層間絶縁膜等にコンタクトホールを形成する際には、速いエッチングレートを得るとともに、良好な垂直形状を得るべく、比較的大きいパワーでのプラズマエッチングが行われる。エッチングの際には、例えばフルオロカーボン系ガスを用いて生成されたフルオロカーボンプラズマが用いられる。
一方、半導体装置の微細化に対応すべく、ArFエキシマレーザ(波長193nm)を光源とする露光装置に対応するArF用のフォトレジスト膜が用いられるようになってきている。
しかしながら、ArF用のフォトレジスト膜は、プラズマ耐性が必ずしも十分に高くないため、大きいパワーでのプラズマエッチングを行うと、フォトレジスト膜が大きなダメージを受けてしまう。具体的には、フォトレジスト膜の開口部にストライエーション(Striation)が生じ、また、フォトレジスト膜の表面のラフネスも大きくなる。ストライエーションとは、開口部の側壁に生じる縦皺のことである。フォトレジスト膜にストライエーションが生じた状態でコンタクトホールを形成するためのエッチングを行うと、コンタクトホールの側壁にも縦筋が生じてしまう。
このように、微細で良好なコンタクトホールを形成することは必ずしも容易ではなかった。
ArF用のフォトレジスト膜上に保護膜を堆積し、保護膜によりフォトレジスト膜を保護しながら、層間絶縁膜をエッチングすることも考えられる。
しかし、保護膜の堆積が進行するに伴って、フォトレジスト膜の開口部の上方に位置する保護膜の開口部においてストライエーションが生じてしまう場合がある。保護膜の開口部にストライエーションが生じた場合には、かかるストライエーションがコンタクトホールに転写され、コンタクトホールに縦筋が生じてしまうことが考えられる。また、保護膜の開口部に変形が生じた場合には、かかる変形がコンタクトホールに転写され、コンタクトホールの変形を招いてしまうことが考えられる。また、保護膜の開口部がフォトレジスト膜の開口部より小さくなった場合には、コンタクトホールの径が小さくなってしまい、コンタクトホールの開口不良等が生じる虞もある。
このように、微細で良好なコンタクトホールを形成することは必ずしも容易ではなかった。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による半導体装置の製造方法を図1乃至図16を用いて説明する。図1乃至図13は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、半導体基板10に素子分離領域12を形成する(図1(a)参照)。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板を用いる。素子分離領域12の材料としては、例えばシリコン酸化膜が用いられる。なお、素子分離領域12により素子領域14が確定される。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域を開口する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、例えばイオン注入法により、半導体基板10内にドーパント不純物を導入することにより、P型ウェル16を形成する。P型のドーパント不純物としては、例えばB(ボロン)を用いる。
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
なお、図示しないPMOSトランジスタ形成領域には、N型ウェル(図示せず)が形成され、N型ウェル上には、後工程においてPMOSトランジスタ(図示せず)が形成される。本実施形態では、主として、NMOSトランジスタ形成領域について説明し、PMOSトランジスタ形成領域についての説明は省略する。
次に、半導体基板10の表面に、例えばドライ熱酸化法により、例えば膜厚2.0nm程度のシリコン酸化膜のゲート絶縁膜18を形成する。
次に、全面に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法により、例えば膜厚100nm程度のポリシリコン膜を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を開口する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、例えばイオン注入法により、ポリシリコン膜にN型のドーパント不純物を導入する。N型のドーパント不純物としては、例えばリンを用いる。こうして、NMOSトランジスタ形成領域2内のポリシリコン膜がN型となる。
この後、例えばアッシングによりフォトレジスト膜を除去する。
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、ドーパント不純物を活性化するための熱処理を行う。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ポリシリコン膜をパターニングすることにより、ポリシリコンのゲート電極20を形成する(図1(b)参照)。ゲート長は、例えば60nm程度とする。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を開口する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、フォトレジスト膜及びゲート電極20をマスクとし、例えばイオン注入法によりN型のドーパント不純物を導入することにより、ゲート電極20の両側の半導体基板10内にN型のエクステンション領域22を形成する(図1(c)参照)。N型のドーパント不純物としては、例えばリン(P)又は砒素(As)を用いる。加速エネルギーは、例えば5keV程度とする。ドーズ量は、例えば5.0×1014cm−2程度とする。
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚20nmのシリコン酸化膜を形成する。
次に、シリコン酸化膜を異方性エッチングすることにより、ゲート電極20の側壁部分にシリコン酸化膜のサイドウォール絶縁膜24を形成する(図1(d)参照)。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を開口する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
次に、サイドウォール絶縁膜24が形成されたゲート電極20とフォトレジスト膜とをマスクとして、半導体基板10内にN型のドーパント不純物を導入する。N型のドーパント不純物としては、例えば砒素を用いる。加速エネルギーは、例えば10keV程度とする。ドーズ量は、例えば5.0×1015cm−2程度とする。これにより、エクステンションソース/ドレイン構造の深い領域を形成するN型の不純物領域26が形成される。(図2(a)参照)。
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
次に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)法により、ドーパント不純物を活性化するための熱処理を行う。こうして、エクステンション領域22と不純物領域26とによりエクステンションソース/ドレイン構造のソース/ドレイン拡散層28が形成される(図2(a)参照)。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚20nm程度の高融点金属膜を形成する。高融点金属膜としては、例えばニッケル膜を用いる。
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10表面のシリコンと高融点金属膜中のニッケルとを反応させるとともに、ゲート電極20表面のシリコンと高融点金属膜中のニッケルとを反応させる。
次に、未反応の高融点金属膜をエッチング除去する。こうして、ソース/ドレイン拡散層28上及びゲート電極20上に、ニッケルシリサイドのシリサイド膜30がそれぞれ形成される(図2(b)参照)。ソース/ドレイン拡散層28上のシリサイド膜30は、ソース/ドレイン電極として機能する。
こうして、ゲート電極20とソース/ドレイン拡散層28とを有するトランジスタ(NMOSトランジスタ)32が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜のエッチングストッパ膜34を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚500nm程度のシリコン酸化膜の層間絶縁膜36を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜38を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば100nmのBARC(Bottom Anti-Reflection Coating)膜40、即ち、反射防止膜を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば膜厚300nmのフォトレジスト膜42を形成する。フォトレジスト膜42としては、例えばArF用のフォトレジスト膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜42をパターニングする。これにより、コンタクトホール48を形成するための開口部44がフォトレジスト膜42に形成される(図3(a)参照)。開口部44の径は、例えば100nm程度とする。
次に、フォトレジスト膜42をマスクとし、反射防止膜40をプラズマエッチングする。エッチング装置としては、プラズマエッチング装置を用いる。エッチングガスとしては、例えばCF4ガス等を用いる。
次に、フォトレジスト膜42をマスクとし、フォトレジスト膜42上にフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜46を堆積しつつ、シリコン窒化膜38及び層間絶縁膜36をプラズマエッチングする。エッチング装置としては、プラズマエッチング装置を用いる。
エッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガス(フッ化炭素系ガス)を含むエッチングガスを用いる。より具体的には、CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いる。CF4ガスは、フルオロカーボン系ガスである。CF4ガスの流量は、例えば100sccm程度とする。H2ガスの流量は、例えば150sccm程度とする。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。また、Arガスは、エッチングの促進にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、CH2F2ガス、CHF3ガス、C4F8ガス、C5F8ガス、又は、C4F6ガス等を添加してもよい。これらのガスは、保護膜46の堆積や層間絶縁膜36のエッチングを促進する機能を有する。これらのガスを添加することにより、保護膜46の堆積を適度に調整したり、層間絶縁膜36のエッチング速度を適度に調整したりすることができる。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜46を適度に堆積でき、適切な速度で層間絶縁膜36をエッチングできる場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
また、添加ガスとして、例えばN2ガス等を用いてもよい。N2ガスは、保護膜46を除去する機能を有する。N2ガス等を適宜添加することにより、保護膜46がフォトレジスト膜42上に過剰に堆積するのを防止することができる。なお、N2ガス等を添加しなくても、保護膜46が過剰にフォトレジスト膜42上に堆積されない場合には、N2ガス等を添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。下部電極に複数種の周波数の電力を印加するエッチング装置を用いる場合、エッチング装置の下部電極(図示せず)に印加する高周波電力(RFパワー)は、例えば27MHz、1500W程度とする。また、エッチング装置の下部電極に印加する低周波電力は、例えば2MHz、500W程度とする。
CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いてエッチングすると、フォトレジスト膜36上にはフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜46が堆積される。
CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いてエッチングすると、フルオロカーボン系ポリマを含む保護膜46がフォトレジスト膜42上に堆積されるのは、以下のような理由によるものと考えられる。
即ち、CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いてプラズマエッチングを行うと、CF4のうちのフッ素原子がH2のうちの水素原子と結合し、CF2等のカーボンリッチなCFXが生成されると考えられる。CF2等のカーボンリッチなCFXはフォトレジスト膜42上に付着しやすいため、フォトレジスト膜42上にフルオロカーボン系ポリマが堆積されると考えられる。
かかる保護膜46は、プラズマによるダメージがフォトレジスト膜42に加わるのを防止する機能を有する。ArF用のフォトレジスト膜42はプラズマ耐性があまり高くないが、フォトレジスト膜42上に保護膜46を堆積しつつエッチングを行うため、エッチングの際にフォトレジスト膜42に大きなダメージが加わるのを防止することができる。
図3(b)は、反射防止膜40とシリコン窒化膜38とがエッチングされ、コンタクトホール(開口部、ビア)48が層間絶縁膜36の上部にまで達した状態を示している。
更にエッチングが進行すると、例えば、図4(a)のようになる。
図4(a)は、層間絶縁膜36の膜厚の半分程度の深さにまでコンタクトホール48が到達した状態を示している。
この段階で、フォトレジスト膜42上に堆積される保護膜46の厚さは、例えば50nm程度となる。
フォトレジスト膜42上への保護膜46の堆積が進行していくと、保護膜46の開口部50に生じるストライエーションが徐々に大きくなる。また、保護膜46の表面のラフネスも大きくなる。ストライエーションとは、膜の開口部の側壁部分に生じる縦皺のことである。保護膜46にストライエーションが生じている状態で層間絶縁膜36のエッチングを進行させた場合には、かかるストライエーションがコンタクトホール48に転写され、コンタクトホール48に縦筋が形成される。コンタクトホール48に深い縦筋が形成されると、信頼性や歩留まりの低下等を招く虞がある。
また、フォトレジスト膜42上への保護膜46の堆積が進行していくと、フォトレジスト膜42の開口部44上に位置する保護膜46の開口部50が、フォトレジスト膜42の開口部44より小さくなっていく(図示せず)。このような状態で層間絶縁膜36のエッチングを進行させた場合には、所望の径や所望の形状のコンタクトホール48を形成し得ない。
そこで、本実施形態では、コンタクトホール48を層間絶縁膜36の途中までエッチングした段階で、フォトレジスト膜42上に堆積された保護膜46をプラズマエッチングにより一旦除去する。
保護膜46を除去する際のエッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガスを含むエッチングガスを用いる。より具体的には、例えばCF4ガスを用いる。CF4ガスの流量は、例えば200sccm程度とする。保護膜46を除去する際には、エッチングガス中にH2ガスを混合しない。CF4ガスとH2ガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いると、フォトレジスト膜42上に保護膜46が更に堆積してしまい、フォトレジスト膜42上に堆積した保護膜46を除去し得ないためである。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、O2ガス、N2ガス、又は、COガス等を添加してもよい。これらのガスは、保護膜46の除去を促進する機能を有する。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜46を十分に除去し得る場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。
保護膜46を除去する際にエッチング装置の例えば下部電極(図示せず)に印加される高周波電力(RFパワー)は、層間絶縁膜36をエッチングする際にエッチング装置の例えば下部電極に印加される高周波電力より小さく設定することが好ましい。即ち、保護膜46を除去する際において印加されるプラズマ発生用の高周波電力は、層間絶縁膜36をエッチングする際において印加されるプラズマ発生用の高周波電力より小さく設定することが好ましい。換言すれば、保護膜46を除去する際におけるエッチング装置の例えば下部電極のセルフバイアスが、層間絶縁膜36をエッチングする際におけるエッチング装置の例えば下部電極のセルフバイアスより小さくなるように設定することが好ましい。保護膜46を除去していくに伴って、フォトレジスト膜42が保護膜46により保護されない状態となるため、印加する高周波電力が大きい場合には、保護膜46を除去する過程でフォトレジスト膜42に大きいダメージが加わってしまうためである。
ここでは、エッチング装置の例えば下部電極に印加する高周波電力は、例えば27MHz、500W程度とする。
図4(b)は、フォトレジスト膜42上に堆積した保護膜46が除去された状態を示している。
保護膜46をプラズマエッチングにより除去する際には、保護膜46のみならず、フォトレジスト膜42もある程度除去される。フォトレジスト膜42は、例えば25nm程度エッチングされる。また、保護膜46をプラズマエッチングにより除去する際には、層間絶縁膜36のエッチングもある程度進行する。
次に、フォトレジスト膜42をマスクとし、フォトレジスト膜42上にフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜50を堆積しつつ、層間絶縁膜36を更にプラズマエッチングする。
エッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガスを含むエッチングガスを用いる。より具体的には、図3(b)及び図4(a)を用いて上述した工程と同様に、例えば、CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いる。CF4ガスの流量は、例えば100sccm程度とする。H2ガスの流量は、例えば150sccm程度とする。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。また、Arガスは、エッチングの促進にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、CH2F2ガス、CHF3ガス、C4F8ガス、C5F8ガス、又は、C4F6ガス等を添加してもよい。これらのガスは、上述したように、保護膜50の堆積を促進する機能や、層間絶縁膜36のエッチングを促進する機能を有する。これらのガスを適宜添加することにより、保護膜50の堆積を適度に調整したり、層間絶縁膜36のエッチング速度を適度に調整したりすることができる。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜50を適度に堆積でき、適切なエッチング速度で層間絶縁膜36をエッチングできる場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
また、添加ガスとして、例えばN2ガス等を用いてもよい。N2ガス等は、上述したように保護膜50を除去する機能を有する。N2ガス等を添加することにより、保護膜50がフォトレジスト膜42上に過剰に堆積するのを防止することができる。なお、N2ガス等を添加しなくても、保護膜50がフォトレジスト膜42上に過剰に堆積されない場合には、N2ガス等を添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。エッチング装置の例えば下部電極に印加する高周波電力は、例えば27MHz、1500W程度とする。エッチング装置の例えば下部電極に印加する低周波電力は、例えば2MHz、500W程度とする。
こうして、コンタクトホール48がエッチングストッパ膜34にまで到達する。
図5(a)は、コンタクトホール48がエッチングストッパ膜34にまで達した状態を示している。
なお、図3(b)に示す工程から図5(a)に示す工程までは、例えば、大気開放することなく、同一のプラズマエッチング装置を用いて行われる。
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜42を剥離する。この際、フォトレジスト膜42上の保護膜50及び反射防止膜40も除去される。
次に、プラズマエッチング法により、コンタクトホール48内に露出するエッチングストッパ膜34と、層間絶縁膜36上のシリコン窒化膜38とをエッチング除去する(図5(b)参照)。なお、フォトレジスト膜42を剥離する工程とエッチングストッパ膜34及びシリコン窒化膜38をエッチングする工程とは、同一のチャンバを用いて連続的に行ってもよいし、同一のエッチング装置の別チャンバを用いて行ってもよい。
こうして、コンタクトホール48がトランジスタ32のソース/ドレイン電極30にまで到達する。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚10nmのTi膜と、膜厚10nmのTiN膜とを順次形成する。これにより、Ti膜とTiN膜とにより形成されたバリアメタル膜52が形成される。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えばタングステンの導電膜54を形成する。導電膜54の膜厚は、コンタクトホール48内が導電膜54により十分に充填される膜厚とする。
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜36の表面が露出するまで導電膜54及びバリアメタル膜52を研磨する。こうして、コンタクトホール48内に、例えばタングステンの導体プラグ54が埋め込まれる(図6(b)参照)。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚250nm程度のシリコン酸化膜の層間絶縁膜56(図7(a)参照)を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば100nmの反射防止膜58を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば膜厚300nmのフォトレジスト膜60を形成する。フォトレジスト膜60としては、例えばArF用のフォトレジスト膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜60をパターニングする。これにより、溝64を形成するための開口部62がフォトレジスト膜60に形成される(図7(b)参照)。開口部62の幅は、例えば100nm程度とする。
次に、フォトレジスト膜60をマスクとし、反射防止膜58及び層間絶縁膜56をドライエッチングする。これにより、配線68を埋め込むための溝64が層間絶縁膜56に形成される。
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜60を剥離する(図8(a)参照)。この際、反射防止膜58も除去される。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚15nm程度のバリアメタル膜66を形成する。バリアメタル膜66としては、例えばタンタル膜を用いる。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚50nm程度のCu膜のシード層(図示せず)を形成する。
次に、例えば電解めっき法により、Cu層68を形成する(図8(b)参照)。Cu層68の厚さは、溝64内がCu層68により十分に埋め込まれるような厚さとする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜56の表面が露出するまで、Cu層68及びバリアメタル膜66を研磨する。これにより、溝64内に、Cuの配線68が埋め込まれる(図9(a)参照)。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜のエッチングストッパ膜70を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚500nm程度のシリコン酸化膜の層間絶縁膜72を形成する。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nm程度のシリコン窒化膜74を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば100nmの反射防止膜76を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば膜厚300nmのフォトレジスト膜78を形成する。フォトレジスト膜78としては、例えばArF用のフォトレジスト膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜78をパターニングする。これにより、コンタクトホール84を形成するための開口部80がフォトレジスト膜78に形成される(図9(b)参照)。開口部80の径は、例えば100nm程度とする。
次に、フォトレジスト膜78をマスクとし、反射防止膜76をプラズマエッチングする。エッチング装置としては、プラズマエッチング装置を用いる。エッチングガスとしては、例えばCF4ガス等を用いる。
次に、フォトレジスト膜78をマスクとし、フォトレジスト膜78上にフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜82を堆積しつつ、シリコン窒化膜74及び層間絶縁膜72をプラズマエッチングする。エッチング装置としては、プラズマエッチング装置を用いる。
エッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガスを含むエッチングガスを用いる。より具体的には、CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いる。CF4ガスの流量は、例えば100sccm程度とする。H2ガスの流量は、例えば150sccm程度とする。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。また、Arガスは、エッチングの促進にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、CH2F2ガス、CHF3ガス、C4F8ガス、C5F8ガス、又は、C4F6ガス等を添加してもよい。これらのガスは、保護膜82の堆積や層間絶縁膜72のエッチングを促進する機能を有する。これらのガスを添加することにより、保護膜82の堆積を適度に調整したり、層間絶縁膜72のエッチング速度を適度に調整したりすることができる。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜82を適度に堆積でき、適切な速度で層間絶縁膜72をエッチングできる場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
また、添加ガスとして、例えばN2ガス等を用いてもよい。N2ガスは、保護膜82を除去する機能を有する。N2ガス等を適宜添加することにより、保護膜82がフォトレジスト膜78上に過剰に堆積するのを防止することができる。なお、N2ガス等を添加しなくても、保護膜82が過剰にフォトレジスト膜78上に堆積されない場合には、N2ガス等を添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。エッチング装置の例えば下部電極(図示せず)に印加する高周波電力(RFパワー)は、例えば27MHz、1500W程度とする。また、エッチング装置の例えば下部電極(図示せず)に印加する低周波電力は、例えば2MHz、500W程度とする。
CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いてエッチングすると、フォトレジスト膜78上にはフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜82が堆積される。
かかる保護膜82は、プラズマによるダメージがフォトレジスト膜72に加わるのを防止する機能を有する。ArF用のフォトレジスト膜78はプラズマ耐性があまり高くないが、フォトレジスト膜78上に保護膜82を堆積しつつエッチングを行うため、エッチングの際にフォトレジスト膜78に大きなダメージが加わるのを防止することができる。
図10(a)は、反射防止膜76とシリコン窒化膜74とがエッチングされ、コンタクトホール84が層間絶縁膜72の上部にまで達した状態を示している。
更にエッチングが進行すると、例えば、図10(b)のようになる。
図10(b)は、層間絶縁膜72の膜厚の半分程度の深さにまでコンタクトホール84が到達した状態を示している。
この段階で、フォトレジスト膜78上に堆積される保護膜82の厚さは、例えば50nm程度となる。
フォトレジスト膜78上への保護膜82の堆積が進行していくと、保護膜82の開口部86に生じるストライエーションが徐々に大きくなる。また、保護膜82の表面のラフネスも大きくなる。保護膜82にストライエーションが生じている状態で層間絶縁膜72のエッチングを進行させた場合には、かかるストライエーションがコンタクトホール84に転写され、コンタクトホール84に縦筋が形成される。コンタクトホール84に深い縦筋が形成されると、信頼性や歩留まりの低下等を招く虞がある。
また、フォトレジスト膜78上への保護膜82の堆積が進行していくと、保護膜82の開口部86が小さくなっていく(図示せず)。このような状態で層間絶縁膜72のエッチングを進行させた場合には、所望の径や所望の形状のコンタクトホール84を形成し得ない。
そこで、本実施形態では、コンタクトホール84を層間絶縁膜72の途中までエッチングした段階で、フォトレジスト膜78上に堆積された保護膜82をプラズマエッチングにより一旦除去する。
保護膜82を除去する際のエッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガスを含むエッチングガスを用いる。より具体的には、例えばCF4ガスを用いる。CF4ガスの流量は、例えば200sccm程度とする。保護膜82を除去する際には、エッチングガス中にH2ガスを混合しない。CF4ガスとH2ガスとの混合ガスをエッチングガスとして用いると、フォトレジスト膜42上に保護膜46が更に堆積してしまい、フォトレジスト膜42上に堆積した保護膜46を除去し得ないためである。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、O2ガス、N2ガス、又は、COガス等を添加してもよい。これらのガスは、保護膜82の除去を促進する機能を有する。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜82を十分に除去し得る場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。
保護膜82を除去する際にエッチング装置の例えば下部電極(図示せず)に印加される高周波電力(RFパワー)は、層間絶縁膜36をエッチングする際にエッチング装置の例えば下部電極に印加される高周波電力より小さく設定することが好ましい。即ち、保護膜82を除去する際において印加されるプラズマ発生用の高周波電力は、層間絶縁膜72をエッチングする際において印加されるプラズマ発生用の高周波電力より小さく設定することが好ましい。保護膜82を除去していくに伴って、フォトレジスト膜78が保護膜82により保護されない状態となるため、印加する高周波電力が大きい場合には、保護膜82を除去する過程でフォトレジスト膜78に大きいダメージが加わってしまうためである。
ここでは、エッチング装置の例えば下部電極に印加する高周波電力は、例えば27MHz、500W程度とする。
図11(a)は、フォトレジスト膜78上に堆積した保護膜82が除去された状態を示している。
保護膜82をプラズマエッチングにより除去する際には、保護膜82のみならず、フォトレジスト膜78もある程度除去される。フォトレジスト膜78は、例えば25nm程度エッチングされる。また、保護膜82をプラズマエッチングにより除去する際には、層間絶縁膜72のエッチングもある程度進行する。
次に、フォトレジスト膜78をマスクとし、フォトレジスト膜78上にフルオロカーボン系ポリマを含む保護膜88を堆積しつつ、層間絶縁膜72を更にプラズマエッチングする。
エッチングガスとしては、例えば、フルオロカーボン系ガスを含むエッチングガスを用いる。より具体的には、図10(a)及び図10(b)を用いて上述した工程と同様に、例えば、CF4ガスとH2ガスとを含む混合ガスを用いる。CF4ガスの流量は、例えば100sccm程度とする。H2ガスの流量は、例えば150sccm程度とする。
希釈ガスとしては、例えばArガスを用いる。Arガスの流量は、例えば300sccm程度とする。なお、Arガスは、プラズマ放電の安定化にも寄与する。また、Arガスは、エッチングの促進にも寄与する。
添加ガスとして、例えば以下のようなガスを添加してもよい。
例えば、添加ガスとして、CH2F2ガス、CHF3ガス、C4F8ガス、C5F8ガス、又は、C4F6ガス等を添加してもよい。これらのガスは、上述したように、保護膜88の堆積を促進する機能や、層間絶縁膜72のエッチングを促進する機能を有する。これらのガスを適宜添加することにより、保護膜88の堆積を適度に調整したり、層間絶縁膜72のエッチング速度を適度に調整したりすることができる。なお、これらのガスを添加しなくても、保護膜88を適度に堆積でき、適切なエッチング速度で層間絶縁膜72をエッチングできる場合には、これらのガスを添加しなくてもよい。
また、添加ガスとして、例えばN2ガス等を用いてもよい。N2ガス等は、上述したように保護膜88を除去する機能を有する。N2ガス等を添加することにより、保護膜88がフォトレジスト膜42上に過剰に堆積するのを防止することができる。なお、N2ガス等を添加しなくても、保護膜88がフォトレジスト膜78上に過剰に堆積されない場合には、N2ガス等を添加しなくてもよい。
エッチング装置のチャンバ内の圧力は、例えば50mT程度とする。エッチング装置の例えば下部電極に印加する高周波電力は、例えば27MHz、1500W程度とする。エッチング装置の例えば下部電極に印加する低周波電力は、例えば2MHz、500W程度とする。
こうして、コンタクトホール84がエッチングストッパ膜70にまで到達する。
図11(b)は、コンタクトホール84がエッチングストッパ膜70にまで達した状態を示している。
なお、図10(a)に示す工程から図11(b)に示す工程までは、例えば、大気開放することなく、同一のプラズマエッチング装置を用いて行われる。
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜78を剥離する。この際、フォトレジスト膜78上の保護膜88及び反射防止膜76も除去される。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、熱硬化性の樹脂を塗布することにより、樹脂膜90を形成する(図12(a)参照)。これにより、コンタクトホール84内及びシリコン窒化膜74上に樹脂膜90が形成される。
次に、熱処理を行うことにより、樹脂膜90を硬化する。熱処理温度は、例えば300℃程度とする。熱処理時間は、例えば60秒程度とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚50nmのシリコン酸化膜92を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば100nmの反射防止膜76を形成する。
次に、全面に、例えばスピンコート法により、例えば膜厚300nmのフォトレジスト膜96を形成する。フォトレジスト膜96としては、例えばArF用のフォトレジスト膜を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜96に開口部98を形成する。開口部98は、層間絶縁膜72に溝100を形成するためのものである。
次に、フォトレジスト膜96をマスクとし、例えばプラズマエッチング法により、反射防止膜94及びシリコン酸化膜92をエッチングする。
次に、シリコン酸化膜92をマスクとし、例えばプラズマエッチング法により、樹脂膜90をエッチングする。この際、シリコン酸化膜92上の反射防止膜94及びフォトレジスト膜96も除去される。
次に、樹脂膜90をマスクとし、例えばプラズマエッチング法により、シリコン窒化膜74及び層間絶縁膜72をエッチングする。これにより、層間絶縁膜72に溝100が形成される。
次に、例えばプラズマアッシング法により、樹脂膜90を剥離する。この際、樹脂膜90上のシリコン酸化膜92も除去される。
次に、例えばプラズマエッチング法により、コンタクトホール84内に露出しているエッチングストッパ膜70をエッチングする。エッチングガスとしては、例えばCF4ガスとArとを含む混合ガスを用いる。これにより、コンタクトホール84が配線68の上面に達する。また、このエッチングにより、層間絶縁膜72上のシリコン窒化膜74がエッチング除去されるとともに、溝100の深さが深くなる。
こうして、層間絶縁膜72に溝100が形成される。溝100の深さは、例えば200nm程度とする。
なお、フォトレジスト膜96をマスクとして反射防止膜94及びシリコン酸化膜92をエッチングする工程からコンタクトホール84内に露出しているエッチングストッパ膜70をエッチングする工程までは、同一チャンバを用いて連続的に行うことができる。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚15nmのバリアメタル膜102を形成する。バリアメタル膜102としては、例えばタンタル膜を用いる。
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、例えば膜厚50nmのシード層(図示せず)を形成する。シード層の材料としては、例えばCuを用いる。
次に、例えば電解めっき法により、Cu層104を形成する(図13(a)参照)。Cu層104の厚さは、コンタクトホール84及び溝100内がCu層104により十分に埋め込まれるような厚さとする。
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜72の表面が露出するまで、Cu層104、バリアメタル膜102を研磨する。これにより、溝100及びコンタクトホール84内に、Cu層104が埋め込まれる。こうして、Cu層104のうちのコンタクトホール84内に埋め込まれた部分は、導体プラグ104aとなる。Cu層104のうちの溝100内に埋め込まれた部分は、配線104bとなる。こうして、デュアルダマシン法により、導体プラグ104aと配線104bとが一体的に形成される(図13(b)参照)。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
(評価結果)
本実施形態による半導体装置の製造方法の評価結果を図14乃至図15を用いて説明する。図14及び図15は、本実施形態による半導体装置の走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)像を示す図である。
図14は、保護膜46をフォトレジスト膜42上に堆積しつつ、層間絶縁膜36の膜厚の半分程度の深さまでコンタクトホール48を形成した状態、即ち、上述した図4(a)に示す工程が完了した状態に対応している。図14(a)は断面図であり、図14(b)及び図14(c)は平面図である。図14(b)はコンタクトホールのパターンを密に配置した場合を示しており、図14(c)はコンタクトホールのパターンを疎に配置した場合を示している。
図14から分かるように、保護膜46の開口部50が変形している。そして、保護膜46の開口部50には、比較的大きいストライエーションが生じている。
図15は、フォトレジスト膜42上に堆積された保護膜14を除去した状態、即ち、上述した図4(b)に示す工程が完了した状態に対応している。図15(a)は断面図であり、図15(b)及び図15(c)は平面図である。図15(b)はコンタクトホールのパターンを密に配置した場合を示しており、図15(c)はコンタクトホールのパターンを疎に配置した場合を示している。
図15から分かるように、フォトレジスト膜42の開口部48は比較的良好な形状となっている。従って、この後、フォトレジスト膜42上に他の保護膜50を堆積しながら、層間絶縁膜36をエッチングすれば、良好なコンタクトホール48が形成される。
従って、本実施形態のようにフォトレジスト膜42上に堆積された保護膜46を適切な段階で除去すれば、良好なコンタクトホールを形成し得ると考えられる。
このように、本実施形態によれば、フォトレジスト膜上に保護膜を堆積しながら、絶縁膜をプラズマエッチングするため、フォトレジスト膜にプラズマダメージが加わるのを抑制することができる。しかも、フォトレジスト膜上に堆積された保護膜を、コンタクトホールを形成する途中の段階で一旦除去するため、保護膜の開口部の変形やストライエーションがコンタクトホールに転写されるのを抑制することができる。従って、微細で良好なコンタクトホールを有する半導体装置を製造することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、層間絶縁膜をプラズマエッチングする際に用いるエッチングガスとして、CF4ガスとH2ガスとの混合ガスを用いる場合を例に説明したが、層間絶縁膜をエッチングする際に用いるエッチングガスは、これに限定されるものではない。層間絶縁膜をエッチングする際に用いるエッチングガスとして、例えば、C4F8ガス、C5F8ガス、C4F6ガス、又は、これらの混合ガスをエッチングガスとして用いてもよい。これらのガスは、CF4ガスと比較してカーボンリッチなフルオロカーボン系ガスである。このため、エッチングガスとしてC4F8ガス、C5F8ガス又はC4F6ガスを用いる場合には、エッチングガス中にH2ガスを混合しなくても、フォトレジスト膜上に保護膜を堆積し得る。一方、エッチングガスとしてC4F8ガス、C5F8ガス又はC4F6ガスを用いる場合において、エッチングガス中にH2ガスを混合した場合には、フォトレジスト膜上に保護膜が過剰に堆積されてしまう場合がある。このため、エッチングガスとしてC4F8ガス、C5F8ガス又はC4F6ガスを用いる場合には、エッチングガス中にH2ガスを混合しないことが好ましい。エッチングガスとしてC4F8ガス、C5F8ガス又はC4F6ガスを用いる場合には、希釈ガスとして、例えばArガスを用いる。添加ガスとして、例えばCH2F2ガス、CHF3ガス等を添加してもよい。CH2F2ガス、CHF3ガス等は、保護膜の堆積を促進したり、エッチングを促進したりするのに寄与する。また、添加ガスとして、O2ガス、N2ガス、COガス等を添加してもよい。O2ガス、N2ガス、COガス等は、保護膜を除去する機能を有しており、保護膜が過剰に堆積されるのを防止するのに寄与する。
また、上記実施形態では、保護膜を除去する際に用いるエッチングガスとしてCF4ガスを用いる場合を例に説明したが、保護膜を除去する際に用いるエッチングガスは、これに限定されるものではない。保護膜を除去する際に用いるエッチングガスとして、例えば、CHF3ガス、CH2F2ガス、又は、これらの混合ガスを用いてもよい。エッチングガスとして、CHF3ガス又はCH2F2ガスを用いる場合、希釈ガスとして、例えばArガスを用いる。添加ガスとして、O2ガス、N2ガス、COガス等を添加してもよい。O2ガス、N2ガス、COガス等は、保護膜を除去する機能を有しており、保護膜が過剰に堆積されるのを防止するのに寄与する。
また、上記実施形態では、コンタクトホールを形成する際に、フォトレジスト膜上の保護膜を除去する工程を1回行う場合を例に説明したが、コンタクトホールを形成する際に、保護膜を除去する工程を複数回行ってもよい。例えば、フォトレジスト膜上に保護膜を堆積しながら、層間絶縁膜の膜厚の3分の1程度の深さまでコンタクトホールが達するように、層間絶縁膜をエッチングする。次に、フォトレジスト膜上に堆積された保護膜をエッチング除去する。次に、フォトレジスト膜上に他の保護膜を堆積しながら、層間絶縁膜の膜厚の3分の2程度の深さまでコンタクトホールが達するように、層間絶縁膜をエッチングする。次に、フォトレジスト膜上に堆積された他の保護膜をエッチング除去する。次に、フォトレジスト膜上に更に他の保護膜を堆積しながら、層間絶縁膜を更にエッチングする。このように、コンタクトホールを形成する際に、保護膜を除去する工程を複数回行うようにしてもよい。層間絶縁膜の膜厚が比較的厚い場合には、保護膜を除去する工程を複数回行うことが有効である。