JP2012071056A - 水分計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水分計1は、被検者Mの水分を測定する水分計であって、被検者Mの腋下Rに保持されて、被検者Mの水分量を測定するために腋下Rの水分を測定するためのプローブ式の水分測定部30を有し、被検者Mの腋下Rに保持されて、被検者Mの体温を測定する体温測定部31を有し、水分計1は、本体部10と、プローブ式の水分測定部30と体温測定部31を保持して腋下Rに挟持される測定部の保持部12と、測定された被検者Mの水分量と測定された被検者Mの体温を表示する表示部20を保持する表示部の保持部12を有する。
【選択図】図4
Description
脱水症状を把握する装置としては、両手でハンドルを保持するような装置で人体インピータンスを測定し、そこから水分量を算出するものが知られている(特許文献1〜3を参照)。
また、別の脱水症状を把握する装置として、舌粘膜、頬粘膜あるいは口蓋などの口腔内の水分を測定する口腔水分計等が知られている(特許文献4〜6を参照)。
さらに、皮膚の水分量の計測方法としては、イン・ビトロでの重量法やカール・フィシャー法に始まり、イン・ビボでのATR分光法、更にはより簡便なイン・ビボでの計測法である高周波インピーダンス法や電気伝導度法が一般的に利用されている。
一般的に、体温が上昇すると生体電気インピーダンス値は下降し、体温が下降すると生体電気インピーダンス値は上昇するといったように、体温が変動すると生体電気インピーダンス値、すなわち水分量も変動することが知られている。しかし、従来の水分計では、このように体温の変動により生体電気インピーダンス値が変動することを何ら考慮せずに測定された生体電気インピーダンス値から体水分量を算出するため、正確な体水分量を求めることができず、従って脱水症状を正確に検出することができない。例えば、体水分量が減少し、体温が上昇している場合には、体水分量の減少により生体電気インピーダンス値は上昇するが、体温の上昇により生体電気インピーダンス値は下降するため、測定された生体電気インピーダンス値より算出した体水分量から判定しても、脱水状態は検出されないということも起こり得る。このため、インピータンス法により測定を行う場合、非測定者の体温がどの程度かを知る必要があるが、体温測定によるインピータンス値の補正、または発熱しているため正確な水分量が判定できないなどという警告等は実施されていない。
しかしながら、この文献では、体温は親指により測定しているが、親指での体温測定には無理があり、現実的な手法ではない。
そこで、本発明は、被検者の水分量を簡単に測定することができ、被検者が適正な水分調節を行うための支援手段として有効な水分計を提供することを目的とする。
上記構成によれば、被検者の水分量を簡単に測定することができ、被検者が適正な水分調節を行うための支援手段として有効である。ここで、水分計を用いて、被検者の水分量を適切に測定できる生体の部位として腋下を選んで、被検者の生体の水分量を測定するのは、水分量を腋下Rで測定することが被検者の生体全身の水分状態を反映しているためである。
上記構成によれば、被検者の腋下において被検者の水分量を測定すると同時に被検者の体温をも測定することで、水分量と体温の相関関係を利用して、被検者の状態の判断に用いることができる。
上記構成によれば、被検者が手で持ちやすいあるいは握りやすい形状であり、測定部の保持部は、腋下に挟持された状態で、表示部の保持部は、腋下から前方に突き出すことができ、測定者はこの表示部に表示された水分量と体温を目視により確認できる。
上記構成によれば、複数の水分測定部を用いることで、測定された水分量を平均化して得ることができるとともに、複数の体温測定部を用いることで、測定された体温を平均化して得ることができるので、より正確な水分量と体温を得ることができる。
上記構成によれば、被検者の腋下において光学式で水分量を測定できる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の水分計の好ましい実施形態を被検者が使用している状態を示す図である。図2は、図1に示す水分計の外観の構造例を示す図である。
図2に示す水分計1の部分1Aは、水分計1の正面部分を示し、水分計1の部分1Bは、水分計1の上面部分を示し、水分計1の部分1Cは、部分1Aに示した水分計1を紙面左側から見た側面部分を示し、水分計1の部分1Dは、部分1Aに示した水分計1を紙面右側から見た側面部分である。
本体部10と測定部の保持部11と表示部の保持部12は、例えばプラスチックにより作られており、本体部10の一端は、測定部の保持部11に連続して形成されており、本体部10の他端は、表示部の保持部12に連続して形成されている。
本体部10は、被検者M又は測定者が手で持ちやすいあるいは握りやすい形状に形成されており、例えば本体部10は、外側に緩く湾曲した第1湾曲部分10Bと、内側に大きく湾曲した第2湾曲部分10Cを有しており、第2湾曲部分10Cは第1湾曲部分10Bに比べてより大きく湾曲している。
また、本体部10の中央部10Aの厚さT2は約7mm、測定部の保持部11の最大厚さT1は約9mm程度、そして表示部の保持部12付近の最大厚さT3は約14mm程度となっている。
しかし、水分計1のこれらの寸法は、上述した寸法例に限定されるものではなく、任意に選定できる。
このように、水分計1の測定部の保持部11が腋下Rに保持された状態では、本体部10が、被検者の上体Bの側面部に密着することで水分計1はより確実に被検者の上体B側に保持できる。
例えば、図1に示すように、水分計1を使用する際には、表示部の保持部12は、被検者Mの前方Dに向けてほぼ水平に保持させることができる。測定部の保持部11と表示部の保持部12との間の距離、すなわち本体部10の長さは、被検者Mが測定部の保持部11を腋下Rに挟んだ場合に、表示部の保持部12内の表示部20が、腋下Rの外側の位置(被検者Mの胴体部と上腕Kとにより挟まれない位置)にくるように設定されている。
図2のプローブ式の水分測定部30は、図1に示す被検者の腋下Rにおいて、被検者Mの生体の水分量を測定する部分であり、好ましくは測定部の保持部11の外周部11Dに沿って露出するように配置されている。これにより、水分測定部30は腋下Rの肌面に対して、確実に直接接触させることができる。プローブ式の水分測定部30は、光学式、電気抵抗式、静電容量式、超音波式、絶乾式など様々な原理を用いることができるが、例えば光学式の測定部を採用でき、腋下Rの表面の水分量を光学式により測定するようになっている。水分測定部30の構造例は、後で図4を参照して説明する。
また、図2の体温測定部31は、図1に示す被検者の腋下Rにおいて、被検者Mの生体の体温を測定する部分であり、好ましくは測定部の保持部11の外周部11Dに沿って露出するように配置されている。
体温測定部31は、図1に示す被検者Mの腋下Rに接触することで体温を検知するようになっており、体温測定部31は例えばサーミスタを有するものや、熱電対を有するものを採用できる。例えば、サーミスタにより検出された温度信号は、デジタル信号に変換して出力されるようになっている。このサーミスタは、例えばステンレスの金属キャップにより液密に保護されている。
図3に示す水分計1のブロックでは、本体部10は、制御部40、電源部41、タイマー42、表示部の駆動部43、演算処理部44、ROM(読み出し専用メモリ)45,EEPROM(電気的にプログラム内容を消去および再書き込みすることができるPROM)46,RAM(ランダムアクセスメモリ)47を内蔵している。水分測定部30と体温測定部31は、測定部の保持部11に配置され、表示部20とスピーカ29は、表示部の保持部12に配置されている。
図3の表示部20は、表示部の駆動部43に電気的に接続されており、表示部の駆動部43は、制御部40からの指令により、表示部20には図2に例示するように、カップのような水分示唆マーク23、水分量のデジタル表示24、そして体温のデジタル表示25を表示させるようになっている。
演算処理部44は、ROM45に格納されたプログラムに従った被検者の水分量と体温を予測演算や、スピーカ29への音声データの出力等を行う。
図4は、光学式の水分測定部30の構造例を示している。
図4(A)に示す光学式の水分測定部30は、容器部50と発光部51と受光部52を有しており、容器部50は発光部51と受光部52を収容している。容器部50は、樹脂製の不透明な周囲部分53と、この周囲部分53の開口部55に配置されて光透過性を有する樹脂製の蓋部分54とを有している。これにより、発光部51と受光部52が容器部50により液密になるように封止されているので、容器部50の蓋部分54を腋下の皮膚に密着させて腋下Rの皮膚の水分量を測定する際に、腋下Rの皮膚の水分Wが発光部51と受光部52に付着するのを防止できる。従って、腋下Rの皮膚の水分Wが水分測定の際に水分Wが発光部51と受光部52に付着してしまうという問題が生じない。
このように、光学式の水分測定部30は、発光部51からの光Lを腋下Rの皮膚の水分に照射して、その反射光L1を受光部31により受光して、この受光量の変化により水分量を測定でき、被検者の腋下Rにおいて光学式で水分量を測定できる。
これにより、演算処理部44は、水分測定部30により測定された水分量データP1と、温度測定部31により測定された体温データP2から得られる、被検者の水分量データと体温データの時間変化に基づいて、被検者の水分量と体温を予測演算する
図5に示す被検者Mの生体の水分量と被検者Mの生体の体温との相関関係は、例えば図3のROM45に格納されている。
図5において、水分量が低い場合に、体温が正常値であれば被検者は軽度の脱水症状であり、水分量が正常である場合に、体温が正常であれば被検者は健康状態である。これに対して、水分量が低い場合に、体温が高いと被検者は重度の脱水症状であり、水分量が正常である場合に、体温が高いと被検者は風邪の様な脱水以外の疾患であるといえる。
次に、図6を参照して、図1と図2に示す水分計1が被検者Mの水分量と体温を検出する動作例を説明する。
図6のステップS1では、被検者が図3に示す電源スイッチ10Sをオンして、オン信号を制御部40に送ると、水分計1は測定可能状態になる。ステップS2では、図1に示すように、被測定者Mが水分計1の測定部の保持部11を腋下Rに対して、図2の2つの凸部11Cを用いて挟みこむ。
しかも、測定部の保持部11と表示部の保持部12との間の距離は、被検者Mが測定部の保持部11を腋下Rに挟んだ場合に、表示部20が腋下Rの外側の位置(胴体部と上腕とにより挟まれない位置)にくるので、被検者Mは表示部の保持部12の表示部20の水分量のデジタル表示24と体温のデジタル表示25を容易に目視できる。しかも、被検者Mはスピーカ29が発生する音声ガイダンスを聞き取ることができる。
ステップS4では、演算処理部44は、水分測定部30により測定された水分量データP1と、温度測定部31により測定された体温データP2から得られる、被検者の水分量データと体温データの時間変化に基づいて、被検者の水分量と体温を予測演算する。
ステップS6では、被検者Mが水分計1により測定を終了する場合には、図3の電源スイッチ10Sをオフするが、測定を終了しない場合には、ステップS3に戻って再度ステップS3からS6の処理を繰り返すことになる。
また、被検者Mの水分量を適切に測定できる生体の部位として腋下Rを選んで測定するのは、水分量を腋下Rで測定することは、被検者Mの生体全身の水分状態を反映しているためである。また、一般的に、高齢者の皮膚は乾燥しやすく人によるばらつきが多い。その中でも、腋下Rは他の部位に比べ、外部からの影響が少ないため、測定のばらつきが少なく好適である。高齢者の痩せている人であっても、水分計1の測定部の保持部11は、身体と上腕の間の腋下Rに確実に挟み込んで保持できる。また、被検者が乳幼児であっても、腋下Rであれば測定部の保持部11を容易に挟み込んで確実に保持できるからである。さらには、水分測定部30は腋下Rのなかでも真ん中を確保するような構造を有することで測定精度をより高めている。
図2に例示するように、表示部20に表示された被検者Mの生体の水分量と被検者Mの生体の体温との関係から、水分量が低い場合に、体温が正常値であれば被検者は軽度の脱水症状であり、水分量が正常である場合に、体温が正常であれば被検者は健康状態である。これに対して、水分量が低い場合に、体温が高いと被検者は重度の脱水症状であり、水分量が正常である場合に、体温が高いと被検者は風邪症状であると、例えば医師により大まかな判断することができる。
図示例では、プローブ型の1つの水分測定部30と1つの体温測定部31が、測定部の保持部11に配置されている。
しかし、これに限らず、図7に例示するように、プローブ型の複数の水分測定部30と複数の体温測定部31が、測定部の保持部11に配置されるようにしても良い。これにより、各水分測定部30により得られる水分量を平均化することで、水分量の測定精度をより高めることができるとともに、各体温測定部31より得られる体温を平均化することで、体温の測定精度をより高めることができる。また、水分測定部30と体温測定部31のいずれかが複数個を測定部の保持部11に配置されるようにしても良い。
水分に吸収される特定波長には1.2μm、1.45μm、1.94μm、2.95μm等があるが、どの波長を用いても良い。前記したいずれかの測定光だけでは、測定距離や、検体の色、表面状態等に影響を受け、バラツキが生じてしまう。そのため、参照光として、測定光に隣接した水分に影響しない光を同時に測定することができる。測定光と参照光は、測定距離の変動や色、表面状態にほぼ等しく影響するため、これらの比率を求める事により外乱の影響を除去する事ができるため望ましい。
プローブ型の水分測定部として、光熱分析法を用いた水分測定を採用する場合には、光熱分光法は、分光された光を測定対象物に照射し、測定対象物における光吸収の結果生じた温度変化量を測温素子で検出することにより、測定対象物の水分量を求める。
また、電磁波を用いる場合には、装置が大掛かりになる。
Claims (5)
- 被検者の水分を測定する水分計であって、
前記被検者の腋下に保持されて、前記被検者の水分量を測定するために前記腋下の水分を測定するためのプローブ式の水分測定部を有することを特徴とする水分計。 - 前記被検者の前記腋下に保持されて、前記被検者の体温を測定する体温測定部を有することを特徴とする請求項1に記載の水分計。
- 本体部と、前記本体部の一端に配置され、前記水分測定部と前記体温測定部を保持して前記腋下に挟持される測定部の保持部と、前記本体部の他端に配置され、測定された前記被検者の水分量と測定された前記被検者の体温を表示する表示部を保持する表示部の保持部とを有することを特徴とする請求項2に記載の水分計。
- 複数の前記水分測定部と複数の前記体温測定部が、前記測定部の保持部に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の水分計。
- 前記水分測定部は、発光部からの光を前記腋下の皮膚の水分に照射して、その反射光を受光部で受光して、この受光量の変化により水分量を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水分計。
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