JP2012076297A - インクカートリッジ及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクカートリッジに収容されたインクの複数の残量を正確に検出できる構造を提供する。
【解決手段】第1接点44及び第3接点45が設けられたカートリッジ装着部40を有する記録装置10に装着可能なインクカートリッジ60であって、インクを収容するインク室90の液面と交差する方向に沿って配置されており、インク室90に収容されたインクと熱的に接触して配置される少なくとも2つの熱伝導部材78と、各熱伝導部材78に対応して設けられており、外部からの入力に基づいて信号を出力する焦電部71と、焦電部71に対応して設けられており、第1接点44に電気的に接続し、対応する焦電部71からの信号を記録装置10に伝達する第2接点75と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクカートリッジ、及び、インクカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部が設けられた記録装置に関する。
一般に、用紙などの被記録媒体にインクを吐出することで画像を記録するインクジェット記録装置と称されるような記録装置が提供されている。この種の記録装置には、インクが収容されたインクカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部が設けられたものがある。
インクジェット記録装置は、インクカートリッジから記録ヘッドに供給されたインクを記録ヘッドから用紙などの被記録媒体に吐出することで、当該被記録媒体に画像を記録する。よって、インクジェット記録装置は、インクカートリッジに収容されたインクがなくなると被記録媒体に画像を記録できなくなる。このような事態を回避するために、インクジェット記録装置は、インクカートリッジに収容されたインクの残量を検出する機構を備え、インクカートリッジは、インクの残量の検出に適した構造とされている。
例えば、特許文献1には、貯留するインクの量に基づいてシャッターが遮断するかどうかにより透過光の有無を検出する機構が記載されている。また、記録ヘッドからのインクの吐出回数からインクカートリッジに残留するインクの量を検出する機構も知られている。
特開2005−125738号公報
しかしながら、上述したような残量検出の機構及び構造では、正確にインク量が検知できないため、インクカートリッジ内にある程度のインクが残っている状態で交換させる必要があった。つまり、インクカートリッジと記録ヘッドとの間の供給経路に気泡が入ることによるヘッドの破損などの不具合を防止する必要からインクカートリッジには、ある程度のインクを残しておく必要があった。
また、透明なインクタンクを有した構造のインクカートリッジを用いた場合、シャッターがインク有りの状態で配置される位置にインク滴が付着していると、当該インク滴により光が遮断されて誤検出してしまうおそれがある。
このように、上述した機構の何れであっても、インク残量を正確に検出することは困難であることから、複数の異なる量のインク残量を正確に検出することは更に困難である。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクカートリッジに収容されたインクの複数の残量を正確に検出できる構造を提供することにある。
本発明は、装置側接点が設けられたカートリッジ装着部を有する記録装置に装着可能なインクカートリッジである。上記インクカートリッジは、インクを収容するインク室の液面と交差する方向に沿って配置されており、上記インク室に収容されたインクと熱的に接触して配置される少なくとも2つの熱伝導部材と、各熱伝導部材に対応して設けられており、外部からの入力に基づいて信号を出力する焦電部と、上記焦電部に対応して設けられており、上記装置側接点に電気的に接続し、対応する焦電部からの信号を上記記録装置に伝達する第1接点と、を備える。
熱伝導部材とインクが接触している場合に、外部から熱が伝導されると、当該熱の多くは当該熱伝導部材を介してインクに伝導される。つまり、焦電部に伝導される熱量は少ない。これにより、当該焦電部の温度上昇は小さく抑えられる。
一方、インク室のインクの残量が所定量未満となることによって、当該熱伝導部材とインクとが接触しなくなると、当該熱伝導部材に熱が伝導されても、当該熱がインクに伝導されることはない。これにより、当該熱は、当該焦電部に伝導され、当該焦電部の温度は、熱伝導部材とインクが接触している場合に比べて、大きく上昇する。
ここで、焦電部は、伝熱による温度の変化が大きいと、所謂焦電効果によって、電流及び電圧の変化が大きい。つまり、焦電部からの信号の出力の変化が大きい。一方、焦電部の温度の変化が小さいと、電流及び電圧の変化が小さい。つまり、焦電部からの信号の出力の変化が小さい。
つまり、上述の構成の場合、当該熱伝導部材とインクとが接触している状態では、焦電部からの信号の出力の変化が小さく、当該熱伝導部材とインクとが接触していない状態では、焦電部からの信号の出力の変化が大きい。
以上より、熱伝導部材のインクとの接触の有無に基づく焦電部からの信号の出力の変化によって、インク室におけるインクの液面高さ、つまりインク室のインクの残量が正確に検出可能である。
また、上述の構成においては、熱伝導部材が少なくとも2つ設けられているため、インク室のインクの残量を複数検出することができる。具体的には、各熱伝導部材におけるインク室に対して露出した部分の上下方向の最下端の高さがお互いに異なるように、各熱伝導部材を配置すればよい。これにより、各熱伝導部材がインクと接触するか否かの境界の高さが、お互いに異なるようになるため、各熱伝導部材について検出可能な異なるインク残量が決まることとなる。
本発明は、装置側接点が設けられたカートリッジ装着部を有しており、このカートリッジ装着部にインクカートリッジが装着される記録装置である。上記記録装置に装着されたインクカートリッジは、インクを収容するインク室の液面と交差する方向に沿って配置されており、上記インク室に収容されたインクと熱的に接触して配置される少なくとも2つの熱伝導部材と、各熱伝導部材に対応して設けられており、外部からの入力に基づいて信号を出力する焦電部と、上記焦電部に対応して設けられており、上記装置側接点と電気的に接続する第1接点と、上記焦電部に対応して設けられる加熱部材と、を備え、上記インクカートリッジを装着した状態で、各加熱部材を起動し、上記装置側接点を介して各焦電部から入力される信号に基づいて、インク残量が所定量未満であることを判定する。
上述の構成の場合、記録装置は、各加熱部材を起動し、それに対して各焦電部から入力される信号に基づいて、インク残量が所定量未満であることを判定する。ここで、上述したように、インク室のインクの残量が所定量未満であるか否かは、各焦電部からの信号の出力の変化によって正確に検出可能である。よって、記録装置は、インク室のインクが所定量未満であるか否かを正確に判定することができる。
本発明によれば、各熱伝導部材とインクとが接触しているか否かによって各焦電部からの出力信号にはっきりとした違いが現れることを利用して、インクカートリッジに貯留されたインクの複数の残量を正確に検出することが可能である。
図1は、プリンタ部16の模式的な断面図である。 図2は、インクカートリッジ60の模式的な斜視図である。 図3は、センサチップ70の模式的な斜視図である。 図4は、検出部50の回路図である。 図5は、記録装置10のブロック図である。 図6は、変形例1のセンサチップ70の斜視図である。 図7は、変形例2のセンサチップ70の斜視図である。 図8は、検出部50の回路図である。
以下、適宜図面が参照されて本発明の実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
本実施形態では、図1に示されたインクジェット記録方式の記録装置10と、この記録装置10に着脱自在に装着されるインクカートリッジ60と、が説明される。記録装置10は、請求項に記載の記録装置に相当する。また、インクカートリッジ60は、請求項に記載のインクカートリッジに相当する。
[記録装置10の概略構成]
記録装置10は、プリンタ筐体と、このプリンタ筐体の上面に載置されたスキャナ筐体と、このスキャナ筐体の上面に載置された原稿カバーとを備えた、いわゆる複合機である。プリンタ筐体には図1に示されたプリンタ部16が収容されている。
[プリンタ部16]
プリンタ部16は、図1に示されたように、被記録媒体14を搬送する搬送装置30と、搬送される被記録媒体14に画像を記録する記録ヘッド20と、この記録ヘッド20や搬送装置30などを駆動させる不図示の駆動部と、インクカートリッジ60が装着されるカートリッジ装着部40と、不図示のパージ機構と、を備えている。駆動部は、複数個のモータ19(図5参照)と、このモータ19の駆動力を搬送装置30やパージ機構などに伝達する不図示の駆動伝達機構と、を備えている。モータ19は、制御部81により動作されるモータ駆動回路85(図5参照)により駆動される。
搬送装置30は、給紙トレイ15に載置された被記録媒体14に当接した状態で上述の駆動部により回転されることで被記録媒体14を搬送路31に送り出す給送ローラ32と、この給送ローラ32により送り出された被記録媒体14を搬送する搬送ローラ対33及び排紙ローラ対34と、この搬送ローラ対33及び排紙ローラ対34の間に配置されたプラテン35と、を備えている。
搬送ローラ対33は、上述の駆動部により回転される駆動ローラ33Aと、この駆動ローラ33Aに従動する従動ローラ33Bと、を備えている。排紙ローラ対34は、上述の駆動部により回転される駆動ローラ34Aと、この駆動ローラ34Aに従動する従動ローラ34Bと、を備えている。被記録媒体14は、搬送ローラ対33と排紙ローラ対34との少なくとも一方によりプラテン35上を搬送される。
[記録ヘッド20]
記録ヘッド20は、後述されるインクカートリッジ60から供給されたインクを貯留する複数個のサブタンク21と、各サブタンク21に貯留されたインクがそれぞれ供給される複数個のノズル22と、各ノズル22をそれぞれ変形させる複数個の圧電素子23(図5参照)と、を備え、プラテン35の上方に配置されている。
ノズル22は、下方のプラテン35に臨む不図示の吐出口を備え、圧電素子23により変形されることで、プラテン35上を搬送される被記録媒体14に向かってインクを吐出する。圧電素子23への給電は制御部81により制御される。なお、圧電素子23によるインクの吐出は一例であって、ノズル22内のインクの一部を制御部81により通電が制御されたヒータで加熱することでインクを突沸させてインクを吐出させる構成が採用されてもよい。
記録ヘッド20は、不図示のキャリッジに保持されている。このキャリッジは、ガイドレールなどによって被記録媒体14の搬送方向と記録装置10の高さ方向とに直交する方向に沿って移動可能であって、上述の駆動部により当該方向に沿って移動される。記録ヘッド20の移動と被記録媒体14の搬送とにより、記録ヘッド20は、被記録媒体14のほぼ全面に画像を記録することができる。キャリッジ及び記録ヘッド20の移動は制御部81により制御される。制御部81は、プラテン35上において被記録媒体14を断続的に移動させ、被記録媒体14の移動の停止期間中に記録ヘッド20にインクを吐出させて被記録媒体14に画像を記録させる。制御部81は、駆動部のモータ19(図5参照)の駆動を制御して排紙ローラ対34を回転させ、画像記録後の被記録媒体14を排紙トレイ17に排出する。
[カートリッジ装着部40]
カートリッジ装着部40は、図1に示されたように、開口46を有する矩形箱状のケース41に設けられている。このケース41の内部空間は、内壁面から突出する3個の仕切板(不図示)により4つの空間に仕切られており、当該4つの空間にインクカートリッジ60がそれぞれ装着される。つまり、ケース41に4つのカートリッジ装着部40が設けられている。カートリッジ装着部40は、請求項に記載のカートリッジ装着部に相当する。各カートリッジ装着部40には、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのいずれかのインクがそれぞれ収容されたインクカートリッジ60がそれぞれ装着される。
また、カートリッジ装着部40は、インクチューブ43と、インクカートリッジ60が装着されると後述の第2接点75(図3参照)と当接する一対の第1接点44と、インクカートリッジ60が装着された際に後述の第4接点77(図3参照)と当接する一対の第3接点45と、を備えている。第1接点44及び第3接点45は、請求項に記載の装置側接点に相当する。
[インクカートリッジ60]
インクカートリッジ60は、図2に示されたように、インクを収容するインク室90が内部に設けられ、幅方向7に細く、高さ方向9と奥行き方向8が幅方向7よりも大きい扁平形状のカートリッジ筐体61と、インクの色と残量とを制御回路80に検出させる少なくとも2つ(後述するように本実施形態では3つ)のセンサチップ70と、を備えている。
[カートリッジ筐体61]
カートリッジ筐体61は、上壁61C、下壁61D、後壁61A、前壁61B、右側壁61E及び左側壁61Fで構成されている。インクカートリッジ60がカートリッジ装着部40へ装着されるときに装着向きの先端側(換言すると記録装置10の奥側)となる壁が前壁61Bであり、後端(換言すると記録装置10の手前側)側となる本体31の壁が後壁61A(図1参照)である。前壁61Bと後壁61Aとは、奥行き方向8において所定距離を介して対向している。前壁61B及び後壁61Aは、奥行き方向8に延びる一対の側壁61E,61Fと、側壁61E,61F、前壁61B及び後壁61Aを接続し、かつ前壁61Bの上端から後壁61Aの上端に向けて延びる上壁61C、及び前壁61Bの下端から後壁61Aの下端に向けて延びる下壁61D、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、インクカートリッジ60の記録装置10への装着向きは奥行き方向8と平行であり、幅方向7が水平方向に相当し、高さ方向9が重力方向に相当する。
インク室90は、上壁61C、下壁61D、後壁61A、前壁61B、右側壁61E及び左側壁61Fで囲まれる空間である。上述のインク室90は請求項に記載のインク室に相当する。
カートリッジ筐体61は、例えば、フレームとフレームに貼り付けられたフィルムとで形成される。カートリッジ筐体61がカートリッジ装着部40に装着されると、上述のインクチューブ43が後壁61Bに設けられた開口65と接続し、インクチューブ43を介してインクがサブタンク21に流入する。開口65は、カートリッジ筐体61の前壁61Bのうちの装着向き側の面において、下壁61Dに近接する側に設けられている。
カートリッジ筐体61の前壁61Bには、少なくとも2つ(後述するように本実施形態では3つ)のセンサ基板74(図3参照)の各々を保持する一対の鉤爪63と一対の係止爪64とが複数組(後述するように本実施形態では3組)設けられている。一対の鉤爪63は、インクカートリッジ60の幅方向7において間隔をあけて配置されている。一対の係止爪64は、幅方向7において互いに離間すると共に、高さ方向9において鉤爪63から離間する位置にそれぞれ配置されている。鉤爪63の爪部63Aは、当該鉤爪63と対向する位置に配置される係止爪64に向かって突出して形成されている。また、係止爪64の爪部64Aは、当該係止爪64と対向する位置に配置される鉤爪63に向かって突出して形成されている。係止爪64は、可撓性の合成樹脂材料で形成されている。センサ基板74をカートリッジ筐体61に固定する場合に、係止爪64が撓むことにより、係止爪64と鉤爪63とで囲まれた空間にセンサ基板74が嵌め込められる。なお、各センサ基板74は、溶着によりカートリッジ筐体61に固定されてもよいし、接着剤などを用いてカートリッジ筐体61に固定されてもよい。
本実施形態において、一対の鉤爪63と一対の鉤爪64の各組は、後壁61Bにおいて、高さ方向9に異なる高さに配置されている。例えば、本実施形態においては、3組の一対の鉤爪63と一対の鉤爪64のうちの第1組は、後壁61Bにおける上壁61Cの近傍に配置され、第1組と異なる第2組は、後壁61Bに設けられた開口65の上側近傍、つまり後壁61Bにおける下壁61Dの近傍に配置され、第1組及び第2組と異なる第3組は、第1組と第2組の間に配置されている。
[センサチップ70]
図2に示されたように、3つのセンサチップ70の各々は、センサ基板74と熱伝導部材78とを備える。各センサ基板74には、焦電部71、抵抗76、第2接点75、第4接点77、回路パターンP1、P2が設けられている。各熱伝導部材78は、センサ基板74とインク室90に収容されたインクとの間に熱伝導経路を形成している。つまり、インクカートリッジ60は、3つのセンサ基板74と、各センサ基板74に対応して設けられた少なくとも2つ(センサ基板74と同数)の熱伝導部材78、焦電部71、抵抗76、第2接点75及び第4接点77とを備えている。本実施形態においては、インクカートリッジ60は3個のセンサを備えているが、インクカートリッジ60に備えられるセンサは3個に限らず、2個でもよいし、4個以上でもよい。
[センサ基板74]
図2及び図3に示されたように、各センサ基板74は、矩形板状に形成され、カートリッジ筐体61の後壁61Bに、焦電部71と対向する面を当接させ、且つ、当該一面の長手方向92が奥行き方向8(図2参照)に一致するように、一対の鉤爪63及び一対の係止爪64の間に嵌め込まれ、一対の鉤爪63及び一対の係止爪64により保持される。一組の鉤爪63,64は、一枚のセンサ基板74を保持する。これにより、各センサ基板74は、後壁61Bにおいて、上下方向7に異なる高さに配置される。本実施形態では、最も上側のセンサ基板74が、後壁61Bにおける上壁61Cの近傍に配置され、最も下側のセンサ基板74が、後壁61Bにおける下壁61Dの近傍に配置され、3つのセンサ基板74のうち2番目に上側のセンサ基板74が、後壁61Bにおける上壁61Cと下壁Dの略中間に配置されている。
以下、センサ基板74の厚み方向91において互いに対向する両面のうち、カートリッジ筐体61に当接する方の面を裏面、裏面の反対側の面を表面として説明がされる。
[抵抗76]
抵抗76は、センサ基板74の表面におけるほぼ中央部に実装される。抵抗76は、センサ基板74への熱伝導を良くするために、例えば、面実装タイプの抵抗が用いられる。抵抗76の両端は、センサ基板74の回路パターンであるパターンP2により一対の第4接点77と接続されている。抵抗76は、請求項に記載の加熱部材に相当する。本実施形態では抵抗76が加熱部材として用いられたが、抵抗76の他、通電されることにより熱を生じるものや、赤外線発光ダイオードなどを加熱部材として用いることができる。
[焦電部71]
図3に示されたように、各焦電部71は、焦電体72と、この焦電体72の表面に形成される薄膜電極73とからなり、三層構造としている。各焦電部71は、所定の静電容量を有している。焦電部71は請求項に記載の焦電部に相当する。センサ基板74及び熱伝導部材78は、請求項に記載の熱伝導部材に相当し、カートリッジ筐体61に収容されたインクと焦電部71との間に熱伝導経路を形成する。
各焦電部71の一対の電極73は、センサ基板74の回路パターンである第1パターンP1により一対の第2接点75と接続されている。第2接点75は、請求項に記載の第1接点に相当する。
焦電体72は、チタン酸ジルコン酸鉛などで長方形の膜状に形成されおり、焦電効果を有している。なお、焦電体72には、チタン酸ジルコン酸鉛の他、種々の焦電体を用いることができる。
図3に示されたように、一対の電極73は、それぞれ長方形の膜状に形成され、焦電体72の表裏両面にそれぞれ蒸着されている。焦電部71は、センサ基板74の表面の長手方向92の一端部である係止爪64により保持された側に配置される。焦電体72の表面の電極73は、センサ基板74に設けられた第1パターンP1に当接するように実装されている。なお、第1パターンP1を電極73に兼用した構成を採用することもできる。一対の電極73のうちのいずれか一方の電極73は、図4の回路図に示されたように、仮想接地されている。
焦電部71の静電容量は、焦電体72の誘電率、一対の電極73間の距離(焦電体72の厚み寸法)、または厚み方向から見た場合における電極73の面積などにより決まる。すなわち、焦電体72の厚みや、電極73の上記面積を変えることにより、焦電部71の静電容量を変えることができる。焦電部71の静電容量は、インクカートリッジ60に貯留される色や色材等の種別等に応じて、それぞれ異なる値に設定され、固有値を有する。
これに対して、本実施形態においては、同一のインクカートリッジ60に設けられた3つの焦電部71の静電容量は、それぞれ同一の値に設定される。同一のインクカートリッジ60は、色についての種別などが同一だからである。
制御部81は、焦電部71の静電容量を検出部50(図4参照)により検出することにより、インクカートリッジ60の種別を判定する。焦電部71の静電容量は、請求項に記載の個体情報に相当する。
[第2接点75]
図3に示されたように、第2接点75は、センサ基板74における焦電部71が実装された一端部とは反対側の端部の表面に、短手方向93に並び且つ鉤爪63(図3参照)を避ける位置にそれぞれ設けられている。すなわち、第2接点75は、カートリッジ筐体61の後壁61B側に露出している。各第2接点75は、センサ基板74の第1パターンP1により焦電部71の一対の電極73の一方にそれぞれ接続されている。第1パターンP1は、センサ基板74の表面の長手方向93の一辺に一部が沿うように設けられている。第2接点75は、インクカートリッジ60をカートリッジ装着部40に装着した際に、カートリッジ装着部40に設けられた上述の第1接点44に当接する。
[第4接点77]
図3に示されたように、第4接点77は、短手方向93に並ぶ一対の第2接点75の間において、上記短手方向93に並び且つ鉤爪63を避ける位置に配置されている。すなわち、第4接点77は、カートリッジ筐体61の後壁61B側に設けられている。各第4接点77は、センサ基板74の第2パターンP2により抵抗76の両端の一方にそれぞれ接続されている。第2パターンP2は、第1パターンP1に一部が沿うように設けられている。第4接点77は、インクカートリッジ60をカートリッジ装着部40に装着した際に、カートリッジ装着部40に設けられた上述の第2接点45に当接する。
[熱伝導部材78]
図1及び図2に示されたように、熱伝導部材78は、複数のセンサ基板74の各々に対応して設けられている。つまり、一枚のセンサ基板74に一つの熱伝導部材78が取り付けられている。各熱伝導部材78は、熱伝導率の高い材質、例えばアルミニウムや銅などで構成されている。各熱伝導部材78は、カートリッジ筐体61の外壁を貫通する棒状乃至板状(膜状)に形成されている。熱伝導部材78の一端部は、対応するセンサ基板74の抵抗76と焦電体72の間に当接又は近接し、カートリッジ筐体61内のインク室に収容される。また、各熱伝導部材78は、インクカートリッジ60の上記装着姿勢において、水平方向に延びるように配置されている。また、各熱伝導部材78は、インク室90内において屈曲して、下方に延びるように配置されている。つまり、各熱伝導部材78は、インク室90に収容されたインクの液面と交差する方向に沿って配置されている。なお、各熱伝導部材78の形状は、インク室90に収容されたインクの液面と交差する方向に沿って配置されるのであれば、図2に示された形状に限らない。例えば、各熱伝導部材78は、インク室90内において、斜め下に延びて配置されてもよい。
上述したように、本実施形態において、各センサ基板74は、後壁61Bにおいて、高さ方向9に異なる高さに配置される。よって、各センサ基板74に設けられている各熱伝導部材78は、高さ方向9に異なる高さに配置される。これにより、本実施形態において、各熱伝導部材78は、インク室90内における高さ方向9の最下端の高さがお互いに異なるものとなる。なお、本実施形態においては、各熱伝導部材78のインク室90内における高さ方向9の最下端の高さは、お互いに異なるが、同一であってもよい。例えば、高い位置に配置されている熱伝導部材78の下方へ延びる長さが、低い位置に配置されている熱伝導部材78の下方へ延びる長さよりも長く構成されることにより、双方の熱伝導部材78のインク室90内における高さ方向9の最下端の高さを同一とすることができる。
各熱伝導部材78は、対応するセンサ基板74に実装された抵抗76から当該センサ基板74に伝達された熱を、カートリッジ筐体61に収容されたインクに伝達する。これにより、抵抗76からの熱をセンサ基板74を介してインクに逃がすことになり、焦電部71に伝達される熱を抑制する。したがって、熱伝導部材78がインクに触れている場合は、抵抗76に通電を行ってもセンサ基板74を介して焦電部71に伝わる熱量よりも熱伝導部材78に伝わる熱量が多くなるため、焦電体72の温度はあまり変化しない。一方、熱伝導部材78がインクに触れていない場合は、抵抗76に通電を行うと、センサ基板74を介して焦電部71に熱が多く伝わるため、焦電体72の温度が大きく変化し、焦電体72の焦電効果により焦電部71の一対の電極73間に電位差が生じる。この電位差が出力電圧として出力される。なお、熱伝導部材78としては、アルミ箔などの熱伝導率の高い部材が用いられる。
制御部81は、後述されるように、検出部50(図4参照)で上記出力を検出し、インク残量が所定量未満であるか否かを判定する。すなわち、インクカートリッジ60は、記録装置10にインク残量を判定させることができる。上述の装着姿勢における熱伝導部材78の高さ位置は、例えば、装着姿勢におけるカートリッジ筐体61の下部(下壁61Dの近傍)、上部(上壁61Cの近傍)及び両者の中間に設定される。この場合、記録装置10は、各センサチップ70が設けられている位置にインクがなくなったことを正確に検知することができる。そして、本実施形態の場合、記録装置10は、インク残量が満量に近いこと、インク残量が約半分になったこと、及びインク残量がゼロに近くになったこと状態を検知することができる。
[検出部50]
図4に示されたように、検出部50は、焦電部71の静電容量を検出するための第1検出回路51と、焦電効果により焦電部71に生じる出力を検出するための第2検出回路52と、第1検出回路51と第2検出回路52との一方を切り換えて焦電部71に接続させるスイッチ53と、センサチップ70毎に設けられた焦電部71(本実施形態では3つ)の各々とスイッチ53との接続の有無を切り換えるスイッチ54〜56と、を備えている。なお、スイッチ53には、電磁式のスイッチや半導体スイッチなど制御部81からの信号により動作可能なものが用いられる。検出部50は、記録装置10に設けられている。インクカートリッジ60が記録装置10に装着されると、図4に示されたように、各焦電部71とスイッチ54〜56とが第2接点75及び第1接点44を介して接続される。
[第1検出回路51]
第1検出回路51は、焦電部71に並列接続される抵抗R1と、仮想接地されていない方の電極73に接続された出力端V1OUTと、を備え、焦電部71と共にRC共振回路を形成している。第1検出回路51は、後述の第1駆動回路82(図6参照)により駆動されることで共振し、出力端V1OUTから共振電圧を出力する。
[第2検出回路52]
第2検出回路52は、直流電源E、抵抗R2,3及び電界効果トランジスタFETからなる増幅回路と、出力端V2OUTと、を備え、焦電部71の一対の電極73間の電圧、つまり上述の出力電圧を増幅して出力する。
抵抗76から伝達された熱により焦電部71に生じる出力電圧は、上述のRC共振回路の共振電圧よりもはるかに小さく、本実施形態では、上述の出力電圧を増幅回路により増幅して検出している。
[制御回路80]
制御回路80は、図5に示されたように、制御部81と、上述の駆動部のモータ19を駆動させるモータ駆動回路85と、圧電素子23を駆動させる圧電素子駆動回路86と、第1検知回路51に共振を発生させる第1駆動回路82と、各抵抗76への通電を行う複数の第2駆動回路83と、を備えている。各駆動回路は制御部81により制御される。制御回路80は、記録装置10に設けられている。
[制御部81]
制御部81は、記録装置10の全体動作を制御するものである。制御部81は、図示しないCPU及びASICと、記憶部84とを主とするマイクロコンピュータとして構成されている。記憶部84は、インクカートリッジ60の種別を判断するための第1判定テーブルの各所定値と、インク残量を判断するための第2判定テーブルの各所定値と、を記憶している。
[制御部81による記録装置10の動作制御]
制御部81による記録装置10の動作制御が図5のブロック図を参照して説明される。なお、以下の説明では、3つの焦電部71のうち、最も上側に配置されたセンサ基板74に設けられた焦電部71を焦電部71Aと記し、2番目に高い位置に配置されたセンサ基板74に設けられた焦電部71を焦電部71Bと記し、最も下側に配置されたセンサ基板74に設けられた焦電部71を焦電部71Cと記す。
インクカートリッジ60の交換時、つまり古いインクカートリッジ60が取り出されて、代わりに新しいインクカートリッジ60がカートリッジ装着部40に装着された状態において、制御部81は、スイッチ54〜56のうちのいずれか1つをオンとし、他の2つをオフとして、1つの焦電部71とスイッチ53とを接続する。上述したように、3つの焦電部71(71A〜71C)の静電容量は同一の値に設定されているため、スイッチ53と接続される焦電部71は、3つのうちのいずれであってもよい。また、制御部81は、スイッチ53(図4参照)を動作させて焦電部71と第1検出回路51とを接続する。
その後、制御部81は、第1駆動回路82を制御して上述のRC共振回路に共振を生じさせ、出力端V1OUTから共振電圧を検出する。制御部81は、検出した共振電圧の時間変化や共振周波数から焦電部71の静電容量を算出する。制御部81は、算出した静電容量と第1判定テーブルの各所定値とを比較することでインクカートリッジ60の種別が一致しているかを判定し、不一致の場合は、カートリッジ装着部40に装着されたインクカートリッジ60の誤装着と制御部81が判断し、エラー表示などを行う。制御部81は、誤装着と判断しなかった場合、つまり一致の場合は、上述のキャリッジの位置設定やパージ処理など、被記録媒体14に画像記録を行うための初期動作を実行させる。なお、共振電圧が検出できなかった場合は、カートリッジ装着部40にインクカートリッジ60が装着されていないものと判断し、エラー表示などを行う。
次に、新しいインクカートリッジ60がカートリッジ装着部40に装着された状態で、不図示の入力ボタンやパソコンなどの外部機器により被記録媒体14への画像記録が指示された場合、制御部81は、3つのセンサチップ70に対して、上側に配置されたセンサチップ70から順番に通電を実行する。
以下に詳述する。まず、制御部81は、スイッチ53をオンとすると共に、スイッチ54〜56のうちスイッチ54のみをオンとして、焦電部71Aと第2検出回路52とを接続する。そして、制御部81は、第2駆動回路83を制御して、焦電部71Aと同一のセンサ基板74に実装された抵抗76に通電を行う。その後、制御部81は、第2検出回路52の出力端V2OUTにおける電圧又は電圧の変化率を検出し、検出した電圧又は電圧の変化率と第2判定テーブルの各所定値(以下、所定の閾値と記す。)とを比較する。検出電圧が所定の閾値より低い場合、制御部81は、インクの水位が3つの熱伝導部材78のうち最も上側に配置された熱伝導部材78(焦電部71Aと同一のセンサチップ70に設けられた熱伝導部材78)よりも上方であると判断する。一方、検出電圧が所定の閾値より高い場合、制御部81は、インクの水位が最も上側に配置された熱伝導部材78よりも下方であると判断する。
インクの水位が最も上側に配置された熱伝導部材78よりも下方であると判断した場合、制御部81は、スイッチ53をオンとすると共に、スイッチ54〜56のうちスイッチ55のみをオンとして、焦電部71Bと第2検出回路52とを接続する。そして、制御部81は、焦電部71Aの場合と同様にして、インクの水位が3つの熱伝導部材78のうち2番目に高い位置に配置された熱伝導部材78(焦電部71Bと同一のセンサチップ70に設けられた熱伝導部材78)よりも上か下かを判断する。
インクの水位が2番目に高い位置に配置された熱伝導部材78よりも下方であると判断した場合、制御部81は、スイッチ53をオンとすると共に、スイッチ54〜56のうちスイッチ56のみをオンとして、焦電部71Cと第2検出回路52とを接続する。そして、制御部81は、焦電部71A、71Bの場合と同様にして、インクの水位が3つの熱伝導部材78のうち最も下側に配置された熱伝導部材78(焦電部71Cと同一のセンサチップ70に設けられた熱伝導部材78)よりも上か下かを判断する。
以上より、制御部81は、インクの水位が3つの熱伝導部材78の各々よりも上であるか否かを判断することができる。
例えば、制御部81は、焦電部71A〜71Cのいずれに通電した場合も、インクの水位が熱伝導部材78よりも下方であると判断した場合、つまりインクの水位が最も下側に配置された熱伝導部材78よりも下方であると判断した場合、インクの交換時期が近いことをユーザに知らせる表示などを行う。そして、インク残量が所定量未満であると判断した時点から周知技術のドットカウントを開始し、インク残量がゼロになったと判断したときに、表示などによりインクカートリッジ60の交換時期をユーザに知らせてもよい。
また、別の例として、図1に示された状態においては、制御部81は、以下のような制御を実行する。つまり、図1に示された状態においては、インクの水位が、3つの熱伝導部材78のうち最も高い位置に配置された熱伝導部材78よりも下方であるが、他の2つの熱伝導部材78よりも上方である。よって、制御部81は、焦電部71Aに通電した場合に、インクの水位が熱伝導部材78よりも下方であると判断するが、焦電部71Bに通電した場合に、インクの水位が熱伝導部材78よりも上方であると判断する。そして、制御部81は、上記結果に基づいて、インクの残量が満量ではないが半分よりも多いことをユーザに知らせる表示などを行う。
なお、上記においては、制御部81は、3つのセンサチップ70に対して、上側に配置されたセンサチップ70から順番に通電する制御を行う場合について説明したが、3つの熱伝導部材78に対してインクの水位の上下を判断できるのであれば、上記したような制御に限らない。例えば、制御部81は、3つのセンサチップ70に対して、同時に通電してもよい。この場合、検出部50は、図8に示されたような回路を、3つ備えている。つまり、検出部50は、各焦電部71A、71B、71Cについて設けられている。そして、制御部81は、3つの検出部50に同時に通電することによって、インクの水位が3つの熱伝導部材78の各々よりも上か下かについて同時に判断する。
[本実施形態の効果]
本実施形態のインクカートリッジ60では、熱伝導部材78とインクが接触している場合に、外部から熱が伝導されると、当該熱の多くは当該熱伝導部材78を介してインクに伝導される。つまり、焦電部71に伝導される熱量は少ない。これにより、当該焦電部71の温度上昇は小さく抑えられる。
一方、インク室90のインクの残量が所定量未満となることによって、当該熱伝導部材78とインクとが接触しなくなると、当該熱伝導部材78に熱が伝導されても、当該熱がインクに伝導されることはない。これにより、当該熱は、当該焦電部71に伝導され、当該焦電部71の温度は、熱伝導部材とインクが接触している場合に比べて、大きく上昇する。
ここで、焦電部71は、伝熱による温度の変化が大きいと、所謂焦電効果によって、電流及び電圧の変化が大きい。つまり、焦電部71からの信号の出力の変化が大きい。一方、焦電部71の温度の変化が小さいと、電流及び電圧の変化が小さい。つまり、焦電部71からの信号の出力の変化が小さい。
つまり、上述の実施形態の場合、当該熱伝導部材78とインクとが接触している状態では、焦電部71からの信号の出力の変化が小さく、当該熱伝導部材78とインクとが接触していない状態では、焦電部71からの信号の出力の変化が大きい。
以上より、熱伝導部材78のインクとの接触の有無に基づく焦電部71からの信号の出力の変化によって、インク室90におけるインクの液面高さ、つまりインク室90のインクの残量が正確に検出可能である。
また、上述の実施形態においては、熱伝導部材78が3つ設けられており、各熱伝導部材78のインク室90内における高さ方向9の最下端の高さがお互いに異なる。換言すると、各熱伝導部材78がインクと接触するか否かの境界の高さが、お互いに異なる。これにより、各熱伝導部材78について検出可能な異なるインク残量が決まることとなる。よって、上述の実施形態においては、インク室90のインクの残量を複数(例えば、インク残量が満量の半分及びゼロ)検出することができる。
以上より、本実施形態によれば、各熱伝導部材78とインクとが接触しているか否かによって各焦電部71からの出力信号にはっきりとした違いが現れることを利用して、インクカートリッジ60に貯留されたインクの複数の残量を正確に検出することが可能である。
また、本実施形態のインクカートリッジ60は、抵抗76を備えているため、当該抵抗76の通電によって容易に熱を熱伝導部材78に伝導させることができる。
また、本実施形態の記録装置10は、各抵抗76に通電を行うことによって抵抗76を加熱させ、それに対して各焦電部71から入力される信号に基づいて、インク残量が所定量未満であることを判定する。ここで、上述したように、インク室90のインクの残量が所定量未満であるか否かは、各焦電部71からの信号の出力の変化によって正確に検出可能である。よって、記録装置10は、インク室90のインクが所定量未満であるか否かを正確に判定することができる。
また、本実施形態の記録装置10は、検出部50及び制御部81を備えることにより、インクがインク室90に所定量以上残っているか否かだけではなく、インクカートリッジ60の種別も判定することができる。つまり、インクカートリッジの誤装着を検知して、ユーザにインクカートリッジ60の交換を促すことができる。
[変形例1]
上述では、各センサ基板74に抵抗76が実装された構成が説明されたが、本変形例では、抵抗76が記録装置10のカートリッジ装着部40に設けられた構成が説明される。
図6に示されたように、各センサ基板74は、抵抗76が実装される代わりに、カートリッジ装着部40に設けられた不図示の抵抗が当接する受熱領域79を中央部に備える。なお、上述の抵抗が受熱領域79に直接当接する構成の代わりに、当該抵抗から熱が伝達された部材が受熱領域79に当接する構成が採用されてもよい。
本変形例では、各センサ基板74に抵抗76及び第4接点77(図3参照)を設けないから、センサチップ70の構成が上述の実施形態よりも簡単になり、その結果、インクカートリッジ60の構成をより簡単にすることができる。
[変形例2]
上述では、熱伝導部材78がインクと接触しているときは抵抗76(図3参照)からの熱をインクに伝え、熱伝導部材78がインクと接触していないときは抵抗76からの熱を焦電部71に伝える構成が説明されたが、本変形例では、図7に示されたように、センサチップ70が、抵抗76の代わりに、各センサ基板74に赤外線を照射する赤外線発光ダイオード94を、センサ基板74毎に備えた構成が説明される。赤外線発光ダイオード94は、請求項に記載の加熱部材に相当する。制御回路80は、複数の第2駆動回路83(図5参照)の代わりに、不図示のダイオード駆動回路を複数備えている。各ダイオード駆動回路は、例えば、定電圧回路又は定電流回路である。
制御部81は、インク残量の判定を行う場合は、各ダイオード駆動回路を制御して各赤外線発光ダイオード94を駆動し、各センサ基板74を加熱する。熱伝導部材78がインクに接触している場合は、当該熱伝導部材78に対応する焦電部71はあまり温度が変化せず、当該焦電部71にはほとんど出力電圧が生じない。熱伝導部材78がインクに接触していない場合は、当該熱伝導部材78に対応する焦電部71に熱が伝わり、当該焦電部71の一対の電極73間に電位差が生じる。したがって、インク残量の違いにより各焦電部71の出力電圧に差が生じる。制御部81は、各第1検出回路52により各焦電部71の出力電圧を検出し、インク残量の判定を行う。なお、インクカートリッジ60の種別の判定は、上述と同様にして行われる。
[変形例3]
本変形例では、焦電部71と赤外線発光ダイオード94とでフォトインタラプタを構成し、当該フォトインタラプタが高さ方向9に異なる位置に複数設けられた例が説明される。焦電部71と赤外線発光ダイオード94とは、インク残量が所定量(所定量は各フォトインタラプタにより異なる量である。)以上である場合にインクが流入する部分を挟むように配置される。インク残量が所定量以上である場合は、赤外線発光ダイオード94が照射した赤外線の多くはインクに吸収又はインクにより減衰され、焦電部71にはほとんど赤外線が入射せず、焦電部71には出力が生じない。インク残量が所定量未満である場合は、赤外線発光ダイオード94が照射した赤外線はインクに吸収又はインクにより反射されず、焦電部71に赤外線が入射し、焦電部71に出力が生じる。なお、カートリッジ筐体61の上記壁は、例えば、光透過性を有する樹脂やフィルムにより形成される。
制御部81は、ダイオード駆動回路を制御して赤外線発光ダイオード94を駆動した後、第2検出回路52で焦電部71の出力電圧又は出力電圧の変化率を検出し、インク残量が所定量未満であるか否かを判定する。
[変形例4]
上述の構成では、熱伝導部材78は、センサ基板74とインク室90に収容されたインクとの間に熱伝導経路を形成しており、抵抗76及び焦電部71は、センサ基板74の表面において異なる位置に実装されていた。つまり、通電によって抵抗76に生じた熱は、センサ基板74及び熱伝導部材78を介してインク室90に収容されたインクに伝導され、センサ基板74を介して焦電部71に伝導されていた。しかし、抵抗76に生じた熱が、インク室90に収容されたインクと焦電部71との双方に伝導可能であるならば、上述の構成に限らない。
例えば、抵抗76と熱伝導部材78が直接接合されていてもよい。この場合、通電によって抵抗76に生じた熱は、熱伝導部材78を介してインク室90に収容されたインクに伝導され、熱伝導部材78及びセンサ基板74を介して焦電部71に伝導される。
また別の例として、抵抗76と焦電部71が直接接合されていてもよい。この場合、通電によって抵抗76に生じた熱は、焦電部71、センサ基板74及び熱伝導部材78を介してインク室90に収容されたインクに伝導される。センサ基板74、熱伝導部材78及びインクに伝導されなかった熱は、焦電部71にそのまま残る。
[変形例5]
変形例2において、赤外線発光ダイオード94は、センサ基板74における焦電部71と異なる位置に実装されており、赤外線発光ダイオード94は、センサ基板74に赤外線を照射していた。しかし、赤外線発光ダイオード94は、赤外線を焦電部71及び熱伝導部材78に直接照射可能な位置に配置されてもよい。
例えば、赤外線発光ダイオード94が熱伝導部材78に赤外線を直接照射可能な位置に配置された場合、赤外線照射によって熱伝導部材78に熱が生じ、当該熱はインク室90に収容されたインクに伝導され、センサ基板74を介して焦電部71に伝導される。
また、別の例として、赤外線発光ダイオード94が焦電部71に赤外線を直接照射可能な位置に配置された場合、赤外線照射によって焦電部71に熱が生じ、当該熱はセンサ基板74及び熱伝導部材78を介してインク室90に収容されたインクに伝導される。センサ基板74、熱伝導部材78及びインクに伝導されなかった熱は、焦電部71にそのまま残る。
10・・・記録装置
51・・・第1検出回路
52・・・第2検出回路
53・・・スイッチ
60・・・インクカートリッジ
61・・・カートリッジ筐体
71・・・焦電部
72・・・焦電体
73・・・電極
74・・・センサ基板
75・・・第2接点
76・・・抵抗(加熱部材)
77・・・第4接点
78・・・熱伝導部材
80・・・制御回路
81・・・制御部
82・・・第1駆動回路
83・・・第2駆動回路
84・・・記憶部
94・・・赤外線発光ダイオード

Claims (4)

  1. 装置側接点が設けられたカートリッジ装着部を有する記録装置に装着可能なインクカートリッジであって、
    インクを収容するインク室の液面と交差する方向に沿って配置されており、上記インク室に収容されたインクと熱的に接触して配置される少なくとも2つの熱伝導部材と、
    各熱伝導部材に対応して設けられており、外部からの入力に基づいて信号を出力する焦電部と、
    上記焦電部に対応して設けられており、上記装置側接点に電気的に接続し、対応する焦電部からの信号を上記記録装置に伝達する第1接点と、を備えるインクカートリッジ。
  2. 各熱伝導部材に対応して設けられており、対応する焦電部を加熱する加熱部材を備え、
    上記記録装置に装着された状態で、上記加熱部材を起動したとき、上記焦電部から出力される信号を、上記第1接点から上記装置側接点に伝達可能とした請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 装置側接点が設けられたカートリッジ装着部を有しており、このカートリッジ装着部にインクカートリッジが装着される記録装置であって、
    上記インクカートリッジは、
    インクを収容するインク室の液面と交差する方向に沿って配置されており、上記インク室に収容されたインクと熱的に接触して配置される少なくとも2つの熱伝導部材と、
    各熱伝導部材に対応して設けられており、外部からの入力に基づいて信号を出力する焦電部と、
    上記焦電部に対応して設けられており、上記装置側接点と電気的に接続する第1接点と、
    上記焦電部に対応して設けられる加熱部材と、を備え、
    上記インクカートリッジを装着した状態で、各加熱部材を起動し、上記装置側接点を介して各焦電部から入力される信号に基づいて、インク残量が所定量未満であることを判定する記録装置。
  4. 上記インクカートリッジを装着したとき、上記装置側接点を介して上記焦電部から入力される信号に基づいて、各焦電部の個体情報を取得する請求項3に記載の記録装置。
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