JP2012080000A - 有機エレクトロニクス材料、インク組成物、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、表示素子、照明装置、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、有機EL素子の駆動電圧を改善する目的で、電荷輸送性の化合物に電子受容性化合物を混合して用いる試みがなされているが、特性はいまだ十分なものではなかった。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(23)の事項をその特徴とするものである。
本発明の有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物とイオン性化合物とを含有し、該イオン性化合物の少なくとも一つが下記一般式(1)〜(4)で表されるアニオンを有することを特徴としている。
前記イオン性化合物は、対カチオンと対アニオンとからなり、該対アニオンは上記一般式(1)〜(4)のいずれか1種または2種以上である。
遷移金属錯体カチオンとしては、例えば、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−キシレン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−1−メチルナフタレン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−クメン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−メシチレン)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−ピレン)Cr+、(η5−フルオレニル)(η6−クメン)Cr+、(η5−インデニル)(η6−クメン)Cr+、ビス(η6−メシチレン)Cr2+、ビス(η6−キシレン)Cr2+、ビス(η6−クメン)Cr2+、ビス(η6−トルエン)Cr2+、(η6−トルエン)(η6−キシレン)Cr2+、(η6−クメン)(η6−ナフタレン)Cr2+、ビス(η5−シクロペンタジエニル)Cr+、ビス(η5−インデニル)Cr+、(η5−シクロペンタジエニル)(η5−フルオレニル)Cr+および(η5−シクロペンタジエニル)(η5−インデニル)Cr+などのCr化合物、更に(η5−シクロペンタジエニル)(η6−トルエン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−キシレン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−1−メチルナフタレン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−クメン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−メシチレン)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η6−ピレン)Fe+、(η5−フルオレニル)(η6−クメン)Fe+、(η5−インデニル)(η6−クメン)Fe+、ビス(η6−メシチレン)Fe2+、ビス(η6−キシレン)Fe2+、ビス(η6−クメン)Fe2+、ビス(η6−トルエン)Fe2+、(η6−トルエン)(η6−キシレン)Fe2+、(η6−クメン)(η6−ナフタレン)Fe2+、ビス(η5−シクロペンタジエニル)Fe2+、ビス(η5−インデニル)Fe+、(η5−シクロペンタジエニル)(η5−フルオレニル)Fe+および(η5−シクロペンタジエニル)(η5−インデニル)Fe+などのFe化合物が挙げられる。
窒素カチオンとして、NH4 +、第一級窒素カチオン、第二級窒素カチオン、第三級窒素カチオン、第四級窒素カチオンが例示される。ここで、第一級窒素カチオンとはN+が水素原子3つと結合し、その他の結合が水素以外の原子と結合した化合物を示し、第二級窒素カチオンとはN+が水素原子2つと結合し、その他の結合が水素以外の原子と結合した化合物を示し、第三級窒素カチオンとはN+が水素原子1つと結合し、その他の結合が水素以外の原子と結合した化合物を示し、第四級アンモニウムカチオンとはN+が水素以外の原子と結合した化合物を示す。
また、1−エチル−1−メチル−ピロリジニウム、1−ブチル−1−メチル−ピロリジニウム等のピロリジニウムが挙げられる。
トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどのトリアリールカルベニウムが例示される。
また、全イオン性化合物中、上記一般式(1)〜(4)で表されるアニオンを有するものは、10%以上含有することが好ましく、50%以上含有することがより好ましく、80%以上含有することがもっとも好ましい。
本発明において、「電荷輸送性化合物」とは、電荷輸送性ユニットを有する化合物を言う。また、本発明において「電荷輸送性ユニット」とは、正孔または電子を輸送する能力を有した原子団であり、以下、その詳細について述べる。
本発明の有機エレクトロニクス素子は、以上の本発明の有機エレクトロニクス材料を、基板上に塗布し、成膜した層を有することを特徴としている。
本発明のインク組成物は、既述の本発明の有機エレクトロニクス材料と溶媒とを含み、その他の添加剤、例えば重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤などを含んでいてもよい。前記溶媒としては、水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン、シクロヘキサン等の環状アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられるが、好ましくは芳香族溶媒、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテルを使用することができる。
前記インク組成物において、溶媒に対する有機エレクトロニクス材料の含有量は、種々の塗布プロセスに適用できる観点から0.1〜30質量%とすることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネセンス素子は、既述の本発明の有機エレクトロニクス材料より形成された層(以下、「重合層」と表す。)を有することをその特徴としている。本発明の有機EL素子は、発光層、重合層、陽極、陰極、基板を備えていれば特に限定されず、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層などの他の層を有していてもよい。特に、少なくとも基板、陽極、正孔注入層、重合層、発光層および陰極を積層してなる態様、少なくとも基板、陽極、重合層、正孔輸送層、発光層および陰極を積層してなる態様が好ましい。以下、各層について詳細に説明する。
発光層に用いる材料としては、低分子化合物であっても、ポリマーまたはオリゴマーであってもよく、デンドリマー等も使用可能である。蛍光発光を利用する低分子化合物としては、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、色素レーザー用色素(例えば、ローダミン、DCM1等)、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3))、スチルベン、これらの誘導体があげられる。蛍光発光を利用するポリマーまたはオリゴマーとしては、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、及びこれらの誘導体や混合物が好適に利用できる。
燐光材料は、低分子又はデンドライド種、例えば、イリジウム核デンドリマーが使用され得る。またこれらの誘導体も好適に使用できる。
ホスト材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよく、デンドリマーなども使用できる。
塗布法により形成する場合、有機EL素子を安価に製造することができ、より好ましい。発光層を塗布法によって形成するには、燐光材料と、必要に応じてホスト材料を含む溶液を、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平板印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法で所望の基体上に塗布することで行うことができる。
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金であることが好ましい。
陽極としては、金属(例えば、Au)又は金属導電率を有する他の材料、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))を使用することもできる。
電子輸送層、電子注入層としては、例えば、フェナントロリン誘導体(例えば、2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-. phenanthroline(BCP))、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体(2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl-1,3,4-oxadiazole) (PBD))、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3))などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も用いることができる。
本発明の有機EL素子に用いることができる基板として、ガラス、プラスチック等の種類は特に限定されることはなく、また、透明のものであれば特に制限は無いが、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。樹脂フィルムを用いた場合には、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能であり、特に好ましい。
本発明の有機EL素子における発光色は特に限定されるものではないが、白色発光素子は家庭用照明、車内照明、時計や液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
本発明の表示素子は、既述の本発明の有機EL素子を備えたことを特徴としている。
例えば、赤・緑・青(RGB)の各画素に対応する素子として、本発明の有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。
画像の形成には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。前者は、構造は単純ではあるが垂直画素数に限界があるため文字などの表示に用いる。後者は、駆動電圧は低く電流が少なくてすみ、明るい高精細画像が得られるので、高品位のディスプレイ用として用いられる。
ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、電荷輸送性化合物として下記芳香族アミンポリマ1(Mw=38000)(20mg)のトルエン(525μL)溶液と、イオン化合物1の酢酸エチル溶液(イオン化合物1:10μg/1μL、50μL)の混合溶液を2000min−1でスピン塗布し、ホットプレート上で180℃、10分間加熱した。次いで、得られたガラス基板を真空蒸着機中に移し、CBP+Ir(piq)3(40nm)、BAlq(10nm)、Alq3(30nm)、LiF(膜厚0.5nm)、Al(膜厚100nm)の順に蒸着した。
実施例1におけるイオン化合物1を、以下のイオン化合物2に変更した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。輝度と印加電圧を実施例1と同様にして測定したところ、輝度1000cd/m2における印加電圧は、14Vであった。
実施例1におけるイオン化合物1を、以下のイオン化合物3に変更した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。輝度と印加電圧を実施例1と同様にして測定したところ、輝度1000cd/m2における印加電圧は、16Vであった。
実施例1におけるイオン化合物1を、以下のイオン化合物4に変更した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。輝度と印加電圧を実施例1と同様にして測定したところ、輝度1000cd/m2における印加電圧は、16Vであった。
実施例1において、イオン化合物1を加えないこと以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。輝度と印加電圧を実施例1と同様にして測定したところ、輝度1000cd/m2における印加電圧は、25Vであった。
Claims (23)
- 前記イオン性化合物の対カチオンが、遷移金属錯体カチオン、又は長周期型周期表の第14族から第17族に属する元素を含むカチオンであることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記長周期型周期表の第14族から第17族に属する元素を含むカチオンが、炭素原子、窒素原子、ヒ素原子、アンチモン原子、ビスマス原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、臭素原子、又はヨウ素原子を含むカチオンであることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン、カルバゾール、又はチオフェン化合物を少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記芳香族アミン、カルバゾール、又はチオフェン化合物が、ポリマー又はオリゴマーであることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量が、1,000以上100,000以下であることを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記電荷輸送性化合物が、一つ以上の重合可能な置換基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 前記重合可能な置換基がオキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基のうちのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロニクス材料。
- さらに、重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と溶媒とを含むことを特徴とするインク組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料を、基板上に塗布し、成膜した層を有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
- 成膜した前記層を重合したことを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 前記重合した層上に、さらに別の層を成膜し、多層化したことを特徴とする請求項12に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 前記基板が、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料より形成された層(以下、重合層と表す)を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも基板、陽極、正孔注入層、重合層、発光層および陰極を積層してなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記重合層が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料により形成された層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも基板、陽極、重合層、正孔輸送層、発光層および陰極を積層してなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記重合層が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料により形成された層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 有機エレクトロルミネセンス素子の発光色が白色であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 基板が、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 基板が、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 請求項15〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えたことを特徴とする表示素子。
- 請求項15〜20のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
- 請求項22に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
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