JP2012068460A - 現像装置、カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、カートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、現像に用いられる磁石軸部の共振現象に帰因したトナー像の濃度むらを抑制することを目的とする。
【解決手段】本発明の現像装置20は、表面に現像剤を保持する円筒状のスリーブ41と、スリーブ41の内側で軸線に沿って存在し現像剤を磁力により引き寄せるマグロールシャフト31と、スリーブ41の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられスリーブ41がマグロールシャフト31の周囲を回転するよう支持する第2の軸受24と、スリーブ41と接続され、第2の軸受24間の予め定められた距離に基づいて特定されるマグロールシャフト31の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力をスリーブ41に伝達する歯車47とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、現像装置、カートリッジ及び画像形成装置に関する。
内部に回転体が設けられた現像器本体と、駆動モータによって回転駆動される駆動歯車に噛合する入力歯車、前記現像器本体の回転体に係脱可能な軸、及び該軸と一体的に回転するように取付けられ、前記入力歯車の回転に応動して回転する歯車を有し、前記現像器本体の側面に取付けられる駆動モジュールとからなる現像器の画像形成装置への取付構造に関し、現像器の振動が減少する現像器取付構造を提供することを目的とし、駆動歯車、入力歯車の最適噛合位置より更に深い噛合への駆動モジュールの移動を禁止するストッパ手段と、駆動モジュールをストッパ手段へ押圧する付勢手段とで構成するものが存在する(特許文献1参照)。
特開平7−199614号公報
本発明は、現像に用いられる磁石軸部の共振現象に帰因したトナー像の濃度むらを抑制することを目的とする。
請求項1記載の発明は、装置の外形を成す収容体と、表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し前記収容体に対して固定して支持されかつ現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、前記現像剤保持部に保持された現像剤を像保持体に供給する現像剤供給部と、前記現像剤保持部と接続され、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部とを備えることを特徴とする現像装置である。
請求項2記載の発明は、前記伝達部は、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を前記現像剤保持部に伝達することを特徴とする請求項1記載の現像装置である。
請求項3記載の発明は、前記伝達部は、前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、前記駆動源からの駆動力を前記現像剤保持部に伝達する歯車からなることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置である。
請求項4記載の発明は、表面に静電潜像を保持して回転する像保持体と、前記像保持体と並べて設けられ、表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、前記現像剤保持部に保持された現像剤を前記像保持体に供給する現像剤供給部と、前記現像剤保持部と接続され、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部と、画像形成装置本体に対して着脱自在とする外形を成し、前記磁石軸部を固定して支持し、かつ少なくとも当該磁石軸部と前記回転支持部と前記伝達部とを内部に備える収容体とを備えることを特徴とするカートリッジである。
請求項5記載の発明は、装置の外形を成す収容体と、表面に静電潜像を保持して回転する像保持体と、前記像保持体と並べて設けられ、表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し前記収容体に対して固定して支持されかつ現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、前記現像剤保持部に保持された現像剤を前記像保持体に供給する現像剤供給部と、前記現像剤保持部を回転させる動力を供給する動力源と、前記動力源と前記現像剤保持部とを接続し、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、前記駆動源から供給された駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、磁石軸部の共振現象に帰因したトナー像の濃度むらをより抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、例えば偏心した磁石軸部を用いた場合でも、トナー像の濃度むらをより抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、歯車の歯数の選択という、より簡易な構成でトナー像の濃度むらを抑制できる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、装置に装着された際に磁石軸部の共振現象に帰因したトナー像の濃度むらをより抑制することができるカートリッジを提供できる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、磁石軸部の共振現象に帰因したトナー像の濃度むらをより抑制することができる画像形成装置を提供できる。
本実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施の形態が適用される現像装置の軸方向に沿った断面図である。 本実施の形態が適用される現像装置の径方向の断面図である。 本実施の形態におけるマグロールが一方向に寄せられること示す模式図である。 マグロールシャフトの固有振動数の測定における支持点を説明するための説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置100>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置100は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部6とを備えている。またこの画像形成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等といった外部装置に接続され、これらから受信される画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像処理部5を備えている。さらにこの画像形成装置100は、各部に電力を供給する電力供給部9と、画像形成部10に供給される用紙Sを積載する用紙積載部40と、ユーザの操作によってなされた指示を受け付けるユーザ・インターフェイス7とを備えている。さらにまた、この画像形成装置100は、画像形成部10によって画像が形成された用紙Sを積載する排紙積載部49を備えている。
なお、本実施の形態においては、画像形成装置100を所謂タンデム型のカラープリンタとして説明するがこれに限定されない。例えば、単一の感光体上に順次形成される各色のトナー像を、中間転写体上に互いに重ね合わせた状態で一次転写した後、この中間転写体上に多重に転写された各色のトナー像を、二次転写ロールによって記録媒体上に二次転写することによりカラー画像を形成する、所謂マルチパス(4サイクル)型のカラープリンタでもよい。
<画像形成部10>
画像形成部10には、一定の間隔をおいて並列的に配置される4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが備えられている。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12と、この感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で一様に帯電する帯電器13とを備えている。また、各画像形成ユニット各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、この帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光装置14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像装置20とを備える。さらに、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、現像装置20に収納されるトナーを除いて、略同様に構成される。そして、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。このようなことから、以下の説明においては、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各構成についてはそれぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」という符号を付して区別するが、区別する必要のないときは、これらの符号は付さない。例えば、画像形成ユニット1Yの現像装置を意味するときは、「現像装置20Y」と表現し、現像装置20Y、20M、20C、20Kを区別しない場合には「現像装置20」と表現する。
なお、本実施の形態においては、現像装置20と感光体ドラム12とはそれぞれ独立して構成される部材として説明するがこれに限定されない。現像装置20と感光体ドラム12とが一体として形成され、画像形成装置100に脱着自在に設けられる所謂カートリッジとして構成されてもよい。
さらに、本実施の形態においては、現像剤はトナーおよびキャリアを含む二成分現像剤を用いているが、一成分現像剤であってもよい。なお、以下の説明では、二成分現像剤を単に現像剤と呼ぶ。
さて、画像形成部10は、各画像形成ユニット1の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト18を備えている。また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト18に順次転写(一次転写)する一次転写ロール17を備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト18上に重畳して形成された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Sに一括転写(二次転写)する二次転写ロール19と、二次転写された各色トナー像を用紙Sに定着させる定着装置61とを備えている。
また、画像形成部10は、用紙積載部40に積載された用紙Sを順次送り出すピックアップローラ68と、このピックアップローラ68によって送りだされた用紙Sを搬送する搬送ロール69とを備えている。さらに画像形成部10は、定着装置61においてトナー像が定着された用紙Sの通過を検知するエグジットセンサ63を有する。
本実施の形態の画像形成装置100において、PC3や画像読取装置4から入力された画像データは、画像処理部5によって予め定められた画像処理が施された後、不図示のインターフェースを介して各画像形成ユニット1に送られる。そして、例えば黒(K)色トナー像を形成する画像形成ユニット1Kでは、像保持体の一例である感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器13により予め定められた電位で一様に帯電され、画像処理部5から送信された画像データに基づいて露光装置14により走査露光される。それにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像剤供給部の一例であり、感光体ドラム12と現像装置20とが対向する部位である現像部位で現像装置20により現像され、感光体ドラム12上には黒(K)トナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が形成される。
各画像形成ユニット1で形成された各色のトナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト18上に、一次転写ロール17により順次静電吸引されて、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト18上の重畳トナー像は、中間転写ベルト18の移動に伴って二次転写ロール19が配置された領域(二次転写部Tr)に搬送される。
一方で、用紙積載部40に積載された用紙Sは、ピックアップローラ68によって送り出される。そして、ピックアップローラ68によって送り出された用紙Sは、重畳トナー像が二次転写部Trに搬送されるタイミングに合わせて、搬送ロール69によって二次転写部Trに供給される。重畳トナー像は、二次転写部Trにて二次転写ロール19が形成する転写電界の作用により、搬送ロール69によって搬送されてきた用紙S上に一括して静電転写される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Sは、中間転写ベルト18から剥離され、定着装置61まで搬送される。定着装置61に搬送された用紙S上のトナー像は、定着装置61によって熱および圧力による定着処理を受けて用紙S上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Sは、搬送ロール69によってさらに搬送され、エグジットセンサ63によって検知された後、画像形成装置100の排出部に設けられた排紙積載部49に積載される。
一方、二次転写後に中間転写ベルト18に付着しているトナー(転写残トナー)は、二次転写の終了後に中間転写ベルト18の表面からベルトクリーナ15によって除去され、次の画像形成サイクルに備えられる。
このようにして、画像形成装置100での画像形成がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返される。
<現像装置20の構造>
次に、図2及び図3を参照しながら現像装置20の構造について説明する。なお、図2は、本実施の形態が適用される現像装置20の軸方向に沿った断面図である。図3は、本実施の形態が適用される現像装置20の径方向の断面図である。
現像装置20は、装置の外形をなし、現像剤を内部に収容するハウジング21を備えている。また、現像装置20は、このハウジング21に収容されるとともに回転可能に支持された現像ロール22を備える。さらに、現像装置20は、図示しないモータからの力を伝達する歯車47が収容されてハウジング21に取り付けられたカバー部材50を備えている。
現像剤保持部の一例である現像ロール22は、マグロールシャフト31と、このマグロールシャフト31の周りに回転可能となるよう第2の軸受24によって支持された円筒状のスリーブ41と、このスリーブ41を支持する支持軸43とを含む。
そして、磁石軸部の一例であるマグロールシャフト31は、表面に磁極を有し現像剤を引き寄せる磁石部32と、この磁石部32の両端部側に突出して形成され、磁石部32よりも小径な軸芯部33とを有する。なお、磁石部32と軸芯部33との間には鍔部34が形成されている。マグロールシャフト31には固有振動数があるが、偏心したマグロールシャフト31の固有振動数の値は、どの径方向の振動数かによって異なる。そして、マグロールシャフト31の径方向によって固有振動数が異なることは、現像ロール22の径方向によって現像ロール22の固有振動数を異ならせる。
なお、本実施の形態におけるマグロールシャフト31に備えられる磁石部32は、マグロールシャフト31の円周方向に設けられる材質や重量が異なる複数の磁石部32から構成されてもよい。
スリーブ41は、マグロールシャフト31の磁石部32の外周を取り囲むようにして、この磁石部32と間隙を空けて配置されている。
そして、スリーブ41の両端部には、スリーブ41を支持する段付きでかつ筒状の支持軸43がスリーブ41の軸方向に突出して設けられている。この支持軸43の外周には、外周環状段部45が形成され、スリーブ41側の内周には内周環状段部46が設けられている。
そして、ハウジング21の側面21Aに形成されたそれぞれの取り付け孔21Bには、第1の軸受23が挿入されている。この第1の軸受23の内側にはスリーブ41の支持軸43が嵌めこまれており、第1の軸受23は外周環状段部45によって位置決めされている。また、スリーブ41の一方の端部に設けられた支持軸43には、伝達部の一例である歯車47が支持軸43に対して回転しないように固定されている。なお、スリーブ41の他方の端部に設けられた支持軸43には歯車47は設けられていない。さらに、本実施の形態の歯車47は、複数の歯車によって構成されてもよい。
スリーブ41の内周環状段部46には、回転支持部の一例である第2の軸受24が挿入され、この第2の軸受24の内側には軸芯部33が挿入されている。この第2の軸受24はマグロールシャフト31の鍔部34によって位置決めされる。そして、図2に示すように、軸芯部33はハウジング21の側面21Aから突出している。なお、軸芯部33は、ハウジング21から突出していても、突出していなくてもよい。
収容体の一例であるカバー部材50には、固定孔52が形成されており、この固定孔52に軸芯部33が挿入されている。また、カバー部材50には保持部60が一体形成されている。この保持部60は、感光体ドラム12に向けて突出した形状になっている。そして、図3に示すように、スリーブ41の両端部側に設けられたカバー部材50にそれぞれ一体形成された保持部60が、感光体ドラム12に押しあてられることにより、感光体ドラム12と現像ロール22とは予め定められた間隔に保持されることになる。
<現像装置20の動作>
ここで、図1及び図2を参照しながら、現像装置20の動作について説明する。
まず、制御部6より指示を受けた図示しないモータが駆動し、このモータからの力を現像ロール22に伝達する歯車47が回転する。そして、この回転する歯車47が、支持軸43及びこの支持軸43が支持するスリーブ41をマグロールシャフト31の周りで回転させる。この回転するスリーブ41の表面には、マグロールシャフト31の磁石部32が引き寄せる現像剤が保持される。
なお、本実施の形態の現像装置20において、図示しないモータが駆動することによって回転するのは、支持軸43及びスリーブ41であり、マグロールシャフト31、ハウジング21及びカバー部材50等は回転しない。
さて、歯車47が回転すると、スリーブ41が回転するとともに、保持部60が受ける駆動反力が直接マグロールシャフト31やスリーブ41に伝達される場合がある。マグロールシャフト31やスリーブ41に駆動反力が伝達されると、マグロールシャフト31やスリーブ41が振動する。そして、マグロールシャフト31やスリーブ41が振動すると、感光体ドラム12に保持された静電潜像が現像されて形成されるトナー像に濃度むらが起きることがある。さらに、歯車47によって現像ロール22に伝達される周波数である加振周波数と、現像ロール22の固有振動数とが一致すると、共振により現像ロール22の振動が増幅される。その場合、感光体ドラム12に形成されたトナー像の濃度むらはさらに起きやすくなる。特に、感光体ドラム12に向かう方向における現像ロール22の固有振動数と、歯車47の加振周波数とが一致すると、感光体ドラム12と現像ロール22との間隙が大きく変化し感光体ドラム12に形成されたトナー像に生じる濃度むらが大きくなる。なお、本実施の形態におけるトナー像の濃度むらとは、トナー像が帯状に乱れる状態を指し、所謂バンディングと呼ばれる画像欠陥である。
そこで、本実施の形態においては、現像ロール22の固有振動数と歯車47の加振周波数とを異ならせる。現像ロール22の固有振動数と歯車47の加振周波数とが異なれば、共振による現像ロール22の振動の増幅が抑制され、結果としてトナー像の濃度むらが抑制される。
以下では現像ロール22の固有振動数について説明し、その後に歯車47の加振周波数について説明する。
<現像ロール22の固有振動数>
まず、現像ロール22の固有振動数は、一般的に考えると次のように算出される。
現像ロール22を両端支持梁と考えると、現像ロール22の固有振動数f(Hz)は、
f(Hz)=λ/2πL×(EI/ρA)1/2
で表わされる。ここで、L:梁の長さ 、E:梁材料の縦弾性係数 、I:断面2次モーメント、ρ:密度 、A :断面積であり、λは1次のλ:π、2次のλ:2π、3次のλ:3πとなる。
さて、現像ロール22の固有振動数を上記式により算出する際に、梁の長さLが問題となり得ることが確認された。すなわち、現像ロール22がカバー部材50によって支持されていると考え、上記式における梁の長さLをカバー部材50間の距離(図2におけるLout参照)として算出した固有振動数と、測定によって得られた固有振動数とが一致しないことが確認された。なお、測定によって得られた固有振動数とは、実際に現像を行う条件で現像ロール22を駆動し、現像剤を保持する状態の現像ロール22を測定したものである。
一方で、上記式における梁の長さLを第2の軸受24間の距離(図2におけるLin参照)離間した支持点によって現像ロール22が支持されていると考えて算出した固有振動数は、測定によって得られた固有振動数により近くなることが確認された。すなわち、カバー部材50ではなく現像ロール22の内側に位置する第2軸受24を支持点と考えて算出した現像ロール22の固有振動数が、実際の現像剤を保持する状態の現像ロール22の固有振動数により近いことが確認された。
ここで、図4を参照しながら、上記式における梁の長さを第2の軸受24間の距離とした方がより実際の測定結果に近づくことについて説明する。図4は、本実施の形態におけるマグロールシャフト31が一方向に寄せられること示す模式図である。なお、図4においては、明瞭化のため磁石部32等一部の部材の記載を省略している。
上記式における梁の長さLを、カバー部材50間の距離よりも第2の軸受24間の距離とした方が、より実際の測定結果に近づくことは、次の理由によるものとも考えられる。すなわち、実際の現像ロール22の使用条件下では、マグロールシャフト31の磁石部32が磁力により引き寄せることによって、現像剤がスリーブ41の表面に保持される。そして、このスリーブ41の表面に保持される現像剤と、マグロールシャフト31に備えられる磁石部32とは、磁力により互いに引き寄せ合う。この互いに引き寄せ合う力により、マグロールシャフト31の中央部が一方向に寄せられる(図4の矢印参照)。いわば、図4に示すようにマグロールシャフト31が撓むような状態である。そして、このようにマグロールシャフト31が撓む結果として、現像ロール22の支持点が、より外側に位置するカバー部材50ではなく、より内側に位置する第2軸受24になるとも考えられる。
<実験>
さて、マグロールシャフト31の固有振動数が支持点によっていかに変化するかを確認した実験結果について、図5を参照しながら説明する。
ここで、図5は、マグロールシャフト31の固有振動数の測定における支持点を説明するための説明図である。なお、図5においては、説明のためにマグロールシャフト31以外の部材を破線で記載している。
まず実験の条件を説明する。
この実験では、図5に示すように、マグロールシャフト31単体で測定を行った。なお、マグロールシャフト31は現像剤を引きつけていない状態で測定を行った。
そして、マグロールシャフト31に対して歯車47が配置される位置(図5のV参照)を、加振機によって加振することによって、マグロールシャフト31の固有振動数を測定した。
さらに、この実験ではマグロールシャフト31を支持する支持点の位置を変化させながら現像ロール22の固有振動数を測定した。マグロールシャフト31の支持点は次のように変化させた。まず、実験条件(1)では、図5の(1)で示すように、マグロールシャフト31の両端がカバー部材50の位置で支持される。実験条件(2)では、図5の(2)で示すように、マグロールシャフト31の一方の端部が第2軸受24の位置で支持され、他方の端部がカバー部材50の位置で支持される。実験条件(3)では、図5の(3)で示すように、マグロールシャフト31の両端が磁石部32を挟んで備えられる第2軸受24の位置で支持される。
その結果、各実験条件における現像ロール22の固有振動数は、実験条件(1)では約75Hz、実験条件(2)では約90Hz、実験条件(3)では約110Hzとなった。すなわち、支持点間の距離が短くなると、現像ロール22の固有振動数が増加することが確認された。この結果は、上記式において、現像ロール22の固有振動数は梁の長さの2乗に反比例するという関係と同じ傾向の結果となった。
<歯車47の加振周波数>
次に、歯車47の加振周波数について説明する。
スリーブ41を回転させる歯車47の加振周波数は、歯車47の回転数や歯数によって規定される。より具体的には、動力源の一例である図示しないモータによって回転する歯車47の歯数と回転数との積が加振周波数となる。
したがって、歯車47の加振周波数とマグロールシャフト31の固有振動数とを異ならせる場合、歯車47の加振周波数を変更する態様が考えられる。例えば、ある値の固有振動数をもつ現像ロール22の仕様に合わせて、歯車47の加振周波数を変更するべく、歯数や回転数を変更する態様がある。さらに、歯車47の加振周波数を変更するために、歯車47のモジュールを変更する態様も考えられる。
<他の態様>
さて、上述のように歯車47の加振周波数と現像ロール22の固有振動数とを異ならせることによって、共振により現像ロール22の振動が増幅されることが回避され、トナー像の濃度むらが抑制される。ここで、歯車47の加振周波数と現像ロール22の固有振動数とを異ならせる態様としては、上述のように歯車47の加振周波数を変更する以外に次のようなものがある。すなわち、歯車47の加振周波数ではなく現像ロール22の固有振動数を変更する態様や、歯車47の加振周波数と現像ロール22の固有振動数とを両者ともに変更する態様がある。
そして、現像ロール22の固有振動数を変更する態様としては、第2軸受24間の距離を変更することが考えられる。さらに、マグロールシャフト31、磁石部32、軸芯部33、スリーブ41等の質量、長さ、径、材質等を変えることによって、現像ロール22の固有振動数を変化させる態様も考えられる。
ここで、本実施の形態においては、図示しないモータからの力を伝達する構成として、歯車47を説明したがこれに限定されない。例えばタイミングベルトやカップリング等によって、図示しないモータからの力を伝達してもよい。そして、タイミングベルトやカップリング等の仕様を、第2の軸受24間の距離に基づいて特定される現像ロール22の固有振動数とは異なる周波数で、図示しないモータからの力を伝達するように設定する態様でもよい。
また、上記式においては、ρ:密度が用いられる。そして、密度は現像ロール22の質量を基に算出される。ここで、実際の使用条件下の現像装置20では、上述のように現像剤が現像ロール22に保持されている。したがって、より正確に現像ロール22の固有振動数を把握する場合は、保持された現像剤を含んだ質量を現像ロール22の質量として考える。
3…PC、4…画像読取装置、10…画像形成部、12…感光体ドラム、13…帯電器、14…露光装置、17…一次転写ロール、18…中間転写ベルト、19…二次転写ロール、20…現像装置、21…ハウジング、22…現像ロール、31…マグロールシャフト、41…スリーブ、61…定着装置、100…画像形成装置、S…用紙

Claims (5)

  1. 装置の外形を成す収容体と、
    表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、
    前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し前記収容体に対して固定して支持されかつ現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、
    前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、
    前記現像剤保持部に保持された現像剤を像保持体に供給する現像剤供給部と、
    前記現像剤保持部と接続され、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部と
    を備えることを特徴とする現像装置。
  2. 前記伝達部は、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を前記現像剤保持部に伝達することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記伝達部は、前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、前記駆動源からの駆動力を前記現像剤保持部に伝達する歯車からなることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
  4. 表面に静電潜像を保持して回転する像保持体と、
    前記像保持体と並べて設けられ、表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、
    前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、
    前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、
    前記現像剤保持部に保持された現像剤を前記像保持体に供給する現像剤供給部と、
    前記現像剤保持部と接続され、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、駆動源からの駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部と、
    画像形成装置本体に対して着脱自在とする外形を成し、前記磁石軸部を固定して支持し、かつ少なくとも当該磁石軸部と前記回転支持部と前記伝達部とを内部に備える収容体と
    を備えることを特徴とするカートリッジ。
  5. 装置の外形を成す収容体と、
    表面に静電潜像を保持して回転する像保持体と、
    前記像保持体と並べて設けられ、表面に現像剤を保持する円筒状の現像剤保持部と、
    前記現像剤保持部の内側で当該現像剤保持部の軸線に沿って存在し前記収容体に対して固定して支持されかつ現像剤を磁力により引き寄せる磁石軸部と、
    前記現像剤保持部の軸線に沿って予め定められた距離を隔てて設けられ当該現像剤保持部が前記磁石軸部の周囲を回転するよう当該現像剤保持部を支持する回転支持部と、
    前記現像剤保持部に保持された現像剤を前記像保持体に供給する現像剤供給部と、
    前記現像剤保持部を回転させる動力を供給する動力源と、
    前記動力源と前記現像剤保持部とを接続し、前記回転支持部間の前記予め定められた距離に基づいて特定される前記像保持体に向かう方向における前記磁石軸部の固有振動数とは異なる周波数で、前記駆動源から供給された駆動力を当該現像剤保持部に伝達する伝達部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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