以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザプリンタの全体構成図である。図1において、100はフルカラーレーザプリンタ、100Aはフルカラーレーザプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。この装置本体であるプリンタ本体100Aには、シートに画像を形成する画像形成部100B、シートを給送するシート給送装置120等が設けられている。
画像形成部100Bは、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナー画像を形成するプロセスカートリッジ103a〜103dを備えている。なお、このプロセスカートリッジ103a〜103dは、像担持体である感光体ドラム101a〜101d等を備え、プリンタ本体100Aに着脱可能に装着されている。
また、画像形成部100Bは、プロセスカートリッジ103a〜103dの鉛直下方に配置され、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム101a〜101d上に静電潜像を形成するスキャナユニット109を備えている。ここで、各プロセスカートリッジ103a〜103dは、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する現像ユニット104a〜104dと、クリーナユニット105a〜105dによって構成されている。そして、現像ユニット104a〜104dは、現像ローラ106a〜106dと、現像剤塗布ローラ107a〜107d及びトナー容器を有している。クリーナユニット105a〜105dは、感光体ドラム101a〜101dと、感光体ドラム表面を均一に帯電する帯電ローラ102a〜102dと、ドラムクリーニングブレード108a〜108dと、廃トナー容器とを有している。
また、図1において、110は中間転写ベルトユニットであり、この中間転写ベルトユニット110は、中間転写ベルト110eと、中間転写ベルト110eの内側に配設された1次転写ローラ110a〜110dを備えている。なお、中間転写ベルト110eは、駆動ローラ110f、テンションローラ110gに張架されており、テンションローラ110gが矢印T方向に張力をかけている。また、1次転写ローラ110a〜110dは、各感光体ドラム101a〜101dに対向して配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。そして、この1次転写ローラ110a〜110dによって中間転写ベルト110eに1次転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の各色トナー像が順次中間転写ベルト110eに転写され、これにより中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
また、113は駆動ローラ110fと2次転写ローラ113aとにより構成され、順次中間転写ベルト110eに形成されたフルカラー画像をシートに転写する2次転写部である。115は、シート上に形成したトナー画像に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させる定着部であり、内部に不図示のヒータを内蔵した定着ローラ115aと、定着ローラ115aに圧接する加圧ローラ115bとを有している。
シート給送装置120は、プリンタ本体100Aの下部に設けられた装着空間100Cに着脱自在に装着された給紙カセット200と、給紙カセット200に収納されたシートSを給送するシート給送部を構成する給送ローラ121等を有している。そして、給紙カセット200に収納されたシートSを給送する際は、シートSに圧接している給送ローラ121を回転させてシートSを送り出すようにしている。なお、このように送り出されたシートSは、分離部によって一枚ずつ分離された後、レジストローラ対114に搬送される。
次に、このように構成されたフルカラーレーザプリンタ100の画像形成動作について説明する。不図示のパソコン等から画像信号がスキャナユニット109に入力されると、スキャナユニット109から、画像信号に対応したレーザ光が感光体ドラム上に照射される。このとき感光体ドラム101a〜101dは、帯電ローラ102a〜102dにより表面が予め所定の極性・電位に一様に帯電されており、スキャナユニット109からレーザ光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。この後、この静電潜像を現像ユニット104a〜104dにより現像し、可視化する。
例えば、まず感光体ドラム101aに、原稿のイエロー成分色の画像信号によるレーザ光をスキャナユニット109から照射し、感光体ドラム上にイエローの静電潜像を形成する。そして、このイエローの静電潜像を、現像ユニット104aからのイエロートナーにより現像し、イエロートナー像として可視化する。この後、感光体ドラム101aの回転に伴ってトナー像が感光体ドラム101aと中間転写ベルト110eとが当接する1次転写部に到来すると、1次転写ローラ110aに印加した1次転写バイアスによりイエロートナー像が中間転写ベルト上に転写される。
次に、中間転写ベルト110eのイエロートナー像を担持した部位が移動すると、このときまでに上記と同様な方法で感光体ドラム101b上に形成されたマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト110eに転写される。同様に、中間転写ベルト110eが移動するにつれて、それぞれ1次転写部においてシアントナー像、ブラックトナー像が、イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト上にフルカラートナー画像が形成される。なお、トナー像転写後に、感光体ドラム表面に残ったトナーは、クリーナユニット105a〜105dによって除去される。
また、このトナー画像形成動作に並行して給紙カセット200に収容されたシートSは給送ローラ121により送り出された後、レジストローラ対114に搬送される。次に、レジストローラ対114に搬送されたシートは、レジストローラ対114によりタイミングを合わされた後、2次転写部113に搬送される。そして、2次転写部113において、2次転写ローラ113aに正極性のバイアスを印加することにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト110e上の4色のトナー像が2次転写される。なお、シートSへの2次転写の後、中間転写ベルト上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置111によって除去され、除去されたトナーは、不図示の廃トナー回収容器へと回収される。
トナー像転写後のシートSは、定着部115に搬送され、定着ローラ115aと加圧ローラ115bとによって加熱、加圧されてその表面にフルカラーのトナー像が永久画像として定着される。次に、フルカラーのトナー像が永久画像として定着された後、シートSは排出ローラ対117によって排紙トレイ118上へ排出される。
ここで、給紙カセット200は、プリンタ本体100Aの手前方向、すなわちシート給送方向に対して直交する方向に着脱可能になっている。そして、給紙カセット200がプリンタ本体100Aの装着空間100Cに装着されると、プリンタ本体100Aの不図示の制御部は、不図示の検知手段により、プリンタ本体100Aに給紙カセット200が装着されたと判断する。
図2は、給紙カセット200の構成を示す図であり、この給紙カセット200は、A5縦サイズからA4縦サイズのシートを収納することができる。ここで、給紙カセット200は、複数枚のシートを収納するカセット本体200aを備えており、このカセット本体200aには、シートを積載するシート積載部である中板201が回動支点201aを中心に回動可能(昇降自在)に設けられている。
また、このカセット本体200aには、中板201上のシートのシート給送方向上流側端である後端を規制する後端規制部材251がシート給送方向にスライド可能に設けられている。この後端規制部材251は、ユーザが後端規制部材251のレバー252を操作することにより、シート給送方向の上流側、下流側にスライド移動可能であり、シートサイズに応じた位置に配置できるようになっている。
さらに、給紙カセット200には、中板201上のシートのシート給送方向と直交する幅方向の位置を規制する一対の側端規制部を構成する前側サイド規制部材261及び奥側サイド規制板部材263が幅方向にスライド可能に設けられている。ここで、前側及び奥側サイド規制板261,263は、不図示のラック部とピニオンギアとでお互いが連結されている。従って、ユーザが、前側サイド規制板261に設けられたレバー262を操作すると、前側及び奥側サイド規制板261,263は幅方向に連動して移動するようになっている。
また、中板201の下側には、既述した図1に示すように、中板201を給送ローラ121に向けて押し上げる押圧レバー202が配設されている。そして、この押圧レバー202は、先端が中板201の中央部で中板201の底面と接触している。また、この押圧レバー202は、カセット本体200aのカセット装着方向下流側(以下、奥側という)で、押圧レバー202を上下方向に回動させて中板201を上下方向に回動させる押圧アーム203と連結されている。
ここで、この押圧アーム203は、作動機構であるリフター駆動機構200Aにより駆動(作動)されるようになっている。なお、本実施の形態において、押圧レバー202と、押圧アーム203と、リフター駆動機構200Aとにより中板201を押し上げて中板201に積載されているシートを給送ローラ121に圧接させるリフト機構が構成される。そして、このリフト機構は、給紙カセット200が装着されると、後述する駆動伝達ギア155と連結して中板201を上昇させ、給紙カセット200を引き出す際に駆動伝達ギア155との連結が解除されると、中板201を下降させる。
リフター駆動機構200Aは、図3に示すように、中板上(シート積載部上)のシートを給送ローラ121に圧接させる圧接力をシートサイズに応じた大きさに設定するように押圧アーム203に一端が係止されたスプリング205を備えている。また、給紙カセット200の奥側の壁面200bに設けられると共にスプリング205の他端が係止され、矢印P,Qに示すシート給送方向に沿って移動自在な中板ラック204を備えている。そして、スプリング205と、中板ラック204により、押圧アーム203及び押圧レバー202を介して中板上のシートをシートサイズに応じた大きさの圧接力(給紙圧)で給送ローラ121に圧接させる。
なお、図3において、206は給紙カセット200の奥側の壁面200bに設けられ、中板ラック204のギア204bと噛合し、ピニオンギアとして機能するカセットギアである。このカセットギア206は、給紙カセット200が装着されると、図2に示すプリンタ本体100Aに設けられた駆動部である駆動伝達ギア155と噛合する。そして、駆動伝達ギア155が不図示のモータより回転すると、カセットギア206に駆動が伝達されてカセットギア206が回転し、これにより中板ラック204が移動し、これに伴い押圧アーム203及び押圧レバー202を介して中板201が昇降する。
なお、ラック204には、図2に示すように検知用突起部204cが設けられており、プリンタ本体100Aにはフォトインタラプタ210が配設されている。そして、この被検知手段としての検知用突起部204cと、センサとしてのフォトインタラプタ210は作動位置検知手段を構成しており、フォトインタラプタ210が検知用突起部204cを検知するか否かによってラック204の作動位置を検知している。
そして、このように構成することにより、給紙カセット200がプリンタ本体100Aの装着空間100Cに挿入(装着)されると、カセットギア206が駆動伝達ギア155に噛合する。この後、駆動伝達ギア155が回転を始めると、駆動伝達ギア155の回転運動はカセットギア206を介してラック204の直線運動に変換され、ラック204は図3の矢印P方向へ移動する。次に、このようにラック204がP方向へ移動すると、検知用突起部204cはフォトインタラプタ210により検知され、これにより駆動伝達ギア155は停止し、ラック204の位置は保持される。
ここで、ラック204がP方向に移動することにより、押圧アーム203はスプリング205に引っ張られて図3における時計回り(矢印H方向)に回動する。そして、この押圧アーム203の回動により、押圧アーム203の一端に取り付けられている押圧レバー202が中板201を押し上げ、中板201は上昇する。これにより、中板201上に積載されているシートSは給送ローラ121に圧接し、シートSと給送ローラ121の間に所定の給紙圧が発生する。そして、この状態で給送ローラ121が回転することにより、中板201上に積載されているシートSは、1枚ずつ送り出される。
このとき、駆動伝達ギア155は停止状態にあるので駆動伝達ギア155と噛み合っているカセットギア206は、給紙圧及びスプリング205の張力が作用しても回転しないようになっている。この状態は給紙カセット200がプリンタ本体100Aに装着されている間は保持される。以下、この状態におけるラック204の位置を加圧位置とする。
ところで、図1及び図2に示すように給紙カセット200を装着する装着空間100Cの上部には、給紙カセット200の装着時、給紙カセット200の上方に位置するガイド機構であるガイドレール122が給紙カセット200の装着方向に沿って延びている。ガイドレール122は、給紙カセット200が装着される装着空間100Cを構成するためにプリンタ本体100Aに設けられている上面フレームFR(図1に図示)に固定されている。また、このガイドレール122は、図4及び図5に示すように、給紙カセット200の装着をガイドする装着ガイド部である第1レール部122aを備えている。
また、このガイドレール122は、給紙カセット200を引き出す際、後述するガイドピン204dを係合する傾斜ガイド部である第2レール部122cを備えている。また、このガイドレール122は、後述するシート給送方向に沿ったラック204の移動をガイドする移動ガイド部を構成するガイド板122bを備えている。このように、ガイド機構であるガイドレール122は、装着ガイド部である第1レール部122a、ガイドピン204dを係合する傾斜ガイド部である第2レール部122c、ラック204をガイドする移動ガイド部を構成するガイド板122b、から構成される。
また、ラック204は、図3に示すように、ガイドレール122の第1レール部122a、第2レール部122c及びガイド板122bに沿って移動する係合部であるガイドピン204dを備えている。なお、このガイドピン204dは、後述するように給紙カセット200を引き出す際、ガイドレール122の第2レール部122cと係合し、リフト機構の中板201を下降させる動作、本実施の形態においては、ラック204の移動を規制する。
ガイド機構の第1レール部122aは、給紙カセット200の装着方向と略平行な方向に形成されており、ガイド板122bは、給紙カセット200の装着方向と略直交する方向に形成されている。また、第2レール部122cは、給紙カセット200の装着方向と交差するように傾斜させて形成されている。なお、これらのレール部122a、ガイド板122b、第2レール部122cは、上面フレームFRの下面に沿って略水平に配置されている。
なお、図4の(a)は、プリンタ本体100Aから給紙カセット200を引き出したとき、又はプリンタ本体100Aに給紙カセット200を装着する前のラック204及びガイドピン204dの状態を示している。図4の(b)は、給紙カセット200が矢印Aに示す方向からプリンタ本体100Aに装着されたときのラック204及びガイドピン204dの状態を、図4の(c)はラック204が、既述した加圧位置まで移動するときの途中の状態を示している。また、図5の(a)はラック204が加圧位置にあるときのラック204及びガイドピン204dの状態を、図5の(b)はラック204が加圧位置にあるとき、給紙カセット200をプリンタ本体100Aから引き出す途中の状態をそれぞれ示している。
つまり、ガイドピン204dは、給紙カセット200を装着する際には図4の(b)の矢印に示すように第1レール部122aを通過し、ラック204が加圧位置に移動する際には図4の(c)の矢印に示すようにガイド板122bに沿って移動する。また、ガイドピン204dは、図5の(a)に示す加圧位置に移動した状態の給紙カセット200を引き出す際には、図5の(b)の矢印に示すように第2レール部122cを通過する。
次に、給紙カセット200をプリンタ本体100Aに着脱する際のラック204及びガイドピン204dの位置とガイドレール122によって形成される経路を説明する。
まず、給紙カセット200をプリンタ本体100Aに装着するときの関係について説明する。ユーザは給紙カセット200にシートSを補充するとき等に給紙カセット200をプリンタ本体100Aから取り出す。なお、給紙カセット200がプリンタ本体100Aから引き出されたとき、押圧アーム203は中板201及びシートSの自重によって図3における半時計回り(矢印I方向)に移動しようとする。
このため、スプリング205によって押圧アーム203と連結されたラック204は図3の矢印Q方向に移動し、これに伴い中板201は、下降し、ほぼ水平状態となる。これにより、給紙カセット200が引き出されたとき、ラック204及びガイドピン204dは、図4の(a)に示す位置にある。また、ガイドレール122の第1レール部122aは、給紙カセット200がプリンタ本体100Aへ装着される際のガイドピン204dの軌跡に沿って配設されている。つまり、給紙カセット200の着脱方向に沿って設けられている。このため、ユーザが給紙カセット200をプリンタ本体100Aに挿入(装着)するとき、ガイドピン204dは図4の(b)の矢印で示すように第1レール部122aに沿って移動する。そして、給紙カセット200が給送ローラ121によるシートの給送が可能となる給送位置に達すると、給紙カセット200は停止し、これによりガイドピン204dも所定の位置で停止する。
次に、ラック204が加圧位置にあるときに給紙カセット200をプリンタ本体100Aから引き出すときの関係について説明する。
給紙カセット200がプリンタ本体100Aに装着されると、この後、ラック204は、既述したように加圧位置まで移動する。なお、このとき、ガイドピン204dは図4の(c)の矢印に示すようにガイド板122bに沿って移動する。よって、後述するように加圧位置に達するまでの区間で給紙カセット200を引き出すとき以外は、ラック204及びガイドピン204dは図5の(a)に示す加圧位置にある。なお、本実施の形態において、加圧位置は一定であるのでラック204が加圧位置にあるとき、ガイドピン204dの位置は一定である。そして、ガイドレール122の第2レール部122cは、ラック204が加圧位置にあるとき、ガイドピン204dに臨む位置に配設されている。
ここで、ラック204が加圧位置にある状態の給紙カセット200をプリンタ本体100Aから引き出そうとすると、スプリング205の張力及び中板201上のシートSの重さ等によりラック204は矢印Q方向に移動しようとする。しかし、カセットギア206と駆動伝達ギア155とが噛み合っている区間においては、既述したように駆動伝達ギア155はロックされているため、ラック204は矢印Q方向には移動しない。
また、本実施の形態において、ガイドレール122とガイドピン204dとの間の幅方向の距離は、図6に示すカセットギア206と駆動伝達ギア155の噛み合い区間L1よりも短くなっている。このため、カセットギア206と駆動伝達ギア155の噛み合いが解除されるまでにはガイドピン204dはガイドレール122の第2レール部122cに受け渡される。このように構成することにより、給紙カセット200を引き出す時にガイドピン204dが第2レール部122cに進入した後、カセットギア206と駆動伝達ギア155の噛み合いが解除される。そして、このように噛み合いが解除されると、ラック204は矢印Q方向に移動可能となる。
しかし、このときガイドピン204dはガイドレール122の第2レール部122cに受け渡されて第2レール部122cに係合されているので、ラック204の矢印Q方向の移動が第2レール部122cにより規制される。これにより、この後、ユーザにより給紙カセット200が引き出されると、ラック204及びガイドピン204dは第2レール部122cに沿って移動する。ここで、第2レール部122cは引き出し方向下流側が引き出し方向上流側よりもシート給送方向上流側に位置するように、すなわち中板201を下降させる方向に傾斜している。このように第2レール部122cが傾斜することにより、ガイドピン204dが第2レール部122cに係合しながら移動すると、ラック204の動きに連動する中板201はガイドピン204dの動きに対応して急激に下降することなく、徐々に下降する。この結果、中板201が下降する際の衝撃を緩和することができる。
次に、ラック204が加圧位置に移動する途中で給紙カセット200の引き出し動作が行われた場合について説明する。
既述したように、ラック204はカセットギア206と駆動伝達ギア155との噛み合いが解除されるまで矢印Q方向には移動しない。また、ラック204が加圧位置に移動する際、ガイドピン204dは、ガイド板122bに沿って移動する。なお、本実施の形態においては、ガイド板122bに沿って移動するとき、図6に示すようにガイドピン204dとガイド板122bの距離はL2となっており、L1とL2の関係はL1>L2となっている。これにより、ラック204が加圧位置に達する前に給紙カセット200がプリンタ本体100Aから抜けることを防止することができ、中板201の急激な下降が生じないようにすることができる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、給紙カセット200を引き出す際、給紙カセット200は、ラック204をガイドレール122に沿って中板201が下降する矢印Q方向に徐々に移動させながら引き出し方向に移動させることができる。これにより、中板201の急激な下降が生じないようにして、中板201の下降速度を遅くして給紙カセット200を引き出すことができ、この結果、簡単で、かつ低コストで中板下降時の衝撃を緩和することができる。つまり、給紙カセット200を引き出す際、ガイドピン204dをガイド板122bに係合させながら移動させることにより、中板下降時の衝撃を緩和することができる。
また、給紙カセット200を引き出す際の駆動伝達ギア155とカセットギア206の噛み合い区間L1を、ガイドレール122で形成される経路とオーバーラップさせることにより、確実にガイドピン204dをガイドレール122に受け渡すことができる。さらに、ガイドレール122の給紙カセット200の引き出し方向にガイド板122bを形成することにより、ラック204が加圧位置に達するまでの区間に、駆動伝達ギア155とカセットギア206の噛み合いが解除されないようにすることができる。これにより、ラック204及びガイドピン204dの位置が、給紙カセット200をプリンタ本体100Aに挿入した位置または、加圧位置にないときには、給紙カセット200がプリンタ本体100Aから抜けないようすることができる。この結果、給紙カセット200の引き出し時に、確実にガイドピン204dがガイドレール122に導かれるようになり、中板201の急激な下降を防止できる。
ところで、本実施の形態においてはガイドレール122によって規制される給紙カセット200の引き出し時のガイドピン204dの経路が1つである例を示したが、ガイドピン204dの経路を複数設けても良い。
次に、このようなガイドピン204dの経路を複数設けた本発明の第2実施の形態について説明する。図7は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられたガイドレールの構成を説明する図である。なお、図7において、既述した図4と、同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図7の(a)は、給紙カセット200がプリンタ本体100Aに装着されたときのラック204及びガイドピン204dの状態を、図7の(b)は、ラック204が加圧位置まで移動する途中にあるときの状態を示している。図7の(c)はラック204が加圧位置にあるときの状態を示している。
本実施の形態において、ユーザが給紙カセット200をプリンタ本体100Aに挿入すると、ガイドピン204dは第1レール部122aに沿って移動し、給紙カセット200と共に図7の(a)に示す所定の位置で停止する。そして、このように給紙カセット200がプリンタ本体100Aに装着されると、本実施の形態では、この後、ラック204は図7の(b)に示すシートSが給送ローラ121から離間する位置(以下、待機位置という)で停止する。
この後、プリンタ本体100Aにプリントジョブが入力されると、シートSを給送ローラ121に圧接させ、給紙圧を発生させるために駆動伝達ギア155の駆動を受けてラック204は図7の(c)に示す加圧位置まで移動する。そして、プリントジョブが終了すると、シートSを給送ローラ121から離間させるため再び図7の(b)に示す待機位置にラック204は移動する。
ここで、ラック204が待機位置にあるとき、中板201は上昇しているため、この状態で給紙カセット200を引き出そうとすると、ガイドレール122によってガイドピン204dを規制しない場合には、中板201が急激に下降してしまう。そこで、本実施の形態においては、ガイドレール122に第3レール部122dを設け、ラック204が待機位置にある場合には、この第3レール部122dに沿ってガイドピン204dを移動させるようにしている。第3レール部122dは、給紙カセット200の装着方向に直交する方向に配置されている。なお、このラック204の待機位置は一定であるため、ラック204が待機位置に位置したとき、ガイドピン204dも所定の位置で停止する。そして、ガイドレール122の第3レール部122dは、ラック204が待機位置にあるとき、ガイドピン204dに臨む位置に配設されている。また、この第3レール部122dは引き出し方向下流側が引き出し方向上流側よりもシート給送方向上流側に位置するように、すなわち中板201を下降させる方向に傾斜している。
このため、ラック204が加圧位置にある状態のとき、給紙カセット200を引き出すと、ガイドピン204dは第3レール部122dに進入し、この後、ラック204及びガイドピン204dは第3レール部122dに沿って移動する。これにより、ラック204の動きに連動する中板201はガイドピン204dの動きに対応して急激に下降することなく、徐々に下降する。この結果、中板201が下降する際の下降速度を遅くすることができ、下降時の衝撃を緩和することができる。
このように、本実施の形態においては、第2及び第3レール部122c,122dを設け、給紙カセット引き出し時のガイドピン204dの経路を、ラック204が待機位置にあるときの経路と、ラック204が加圧位置にあるときの経路の2通り設けている。そして、このように給紙カセット引き出し時のガイドピン204dの経路を複数有することにより、ラック204が停止する位置が複数ある場合、それぞれの位置において、最適な経路を設定することができる。これにより、ユーザビリティを損なうことなく中板の急激な下降を防止し、衝突音を緩和することができる。
なお、本実施の形態では、給紙カセット引き出し時のガイドピン204dの経路は、待機位置にある場合と加圧位置にある場合の2つの経路を設けた場合について説明したが、3つ以上の経路を設けても良い。例えば、加圧力を切り替えるために複数のラック204の作動位置がある場合には、その作動位置の数だけガイドピン204dの移動経路を設けるようにしても良い。この3つ以上の経路を設ける場合も、給紙カセット200の装着方向に直交する方向に順に配置する。
ところで、これまで説明した第1及び第2の実施の形態は、中板201上にあるシートSの積載高さによらず中板201の駆動部材であるラック204の位置が一定である場合に本発明を適用した例を示した。しかし、本発明は、これに限らず、スプリング205のような弾性部材を用いず、中板201を直接駆動し、積載されたシートSの紙面を検知することで中板201の駆動を停止する構成にも適用することができる。
次に、このような本発明の第3実施の形態について説明する。図8は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送装置の構成を説明する図である。なお、図8において、既述した図3と、同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図8において、151は中板201に積載されたシートを給送するピックローラであり、このピックローラ151は、シート給送時には矢印V方向に下降しながら回転してシートSを給送する。また、152,153はピックローラ151により給送されたシートSを1枚ずつに分離して搬送するフィードローラ及びリタードローラである。
そして、このようなシート給送装置では、給紙カセット200がプリンタ本体100Aに挿入されると、中板201は駆動伝達ギア155からの駆動力により上昇し、不図示の紙面検知手段が中板201上に積載されたシートSの紙面を検知すると停止する。給紙時にはピックローラ151がV方向に下降ながら回転し、フィードローラ152とリタードローラ153によって搬送される。
また、301は中板201を押圧する押圧レバー202に取り付けられた扇状のカセットギアである。そして、給紙カセット200をプリンタ本体101Aに挿入すると、カセットギア301は、プリンタ本体100Aに配設された加圧駆動ユニット(不図示)からの駆動を伝達する駆動伝達ギア155と噛合する。また、このカセットギア301の底部にはガイドピン301bが配設されている。154は、プリンタ本体100Aの装着空間100Cの底面に設けられ、給紙カセット200の装着時、給紙カセット200の下方に位置するガイド部を構成するガイドである。そして、給紙カセット200の着脱時には、このガイド154に沿ってカセットギア301のガイドピン301bは移動する。
そして、本実施の形態においては、給紙カセット200をプリンタ本体101Aに挿入すると、駆動伝達ギア155とカセットギア301とが噛合する。また、カセットギア301に配設されたガイドピン301bは給紙カセット200の着脱時にはガイド154に沿って移動する。
ところで、本実施の形態において、カセットギア301の位相は中板201上のシートSの積載高さに依存するため、ガイドピン301bの傾斜位置もシートSの積載高さに依存する。言い換えれば、ガイドピン301bの傾斜位置は、シートSの積載高さに応じて変化し、固定されない。そこで、本実施の形態においては、図9に示すように、カセットギア301をテーパ形状とし、駆動伝達ギア155と噛み合うカセットギア301の歯幅を積載量によって変えるようにしている。具体的には、シートの積載量が多いほど、駆動伝達ギア155と噛み合うカセットギア301の歯幅が狭く、シートの積載量が少なくなるほど歯幅が広くなるようにしている。
なお、図9の(a)は中板201が下がった状態のとき、すなわちシート積載量が多いときの、図9の(b)は中板201が一番上がった状態のとき、すなわちシートがなくなったときの、カセットギア301と駆動伝達ギア155の関係を示した図である。
そして、このように構成することにより、積載高さ(シート積載量)によって駆動伝達ギア155と噛み合うカセットギア301の噛み合いが解除される位置(以下、噛み合い解除点という)が変わる。即ち、給紙カセット200が装着された状態から噛み合い解除点までの距離は、図9の(a)に示す中板201が下降した状態においてはL3、図9の(b)に示す中板201が一番上まで上昇した状態においてはL4となり、L4>L3としている。このように構成することにより、給紙カセット200が装着完了位置からの引き出しが開始されてから駆動伝達ギア155とカセットギア301との噛み合いが解除されるまでの給紙カセット200の移動距離が異なる。
図10は、給紙カセット200がプリンタ本体100Aから引き出されたときの、カセットギア301と駆動伝達ギア155の噛み合い解除点とガイドピン301bの通る経路を示した概略図である。なお、ガイド154は図10に示すような形状を有している。即ち、給紙カセット200を挿入する際、ガイドピン301bを案内する装着ガイド部である第1ガイド面154aを有している。また、ガイド154は、引き出し方向下流側が引き出し方向上流側よりもシート給送方向下流側に位置するように傾斜し、給紙カセット200の引き出しの際、ガイドピン301bを係合する傾斜ガイド部である第2ガイド面154cを有している。更に、ガイド154は、中板が所定角度上昇した状態の給紙カセット200を引き出す際、ガイドピン301bを第2ガイド面154cに案内する、第2ガイド面側(傾斜ガイド部側)に傾斜した移動ガイド部を構成する第3ガイド面154bを有している。
そして、給紙カセット200を挿入する際、ガイドピン301bは、第1ガイド面154aに沿って矢印eに移動する。そして、シートが順次給送されて中板が上昇すると、既述したようにガイドピン301bの位置はシートの積載高さに依存するので、これに伴ってガイドピン301bは矢印fに示す方向に移動する。なお、図10において、F1方向が中板201が上昇する方向、F2が中板が下降する方向である。
次に、ガイドピンがX1の位置にあるとき、給紙カセット200を引き出すと、ガイドピン301bは、その位置での噛み合い解除点X2まで矢印g方向に、その点における噛み合い解除点までの距離L5だけ移動する。この後、噛み合いが解除されると、中板201は自重及びシートSの重さで下降し、これに伴いガイドピン301bは矢印h方向に移動し、第3ガイド面154bに当接する。
この状態で、給紙カセット200をさらに引き出すと、第3ガイド面154bに当接可能なガイドピン301bは、第3ガイド面154bに沿って矢印i方向に移動し、やがて第2ガイド面154cに沿って矢印j方向に移動し、引き出される。この場合、中板201は一度上昇し、ガイドピン301bが矢印j方向に移動する際にゆっくりと下降していく。
このように、給紙カセット200を引き出すときに、ガイドピン301bが係合して引き出し方向に移動するように第3ガイド面154bを傾斜させなければならない。そして、駆動伝達ギア155とカセットギア301との噛み合いが解除されるまでの給紙カセット200の移動距離を変えることにより、ガイドピン301bが第3ガイド面154bの傾斜面に近い位置から移動して係合することができるようにしている。これにより、ガイドピン301bがどこの位置にあっても確実に且つ小さな衝撃で第3ガイド面154bの傾斜面に係合することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、積載高さに応じて噛み合い解除点を変化させ、ガイド154の形状を噛み合い解除点の軌跡に沿う形状としている。これにより、本実施の形態のようにガイドピン301bの位置が定まらない場合においても、給紙カセット200を引き出すことができると共に、中板201の急激な下降を抑制して衝突音を緩和することができる。
次に、本発明の第4実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態に係る画像形成装置に設けられたシート給送装置の構成を説明する図である。なお、図11において、既述した図9と、同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図11において、351はカセットギア301に設けられた段ギア、352はガイドピン352bを有するラックである。そして、このラック352は、給紙カセット200がプリンタ本体100Aに装着されると、プリンタ本体100A側に配設された駆動伝達ギア155と噛合する。
ここで、本実施の形態において、ラック352は、既述した第3の実施の形態におけるカセットギア301と同様にラック352の移動方向で歯幅を変えている。そして、このような構成にすることで、中板201の昇降に対応するカセットギア301の移動距離Aに対してガイドピン352bの移動距離Bを長く取ることができる。この結果、物理的な制限が緩和でき、ガイドピンの経路を増やす等設計自由度を増やすことが可能となる。