JP2012068109A - 使用済核燃料の再処理装置及びその再処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用済核燃料の再処理装置は、電解槽に固定されるベース部材と、電極に連結するシャフトを支持する支持部材と、ベース部材の側に固定されるとともに支持部材を鉛直方向下側から支えて重量を検出する秤量部と、から構成される。
【選択図】 図2
Description
そのような有用金属を使用済核燃料から分離回収する方法の一つとして溶融塩電解法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、電解プロセスにおける有用金属の回収量をモニタするために、この有用金属が析出する電極の重量をリアルタイムで検出するロードセルを備えた電解装置が知られている(例えば、特許文献2)。
さらに、電解の操業条件を制御することにより、回収される酸化ウラン(UO2)及び酸化プルトニウム(PuO2)の分配比(U/Pu分配比)を、所望する値に調整することが望まれている。
一方、そのような調整や判断に、UO2及びPuO2が析出する電極の重量のリアルタイム情報を、加味させることにより、その正確性の向上が期待される。
しかし、従来の電極重量のリアルタイム検出技術では、そのように正確性を向上させるに充分な、重量の検出精度が得られない課題があった。
図1のブロック図に示すように使用済核燃料の再処理装置10は、電極23(陽極23Aと陰極23B)が浸漬される電解浴21を保持し使用済核燃料SFを電気分解する電解槽20と、電極23を回転駆動させ、その重量変化を検出する駆動検出部30と、この駆動検出部30より出入力されるデータ信号を処理し電極23へ電力供給する電装部40とから構成される。
このように電解浴21が溶融塩により構成されることにより、イオン伝導性に優れる溶融塩の特性に基づいて電極反応で生成したイオンを反対側の電極に効率的に輸送することができる。
:PuΟ2 →PuΟ2 2++2e- (2)
:PuΟ2 2++2e- →PuΟ2 (4)
支持部材32は、側方向に延出する支持片32aが、鉛直方向下側に向かって秤量部37に当接するように設けられている。そして、この支持片32aは、係止片38により係止され秤量部37に対して位置ずれしないように構成されている。
なお、支持部材32は、シャフト25、電極23、及びこの電極23に保持される使用済核燃料SF又は析出物の重量を秤量部37に伝達する機能を果たすものであれば、その形状及び構成は特に限定されない。
なお、秤量部37を複数配置して支持部材32を複数点で支持する場合は、それぞれの秤量部37の計測値の合算値が、重量信号Wとなる。
このように駆動検出部30が構成されることにより、出力される重量信号Wにおいて、秤量部37自身の重さや接続配線に付与する張力が加算されないので、電極23に保持される使用済核燃料SF又は析出物の重量を高精度に検出することができる。
そして、このように駆動検出部30が構成されることにより、出力される重量信号Wにおいて、ギアボックス35及びモータ36自身の重さや接続配線に付与する張力が加算されないので、電極23に保持される使用済核燃料SF又は析出物の重量を高精度に検出することができる。
また、シャフト25に回転を付与するモータ36が、秤量部37及び支持部材32に対し機械構造的に隔離された位置に配置されるために、モータ振動の影響を重量信号Wに与えにくいといった効果が得られる。
このように駆動検出部30が構成されることにより、出力される重量信号Wにおいて、給電配線に付与する張力が加算されないので、電極23に保持される使用済核燃料SF又は析出物の重量を高精度に検出することができる。
なお、詳細な説明を省略するが、陰極23Bに析出するUΟ2及びPuΟ2の分配比は、電荷信号C、電流信号I、電圧信号V、重量信号W、電解浴21のイオン濃度等を検知することにより推定することができ、電極23への給電、電極23の回転速度、その他の操業条件を制御して調整することができる。
連続的に直流電力を印加する場合、析出するU−Pu組成が傾斜していずれか一方のリッチ相が優先的に析出する場合がある。
一方、非対称交流電力によれば、正方向及び負方向の波形を適宜調整することにより、そのようなリッチ相を再び電解浴21に溶解させて、析出するU−Pu組成を一定に保つことができる。
制御部47は、陰極23Bで回収される酸化ウラン(UO2)及び酸化プルトニウム(PuO2)におけるU/Pu分配比が所定範囲に収まるように、直流電力であるか非対称交流電力であるかも含め給電電力の出力条件を定める給電信号Pを制御する。
まず、陰極として固体陰極23Bと溶融Cdの液体陰極23Cとを用い、電解浴21の下層にCdプール28を備えている。
そして、各電極23(23A,23B,23C)の重量W2,W3,W4をそれぞれ計測するものの他に、電解槽20の重量W1を計測する秤量部37が設けられている
ここで、ρsaltは電解浴21の密度、Wsaltは電解浴21の重量、WCdはCdプール28の重量、WAは陽極23Aの重量、WBは固体陰極23Bの重量、WCは液体陰極23Cの重量、VAは陽極23Aの体積、VBは固体陰極23Bの体積、VCは液体陰極23Cの体積、WSF[t]は時間tにおける使用済核燃料SFの重量、WD1[t]は時間tにおける固体陰極析出物D1の重量、WD2[t]は時間tにおける液体陰極析出物D2の重量、VSF[t]は時間tにおける使用済核燃料SFの体積、VD1[t]は時間tにおける固体陰極析出物D1の体積、VD2[t])は時間tにおける液体陰極析出物D2の体積、を示している。
W2=WA+WSF[t]−(VA+VSF[t])×ρsalt (6)
W3=WB+WD1[t]−(VB+VD1[t])×ρsalt (7)
W4=WC+WD2[t]−(VC+VD2[t])×ρsalt (8)
まず、空の電解槽20に、Cdプール28を投入するとその重さが加算された重量W1が計測される。次に電解浴21(Salt)を投入するとその重さが加算された重量W1が計測される。そして、この電解浴21に電解補助剤(CdCl2)を投入すると瞬間的にその重さが加算された重量W1が計測される。
この電解過程において検知される、電荷信号C、電流信号I、電圧信号V、重量信号W(W2,W3,W4)を解析することにより、析出するUΟ2及びPuΟ2の分配比を推定することができる。
そして、この分配比が所定範囲となるように電極23への給電、電極23の回転速度が制御されることになる。
例えば、実施形態において、電極23を電解浴21中で回転させるものを例示したが、このような回転機構を備えない場合であっても、発明を適用することができる。
また、実施形態において析出物のU/Pu分配比を調整することを目的とした運用例を示したが、重量計測値の具体的運用方法は、これに限定されるものではない。また、駆動検出部30A,30Bは、陽極23A及び陰極23Bの両方に設置されるものを例示したが、いずれか一方であってもよい。
Claims (5)
- 使用済核燃料を電気分解する電解浴を保持する電解槽に固定されるベース部材と、
前記電解浴に浸漬される電極に連結するシャフトを支持する支持部材と、
前記ベース部材側に固定されるとともに前記支持部材を鉛直方向下側から支えて重量を検出する秤量部と、を備えることを特徴とする使用済み核燃料の再処理装置。 - 請求項1に記載の使用済み核燃料の再処理装置において、
前記支持部材に対し前記シャフトを軸周り方向に回転自在にする軸受けと、
前記ベース部材側に固定されるとともに前記シャフトに回転トルクを付与するモータと、を備えることを特徴とする使用済み核燃料の再処理装置。 - 請求項2に記載の使用済み核燃料の再処理装置において、
前記ベース部材側に固定されるとともに前記モータの回転トルクを前記シャフトに伝達する複数の歯車が組み合わされてなるギアボックスを備えることを特徴とする使用済み核燃料の再処理装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の使用済み核燃料の再処理装置において、
前記シャフトに対し回転自在に設けられるとともに前記電極に給電する配線が接続されるスリップリングと、
前記ベース部材側に固定されるとともに前記配線を前記スリップリングに案内するガイド部材と、を備えることを特徴とする使用済み核燃料の再処理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の使用済み核燃料の再処理装置を用い、
少なくとも前記秤量部で検出された重量信号に基づいて、前記電極への給電量又は前記モータの回転速度を制御して、回収される有用金属の分配比を調整することを特徴とする使用済み核燃料の再処理方法。
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JPH06324189A (ja) * | 1993-05-12 | 1994-11-25 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 溶融塩電解精製法 |
JPH11148995A (ja) * | 1997-11-18 | 1999-06-02 | Toshiba Corp | 溶融塩電解精製装置 |
JP2006314958A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Toshiba Corp | 電解装置 |
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