコラーゲン類を多量に摂取する必要があったり、実用面では十分に満足できる生理効果が得られていなかった。このような実情から、摂取したコラーゲン類がこれまでより効率的に体内に吸収され、又、継続的に利用できるような経口用組成物が求められていた。
ところで、黒酢については次のようなことが知られている。黒酢は、米あるいは大麦、麹、及び、水を加え、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵の3段階を経て製造されている。黒酢には、水分、酢酸等をはじめとして、乳酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類、糖類、及び、ビタミンB群、ナイアシン、パントテン酸等のビタミン類、カリウム、マグネシウム、リン、カルシウム等のミネラル類、アラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、グルタミン酸、グリシン、セリン等のアミノ酸類を豊富に含んでおり、これまでに肥満、糖尿、アレルギー、癌、血圧等に対して様々な生理作用を示すことが動物モデルにおいて研究されている。又、黒酢が鉄の吸収性を高めるといった提案(特許文献4)はあるが、黒酢がコラーゲン類の体内吸収性に及ぼす影響を検討した報告や提案は見当たらない。
特開2004−244369号公報 特開平11−71294号公報 特開2006−137680号公報 特開2003−146873号公報
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かかる現状に鑑み、本発明者らは、経口摂取したコラーゲン類の体内吸収を促進するコラーゲン類吸収促進剤、該コラーゲン類吸収促進剤を配合してなる、コラーゲン類の体内吸収を促進するための経口用組成物、及び、コラーゲン類の体内吸収を高める方法を提供することを課題とした。
前記課題を解決するために、本発明者らは、各種多様な素材とコラーゲン類の吸収性との関連性について鋭意検討を重ねた結果、意外にも黒酢が摂取コラーゲン類の体内吸収性を顕著に促進すること、又、これを飲食品、飼料、医薬品等の経口組成物に有効利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の特徴は、黒酢を有効成分として含有してなるコラーゲン類吸収促進剤にある。このコラーゲン類吸収促進剤において、好適な一態様は黒酢とコラーゲン類をともに含有してなるものであり、コラーゲン類はコラーゲン、ゼラチン及びこれらの加水分解物からなる群から選択される1種又は2種以上であることが望ましく、前記加水分解物はその分子量(平均分子量。以下同様。)が約200〜約100,000のものが好ましい。前記コラーゲン類吸収促進剤において、黒酢については、その態様が液体状及び/又は粉末状であるものが望ましい。
本発明の他の特徴は、前記コラーゲン類吸収促進剤を配合してなる経口用組成物である。この経口用組成物は飲食品であることが望ましい。
本発明の更に他の特徴は、コラーゲン類及び黒酢を経口摂取する、コラーゲン類の体内吸収を高めるための方法にある。
本発明によれば、黒酢をコラーゲン類とともに経口摂取するとコラーゲン類の体内吸収性が顕著に高まることが明らかになった。この知見に基づいて、黒酢を有効成分として含むコラーゲン類吸収促進剤、とりわけ、黒酢とコラーゲン類を含有してなるコラーゲン類吸収促進剤、及び、該コラーゲン類吸収促進剤を配合してなる経口用組成物が提供される。又、コラーゲン類の体内吸収性を高めるための、黒酢及びコラーゲン類を経口摂取することを特徴とする方法が提供される。ここで、前記コラーゲン類は、より好適には、コラーゲン又はゼラチンの加水分解ペプチドであって、その分子量が約200〜約100,000のもの、更に望ましくは約200〜約5,000のものである。
又、本発明の前記組成物は、乾燥肌、肌荒れ、弾力性や柔軟性の低下、張りや艶の減少、シワ・たるみ・くすみの増加等の皮膚トラブルや肌の老化症状、骨粗鬆症、変形性関節症及び/又はリウマチ等の関節系疾患、眼精疲労、老眼、歯や歯茎の老化、動脈硬化等の血管系疾患等の予防及び/又は改善のための、又、発毛、育毛及び養毛のための、飲食品、飼料、医薬品等の経口組成物として利用することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。先ず、本発明のコラーゲン類吸収促進剤は、黒酢を有効成分として含有してなることを特徴とするものである。このコラーゲン類吸収促進剤は、黒酢を有効成分として含有してなり、以下に述べるコラーゲン類あるいはコラーゲン類を含む原料や素材とともに経口摂取することにより、前記原料や素材中のコラーゲン類が体内に吸収されることを促進する作用を有するものである。したがって、前記原料や素材には、日常の食事で摂取するコラーゲン類含有食材も包含され得る。
前記コラーゲン類吸収促進剤に用いる黒酢は、その製造過程における発酵工程及び熟成工程を経て、褐色又は黒褐色に着色した醸造酢である。黒酢の日本農林規格によれば、原料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いたものを除く。)又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用し、かつ、米の使用量が180g/L以上のものと定義されている。本発明に係る黒酢は、前記の定義に該当するものであり、その製造方法は一般的な静置発酵法でも、連続発酵法でも良く、特に限定されるものではない。
静置発酵法とは、日本において、伝統的な酢の製造方法であり、黒酢の製法として代表的な「かめ壷仕込み」製法がある。静置発酵法では、糖化とアルコール発酵、酢酸発酵が同時に進行し、長期間熟成されて生産される。一方、連続発酵法は強制的に空気を送り込み、強く攪拌することで、酢酸菌の増殖を飛躍的に拡大させて作られ、短期間で生産ができる方法である。
本発明のコラーゲン類吸収促進剤に用いる黒酢は、黒酢の原液、その濃縮物又は希釈物であって、酸度が約0.1質量%〜約15質量%であるものを対象にする。その形態は、前記公知の製造方法等で生産される液体状のもの(黒酢原液)、液体状の黒酢を減圧乾燥、凍結乾燥及び噴霧乾燥等により粉末化したり、シクロデキストリンや脂質類の共存下で常法により粉末状に加工したもの(黒酢粉末)、前記黒酢原液を水で約20倍(約1/20濃度)以内、より望ましくは約10倍(約1/10濃度)以内に希釈したもの等を利用することができる。前記希釈率が約20倍を超えると本発明の所望効果が低下するようになる。更には、本発明の趣旨に基づいて、黒酢の所望成分(有機酸、糖類、アミノ酸類、ビタミン類及びミネラル類)を分別、分画、カラムクロマトグラフィー等の公知の手段によって適宜に濃縮や精製したものでもよい。
本発明のコラーゲン類吸収促進剤のより一層好適な態様は、黒酢とコラーゲン類とを含有してなるものである。
本発明の前記コラーゲン類吸収促進剤に使用する黒酢は前述のものと同じである。又、コラーゲン類は、牛、豚、鶏、七面鳥、ダチョウ等の畜類の皮、骨、軟骨又は腱等、イトヨリダイ、サケ、サメ、タラ、ティラピア、ナイルパーチ、コイ、メバル、マグロ、ナマズ、ウナギ等の魚類の皮、骨、軟骨又は鱗等を原料として常法により処理して得られるコラーゲンや低分子コラーゲン、これらを熱変性させたゼラチン、前記コラーゲンやゼラチンを酸、アルカリ又は酵素で加水分解したコラーゲンペプチド、及び、これらを含む抽出物を包含し、これらを任意に用いることができる。これらのコラーゲン類は市販品を利用するのが簡便である。しかしながら、本発明においては、コラーゲン又はゼラチンを加水分解したコラーゲンペプチドを用いることが望ましく、その分子量は約200〜約100,000のもの、より好ましくは約200〜約5,000のものである。
本発明のコラーゲン類吸収促進剤は、前述のように、黒酢とコラーゲン類又はコラーゲン類含有物とを含むものであり、両者の混合割合は、該剤の使用目的と用途、製造コスト等により適宜に変動させることができるが、コラーゲン類/黒酢(質量比)が概ね0.1/99.9〜50/50であり、より好ましくは、0.5/99.5〜20/80である。
又、前記コラーゲン類吸収促進剤は、本発明の趣旨に反しない限り必要に応じて公知の賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、希釈剤等、例えば、糖類、糖アルコール類、澱粉類、セルロース類、精製水等を適量混合して、固体状、ペースト状又は液体状の形態に加工することができる。
本発明の経口組成物は、前記コラーゲン類吸収促進剤をそのまま経口用組成物とすることができ、又は、前記剤を公知の添加物と併用して、様々な組成物、例えば、飲食品、家畜用飼料、ペットフード、医薬品等、より好適には飲食品に調製することができる。ここで、公知の添加物は本発明の趣旨に反しない限り種々の原料や成分を使用でき、経口摂取物、飲食品、医薬品、医薬部外品等に通常使用されるものが好ましく、例えば、賦形剤、結合剤、湿潤剤、流動化剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤、pH調整剤、酸味料、甘味料、着色剤、香料等の各種添加物質を利用でき、又、コラーゲン類の吸収を促進する作用を有する既知成分(界面活性剤、セサミン、リン脂質等)やその含有素材を併用してもよい。尚、これらの添加物の種類や配合量は本発明のコラーゲン類吸収促進剤を利用する用途に応じて適宜に選択すればよい。
前記経口組成物が飲食品である場合は、例えば、野菜ジュース、果汁飲料、黒酢飲料、清涼飲料、茶等の飲料類、スープ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ケーキプレミックス製品、菓子類、ふりかけ、味噌、醤油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、植物性クリーム、焼肉用たれや麺つゆ等の調味料、麺類、うどん、蕎麦、スパゲッティ、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ハンバーグ、コロッケ、ふりかけ、佃煮、ジャム、牛乳、クリーム、バター、スプレッドやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー、グミ、ガム等の各種一般加工食品のほか、粉末状、顆粒状、丸剤状、錠剤状、ソフトカプセル状、ハードカプセル状、ペースト状又は液体状の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、濃厚流動食や嚥下障害用食品の治療食等の形態に加工することができる。
本発明の経口組成物を製造するには、本発明のコラーゲン類吸収促進剤と、通常使用される飲食品用原料及び前記の公知添加物のうちから適宜に選択する経口摂取用途に適するものとを用いて、常法により加工処理すればよい。例えば、本発明のコラーゲン類吸収促進剤の所定量に、必要に応じてデキストリン、ブドウ糖、乳糖、澱粉又はその加工物、セルロース粉末、ビタミン類、ミネラル類、動植物や魚介類の油脂、蛋白質、糖質、色素、香料、果汁、酸化防止剤、各種栄養機能成分又はこれを含む粉末やエキス類等の飲食用原料とともに処理して粉末、顆粒、ペレット、錠剤、カプセル等の形状に加工したり、一般加工食品、飲料、ドリンク剤等の形状に加工して、栄養補助食品や健康食品として利用することは好適である。とりわけ、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤が望ましい。
本発明の経口組成物に配合する前記コラーゲン類吸収促進剤の量は、前記経口組成物や他の併用原料の種類、組成、形態等の違いによって一律に規定し難いが、約1質量%〜100質量%、より望ましくは、約50質量%以上となるように前記コラーゲン類吸収促進剤をその他の原料と便宜に組み合わせて処方を設計し、常法に従い目的とする経口組成物を製造すればよい。本発明のコラーゲン類吸収促進剤の配合量が1質量%を下回るような組成物では、前記コラーゲン吸収促進剤による本発明の所望効果を得るために多量の当該組成物を摂取しなければならず、実用的な組成物とは言い難くなる。本発明のコラーゲン類吸収促進剤の1日当りの摂取目安量は、コラーゲン類/黒酢(質量比)が10/90として、ヒトの場合、約1g〜約100g、より好ましくは約5g〜約50gである。この範囲を外れて少ないと本発明の所望の効果が低下し、逆に多すぎても更なる効果は期待できない。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。各例において、%、部及び比率は特に表示しない限りすべて質量基準である。
製造例1
市販の黒酢((株)ゴールド黒酢本舗製、商品名:すなおなす(登録商標)、酸度:4.5質量%)を通常飲用する1/10濃度に飲用水で希釈したもの100mLに、コラーゲンペプチド(ビーエイチエヌ(株)製、商品名:フィッシュコラーゲン、平均分子量:約1,000)を10g添加し、十分に攪拌して均一な水溶液(試料1)を調製した。
製造例2
製造例1に記載の黒酢を同様に10倍に希釈したもの100mLに、ゼラチン((株)ニッピ製、商品名:メディゼラチン、平均分子量100,000)を10g添加し、十分に攪拌して均一な水溶液(試料2)を調製した。
製造例3
製造例1に記載の黒酢を同様に10倍に希釈したもの100mLに、コラーゲンペプチド(クローダジャパン(株)製、商品名:BycoM、平均分子量:約5,000)を10g添加し、十分に攪拌して均一な水溶液(試料3)を調製した。
製造例4
製造例1に記載の黒酢1Lを減圧濃縮し、そこにα−シクロデキストリン(ドイツ・ワッカーヘミー社製、商品名:CAVAMAX(登録商標)(R)W6)を110g添加して、噴霧乾燥を行い、黒酢粉末(試料4)を124g調製した。
製造例5
製造例4で得た黒酢粉末500mgに対して、製造例1に記載のコラーゲンペプチド10gを加え、よく混合して均一な黒酢粉末含有コラーゲンペプチド(試料5)を調製した。
比較製造例1
製造例1において、黒酢を飲用水に置き換え、飲用水100mLに対し、製造例1に記載のコラーゲンペプチドを10g添加し、十分に攪拌して均一な水溶液(比較試料1)を調製した。
比較製造例2
製造例1において、黒酢を果実酢((株)ミツカン、商品名:純リンゴ酢、酸度:4.5質量%)に置き換え、飲用水で1/10濃度に希釈したもの100mLに対し、製造例1に記載のコラーゲンペプチドを10g添加し、同様に処理して均一な水溶液(比較試料2)を調製した。
比較製造例3
製造例1において、黒酢を酢酸(日和合精(株)製、酸度:90質量%)に置き換え、製造例1に記載の黒酢、及び、比較製造例2に記載の果実酢の酸度と同等になるように、飲用水で1/200濃度に希釈したもの100mLに対し、製造例1に記載のコラーゲンペプチドを10g添加し、同様に処理して均一な水溶液(比較試料3)を調製した。
比較製造例4
製造例1において、黒酢を牛乳(明治乳業(株)製、商品名:明治おいしい無脂肪乳)に代え、該牛乳100mLに対し、製造例1に記載のコラーゲンペプチドを10g添加し、同様に処理して均一な水溶液(比較試料4)を調製した。
比較製造例5
市販の粉末インスタントコーヒー(味の素ゼネラルフーヅ(株)製、商品名:ブレンディ(登録商標))2gに飲用水140mLを加えて溶解させたコーヒー100mLに対して、製造例1記載のコラーゲンペプチドを10g添加し、同様に処理して均一な水溶液(比較試料5)を調製した。
試験例1:コラーゲン類吸収促進試験
本発明に係る成分を用いて以下の方法でコラーゲン類の体内吸収促進作用を調べた。すなわち、11週齢SD系雄性ラット(日本チャールス・リバー(株)より購入)を1週間予備飼育後、1群5匹とし、蒸留水のみ投与する対照群、本発明試料(試料1〜3、5)投与群、及び、比較試料(比較試料1〜5)投与群に群分けした。試料投与前の18時間を絶食期間とし、試料投与前(投与0分とする)に採血を行った後、試料の投与量が500mg/kg体重となるように、それぞれの試料を経口投与した。投与後30分、60分、120分及び240分経過した時点で尾静脈から採血を行った。採取した血液から血漿を分離し、血漿中のヒドロキシプロリン(Hyp)を定法に従ってフェニルイソチオシアネートで誘導化し、その誘導体をHPLCにて定量した。
この結果を表1示した。黒酢に溶解したコラーゲンペプチド(試料1)や黒酢粉末と混合したコラーゲンペプチド(試料5)を投与した場合に、血漿中Hyp量及び曲線下面積が、有意かつ高値となり、黒酢はコラーゲンペプチドの体内吸収を促進することが明らかとなった。ここで、曲線下面積は、前記所定時間毎に測定した血中Hyp濃度(縦軸)と経過時間(横軸)を指標としたグラフにおける試験期間中の曲線より下部の総面積であり、全試験期間中の血中Hyp総量を意味する。又、コラーゲンペプチドの代わりに、分子量が約100,000のゼラチンを黒酢とともに投与した場合(試料2)においても、黒酢による吸収促進効果は認められ、分子量が約5,000のコラーゲンペプチドの場合(試料3)においても、黒酢による高い吸収促進効果が認められた。更に、果実酢及び酢酸と併用した場合(比較試料2及び3)においても、コラーゲン類の吸収を促進する傾向がみられたが、黒酢の場合の方が顕著な効果であった。コラーゲンペプチドを牛乳やコーヒーに溶解した場合(比較試料4、5)の吸収率は、水や黒酢に溶解した場合(比較試料1、試料1)より、明らかに低かった。
尚、コラーゲンに含有されることが既知の、分子量が約200程度のペプチドであるGly−Pro−Hyp(Bachem AG社製、分子量285.3)及びPro−Hyp(Bachem AG社製、分子量228.3)を用いて、Hyp含量を調整したものを実施例1に記載の黒酢に希釈して同様に試験したところ、血漿Hyp値及び曲線下面積の値は試料1の場合とほぼ同程度であった。
Figure 2012082185
試験例2:ヒトにおける美肌効果の比較試験
ボランティアの成人女性30名(35歳〜55歳、平均年齢:45.5歳)を3グループ(1グループ10名)に分け、比較試料1、2あるいは試料1を1日あたり5gずつ、6週間摂取してもらった。前記試料を摂取する前後の皮膚弾力性を皮膚粘弾性測定装置(ドイツ、Courage+Khazaka社、製品名:CUTOMETER MPA580(R))を用いて測定し、又、顔の所定部位の皮膚レプリカを採取し、レプリカ解析装置((有)アサヒバイオメッド、ASA−03R)を用いて測定した。
この結果を表2に示した。試料を摂取する前後での皮膚弾力性の変化は、水にコラーゲンペプチドを溶解した比較試料1を摂取した場合より、黒酢にコラーゲンペプチドを溶解した試料1を摂取した場合の方で、シワが有意に改善されていた。果実酢にコラーゲンペプチドを溶解した比較試料2を摂取した場合でも、皮膚弾力性が向上していたが、試料1の方が顕著な効果を発揮した。又、シワの個数は、比較試料1よりも、試料1の方が有意にシワが減少し、比較試料2においてもシワ改善効果を示したが、試料1の方がシワ改善効果は顕著であった。これらのことから、水及び果実酢よりも、黒酢がコラーゲン類の生体内有用性を高めて美肌・美容効果を増強させることが明らかとなった。
Figure 2012082185
試作例1:飲料
市販の黒酢((株)ゴールド黒酢本鋪製、商品名:すなおなす)500mLに、コラーゲンペプチド(ビーエイチエヌ(株)製、商品名:フィッシュコラーゲン)を50g、ガラクトオリゴ糖20gを添加してガラス製容器に充填した。これは冷蔵庫で8週間保存しても外観及び風味に異状及び違和感は認められなかった。
試作例2:栄養補助食品
試料4(シクロデキストリンによる黒酢粉末)を0.2g、前記製造例1、2又は3に記載のコラーゲン類のいずれか5g及びN−アセチルグルコサミン0.5gを混合・篩過した粉末を包装充填し、栄養補助食品を試作した。
本発明のコラーゲン類吸収促進剤は、これを摂取することによりコラーゲン類の体内吸収を促進するため、飲食品、医薬品、飼料、ペットフード等の経口組成物に利用できる。

Claims (8)

  1. 黒酢を有効成分として含有してなることを特徴とするコラーゲン類吸収促進剤。
  2. 黒酢とコラーゲン類とを含有してなる請求項1に記載のコラーゲン類吸収促進剤。
  3. コラーゲン類がコラーゲン、ゼラチン及びこれらの加水分解物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載のコラーゲン類吸収促進剤。
  4. 加水分解物の分子量が約200〜約100,000のものである請求項3に記載のコラーゲン類吸収促進剤。
  5. 黒酢が液体及び/又は粉末のものである請求項1又は2に記載のコラーゲン類吸収促進剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のコラーゲン類吸収促進剤を配合してなる経口組成物。
  7. 経口組成物が飲食品である請求項6に記載の経口組成物。
  8. 黒酢とコラーゲン類とを経口摂取することを特徴とする、コラーゲン類の体内吸収を高めるための方法。
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