次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。但し、部材を後側から見た状態で示す図面を参照する場合には、当該参照した図面を基準として「右」、「左」を指称する場合がある。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠12の開口前面側に、遊技盤14が着脱可能に保持される本体枠としての中枠16が開閉および着脱可能に組み付けられる。遊技盤14の裏側に対しては、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が配設された箱状部材20が着脱自在に設けられている。また、前記中枠16の前面側には、前記遊技盤14を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠22が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠22の下方にパチンコ球Sを貯留する下球受け皿24が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠22の下部位置に、パチンコ球Sを貯留する上球受け皿26が一体的に組み付けられており、前枠22の開閉に合わせて上球受け皿26も一体的に開閉するよう構成される。
図2に示すように、前記中枠16は、上縁をなす上枠部材28と、下縁をなす下枠部材36と、左側縁をなす左枠部材38と、右側縁をなす右枠部材40とから構成されて、これら上下左右の枠部材28,36,38,40を組み付けた際に、全体が前記外枠12の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、前記上下左右の枠部材28,36,38,40を組み付けた際に前後に開口する開口領域が、前記遊技盤14を設置する遊技盤設置部42として機能する。なお、下枠部材36には、打球発射装置32、操作ハンドル34等が設置され、遊技者が操作ハンドル34を回動操作することで、前記打球発射装置32がパチンコ球Sを発射するようになっている。ここで、前記中枠16は、左側部(上枠部材28および下枠部材36の左端)に配設された支持金具16a,16aに対して前記外枠12の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠16を回転させることで、該外枠12に対して中枠16を開閉し得るようになっている。また、中枠16には、左側部に設けた支持片16bが設けられ、該支持片16bおよび前記上側の支持金具16aに対して、前記前枠22が枢支されることで中枠16に対して前枠22が開閉可能とされる。
また、前記左枠部材38における遊技盤設置部42に臨む上下の枠部材28,36の近傍に、回転保持部材44,44が配設されると共に、上下の枠部材28,36における右端部近傍に、固定手段46,46が配設されている。前記回転保持部材44は、前記遊技盤14の左側部(一方側部)の前面および側端面に当接するL字状に形成されており、該遊技盤14の右側部が中枠16の右枠部材40から前方へ離間した着脱姿勢と、遊技盤14が遊技盤設置部42に嵌り込んだ保持姿勢との間で遊技盤14の左側部を回転可能に支持するよう構成される。前記固定手段46は、前記保持姿勢に回転された遊技盤14の右側部(他方側部)を着脱可能に固定するものである。実施例では、前記固定手段46として、作業者の手指により解除位置および規制位置に回動操作し得る回転レバー式のものが採用されている。そして、前記保持姿勢とした遊技盤14に対し、上下の固定手段46,46を規制位置に回動変位することで、該固定手段46,46が遊技盤14の右側部前面に当接して、遊技盤14が遊技盤設置部42から脱離不能に保持されると共に、該固定手段46,46を解除位置に回動変位することで、前記回転保持部材44,44を介して遊技盤14を着脱姿勢に回転させ得るよう構成されている。
〔遊技盤について〕
図3に示すように、実施例の遊技盤14は、盤面に配設されたレール部材48によりパチンコ球Sが流下可能な遊技領域50が画成された略矩形状のベニヤ板で構成されている。前記遊技盤14には、前記図柄表示装置18の表示部18aが臨む図柄表示用開口部51が開設された枠状装飾部材52が配設されると共に、該枠状装飾部材52の下方位置に、パチンコ球Sが入賞可能な始動口54,56を備えた始動入賞装置(上部入賞装置)58が配設されている。前記始動入賞装置58には、上下の関係で始動口54,56が設けられており、上部始動口54または下部始動口56にパチンコ球Sが入賞することで、図柄表示装置18での図柄変動演出が開始されるよう構成される。この図柄変動演出の結果、前記図柄表示装置18に特定の図柄組合わせ(例えば、同一図柄の三つ揃え)が表示されることで遊技者に有利な大当り(特別遊技)が発生するよう構成されている。前記遊技盤14における始動入賞装置58の下方位置には、大当り発生時に特別入賞口(第2の入賞口)60を開放してパチンコ球Sの入賞を許容する特別入賞装置(下部入賞装置,電気部品)62が配設され、該特別入賞口60にパチンコ球Sが入賞することで、球払出装置(図示せず)から前記上球受け皿26に賞球が払出されるようになっている。
図4に示すように、前記遊技盤14には、前記枠状装飾部材52が配設される大型貫通口64と、該大型貫通口64の下方位置において遊技領域50の左右幅方向の略中央に開設された入賞装置用貫通口66と、遊技領域50の左下方(図4では右側方)に開設された三日月状の一般入賞用貫通口68とが開設されている。前記入賞装置用貫通口66は、前記始動入賞装置58が取付けられる上部開口(開口部,第1の開口部)70と、該上部開口70の下側に連設されて横長略矩形状の下部開口(第2の開口部)72とから構成されている。前記一般入賞用貫通口68には、遊技領域50に開口する複数の一般入賞口74を備えた一般入賞装置(電気部品)76が配設される。
〔始動入賞装置について〕
図5,図6に示すように、前記始動入賞装置58は、遊技盤14の前面に臨む取付板78と、該取付板78の前側に設けられて、前記上部始動口54を有する上部球受部80と、該上部球受部80の下方に設けられて、前記下部始動口56を有する下部球受部82と、取付板78の後側に配設された始動装置本体(上部本体)84とから基本的に構成される。また、前記始動入賞装置58には、前記上部始動口54に連通して、該上部始動口54に入賞したパチンコ球Sを遊技盤14の後方へ転動させる上部球通路(球通路)86と、前記下部始動口56に連通して、該下部始動口56に入賞したパチンコ球Sを遊技盤14の後方へ転動させる下部球通路88(図7参照)とが形成されている。そして、前記始動装置本体84を遊技盤14の前記上部開口70に前側から挿入し、取付板78を遊技盤14にネジ止めすることで、始動入賞装置58が遊技盤14に取付けられる。図7に示すように、前記始動入賞装置58が遊技盤14に取付けられた状態では、前記始動装置本体84が遊技盤14の後面から後方へ突出して、上部開口70を貫通している。
前記上部球受部80は、図7に示すように、前記取付板78の上部から前方へ突出すると共に上方および後方へ開放するよう形成され、該上部球受部80の上方開口が前記上部始動口54として機能するようになっている。前記取付板78の後側には、前記上部球受部80と対応する位置に、後方へ向けて下方傾斜する樋状部90が一体的に形成されている。前記樋状部90は、その全長に亘って上方に開放する半円筒状に形成されており、前記上部始動口54に入賞したパチンコ球Sは、上部球受部80から樋状部90を介して後方へ転動するようになっている。すなわち、この樋状部90は、前記上部球通路86(具体的には、後述する第1通路106)の一部(前側部分)を構成している。前記下部球受部82は、前記取付板78から前側に離間する前板82aと、該前板82aの上縁部を除く縁部から後方へ延出して前記取付板78に当接した前板壁部82bとから上方に開放するよう構成されている。そして、下部球受部82の上方開口が前記下部始動口56として機能する。なお、下部球受部82および取付板78の間には、前記下部始動口56を開閉する一対の開閉部材92,92が設けられている。
前記始動装置本体84の上部には、図5に示すように、上方に突出すると共に前後方向に延在する一対の側壁部94,96が左右に離間して形成されており、両側壁部94,96により上方に開放する上部球通路86の一部(後側部分)を画成している。左側の側壁部94(以下、左側壁部という)は、前端部が前記樋状部90の左方位置において、前記取付板78の後面に当接するよう形成されている。また、左側壁部94の後部側には、上方に突出する突壁部94aが形成されて、段差形状をなしている。そして、左側壁部94における高さの低い前側の部位が逃げ凹部98とされる。すなわち、左側壁部94における逃げ凹部98を設けた部位は、上部球通路86の転動面を規定する始動装置本体84の上面(以下、転動面86aという)からの突出高さが低くなっている。この逃げ凹部98は、始動装置本体84を遊技盤14の上部開口70に挿入する際に、左側壁部94が該上部開口70の縁部に干渉するのを抑制するようになっている。
前記始動装置本体84の右側の側壁部96(以下、右側壁部という)は、前記樋状部90の右側後端部に当接して後方に延在する外側壁100と、該外側壁100より左側(左側壁部94側)に設けられた内側壁102とから構成されている。前記内側壁102の前端部には、後方へ向かうにつれて左方へ傾斜する傾斜案内部104が形成され、該傾斜案内部104の前端部が外側壁100の左側面に接続している。従って、実施例にかかる上部球通路86は、図5に示す如く、前記樋状部90、左側壁部94および外側壁100により画成されて前記上部始動口54に連通する第1通路106と、該左側壁部94および内側壁102により画成されて第1通路106に連通する第2通路108とから構成される。そして、上部球通路86を転動するパチンコ球Sは、第1通路106から第2通路108へ移動する際に、前記傾斜案内部104により斜め左方へ案内される。
なお、前記外側壁100の突出高さは、内側壁102より小さく設定されている。すなわち、外側壁100を内側壁102より低く設定することで、前記逃げ凹部98と同様に、始動装置本体84を遊技盤14の上部開口70に挿入する際に、外側壁100が該上部開口70の縁部に干渉するのを抑制している。なお、左側壁部94の後端部および内側壁102の後端部は、左右方向に延在する連結規制壁110により連結されており、該連結規制壁110により上部球通路86を転動するパチンコ球Sが上部球通路86から後方へ飛び出すのを規制している。
前記始動装置本体84における上部球通路86の後端には、該上部球通路86を転動したパチンコ球Sを下方へ排出する上球排出口(球排出口)112が上下方向に開放して形成されている。また、始動装置本体84には、検知部114aを上球排出口112に整合させた状態で上部球検知センサ114が配設され、該検知部114aを通過したパチンコ球Sを上部球検知センサ114が検知するようになっている。なお、図5に示すように、前記上部球検知センサ114の前端部に配線114Xが接続されており、該配線114Xは、始動装置本体84の左側部に引き出されている。そして、前記配線114Xは、始動装置本体84の左側部に沿って後方へ引き回されて、始動装置本体84の後部から後方に引き出されている。図4,図7に示すように、前記始動装置本体84は、前記上球排出口112の下方の空間を左右から挟むように延在する一対の延出片116,116を備えている。両延出片116,116により、上下方向および後方に開放する球排出路118が画成され、前記上球排出口112から落下したパチンコ球Sが球排出路118を介して始動入賞装置58の機外へ排出されるようになっている。なお、前記始動装置本体84の後部には、前記上部球通路86の右側に位置して、前記開閉部材92,92を開閉させる第1ソレノイド120が設けられている。第1ソレノイド120の後部から配線120Xが導出しており、該配線120Xは、前記上部球検知センサ114の配線114Xと同様に、始動装置本体84の後部から後方へ引き出される。
図7に示すように、前記始動装置本体84の内部には、前記取付板78に設けた下開口部78aを介して下部始動口56に連通する前記下部球通路88が前後方向に延在するよう設けられる。また、始動装置本体84における下部球通路88の後端には、上下方向に開放する下球排出口122が形成される。更に、始動装置本体84の下部には、下部球通路88の下方に位置して、下部始動口56に入賞したパチンコ球Sを検知する下部球検知センサ124が、その検知部124aを下球排出口122に整合させた状態で配設されている。そして、下部始動口56に入賞したパチンコ球Sは、下球排出口122および下部球検知センサ124を介して、始動入賞装置58から排出される。なお、図6に示すように、下部球検知センサ124の前端部から配線124Xが導出しており、該配線124Xは、始動装置本体84の左側部における前側下部に引き出される。そして、前記配線124Xは、始動装置本体84の左側部を斜め上後方へ引き回されて、前記上部球検知センサ114と共に始動装置本体84の後部から後方へ引き出される。
〔特別入賞装置について〕
前記特別入賞装置62は、図3,図8,図9に示すように、前記遊技盤14に取着され、前記特別入賞口60を開設した特別用飾り部126と、該特別用飾り部126の裏側に配設され、特別入賞口60を介してパチンコ球Sが入賞可能な入賞空間128を画成した特別装置本体130(下部本体)と、特別入賞口60を開閉自在に閉成する開閉扉132とから基本的に構成される。そして、前記特別装置本体130を遊技盤14の前記下部開口72に前側から挿入し、特別用飾り部126を遊技盤14にネジ止めすることで、特別入賞装置62が遊技盤14に取付けられる。図7に示すように、前記特別入賞装置62が遊技盤14に取付けられた状態では、前記特別装置本体130が遊技盤14の後面から後方へ突出して前記始動装置本体84の下方に位置している。前記特別装置本体130の左側後部には、前記開閉扉132を開閉させる駆動源としての第2ソレノイド134が設けられている。この第2ソレノイド134の後部から配線134Xが導出しており、該配線134Xは、特別装置本体130の左側後部から後方に引き出されている。
前記特別装置本体130の上部には、前記始動入賞装置58の上球排出口112の下方に位置して球受部136が設けられている。この球受部136は、前記特別装置本体130から後方に突出する受け面部138と、該受け面部138の前端縁を除く外周縁から上方に延出する受け壁部140とから上方に開放するよう構成され、前記上球排出口112から落下したパチンコ球Sを球受部136で受け止め得るようになっている。前記受け面部138は、前方から後方に向かうにつれて左方へ傾斜する斜縁部を備え、後方に突出した台形状に形成される。また、図7に示すように、受け面部138は、前方へ向けて下方傾斜しており、その前端縁は、特別装置本体130に上下に貫通形成した球放出路142の上部開口70に臨んでいる。すなわち、前記始動入賞装置58の上球排出口112から落下したパチンコ球Sは、前記球受部136で受け止められて受け面部138を転動し、前記球放出路142を介して特別入賞装置62の下方へ排出されるようになっている。なお、前記球放出路142は、始動入賞装置58の下球排出口122の下方に位置しており、該下球排出口122を介して始動入賞装置58から排出されたパチンコ球Sは、球受部136で受け止められることなく、球放出路142を通過して遊技盤14の下方へ排出される。
〔一般入賞装置について〕
前記一般入賞装置76は、図10に示すように、前記一般入賞用貫通口68を前側から覆い得る寸法および形状に形成された装飾板体144と、該装飾板体144に設けられ、前記一般入賞口74が上部に形成された複数(実施例では3つ)の一般入賞部146,146,146と、該装飾板体144の後側に配設された一般装置本体148とから構成される。そして、一般装置本体148を一般入賞用貫通口68に対して前側から挿入し、装飾板体144を遊技盤14にネジ止めすることで、一般入賞装置76が遊技盤14に固定される。前記装飾板体144の前面には、光透過性を有すると共に光拡散処理が施された一般発光部150が設けられている。また、装飾板体144には、内部が透視可能なケース体152が前方に突出するよう設けられ、ケース体152の内部にケース収容空間152a(図11参照)が画成されている。このケース収容空間152aには、所要の装飾が施された装飾体(図示せず)が収容されており、遊技盤14の前方からケース体152を介して装飾体が視認可能に構成されている。前記一般入賞部146は、前記一般入賞口74に連通すると共に前後方向に延在する一般樋部154を備え、該一般入賞口74に入賞したパチンコ球Sは一般樋部154を介して遊技盤14の後方へ転動する。
前記一般装置本体148は、前記一般入賞用貫通口68の開口形状と略整合する外郭形状をなすと共に、その前後方向の厚みは、遊技盤14の厚みと略一致している。そして、一般入賞装置76を遊技盤14に取付けた状態では、一般装置本体148が一般入賞用貫通口68内に収容され、一般装置本体148の後面が遊技盤14の後面と前後方向において略一致するようになっている。図4に示すように、前記一般装置本体148の内部には、前記一般発光部150に光を照射して該一般発光部150を明輝させる第1一般発光基板156が収容されている。また、一般装置本体148の内部には、前記ケース体152に収容された装飾体を発光させる第2一般発光基板158が収容されている。一般装置本体148の後面には、矩形状の配線導出口(導入部分)160が前後方向に開放して形成され、前記第1,第2一般発光基板156,158に接続された配線156X,158Xが、配線導出口160を介して遊技盤14の後方へ引き出されるようになっている。
〔箱状部材について〕
前記箱状部材20は、図12に示すように、前記遊技盤14に対向する略矩形状の対向面部162と、該対向面部162の周縁部から前方に延出する外周壁部164とから前方に開放する箱状に形成され、全体が無色透明の部材で構成されている。外周壁部164の前端部には、箱状部材20の開口外側へ延出する設置固定部166が複数形成されている。そして、外周壁部164の前端部および設置固定部166を遊技盤14の後面に当接した状態で、各設置固定部166を遊技盤14にネジ止めすることで、箱状部材20が遊技盤14に着脱自在に取付けられる。箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態では、図11,図13に示すように、該遊技盤14および箱状部材20の間に所要の空間168(以下、設置空間という)が画成される。図14に示すように、前記箱状部材20には、遊技状態に合わせて発光演出および可動演出を行う上部演出装置(電気部品)170および右部演出装置(電気部品)172が配設されており、箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、これら演出装置170,172が前記設置空間168に臨むようになっている。また、図11に示す如く、箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、前記一般入賞装置76における一般装置本体148の後面が前記設置空間168に臨み、一般入賞装置76の配線156X,158Xが配線導出口160から設置空間168内に引き出されるようになっている。
前記対向面部162には、上下および左右幅の大部分が開口する矩形状の表示開口部174が設けられており、以下の説明において、対向面部162における表示開口部174に対する上下左右に位置する部分について、上対向面部176、下対向面部178、左対向面部180、右対向面部182と夫々指称し、該上下左右の対向面部176,178,180,182に対応する外周壁部164を、上周壁部184、下周壁部(下側の外周壁部)186、左周壁部188、右周壁部190と夫々指称するものとする。なお、対向面部162の後面には、前記表示開口部174を覆うように前記図柄表示装置18が着脱自在に配設される。
前記上対向面部176の前側に配設された上部演出装置170は、図示しない制御装置の制御に基づいて、前面に設けた可動体192が作動すると共に、前面の略全体が発光するよう構成されている。図15に示すように、上部演出装置170には、前記可動体192を駆動させる演出用モータ194が左側(図15では右側)に偏倚して設けられると共に、上部演出装置170の前面を発光させる演出用発光基板196が左右方向の略中央位置に配設されている。図15において、前記上対向面部176には、前後方向に開放する配線開口198,198が左右に離間して設けられている。図15における右側の配線開口198には、前記演出用モータ194に接続された配線194Xが挿通されて、該配線194Xが箱状部材20の後方に引き出されている。また、図15において左側の配線開口198には、演出用発光基板196に接続された配線196Xが挿通されて、該配線196Xが箱状部材20の後方へ引き出されている。前記上対向面部176の後面には、第1横案内係止片200が左右に並んで複数設けられ、図15における左側の配線開口198を介して引き出された前記配線196Xを第1横案内係止片200で係止して、右方へ案内するよう構成される。また、上対向面部176には、図15において右側の配線開口198に対応する位置に第1下案内係止片202が設けられており、前記第1横案内係止片200で案内された配線196Xおよび右側の配線開口198を介して引き出された配線194Xを第1下案内係止片202で係止して下方へ案内するようになっている。
前記左対向面部180の後面上部には、複数のコネクタ受部を備えた上部中継基板(電気部品)204が配設され、前記第1横案内係止片200および第1下案内係止片202で案内された上部演出装置170の配線194X,196Xが上部中継基板204に接続される。また、左対向面部180の後面における上部中継基板204の下方には、該上部中継基板204から導出する複数の配線(規制部)204Xを下方に案内する第2下案内係止片206が上下に並んで複数設けられている。なお、図15,図16等では、便宜上、上部中継基板204から導出する配線204Xを1本のみ図示するが、実際は、図17に示す如く、上部中継基板204から複数の配線204Xが束となって導出している。図16,図17に示すように、前記左対向面部180の後面下部には、前記第2下案内係止片206で案内された配線204Xを内側(図17では、左方)へ案内する第2横案内係止片(遊技機構成部品)208が設けられている。すなわち、上部中継基板204から導出する配線204Xは、最も下方に位置する第2下案内係止片206から第2横案内係止片208に案内される間に図17の左方へ湾曲されて、当該部位に湾曲部Aが形成されている。なお、第2横案内係止片208は、前記対向面部162の後面から後方へ突出する係止片基部208aと、該係止片基部208aの後端部から対向面部162と平行に下方へ延出する係止部208bとから構成されている。
図12に示すように、前記左対向面部180は、左側の縁部における下部側から下端にかけて、上方から下方へ2段階で内側(右方)へ凹む段差形状をなしている。そして、当該段状の縁部から前記左周壁部188が前方へ延出して、上下2段の段差部210(上側段差部210aおよび下側段差部210b)が形成されている(図16参照)。すなわち、上側段差部210aは、左周壁部188の最も外側(左方)に位置する部位(以下、最外壁部212という)、左周壁部188における該最外壁部212から一段内側の部位(以下、上段壁部214という)、および最外壁部212と上段壁部214とを連結する上部連結壁216により構成される。また、下側段差部210bは、前記上段壁部214、左周壁部188における上段壁部214から一段内側の部位(以下、下段壁部218という)、および上段壁部214と下段壁部218とを連結する下部連結壁220により構成される。ここで、上下の段差部210は、前記箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、図18に示すように、前記一般入賞装置76の配線導出口160の左方(図15では、右方)に位置するようになっている。そして、上下の段差部210a,210bのうち、前記下段壁部218と下部連結壁220との連結部分が、前記配線導出口160に最も近接する部位(以下、最近接部Bという)となっている。
図19に示すように、前記左周壁部188には、前記上段壁部214、下部連結壁220および下段壁部218の前端縁を後方に切り欠いた凹部222が形成されている。この凹部222は、前記設置空間168を箱状部材20の外部に開放するものであって、該凹部222を介して前記一般入賞装置76の配線156X,158Xを左周壁部188の内側から外側に引き出すよう構成される。ここで、図18に示すように、前記凹部222は、左周壁部188において、前記最近接部Bを含むよう形成されている。すなわち、配線導出口160に近接して凹部222を設けることで、前記設置空間168内を引き回す一般入賞装置76の配線156X,158Xの距離が短くなるよう構成されている。
前記左周壁部188には、凹部222の後方に位置して配線フック224が設けられ、該凹部222から引き出された前記一般入賞装置76の配線156X,158Xを保持するようになっている。この配線フック224は、前記下側段差部210bを形成する上段壁部(外側の外周壁部)214の下端部から当該下側段差部210bを形成する下段壁部(内側の外周壁部)218に対向するよう延出するフック本体226と、該フック本体226の下端部から内側(図18では、左方)に突出する係止突部228とから構成されている。前記フック本体226および左周壁部188(下段壁部218)の間には、前後および下方に開放する所要の隙間が画成されており、当該隙間に一般入賞装置76の配線156X,158Xを挿通させることで該配線156X,158Xを保持するようになっている。そして、前記配線フック224で保持された配線156X,158Xは、左周壁部188の外面に沿って後方へ延在させて、箱状部材20(下対向面部178)の後面へ引き出される。図19に示すように、前記フック本体226の前後幅の寸法は、左周壁部188の前後幅より小さく設定されており、配線フック224は、左周壁部188の内側に収まって該左周壁部188から前後に突出しないよう構成される。更に、図18に示すように、フック本体226は、上段壁部214の下端部から下方へ真っ直ぐ延出しており、配線フック224が上段壁部214より外側(左方)に突出しないよう図られている。なお、前記凹部222および配線フック224は、遊技盤14が中枠16の前記回転保持部材44,44に支持される左側部(一方側部)と同じ左側の外周壁部164(すなわち、左周壁部188)に設けられる。
〔下対向面部の前側の構成について〕
図14,図20に示すように、前記下対向面部178の前側には、前記始動入賞装置58の始動装置本体84の後部を収容可能な装置収容部230が設けられる。また、下対向面部178における装置収容部230の左方には、複数の球通路(図示せず)が内部画成されて、前記一般入賞装置76の一般入賞口74に入賞したパチンコ球Sを機外に排出する球通路部材232が配設される。
前記球通路部材232は、前後方向に開放する球通入口234,234,234を複数(実施例では、3つ)備えた前板部236を備え、各球通入口234に連通する前記球通路が該前板部236の後側に形成されている。前記箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態では、各球通入口234が前記一般入賞装置76の対応する一般樋部154の後端部に連通し、該一般樋部154を転動したパチンコ球Sが球通入口234を介して球通路に流入するようになっている。前記球通路部材232は、前後方向に開放する設置孔が開設された筒状のセンサ保持部238,238を2つ備え(図14,図17参照)、各センサ保持部238に磁力を用いた不正行為を検知可能な磁気センサ(遊技機構成部品)240が着脱自在に配設される。前記センサ保持部238には、磁気センサ係止フック(遊技機構成部品)242が後方に突出するよう設けられている。また、前記球通路部材232には、後方に開口する検知器保持部244,244,244が3つ設けられており(図14,図17参照)、各検知器保持部244に、前記球通路を流下したパチンコ球Sを検知する一般球検知器(遊技機構成部品)246が着脱自在に配設される。図16に示すように、前記検知器保持部244には、検知器係止フック(遊技機構成部品)248が後方に突出するよう設けられている。
図12に示すように、前記下対向面部178の下縁部における左右略中央部には、前記装置収容部230の下方に位置して、該下縁部を上方へ切り欠いた凹状部250が形成され、前記下周壁部186における凹状部250に対応する部位は、左右方向に延在する下隔壁(下側の外周壁部)252とされる。図20に示すように、前記装置収容部230は、前記下隔壁252と、前記下対向面部178の前面に立設された左収容壁254と、該左収容壁254から所定間隔右方に離間して該下対向面部178の前面に立設された右収容壁256と、下対向面部178における左右の収容壁254,256の間の部位(以下、後保護面258という)とから構成される。
前記左収容壁254は、下端部が下隔壁252に連結すると共に、上端部(後述する落下規制壁)が右方へ略直角に折曲した形状とされる。右収容壁256は、その下端部が下隔壁252から上方に僅かに離間すると共に、その上端部が左方へ略直角に折曲している。すなわち、装置収容部230には、左右の収容壁254,256、下隔壁252および後保護面258により、略矩形状に前方に開放する空間が画成される。そして、図7に示すように、箱状部材20を遊技盤14に取付けた際に、前記始動装置本体84の後部が装置収容部230内に収容されるようになっている。すなわち、前記始動入賞装置58の始動装置本体84は、前記箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、下隔壁252より上方に位置し、前記設置空間168内に臨む(箱状部材の内側に臨む)よう構成される。ここで、前記始動装置本体84が装置収容部230に収容された状態では、該装置本体の一対の延出片116,116の後端縁が前記後保護面258から僅かに離間し、前記球排出路118の後方開口が後保護面258により閉塞されるようになっている。
前記下対向面部178の凹状部250は、遊技盤14の下部開口72に略整合する開口形状に形成され、前記箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、下部開口72の後方に臨むようになっている。また、前記下隔壁252における左右の両端部には、凹状部250の上下方向の縁部から前方に延出する縦壁260,260が連設されている。前記下隔壁252および縦壁260,260により、前後方向および下方に開放する下部収容空間262が画成され、箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、前記特別入賞装置62における特別装置本体130の後部が、下部収容空間262内に臨むようになっている。すなわち、図7に示すように、前記始動入賞装置58および特別入賞装置62は、前記箱状部材20の下隔壁(下側の外周壁部)252を挟んで上下の関係で配置される。また、特別装置本体130の球受部136の上端部は、前記下隔壁252から僅か下方に離間している。
図16,図17に示すように、前記下対向面部178には、前記球通路部材232のセンサ保持部238に対応して、センサ用開口264,264が前後方向に開放して斜め上下に2つ設けられており、前記磁気センサ係止フック242がセンサ用開口264を介して下対向面部178の後面(後述する設置部取付面304)から後方に突出している。そして、磁気センサ240をセンサ用開口264を介してセンサ保持部238に挿入し、前記磁気センサ係止フック242がセンサ保持部238の後部に係止することで、磁気センサ240がセンサ保持部238に設置される。磁気センサ240がセンサ保持部238に設置された状態では、磁気センサ240の後部が下対向面部178から後方に突出している(図16参照)。また、前記下対向面部178には、上側2つの検知器保持部244,244に対応して、検知器用開口266,266が前後方向に開放して斜め上下に2つ設けられており、前記検知器係止フック248が各検知器用開口266を介して下対向面部178の後面から後方に突出している。そして、一般球検知器246を検知器用開口266を介して検知器保持部244に挿入し、前記検知器係止フック248が一般球検知器246の後部に係止することで、一般球検知器246が検知器保持部244に設置される。一般球検知器246が検知器保持部244に設置された状態では、該一般球検知器246の後部が下対向面部178から後方に突出した状態となる(図16参照)。なお、下対向面部178の下縁部には、最も下位に位置する検知器保持部244に対応して上方へ切り欠いた検知器用凹部268が形成され、当該検知器保持部244に対しては、検知器保持凹部222を介して一般球検知器246が挿入される。
〔落下規制部について〕
図20に示すように、前記左収容壁254には、上部の屈曲部分から前方に所定長さで延出する落下規制部(規制部)270が一体的に形成されている。この落下規制部270は、水平面をなす球規制片272と、該球規制片272の左縁部から下方へ折曲した補強片274とから構成される。図7,図14に示すように、前記落下規制部270は、始動装置本体84が装置収容部230に収容された状態で、上部球通路86を画成する前記左側壁部94に沿って前後方向に延在するよう構成される。前記落下規制部270の下対向面部178からの突出量は、該落下規制部270の前端部が遊技盤14から僅かに後方に位置するよう設定される。すなわち、落下規制部270は、遊技盤14の後面から後方に突出する左側壁部94の大部分をカバーするように延在している。
図14に示すように、落下規制部270は、箱状部材20を遊技盤14に取付けた状態で、球規制片272の右縁部が上部球通路86の左側壁部94の真上に位置するよう構成される。前記球規制片272の右縁部が前記左側壁部94から離間する距離Lは、パチンコ球Sの直径より小さくなるよう設定されている(図7参照)。ここで、前記左側壁部94の逃げ凹部98が設けられた部位は、上部球通路86の側壁部において上下の高さが低くなっている。しかも、左側壁部94は、前記第1通路106から第2通路108へ移行するパチンコ球Sの移動方向前方(すなわち、左側)に位置していることから、上部球通路86を転動するパチンコ球Sが左側壁部94を乗り越えてしまう可能性がある。そこで、実施例では、落下規制部270を左側壁部94に沿うように設けて、パチンコ球Sが上部球通路86から落下するのを防止している。
図7,図20に示すように、前記下隔壁252には、前記始動入賞装置58の上球排出口112と、特別入賞装置62の球受部136との間に位置して、上下方向および前方に開放する球通過口276が形成され、上球排出口112を介して落下したパチンコ球Sを通過させるようになっている。前記球通過口276は、下隔壁252の前端縁から前記後保護面258(対向面部162)の僅か前方にかけて前後方向に延在する第1縦縁部278と、該第1縦縁部278の後端縁から右方へ左右方向に延在する横縁部280と、該横縁部280の右端縁から前方へ前後方向に延在する第2縦縁部282と、該第2縦縁部282の前端縁から下隔壁252の前端縁にかけて斜め方向に延在する斜縁部284とから構成される。前記第2縦縁部282の延在長さは、前記第1縦縁部278より小さく設定されており、該第2縦縁部282の前端縁から延出する斜縁部284は、前方に向かうにつれて右方へ傾斜している。すなわち、図21に示すように、球通過口276の右側の縁部(図21では、左側)は、下隔壁252に形成された略三角形状の突出片252aにより画成されている。そして、球通過口276の開口形状は、略台形状に形成されて、前記特別入賞装置62の球受部136の外郭形状に略整合する形状とされる。
前記下隔壁252の上面には、前記球通過口276の後方に位置して球案内部286が設けられている。球案内部286は、前方に向かうにつれて下方傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面の下端縁は、前記球通過口276の横縁部280に臨んでいる。前記始動入賞装置58の上球排出口112から落下したパチンコ球Sが球案内部286に接触した際に、パチンコ球Sを球通過口276へ案内するようになっている。前記下隔壁252には、前記球通過口276の右側に位置して、該下隔壁252の前端縁を後方に切り欠いた始動配線用凹部(配線導出部)288が開設されている。この始動配線用凹部288は、上下方向および前方に開放した矩形状の開口形状をなしており、図21に示すように、始動装置本体84の後部から導出する配線114X,120X,124Xが始動配線用凹部288を介して設置空間168の外側へ引き出される。
〔保護部について〕
図21に示すように、前記下隔壁252の下面には、前記球通過口276の開口縁に沿うよう保護壁部290が下方に向けて突設されている。この保護壁部290は、前方に開放した略コ字状に形成されており、前記特別入賞装置62が下部収容空間262に収容された状態で、保護壁部290が前記球受部136を後方から覆うように構成されている。保護壁部290における下隔壁252からの突出量は、図7に示すように、保護壁部290の下端部が前記球受部136の上端部より下方に位置するように設定されている。すなわち、保護壁部290は、球受部136の上端部および球通過口276の上下方向の隙間を閉塞するようになっている。
ここで、図7に示すように、前記始動入賞装置58の上球排出口112と、特別入賞装置62の球受部136との間の空間(以下、落下空間Cという)は、箱状部材20に設けられた前記装置収容部230(すなわち、後保護面258、左右の収容壁254,256および下隔壁252)および保護壁部290によって囲繞されている。すなわち、実施例では、これら装置収容部230および保護壁部290で構成された保護部292により前記落下空間Cを覆って保護している。これにより、後述するように、箱状部材20の後面を引き回される各種配線156X,158X,204Xや、始動入賞装置58および特別入賞装置62自身から導出する配線114X,120X,124X,134Xが落下空間Cへ侵入するのを抑制している。しかも、図21に示すように、下隔壁252の突出片252aが球受部136の斜面部に沿うように延在して、球通過口276と球受部136との間の隙間が小さくなるよう構成されている。これにより、前記配線156X,158X,204X,114X,120X,124X,134Xが落下空間Cへ入り込むのを抑制している。
〔下対向面部の後側の構成について〕
次に、下対向面部178の後側の構成について説明する。図15に示すように、前記下対向面部178の後側には、複数のコネクタ受部を備えた3つの中継基板294,296,298(図15の左側から右側にかけて順に第1下部中継基板294、第2下部中継基板296、第3下部中継基板298という)が配設されている。前記第1下部中継基板294および第2下部中継基板(基板)296は、夫々、下対向面部178の後面に設けた第1基板設置部300および第2基板設置部302に着脱自在に配設されている。前記第1下部中継基板294には、前記図柄表示装置18や制御装置に接続した配線(図示せず)が接続されると共に、前記始動入賞装置58の第1ソレノイド120から導出する配線120Xが接続される。前記第2基板設置部302は、前記下対向面部178における装置収容部230の後方に位置し、前記第2下部中継基板296は、始動入賞装置58の真後ろに設置される。前記第2下部中継基板296に対しては、第1下部中継基板294と同様に、前記制御装置に接続した配線が接続されると共に、箱状部材20に設けられた右部演出装置172の配線(図示せず)等が接続される。更に、第2下部中継基板296には、前記上部中継基板204から導出した配線204Xや前記一般入賞装置76から導出した配線156X,158Xが接続される。なお、始動入賞装置58の上下の球検知センサ114,124の配線114X,124Xは、前記第1〜第3下部中継基板294,296,298を介することなく、前記制御装置に直接接続されるようになっている。
図16に示すように、前記下対向面部178の後面右部から前記左対向面部180の後面下部にかけて設置部取付面(後面)304が形成されており、該設置部取付面304に第3基板設置部材(基板設置部)306が着脱自在に配設される。前記第3下部中継基板(基板)298は、この第3基板設置部材306の後述する設置面318に着脱自在に配設され、前記特別入賞装置62から導出した配線134X等が接続される。このように、実施例に係るパチンコ機10では、前記始動入賞装置58や特別入賞装置62の後方を数多くの配線114X,120X,124X,134X,156X,158X,204Xが引き回されて、前記第1〜第3下部中継基板294,296,298や制御装置に接続されている。なお、第1〜第3下部中継基板294,296,298は、何れも、不透明な材質で構成されており、各下部中継基板294,296,298を介して該中継基板294,296,298の裏側は視認不能とされる。
〔設置部取付面について〕
図17に示すように、前記設置部取付面304は、箱状部材20の後面における右隅部に位置しており、前記第2横案内係止片208や前記センサ用開口264、検知器用開口266は、設置部取付面304に位置している。そして、図16に示すように、これら第2横案内係止片208や磁気センサ240等の遊技機構成部品が前記設置部取付面304から後方に突出して、該設置部取付面304に第3下部中継基板298を直接設置するのは不可能とされる。そこで、実施例では、前記第3下部中継基板298が、第3基板設置部材306を介して、遊技機構成部品(設置部取付面304)から後方に離間した状態で配設される。なお、以下の説明で、第3下部中継基板298および設置部取付面304の間の空間を基板裏空間Dと指称する(図15参照)。
図16に示すように、前記設置部取付面304には、下周壁部186および左周壁部188に近接して、2つの位置決め突起304a,304aが後方に突出するよう設けられている。また、設置部取付面304には、下側のセンサ用開口264および左周壁部188に近接して、後方に開放するネジ孔を有した2つの固定ボス304b,304cが後方に突出して設けられている。なお、図16において、右側の固定ボス304b(以下、案内固定ボスという場合がある)は、前記第2横案内係止片208の右側に近接して設けられており、前記上部中継基板204からの配線204Xは、案内固定ボス304bと第2横案内係止片208の係止片基部208aとの間を挿通される。図17に示す如く、前記設置部取付面304には、前記第2横案内係止片208の左方に位置して、区画壁308が立設されている。この区画壁308は、前記基板裏空間Dを上下に2分して、前記磁気センサ240等の遊技機構成部品が臨む下側空間d1と、該下側空間d1より上方の上側空間d2とに区画するものである。
図17において、前記区画壁308の左端部には、上方に略直角に折曲されて上下方向に延在する縦区画部(壁部)310が一体的に形成されている。また、設置部取付面304には、前記縦区画部310から上方に離間して該縦区画部310に対向して左右方向に延在する案内壁(壁部)312が立設されている。この案内壁312は、前記縦区画部310の延在長さと略一致する距離だけ前記区画壁308から離間しており、該案内壁312および区画壁308により左右方向に直線状に延在する配線案内路Eが区画形成されている。すなわち、配線案内路Eは、前記区画壁308により区画された上側空間d2内に形成されている。
図17における前記案内壁312の右端部は、区画壁308の右端部と左右方向に一致しており、案内壁312および区画壁308の右端部間に左右方向に開放する導入口314が画成されている。また、前記案内壁312の延在長さは、前記区画壁308より短く設定されており、図17における案内壁312の左端部は、前記縦区画部310の上端部より左方に離間している。そして、縦区画部310の上端部および案内壁312の左端部の間に、上方に開放する導出口316が画成されている。すなわち、導出口316は、配線案内路Eの延在方向(左右方向)に対して、交差する方向に開口している。前記配線案内路Eには、前記上部中継基板204に接続された配線204Xが挿通されるようになっている。すなわち、図17に示すように、上部中継基板204からの配線204Xは、前記導入口314を介して配線案内路Eに側方から導入され、前記導出口316を介して配線案内路Eから上方に引き出される。配線案内路Eで案内された配線204Xは、図15における左方へ湾曲されて下対向面部178の後面を引き回され、前記第2下部中継基板296の右上部に設けたコネクタ受部296aに接続される。ここで、前記導出口316は、図22に示すように、前記始動配線用凹部288より上方に位置している。また、配線案内路Eから導出した配線204Xが接続されるコネクタ受部296aも、始動配線用凹部288より上方に位置している。すなわち、配線案内路Eから上方に引き出された配線204Xは、始動配線用凹部288を上方へ迂回するように引き回され、該始動配線用凹部288を介して下方に引き出される配線114X,120X,124Xから極力離間して配線204Xが延在するように図られている。
〔第3基板設置部材について〕
図23に示すように、前記第3基板設置部材306は、無色透明な合成樹脂で成形された部材であって、第3下部中継基板298を設置する矩形板状の設置面318と、該設置面318の左側縁部における上半部分から左方へ延出するよう形成した配線押え部(後面)320とから基本的に構成されている。前記第3基板設置部材306には、前記設置面318の下縁部に前方に開放する位置決め孔が形成された第1嵌合筒部322が形成されている。また、第3基板設置部材306には、配線押え部320の左縁部に、前方に開放する位置決め孔が形成された第2嵌合筒部324が形成されている。更に、第3基板設置部材306には、設置面318の右側部から右方へ突出するよう筒状の第1ボス受け部326が形成されると共に、前記配線押え部320の左縁部に平皿状の第2ボス受け部328が形成される。そして、前記第1,第2嵌合筒部322,324に前記設置部取付面304の対応する位置決め突起304a,304aを嵌入させると共に、前記第1,第2ボス受け部326,328に固定ボス304b,304cの後端部を嵌合させ、両第1,第2ボス受け部326,328に設けた通孔を介して固定ボス304b,304cにネジ(図示せず)を螺挿することで、第3基板設置部材306が設置部取付面304に着脱自在に取付けられる。前記第3基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられた状態では、前記第1,第2嵌合筒部322,324および第1ボス受け部326の前端部が設置部取付面304に当接する。なお、前記第2ボス受け部328に対しては、後述する可変係止部352のワッシャ部354が共締めされるようになっている。
前記設置面318の右側の縁部には、図23に示すように、前方に延出する右規制壁部(壁部)330が該縁部の下端部から上下の略中央部にかけて形成されている。また、設置面318の下側の縁部には、全体に亘って下規制壁部(壁部)332が前方に延出するよう形成されている。更に、設置面318の左側の縁部には、該縁部の下端部から前記配線押え部320に至る部位にかけて左規制壁部(壁部)334が前方に延出するよう形成されている。なお、前記下規制壁部332の右部および右規制壁部330の下端部から前記第1ボス受け部326に至る部位にかけて、後方に切り欠かれた隅部凹部336が形成されている。ここで、前記下規制壁部332の隅部凹部336を除く部位および左規制壁部334の後端部は、前記第1,第2嵌合筒部322,324や第1ボス受け部326の後端部と前後方向において一致している。また、右規制壁部330における前記隅部凹部336を除く部位も、後端部が前記第1嵌合筒部322等と前後方向において同一高さとなっている。従って、前記第3基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられた状態では、左右および下規制壁部334,330,332の前端部が設置部取付面304に当接するよう構成される。なお、前記右規制壁部330には、前記第1ボス受け部326の下方に位置してセンサ用凹部338が前方に開放するよう形成されている。このセンサ用凹部338に対しては、図21に示すように、第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた状態で、磁気センサ240の後端部が臨んで、該磁気センサ240が右規制壁部330に干渉しないようになっている。
また、設置面318の上縁部に対しては、図13,図24に示すように、第3基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられた状態で、前記案内壁312の後縁部が前側から当接している。更に、前記設置面318の右縁部における右規制壁部330が設けられていない部位には、図21に示すように、前記縦区画部310の後縁部が前側から当接するよう構成される。このように、第3基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられた状態では、各規制壁部330,332,334や案内壁312等の前後幅の分だけ設置面318が設置部取付面304から後方に離間して、図13に示す如く、当該設置面318および設置部取付面304との間に前記基板裏空間Dが画成される。
図25に示すように、前記設置面318の後面は、上下方向に長尺な平坦面で構成される。この設置面318の周縁部には、設置リブ340が後方に延出するよう設けられており、該設置リブ340が囲繞する領域が第3下部中継基板298の設置領域とされる。図25において、設置リブ340の左側上下の隅部には、設置リブ340の後縁部から設置領域側に延出するコーナー係止片342,342が夫々設けられている。図25において、設置リブ340の右側における左規制壁部334に対応する部位には、フック用切欠部344が後方に開放するよう形成され、左規制壁部334から後方に延出する基板固定フック346が、フック用切欠部344を介して設置リブ340の後端部から後方に突出している。そして、前記第3下部中継基板298の上下の隅部を前記コーナー係止片342に係止させたもとで、該第3下部中継基板298の側縁部を前記基板固定フック346に係合させることで、第3下部中継基板298が設置面318に着脱自在に取付けられる。第3下部中継基板298が設置面318に取付けられた状態では、前記基板裏空間Dが第3下部中継基板298により後方から覆われて、該第3下部中継基板298を介して基板裏空間Dを後方から視認するのは不能とされる。
図23に示すように、前記設置面318の前面における略下側半分には、前方に突出する柱状の規制突起(規制部)348が複数設けられている。この規制突起348の設置領域は、図13に示す如く、前記設置面318において、前記基板裏空間Dの下側空間d1に対応している。各規制突起348の設置面318からの突出長さは、前記下規制壁部332や右規制壁部330の前後幅より僅かに小さく設定されており、第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた状態で、各規制突起348の前端が設置部取付面304から僅かに離間する。また、規制突起348は、前記磁気センサ240や一般球検知器246に干渉しない位置において設置面318に略格子状に配置されており、図13,図24に示すように、第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた状態で、前記下側空間d1を格子状の小さな空間に分割するようになっている。
すなわち、この規制突起348は、下側空間d1を小さな領域に分割することで、所定サイズの不正部品Fが、下側空間d1へ設置されるのを防止するべく機能する。ここで、不正部品Fは、例えば、始動入賞装置58や特別入賞装置62を誤作動させたり、予め設定された制御条件とは異なった制御条件で前記制御装置に遊技を実行させるための基板や装置、器具等を指している。また、規制突起348により空間を分割するとは、不正行為を実行するために必要となる不正部品Fの大きさを想定して、この想定した不正部品Fが設置し得ない空間(以後、分割スペースd3という)に前記基板裏空間Dを分断または区分けすることを意味する。換言すれば、規制突起348の設置態様は、想定された不正部品Fが設置不能な分割スペースd3を画成するように適宜設定される。
ここで、前述のように、前記区画壁308により分割された上側空間d2(配線案内路E)は、前記不正部品Fが設置不能な狭小なスペース(すなわち、分割スペースd3)とされる。しかも、配線案内路Eには、前記上部中継基板204からの複数の配線204Xが挿通されることで、上側空間d2は当該配線204Xによって略充塞されることとなる。すなわち、基板裏空間Dを分割する区画壁308や上側空間d2を充塞する上部中継基板204の配線204Xは、前記規制突起348と同様に、前記不正部品Fを設置不能とする規制部として機能している。ここで、基板裏空間Dを充塞するとは、基板裏空間Dを規制部(配線204X)で完全に埋めた状態に限られず、前記不正部品Fが設置不能となる程度に規制部が基板裏空間D内を占有した状態を意味している。
図24に示すように、基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられた状態では、前記基板裏空間Dを囲繞した状態となる。すなわち、前記下規制壁部332、左右の規制壁部334,330、案内壁312および縦区画部310は、規制部としての区画壁308や規制突起348の設置領域を囲繞するように設けられ、これにより基板裏空間Dへの前記不正部品Fの侵入を防止している。
図25に示すように、前記配線押え部320は、図25における左側の下部に傾斜部320aが形成された略五角形状の板体であって、前記第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた際に、前記第2横案内係止片208を後方から覆って、上部中継基板204から導出する配線204Xの湾曲部Aを後方から保護するものである。第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた状態では、配線押え部320の前面が前記第2横案内係止片208の係止部208bに当接して、配線押え部320および設置部取付面304の間に配線204Xが挿通される。配線押え部320の下縁部および傾斜部320aには、押え部壁部350が前方に延出している。この押え部壁部350は、前記左規制壁部334や下規制壁部332の前後幅と同一に設定されており、第3基板設置部材306を設置部取付面304に取付けた状態で、押え部壁部350の前端部が設置部取付面304に当接するようになっている。
図25に示すように、前記配線押え部320の後面(箱状部材の後面)には、前記可撓変形自在に構成された可変係止部352が設けられている。この可変係止部352は、ワッシャ部354と、該ワッシャ部354から延出する可変部356とから構成されており、ワッシャ部354の通孔および前記第2ボス受け部328の通孔を介して案内固定ボス304bにネジを螺挿することで、可変係止部352が配線押え部320に取付けられる。図15に示すように、可変係止部352は、前記配線フック224および前記第2下部中継基板296の間に位置し、該配線フック224に係止された一般入賞装置76の配線156X,158Xを可変係止部352の可変部356で保持して、第2下部中継基板296へ案内するものである。前記可変部356は、可撓変形可能な金属等で構成されて、所望の形状に変形し得るようになっている。すなわち、配線フック224を介して箱状部材20の後面を引き回される配線156X,158Xの数量や延在方向に応じて、可変部356を形状変形させることで、一般入賞装置76からの配線156X,158Xを最適な位置および姿勢で保持し得るものである。なお、可変係止部352で保持された配線156X,158Xは、前記第3下部中継基板298を通過して、前記第2下部中継基板296に接続される。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
遊技盤14に箱状部材20を配設する際には、遊技盤14の後側に箱状部材20の設置固定部166を当接させたもとでネジ止めして、箱状部材20が遊技盤14に固定される。箱状部材20が遊技盤14に取付けられると、遊技盤14および箱状部材20の間に設置空間168が画成され、箱状部材20に配設された各種演出装置170,172が設置空間168内に臨む。また、遊技盤14に配設された一般入賞装置76の後面が前記設置空間168に臨み、前記配線導出口160が設置空間168内で開口した状態となる(図18参照)。前記遊技盤14の後側に箱状部材20を配設すると、図7に示すように、前記上部開口70を介して遊技盤14の後方へ突出する始動入賞装置58の始動装置本体84が、箱状部材20の装置収容部230に収容される。すなわち、前記箱状部材20の左右の収容壁254,256が、始動入賞装置58の上球排出口112および特別入賞装置62の球受部136の間の落下空間Cを左右から挟むと共に、箱状部材20の後保護面258が落下空間Cの後側を覆う。
また、前記遊技盤14の下部開口72を介して該遊技盤14の後方に突出する特別入賞装置62の特別装置本体130が箱状部材20の下部収容空間262に収容される。このとき、図21に示すように、特別入賞装置62の球受部136が前記保護壁部290に整合状態で臨み、保護壁部290が球受部136を囲んだ状態となる。すなわち、図7に示すように、前記装置収容部230および保護壁部290からなる保護部292によって、落下空間Cが後側から囲繞される。始動入賞装置58の後部から導出する配線114X,120X,124Xは、前記始動配線用凹部288を介して箱状部材20の下方に引き出される。そして、第1ソレノイド120の配線120Xは、前記第1下部中継基板294に、上下の球検知センサ114,124の配線114X,120Xは、夫々、前記制御装置に接続される。このとき、始動入賞装置58から導出する配線114X,120X,124Xは、球通過口276とは異なる始動配線用凹部288を挿通されるので、当該配線114X,120X,124Xが落下空間Cに入り込むことはない。
また、前記落下空間Cは保護部292により囲繞されているので、前記始動配線用凹部288から引き出された配線114X,120X,124Xを引き回す際に、該配線114X,120X,124Xが落下空間Cに入り込むのは防止される。しかも、保護壁部290の下端部が球受部136の上端部より下方に位置するので、球通過口276および球受部136の隙間から前記配線114X,120X,124Xが入り込むのを更に困難とし得る。また、保護壁部290は、球受部136を囲うように保護するので、下隔壁252および球受部136の間の隙間に対し、配線114X,120X,124Xが、後方からだけでなく側方から入り込むのを抑制することができる。また、下隔壁252の突出片252aが球受部136の斜面部に沿うよう延在するので、球通過口276と球受部136との間の隙間が小さくなって、当該隙間から前記配線114X,120X,124Xが入り込むのは抑制される。なお、特別入賞装置62の後部から導出する配線134Xは、下部収容空間262を介して箱状部材20の後方へ引き出される。図7,図14に示すように、前記始動装置本体84が装置収容部230に収容された状態では、前記落下規制部270が上部球通路86の左側壁部94に沿って延在し、前記球規制片272が左側壁部94の上端から僅かに上方に離間して位置する。
前記配線導出口160から導出する一般入賞装置76の配線156X,158Xは、図18に示すように、前記左周壁部188の凹部222へ向けて前記設置空間168を右方へ引き回され、凹部222を介して設置空間168の外側に引き出される。すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、設置空間168に臨む前記配線156X,158Xは、凹部222を介して箱状部材20の後側へ引き出されるので、対向面部162等に設けた挿通孔に配線156X,158を挿通させる構成に較べて、配線処理が容易となる。また、前記凹部222は、左周壁部188における最近接部Bを含む部位に形成されているから、一般入賞装置76の配線156X,158Xが前記設置空間168内を引き回される距離を極力短くし得る。すなわち、前記設置空間168内での配線処理が容易となって、箱状部材20を遊技盤14に取付ける際の作業性が向上される。しかも、設置空間168内を引き回す配線156X,158Xの距離が短くなることで、該設置空間168内に臨む前記演出装置170,172等の各種部品に配線156X,158Xが干渉するリスクを低減することが可能となる。
前記凹部222から設置空間168の外側に引き出された配線156X,158Xは、図19に示すように、前記配線フック224に係止させて左周壁部188に沿って後方へ引き回される。すなわち、凹部222から引き出された配線156X,158Xは、配線フック224により保持されるので、該配線156X,158Xが撓んで箱状部材20の外方へ飛び出すのを防止抑制することができる。これにより、遊技盤14や箱状部材20の清掃等のメンテナンス時に、作業者が配線156X,158Xに引っ掛かり難くなって、作業効率が低下したり、断線が発生したりするのを抑制し得る。左周壁部188に沿って箱状部材20の後方へ引き出された配線156X,158Xは、前記可変係止部352の可変部356に係止され、図11に示すように、箱状部材20の後面(下対向面部178)を左方へ案内されて前記第2下部中継基板296に接続される。このように、配線フック224から第2下部中継基板296に至る間に、配線156X,158Xを可変係止部352で更に保持するようにしたので、該配線156X,158Xがより確実に保持されて、配線156X,158Xの撓みを効果的に防止することができる。しかも、可変係止部352の可変部356は、可撓変形自在に構成されるので、配線156X,158Xの数量や引き回し態様に応じて可変部356の形状を適宜変形させることができ、配線156X,158Xを確実に保持することが可能となる。なお、前記落下空間Cは保護部292により保護されているので、前記配線156X,158Xを第2下部中継基板296へ向けて引き回す際に、該配線156X,158Xが落下空間Cに入り込むのは防止される。
ここで、箱状部材20の左周壁部188は、遊技盤14を中枠16の遊技盤設置部42に着脱する際に、回転保持部材44に支持される遊技盤14の左側部と同じ側に位置している。すなわち、遊技盤14を着脱姿勢および保持姿勢に回転変位させる際に、軸側となる箱状部材20の左側部は、作業者の手指が届き難く、また目視による確認が困難な箇所となる。そこで、箱状部材20の左周壁部188に沿って引き回される配線156X,158Xを配線フック224で確実に保持することで、該配線156X,158Xが撓むのが抑制されて、作業者は配線156X,158Xを気にすることなく遊技盤14の着脱作業を行うことが可能となる。しかも、図19に示すように、前記配線フック224は、左周壁部188の内側に収まっており、箱状部材20を遊技盤14に取付ける際に、配線フック224が遊技盤14や箱状部材20の後側の部品等に干渉することはない。また、配線フック224は、左周壁部188における段差部210(下側段差部210b)に設けたので、図18に示すように、配線156X,158Xを配線フック224に引っ掛けるためのスペースを段差部210を利用して確保することができ、配線156X,158Xを配線フック224に容易に係止し得る。しかも、配線フック224のフック本体226は、上段壁部214の下端部から下方へ真っ直ぐ延出して、配線フック224が上段壁部214より外側に突出しないので、配線フック224が邪魔になることはない。
前記上部演出装置170の演出用発光基板196に接続された配線196Xは、図15の左側の配線開口198を介して箱状部材20の後方へ引き出され、複数の第1横案内係止片200により図15の右側へ案内される。また、上部演出装置170の演出用モータ194から導出する配線194Xは、図15の右側の配線開口198を介して箱状部材20の後方へ引き出され、前記演出用発光基板196の配線196Xと共に第1下案内係止片202に係止されて下方へ案内される。そして、両配線194X,196Xは、前記上部中継基板204に中継接続される。また、上部中継基板204から導出する複数の配線204Xを第2下案内係止片206で係止して、左対向面部180の後面に沿って下方へ延在させる。図17に示すように、左対向面部180の下部に到来した配線204Xを、前記第2横案内係止片208に保持させて、図17の左方へ湾曲させる。そして、導入口314を介して配線204Xを配線案内路Eに挿入し、該配線204Xは、配線案内路Eに沿って延在されて導出口316から引き出される。配線案内路Eから引き出された配線204Xは、図17に示す如く、左方へ湾曲されて、前記第2下部中継基板296に接続される。このように、実施例に係るパチンコ機10では、区画壁308および案内壁312により配線案内路Eが画成されているので、該配線案内路Eにより配線204Xを確実に案内することができる。
ここで、前記配線案内路Eの導出口316は、上方に開放されており、前記配線204Xは、配線案内路Eから上方へ引き出される。しかも、図22に示すように、前記導出口316は、始動配線用凹部288より上方に位置している。従って、配線案内路Eから引き出した配線204Xは、始動配線用凹部288から迂回するように引き回される。すなわち、図15に示すように、配線案内路Eから導出した配線204Xが、始動配線用凹部288や該始動配線用凹部288から引き出される始動入賞装置58の配線114X,120X,124Xの周囲や後方を延在するのは防止され、始動配線用凹部288や始動入賞装置58の配線114X,120X,124Xが配線案内路Eで案内された配線204Xで覆われるのを防止し得る。従って、始動入賞装置58の配線114X,120X,124Xや始動配線用凹部288に対して不正器具(図示せず)等が設置された場合でも、当該不正器具が配線案内路Eで案内された配線204Xで隠れてしまうのを防止し得る。しかも、前述のように、前記落下空間Cは箱状部材20の保護部292により後側から囲繞されているので、配線案内路Eから引き出された配線204Xが落下空間Cに入り込むのは防止される。
前記配線案内路Eに配線204Xを案内させた状態で、設置部取付面304に基板設置部材306を取付け、該基板設置部材306の設置面318に第3下部中継基板298を配設する。すなわち、第3下部中継基板298は、磁気センサ240等の遊技機構成部品が後方に突出する設置部取付面304から離間するよう配設され、該第3下部中継基板298(設置面318)および設置部取付面304の間に基板裏空間Dが画成される。基板設置部材306を設置部取付面304に取付けると、配線案内路Eを案内される配線204Xが前記設置面318により後方から押えられる。このように、実施例では、配線案内路Eで配線204Xを保持した状態で基板設置部材306を設置部取付面304に取付けることができるので、基板設置部材306の取付作業を効率的に行い得る。なお、実施例では、配線案内路Eの導出口316は、該配線案内路Eの延在方向に対して交差する方向に開口しているので、配線案内路Eが左右に直線的に貫通しないようになっている。従って、導入口314および導出口316の両側から針金等を挿入させて、配線案内路Eに対して不正行為をするのは困難とされる。
図13に示すように、前記基板設置部材306が設置部取付面304に取付けられると、複数の規制突起348が前記基板裏空間Dの下側空間d1に臨み、該下側空間d1を複数の分割スペースd3に分割する。すなわち、複数の規制突起348によって、下側空間d1から不正部品Fを設置可能がスペースがなくなって、下側空間d1に不正部品Fを設置するのは不可能とされる。また、前記区画壁308は、基板裏空間Dを上下の空間に分割して、上側空間d2を前記不正部品Fが設置不能な分割スペースd3としている。しかも、図17に示すように、当該上側空間d2(配線案内路E)には、複数の配線204Xが延在することで、上側空間d2が配線204Xにより充塞されることから、上側空間d2(配線案内路E)に不正部品Fが設置されるのを防止し得る。
図21に示すように、基板設置部材306を設置部取付面304に取付けると、基板裏空間Dは、前記左右の規制壁部334,330、下規制壁部332、案内壁312および縦区画部310により囲繞される。すなわち、これらの壁部334,330,332,312,310によって基板裏空間Dを上下左右から囲うことで、前記不正部品Fが基板裏空間Dへ侵入されるのを防止している。なお、箱状部材20に規制突起348を設けた場合、前記基板設置部材306の形状や遊技機構成部品240,242,246,248等の存在により設置箇所が制限されて、規制突起348の設置自由度が抑制されたり設計変更等が困難となる虞がある。そこで、実施例では、箱状部材20とは別体の基板設置部材306に規制突起348を設けることで、設置部取付面304の形状や前記遊技機構成部品240,242,246,248の設置態様に応じて、規制突起348の設置位置や形状等を容易に変更し得るようになっている。
しかも、実施例では、下側空間d1を分割する規制部として、複数の柱状の規制突起348を採用したので、当該下側空間d1全体を閉塞する大きさの規制部を採用した場合に較べ、材料費の抑制および基板設置部の軽量化を図ることが可能となる。一方、規制部としての区画壁308は、配線204Xを案内し得るよう左右方向に延在する壁状に形成した。すなわち、配線案内路Eを画成する区画壁308を、規制突起348とは異なる壁状に構成することで、配線204Xをスムーズに案内し得るようになっている。なお、図21に示すように、前記第3下部中継基板298には、前記特別入賞装置62から導出する配線134Xが接続される。この場合においても、前記落下空間Cは保護部292により保護されるので、前記配線134Xが落下空間Cに入り込むのは防止される。
次に、実施例に係るパチンコ機10の遊技時における作用につき説明する。前記遊技領域50に打出されたパチンコ球Sは、遊技盤14に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変化させながら流下する。前記始動入賞装置58の上部始動口54にパチンコ球Sが入賞すると、前記樋状部90を介してパチンコ球Sが上部球通路86を後方へ転動する。すると、図5に示すように、パチンコ球Sは、上部球通路86の第1通路106を後方に真っ直ぐ転動した後、傾斜案内部104により左方へ誘導されて第2通路108へ移行する。このとき、傾斜案内部104によりパチンコ球Sが左側壁部94側へ誘導されるため、パチンコ球Sの勢いによっては、パチンコ球Sが左側壁部94を乗り越えてしまう虞がある。しかるに、実施例に係るパチンコ機10では、落下規制部270が左側壁部94に沿って延在するので、仮にパチンコ球Sが左側壁部94を乗り越えようとしても、球規制片272がパチンコ球Sに接触して、該パチンコ球Sが上部球通路86から落下するのは防止される。しかも、球規制片272は、左側壁部94の上端部からパチンコ球Sの直径より小さい距離だけ離間しているから、球規制片272および左側壁部94の間からパチンコ球Sが落下することはない。なお、実施例では、左側壁部94に逃げ凹部98が設けられて、当該部位の上下の高さは低くなっており、パチンコ球Sが落下し易い傾向にある。そこで、図7に示すように、落下規制部270を左側壁部94の逃げ凹部98に臨むよう延在させて、当該部位をパチンコ球Sが乗り越えるのを防止している。
上部球通路86を後方へ転動したパチンコ球Sは、前記上球排出口112を介して上部球通路86から下方へ排出され、上部球検知センサ114の検知部114aを通過する。すると、前記上部球検知センサ114がパチンコ球Sを検知して、前記特別図柄表示装置18において図柄変動演出が開始されると共に、所定数の賞球が払出される。そして、上部球検知センサ114の検知部114aを通過したパチンコ球Sは、両延出片116,116の間の球排出路118(落下空間C)を落下して前記球通過口276を通過し、特別入賞装置62の球受部136で受け止められる。ここで、前述のように、前記落下空間Cに対して各配線114X,120X,124X,134X,156X,158X,204Xが入り込むのは保護部292により規制されるので、落下空間Cを落下するパチンコ球Sが当該配線114X,120X,124X,134X,156X,158X,204Xに接触することはない
すなわち、落下空間Cを落下するパチンコ球Sに配線114X,120X,124X,134X,156X,158X,204Xが干渉するのを防止して、球受部136でパチンコ球Sを確実に受け止めることが可能となる。また、落下空間Cに入り込んだ配線114X,120X,124X,134X,156X,158X,204Xにパチンコ球Sが引っ掛かって、球詰まりが発生するのを好適に防止することが可能となる。なお、前記下隔壁252の上面に設けた球案内部286にパチンコ球Sが接触した場合には、該球案内部286によりパチンコ球Sが球通過口276へ向けて案内される。すなわち、下隔壁252および後保護面258の隅部に球案内部286を設けることで、パチンコ球Sが当該隅部に滞留するのを防止している。
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、規制部(落下規制部)が左側壁部に沿って延在するよう設けたが、例えば、球通路(上部球通路)の上方を規制部が覆うように延在するようにしてもよい。すなわち、規制部としては、球通路から遊技球が落下しようとしたときに該遊技球に接触して、球通路から遊技球が落下するのを阻止し得る構成であれば、適宜変更可能である。
(2) 実施例では、始動入賞装置の上部球通路に対して規制部を設けたが、例えば、特別入賞装置が上方に開放する球通路を備えている場合には、特別入賞装置の球通路に対して規制部を設けてもよい。
(3) 実施例では、始動入賞装置に上下に2つの球通路を形成した場合を例示したが、始動入賞装置に上部球通路のみを設けてもよい。
(4) 実施例では、別体の基板設置部(基板設置部材)を介して箱状部材(箱状部材)に基板(第3下部中継基板)を取付けたが、箱状部材に基板設置部を一体的に形成してもよい。また、基板設置部として、基板の四隅を支持する構成を採用し、設置面を介さずに基板を箱状部材に設置するようにしてもよい。この場合、基板および箱状部材の後面の間の空間に対して、箱状部材の後面に設けた規制部が臨むようにすればよい。
(5) 実施例では、下側空間に臨む規制部として規制突起を採用したが、基板裏空間を分割または閉塞するものであれば、例えば、区画壁の如く、壁状の規制部を複数形成したり、基板裏空間を埋める1つの規制部を採用してもよい。
(6) 実施例では、規制突起が設置面に対し垂直に前方へ突出する構成としたが、例えば、設置面から斜め前方へ突出したり、基板設置部の壁部(規制壁部)から箱状部材の後面に対し平行に突出する規制突起を採用してもよい。
(7) 実施例では、第3下部中継基板の基板裏空間に規制部を設けたが、他の基板と箱状部材との間に空間が画成された構成であれば、当該他の基板の空間に規制部を設けてもよい。
(8) 実施例では、箱状部材の後面(設置部取付面)から突出する遊技機構成部品として、磁気センサや係止フック等を例示したが、遊技機構成部品としては、遊技盤や箱状部材に設けられて該箱状部材の後面から突出するものであれば、他の如何なる部材や部品であってもよい。
(9) 実施例では、上部中継基板から導出する配線を配線案内路に挿通する構成としたが、配線案内路を挿通する電気部品の配線としては、演出装置や発光装置等、他の如何なる部材から導出する配線であってもよい。
(10) 実施例では、箱状部材の左周壁部に凹部を設けたが、外周壁部の何れの箇所に凹部を設けてもよい。
(11) 実施例では、配線フックをフック本体および係止突部から構成したが、凹部から引き出された配線を保持し得るものであれば、配線フックとして、他の構成を採用し得る。また、可変係止部を配線フックとして採用することも可能である。
(12) 実施例では、電気部品としての一般入賞装置の配線を配線フックで保持したが、設置空間に臨む各種演出装置や発光装置等、他の電気部品から導出する配線を配線フックで保持してもよい。
(13) 実施例では、保護部として、装置収容部および保護壁部から構成したが、球排出口および球受部の間を囲繞して配線の侵入を防止し得るのであれば、保護部の構成は、適宜変更してもよい。例えば、保護部を前方に開放するコ字状の1つの壁部で構成し、落下空間を後方および側方から覆うようにしてもよい。
(14) 実施例では、球受部の形状を平面視で略台形形状に形成したが、矩形状等、他の形状を採用することができる。また、球通過口や保護壁部の形状についても、球受部に整合するよう適宜変更可能である。
(15) 実施例では、第1の開口部(上部開口)および第2の開口部(下部開口)が上下に連なった構成としたが、夫々、独立した開口部であってもよい。
(16) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。また、図柄表示装置としても液晶パネルを用いたものに限らず、ドラム式やベルト式、その他の形式の図柄表示装置も採用可能である。