JP2012074523A - トランジスタ、発光装置、及び、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランジスタ外部からの光による悪影響を軽減又は防止したトランジスタ、発光装置、及び、電子機器を提供する。
【解決手段】トランジスタTrは、ゲート電極12と、透光性を有する絶縁層を介してゲート電極12と対向配置される、ゲート電極12側の面に光の反射面を有する導電体層22と、ゲート電極12と導電体層22との間に位置し、チャネルが形成される半導体層14と、を備える。光を吸収する光吸収層21は、導電体層22と半導体層14との間、並びにゲート電極12と半導体層14との間の少なくともいずれか一方に位置する。
【選択図】図2
【解決手段】トランジスタTrは、ゲート電極12と、透光性を有する絶縁層を介してゲート電極12と対向配置される、ゲート電極12側の面に光の反射面を有する導電体層22と、ゲート電極12と導電体層22との間に位置し、チャネルが形成される半導体層14と、を備える。光を吸収する光吸収層21は、導電体層22と半導体層14との間、並びにゲート電極12と半導体層14との間の少なくともいずれか一方に位置する。
【選択図】図2
Description
本発明は、トランジスタ、発光装置、及び、電子機器に関する。
例えば、特許文献1には、基板上に、第1のゲート電極が形成され、該第1のゲート電極を覆うように第1のゲート絶縁層が形成され、該第1のゲート絶縁層の上に酸化物半導体からなる半導体層が形成され、該半導体層の上に第2のゲート絶縁層が形成され、該第2のゲート絶縁層の上に第2のゲート電極が形成され、前記半導体層と接続してドレイン電極及びソース電極が形成され、前記第2のゲート電極の厚さは前記第1のゲート電極の厚さ以上の厚さを有することを特徴とする薄膜トランジスタが開示されている。
特許文献1に記載された構造を有する従来のトランジスタは、第1のゲート電極に加えて、半導体層を間に置いて第1のゲート電極と対向する第2のゲート電極(導電体層)を有する。このようなトランジスタは、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)発光装置に使用される。有機EL発光装置は、発光素子である有機EL素子と、この有機EL素子を駆動する駆動回路とを備え、前記のトランジスタは、この駆動回路を構成する素子として使用される。
このような使用方法では、トランジスタは、有機EL素子と、駆動回路を構成する他の要素と、ともに積層体として基板上に形成される。また、トランジスタを構成する第1のゲート絶縁層、第2のゲート絶縁層等の絶縁層は、透光性を有するように形成される。このため、トランジスタ外部からの光が、絶縁層等を透過してトランジスタに到達することがある。
しかし、上記のような構成のトランジスタは、第2のゲート電極を有するために、トランジスタ外部からの光(トランジスタに到達する光)による悪影響(例えば、半導体層の光劣化、又は、トランジスタの誤動作)を受けやすかった。これは、例えば、第2のゲート電極で、前記の光が反射し、反射した光が半導体層に入射することがあるためと考えられる。
本発明はかかる上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トランジスタ外部からの光による悪影響を軽減又は防止したトランジスタ、発光装置、及び、電子機器を提供することにある。
本発明の第1の観点に係るトランジスタは、ゲート電極と、透光性を有する絶縁層を介して前記ゲート電極と対向配置される、前記ゲート電極側の面に光の反射面を有する導電体層と、前記ゲート電極と前記導電体層との間に位置し、チャネルが形成される半導体層と、前記半導体層に接続され、前記半導体層を挟んでチャネル長方向に対向する一対のソース電極及びドレイン電極と、前記導電体層と前記半導体層との間、並びに前記ゲート電極と前記半導体層との間の少なくともいずれか一方に位置し、光を吸収する光吸収層と、
を備える。
を備える。
例えば、前記ゲート電極は、前記導電体層側の面に光の反射面を有する。
例えば、前記光吸収層は、前記導電体層の直下に位置している。
例えば、前記導電体層は、前記ソース電極又は前記ドレイン電極と電気的に接続されている。
例えば、前記光吸収層は、前記導電体層の直下に位置している。
例えば、前記導電体層は、前記ソース電極又は前記ドレイン電極と電気的に接続されている。
また、本発明の第2の観点に係る発光装置は、前記トランジスタを備える。
また、本発明の第3の観点に係る電子機器は、前記発光装置を備える。
本発明によれば、トランジスタ外部からの光によるトランジスタへの悪影響を軽減又は防止できる。
以下、本発明の一実施形態に係る発光装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明は下記で説明する実施形態及び図面に記載された内容によって限定されるものではない。
まず、本実施形態に係るトランジスタTrの構造を、図1乃至4を参照して説明する。本実施形態に係るトランジスタTrは、ダブルゲート型のTFT(Thin Film Transistor)である。なお、図1では、トランジスタTrの構造を理解し易いように、一部の構成要素のみが描かれている。また、図1における各構成要素に付されたハッチング等の模様は、各構成要素を明瞭にするためのものであって、断面を表すものではない。なお、本実施形態において、上下方向は、積層体の各層の厚さ方向(例えば、半導体層14の厚さ方向)であり、下とは基板11側をいい、上とはその反対側をいう(図1参照)。図1では、基板11と、積層体におけるトランジスタTrに係る部分と、が描かれ、その他の部分については省略されている。
トランジスタTrは、ゲート電極12、絶縁層13、半導体層14、保護層15、ソース電極16、ドレイン電極17、絶縁層20、光吸収層21、導電体層22、絶縁層23を備える。
ゲート電極12は、基板11の上面上に位置する。ゲート電極12は、光を反射する金属膜等の導電層によって構成される。
絶縁層13は、ゲート電極12を上から覆い、ゲート電極12を絶縁保護する層間絶縁層である。絶縁層13は、透明(有色透明も含む、透明について同じ)である。つまり、絶縁層13は、光を透過させる性質である透光性を有する。
半導体層14は、絶縁層13を介して、ゲート電極12の上方に位置する。半導体層14は、絶縁層13の上面上に位置する。半導体層14は、上下方向において、ゲート電極12と重なっている。なお、半導体層14の一部は、保護層15によって覆われている。半導体層14には、ソース電極16からドレイン電極17に電流を流すチャネルが形成される。半導体層14とゲート電極12とは、絶縁層13によって絶縁されている。
保護層15は、半導体層14の上面上に位置し、半導体層14を保護する。なお、この保護層15も透明であり、透光性を有する。
ソース電極16及びドレイン電極17は、それぞれ、保護層15の一部と半導体層14の一部とを上から覆う。ソース電極16とドレイン電極17とは、一対の電極を構成し、半導体層14におけるチャネル長方向(図1における横方向)において、離間して並んでおり(半導体層14を挟んで対向しており)、それぞれが半導体層14と電気的に接続されている。
ソース電極16は、不純物層16aと導電層16bとを含む。導電層16bは、光を反射する金属膜等の導電層によって構成され、ソース電極16の本体をなす。この導電層16bによって、ソース電極16は、光を反射する。不純物層16aは、不純物が添加された半導体層であり、不純物層16aによってソース電極16と半導体層14とのオーミック接続が実現される。
ドレイン電極17は、不純物層17aと導電層17bとを含む。導電層17bは、光を反射する金属膜等の導電層によって構成され、ドレイン電極17の本体をなす。この導電層17bによって、ドレイン電極17は、光を反射する。不純物層17aは、不純物が添加された半導体層であり、不純物層16aによってソース電極17と半導体層14とのオーミック接続が実現される。
絶縁層20は、半導体層14、ソース電極16、及び、ドレイン電極17を上から覆って、絶縁層13の上面上に位置し、これらを絶縁保護する層間絶縁層である。絶縁層20は、透明であり、透光性を有する。
光吸収層21は、絶縁層20の上面上に位置する。光吸収層21は、光を吸収する。本実施形態では、光吸収層21は、導電体層22の下に位置し、導電体層22を下から覆っている。光吸収層21は、導電体層22と接している。特に、本実施形態では、光吸収層21は、その平面形状(例えば、上側から見た形状)が導電体層22の平面形状と略同じ形状(平面形状の外形が略同じ)になっている。光吸収層21は、絶縁層20を介して、半導体層14、ソース電極16、及び、ドレイン電極17の上方に位置する。絶縁層20によって、光吸収層21は、半導体層14、ソース電極16、及び、ドレイン電極17と絶縁されている。
導電体層22は、絶縁層20を介して、半導体層14、ソース電極16、ドレイン電極17の上方に位置し、特に光吸収層21の上面上に位置している。導電体層22は、絶縁層20によって、半導体層14、ソース電極16、及びドレイン電極17と、絶縁されている。また、導電体層22は、上方から見て、ゲート電極12及び半導体層14と重なっており、半導体層14を基準としてゲート電極12の反対側に位置する。ゲート電極12と導電体層22とは、半導体層14と、透光性を有する絶縁層13及び14からなる絶縁層と、を介して対向している。半導体層14は、上下方向において、ゲート電極12と導電体層22との間に位置する。本実施形態では、導電体層22は、ゲート電極12をトランジスタTのボトムゲート電極とすると、トップゲート電極に相当する。導電体層22は、光を反射する金属膜等の導電層によって構成される。
導電体層22はコンタクト部22aを含む。コンタクト部22aがゲート電極12と電気的に接続することによって、導電体層22とゲート電極12とは電気的に接続する。コンタクト部22aは、絶縁層13、絶縁層20、及び、光吸収層21を貫通するコンタクトホールH内に入り込んでいる。
なお、図1において、符号が付された点線は、半導体層14及び不純物層16aの外形線又は半導体層14及び不純物層17aの外形線を示したものである。また、図1のように、ゲート電極12、ソース電極16、及び、ドレイン電極17は、例えば、発光装置を構成する他の要素との電気的な接続のための引き出し線Lに接続されている。
次に、トランジスタTrの製造方法について説明する。
まず、基板11を用意する。
次に、基板11上に、スパッタ法又は真空蒸着法等により例えば、Al膜、Al合金膜等からなる導電層を成膜する。更に、この導電層をパターニングしてゲート電極12を形成する。
そして、基板11及びゲート電極12を覆うように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、SiN等からなる絶縁層13を形成する。さらに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、アモルファスシリコン、微結晶シリコン等からなる半導体層14a(i−Si(intrinsic silicon))を絶縁層13上に形成し、更に半導体層14a上に、CVD法等により、SiN等からなる絶縁層を連続被覆形成する。なお、微結晶シリコンは、例えば、結晶粒径が、概ね50〜100nmの結晶性シリコンをいう。
続いて、前記で形成した絶縁層をフォトリソグラフィ等によりパターニングし、所定形状の保護層15(チャネル保護膜層BL(Block Layer))となるSiN等)を半導体層14a上に形成する。この時点で基板11上に形成されている積層体の様子を図5に示す。
更に、半導体層14a及び保護層15を覆うように、CVD法等により、n型不純物が含まれたアモルファスシリコン等からなる層を形成し、この層と半導体層14aとをフォトリソグラフィ等によりパターニングすることで、半導体層14(半導体層SMC(Sheet Molding Compound))と不純物層OHMとを形成する。この時点で基板11上に形成されている積層体の様子を図6に示す。
次いで、Al膜、Al合金膜等からなるメタル層を、スパッタ法、真空蒸着法等により、絶縁層13上に半導体層15と不純物層OHMとを覆うように成膜してから、フォトリソグラフィによって、パターニングする。このパターニングによって、保護層15上にある不純物層OHMも一緒にパターニングされる。保護層15は、このパターニング時に半導体層14を保護する。不純物層OHMのパターニングによって、不純物層16a及び不純物層17aが形成され、メタル層のパターニングによって、導電体層16b及び導電体層17bが形成される。本実施形態では、これによって、ソース電極16及びドレイン電極17が形成されたことになる。この時点で基板11上に形成されている積層体の様子を図7に示す。
次に、ソース電極16及びドレイン電極17等を覆うように、絶縁層13の上面に、CVD法等により、SiN等からなる絶縁層20を形成する。
次に絶縁層20の上面に、i−Siのアモルファスシリコン、又は、n型不純物が含まれたアモルファスシリコン等からなる層を形成し、この層をフォトリソグラフィ等によりパターニングすることで、光吸収層21を形成する。尚、上記光吸収層21材料は、本トランジスタTrの製造工程において用いられている材料の中で効率よく光を吸収する材料を挙げたものである。したがって、光吸収層21材料はこれに限らず、光吸収層21は、液晶表示装置等で使用されるBM(ブラックマスク)等のような光を吸収するものであってもよい。この光吸収層21は、次に形成する導電体層22と平面形状が略同一になるように形成される。この時点で基板11上に形成されている積層体の様子を図8に示す。
次に光吸収層21、絶縁層20、及び、絶縁層13に、これらを貫通し、ゲート電極12に達するコンタクトホールHを形成する(図1及び図3参照)。
次に絶縁層20の上面に、光吸収層21を覆うように、例えば、Al膜、Al合金膜等からなる導電層を、スパッタ法、真空蒸着法等により、成膜する。このとき、この導電層の一部がコンタクトホールHに入り込み、ゲート電極12に接触する。これによって、コンタクトホールH内にコンタクト部22aが形成される。
さらに、この導電層をフォトリソグラフィによって、パターニングし、導電体層22を形成する。上記のように、導電帯層22は、その平面形状が光吸収層21の平面形状と略同一になっている。
次に、導電体層21を覆うように、絶縁層20の上面に、CVD法等により、SiN、ポリイミド等からなる絶縁層23を形成する。
以上のような行程によって、トランジスタTrは形成される(図1乃至図4参照)。
上記のようなトランジスタTrは、発光装置の一例である有機EL発光装置100の一部に使用される。この有機EL発光装置100について、図9乃至13を参照して説明する。
本実施形態に係る有機EL発光装置100は、図9に示すように、透明な基板11と、この基板11に形成された複数の画素111と、を備える表示パネルである。複数の画素111は、マトリックス状に配列されており、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のいずれかの光を発する。本実施形態では、赤、緑、青のいずれかの光をそれぞれ発する3つの画素111を一組として、この組が行方向(左右方向)に繰り返し複数配列されるとともに、列方向(有機EL発光装置100を基板11の厚み方向から見た場合の上下方向)に同一色の画素111が複数配列される。画素111が出射した光は、基板11を透過して有機EL発光装置100の外部に出射する。各画素111が、それぞれ、所定の発光輝度で発光するか、発光自体しないことによって、所定の画像が表示される。
有機EL発光装置100の内部構成を、図10を参照して説明すると、有機EL発光装置100は、行方向及び列方向に並べて配列された(つまり、マトリックス状に配列された)複数の画素回路101と、行方向に並ぶ又は列方向に並ぶ複数の画素回路101に接続された信号線であるアノードラインLa、走査ラインLs、及びデータラインLdと、を有する。アノードラインLa及び走査ラインLsは、列方向に配列された複数の画素回路101に接続される。データラインLdは、行方向に配列された複数の画素回路101に接続される。
なお、各アノードラインLaは、図示しない接続端子を介してアノードドライバ91に接続される。また、各走査ラインLsは、図示しない接続端子を介して走査ドライバ92に接続される。各データラインLdは、図示しない接続端子を介してデータドライバ93に接続される。アノードドライバ91と、走査ドライバ92と、データドライバ93とは、システムコントローラ95によって制御される。
システムコントローラ95は、外部から供給される画像データに基づいて、アノードドライバ91と、走査ドライバ92と、データドライバ93とを制御することで、有機EL発光装置100の各画素111の発光・非発光及び各画素111を発光させる場合の輝度を制御する。前記ドライバの制御は、制御信号の供給によって行われる。詳しくは後述するが、アノードドライバ91は、システムコントローラ95の制御のもと、アノードラインLaに電圧Vaを印加する。また、走査ドライバ92は、システムコントローラ95の制御のもと、走査ラインLsに電圧Vsを印加する。また、データドライバ92は、システムコントローラ95の制御のもと、データラインLdに電圧Vdを印加する。
有機EL発光装置100と、アノードドライバ91と、走査ドライバ92と、データドライバ93と、システムコントローラ95と、を含む装置は、例えば、表示装置等の電子機器を構成する。
図11の等価回路が示すように、画素回路101は、発光素子(有機EL素子)OELと発光素子OELをアクティブ駆動させる駆動回路DS1とを備える。発光素子OELは、赤、緑、青のいずれかの光で発光するものであり、前記の画素111に対応する。画素回路101が図10のようにマトリックス状に配列されることによって、画素111が図9のようにマトリックス状に配列される。
駆動回路DS1は、選択トランジスタTr11、駆動トランジスタTr12、キャパシタCs、発光素子OELを備える。上記のトランジスタTrは、トランジスタTr11に使用されている。
図11に示すように、選択トランジスタTr11のトップゲートTG(導電体層22)及びバックゲートBG(ゲート電極12)は走査ラインLsに、ソース(ドレイン電極16)は接点N11に、ドレイン(ドレイン電極17)はデータラインLdにそれぞれ接続される。
図11に示すように、選択トランジスタTr11の、トップゲートTG(導電体層22)及びバックゲートBG(ゲート電極12)を含むゲートは走査ラインLsに、ドレイン(ドレイン電極17)はデータラインLdに、ソース(ソース電極16)は駆動トランジスタTr12のゲートにそれぞれ接続される。また、駆動トランジスタTr12の、ゲートは選択トランジスタTr11のソースに、ドレインはアノードラインLaに、ソースが発光素子OELにそれぞれ接続されている。キャパシタCsは、駆動トランジスタTr12のゲートとソースとの間に接続されている。また、発光素子OELの、アノード電極(画素電極)は、駆動トランジスタTr12のソースに接続され、カソード電極(対向電極)は基準電位Vss(例えば、GND(グラウンド))に接続されている。
システムコントローラ95は、アノードドライバ91と、走査ドライバ92と、データドライバ93と、システムコントローラ95と、を用いて、有機EL発光装置100を制御して、選択制御と非選択制御とを行う。システムコントローラ95は、システムコントローラ95の外部から供給される画像データに基づいてこれら制御を行う。なお、これらの制御の前提として、システムコントローラ95は、アノードドライバ91を制御し、アノードラインLaが基準電位Vssよりも高い電位になるように、所定の電圧Vaを全アノードラインLaに印加するものとする。
まず、選択制御を説明する。システムコントローラ95は、走査ドライバ92を制御し、選択レベルの電圧値の電圧(Highレベルの電圧)Vsを一の走査ラインLsに印加する。これによって、この走査ラインLsに接続された複数の画素回路(この走査ラインLsの行)101における各選択トランジスタTr11がON状態になり、この走査ラインLsに接続された複数の画素回路101が選択されたことになる。また、システムコントローラ95は、データドライバ93を制御し、前記の画像データに応じて階調電圧Vdを各データラインVdに印加する。これによって、トランジスタTr11のゲートに階調電圧Vdに応じた電位が印加され、階調電圧Vdに応じてトランジスタTr12のドレイン・ソース間に電流が流れる。
ここで、トランジスタTr12のドレイン・ソース間に流れる電流(つまり、発光素子OELに流れる発光駆動電流)の電流値は、ドレイン・ソース間の電位差及びゲート・ソース間の電位差によって決まり、ここでの発光駆動電流の電流値は、階調電圧Vd(つまり画像データのデータ内容)に応じた値になる。そして、この発光駆動電流は、高電位側のアノードラインLaから、発光素子OELを流れて、低電位側の基準電位Vss側に流れる。発光素子OELは、階調電圧Vdに応じた輝度階調で発光する。また、このとき、キャパシタCsには、階調電圧Vdに応じた電荷が蓄積(充電)される(階調電圧Vdの書込)。なお、発光素子OELを非発光にする場合には、ゲート・ソース間の電位差を0にするような電圧VdがデータラインLdに印加される。
システムコントローラ95はこのような選択制御(上記Vs、Vd、Vaの印加)を、各行について順次行うことによって、全画素回路101について行う。
システムコントローラ95は、前記選択制御を行っていない行については、非選択制御を行う。システムコントローラ95は、走査ドライバ92を制御し、被選択レベルの電圧値の電圧(Lowレベルの電圧)Vsを、前記選択制御を行っていない行の走査ラインLsに印加する。これによって、この走査ラインLsに接続された複数の画素回路(この走査ラインLsの行)101における各選択トランジスタTr11がOFF状態になり、この走査ラインLsに接続された複数の画素回路101は非選択になる。そして、これによって、駆動トランジスタTr12のゲートとデータラインLdとの電気的な接続が遮断されたことになる。
この遮断があっても、キャパシタCsでは階調電圧Vdに応じた電荷が維持されているので、駆動トランジスタTr12のゲート・ソース間の電位差(階調電圧Vdに応じた電位差)は維持され、選択制御において流れた発光駆動電流と同程度の電流が発光素子OELに流れるので、発光素子OELの発光は維持される。この発光は、次の選択制御(階調電圧Vdの書込)が行われるまで、例えば、一フレーム分の画像を表示する期間継続される。発光素子OELが非発光の場合には、キャパシタCsに電荷が蓄積されないので、非選択の状態であっても非発光になる。
上記のようにして、システムコントローラ95は、一行毎に行を選択し、選択した行における画素回路101における発光素子OELの発光(画像データに基づく輝度での発光)・非発光を制御するとともに、階調電圧Vdの書込を行う。また、選択した行以外の行、つまり、選択されていない行における画素回路101については、発光又は非発光が維持される。これによって、基板11上に画像データが表す所定の画像が表示されることになる。
次に図11の等価回路を実現するような画素回路111の構造(有機EL発光装置100の具体的な構造)を、図12及び13を参照して説明する。なお、図12及び13では、図1乃至図8における構成要素と対応しているものについては、同じ符号を付している。また、図13においては、見やすさを考慮し、所定の構成要素について断面を表すハッチングを適宜省略している。図13では、全ての構成要素は、断面を表す。なお、図12及び13の選択トランジスタTr11が、上記のトランジスタTrによって構成されているが、選択トランジスタTr11の各要素の形状は、上記のトランジスタTrの各要素の形状に比べて適宜変更されている。画素回路111等は、選択トランジスタTr11(上記のトランジスタTr)を形成するときに、同時に基板11上に形成される(トランジスタTrの形成方法は上記参照)。
有機EL発光装置100に用いられる基板11は、ガラス基板等の透明な基板である。
駆動トランジスタTr12の前記ゲートを構成するゲート電極122、キャパシタCsの電極Cs1、データラインLdは、選択トランジスタTr11のゲート電極12とともに同時に一括で形成される。ゲート電極122と電極Cs1とは、一体的に形成されることによって、電気的に接続する。
駆動トランジスタTr12の、半導体層124、保護層125と、ソースを構成するソース電極126、ドレインを構成するドレイン電極127は、選択トランジスタTr11におけるそれらと同じプロセスで、それらと同時に一括で形成される。ソース電極126は、不純物層126aと導電層126bとを含む。ドレイン電極127は、不純物層127aと導電層127bとを含む。なお、駆動トランジスタTr12の各要素の説明は、上記の選択トランジスタTr11における各要素の説明に準じる。
なお、導電層16b、導電層17b、導電層126b、導電層127bの形成時には、キャパシタCsの電極Cs2、走査ラインLs、アノードラインLa、コンタクト部C1、コンタクト部C2も同時に一括して形成される。これらの形成前(つまり、前記のメタル層の形成前)において、絶縁層13に、データラインLdを露出させるコンタクトホールCH1と、ゲート電極122を露出させるコンタクトホール(図示せず)と、を形成する。前記のメタル層の形成時に、このメタル層の一部がコンタクトホールCH1に入り込んでコンタクト部C1が形成され、このメタル層の他の一部が前記図示しないコンタクトホールに入り込んでコンタクト部C2が形成される。
電極Cs2は、導電層126bと一体的に形成され、電極Cs2とソース電極126とは電気的に接続される。導電層127bは、アノードラインLaと一体的に形成され、アノードラインLaとドレイン電極127とは電気的に接続される。導電層16bは、コンタクト部C1を介して、データラインLdに電気的に接続される。導電層17bは、コンタクト部C2を介して、ゲート電極及び電極Cs1に電気的に接続される。電極Cs1と電極Cs2とは、上下方向において対向し、電極Cs1と電極Cs2とこれらの間の絶縁層13とによって、キャパシタCsが構成される。
導電層16b等を形成後には、スパッタ法、真空蒸着法等により絶縁層13上に、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO等の透明導電膜を被膜後、フォトリソグラフィによって、この透明導電膜をパターニングして画素電極OEL1を形成する。画素電極OEL1は、画素111を規定するための電極になる。画素電極OEL1は、発光素子OELのアノード電極を構成する。
画素電極OEL1の形成後、絶縁層20が形成される。絶縁層20は、画素電極OEL1の端部、各トランジスタのソース電極やドレイン電極、アノードラインLa等を覆うように形成される。また、絶縁層20は、各画素111(発光素子OEL)をそれぞれ区画し、画素電極OEL1をそれぞれで露出させる矩形の開口K(開口率に寄与する貫通孔である。)を複数有するように格子状に形成される。絶縁層20は、隣り合う画素電極OEL1を絶縁するとともに、各トランジスタ、各アノードラインLa等を絶縁保護する。
上記トランジスタTrにおけるコンタクトホールHは、ここでは、コンタクトホールCH3として形成される。コンタクトホールCH3は、光吸収層21、絶縁層20、走査ラインLs、絶縁層13を貫通し、ゲート電極12に達するように形成される。導電層22の形成時には、コンタクトホール22aに対応するものとして、コンタクト部C3が形成される。コンタクト部C3は、導電層22と、走査ラインLsと、ゲート電極12とを電気的に接続する。
導電層22等を覆う絶縁層23は、ここでは、有機EL発光装置100における所謂隔壁(バンク)である。絶縁層23は、例えば感光性のポリイミド系の絶縁樹脂材料を塗布、パターニング、硬化して、絶縁層22上に隔壁として形成される。絶縁層23は、列方向に沿った複数の画素電極OEL1をまとめて開口するように列方向が長尺なストライプ状の開口を有する。絶縁層23は、後述の有機EL層の形状を画定するためのものである。
絶縁層23の形成後は、正孔注入層OEL2、発光層11c、電子輸送層OEL4を、隔壁23の各開口内に表示に用いられる色毎に塗布して、画素電極OEL1上に、正孔注入層OEL2、発光機能層OEL3、電子輸送層OEL4、からなる有機EL層(発光層)を積層させる。正孔注入層OEL2、電子輸送層OEL4は、それぞれ、公知の高分子材料等によって形成される。発光機能層OEL3は、公知の高分子発光材料等によって形成される。
そして、絶縁層23の各開口と絶縁層23とを覆って、各画素電極OEL1に各有機EL層を介して共通して対向するように連なる対向電極OEL5を形成する。対向電極OEL5は、光反射特性を有し、導電材料、例えば1〜10nm厚のLi,Mg,Ca,Ba,In等の仕事関数の低い材料からなる電子注入性の下層と、100nm以上の厚さのAl,Cr,Ag,パラジウム銀系の合金等の光反射性導電金属からなる高仕事関数の上層を有する積層構造として、真空蒸着、スパッタ等の方法によって形成される。対向電極11eは、基準電位Vssにある図示しない端子に接続される。
画素電極OEL1と、有機EL層及び対向電極OEL5において、有機EL発光装置100を厚さ方向から見た場合において画素電極OEL1に重なる部分と、によって発光素子OELが構成される。有機EL層は、画素電極OEL1と対向電極OEL5との間に電圧を印加することにより光を発生させる。有機EL層から上側に出射する光は、対向電極OEL5に反射し、下側に向かい、画素電極OEL1、絶縁層21、基板11等を透過して、発光装置11の下側から出射する。また、有機EL層から下側に出射する光は、画素電極OEL1、絶縁層21、基板11等を透過して、発光装置11の下側から出射する。このように有機EL発光装置100は、基板11から光を出射する所謂ボトムエミッションタイプである。
次に、対向電極OEL5を覆うように、Si3N4、SiO2等から成るパッシベーション膜24を、CVD法等の適宜の方法によって形成する。パッシベーション膜24は、例えば、対向電極OEL5側に水分の浸入することを遮断するためのものである。
次に、パッシベーション膜24が形成された状態の基板11の表面全面又は周縁部に、合成樹脂等からなる封止材25を塗布等し、封止基板130をその上に置いて、パッシベーション膜24が形成された状態の基板11と封止基板130とが封止材25を介して貼り合わせられた状態とする。更に、封止材25に紫外線を照射することにより、熱を加えることにより、又は封止基板25を加圧すること等により、封止材25を硬化させ、パッシベーション膜24が形成された状態の基板11と封止材25と封止基板130とを一体的に接着させる。このようにして、封止材25及び封止基板130によって、前記で形成された各層が封止され、これによって、有機EL発光装置100が完成する(図9参照)。有機EL発光装置100は、封止基板130と、基板11と、これらの基板の間に挟まれた各層からなる積層体Mを含んで構成されている。
発光素子OELから出射された光が透過できるように、絶縁層13及び20等は透光性を有する。また、発光素子OELから出射された光が透過できるように基板11も透光性を有する。また、保護層15も製造上の都合(絶縁層13等と同じ材料で形成する等)等によって適宜透光性を有する。
このような構成によってトランジスタTr11には、例えば、基板11の外側(図2では下側)から、基板11を透過し、絶縁層13等を透過する外光、又は、有機EL素子OELから出射され、例えば、絶縁層13及び20を透過する光(便宜上、内光という。また、この内光は他の要素を反射した光であってもよい。)が到達する。
トランジスタTr11が、仮に、光吸収層21を有していない場合、前記の光はトランジスタTr11に悪影響を及ぼす。この悪影響の理由として考えられる現象を説明する。なお、以下の説明では、トランジスタTrの構造(図1乃至4)を描いた図を参照して説明するが、当然トランジスタTr11のような構造や他の構造であっても、悪影響は生じうる。
図14は、図4において、光吸収層21が形成されていない場合(つまり、導電体層21が絶縁層20の上面に直接形成されている場合)、を示す図である。なお、図14では、図を見やすくするために、断面を表すハッチングを省略した。また、図14では、図4において、対応する構成要素について同じ符号を付している。
図14のように、トランジスタTr2には、外光が基板11、絶縁層13、絶縁層20を透過して到達する。この外光は、例えば、導電体層22とゲート電極12との間で多重反射して、半導体層14に入射する。このような多重反射によって半導体層14に入射すると、半導体層14が電流を流したり(つまり、トランジスタTrが誤作動することになる)、光劣化したりするといった不具合が生じる。このように、トランジスタTr2は、絶縁層20等を通過する外光から悪影響を受けることがある。
また、トランジスタTr2には、内光が絶縁層13、絶縁層20を透過して到達することもある。この内光は、例えば、ゲート電極12と導電体層22との間で多重反射して、半導体層14に入射する。このような多重反射によって半導体層14に入射すると、上記同様、半導体層14に不具合が生じる。このように、トランジスタTr2は、絶縁層20等を通過する内光から悪影響を受けることがある。
また、例えば、光が導電体層22のみを反射して半導体層14に入射する場合や、光が、半導体層23と電極(ゲート電極12、ソース電極16又はドレイン電極17)のいずれか又はその組み合わせとで反射して半導体層14に入射する場合等もある。また、半導体層22の種類、厚さ等によっては、この半導体層22を一度以上透過した光が導電体層22等で反射して半導体層22に入射することも予測される(図15参照)。図15では、図を見やすくするために、断面を表すハッチングを省略した。また、図15では、図4において対応する構成要素について図4と同じ符号を付している。以上のような場合でも、上記同様、内光又は外光によって半導体層14に不具合が生じる可能がある。このように、トランジスタTr2は、絶縁層20等を通過する内光又は外光から悪影響を受けることがある。
上記で説明した反射のうち、どのような反射が起こり、どのような反射によってトランジスタTr2への悪影響が生じるかは、トランジスタTr2の仕様や、トランジスタTr2が使用される有機EL発光装置の仕様等によって変わるが、少なくとも、上記不具合は、導電体層22で光が反射することが大きく寄与している可能性が高い。これは、導電体層22が半導体層14と対向しており、かつ、半導体層14よりも上層にあるので、反射された光が直接半導体層14に到達するか、又は、他の電極(ゲート電極12)で反射して半導体層14に到達する可能性が高いからである。また、上記の不具合は、半導体層14が、アモルファスシリコン等で構成されている場合に特に起こりやすい。
上記のような不都合を解消するため、導電体層22を形成しないことも考えられるが、導電体層22は、例えば、この導電体層22よりも上層に形成された対向電極OEL5に印加された電圧(例えば、カソード電位)によるトランジスタTrの素子特性への悪影響(誤動作等)を軽減させる役割を有したり、ゲートが二つ形成されて素子特性が向上したりしているので、導電体層22は形成したい。
そこで、本実施形態に係るトランジスタTrは、光吸収層21を備える。これによって、図16及び図17に示すように、トランジスタTrに到達する外光又は内光、つまり、トランジスタTr外部から絶縁層20等を透過して導電体層22に向かう外光又は内光を光吸収層22で吸収するため、導電体層22での反射は防止又は抑制される。このため、導電体層22に到達する光は図14及び15のトランジスタTr2の場合に比べて少ないと考えられる。特に、外光の多重反射等が軽減又は防止される。このため、上記の不具合の発生を防止又は軽減できる。なお、図16及び図17では、図を見やすくするために、断面を表すハッチングを省略した。
上記のように、本実施形態では、トランジスタTrが光吸収層21を有することによって、トランジスタTr外部からの光であって、絶縁層20等を透過して、導電体層22に向かう光(導電体層22で反射されるべき光)を光吸収層21で吸収できるので、導電体層22を形成することによって生じる上記の不具合の発生を防止又は軽減できる。また、これによって、本実施形態に係るトランジスタTrは、絶縁層(少なくとも絶縁層20)を透過し、導電体層22に向かう光によるトランジスタTrへの悪影響を軽減又は防止できる。
上記有機EL発光装置100は、例えば、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、又は携帯電話等の電子機器に用いられる。特に有機EL発光装置100は、電子機器の表示部(ディスプレイ)等として、使用される。例えば、デジタルカメラ1910は、例えば図18及び図19のように、操作部1911と、表示部1912と、を備える。この表示部1912に有機EL発光装置が用いられる。同様に、ノートパソコン(ノート型パーソナルコンピュータ)1920は図20に示すように、表示部1921を備え、有機EL発光装置は表示部1921に使用される。更に、図21のように、携帯電話機1930は表示部1931を備え、有機EL発光装置は表示部1931に使用される。
なお、光吸収層21は、導電体層22を下側から覆い、絶縁層20から導電層21に向かう光を吸収するものであれば上記の不都合を軽減又は防止できる。光吸収層21は、半導体層14と導電体層22との間にあれば、上記の不都合を軽減又は防止できると考えられるので、光吸収層21の位置は半導体層14と導電体層22との間で任意である。なお、光吸収層21は導電体層22の直下に配置されている、つまり、光吸収層21の上面に導電体層22が配置されることが、光吸収層21を製造する製造プロセス上容易である。なお、絶縁層20から導電層21に向かう光を吸収するとは、前記光の少なくとも一部を吸収することを含む。光吸収層21は、その形状等は適宜変更できる。光吸収層21は、導電体層22と平面形状が略同じでなくてもよい。光吸収層21の平面形状を、ゲート電極12の平面形状に対応した形状(例えば、平面形状の外形が略同じ形状)にすれば(上記実施形態もこの形状の一例になる。)、特に、トランジスタTr2の場合においてゲート電極12と導電体層22との間で生じ得る多重反射を防止出来るので、上記不都合を軽減又は防止し易い。
上記では、導電体層22は、光の反射面を有し、不透明で光を反射する性質を有するものであるが、導電体層22は、透明であってもよい。この場合、例えば、導電帯層22は、ITO(Indium Tin Oxide)等によって形成される。導電体層22が透明であっても、導電体層22と他の層との界面では、両者の屈折率の違いによって、光の反射が生じると考えられる。つまり、この場合でも、導電体層22は、光の反射面(ここでは、他の層との界面)を有する。例えば、上記トランジスタTr12では、導電体層22と絶縁層20との界面等で光の反射が生じると考えられる。このため、導電体層22が透明であっても、上記で説明した不具合が起こりうるが、上記と同様、光吸収層21によって、このような不都合は、軽減又は防止される。なお、導電体層22が光を反射する場合、これによって、絶縁層23から半導体層14に向かう光が導電体層22で反射されるので、導電体層22又は光吸収層21に到達する光を少なくすることが出来る。
また、上記では、光の反射面を有し、不透明で光を反射する性質を有するものである、ゲート電極12、ソース電極16、及び、ドレイン電極17の少なくともいずれかは、ITO(Indium Tin Oxide)等によって形成され、透明であってもよい。これら電極が透明であっても、これら電極と他の層との界面(電極の反射面)では、両者の屈折率の違いによって、光の反射が生じると考えられる。このため、これら電極が透明であっても、上記で説明した不具合が起こりうるが、上記と同様、光吸収層21によって、このような不都合は、軽減又は防止される。なお、ゲート電極12、ソース電極16、及び、ドレイン電極17のいずれかが光を反射する場合、これによって、半導体層14に向かう光がこれら電極で反射されるので、導電体層22に到達する光を少なくすることが出来る。特に、ゲート電極12が光を反射する場合、これによって、基板11等を透過して半導体層14に向かう外光がゲート電極12で反射されるので、導電体層22に到達する光を少なくすることが出来る。これによって上記の不都合は、軽減又は防止される。
また、上記では、導電体層22とゲート電極12とは、導電体層22のコンタクト部22aによって電気的に接続されているが、他の導電層、コンタクトホール等によって電気的に接続されてもよい。つまり、導電体層22とゲート電極21との接続の仕方は適宜の方法がある。
なお、トランジスタTrは、他の回路のトランジスタとして使用されてもよい。また、回路DSにおいて、トランジスタTr11とともに又はトランジスタTr11に代えて、トランジスタTrをトランジスタTr12として使用してもよい。また、トランジスタTrは、上記では、電界効果トランジスタ(FET;Field effect transistor)の一種である、nチャネル型の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)であるが、pチャネル型の薄膜トランジスタ等の他のタイプのトランジスタであってもよい。pチャネル型の薄膜トランジスタの場合、ソースとドレインとが逆になる。
また、導電体層22は、ソース電極16又はドレイン電極17のいずれかと電気的に接続されてもよい。接続方法は、任意の方法によって行われる。例えば、図22又は図23のように、導電体層22は、上記のコンタクト部22aと同様のコンタクト部22b又は22cを含み、コンタクト部22b又は22cがソース電極16又はドレイン電極17と電気的に接続することによって、導電体層22とソース電極16又はドレイン電極17とは電気的に接続する。コンタクト部22b又は22cは、絶縁層20、及び、光吸収層21を貫通するコンタクトホールH2又はH3内に入り込んでいる。なお、図22又は図23では、図3において、対応する構成要素について同じ符号を付している。
また、上記のように、外光又は内光は、ゲート電極12でも反射するので、光吸収層21に代えて又は加えて、半導体層14とゲート電極12との間に光吸収層21と同様の光吸収層を形成してもよい。これによっても、上記の多重反射等が防止又は軽減され、半導体層14に到達する光を少なくできるので、上記の不都合は軽減又は防止される。例えば、図24のように、導電体層22と半導体層14との間に形成した光吸収層21とともに、ゲート電極12の上面上に光吸収層321を形成してもよい。例えば、図25のように、光吸収層21に代えて、ゲート電極12の上面上に光吸収層321を形成してもよい。光吸収層321の形状は適宜決定できる。光吸収層321は、光吸収層21と同様のものであり、また、光吸収層21と同様の形状にも出来るし、例えば、平面形状がゲート電極12と略同じになるように形成されてもよい。
Tr・・・トランジスタ、11・・・基板、12・・・ゲート電極、13・・・絶縁層、14・・・半導体層、15・・・保護層、16・・・ソース電極、17・・・ドレイン電極、20・・・絶縁層、21・・・光吸収層、22・・・導電体層、23・・・絶縁層、DS・・・回路、1910・・・デジタルカメラ、1920・・・ノート型パーソナルコンピュータ、1930・・・携帯電話機
Claims (6)
- ゲート電極と、
透光性を有する絶縁層を介して前記ゲート電極と対向配置される、前記ゲート電極側の面に光の反射面を有する導電体層と、
前記ゲート電極と前記導電体層との間に位置し、チャネルが形成される半導体層と、
前記半導体層に接続され、前記半導体層を挟んでチャネル長方向に対向する一対のソース電極及びドレイン電極と、
前記導電体層と前記半導体層との間、並びに前記ゲート電極と前記半導体層との間の少なくともいずれか一方に位置し、光を吸収する光吸収層と、
を備えることを特徴とするトランジスタ。 - 前記ゲート電極は、前記導電体層側の面に光の反射面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ。 - 前記光吸収層は、前記導電体層の直下に位置している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。 - 前記導電体層は、前記ソース電極又は前記ドレイン電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトランジスタ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトランジスタを備える、
ことを特徴とする発光装置。 - 請求項5に記載の発光装置を備える、
ことを特徴とする電子機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014067867A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Toppan Printing Co Ltd | 薄膜トランジスタ及びディスプレイパネル |
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2010
- 2010-09-28 JP JP2010217913A patent/JP2012074523A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014067867A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Toppan Printing Co Ltd | 薄膜トランジスタ及びディスプレイパネル |
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