JP2012068781A - 車両の乗務員管理システム、乗務員の管理方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

車両の乗務員管理システム、乗務員の管理方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】点呼作業の際に、被験者が正当な乗務員本人で、且つ、確かに運転業務を行った者であることの確認を迅速且つ確実に行う車両の乗務員管理システムを提供する。
【解決手段】乗務員が運転した車両の挙動特徴を定量化した特徴情報と、その乗務員の運転免許証データとを関連付けて運転者情報DB107に蓄積しておき、点呼時に、管理サーバ10が、被験者の運転車両に搭載されたデータレコーダから挙動特徴の計測結果をメモリカード等を通じて取得するとともに、直近の上記特徴情報を生成する。管理サーバ10は、被験者が所持する運転免許証の情報を読み込み、読み取ったデータをキーとして運転者情報DB107に蓄積されている乗務員の特徴情報と直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上であれば、その被験者が正当な乗務員であって、確かに運転業務を行った本人であることを表す認証データを出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗務員管理システムに係り、特に、点呼時における運転者のなりすまし行為を効率的に防止するための認証技術に関する。
貨物自動車運送事業輸送安全規則によると、運送事業者は、車両の乗務員に対して点呼を行う必要がある。ここにいう「点呼」は、運転業務を開始する乗務員や運転業務を終了した乗務員が確かに車両を運転した乗務員「本人」であることを認証する作業であり、乗務員の体調確認の他、乗務員が運転免許証を所持しているか、飲酒はしていないか等についても確認することが、目的の一つとなっている。
点呼は、特定の時間帯に多くの被験者(乗務員)が集中することがあり、順番を待つ被験者にストレスを与えたり、認証する側も注意が行き届かない場合がある。そのため、故意に乗務員本人になり代って第三者が認証を受けるなりすまし行為が発生したり、本来であれば運転業務が禁止されるべき乗務員が運転業務を行ったり、運転業務そのものを第三者が行ったりする事態を検知できない可能性があった。
このような、なりすまし行為を防止するために、例えば、特許文献1に開示されたシステムは、被験者が呼気のアルコール濃度測定を行う際に、アルコールガスセンサーによる濃度測定の最中にデジタルカメラによって被験者の顔写真を撮影し記憶する。これにより、なりすまし行為の発生それ事態を抑制している。
また、特許文献2に開示された装置は、アルコール濃度を測定しているときに撮影された被験者の顔の画像と、測定前または測定後の所定の時間内に撮影された車両の運転者の顔の画像とに基づいて、被験者とその運転者との照合を行う。このようにして、運転者と異なる人物がアルコール濃度の測定を行うなりすまし行為を防止している。
特開2004−212217号公報 特開2009−160988号公報
特許文献1、2に開示されているシステムや装置では、アルコール検査の際にはなりすまし行為を防ぐことはできるが、乗務員が確かに運転業務に従事したことまでは把握できず、乗務員管理を適切に行うことができないという問題があった。このような問題は、乗務員の労働時間管理の観点からも改善が求められていた。
本発明は、上記の問題を解消し、被験者が正当な乗務員で、且つ、確かに運転業務を行った乗務員本人であるという認証を容易にし、これにより、労働時間管理も適正なものとすることができる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、車両の乗務員管理システム、乗務員管理方法及びコンピュータプログラムを提供する。
本発明の乗務員管理システムは、乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴、停止時の挙動特徴、右折時の挙動特徴、左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて蓄積した運転者情報DB(DBはデータベースの略、以下同じ)と、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するデータ管理手段と、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報を特定するとともに、特定した特徴情報と前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する本人認証手段と、を備えて成る。
ある実施の態様では、前記データ管理手段は、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両の位置データを時系列に計測した結果と関連付けて計測された当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するものであり、前記乗務員が運転する車両の移動ルートを含む所定の区域を指定する区域指定部をさらに備え、前記本人認証手段は、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられ、且つ、前記位置データが当該指定された区域に含まれる特徴情報を特定し、当該特定した特徴情報と前記位置データが当該指定された区域に含まれる前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いの判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力することを特徴とする。これにより、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報と位置データが指定された区域に含まれる直近の特徴情報とで相関度合いを判別するようにしたので、認証処理に使用されるデータ量が軽減でき、当該処理にかかる時間も軽減することができる。また、乗務員個々の特徴情報の違いが顕れやすい、例えば、一時停止すべき場所が連続し比較的短い間隔で発進と停止が繰り返されるような区域や、右折又は左折しながら発進と停止が繰り返されるような場所を含む区域を指定することで認証の精度をより高めることができる。
ある実施の態様では、前記乗務員の識別データは、当該乗務員の運転免許証データとも関連付けられて前記運転者情報DBに蓄積されており、前記被験者が提示した運転免許証に記されている運転免許証データを取り込む運転免許証データ取込手段をさらに備え、前記本人認証手段は、取り込まれた運転免許証データをキーとして前記運転者情報DBに蓄積されている乗務員の識別データと、当該識別データに関連付けられた特徴情報とを特定することを特徴とする。これにより、被験者が提示した運転免許証に記されている運転免許証データをキーとして運転者情報DBに蓄積されている運転者情報、特に乗務員の特徴情報を特定するので、乗務員本人の特徴情報が運転者情報DBに存在するかどうかの判別が迅速且つ確実なものとなる。これにより、手入力等による場合に比べて、一人の被験者についての点呼の所要時間を短縮することができる。
ある実施の態様では、前記データレコーダに、例えば、車両の挙動の中から前記各挙動特徴を検出するための条件データが、運転者による変更が制限される形態で存在しており、前記データレコーダは、前記条件データに基づいて計測された挙動特徴の計測結果を当該車両の運転者に秘匿した形態で、前記データ伝達媒体へ出力する。これにより、運転者による特徴情報の不正調整を防止できるので、認証の精度を高めることができる。
前記データ伝達媒体は、例えば、前記データレコーダに離脱自在に装着される可搬性メモリ媒体であり、前記乗務員の識別データと、前記条件データと、前記計測結果又は直近の特徴情報が記録されるものである。
本発明の他の実施態様では、前記可搬性メモリ媒体に記録されている情報を読み込む媒体アクセス手段をさらに備えており、前記本人認証手段は、前記媒体アクセス手段を通じて前記可搬性メモリ媒体から読み込んだ乗務員の識別データをキーとして前記運転者情報DBに蓄積されている当該乗務員用の特徴情報を特定する。これにより、乗務員の識別データを手入力する場合に比べ一人の被験者にかかる所要時間が短縮でき、仮に運転免許証からのデータ取込に失敗した場合であっても、可搬性メモリから読み込んだ識別データによって乗務員用の特徴情報を特定することができるので、運転免許証データの取込の際にトラブルが発生したとしても、認証のために余分な時間を費やすことがなくなる。
前記本人認証手段による認証精度を高める観点からは、前記運転者情報DBより特定した特徴情報と前記直近の特徴情報とが、それぞれ、前記発進又は後退時の挙動特徴、前記停止時の挙動特徴、前記右折時の挙動特徴、前記左折時の挙動特徴の組み合わせを定量化したものであり、前記相関の程度が所定の基準値に満たない挙動特徴がある場合は、他の挙動特徴による相関の程度を判別するように構成される。
本発明の乗務員管理システムは、本人認証の際に用いた情報を活用して乗務員管理を適切に行う構成にすることができる。すなわち、乗務員の規定労働条件を蓄積した規定労働情報DBと、乗務員の労働実績情報を蓄積するための勤務情報DBと、前記本人認証手段により正当な乗務員であると判定された乗務員について、当該認証処理に際して入力又は取り込まれた情報を用いて前記労働実績情報を生成し、生成した労働実績情報を前記勤務情報DBに蓄積するとともに、前記規定労働情報DBに蓄積されている規定労働条件との適合性を判定する労働管理手段と、をさらに備えたものとする。
本発明が提供する乗務員の管理方法は、記憶装置と制御手段とを有する乗務員管理システムにより実行される方法であって、以下の段階を有することを特徴とする。
(1)前記制御手段が、乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴,停止時の挙動特徴,右折時の挙動特徴,左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて乗務員毎に前記記憶装置へ蓄積する段階、
(2)前記制御手段が、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成する段階、
(3)前記制御手段が、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報とを特定するとともに、特定した特徴情報と前記直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する段階。
本発明が提供するコンピュータプログラムは、記憶装置を有するコンピュータ装置を車両の乗務員管理システムとして動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶装置に、乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴,停止時の挙動特徴,右折時の挙動特徴,左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて蓄積した運転者情報DBを構築するとともに、前記コンピュータ装置を、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するデータ管理手段、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報とを特定するとともに、特定した特徴情報と前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する本人認証手段、として機能させる、コンピュータプログラムである。
本発明によれば、特定した特徴情報と直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力するようにしたので、仮になりすまし行為があったとしても、その発見が容易となる。
これにより、被験者が正当な乗務員で、且つ、確かに運転業務を行った乗務員本人であるという認証を容易し、これにより、労働時間管理も適正なものとすることができる。
第1実施形態による乗務員管理システム全体構成図。 運転者情報DBの内容説明図。 車両情報DBの内容説明図。 発進の際の特徴情報であって、(a)は乗務員が運転した車両が発進してから5秒後までの経過時間に対する速度の変化量、(b)は発進後5秒経過までの平均加速度の変化量と相関値、(c)は発進後5秒経過までの標準偏差の変化量と相関値を示す。 右折(又は左折)の際の特徴情報であって、(a)は、方位角度の計測結果、(b)は区間毎の最大角速度と最小角速度を示す。 右折(又は左折)の際の特徴情報であって、(a)は右折(又は左折)後の各区間の平均方位角変化量の基準特徴情報と当日特徴情報との相関値、(b)は右折(又は左折)後の各区間の最大角速度の基準特徴情報と当日特徴情報との相関値、(c)は右折(又は左折)後の各区間の最小角速度の基準特徴情報と当日特徴情報との相関値を示す。 停止の際の特徴情報であって、(a)は停止までの5秒前から経過時間に対する速度の変化、(b)は停止5秒前から停止までの1秒毎の各区間の平均速度の基準特徴情報と当日特徴情報との相関値、(c)は各区間の標準偏差の基準特徴情報と当日特徴情報との相関値を示す。 第1実施形態における運用画面。 第1実施形態の全体処理手順説明図。 第1実施形態の部分処理手順説明図。 第1実施形態の部分処理手順説明図。 第1実施形態のエラー情報出力画面。 第2実施形態による乗務員管理システムの全体構成図。 規定労働情報DBの内容説明図。 勤務情報DB110の内容説明図。 労働時間管理のための運用画面。 第2実施形態における労働時間管理の手順説明図。 (a)〜(c)はエラー情報画面の例示。 第3実施形態による乗務員管理システムの全体構成図。 区域別基準特徴情報DBの内容説明図。 所定の区域を指定するための運用画面例。 所定の区域を指定するための運用画面の別例。 第3実施形態における所定の区域を指定するための手順説明図。
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して詳細に説明する。
=第1実施形態=
この実施形態では、運転業務における出庫点呼(乗務前点呼)及び帰庫点呼(乗務後点呼)の際に、被験者が乗務員(運転者)本人であること、飲酒をしていないこと、運転免許証を所持していること、及び、被験者が確かに車両の運転を行った者であることを認証する乗務員管理システムとして実施する場合の例を説明する。
<全体構成>
図1は、本発明を適用した乗務員管理システムの全体構成例を示す図であり、主として特徴的な部分を掲示してある。この乗務員管理システム1は、インターネット等のデジタルネットワークNに接続された管理サーバ10を含んで構成される。
デジタルネットワークNには、例えば運転業務を管理する事業所等に設置されるパーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)20、車両の運行中に乗務員の運転操作状況を記録する通信機能付のデータレコーダ(以下、「DR」とする)30のほか、図示しない携帯電話等の情報端末も適宜接続され、それぞれ管理サーバ10とアクセスできるようになっている。
<データレコーダ>
DR30は、乗務員の運転操作内容に応じて顕れる車両の挙動のうち、所定の条件データに適合する特徴(発進(後退を含む)、停止、旋回等)を計測するための車速パルス取込機構、角速度センサ、加速度センサ等の各種センサと、各種センサによる計測結果をメモリカードに更新自在に記録する記録機構と、可搬性メモリ媒体の一例となるメモリカードを離脱自在に保持するカード保持機構と、デジタルネットワークNを通じて管理サーバ10と通信を行う通信機構とを備えている。DR30はGPS(グローバル・ポジショニング・システム:全地球測位システム)を備えており、乗務員が運転する車両の位置データを時系列に計測した結果を前記所定の条件データに適合する特徴の計測結果と関連付けて記録することもできる。
メモリカードには、それが装着されるDR30を一意に識別するための個体情報、車両の運行日、乗務員が運転する車両を特定するための車体番号、乗務員を識別するための社員ID及び社員名のほか、乗務員別の上記条件データも記録されており、これにより、運行日における上記の計測結果が、当該乗務員固有のものとして記録できるようになっている。
メモリカードに記録される条件データは、乗務員による変更が制限されるものである。データレコーダの記録機構は、この条件データに基づく挙動特徴の計測結果を乗務員に秘匿した形態でメモリカードへ出力する。「秘匿した形態」とは、乗務員の指示に基づかないで自動的に出力されることをいう。
なお、挙動特徴を計測して記録するだけのDR30の場合は、必要に応じて、最後に運転したときの特徴情報(直近の特徴情報)が記録されるように、例えばメモリ領域を確保しておくことができる。特徴情報そのものが内部で生成されて記録されるDR30の場合は、運行日における計測結果に代えて、当該運行日の特徴情報がメモリカードへ記録されることになる。
本発明の実施に際しては、通信機構の無いDRであっても良い。この場合は、PC20あるいは上記の情報端末を通じてメモリカードの記録情報を管理サーバ10へ伝達させる。メモリカードに代えて、USBメモリ、ポータブルハードディスク等の可搬性記憶媒体を通じて、管理サーバ10に読み取らせるようにすることもできる。
<管理サーバ>
管理サーバ10は、例えばハードディスクのような外部記憶装置を備えたサーバ本体を有し、このサーバ本体とコンピュータプログラムとの協働により実現される。すなわち、サーバ本体が、本発明のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、そのサーバ本体を、本体内の動作制御を統括する主制御部100、PC20やDR30等との双方向通信を可能にするとともに通信相手が閲覧可能な運用画面(階層ページ画面の一つ)を提供するデータ通信用インターフェイス101、運転者情報を特定する運転者情報特定部102、認証を受けようとする乗務員(被験者)が確かに車両の運転業務を行った正当な乗務員本人かどうかの認証を行う本人確認部103、乗務員が運転した車両の挙動特徴に関するデータを管理するデータ管理部104、管理サーバ10に接続される周辺装置との間で受け渡される情報の入出力を制御する入出力制御部105、及び、運転者情報を設定する運転者情報設定ツール106として動作させ、さらに、記憶装置に運転者情報DB(DBはデータベースの略、以下同じ)107及び車両情報DB108を構築する。
車両の挙動特徴に関するデータのうち、重要なのは、乗務員毎の運転操作特徴を定量化した特徴情報である。特徴情報は、車両の発進(又は後退)の際の挙動特徴、右折の際の挙動特徴、左折の際の挙動特徴、車両の停止の際の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを乗務員毎に定量化した電子情報であって、DR30による計測結果に基づいて生成され、当該乗務員に固有のものとして、運転者情報DB107に蓄積される。
特徴情報には、予め生成して蓄積され、認証時に参照されるものと、認証時に生成されるものとがある。本明細書では、前者を「基準特徴情報」、後者を「当日特徴情報」と呼ぶ。また、それぞれの特徴情報には、「発進(又は後退)の際の特徴情報」、「右折の際の特徴情報」、「左折の際の特徴情報」及び「停止の際の特徴情報」の4種類がある。当日特徴情報及び基準特徴情報の生成過程については、後で詳しく説明する。
入出力制御部105に接続される周辺装置としては、例えばキーボードやポインティングディバイス等の入力装置40、ディスプレイやプリンタ等の出力装置50、運転免許証リーダ60、運転者撮影用カメラ70、記憶媒体アクセス装置80、アルコールチェッカー90である。
運転免許証リーダ60は、例えば被験者が所持する運転免許証の表面に記載された文字、数字、記号、画像の内容を認識し、これを運転免許証データとして管理サーバ10へ伝達する。運転者撮影用カメラ70は、被験者の顔や表情を撮影し、撮影結果を管理サーバ10へ伝達する。記憶媒体アクセス装置80は、DR30による計測結果又は生成された特徴情報が記録されたメモリカードの記録内容を読み取り、読み取った記録内容を管理サーバ10へ伝達する。アルコールチェッカー90は、被験者のアルコール検査を行い、検査結果を管理サーバ10へ伝達する。これらの周辺装置自体は、公知のものを使用することができる。
次に、運転者情報DB107及び車両情報DB108の内容例、並びに、管理サーバ10において扱う各種情報の種類について、詳細に説明する。
運転者情報DB107には、上述した特徴情報を、例えば運転者情報設定ツール106により設定される車両の識別データ及び乗務員の識別データ、並びに運転免許証データと関連付けて、乗務員毎に蓄積される。相互に関連付けられたフィールドに蓄積されているこれらの情報が、運転者情報として扱われる。この運転者情報DB107の内容例を図2に示す。
図2において、「ID」は相互に関連付けされた運転者情報フィールドを一意に識別するための識別データである。運転者情報フィールド中、「社員ID」は乗務員識別データであり、「運転者名」、「生年月日」、「運転免許証番号」、「有効期限」、「種類」は、それぞれ運転免許証リーダ60によって取り込まれた運転免許証データの一部であり、「画像No」は、運転免許証リーダ60又は運転者撮影用カメラ70から取り込まれた顔画像のリンク情報である。
「天候」は、運転操作の特徴が天候の状況によって大きな影響をうけることに鑑み、特徴情報同士を比較する際の一方の特徴情報の重み付けを天候の状況にあわせて変更できるようにするためのフラグである。例えば、天候「0」の場合は通常時の重み付け、天候「1」の場合は雨天時の重み付けで、特徴情報の一方を調整する。「天候」に代えて、「渋滞」や「四季」、「地域」等も、同様の重み付けを表すフラグとして使用することもできる。「車体番号」は車両の識別データであるが、上記のフラグの他の例として使用することもできる。
同じ運転者情報フィールドにおいて、「発進・基準特徴情報」は発進(又は後退)の際の基準特徴情報であり、「平均値1」・・・「平均値n」は車両が発進(後退を含む)した際のn秒毎の平均加速度、「標準偏差1」・・・「標準偏差n」は、n秒毎の標準偏差を表す。「右折・基準特徴情報」は右折の際の基準特徴情報であり、「平均値1」・・・「平均値n」は車両が右折する際のn秒毎の平均方位角度変化量、「標準偏差(最大)1」・・・「標準偏差(最大)n」はn秒毎の最大角速度平均値、「標準偏差(最小)1」・・・「標準偏差(最小)n」は、n秒毎の最小角速度平均値を表す。「左折・基準特徴情報」は左折の際の基準特徴情報であり、その内容は、「右折・基準特徴情報」と同様である。「停止・基準特徴情報」は停止の際の基準特徴情報であり、「平均値1」・・・「平均値n」は車両が停止する際のn秒毎の平均加速度、「標準偏差1」・・・「標準偏差n」は、n秒毎の標準偏差を表す。
車両情報DB108に蓄積される車両情報の内容例を図3に示す。図中、「記録装置No」はDR30の個体情報、「車体番号」はDR30を搭載した車両を特定するためのデータ、「車両番号」は当該車両のナンバー、「車種」は大型や普通等の車両の種別、「登録年月日」は当該車両の登録年月日を示すデータである。車両情報の各項目は、IDによって相互に関連付けられている。また、運転者情報DB107の運転者情報フィールドとも関連付けられている。
<特徴情報の生成及び認証>
特徴情報は、基準特徴情報、当日特徴情報を問わず、DR30で計測され、条件データに適合するとして記録された計測結果をもとに、管理サーバ10のデータ管理部104が作成する場合と、DR30内で生成した後に、データ管理部104へ伝達される場合とがある。ここでは、前者の例を説明する。
[発進(又は後退)の際の特徴情報]
発進(又は後退)の際の操作特徴は、動き始めた状態(発進)から約5秒間の加速度に顕著に現れる。図4(a)のグラフA1は、乗務員が運転した車両が発進してから5秒後までの経過時間に対する速度の変化量を示す。縦軸の「V0」、「V1」、「V2」、「V3」、「V4」、「V5」は、横軸に示される経過時間に対応する車両の速度である。車両の加速度は、この速度の変化から求めることができる。例えば、発進してからn秒後の加速度「ACCn」は式1で求められる。
[数1]
ACCn=(Vn−Vn-1)/(n−(n-1))・・・(式1)
データ管理部104は、発進を検出する度に、加速度「ACCn」を算出し、これらをn秒後の速度「Vn」と共に保持しておく。DR30のセンサ部に含まれる加速度計からのデータ取込が可能な場合は、速度からの演算ではなく、直ちに加速度を得ることができる。そして、1日の運転業務中、複数回発生した発進の際のn秒間の加速度を平均して平均加速度「AvrAn」を算出する。また、n秒間の加速度を基に標準偏差「σAn」を算出する。算出された「AvrAn」及び「σAn」が、発進の際の当日分特徴情報となる。以後、この当日分特徴情報を、「発進・当日特徴情報」と呼ぶ。
さらに、「AvrAn」及び「σAn」をそれぞれ一定期間、例えば1ヶ月間にわたって集計することにより平均加速度「STAvrAn」及び平均標準偏差「STσAn」を算出する。この「STAvrAn」及び「STσAn」が、図2において示した「発進・基準特徴情報」である。
本実施形態では、本人確認部103において、発進・基準特徴情報(「STAvrAn」,「STσAn」)と、発進・当日特徴情報(「AvrAn」,「σAn」)との相関を判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に、両特徴情報の相関がとれたとして、その乗務員が運転業務を行った運転者本人であることを表す認証データを生成する。相関の程度が基準値に満たない場合は、非認証データを生成する。
相関の程度を定量化する手法としては、相関関数を用いた演算、パターン同士の類似度判別(グラフにより表示される面積の比較)等、種々の手法があり、相関がとれたと判定する際の基準値も手法によって異なる。
本実施形態では、簡便な相関判別法として、「STAvrAn」と「AvrAn」との差分値に対する「STAvrAn」の比率(=「EAn」(%))、及び、「STσAn」と「σAn」との差分値に対する「STσAn」の比率(=「Eσn」(%))をそれぞれ相関値とし、この相関値が予め設定した誤差範囲未満かどうかで相関がとれるかどうかを判別する。例えば、相関値「EAn」が誤差範囲(±e1(%))未満で、且つ、相関値「Eσn」も誤差範囲(±e2(%))未満となる場合に、相関がとれたと判定する。
誤差範囲(±e1,±e2)未満かどうかは、挙動開始後、n秒間を1秒毎に区切った区間毎に判断する。例えば 図4(b)のグラフA2は、発進(後退)後5秒経過までの各区間の「STAvrAn」と「AvrAn」との相関値「EA1」、「EA2」、「EA3」、「EA4」、「EA5」を例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「EA1」、「EA2」、「EA3」、「EA4」、「EA5」のそれぞれが誤差範囲「±e1」(%)未満である必要がある。同様に、図4(c)のグラフA3は、発進(後退)後5秒経過までの各区間の「STσAn」と「σAn」との相関値「Eσ1」、「Eσ2」、「Eσ3」、「Eσ4」、「Eσ5」を例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「Eσ1」、「Eσ2」、「Eσ3」、「Eσ4」、「Eσ5」のそれぞれが、誤差範囲「±e2」(%)未満である必要がある。
[右折(又は左折)の際の特徴情報]
車両が右折(又は左折)の挙動を開始すると、DR30が備える角速度計が角速度信号を検出する。この角速度信号を挙動開始からn秒間にわたって積分することで、方位角度「ψn」が求められる。このとき、この方位角度「ψn」の絶対値が所定の角度(ψs)以上変化したかどうかを判別することにより、右折(又は左折)した状態を検出することができる。また、方位角度の方向(時計回りを正)によって、右折か左折かを判別することができる。例えば、ψn>0であれば右折、ψn<0であれば左折となる。
右折(又は左折)の挙動は、経過時間毎の方位角度、その変化量、角速度、及びその標準偏差によって特徴付けられる。例えば方位角度とその変化量、角速度が大きいのは、急ハンドルの操作が行われた結果であり、標準偏差がそのようになっていることは、乗務員に急ハンドルの操作傾向があることを表している。本実施形態では、右折(又は左折)を検出した後5秒経過までの各区間の上記計測結果をもとに、挙動特徴を特定する。
図5(a)のグラフB1は、方位角度「ψn」の計測結果を例示したものであり、縦軸の「ψ0」、「ψ1」、「ψ2」、「ψ3」、「ψ4」、「ψ5」は、それぞれ横軸に示される、右折(又は左折)を検出した後、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒経過したときの方位角度である。n秒後の角度変化量「Δψn」は、式2で求められる。
[数2]
Δψn=ψn−ψn-1・・・(式2)
図5(a)の例では、5つの角度変化量「Δψ1」、「Δψ2」、「Δψ3」、「Δψ4」、「Δψ5」が得られる。データ管理部104は、右折(又は左折)を検出する度に、これらの角度変化量とn秒後の方位角度「ψn」の絶対値を保持する。
図5(b)のグラフB2は、区間毎の最大角速度「rmax_n」と最小角速度「rmin_n」を例示している。このグラフB2では、1秒毎に5秒後までの各区間の最大角速度を「rmax_1」、「rmax_2」、「rmax_3」、「rmax_4」、「rmax_5」とし、最小角速度を「rmin_1」、「rmin_2」、「rmin_3」、「rmin_4」、「rmin_5」としている。データ管理部104は、右折(又は左折)を検出する度に、そこから5秒間の最大角速度と最小角速度を1秒毎に検出し、保持する。
データ管理部104は、その後、1日の運転業務中、複数回発生した右折(又は左折)の際に顕れたn秒間の角度変化量「Δψn」、最大角速度「rmax_n」、最小角速度「rmin_n」をそれぞれ平均して、平均方位角度変化量「Avrψn」、最大角速度平均値「Avrrmax_n」、最小角速度平均値「Avrrmin_n」を算出する。同様に、n秒毎の平均方位角度標準偏差「σψn」、n秒毎の最大角速度平均値標準偏差「σrmax_n」、n秒毎の最小角速度平均値標準偏差「σrmin_n」も算出する。
算出された「Avrψn」、「Avrrmax_n」、「Avrrmin_n」、「σψn」、「σrmax_n」、「σrmin_n」が、右折(又は左折)の際の当日分の特徴情報となる。以下、このような特徴情報を「右折・当日特徴情報」又は「左折・当日特徴情報」と呼ぶ。
また、「Avrψn」、「Avrrmax_n」、「Avrrmin_n」、「σψn」、「σrmax_n」、「σrmin_n」をそれぞれ一定期間、例えば1ヶ月間集計することにより、n秒毎の平均方位角度変化量「STAvrψn」、n秒毎の最大角速度平均値「STAvrrmax_n」、n秒毎の最小角速度平均値「STAvrrmin_n」、n秒毎の平均方位角度標準偏差「STσψn」、n秒毎の最大角速度平均値標準偏差「STσrmax_n」、n秒毎の最小角速度平均値標準偏差「STσrmin_n」を算出する。これらの特徴情報が、図2において説明した「右折・基準特徴情報」又は「左折・基準特徴情報」である。
本人認証部103は、右折(又は左折)・基準特徴情報である「STAvrψn」、「STAvrrmax_n」、「STAvrrmin_n」、「STσψn」、「STσrmax_n」、「STσrmin_n」と、右折(又は左折)・当日特徴情報である「Avrψn」、「Avrrmax_n」、「Avrrmin_n」、「σψn」、「σrmax_n」、「σrmin_n」との相関を判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に、相関がとれたとして、認証データを生成する。
例えば、発進の際の特徴情報と同様の相関判別手法で、「STAvrψn」と「Avrψn」との差分値に対する「STAvrψn」の比率(=「Eψn」(%))、「STσrmax_n」と「σrmax_n」との差分値に対する「STσrmax_n」の比率(=「Eσrmax_n」(%))、「STσrmin_n」と「σrmin_n」との差分値に対する「STσrmin_n」の比率(=「Eσrmin_n」(%))を、それぞれ相関値とする。そして、相関値「Eψn」が誤差範囲(±e1(%))未満、相関値「Eσrmax_n」が誤差範囲(±e2(%))未満、相関値「Eσrmin_n」が誤差範囲(±e3(%))未満となる場合に、相関がとれたと判定する。
誤差範囲(±e1,±e2,±e3)未満かどうかは、挙動開始後、n秒間を1秒毎に区切った区間毎に判断する。例えば図6(a)のグラフB3は、1秒毎に5秒後までの各区間の右折(又は左折)・基準特徴情報である「STAvrψn」と、右折(又は左折)・当日特徴情報である「Avrψn」との相関値「Eψ1」、「Eψ2」、「Eψ3」、「Eψ4」、「Eψ5」を区間毎に例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「Eψ1」、「Eψ2」、「Eψ3」、「Eψ4」、「Eψ5」のそれぞれが誤差範囲「±e1」(%)未満である必要がある。
同様に、図6(b)のグラフB4は、1秒毎に5秒後までの各区間の右折(又は左折)・基準特徴情報である「STσrmax_n」と、右折(又は左折)・当日特徴情報である「σrmax_n」との相関値「Eσrmax_1」、「Eσrmax_2」、「Eσrmax_3」、「Eσrmax_4」、「Eσrmax_5」を区間毎に例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「Eσrmax_1」、「Eσrmax_2」、「Eσrmax_3」、「Eσrmax_4」、「Eσrmax_5」のそれぞれが誤差範囲「±e2」(%)未満である必要がある。
同様に、図6(c)のグラフB5は、1秒毎に5秒後までの各区間の右折(又は左折)・基準特徴情報である「STσrmin_n」と、右折(又は左折)・当日特徴情報である「σrmin_n」との相関値「Eσrmin_1」、「Eσrmin_2」、「Eσrmin_3」、「Eσrmin_4」、「Eσrmin_5」を区間毎に例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「Eσrmin_1」、「Eσrmin_2」、「Eσrmin_3」、「Eσrmin_4」、「Eσrmin_5」のそれぞれが誤差範囲「±e3」(%)未満である必要がある。
[停止の際の特徴情報]
停止の際の操作特徴は、停止に至るまでの約5秒間の加速度に顕著に顕れる。
図7(a)のグラフC1は、乗務員が運転した車両が停止するまでの5秒前から経過時間に対する速度(m/s)の変化を例示している。縦軸に示す「V0」、「V1」、「V2」、「V3」、「V4」、「V5」は、横軸に示すそれぞれの経過時間に対応するDR30により計測された車両の速度であり、加速度は、この速度の変化から求めることができる。例えば停止前n秒前の加速度「ACCn」は式3で求められる。
[数3]
ACCn=(Vn−Vn-1)/(n−(n-1))・・・(式3)
データ管理104は、停止を検出する度に、その5秒前から停止に至るまでの1秒毎の区間の加速度「ACC1」、「ACC2」、「ACC3」、「ACC4」、「ACC5」を算出し、n秒前の速度「Vn」と共に保持しておく。そして、1日の運転業務中、複数回発生した停止の際のn秒間の加速度を平均して平均加速度「AvrAn」を算出する。また、n秒間の加速度を基に標準偏差「σAn」を算出する。算出された「AvrAn」及び「σAn」が、停止の際の当日分の特徴情報となる。以後、この当日分特徴情報を「停止・当日特徴情報」と呼ぶ。
さらに、「AvrAn」及び「σAn」をそれぞれ一定期間、例えば1ヶ月間にわたって集計することにより平均加速度「STAvrAn」及び標準偏差「STσAn」を算出する。この「STAvrAn」及び「STσAn」が、図2において説明した「停止・基準特徴情報」である。
本人認証部103は、停止・基準特徴情報である「STAvrAn」、「STσAn」と、停止・当日特徴情報である「AvrAn」、「σAn」との相関を判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に、相関がとれたとして、認証データを生成する。
例えば、発進の際の特徴情報と同様の相関手法で、「STAvrAn」と「Avrψn」との差分値に対する「STAvrAn」の比率(=「EAn」(%))、「STσAn」と「σAn」との差分値に対する「STσAn」の比率(=Eσn(%))を、それぞれ相関値とする。そして、相関値「EAn」が誤差範囲(±e1(%))未満で、相関値「Eσn」が誤差範囲(±e2(%))未満となる場合に、相関がとれたと判定する。
誤差範囲(±e1,±e2)未満かどうかは、n秒間を1秒毎に区切った区間毎に判断する。例えば 図7(b)のグラフC2は、停止5秒前から停止までの1秒毎の各区間の停止・基準特徴情報である「STAvrAn」と停止・当日特徴情報である「AvrAn」との相関値「EA1」、「EA2」、「EA3」、「EA4」、「EA5」を例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「EA1」、「EA2」、「EA3」、「EA4」、「EA5」のそれぞれが誤差範囲「±e1」(%)未満である必要がある。同様に、図7(c)のグラフC3は、停止5秒前から停止までの1秒毎の各区間の停止・特徴情報である「STσAn」と停止・当日特徴情報である「σAn」との相関値「Eσ1」、「Eσ2」、「Eσ3」、「Eσ4」、「Eσ5」を例示するが、相関がとれたと判定するには、原則として、「Eσ1」、「Eσ2」、「Eσ3」、「Eσ4」、「Eσ5」のそれぞれが、誤差範囲「±e2」(%)未満である必要がある。
本例では、各特徴情報それぞれについて、誤差範囲未満かどうかをn秒間を1秒毎に区切った区間毎に判断するとして説明してきたが、この値は任意に設定することもできる。例えば、挙動開始後、5秒間を0.5秒毎に区切った区間毎に判断するなどである。
なお、データ管理部104は、メモリカードに計測結果しか記録されていない場合は、生成した当日特徴情報をそのメモリカードに記録しておく。これにより、次回の出庫点呼時の本人認証に、この当日特徴情報を(直近の特徴情報として)用いて特徴情報照合処理を行うことができる。
<運用画面>
管理サーバ10は、階層ページ画面の1つとして、認証(検査)時に、種々の情報の入力領域、表示領域、ボタン画像を有する運用画面を用意している。このような運用画面の一例を図8に示す。図示される運用画面200は、入出力制御部105が、入力装置40からの要求に応じて、出力装置50に表示させる。運用画面200の左上の「運行日」領域201は車両を運転した日付、「社員ID」領域203は社員ID、「社員名」領域204は社員名が表示される。それぞれ入力装置40を通じて受け付けても良いが、本例では、「メディアから読込」ボタン202のクリックを契機に、DR30から取り外したメモリカードに記録されているこれらのデータを読み取って自動的に表示されるようにする。
「免許証読取」ボタン205は、運転者が所持する運転免許証に記載された内容を運転免許証リーダ60に読み取らせ、認識させるための指示ボタンである。運転免許証リーダ60により読み取られた運転免許証データは、図8中段の「免許証情報:氏名」領域206、「免許証情報:有効期限」領域207、「免許証情報:番号」領域208、「免許証情報:車種」領域209に自動的に表示される。
「チェック開始」ボタン210は、アルコールチェッカー90に被験者のアルコール検査を開始させるための指示ボタンである。アルコール検査の結果は、「判定」領域211に表示される。
「個体情報読込」ボタン212は、DR30の個体情報をメモリカードから読み取らせるための指示ボタンである。個体情報の読み取りを契機に、運転者情報特定部102は、個体情報に関連付けられた車両情報を車両情報DB108から読み出し、「車両番号」領域213、「車種」領域214にそれぞれ自動的に表示させる。
「発進・基準特徴情報」選択領域215、「右折・基準特徴情報」選択ボタン216、「左折・基準特徴情報」選択ボタン217、「停止・基準特徴情報」選択ボタン218は、被験者による車両の挙動特徴を最も良く表す基準特徴情報を選択的に指示するためのボタン画像である。発進・基準特徴情報だけで足りる場合は、「発進・基準特徴情報」選択領域215のみにフラグを立てるが、右折・基準特徴情報、左折・基準特徴情報、停止・基準特徴情報をも考慮したい場合は、他の選択領域216〜218にもフラグを立てることになる。図示の例では、発進・基準特徴情報だけが選択されている。
「認証開始」ボタン219は、管理サーバ10(主制御部100)に認証処理の実行を開始させるための指示ボタンである。認証結果は、「認証判定結果」領域220に表示される。「OK」ボタン221は、入力された情報の確定するための指示ボタンであり、「キャンセル」ボタン222は、入力された情報を破棄するための指示ボタンである。
<運用形態例>
次に、上記のように構成される乗務員管理システム1の運用形態例を説明する。
この乗務員管理システム1は、乗務前に行う出庫点呼及び乗務後に行う帰庫点呼の際の、被験者の本人認証に用いることができる。ここでは、被験者が、本人用のメモリカードと運転免許証とを所持して乗務員管理システム1の設置部位に赴き、オペレータの指示のもとで認証に臨むものとする。常にそのようにしなければならない訳ではないが、各種指示の入力等は、オペレータがPC20からではなく入力装置40から行い、DR30で計測あるいは生成された情報は、デジタルネットワークN経由でなく、そのメモリカードから読み取るものとする。
図9は、出庫点呼時の乗務員管理システム1の主要な動作の手順説明図である。
出庫点呼時の主たる確認事項は、被験者が予め運転者情報DB107に登録されている乗務員本人であって車両情報DB108に登録されているDR30を搭載した車両を運転する者であること、本人の運転免許証を所持していること、アルコールを飲用していないことである。
被験者が、運転免許証リーダ60に運転免許証をセットし、運転者撮影用カメラ70で撮影可能な所定部位に座ったことを確認したオペレータが、入力装置40を通じて認証開始指示を入力することで、その被験者についての認証処理が開始される(ステップS101)。管理サーバ10は、図8に例示した運用画面200を出力装置50に表示させる(ステップS102)。図8の「運行日」領域201には管理サーバ10の本体機能によって、点呼日が自動的に表示される。
オペレータによる「メディアから読込」ボタン202のクリック操作を検知すると(ステップS103:Yes)、管理サーバ10は、メモリカードの記録情報を読み取り、「社員ID」領域203及び「社員名」領域204へのデータ表示を行う(ステップS104)。
また、オペレータによる「免許証読取」ボタン205のクリック操作を検知すると
(ステップS105:Yes)、管理サーバ10は、「免許証情報:氏名」領域206、「免許証情報:有効期限」領域207、「免許証情報:番号」領域208、「免許証情報:車種」領域209へのデータ表示を行う(ステップS106)。
また、オペレータによる「チェック開始」210のクリック操作を検知すると(ステップS107:Yes)、管理サーバ10は、運転者撮影用カメラ70及びアルコールチェッカー90を起動させる(ステップS108)。アルコールチェッカー90は、運転者撮影用カメラ70での撮影と連動して被験者のアルコール検査を行い、検査結果を管理サーバ10へ伝達する。このとき、検査中の被験者の撮影画像も運転者撮影用カメラ70から管理サーバ10へ伝達される。管理サーバ10は、アルコール検査の結果を「判定」領域211に表示させる(ステップS109)。
アルコール検査の結果が良好であった場合、オペレータによる「個体情報読込」ボタン212のクリック操作がなされる(ステップS110:Yes、S111)。管理サーバ10は、メモリカードに記録されている個体情報を取得し、この個体情報に関連付けて蓄積されている車両情報を車両情報DB108から読み出して、図8の「車両番号」領域213及び「車種」領域214にデータを表示させる(ステップS112)。
以上の処理の後、オペレータによる「認証開始」ボタン219のクリック操作を検知すると(ステップS113:Yes)、管理サーバ10は、被験者の本人認証処理を開始し、その結果を「認証判定結果」領域220に表示させる(ステップS114)。
オペレータによる「OK」ボタン221のクリック操作により、上記の表示結果がその被験者の社員IDと関連付けられて保存され、出庫点呼時の認証処理を終える(ステップS115)。なお、やり直しの場合は、「キャンセル」ボタン222のクリック操作により、直前のクリック操作に基づく処理についてのデータ表示がクリアされる。
ステップS114における被験者の本人認証処理は、図10の処理手順で行われる。
まず、ステップS104において読み取った被験者の社員IDをキーとして、運転者情報DB107内の当該被験者についての運転者情報フィールドを特定する(ステップS201)。その後、ステップS106で読み込んだ運転免許証データと、運転者情報フィールドに存在する運転免許証データとの照合を行うことで、被験者が所持している運転免許証が、正当な乗務員本人のものかどうかを判定する(ステップS202)。
運転免許証データ同士の照合は、最初に「運転免許証番号」から行う。「運転免許証番号」は、12桁の固有の数字列から成るので、これを照合の対象とすることにより、本人の運転免許証かどうかを高い確率で認識することができる。なお、被験者本人の運転免許証であると認識するためには、すべての数字列がその出現順番と共に一致するのが原則であるが、運転免許証リーダ60の読取精度に限界があることから、例えば文字及び数字数の90%以上の一致で足りると設定することができる。「運転免許証番号」による照合により被験者本人の運転免許証と認識できなかった場合は、「有効期限」又は「生年月日」のいずれか、あるいは双方の照合を行う。これらについても、例えば文字及び数字数の90%以上の一致で足りると設定することができる。
運転免許証データ同士の照合に成功した場合は、正当な乗務員本人のものであるとして、認証データを生成する(ステップS203:Yes、S204)。他方、照合に失敗した場合は、運転免許証が正当な乗務員本人のものでない可能性が高いので、非認証データを出力する(ステップS203:No、S205)。
次に、帰庫点呼時の乗務員管理システム1の主要な動作の手順説明図である。
帰庫点呼時の主たる確認事項は、被験者が予め運転者情報DB107に登録されている乗務員本人であって車両情報DB108に登録されているDR30を搭載した車両を実際に運転した者であること、アルコールを飲用していないことである。
図11は、帰庫点呼時の乗務員管理システム1の主要な動作の手順説明図であり、被験者についての認証処理開始後、運転免許証データ照合までの手順(ステップS101〜S112)は、出庫点呼時の手順と同じである。
帰庫点呼時の処理では、上記処理手順を経て、オペレータが、「認証開始」ボタン219のクリック操作によって、特徴情報照合、すなわち運転業務を行った者が乗務員本人であることを確認する(ステップS113)。ここでは、説明を簡略化するため、図8の運用画面に示すように、「発進・基準特徴情報」ボタン215のみが選択されているものとする。
管理サーバ10の本人認証部103は、ステップS301で特定した被験者の運転者情報フィールドに存在する、発進・基準特徴情報、右折・基準特徴情報、左折・基準特徴情報、停止・基準特徴情報のいずれか又は全部と、該当する当日特徴情報との相関を判別する。すなわち、まず、発進の際の特徴情報同士を比較する(ステップS301)。比較の結果、誤差が設定値未満であれば、被験者が確かに点呼当日の運転業務を行った乗務員本人であると認識し、認証データを生成する(ステップS302:Yes、S303)。
発進の際の特徴情報同士の誤差が設定値以上の場合は(ステップS302:No)、強制的に右折の際の特徴情報同士を比較し(ステップS304)、誤差が設定値未満であれば、ステップS303に移行する(ステップS305:Yes)。他方、誤差が設定値以上の場合は(ステップS305:No)、強制的に左折の際の特徴情報同士を比較する(ステップS306)。
左折の際の特徴情報同士の誤差が設定値以上となる場合は(ステップS307:No)、強制的に停止の際の特徴情報同士を比較し(ステップS308)、誤差が設定値未満であれば、ステップS303に移行する(ステップS309:Yes)。他方、誤差が設定値以上の場合は(ステップS309:No)、乗務員本人の特徴情報の相関がとれない、つまり、乗務員本人以外の者が運転業務を行ったと判定して、非認証データを出力する(ステップS310)。
認証データ/非認証データは、「認証判定結果」領域220に表示される。オペレータによる「OK」ボタン221のクリック操作により、上記の表示結果がその被験者の社員IDと関連付けられて保存され、帰庫点呼時の認証処理を終える(ステップS311)。
なお、出庫点呼時は、DR30の計測結果は存在しないが、初めて運転操作するとき以外は直近の特徴情報が記録される場合がある。このように出庫点呼時に被験者が所持するメモリカードに直近の特徴情報が記録される場合、帰庫点呼時のみならず、出庫点呼時においても、上記と同様の手順で特徴情報照合処理を行うことができる。
<エラー情報出力処理>
図9〜図11の手順説明書では説明を省略したが、管理サーバ10は、種々のエラー情報の出力処理を行う。例えば、図12(a)〜(c)に示されるエラー情報画面を出力装置50に表示させる処理を行う。図12(a)に示すエラー情報画面250は、被験者の所持する運転免許証が正当な乗務員本人のものでない可能性があるときに表示される画面である。図12(b)に示すエラー情報画面260は、アルコールチェッカー90によるアルコール検査結果が基準値を超える場合に表示される画面である。図12(c)のエラー情報画面270は、運転者情報が合致しなかった場合に表示される画面である。なお、エラー情報の出力処理は、音や光等を用いて注意喚起する場合がある。
このように、本実施形態の乗務員管理システム1では、メモリカードから読み取った被験者の識別データ、例えば社員IDを用いるようにしたので、運転者情報DB107に蓄積されている運転者情報フィールドを迅速に特定できるという利点がある。また、特定した運転者情報フィールドに存在する運転免許証データと、被験者が所持する運転免許証から読み取った運転免許証データとの照合の対象を、正当な乗務員に固有となる「運転免許証番号」とし、所定精度で「運転免許証番号」を読み取れなかった場合は、補完的に「有効期限」と「生年月日」の一方又は双方を照合の対象とするようにしたので、被験者が所持している運転免許証が、正当な乗務員本人のものかどうかの判定を迅速且つ確実に行えるようになる。
また、運転免許証データ同士の照合に成功した場合に、その被験者についての運転者情報フィールドに存在する基準特徴情報と、DR30の計測結果に基づいて生成された当日特徴情報との相関を、発進の際の特徴情報同士、右折の際の特徴情報同士、左折の際の特徴情報同士、停止の際の特徴情報同士で判別し、いずれか又は全ての特徴情報同士の相関度合いが基準値以上の場合に、被験者が確かに当日運転業務を行った乗務員本人であると判定するようにしたので、高い精度で「なりすまし」行為を検出することができる。
さらに、乗務員が運転する車両の移動ルートは同じであっても、特定の季節や特定の曜日には激しく渋滞するルートとなることもある。そのため、乗務員は同じ移動ルートであっても普段よりも車両速度が低い状態での運転操作となってしまい、認証処理において「なりすまし」行為ではないにも関わらず、基準特徴情報と当日特徴情報の相関がとれないことされることもあり得る。そこで、渋滞の際には普段よりも車両速度が低い状態での運転操作であることから、発進(又は後退)の際の基準特徴情報及び当日特徴情報それぞれについて、例えば、乗務員が運転する車両のn秒後の速度が20キロメートル/時未満であるものを収集し、この収集されたそれぞれの特徴情報をもとに相関を判別することでより正確に「なりすまし」行為の検出ができる。このことは、普段よりも車両速度が高い状態での運転操作となった場合にも、乗務員が運転する車両のn秒後の速度が所定の速度以上の基準特徴情報及び当日特徴情報を収集することで処理可能となる。
また、渋滞の状況を段階的に捉えて乗務員が運転する車両のn秒後の速度を複数設定し、設定されたそれぞれの範囲内における基準特徴情報及び当日特徴情報をもとに相関を判別することもある。これらの処理は停止の際の特徴情報についても適用できる。
右折(又は左折)の際の特徴情報の場合では、例えば、乗務員が運転する車両の右折(又は左折)開始時の速度が10キロメートル/時未満の場合のものを収集し、この収集されたそれぞれの特徴情報をもとに相関を判別したり、速度が20キロメートル/時以上の場合のものを収集し、この収集されたそれぞれの特徴情報をもとに相関を判別することで渋滞の状況を踏まえたより正確な「なりすまし」行為の検出ができる。
また、渋滞の状況を段階的に捉えて乗務員が運転する車両の右折(又は左折)開始時の速度を複数設定し、設定されたそれぞれの範囲内における基準特徴情報及び当日特徴情報をもとに相関の判別をすることもある。
さらに、また、一人の乗務員の運転であっても、乗用車やバス、トレーラートラックなどの当該乗務員が運転する車両の種類が違えば特徴情報にも影響を及ぼし得る。そこで、車体番号から特定される車両の種類毎に被験者の基準特徴情報及び当日特徴情報を収集し、この収集されたそれぞれの特徴情報をもとに相関を判別することでより正確に「なりすまし」行為の検出ができる。
<変形例>
本実施形態では、当日特徴情報を生成するための計測結果又は直近の特徴情報がDR30から取り外したメモリカードに記録されていることを前提として説明したが、メモリカードがDR30に装着されている状態で、そのメモリカードの記録情報を通信ネットワークを介して管理サーバ10へリアルタイムで伝達するように構成しても良い。
このようにすれば、任意のタイミングで、被験者である運転者が確かに運転業務を行っていることの確認が可能となる。この場合、当日特徴情報が基準特徴情報と大きく乖離していることが検出されれば、点呼直後のなりすましや飲酒運転の可能性も考えられることから、即座に連絡をとる等の対策が可能となる。
=第2実施形態=
次に、本発明を、運転者の労働時間管理を含む乗務員管理システムに適用した場合の実施形態について説明する。
<全体構成、管理サーバ>
図13は、第2実施形態の乗務員管理システムの全体構成例を示す図であり、主として特徴的な部分を掲示してある。また、第1実施形態で説明したものと重複する部分については同じ符号を用い、重複説明を省略する。
この実施形態の乗務員管理システム2は、規定労務情報DB109と勤務情報DB110とが付加され、労働時間管理のための処理を実行可能にした点が第1実施形態と異なる部分である。
規定労働情報DB109には、拘束時間、休息期間(勤務と次の勤務の間の時間)、休息時間、連続運転時間等、法律上、雇用者に課せられている労働条件等の情報(規定労働条件)が蓄積される。
この規定労働情報DB109の内容例を図14に示す。
図14中、「事業所」は、運転者が所属する事業所である。「設定出勤時刻」は、運転者の出勤時刻であるが、出勤時刻後、出庫点呼作業を開始時刻までの時間を設定することもできる。「設定退勤時刻」は、運転者の退勤時刻であるが、帰庫点呼作業終了時刻から退勤時刻までの時間を設定することもできる。「設定休息時間」は、運転者が運転業務中にとることができる休息の時間である。「設定休息期間」は、前回の勤務の終了から次回の勤務の開始までに空けるべき休息の時間である。例えば、前回の勤務終了から8時間経過しなければ次回の勤務に就けない等である。「設定連続運転時間」は、運転者が連続して運転業務を行える時間である。「設定月拘束時間」は、運転者の1ヶ月当たりの最大拘束時間である。これらの規定労働条件は、「ID」によってシステム内で一意に識別されるようになっている。
勤務情報DB110には、運転者毎の出勤時刻、出庫点呼時刻、帰庫点呼時刻、退勤時刻等を含めた、運転者の労働時間管理に必要な情報と、各運転者の実際の拘束時間、休息期間、休息時間、連続運転時間等の実績情報(労働実績情報)が、勤務情報DB110に蓄積される。
この勤務情報DB110の内容例を図15に示す。
図15中、「年月日」は、運転者が運転業務を行った日付である。「社員ID」は第1実施形態において説明したものと同じ情報である。「認証」は、第1実施形態で説明した認証の結果情報である。「飲酒」は、点呼作業の際に行われるアルコール検査の結果情報である。「免許」は、点呼作業の際に運転者本人が運転免許証を所持していることの確認の結果情報である。「出勤時刻」は、出庫点呼作業の時刻から設定出勤時刻を差し引いて算出された時刻である。「出庫点呼時刻」は、当該出庫点呼が行われた時刻である。「退勤時刻」は、帰庫点呼作業の時刻に設定退勤時刻を加えて算出された時刻である。「帰庫点呼時刻」は、当該帰庫点呼が行われた時刻である。「休息時間」は、例えばDR30が計測したデータから所定の条件を満たす時間を集計して算出したものである。例えば、運転者が運転操作する車両のエンジン停止時間が15分を超える時間を集計する等である。「休息期間」は、直近の退勤時刻から今回の出勤時刻までの時間の算出値である。「連続運転時間」は、DR30が計測したデータから所定の条件を満たす時間を集計した集計値である。運転者が運転操作する車両のエンジン始動からエンジン停止までの時間の中で、当日の最長時間とすることもできる。「累積拘束時間」は、出勤時刻から退勤時刻までを当日の拘束時間として、例えば一か月単位に累積されるものである。
この実施形態の乗務員管理システム2における労働時間管理のための運用画面例を図16に示す。運用画面300において、「運行日」領域301には運行日、「社員ID」領域302には社員ID、「社員名」領域303には社員名が、それぞれ図8に示す設定画面200で既に入力されたものが転用表示される。
「出勤時刻」領域304には運転者の出勤時刻が、出庫点呼時から逆算して表示される。「出庫点呼時刻」領域305には、運転者に出庫点呼を行った時刻が表示される。「退勤時刻」領域306には、運転者の退勤時刻が帰庫点呼時を基に表示される。「帰庫点呼」領域307には、運転者に帰庫点呼を行った時刻が表示される。「累計拘束時間」領域308には、運転者の累計拘束時間が表示される。「規定拘束時間」領域309には、規定労働情報DB109に蓄積されている設定月拘束時間が読み出されて表示される。「連続運転時間」領域310には、運転者の連続運転時間が表示される。「規定連続運転時間」領域311には、規定労働情報DB109に蓄積されている設定連続運転時間が読み出されて表示される。「休息期間」領域312には、直近の退勤時刻から今回の出勤時刻までの時間を算出したものが表示される。「規定休息期間」領域313は、規定労働情報DB109から設定休息期間が主制御部100により読み出されて表示される。
<運用形態例>
図17は、この実施形態の乗務員管理システム2における労働時間管理の手順説明図である。前提として、管理サーバ11は、図8に示す設定画面200の表示要求がされた時刻と、第1実施形態の出庫点呼時に特定された運転者情報とを関連付けて保持しておくものとする。被験者の認証後、すなわち、被験者が確かに車両の運転業務を行った乗務員本人であることが確認された後、労働時間管理要求を受け付けると(ステップS501:Yes)、管理サーバ11は、図16に例示した運用画面300を出力装置50に表示させる(ステップS502)。その後、管理サーバ11は、勤務情報DB110における当該乗務員の出勤時刻情報が存在するフィールドを特定する(ステップS503)。特定した場合は(ステップS503:Yes)、帰庫点呼の時刻情報を読み出して、勤務情報DB110に蓄積するとともに、当該乗務員の退勤時刻を算出する(ステップS507)。
管理サーバ11は、退勤時刻が確定したことを契機に、退勤時刻までの拘束時間を含む当該乗務員の累積拘束時間の情報を更新する(ステップS508)。そして、更新された累積拘束時間が規定拘束時間を超える場合(ステップS509:No)、エラー情報を出力する(ステップS512)。
さらに、当該乗務員の出勤時刻情報を特定するとともに、DR30による計測結果を基に連続運転時間を算出する(ステップS510)。この連続運転時間が、規定連続運転時間を超える場合(ステップS511:No)、エラー情報を出力する(ステップS512)。
また、当該乗務員の出勤時刻情報が存在しない場合(ステップS503:No)、管理サーバ11は、出庫点呼の時刻情報を読み出し、勤務情報DB110に蓄積するとともに、この出庫点呼時の時刻を基に当該運転者の出勤時刻を算出する(ステップS504)。
この出勤時刻が確定したことを契機に、当該乗務員の直近の退勤時刻を勤務情報DB110から読み出し、この退勤時刻と今回の出勤時刻とから休息期間を算出する(ステップS505)。そして、算出した休息期間が、規定休息期間を満たさない場合(ステップS506:No)、エラー情報を出力する(ステップS513)。
管理サーバ11は、このようにして算出された情報を含め、必要な情報を運用画面300に表示するとともに、勤務時間DB110に蓄積する(ステップS514)。
<エラー情報出力処理>
ステップS513におけるエラー情報の出力処理の内容を説明する。本実施形態では、図18(a)〜(c)に例示されるエラー情報画面を出力装置50に表示させる。
図18(a)に示すエラー情報画面350は、更新された累積拘束時間が規定拘束時間を超えるときに表示される画面である。図18(b)に示すエラー情報画面360は、運転者の連続運転時間が規定連続運転時間を超える場合に表示される画面である。図18(c)のエラー情報画面370は、算出した休息期間が規定休息期間を満たさないときに表示される画面である。
なお、エラー情報の出力処理は、第1実施形態の場合と同様、音や光等を用いて注意喚起するようにしても良い。
このように、第2実施形態の乗務員管理システム2によれば、出庫点呼時及び帰庫点呼時の認証処理結果を活かして、当該乗務員の労働時間も把握できるようにしたので、点呼作業と労働時間管理との一元処理が可能となる。そのため、乗務員毎の労務管理を正確かつ手間をかけずに行うことができる。また、規定労働条件のうち、例えば、設定連続運転時間や設定月拘束時間の情報をそれぞれ複数持つことで、規定値を越えてからの注意ではなく、規定値を超えるまえから処理的に注意を促すこと等も可能となる。
=第3実施形態=
この実施形態では、乗務員が運転する車両の位置データを時系列に計測した結果と特徴情報とが関連付けられており、乗務員が運転する車両の移動ルートを含む所定の区域を指定して当該位置データが当該指定された区域に含まれる特徴情報により認証を行う乗務員管理システムとして実施する場合の例を説明する。
<全体構成、管理サーバ>
図19は、第3実施形態の乗務員管理システムの全体構成例を示す図であり、主として特徴的な部分を掲示してある。また、第1実施形態で説明したものと重複する部分については同じ符号を用い、重複説明を省略する。
この実施形態の乗務員管理システム3は、区域別基準特徴情報DB111と区域指定部112とが付加され、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報をもとに認証処理を実行可能にした点が第1実施形態と異なる部分である。
区域別基準特徴情報DB111には、後述する区域指定部112により指定された区域毎に、当該指定された区域における被験者の基準特徴情報が蓄積されている。これは、例えば、図示しない区域別基準特徴情報設定ツールにより必要な情報を関連付けて、区域毎に蓄積させることもできる。
この区域別基準特徴情報DB111の内容例を図20に示す。
図20中、「社員ID」は乗務員識別データであり、「運転者名」は当該乗務員の氏名である。図20中、「区域」は区域指定部112により指定された区域を示しており、本例では「発進・基準特徴情報」、「右折・基準特徴情報」、「左折・基準特徴情報」、「停止・基準特徴情報」のそれぞれは「A区域」内においての各基準特徴情報を示している。区域別基準特徴情報DB111には、本例で示す「A区域」における各基準特徴情報の他にも区域指定部112により指定された各区域ごとの基準特徴情報もそれぞれ蓄積されている。これらの各情報は、「ID」によってシステム内で一意に識別されるようになっている。
<特徴情報の生成及び認証>
本実施形態での基準特徴情報及び当日特徴情報は、DR30で計測され、条件データに適合するとして、乗務員が運転する車両の位置データを時系列に計測した結果と関連付けて記録された計測結果の中から、当該位置データが管理サーバ12の区域指定部112により指定された区域に含まれる計測結果をもとにデータ管理部104が作成する場合と、当該位置データがメモリカードに記録された当該指定された区域に含まれる計測結果をもとにDR30内で生成された後に、データ管理部104へ伝達される場合とがある。ここでは、前者の例を説明する。また、第1実施形態で説明したものと重複する部分については、重複説明を省略する。
発進(又は後退)の際の特徴情報の算出について説明する。
データ管理部104は、DR30が計測し、車両の位置データと関連付けて記録した計測結果の中から、当該位置データが区域指定部112により指定された区域に含まれる計測結果を抽出する。データ管理部104は、当該抽出した計測結果から1日の運転業務中、複数回発生した発進の際のn秒間の加速度を平均して平均加速度「AvrAn」を算出する。また、n秒間の加速度を基に標準偏差「σAn」を算出する。算出された「AvrAn」及び「σAn」が、当該指定された区域における発進(又は後退)の際の当日特徴情報となる。さらに、データ管理部104は、これらを一定期間にわたって集計して当該指定された区域における発進(又は後退)の際の基準特徴情報を算出する。これらの算出結果をもとに相関が判別される点が第1実施形態と異なる部分である。
右折(又は左折)の際の特徴情報の算出について説明する。
データ管理部104は、DR30が備える角速度計が角速度信号を検出し、車両の位置データと関連付けて記録した検出結果の中から、当該位置データが区域指定部112により指定された区域に含まれる検出結果を抽出する。データ管理部104は、当該抽出した検出結果から1日の運転業務中、複数回発生した右折(又は左折)の際に顕れたn秒間の角度変化量「Δψn」、最大角速度「rmax_n」、最小角速度「rmin_n」をそれぞれ平均して、平均方位角度変化量「Avrψn」、最大角速度平均値「Avrrmax_n」、最小角速度平均値「Avrrmin_n」を算出する。同様に、n秒毎の平均方位角度標準偏差「σψn」、n秒毎の最大角速度平均値標準偏差「σrmax_n」、n秒毎の最小角速度平均値標準偏差「σrmin_n」も算出する。算出された「Avrψn」、「Avrrmax_n」、「Avrrmin_n」、「σψn」、「σrmax_n」、「σrmin_n」が、当該指定された区域における右折(又は左折)の際の当日特徴情報となる。さらに、データ管理部104は、これらを一定期間にわたって集計して当該指定された区域における右折(又は左折)の際の基準特徴情報を算出する。これらの算出結果をもとに相関が判別される点が第1実施形態と異なる部分である。
停止の際の特徴情報の算出について説明する。
データ管理部104は、DR30が計測し、車両の位置データと関連付けて記録した計測結果の中から、当該位置データが区域指定部112により指定された区域に含まれる計測結果を抽出する。データ管理部104は、当該抽出した計測結果から1日の運転業務中、複数回発生した停止の際のn秒間の加速度を平均して平均加速度「AvrAn」を算出する。また、n秒間の加速度を基に標準偏差「σAn」を算出する。算出された「AvrAn」及び「σAn」が、当該指定された区域における停止の際の当日特徴情報となる。さらに、データ管理部104は、これらを一定期間にわたって集計して当該指定された区域における停止の際の基準特徴情報を算出する。これらの算出結果をもとに相関が判別される点が第1実施形態と異なる部分である。
<運用画面>
本実施形態の乗務員管理システム3において、前述した区域を指定するための運用画面の一例を図21に示す。図示される運用画面400では、乗務員が運転する車両の移動ルートを含む地図が領域401に表示される。本例では、この領域401において経度の範囲と緯度の範囲とを特定することで囲まれる部分が上述の指定された区域となる。
運用画面400中「指定区域経度」領域402には、所定の区域を指定するための経度の範囲が入力される。また、運用画面400中「指定区域緯度」領域403には、所定の区域を指定するための緯度の範囲が入力される。本図では一例として、「指定区域経度」領域402には、「139°45′00″」から「139°46′00″」の範囲、「指定区域緯度」領域403には、「35°36′00″」から「35°37′00″」の範囲の値がそれぞれ入力されている様子を示している。これらの経度の範囲と緯度の範囲を入力が確定されれば領域401中に示されている網掛け部分の区域が指定されたことになる。
また、領域401の画面上に表示されている所定の区切られた区域をポインティングディバイスで直接指定することでもできる。その際には、当該画面上で指定された区域を表す経度の範囲と緯度の範囲とがそれぞれ「指定区域経度」領域402と「指定区域緯度」領域403に表示することもできる。さらに、また、領域401上の含まれる2点を経度と緯度とにより指定することで、当該2点それぞれから水平方向、垂直方向に延びる直線で囲まれる部分を指定された区域とすることもできる。
さらに、運用画面の他の例を図22に示す。図示される運用画面410では、乗務員が運転する車両の移動ルートを含む地図が領域411に表示される。本例では、この領域411において経度と緯度とで特定した中心を持つ円で囲まれる部分が上述の指定された区域となる。
この円形に区域を指定するための当該円の中心は、運用画面410中「指定区域中心:経度」領域412に経度が入力され、「指定区域中心:緯度」領域413に緯度が入力されることで特定される。また、この円で囲まれる区域の大きさを特定する当該円の半径は、運用画面410中「指定区域半径」領域414に入力されることで特定される。本図では一例として、「指定区域中心:経度」領域412には、「139°46′00″」、「指定区域中心:緯度」領域413には、「35°37′00″」が入力され、「指定区域半径」領域414には、「250」の値がそれぞれ入力されている様子を示している。これらの「経度」と「緯度」と「半径」の入力の確定がされれば領域411中に示されている網掛け部分の区域が指定されたことになる。このようにして指定された円形の区域は、その区域内の所定場所を示す経度データと緯度データとを持っており、これにより上述した位置データが当該円形に指定された区域内に含まれるかを判別できることとなる。また、円形に区域を指定するための他の例としては、当該円の外周部を経度と緯度とにより特定することでもできる。
<運用形態例>
図23は、この実施形態の乗務員管理システム3における区域を指定するための手順説明図である。
オペレータが、入力装置40を通じて認証区域の指定開始指示を入力することで、認証区域の指定が開始される(ステップS601)。管理サーバ12は、オペレータが認証区域の指定開始指示をする際に選択した図21に例示した運用画面400又は図22に例示した運用画面410を出力装置50に表示させる(ステップS602)。
管理サーバ12の区域指定部112は、オペレータにより運用画面400中の領域401又は運用画面410中の領域411の所定の区域が指定された場合には(ステップS603:yes)、当該指定された区域データを管理サーバ12が備えるデータ記録装置に保存する(ステップS604)。この指定された区域データを使用することで管理サーバ12のデータ管理部104は、位置データが指定された区域に含まれる計測結果を抽出できることとなる。
管理サーバ12の本人認証部103は、オペレータによりステップS603で指定された区域の区域別基準特徴情報が、区域別基準特徴情報DBに蓄積されているかを判別し、その結果当該区域別基準特徴情報が特定された場合(ステップS606:yes)には、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報による認証処理の開始を可能にする(ステップS606)。この認証処理では、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報をもとに処理が進められる他は第1実施形態で説明した図11に示すに認証処理に準ずる。ステップS603で指定された区域の区域別基準特徴情報が、区域別基準特徴情報DBに蓄積されていない場合(ステップS606:no)には、第1実施形態で説明した認証処理が行われることとなる。なお、ステップS603で指定された区域の区域別基準特徴情報が、区域別基準特徴情報DBに蓄積されていない場合には、その旨を出力装置50に表示させることもできる。
このように、第3実施形態の乗務員管理システム3によれば、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報と位置データが指定された区域に含まれる直近の特徴情報をもとに被験者の認証処理を行うことができるため、乗務員毎の運転操作特徴が顕れやすい場所を含む区域を指定することでより精度高く「なりすまし」行為を検出できる。さらに、位置データが指定された区域に含まれる特徴情報で認証処理が行われるため、当該認証処理に必要となるデータ量を軽減でき、当該処理にかかる時間も軽減することができる。
また、上述の指定された区域を複数特定し、それぞれの指定された区域での特徴情報の相関を判別することでさらに精度高く「なりすまし」行為を検出することもできる。
1、2、3・・・乗務員管理システム、10、11・・・管理サーバ、20・・・PC、30・・・データレコーダ(DR)、40・・・入力装置、50・・・出力装置、60・・・運転免許証リーダ、70・・・運転者撮影用カメラ、80・・・記憶媒体アクセス装置、90・・・アルコールチェッカー90、100・・・主制御部、101・・・データ通信用インターフェイス、102・・・運転者情報特定部、103・・・本人確認部、104・・・データ管理部、105・・・入出力制御部、106・・・運転者情報設定ツール、107・・・運転者情報DB、108・・・車両情報DB、109・・・規定労務情報DB、110・・・勤務情報DB、111・・・区域別基準特徴情報DB、112・・・区域指定部、200、300、400、410・・・運用画面、250、260、270、350、360、370・・・エラー情報画面、N・・・デジタルネットワーク。

Claims (10)

  1. 乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴、停止時の挙動特徴、右折時の挙動特徴、左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて蓄積した運転者情報DBと、
    被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するデータ管理手段と、
    前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報を特定するとともに、特定した特徴情報と前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する本人認証手段と、
    を備えて成る、車両の乗務員管理システム。
  2. 前記データ管理手段は、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両の位置データを時系列に計測した結果と関連付けて計測された当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するものであり、
    前記乗務員が運転する車両の移動ルートを含む所定の区域を指定する区域指定部をさらに備え、
    前記本人認証手段は、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられ、且つ、前記位置データが当該所定の区域に含まれる特徴情報を特定し、当該特定した特徴情報と前記位置データが当該指定された区域に含まれる前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いの判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力することを特徴とする、
    請求項1記載の乗務員管理システム。
  3. 前記乗務員の識別データは、当該乗務員の運転免許証データとも関連付けられて前記運転者情報DBに蓄積されており、
    前記被験者が提示した運転免許証に記されている運転免許証データを取り込む運転免許証データ取込手段をさらに備え、
    前記本人認証手段は、取り込まれた運転免許証データをキーとして前記運転者情報DBに蓄積されている乗務員の識別データと、当該識別データに関連付けられた特徴情報とを特定することを特徴とする、
    請求項1又は2記載の乗務員管理システム。
  4. 前記データレコーダには、車両の挙動の中から前記各挙動特徴を検出するための条件データが、運転者による変更が制限される形態で存在しており、前記データレコーダは、前記条件データに基づいて計測された挙動特徴の計測結果を当該車両の運転者に秘匿した形態で、前記データ伝達媒体へ出力する、
    請求項1、2又は3記載の乗務員管理システム。
  5. 前記データ伝達媒体は、前記データレコーダに離脱自在に装着される可搬性メモリ媒体であり、前記乗務員の識別データと、前記条件データと、前記計測結果又は直近の特徴情報が記録されるものである、
    請求項4記載の乗務員管理システム。
  6. 前記可搬性メモリ媒体に記録されている情報を読み込む媒体アクセス手段をさらに備えており、
    前記本人認証手段は、前記媒体アクセス手段を通じて前記可搬性メモリ媒体から読み込んだ乗務員の識別データをキーとして前記運転者情報DBに蓄積されている当該乗務員用の特徴情報を特定する、
    請求項5記載の乗務員管理システム。
  7. 前記本人認証手段は、前記運転者情報DBより特定した特徴情報と前記直近の特徴情報とが、それぞれ、前記発進又は後退時の挙動特徴、前記停止時の挙動特徴、前記右折時の挙動特徴、前記左折時の挙動特徴の組み合わせを定量化したものであり、前記相関の程度が所定の基準値に満たない挙動特徴がある場合は、他の挙動特徴による相関の程度を判別するように構成される、
    請求項1ないし6のいずれかの項記載の乗務員管理システム。
  8. 乗務員の規定労働条件を蓄積した規定労働情報DBと、
    乗務員の労働実績情報を蓄積するための勤務情報DBと、
    前記本人認証手段により正当な乗務員であると判定された乗務員について、当該認証処理に際して入力又は取り込まれた情報を用いて前記労働実績情報を生成し、生成した労働実績情報を前記勤務情報DBに蓄積するとともに、前記規定労働情報DBに蓄積されている規定労働条件との適合性を判定する労働管理手段と、
    をさらに備えてなる、
    請求項7記載の乗務員管理システム。
  9. 記憶装置と制御手段とを有する乗務員管理システムにより実行される方法であって、
    前記制御手段が、乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴,停止時の挙動特徴,右折時の挙動特徴,左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて乗務員毎に前記記憶装置へ蓄積する段階と、
    前記制御手段が、被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成する段階と、
    前記制御手段が、前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報を特定するとともに、特定した特徴情報と前記直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する段階と
    を有する、乗務員の管理方法。
  10. 記憶装置を有するコンピュータ装置を車両の乗務員管理システムとして動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記記憶装置に、
    乗務員の識別データと、前記乗務員が運転した車両の発進又は後退時の挙動特徴,停止時の挙動特徴,右折時の挙動特徴,左折時の挙動特徴のいずれか一つあるいは複数の組み合わせを定量化した特徴情報とを関連付けて蓄積した運転者情報DBを構築するとともに、
    前記コンピュータ装置を、
    被験者が運転した車両に搭載されたデータレコーダから、当該車両における挙動特徴の計測結果又は当該計測結果を基に生成された直近の前記特徴情報を所定のデータ伝達媒体を通じて取得し、前記計測結果を取得したときは当該計測結果に基づいて直近の前記特徴情報を生成するデータ管理手段、
    前記乗務員の識別データをキーとして当該識別データに関連付けられた特徴情報を特定するとともに、特定した特徴情報と前記データ管理手段において取得し又は生成した直近の特徴情報との相関度合いを判別し、相関の程度が所定の基準値以上の場合に前記被験者が正当な乗務員であることを表す認証データを出力する本人認証手段、として機能させる、
    コンピュータプログラム。
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