JP2012079808A - 金属−セラミックス回路基板およびその製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス回路基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックス回路基板に接合した金属板の表面に形成されためっきの表面の半田濡れ性を安価に向上させることができる、金属−セラミックス回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板10に接合した金属板12の表面に、P含有量が6.80〜8.50質量%であるとともに表面粗さRzが4.6μm以下であり、好ましくは表面の酸化物層の厚さが10nm以下のNi−P合金めっき16を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属−セラミックス回路基板およびその製造方法に関し、特に、半導体チップなどの電子部品や端子などの複数の部品を半田付けするための金属板がセラミックス基板に接合した金属−セラミックス回路基板およびその製造方法に関する。
従来、電子部品や端子などの複数の部品を基板に半田付けする方法として、高温半田を用いて部品を第1の基板に半田付けした後、この第1の基板を普通半田を用いて第2の基板上に半田付けする方法(例えば、特許文献1参照)や、回路基板の第1面に第一の鉛フリー半田を供給してリフローした後、回路基板の第2面に第二の鉛フリー半田を供給してリフローすることによって、回路基板の第1面および第2面に電子部品を半田付けする際に、第一の鉛フリー半田の固相線温度を第二の鉛フリー半田の液相線温度以上にする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開平6−312289号公報(段落番号0010) 特開2001−358456号公報(段落番号0009−0018)
しかし、特許文献1および2の方法のように、基板の一方の面を高温半田で半田付けした後、他方の面をより低温の半田で半田付けする方法において、半田付けを窒素などの雰囲気中で行うとコストがかかり、大気雰囲気中で行うと、より低温の半田で半田付けする際に半田濡れ性が悪くなる。また、半田付けする部分にAuめっきを施すと、半田濡れ性は良好になるが、コストが高くなり、また、特別な排水処理設備を設けることが必要になる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、セラミックス回路基板に接合した金属板の表面に形成されためっきの表面の半田濡れ性を安価に向上させることができる、金属−セラミックス回路基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、セラミックス基板に金属板を接合した後、金属板の表面にP含有量が6.80〜8.50質量%であり且つ表面粗さRzが4.6μm以下のNi−P合金めっきを形成することにより、セラミックス回路基板に接合した金属板の表面に形成されためっきの表面の半田濡れ性を安価に向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属−セラミックス回路基板の製造方法は、セラミックス基板に金属板を接合した後、金属板の表面にP含有量が6.80〜8.50質量%であり且つ表面粗さRzが4.6μm以下のNi−P合金めっきを形成することを特徴とする。この金属−セラミックス回路基板の製造方法において、Ni−P合金めっきの表面に形成される酸化物層の厚さを10nm以下にするのが好ましい。
また、本発明による金属−セラミックス回路基板は、セラミックス基板に接合した金属板の表面にP含有量が6.80〜8.50質量%であり且つ表面粗さRzが4.6μm以下のNi−P合金めっきが形成されていることを特徴とする。この金属−セラミックス回路基板において、Ni−P合金めっきの表面に形成された酸化物層の厚さが10nm以下であるのが好ましい。
本発明によれば、セラミックス回路基板に接合した金属板の表面に形成されためっきの表面の半田濡れ性を安価に向上させることができる、金属−セラミックス回路基板およびその製造方法を提供することができる。
本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 本発明による金属−セラミックス回路基板の製造工程を示す断面図である。 実施例および比較例においてNi−P合金めっき中のP含有量およびNi−P合金めっきの表面粗さと半田濡れ性との関係を示す図である。 実施例10の金属−セラミックス回路基板についてAESによる深さ方向の組成分析におけるNi−P合金めっきの表面のスパッタリング時間に対する各元素の検出強度を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属−セラミックス回路基板およびその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。
まず、図1A〜図1Dに示すように、セラミックス基板10の両面に金属板12を接合した後、エッチングレジスト14を所定の形状に印刷し、エッチングにより金属板12の不要部分を除去して、金属回路パターンを形成する。
次に、図1E〜図1Fに示すように、エッチングレジスト14を剥離した後、化学研磨により金属板12の表面粗さを調整し、金属板12上に無電解Ni−Pめっきを施してNi−P合金めっき16を形成し、金属―セラミックス回路基板20を製造する。
なお、本実施の形態において、化学研磨液の種類や化学研磨液への浸漬時間などによって、金属板12のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzを4.6μm以下に調整するのが好ましく、1.3〜4.6μmに調整するのがさらに好ましい。
また、Ni−P合金めっき中のP含有量を6.80〜8.50質量%にするのが好ましく、6.80〜7.70質量%にするのがさらに好ましく、6.80〜7.10質量%にするのが最も好ましい。Ni−P合金めっき中のP含有量は、めっき液のpHとめっき液中のNi濃度によって調整することができ、pHを高くするとP含有量を減少させることができるが、本実施の形態では、めっき液のpHを4.4〜5.4にするのが好ましく、めっき液中のNi濃度を4.7〜5.6g/Lにするのが好ましい。
さらに、Ni−P合金めっきの表面に形成される酸化物層の厚さを10nm以下にするのが好ましい。この酸化物層の厚さは、Ni−P合金めっき後の水洗の条件によって変化することがわかった。
この酸化物層の厚さを10nm以下にするためには、電気伝導度が2.0μS/cm以下(好ましくは1.5μS/cm以下)で溶存酸素濃度が5mg/L以下(好ましくは1mg/L以下)の純水により3分間以上水洗すればよい。なお、溶存酸素濃度が5mg/L以下の純水を得るために純水中の溶存酸素濃度を低下させる方法として、純水に窒素ガスをバブリングする方法や、純水を真空脱気する方法などがある。
また、この酸化物層の厚さは、オージェ電子分光法(AES)(電子線などを固体表面に照射したときに放出されるオージェ電子のエネルギーと強度を測定することにより固体表面の元素分析を行う方法)とアルゴンなどの重イオンビームを用いたスパッタリングとを併用した方法(スパッタリングによって試料表面を削り出しながら表面分析を繰り返す方法)(以下、「AESによる深さ方向の組成分析」という)よって求めることができる。例えば、Ni−P合金めっきの表面の酸素の検出強度の測定とアルゴンイオンスパッタリングを交互に行って、酸素の検出強度がNi−P合金めっき内部(非酸化部)と同一の検出強度になるまでのスパッタリング時間を求め、この時間を酸化物層のスパッタリングに要した時間とみなして、この時間に既知のSiO皮膜のスパッタリング速度(4nm/分)を乗じることによって、酸化物層の厚さを求めることができる。
以下、本発明による金属−セラミックス回路基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、セラミックス基板として83mm×44mm×0.635mmの大きさの窒化アルミニウム(AlN)基板と、金属板として82mm×43mm×0.25mmの大きさの銅板を用意し、70質量%のAgと28質量%のCuと2質量%のTiからなるろう材を用いて、セラミックス基板の両面に銅板を接合した後、銅板上にエッチングレジスト(UV硬化タイプのアルカリ剥離型レジスト)を所定の形状に印刷し、塩化銅溶液により銅板の不要部分をエッチング除去するとともに、フッ化アンモニウム溶液によりろう材の不要部分をエッチング除去して、金属回路パターンを形成した。
次に、NaOH水溶液によりエッチングレジストを剥離した後、5体積%の硫酸と4体積%の過酸化水素を含む水溶液からなる化学研磨液に70秒浸漬することによって化学研磨して、銅板の表面粗さを調整した。
次に、pH4.59でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液(上村工業株式会社製のニムデンSX)によって、金属板上にNi−P合金めっきを施した後、電気伝導度1.2が5μS/cmで(窒素ガスのバブリングにより)溶存酸素濃度を1mg/L以下にした純水を入れた3つの水槽にそれぞれ3分間浸漬して洗浄して、金属−セラミックス回路基板を作製した。
このようにして作製した金属−セラミックス回路基板について、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzを表面粗さ測定装置(ミツトヨ株式会社製)によりJIS B0601(1994年)に基づいて測定するとともに、Ni−P合金めっき中のP含有量を蛍光X線膜厚測定装置(セイコーインスツルメンツ株式会社製)によりNi−10.5%P(Cu上)を標準として測定した。その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは4.3μmであり、Ni−P合金めっき中のP含有量は7.90質量%であった。
また、作製した金属−セラミックス回路基板の半田濡れ性を評価する部分以外の部分に半田レジストを形成し、大気中において245℃のオーブン内で2分間加熱し、放冷後、半田濡れ性を評価する10mm×10mmの部分に半田ペースト(共晶半田)を厚さ約0.5mmに塗布した。次に、大気中において200℃のホットプレート上で3分間加熱し、放冷後、半田濡れ性を評価する部分の面積(100mm)に対して溶融半田が濡れて占有する面積の割合(半田の濡れ広がり率)を測定した。なお、半田の濡れ広がり率の評価基準として、半田の濡れ広がり率が95%以上の場合に半田濡れ性が良好(OK)であるとし、95%未満の場合に半田濡れ性が不良(NG)であるとした。その結果、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例2]
化学研磨液への浸漬時間を60秒とし、pH4.55でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは4.6μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.20質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは6nmであった。また、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例3]
化学研磨液への浸漬時間を90秒とし、pH4.55でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。なお、本実施例では、無電解Ni−Pめっき液のpHおよびNi濃度が実施例2と同じであるが、めっき液への浸漬中にめっき液のpHやNi濃度が変化するため、めっき液のpHおよびNi濃度が同じでも、めっき液中のP濃度が異なる場合がある。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.5μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.10質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例4]
化学研磨液への浸漬時間を90秒とし、pH4.46でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.5μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.40質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例5]
化学研磨液への浸漬時間を95秒とし、pH4.49でNi濃度4.7g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は75%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.1μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は7.80質量%であり、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例6]
化学研磨液への浸漬時間を95秒とし、pH4.49でNi濃度5.5g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は75%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.1μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.25質量%であり、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[実施例7]
化学研磨液への浸漬時間を95秒とし、pH4.65でNi濃度4.7g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は75%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.1μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は7.43質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは7.6nmであった。また、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のいずれも半田濡れ広がり率が100%であり、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなく、半田濡れ性のばらつきが非常に少なかった。また、比較的湿度が高くて条件が悪い場合でも半田濡れ性が良好であった。
[実施例8]
化学研磨液への浸漬時間を90秒とし、pH4.79でNi濃度5.4g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は84%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.6μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は7.15質量%であり、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のいずれも半田濡れ広がり率が100%であり、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなく、半田濡れ性のばらつきが非常に少なかった。また、比較的湿度が高くて条件が悪い場合でも半田濡れ性が良好であった。
[実施例9]
化学研磨液への浸漬時間を85秒とし、pH4.79でNi濃度5.6g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は84%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.8μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は6.83質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは10nmであった。また、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のいずれも半田濡れ広がり率が100%であり、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなく、半田濡れ性のばらつきが非常に少なかった。また、比較的湿度が高くて条件が悪い場合でも半田濡れ性が良好であった。
[実施例10]
セラミックス基板として48mm×59mm×0.635mmの大きさの酸化アルミニウム(Al)基板、金属板として47mm×58mm×0.25mmの大きさの銅板を使用し、1体積%の硫酸と3堆積%の過酸化水素を含む水溶液からなる化学研磨液を使用し、化学研磨液への浸漬時間を180秒とし、pH4.50でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。なお、AESによる深さ方向の組成分析におけるNi−P合金めっきの表面のスパッタリング時間に対する各元素の検出強度を図3に示す。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは1.3μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は7.90質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは6.8nmであった。また、半田濡れ性を評価した6枚の金属−セラミックス回路基板のうち、半田濡れ性が不良の基板は1枚もなかった。
[比較例1]
化学研磨液への浸漬時間を80秒とし、pH4.49でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用してNi−P合金めっきを施し、電気伝導度が2μS/cmより大きく溶存酸素濃度が5mg/Lより高い純水を入れた2つの水槽にそれぞれ1分間浸漬して洗浄した以外は、実施例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは4.0μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.60質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板はいずれも、半田濡れ性が不良であった。
[比較例2]
化学研磨液への浸漬時間を55秒とし、pH4.52でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは4.7μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.70質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
[比較例3]
化学研磨液への浸漬時間を105秒とし、pH4.52でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.1μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.60質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
[比較例4]
化学研磨液への浸漬時間を120秒とし、pH4.38でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは2.5μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.70質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは32nmであった。また、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
[比較例5]
化学研磨液への浸漬時間を45秒とし、pH4.49でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは5.2μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は8.70質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
[比較例6]
化学研磨液への浸漬時間を120秒とし、pH5.42でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は79%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは2.5μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は6.73質量%であり、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
[比較例7]
化学研磨液への浸漬時間を100秒とし、pH5.42でNi濃度5.0g/Lの無電解Ni−Pめっき液を使用した以外は、比較例1と同様の方法によって金属−セラミックス回路基板を作製し、実施例1と同様の方法により金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzおよびNi−P合金めっき中のP含有量を測定し、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを求めるとともに、実施例1と同様の方法により半田濡れ性を評価した。なお、半田濡れ性を評価した際の大気中の相対湿度は79%(25℃)であった。
その結果、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzは3.2μm、Ni−P合金めっき中のP含有量は6.76質量%であり、Ni−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さは12nmであった。また、半田濡れ性を評価した2枚の金属−セラミックス回路基板のうち1枚が、半田濡れ性が不良であった。
これらの実施例および比較例の結果を表1に示す。また、実施例および比較例においてNi−P合金めっき中のP含有量およびNi−P合金めっきの表面粗さと半田濡れ性との関係を図3に示す。
Figure 2012079808
表1および図3からわかるように、Ni−P合金めっき中のP含有量を6.80〜8.50質量%にし、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の表面粗さRzを4.6μm以下にすることによって、さらに、好ましくはNi−P合金めっきの表面の酸化物層の厚さを10nm以下にすることによって、金属板のNi−P合金めっきを施した部分の半田濡れ性を向上させることができる。
なお、上述した実施例および比較例ではいずれもNi−P合金めっきに有機系の防錆剤を使用していないが、実施例2、7、9および10と比較例4および7について、AESによる深さ方向の組成分析によってNi−P合金めっき中のカーボンの分析を行ったところ、実施例2、9および10と比較例4および7では0.5nm程度の深さまでカーボンが存在し、実施例7ではカーボンが確認できず、いずれの実施例および比較例でも、半田濡れ性を低下させる厚いカーボンは認められなかった。
10 セラミックス基板
12 金属板
14 エッチングレジスト
16 Ni−P合金めっき
20 金属−セラミックス回路基板

Claims (4)

  1. セラミックス基板に金属板を接合した後、金属板の表面にP含有量が6.80〜8.50質量%であり且つ表面粗さRzが4.6μm以下のNi−P合金めっきを形成することを特徴とする、金属−セラミックス回路基板の製造方法。
  2. 前記Ni−P合金めっきの表面に形成される酸化物層の厚さを10nm以下にすることを特徴とする、請求項1に記載の金属−セラミックス回路基板の製造方法。
  3. セラミックス基板に接合した金属板の表面にP含有量が6.80〜8.50質量%であり且つ表面粗さRzが4.6μm以下のNi−P合金めっきが形成されていることを特徴とする、金属−セラミックス回路基板。
  4. 前記Ni−P合金めっきの表面に形成された酸化物層の厚さが10nm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の金属−セラミックス回路基板。
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