JP2012067607A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを抑制すること。
【解決手段】通常運転時には目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度が設定され、スロットル弁およびEGR制御弁がそれぞれ制御され、減速要求時にはスロットル弁開度およびEGR制御弁開度が最小開度XthMin、XegrMinまで減少される。そして、減速要求時にEGR制御弁開度が最小開度に到達する時点Tegrcがスロットル弁開度が最小開度に到達する時点Tthcよりも早いときには、通常運転時に設定される目標EGR制御弁開度または目標EGRガス量が増大される。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に、スロットル弁といわゆる排気再循環装置(以下この装置を「EGR装置」という)とを備えた内燃機関において、減速要求が発生して内燃機関の減速が行われている期間(以下この期間を「減速期間」という)中のスロットル弁の開度(以下この開度を「スロットル弁開度」という)とEGR装置の排気再循環制御弁(以下この制御弁を「EGR制御弁」という)の開度(以下この開度を「EGR制御弁開度」という)との制御方法が記載されている。
この制御方法では、減速期間中にアクセルペダルの開度(以下この開度を「アクセルペダル開度」という)が監視され、アクセルペダル開度が零になるまでの間は、減速要求が発生した時点(以下この時点を「減速要求発生時点」という)のスロットル弁開度が維持されつつ、マップから設定される目標EGR率が達成されるようにEGR制御弁開度が制御される。そして、アクセルペダル開度が零になった時点でスロットル弁開度の減少が開始されると共に目標EGR率が零に設定されることによってEGR制御弁開度の減少が開始される。この制御方法において、減速期間中にこのようにスロットル弁開度とEGR制御弁開度とが制御される理由は、特許文献1によれば以下の通りである。
すなわち、いわゆるEGR装置は、燃焼室から排気通路に排出された排気ガスを吸気通路に導入することによって同排気ガスを燃焼室に導入する装置である。ここで、排気ガスが不活性ガスであることから、排気ガスが燃焼室に導入されると燃焼室内における燃料の燃焼温度が低下し、これによって、燃焼室内における燃料の燃焼に起因した窒素酸化物(以下これを「NOx」と表記する)の発生が抑制される。
一方、燃焼室に導入される排気ガスの量、すなわち、EGR装置によって吸気通路に導入される排気ガス(以下この排気ガスを「EGRガス」という)の量が多くなり、その結果、燃焼室に吸入される空気の量に対するEGRガスの量の割合(以下この割合を「EGR率」という)が大きくなると、燃焼室に吸入されるガス中の空気の割合が小さくなることから、燃焼室内において失火が生じる可能性が高くなる。
ここで、減速期間中は、内燃機関に要求されるトルクが極めて小さくなることから、一般的には、燃焼室に吸入される空気の量を最小限にするためにスロットル弁開度が最小の開度(多くの場合、零に極めて近い開度であり、以下この開度を「最小スロットル弁開度」という)にされる。このとき、EGRガスの量が減速要求発生時点の量に維持されていると、EGR率が大幅に大きくなり、燃焼室内において失火が生じてしまう。このことを回避するために、減速要求が発生した場合、EGRガスの量を最小限(多くの場合、零)にするためにEGR制御弁開度が最小の開度(多くの場合、零であり、以下この開度を「最小EGR制御弁開度」という)にされる。
ここで、減速要求発生時点でスロットル弁開度を最小スロットル弁開度に向けて減少させ始めると共にEGR制御弁開度を最小EGR制御弁開度に向けて減少させ始めるという制御方法が採用された場合において、EGR制御弁の応答に遅れがあると、EGR制御弁開度を減少させるための操作量がEGR制御弁に入力されてからEGR制御弁開度が実際に減少し始めるまでに時間がかかり、その結果、燃焼室に吸入される空気の減少率が所期の減少率であるにも係わらずEGRガス量の減少率が所期の減少率よりも小さいという状況が生じる。こうした状況が生じると、スロットル弁開度およびEGR制御弁開度がそれぞれ最小スロットル弁開度および最小EGR制御弁開度に向かって減少している間、EGR率が所期のEGR率よりも大きくなり、その結果、燃焼室内において失火が生じてしまう可能性がある。特に、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない場合、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点からEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでの間、EGR率が比較的大きい状態が継続することから、燃焼室内において失火が生じてしまう可能性が高い。
特許文献1の記載によれば、このことを回避するために、減速期間中、上述したようにスロットル弁開度とEGR制御弁開度とを制御するようにしているとある。
しかしながら、特許文献1に記載の制御方法では、減速要求発生時点でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とが開始されるのではなく、減速要求発生時点から一定時間が経過した時点(具体的には、アクセルペダル開度が零になった時点)でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とが開始されるのであるが、これら減少は同時に開始される。したがって、特許文献1に記載の制御方法に従って減速期間中にスロットル弁開度とEGR制御弁開度とが制御されたとしても、EGR制御弁の応答に遅れがあれば、結局のところ、スロットル弁開度およびEGR制御弁開度がそれぞれ最小スロットル弁開度および最小EGR制御弁開度に向かって減少している間、EGR率が所期のEGR率よりも大きくなり、その結果、燃焼室内において失火が生じてしまう可能性がある。もちろん、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じる可能性もあり、この場合、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点からEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでの間、EGR率が比較的大きい状態が継続することから、燃焼室内において失火が生じてしまう可能性が高い。
このように、特許文献1に記載の制御方法では、いずれにせよ、燃焼室内において失火が生じてしまう可能性が高い。
また、EGR装置が長期間に亘って使用されたときにEGR制御弁が閉弁する速度が初期の速度よりも遅くなってしまうことがある。この場合、特許文献1に記載の制御方法によれば、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じる可能性が高くなる。そして、その結果、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点からEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでの間に焼室内において失火が生じてしまう可能性が高くなる。
このように、スロットル弁とEGR装置とを備えた内燃機関では、減速期間中、スロットル弁開度とEGR制御弁開度とがそれぞれ最小スロットル弁開度および最小EGR制御弁開度に向かって減少する間、EGR率が所期のEGR率よりも大きくなることを抑制することが要求されるし、減速要求の発生後、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを抑制することも要求されるにも係わらず、特許文献1に記載の制御方法では、こうした要求に応えることができない。
特開平10−89130号公報 特開2010−138734号公報 特開2006−194143号公報 特開2001−82260号公報 特開2004−316528号公報 特開2003−3895号公報
さらに、EGR装置を備えた内燃機関では、燃焼室内におけるNOxの発生を抑制するために通常運転(すなわち、減速要求が発生していないときの内燃機関の運転)中に可能な限り多量のEGRガスを燃焼室に導入することが望まれる。しかしながら、多量のEGRガスを燃焼室に導入するためにEGR制御弁の開度が大きくされているときに、減速要求が発生すると、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁に到達するまでに要する時間が長くなる。このため、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じ易くなる。つまり、可能な限り多量のEGRガスを燃焼室に導入することが望まれるとはいえ、減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを回避することができる程度の開度に通常運転中のEGR制御弁開度を維持する必要がある。すなわち、減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを回避するという観点から、通常運転中のEGR制御弁開度には上限の開度がある。
そして、このように通常運転中のEGR制御弁開度に上限の開度があることから、通常運転中に吸気通路に導入することができるEGRガス量にも上限の量があることになる。しかしながら、上述したように、燃焼室内におけるNOxの発生を抑制するという観点からは、通常運転中のEGRガス量は可能な限り多いことが望まれる。
そこで、本発明の目的は、スロットル弁とEGR装置とを備えた内燃機関において、減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを抑制しつつ、通常運転中に吸気通路に導入されるEGRガス量を可能な限り多くすることにある。
本願の1番目の発明は、吸気通路に配置されるスロットル弁と燃焼室から排気通路に排出された排気ガスを吸気通路に導入することによって同排気ガスを燃焼室に導入する排気再循環装置とを備え、該排気再循環装置が吸気通路に導入される排気ガスの量を制御する排気再循環制御弁を有する内燃機関の制御装置に関する。
そして、本発明では、内燃機関の運転状態が減速運転状態以外の通常運転状態にあるときには燃焼室に吸入させるべき空気の量として目標とするべき量が目標吸入空気量として設定されると共に排気再循環制御装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量として目標とするべき量が目標排気再循環量として設定される。そして、これら設定された目標吸入空気量および目標排気再循環量を達成することができるスロットル弁の開度および排気再循環制御弁の開度がそれぞれ目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度として設定される。そして、これら設定された目標スロットル弁開度および目標排気再循環制御弁開度に従ってスロットル弁および排気再循環制御弁がそれぞれ制御される。
一方、本発明では、内燃機関の減速運転要求が発生したときにはスロットル弁の開度がその最小開度まで減少されると共に排気再循環制御弁の開度がその最小開度まで減少される。
ここで、本発明では、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達する時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達する時点よりも早いときには、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達する時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達する時点よりも遅くならない範囲で内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標排気再循環量を達成することができる排気再循環制御弁の開度として設定される目標排気循環制御弁開度が増大され或いは内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標排気再循環量が増大される。
本発明によれば、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることを抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られる。
すなわち、本発明によれば、内燃機関の減速運転要求が発生したときに排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早い状況が生じる度に、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大されるのであるから、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量が多くなる。
一方、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大された場合、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大された分だけ、内燃機関の減速運転要求時点における排気再循環制御弁の開度が大きいことから、内燃機関の減速運転要求後に排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでに要する時間が長くなる。このように排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでに要する時間が長くなれば、その分だけ、スロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じ易くなる。しかしながら、本発明では、内燃機関の減速運転要求が発生したときに排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときに目標排気再循環制御弁または目標排気再循環量が増大され、しかも、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達する時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達する時点よりも遅くならない範囲で目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大される。このため、本発明では、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大され、その分だけ、内燃機関の減速運転要求後に排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでに要する時間が長くなったとしても、スロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることがないか或いは少なくとも抑制される。
こうしたことから、本発明によれば、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることを抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られるのである。
また、本願の2番目の発明では、上記1番目の発明において、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでの排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも遅いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される。
本発明によれば、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることをより確実に抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られる。
すなわち、排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも遅いことは、実際の排気再循環制御弁の閉弁速度が時間の経過に伴って遅くなったことを意味する。したがって、今後、排気再循環制御弁の閉弁速度がさらに遅くなる懸念がある。こうした懸念があるにも係わらず、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大されてしまうと、現実に排気再循環制御弁の閉弁速度がさらに遅くなってしまった場合に、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じる可能性が高くなる。
しかしながら、本発明では、排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも遅いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される。したがって、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることをより確実に抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られるのである。
また、本番の3番目の発明では、上記1または2番目の発明において、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでの排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される。
本発明によれば、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることをより確実に抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られる。
すなわち、一定の制御則に従って排気再循環制御弁が制御されている場合、排気再循環制御弁の閉弁速度が時間の経過に伴って徐々に速くなってゆく可能性は低い。したがって、排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速い場合、排気再循環制御弁の閉弁速度を速くする定常的な状況が排気再循環制御弁に作用しているのではなく、排気再循環制御弁の閉弁速度を速くする突発的な状況が排気再循環制御弁に作用したとも考えられる。この場合、こうした突発的な状況が再び排気再循環制御弁に作用しなければ、排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速くならない懸念がある。そして、こうした懸念があるにも係わらず、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量が増大されてしまうと、現実に排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速くならなかった場合に、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じる可能性が高くなる。
しかしながら、本発明では、排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される。したがって、内燃機関の減速運転要求の発生後にスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点で排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達していない状況が生じることをより確実に抑制しつつ、内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに排気再循環装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られるのである。
本発明の制御装置が適用された内燃機関を示した図である。 (A)は機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて目標スロットル弁開度TXthを取得するために利用されるマップを示した図であり、(B)は機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて目標EGR制御弁開度TXegrを取得するために利用されるマップを示した図である。 EGR制御弁閉弁時点Tegrcがスロットル弁閉弁時点Tthcと同じ時刻である場合におけるスロットル弁開度XthとEGR制御弁開度Xegrとの変化の様子を示した図である。 機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて所定ディレー時間Tdを取得するために利用されるマップを示した図である。 EGR制御弁閉弁時点Tegrcがスロットル弁閉弁時点Tthcよりも早い時刻である場合におけるスロットル弁開度XthとEGR制御弁開度Xegrとの変化の様子を示した図である。 EGR制御弁閉弁時点Tegrcが最小スロットル弁閉弁時点Tthcよりも遅い時刻である場合におけるスロットル弁開度XthとEGR制御弁開度Xegrとの変化の様子を示した図である。 (A)は機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて目標吸入空気量TGaを取得するために利用されるマップを示した図であり、(B)は機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて目標EGR率TRegrを取得するために利用されるマップを示した図である。 本発明の第1実施形態に従ったスロットル弁およびEGR制御弁の制御を実行するルーチンの一例を示した図である。 本発明の第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第2実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第2実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第2実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第2実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第3実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第3実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第3実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。 本発明の第3実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例の一部を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の制御装置が適用された内燃機関10を示している。内燃機関10は、内燃機関の本体(以下「機関本体」という)20と、該機関本体の4つの燃焼室にそれぞれ対応して配置された燃料噴射弁21と、該燃料噴射弁21に燃料供給管23を介して燃料を供給する燃料ポンプ22とを具備する。また、内燃機関10は、外部から燃焼室に空気を供給する吸気系30と、燃焼室から排出される排気ガスを外部に排出する排気系40とを具備する。また、内燃機関10は、圧縮自着火式の内燃機関(いわゆる、ディーゼルエンジン)である。
吸気系30は、吸気枝管31と吸気管32とを有する。なお、以下の説明において、吸気系30を「吸気通路」と称することもある。吸気枝管31の一方の端部(すなわち、枝部)は、各燃焼室に対応して機関本体20内に形成された吸気ポート(図示せず)に接続されている。一方、吸気枝管31の他方の端部は、吸気管32に接続されている。吸気管32内には、該吸気管内を流れる空気の量を制御するスロットル弁33が配置されている。さらに、吸気管32には、該吸気管内を流れる空気を冷却するインタークーラ34が配置されている。さらに、吸気管32の外部を臨む端部には、エアクリーナ36が配置されている。
なお、スロットル弁33は、その開度が制御されることによって燃焼室に吸入されるガスの量を可変に制御することができる。具体的には、スロットル弁33の開度(以下この開度を「スロットル弁開度」という)が大きいほど、燃焼室に吸入されるガスの量が多くなる。
一方、排気系40は、排気枝管41と排気管42とを有する。なお、以下の説明において、排気系40を「排気通路」と称することもある。排気枝管41の一方の端部(すなわち、枝部)は、各燃焼室に対応して機関本体20内に形成された排気ポート(図示せず)に接続されている。一方、排気枝管41の他方の端部は、排気管42に接続されている。排気管42には、排気ガス中の特定成分を浄化する排気浄化触媒43Aを内蔵した触媒コンバータ43が配置されている。
また、内燃機関10は、過給機35を具備する。過給機35は、インタークーラ34よりも上流の吸気管32内に配置されるコンプレッサ35Aと、触媒コンバータ43よりも上流の排気管42内に配置される排気タービン35Bとを有する。排気タービン35Bは、シャフト(図示せず)を介してコンプレッサ35Aに接続されている。排気タービン本体35Cが排気ガスによって回転せしめられると、その回転がシャフトを介してコンプレッサ35Aに伝達され、これによって、コンプレッサ35Aが回転せしめられる。このコンプレッサ35Aの回転によってコンプレッサよりも下流の吸気管32内のガスが圧縮せしめられ、その結果、同ガスの圧力(以下この圧力を「吸気圧」という)が上昇せしめられる。
また、内燃機関10は、排気再循環装置(以下これを「EGR装置」という)50を具備する。EGR装置50は、排気再循環管(以下これを「EGR通路」という)51を有する。EGR通路51の一端は、排気枝管41に接続されている。すなわち、EGR通路51の一端は、排気タービン35Bよりも上流の排気通路40の部分に接続されている。一方、EGR通路51の他端は、吸気枝管31に接続されている。すなわち、EGR通路51の他端は、コンプレッサ35Aよりも下流の吸気通路の部分に接続されている。また、EGR通路51には、該EGR通路内を流れる排気ガスの流量を制御する排気再循環制御弁(以下この排気再循環制御弁を「EGR制御弁」という)52が配置されている。さらに、EGR通路51には、該EGR通路内を流れる排気ガスを冷却する排気再循環クーラ53が配置されている。
なお、EGR装置50は、EGR制御弁52の開度を制御することによってEGR通路51を介して吸気通路30に導入される排気ガス(以下この排気ガスを「EGRガス」という)の量を可変に制御することができる。具体的には、EGR制御弁52の開度(以下この開度を「EGR制御弁開度」という)が大きいほど、EGRガス量が多くなる。
また、エアクリーナ36よりも下流であってコンプレッサ35Aよりも上流の吸気管32には、該吸気管内を流れる空気の流量を検出するエアフローメータ71が取り付けられている。また、吸気枝管31には、吸気圧を検出するセンサ(以下このセンサを「吸気圧センサ」という)72が取り付けられている。また、機関本体20には、クランクシャフトの回転位相を検出するクランクポジションセンサ74が取り付けられている。
また、内燃機関10は、電子制御装置60を具備する。電子制御装置60は、マイクロプロセッサ(CPU)61と、リードオンリメモリ(ROM)62と、ランダムアクセスメモリ(RAM)63と、バックアップRAM(Back up RAM)64と、インターフェース65とを有する。インターフェース65には、燃料噴射弁21、燃料ポンプ22、スロットル弁33、および、EGR制御弁52が接続されており、これらの動作を制御する制御信号がインターフェース65を介して電子制御装置60から与えられる。また、インターフェース65には、エアフローメータ71、圧力センサ72、クランクポジションセンサ74、および、アクセルペダルAPの開度(すなわち、アクセルペダルAPの踏込量であって、以下これを「アクセルペダル開度」という)を検出するアクセルペダル開度センサ75も接続されており、エアフローメータ71によって検出された流量に対応する信号、過給圧センサ72によって検出された圧力に対応する信号、クランクポジションセンサ74によって検出されたクランクシャフトの回転位相に対応する信号、および、アクセルペダル開度センサ75によって検出されたアクセルペダルAPの踏込量に対応する信号がインターフェース65に入力される。
なお、吸気圧センサ72によって検出された圧力に対応する信号に基づいて吸気圧が電子制御装置60によって算出され、クランクポジションセンサ74によって検出されたクランクシャフトの回転位相に対応する信号に基づいて機関回転数(すなわち、内燃機関10の回転数)が電子制御装置60によって算出され、アクセルペダル開度センサ75によって検出されたアクセルペダルAPの踏込量に対応する信号に基づいてアクセルペダル開度が電子制御装置60によって算出される。
次に、内燃機関の運転状態が減速運転状態以外の通常運転状態にあるときのスロットル弁およびEGR制御弁の制御について説明する。なお、「減速運転状態」とは「アクセルペダル開度が比較的大きく減少し(特に、アクセルペダル開度が零になり)、内燃機関に要求されるトルクが比較的大きく減少したときの内燃機関の運転状態」を意味する。また、以下の説明において、「機関運転状態」とは「内燃機関10の運転状態」を意味し、「吸入空気量」とは「燃焼室に吸入される空気の量」を意味し、「EGR率」とは「燃焼室に吸入されるガスの量に対するEGRガスの量の比」を意味し、「機関回転数」とは「内燃機関10の回転数」を意味する。
本実施形態(以下「第1実施形態」という)では、機関運転状態に応じて最適な吸入空気量とEGR率とを達成することができるスロットル弁開度とEGR制御弁開度とが実験等によって予め求められ、これら求められたスロットル弁開度およびEGR制御弁開度が図2(A)および図2(B)に示されているようにそれぞれ目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrとして機関回転数NEと充填効率KLとの関数のマップの形で電子制御装置に記憶されている。そして、機関運転状態が通常運転状態にあるときに機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて図2(A)および図2(B)のマップから目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrがそれぞれ取得される。そして、これら取得された目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrにスロットル弁開度およびEGR制御弁開度を制御するためにスロットル弁およびEGR制御弁に入力されるべき操作量が目標スロットル弁操作量および目標EGR制御弁操作量として算出される。そして、これら算出された目標スロットル弁操作量および目標EGR制御弁操作量がそれぞれスロットル弁およびEGR制御弁に電子制御装置から入力される。
斯くして、スロットル弁開度が目標スロットル弁開度に制御されると共にEGR制御弁開度が目標EGR制御弁開度に制御され、これによって、目標吸入空気量および目標EGR率が達成される。
次に、減速期間中のスロットル弁およびEGR制御弁の制御について図3を参照して説明する。なお、「減速期間」とは「機関運転状態が減速運転状態にある期間」を意味する。
また、以下の説明において、「減速要求発生時点」とは「アクセルペダル開度が比較的大きく減少し(特に、アクセルペダル開度が零になり)、これによって、機関運転状態を通常運転状態から減速運転状態に移行することが要求された時点」を意味し、「最小スロットル弁開度」とは「スロットル弁がその開度としてとり得る最小の開度」を意味し、「最小EGR制御弁開度」とは「EGR制御弁がその開度としてとり得る最小の開度」を意味し、「スロットル弁閉弁速度」とは「スロットル弁が閉弁する速度」を意味し、「EGR制御弁閉弁速度」とは「EGR制御弁が閉弁する速度」を意味し、「スロットル弁閉弁時点」とは「減速期間中においてスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点」を意味し、「EGR制御弁閉弁時点」とは「減速期間中においてEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達した時点」を意味する。また、第1実施形態において、最小スロットル弁開度は零に極めて近い開度であり、最小EGR制御弁開度は零である。
また、図3において、「T0」は「減速要求発生時点」を示し、「T1」は「減速期間中にスロットル弁開度が減少し始める時点」を示し、「Tthc」は「スロットル弁閉弁時点」を示し、「Tegrc」は「EGR制御弁閉弁時点」を示し、「Xth(T0)」は「減速要求発生時点におけるスロットル弁開度」を示し、「Xegr(T0)」は「減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度」を示し、「XthMin」は「最小スロットル開度」を示し、「XegrMin」は「最小EGR制御弁開度」を示し、「Lth」は「時間の経過に伴ってスロットル弁開度が辿るライン」を示し、「Legr」は「時間の経過に伴ってEGR制御弁開度が辿るライン」を示している。
図3に示されているように、第1実施形態では、減速要求発生時点T0から所定時間Tdが経過した時点T1でスロットル弁開度が最小スロットル弁開度XthMinに向かって減少し始めるようにスロットル弁が制御される。一方、減速要求発生時点T0でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度XegrMinに向かって減少し始めるようにEGR制御弁が制御される。すなわち、第1実施形態では、減速要求発生時点T0でEGR制御弁開度が減少され始め、その後、減速要求発生時点T0から所定時間Tdが経過した時点T1でスロットル弁開度が減少され始める。そして、スロットル弁開度もEGR制御弁開度も同じ時点Tthc、Tegrcにおいてそれぞれ最小スロットル弁開度XthMinおよび最小EGR制御弁開度XegrMinに到達する。なお、第1実施形態において、減速期間中にスロットル弁開度の減少を開始する前にEGR制御弁開度の減少を開始する理由は、以下の通りである。
すなわち、EGR制御弁閉弁速度は、スロットル弁閉弁速度よりも遅い。そして、上述したように、最小スロットル弁開度が零に極めて近い開度であり且つ最小EGR制御弁開度が零であることから、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度とスロットル弁開度とが等しい場合、減速要求発生時点でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とを同時に開始されると、EGR制御弁閉弁速度がスロットル弁閉弁速度よりもどの程度遅いかにもよるが、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達する可能性が極めて高いと言える。また、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度がスロットル弁開度よりも大きい場合、減速要求発生時点でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とを同時に開始させると、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう可能性がさらに高くなる。もちろん、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度がスロットル弁開度よりも小さい場合には、減速要求発生時点でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とを同時に開始されたとしても、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう可能性は低くなるが、その可能性が零でない限りその可能性は比較的高いとも言える。
いずれにせよ、減速要求発生時点でスロットル弁開度の減少とEGR制御弁開度の減少とが同時に開始されると、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達する可能性が高い。
ここで、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまうと、スロットル弁開度が最小スロットル開度に到達した時点からEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでの間、スロットル弁開度が最小スロットル開度にあるにも係わらずEGR制御弁開度が比較的大きい状況が生じる。すなわち、吸入空気量が極めて少ないにも係わらずEGRガス量が比較的多い状況が生じる。この場合、燃焼室内のガス中のEGRガス量が多く、その結果、燃焼室内において失火が生じる可能性がある。
そこで、第1実施形態では、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう状況が生じることを回避するために、減速期間中にスロットル弁開度の減少を開始する前にEGR制御弁開度の減少を開始するようにしているのである。
なお、第1実施形態では、減速期間中にスロットル弁開度の減少を開始させる時点を決定するために用いられる上記所定時間は、減速期間中にEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう状況が生じることを回避するのに最適な時間として機関運転状態に応じて実験等によって予め求められ、この求められた時間が図4に示されているように所定ディレー時間Tdとして機関回転数NEと充填効率KLとの関数のマップの形で電子制御装置に記憶されている。そして、減速要求発生時点において機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて図4のマップから所定ディレー時間Tdが取得され、この取得された所定ディレー時間Tdが減速要求発生時点から経過した時点でスロットル弁開度の減少が開始される。
また、図4のマップでは、機関回転数NEが大きくなるほど短く且つ充填効率が大きいほど長い時間が所定ディレー時間として規定されている。
ところで、排気ガスは不活性ガスであることから、排気ガスが燃焼室に導入されると燃焼室内における燃料の燃焼温度が低下し、これによって、燃焼室内における燃料の燃焼に起因したNOx(すなわち、窒素酸化物)の発生が抑制される。したがって、燃焼室内における燃料の燃焼に起因したNOxの発生を抑制するという観点からは、機関運転状態が通常運転状態にあるときには、EGR装置によって燃焼室に導入されるEGRガスの量を可能な限り多くすることが望まれる。
しかしながら、EGR装置によって燃焼室に導入されるEGRガスの量を多くするためには、EGR制御弁開度を大きくする必要がある。ここで、EGR制御弁開度が大きいと、減速期間中にEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでに要する時間が長くなり、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう可能性が高くなる。
こうしたことから、機関運転状態が通常運転状態にあるときにEGR装置によって燃焼室に導入されるEGRガスの量を可能な限り多くすることが望ましいとはいえ、減速期間中にEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまう状況が生じることを確実に抑制するという観点から、機関運転状態が通常運転状態にあるときの目標EGR制御弁開度が通常採用可能な開度よりも小さい値に設定されている。
しかしながら、減速期間中にEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達してしまうことがないのであれば、機関運転状態が通常運転状態にあるときの目標EGR制御弁開度をより大きくし、EGRガスの量を多くすることが好ましい。そこで、第1実施形態では、特定の条件が成立したときに目標EGR制御弁開度を増大するようにしている。
次に、この第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大について図5を参照して説明する。なお、図5の各参照符号は、図3のそれぞれ対応する参照符号と同じパラメータを示している。
第1実施形態では、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点Tegrcとスロットル弁閉弁時点Tthcとが取得される。ここで、図5に示されているように、減速期間において、スロットル弁開度が実線Lthに沿って変化すると共にEGR制御弁開度が鎖線Legrに沿って変化したことから、EGR制御弁閉弁時点Tegrcがスロットル弁閉弁時点Tthcよりも早いときには、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くならない範囲で目標EGR制御弁開度が増大される。
このように、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されれば、減速期間においてスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを抑制しつつ、機関運転状態が通常運転状態にあるときにEGR装置によって吸気通路に導入されるEGRガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られる。
すなわち、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されると、当然のことながら、機関運転状態が通常運転状態にあるときの目標EGR制御弁開度が大きくなり、その結果、EGR装置によって吸気通路に導入されるEGRガスの量が多くなる。
一方、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されたとしても、減速期間中にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くならない範囲で目標EGR制御弁開度が増大されているので、次回の減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度は今回の減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)よりも大きい開度Xegrnewになり、次回の減速期間では、例えば、図5の鎖線Legrnewに沿ってEGR制御弁開度が減少し、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早い時点Tegrcnewか或いはスロットル弁閉弁時点に一致した時点になる。
こうしたことから、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されれば、減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達していない状況が生じることを抑制しつつ、機関運転状態が通常運転状態にあるときにEGR装置によって吸気通路に導入されるEGRガスの量を可能な限り多くすることができるという効果が得られるのである。
なお、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度の増大を行う場合、1回の目標EGR制御弁開度の増大によって減速期間中にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点に一致するように目標EGR制御弁開度を増大させてもよいし、1回の目標EGR制御弁開度の増大によって比較的小さく目標EGR制御弁開度を増大させて複数回の目標EGR制御弁開度の増大によって最終的に減速期間中にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点に一致するように目標EGR制御弁開度を増大させてもよい。
また、第1実施形態において、上述したように、減速運転状態とは「アクセルペダル開度が比較的大きく減少し(特に、アクセルペダル開度が零になり)、内燃機関に要求されるトルクが比較的大きく減少したときの内燃機関の運転状態」を意味する。したがって、第1実施形態では、内燃機関に要求される減速が比較的大きいときに目標EGR制御弁開度の増大が行われることになる。しかしながら、内燃機関に要求される減速が比較的大きくなく、すなわち、内燃機関に減速が要求されたときに目標EGR制御弁開度の増大が行われてもよい。
また、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されれば、上述した効果に加えて、減速期間中に不必要に大きなトルクが内燃機関から出力されることを抑制することができ或いは不必要に燃料が消費されることを抑制することができるという効果が得られる。
すなわち、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いと、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達する前にEGRガス量が零になり、その結果、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達するまでの間の吸入空気量が多くなる。ここで、一般的にも第1実施形態においても、燃料噴射弁から噴射される燃料の量(以下この量を「燃料噴射量」という)が吸入空気量に応じて決定されることから、吸入空気量が多くなると燃料噴射量が多くなる。この場合、不必要に大きなトルクが内燃機関から出力されることになるし、不必要に燃料が消費されることにもなる。
しかしながら、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されれば、少なくとも、最終的には、減速期間中にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点に一致するようになる。
こうしたことから、第1実施形態に従って目標EGR制御弁開度が増大されれば、上述した効果に加えて、減速期間中に不必要に大きなトルクが内燃機関から出力されることを抑制することができ或いは不必要に燃料が消費されることを抑制することができるという効果が得られるという効果が得られるのである。
次に、上述した目標EGR制御弁開度の増大を行うか否かを判断するために用いられるEGR制御弁閉弁時点の取得について説明する。
第1実施形態では、EGR制御弁閉弁速度が予め把握され、この把握されたEGR制御弁閉弁速度が参照EGR制御弁閉弁速度として電子制御装置に記憶されている。そして、この記憶されている参照EGR制御弁閉弁速度を「Vegrr」で表し、減速要求発生時点を「T0」で表し、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度を「Xegr(T0)」で表したとき、次式1に従ってEGR制御弁閉弁時点Tegrcが取得される。
Tegrc=T0+Xegr(T0)/Vegrr …(1)
なお、上式1に従ってEGR制御弁閉弁時点を取得する場合、減速要求発生時点において予測されるEGR制御弁閉弁時点を取得することができる。云い換えれば、上式1に従ってEGR制御弁閉弁時点を取得する場合、減速要求発生時点においてEGR制御弁閉弁時点を予測することができる。
また、減速要求発生時点においてEGR制御弁閉弁時点を予測する必要がない場合、或いは、極めて正確なEGR制御弁閉弁時点を取得する要請がある場合には、上式1に従ってEGR制御弁閉弁時点を取得するのに代えて、EGR制御弁開度が実際に最小EGR制御弁開度に到達した時点をEGR制御弁閉弁時点として取得するようにしてもよい。
次に、上述した目標EGR制御弁開度の増大を行うか否かを判断するために用いられるスロットル弁閉弁時点の取得について説明する。
第1実施形態では、スロットル弁閉弁速度が予め把握され、この把握されたスロットル弁閉弁速度が参照スロットル弁閉弁速度として電子制御装置に記憶されている。そして、この記憶されている参照スロットル弁閉弁速度を「Vthr」で表し、減速要求発生時点を「T0」で表し、所定ディレー時間を「Td」で表し、減速要求発生時点におけるスロットル弁開度を「Xth(T0)」で表したとき、次式2に従ってスロットル弁閉弁時点Tthcが取得される。
Tthc=T0+Td+Xth(T0)/Vthr …(2)
なお、上式2に従ってスロットル弁閉弁時点を取得する場合、減速要求発生時点において予測されるEGR制御弁閉弁時点を取得することができる。云い換えれば、上式2に従ってスロットル弁閉弁時点を取得する場合、減速要求発生時点においてEGR制御弁閉弁時点を予測することができる。
また、減速要求発生時点においてスロットル弁閉弁時点を予測する必要がない場合、或いは、極めて正確なスロットル弁閉弁時点を取得する要請がある場合には、上式2に従ってスロットル弁閉弁時点を取得するのに代えて、スロットル弁開度が実際に最小スロットル弁開度に到達した時点をスロットル弁閉弁時点として取得するようにしてもよい。
次に、上式1において用いられる参照EGR制御弁閉弁速度の更新について説明する。
上式1に従って正確なEGR制御弁閉弁時点を取得するためには、参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に一致していることが必要である。しかしながら、EGR装置が長期間に亘って使用されるとEGR制御弁閉弁速度が遅くなることもあるし、特殊な状況が生じたことによってEGR制御弁閉弁速度が速くなることもある。したがって、EGR制御弁閉弁速度が遅くなったり速くなったりしたときであっても、上式1に従って正確なEGR制御弁閉弁時点を取得するためには、実際のEGR制御弁閉弁速度に一致する参照EGR制御弁閉弁速度を新たに取得し、電子制御装置に記憶されている参照EGR制御弁閉弁速度をこの新たに取得された参照EGR制御弁閉弁速度に更新するべきである。
そこで、第1実施形態では、減速期間中にEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達した時点でその時点が実際のEGR制御弁閉弁時点として取得される。そして、この取得された実際のEGR制御弁閉弁時点を「Tegrcm」で表し、今回の減速要求発生時点を「T0」で表し、今回の減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度を「Xegr(T0)」で表したとき、次式3に従ってEGR制御弁閉弁速度Vegrが取得される。そして、この取得されたEGR制御弁閉弁速度Vegrが新たな参照EGR制御弁閉弁速度として電子制御装置に記憶されることによって参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrが更新される。
Vegr=Xegr(T0)/(Tegrcm−T0) …(3)
このように上式3に従った参照EGR制御弁閉弁速度の更新が行われることによって実際のEGR制御弁閉弁速度が遅くなったり速くなったりしたときであっても、上式1に従って正確なEGR制御弁閉弁時点を取得することができる。
なお、上式3に従った参照EGR制御弁閉弁速度の更新は、電子制御装置に記憶されている現在の参照EGR制御弁閉弁速度が上式3に従って新たに取得されたEGR制御弁閉弁速度よりも遅いか或いは速いかに係わらず常に行われてもよいし、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が新たに取得されたEGR制御弁閉弁速度よりも遅いとき或いは速いときにのみ行われてもよい。
また、電子制御装置に記憶されている現在の参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に一致していると見なせるEGR制御弁閉弁速度の範囲を上式3に従って新たに取得されるEGR制御弁閉弁速度に基づいて設定するようにしておき、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が上式3に従って新たに取得されたEGR制御弁閉弁速度に基づいて設定されるEGR制御弁閉弁速度の範囲の下限値よりも遅いとき或いは同範囲の上限値よりも速いときにのみ、上式3に従った参照EGR制御弁閉弁速度の更新を行うようにしてもよい。
次に、上式2において用いられる参照スロットル弁閉弁速度の更新について説明する。
上式2に従って正確なスロットル弁閉弁時点を取得するためには、参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に一致していることが必要である。しかしながら、スロットル弁が長期間に亘って使用されるとスロットル弁閉弁速度が遅くなることもあるし、特殊な状況が生じたことによってEGR制御弁閉弁速度が速くなることもある。したがって、スロットル弁閉弁速度が遅くなったり速くなったりしたときであっても、上式2に従って正確なスロットル弁閉弁時点を取得するためには、実際のスロットル弁閉弁速度に一致する参照スロットル弁閉弁速度を新たに取得し、電子制御装置に記憶されている参照スロットル弁閉弁速度をこの新たに取得された参照スロットル弁閉弁速度に更新するべきである。
そこで、第1実施形態では、減速期間中にスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達した時点でその時点が実際のスロットル弁閉弁時点として取得される。そして、この取得された実際のスロットル弁閉弁時点を「Tthcm」で表し、今回の減速要求発生時点を「T0」で表し、今回の所定ディレー時間を「Td」で表し、今回の減速要求発生時点におけるスロットル弁開度を「Xth(T0)」で表したとき、次式4に従ってスロットル弁閉弁速度Vthが取得される。そして、この取得されたスロットル弁閉弁速度Vthが新たな参照スロットル弁閉弁速度として電子制御装置に記憶されることによって参照スロットル弁閉弁速度Vthrが更新される。
Vth=Xth(T0)/(Tthcm−T0−Td) …(4)
このように上式4に従った参照スロットル弁閉弁速度の更新が行われることによって実際のスロットル弁閉弁速度が遅くなったり速くなったりしたときであっても、上式2に従って正確なスロットル弁閉弁時点を取得することができる。
なお、上式4に従った参照スロットル弁閉弁速度の更新は、電子制御装置に記憶されている現在の参照スロットル弁閉弁速度が上式4に従って新たに取得されたスロットル弁閉弁速度よりも遅いか或いは速いかに係わらず行われてもよいし、現在の参照スロットル元閉弁速度が新たに取得されたスロットル弁閉弁速度よりも遅いとき或いは速いときにのみ行われてもよい。
また、電子制御装置に記憶されている現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に一致していると見なせるスロットル弁閉弁速度の範囲を上式4に従って新たに取得されるスロットル弁閉弁速度に基づいて設定するようにしておき、現在の参照スロットル弁閉弁速度が上式4に従って新たに取得されたスロットル弁閉弁速度に基づいて設定されるスロットル弁閉弁速度の範囲の下限値よりも遅いとき或いは同範囲の上限値よりも速いときにのみ、上式4に従った参照スロットル弁閉弁速度の更新を行うようにしてもよい。
ところで、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いと、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達する前に吸入空気量が極めて少なくなり、その結果、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達するまでの間のEGR率が極めて大きくなる。この場合、燃焼室に吸入されるガス中の排気ガスの量が極めて多いことから、燃焼室内において失火が生じる可能性が高い。したがって、減速期間中のEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅い場合には、スロットル弁閉弁時点をEGR制御弁閉弁時点にEGR制御弁閉弁時点に一致させることが好ましい。
そこで、第1実施形態では、減速期間中にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いときには、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するようにスロットル弁閉弁速度を制御するようにしている。具体的には、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するようにスロットル弁閉弁速度を遅くするようにしている。
次に、この第1実施形態に従ったスロットル弁閉弁速度の制御について図6を参照して説明する。なお、図6の各参照符号は、図3のそれぞれ対応する参照符号と同じパラメータを示している。
第1実施形態では、図6に示されているように、減速期間において、スロットル弁開度が実線Lthに沿って変化すると共にEGR制御弁開度が鎖線Legrに沿って変化したことから、EGR制御弁閉弁時点Tegrcがスロットル弁閉弁時点Tthcよりも遅いときには、スロットル弁閉弁時点TthcがEGR制御弁閉弁時点Tegrcに一致するようにスロットル弁閉弁速度が遅くされる。
これによれば、次回の減速期間においてスロットル弁開度が鎖線Lthnewに沿って減少し、スロットル弁閉弁時点TthcがEGR制御弁閉弁時点Tegrに一致した時点になる。
このように、第1実施形態に従ってスロットル弁閉弁速度が遅くされれば、減速期間中においてEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達した時点でスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達していない状況が生じることが抑制される。
なお、上述したスロットル弁閉弁速度の制御は、スロットル弁閉弁時点におけるEGR率に係わらず常に行われてもよいし、スロットル弁閉弁時点におけるEGR率がその許容上限値(例えば、燃焼室内において失火が生じないEGR率の上限値)よりも大きいときにのみ行われてもよい。
なお、上述したように、スロットル弁閉弁時点におけるEGR率がその許容上限値よりも大きいときにのみスロットル弁閉弁速度の制御を行うようにした場合、スロットル弁閉弁時点におけるEGR率は、例えば、スロットル弁を通過する空気の流量に関する物理モデル(例えば、スロットル弁よりも上流側の吸気通路内の空気とスロットル弁よりも下流側の吸気通路内の空気とに関する質量保存則やエネルギ保存則から導き出される物理モデル)からスロットル弁を通過する空気の量(すなわち、吸入空気量)を算出すると共に、EGR制御弁を通過する排気ガスの流量に関する物理モデル(例えば、EGR制御弁よりも上流側のEGR通路内の排気ガスとEGR制御弁よりも下流側のEGR通路内の排気ガスとに関する質量保存則やエネルギ保存則から導き出される物理モデル)からEGR制御弁を通過する排気ガスの量(すなわち、EGRガス量)を算出し、これら算出された吸入空気量とEGRガス量とから求められればよい。
なお、上述したように物理モデルに基づいてEGR率を求める場合、機関運転状態が減速運転状態にあるときに生じ得る吸気圧の過剰な低下や、内燃機関の周辺環境の急激な変化に起因する外気温や大気圧の大幅な低下による内燃機関の周辺環境の急激な変化に起因する燃焼室に吸入される空気の温度や吸気圧の大幅な低下を考慮し、とり得る可能性のある吸気圧のうち最小の吸気圧およびとり得る可能性のある空気の温度のうち最低の温度を用いてEGR率を求めることが好ましい。
また、減速期間においてスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達する前にEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことが判明し、同減速期間においてスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達する前にスロットル弁閉弁速度を遅くすることができるのであれば、同減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことが判明した時点でスロットル弁閉弁速度を遅くする制御を行うようにしてもよい。
また、スロットル弁閉弁速度に許容下限値(例えば、減速期間中に吸入空気量を速く減少させることによって内燃機関から出力されるトルクを速く減少させるという観点から設定されるスロットル弁閉弁速度の下限値)が設定されている場合において、上述したスロットル弁閉弁速度の制御によって減速期間中のスロットル弁閉弁速度がその許容下限値よりも遅くなってしまうこともあり得る。この場合には、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いときであっても、スロットル弁閉弁速度の制御を行わないようにしてもよい。
また、上述したように、第1実施形態では、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、目標EGR制御弁開度が増大される。しかしながら、目標EGR制御弁開度に許容上限値(例えば、機関運転状態が通常運転状態にあるときに所期の内燃機関の特性が得られるEGR率の上限値に対応するEGR制御弁開度)が設定されている場合において、上述したように、目標EGR制御弁開度が増大されると、この増大された目標EGR制御弁開度がその許容上限値よりも大きくなってしまうこともあり得る。この場合には、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、目標EGR制御弁開度の増大を行わないようにしてもよい。
また、このように目標EGR制御弁開度の増大が行われないときに、スロットル弁閉弁速度を速くすることができるのであれば、或いは、減速期間中に吸入空気量を速く減少させることによって内燃機関から出力されるトルクを速く減少させるという観点からスロットル弁閉弁速度を速くすることが好ましく且つスロットル弁閉弁速度を速くすることができるのであれば、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点よりも早くならない範囲で(例えば、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように)スロットル弁閉弁速度を速くするようにしてもよい。これによれば、減速期間中においてEGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に到達した時点でスロットル弁開度が最小スロットル弁開度に到達していない状況が生じることが抑制される。
また、上述したように、第1実施形態では、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、目標EGR制御弁開度が増大される。しかしながら、このときに、減速期間中に吸入空気量を速く減少させることによって内燃機関から出力されるトルクを速く減少させるという観点からスロットル弁閉弁速度を速くすることが好ましく且つスロットル弁閉弁速度を速くすることができるのであれば、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くならない範囲で目標EGR制御弁開度を増大するのに合わせてスロットル弁閉弁速度を速くするようにしてもよい。
また、上述したように、第1実施形態では、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いときには、スロットル弁閉弁速度が遅くされる。しかしながら、これに代えて或いはこれに合わせて、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を長くするようにしてもよい。特に、スロットル弁閉弁速度を遅くするだけではスロットル弁閉弁時点をEGR制御弁閉弁時点に一致させることができないときには、スロットル弁閉弁速度を遅くするのに合わせて、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を長くするようにしてもよい。また、特に、スロットル弁閉弁速度を遅くすることができないとき、或いは、スロットル弁閉弁速度を遅くすることが好ましくないときには、スロットル弁閉弁速度を遅くするのに代えて、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を長くするようにしてもよい。
また、上述したように、第1実施形態では、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、目標EGR制御弁開度が増大される。しかしながら、これに合わせて、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を短くするようにしてもよい。特に、目標EGR制御弁開度を増大させるだけではEGR制御弁閉弁時点をスロットル弁閉弁時点に一致させることができないときには、目標EGR制御弁開度を増大させるのに合わせて、スロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を短くするようにしてもよい。
また、上述したように、目標EGR制御弁開度に許容上限値が設定されている場合において、目標EGR制御弁開度が増大されると、この増大された目標EGR制御弁開度がその許容上限値よりも大きくなってしまうときには、目標EGR制御弁開度の増大を行わないようにすると共にスロットル弁閉弁時点がEGR制御弁閉弁時点に一致するように所定ディレー期間を短くするようにしてもよい。
また、第1実施形態では、機関運転状態が通常運転状態にあるときに機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて図2(A)および図2(B)のマップから目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrがそれぞれ取得される。しかしながら、これに代えて、以下のように目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrが設定されてもよい。
すなわち、機関運転状態に応じて最適な吸入空気量とEGR率とが実験等によって予め求められ、これら求められた吸入空気量およびEGR率が図7(A)および図7(B)に示されているようにそれぞれ目標吸入空気量TGaおよび目標EGR率TRegrとして機関回転数NEと充填効率KLとの関数のマップの形で電子制御装置に記憶されている。そして、機関運転状態が通常運転状態にあるときに機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて図7(A)および図7(B)のマップから目標吸入空気量TGaおよび目標EGR率TRegrがそれぞれ取得される。そして、これら取得された目標吸入空気量TGaおよび目標EGR率TRegrを一定の変換則によって変換することによってこれら目標吸入空気量および目標EGR率を達成することができるスロットル弁開度およびEGR制御弁開度が算出される。そして、これら算出されたスロットル弁開度およびEGR制御弁開度がそれぞれ目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度に設定される。
なお、このように図7(A)および図7(B)から取得される目標吸入空気量および目標EGR率に基づいて目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度が設定される場合、上述した目標EGR制御弁開度の増大に代えて、目標EGR率の増大が行われる。
具体的には、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときいは、減速期間中においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くならない範囲で目標EGR率が増大される。
以上を考慮すれば、第1実施形態の内燃機関の制御装置は、広く、吸気通路に配置されるスロットル弁と燃焼室から排気通路に排出された排気ガスを吸気通路に導入することによって同排気ガスを燃焼室に導入するEGR装置とを備え、該EGR装置が吸気通路に導入される排気ガスの量を制御するEGR制御弁を有する内燃機関の制御装置であって、機関運転状態が減速運転状態以外の通常運転状態にあるときには目標吸入空気量を設定すると共に目標EGR率を設定し(この目標EGR率の設定には、目標とするべきEGRガス量の設定も含まれる)、これら設定された目標吸入空気量および目標EGR率を達成することができるスロットル弁開度およびEGR制御弁開度をそれぞれ目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度として設定し、これら設定された目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度に従ってスロットル弁およびEGR制御弁をそれぞれ制御し、内燃機関の減速要求が発生したときにはスロットル弁開度を最小スロットル弁開度まで減少させると共にEGR制御弁開度を最小EGR制御弁開度まで減少させ、内燃機関の減速要求の発生後、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くならない範囲で機関運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標EGR率を達成することができるEGR制御弁開度として設定される目標EGR制御弁開度を増大し或いは機関運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標EGR率を増大する制御装置であると言える。
次に、第1実施形態に従ったスロットル弁およびEGR制御弁の制御を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンは、図8に示されており、機関運転中に所定時間間隔毎に実行される。
図8のルーチンが開始されると、始めに、ステップ10において、現在の機関回転数NE、現在の充填効率KL、および、現在のアクセルペダル開度の減少率Psとが取得される。次いで、ステップ11において、ステップ10で取得された現在のアクセルペダル開度の減少率Psが所定の減少率Psthよりも大きい(Ps>Psth)か否か、すなわち、減速要求が発生しているか否かが判別される。ここで、Ps>Psthであると判別されたときには、ルーチンはステップ12に進む。一方、Ps≦Psthであると判別されたときには、ルーチンはステップ18に進む。
ステップ11においてPs>Psthであると判別され(すなわち、減速要求が発生していると判別され)、ルーチンがステップ12に進むと、ステップ10で取得された現在の機関回転数NEと現在の充填効率KLとに基づいて図4のマップから所定ディレー期間Tdが取得される。次いで、ステップ13において、目標スロットル弁開度TXthが最小スロットル弁開度XthMinに設定されると共に、目標EGR制御弁開度TXegrが最小EGR制御弁開度XegrMinに設定される。次いで、ステップ14において、ステップ13で設定された目標スロットル弁開度TXth(すなわち、最小スロットル弁開度XthMin)と目標EGR制御弁開度TXegr(すなわち、最小EGR制御弁開度XegrMin)とを達成することができる目標スロットル弁操作量Mthと目標EGR制御弁操作量Megrとが算出される。次いで、ステップ15において、ステップ14で算出された目標EGR制御弁操作量MegrがEGR制御弁に入力される。これによって、EGR制御弁開度が最小EGR制御弁開度に向かって減少し始める。
次いで、ステップ16において、現在の時点Tが減速要求が発生した時点T0からステップ12で取得された所定ディレー時間Tdが経過した時点を越えている(T≧T0+Td)か否か、すなわち、減速要求が発生した時点から所定ディレー時間が経過しているか否かが判別される。ここで、T≧T0+Tdであると判別されたときには、ルーチンはステップ17に進む。一方、T<T0+Tdであると判別されたときには、ルーチンはステップ16を繰り返す。すなわち、ステップ16においてT≧T0+Tdであると判別されるまで、ルーチンがステップ16を繰り返す。
ステップ16においてT≧T0+Tdであると判別され、ルーチンがステップ17に進むと、ステップ14で算出された目標スロットル弁操作量Mthがスロットル弁に入力され、ルーチンが終了する。これによって、スロットル弁開度が最小スロットル弁開度に向かって減少し始める。
一方、ステップ11においてPs≦Psthであると判別され(すなわち、減速要求が発生しておらず、機関運転状態が通常運転状態にあると判別され)、ルーチンがステップ18に進むと、ステップ10で取得された機関回転数NEと充填効率KLとに基づいて図2(A)および図2(B)のマップから目標スロットル弁開度TXthおよび目標EGR制御弁開度TXegrが取得される。次いで、ステップ19において、ステップ18で取得された目標スロットル弁開度TXthと目標EGR制御弁開度TXegrとを達成することができる目標スロットル弁操作量Mthと目標EGR制御弁操作量Megrとが算出される。次いで、ステップ20において、ステップ19で算出された目標スロットル弁操作量Mthがスロットル弁に入力されると共に、ステップ19で算出された目標EGR制御弁操作量MegrがEGR制御弁に入力され、ルーチンが終了する。これによって、スロットル弁開度およびEGR制御弁開度がそれぞれ目標スロットル弁開度および目標EGR制御弁開度に向かって変化し始める。
次に、第1実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンは、図9〜図12に示されており、機関運転中に所定時間間隔毎に実行される。
図9〜図12のルーチンが開始されると、始めに、ステップ100において、現在のアクセルペダル開度の減少率Psが取得される。次いで、ステップ101において、ステップ100で取得された現在のアクセルペダル開度の減少率Psが所定の減少率Psthよりも大きい(Ps>Psth)か否か、すなわち、減速要求が発生しているか否かが判別される。ここで、Ps>Psthであると判別されたときには、ルーチンはステップ102に進む。一方、Ps≧Psthであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ101においてPs>Psthであると判別され、ルーチンがステップ102に進むと、現在の機関回転数NE、現在の充填効率KL、減速要求発生時点T0、減速要求発生時点におけるスロットル弁開度Xth(T0)、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthr、および、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrが取得される。次いで、ステップ103において、ステップ102で取得された現在の機関回転数NEと現在の充填効率KLとに基づいて図4のマップから所定ディレー期間Tdが取得される。
次いで、ステップ104において、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と減速要求発生時点におけるスロットル弁開度Xth(T0)と現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrとステップ103で取得された所定ディレー時間Tdを用いて上式2からスロットル弁閉弁時点Tthcが算出されると共に、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)と現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrとを用いて上式1からEGR制御弁閉弁時点Tegrcが算出される。
次いで、ステップ105において、ステップ104で算出されたEGR制御弁閉弁時点Tegrcがステップ104で算出されたスロットル弁閉弁時点Tthcよりも小さい(Tegrc<Tthc)か否か、すなわち、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いか否かが判別される。ここで、Tegrc<Tthcであると判別されたときには、ルーチンはステップ106に進む。一方、Tegrc≧Tthcであると判別されたときには、ルーチンは図11のステップ118に進む。
ステップ105においてTegrc<Tthcであると判別され(すなわち、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いと判別され)、ルーチンがステップ106に進むと、実際のスロットル弁閉弁時点Tthcmと実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcmとが取得される。
次いで、ステップ107において、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と減速要求発生時点におけるスロットル弁開度Xth(T0)とステップ103で取得された所定ディレー時間Tdとステップ106で取得された実際のスロットル弁閉弁時点Tthcmとを用いて上式4からスロットル弁閉弁速度Vthmが算出されると共に、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)とステップ106で取得された実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcmとを用いて上式3からEGR制御弁閉弁速度Vegrmが算出される。
次いで、図10のステップ108において、ステップ102で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ107で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定の範囲内にある(Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegr)か否かが判別される。ここで、Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ109に進む。一方、Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrではないと判別されたときには、ルーチンはステップ113に進む。
ステップ108でVegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ109に進むと、ステップ102で取得された現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ107で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに対して所定の範囲内にある(Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kth)か否かが判別される。ここで、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別されたときには、ルーチンはステップ110に進む。一方、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別されたときには、ルーチンはステップ111に進む。
ステップ109においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ110に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しく且つ参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることからこれら参照EGR制御弁閉弁速度および参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がなく、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いことから目標EGR制御弁開度を増大させることが許容されるので、ステップ110において、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、ステップ109においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ111に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度は実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいと言えるが参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要はないが参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があり、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いことから目標EGR制御弁開度を増大させることが許容されるので、ステップ111において、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ112において、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ107で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、ステップ108でVegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrではないと判別され(すなわち、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ113に進むと、ステップ102で取得された現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ107で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに対して所定の範囲内にある(Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kth)か否かが判別される。ここで、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別されたときには、ルーチンはステップ114に進む。一方、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別されたときには、ルーチンはステップ116に進む。
ステップ113においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ114に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度は実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいとは言えないが参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要はあるが参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がなく、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いことから目標EGR制御弁開度を増大させることが許容されるので、ステップ114において、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ115において、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ107で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、ステップ113においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ116に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいとは言えず且つ参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えないことから参照EGR制御弁閉弁速度も参照スロットル弁閉弁速度も更新する必要があり、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いことから目標EGR制御弁開度を増大させることが許容されるので、ステップ116において、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ117において、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ107で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新されると共に現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ107で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、図9のステップ105においてTegrc≧Tthcであると判別され、ルーチンが図11のステップ118に進むと、ステップ104で算出されたEGR制御弁閉弁時点Tegrcがステップ104で算出されたスロットル弁閉弁時点Tthcよりも大きい(Tegrc>Tthc)か否か、すなわち、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いか否かが判別される。ここで、Tegrc>Tthcであると判別されたときには、ルーチンはステップ119に進む。一方、Tegrc≦Tthcであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ118においてTegrc>Tthcであると判別され(すなわち、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いと判別され)、ルーチンがステップ119に進むと、スロットル弁閉弁時点Tthcにおける実際のEGR率Regr(Tthc)が取得される。次いで、ステップ120において、ステップ119で取得されたEGR率Regr(Tthc)がその許容上限値(例えば、燃焼室内において失火が生じないEGR率の上限値)Cegrよりも大きい(Regr>Cegr)か否かが判別される。ここで、Regr>Cegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ121に進む。一方、Regr≦Cegrであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。すなわち、Regr≦Cegrであるときには、スロットル弁閉弁時点における実際のEGR率がその許容上限値以下であり、したがって、スロットル弁閉弁時点において燃焼室内において失火が生じる可能性が極めて低く、したがって、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことが許容可能であると判断し、スロットル弁閉弁速度を遅くすることなく、ルーチンを終了するのである。
ステップ120において、Regr>Cegrであると判別され、ルーチンがステップ121に進むと、実際のスロットル弁閉弁時点Tthcmと実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcmとが取得される。次いで、ステップ122において、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と減速要求発生時点におけるスロットル弁開度Xth(T0)とステップ103で取得された所定ディレー時間Tdとステップ121で取得された実際のスロットル弁閉弁時点Tthcmとを用いて上式4からスロットル弁閉弁速度Vthmが算出されると共に、ステップ102で取得された減速要求発生時点T0と減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)とステップ121で取得された実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcmとを用いて上式3からEGR制御弁閉弁速度Vegrmが算出される。
次いで、図12のステップ123において、ステップ102で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ122で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定の範囲内にある(Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegr)か否かが判別される。ここで、Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ124に進む。一方、Vegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrではないと判別されたときには、ルーチンはステップ128に進む。
ステップ123でVegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ124に進むと、ステップ102で取得された現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ122で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに対して所定の範囲内にある(Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kth)か否かが判別される。ここで、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別されたときには、ルーチンはステップ125進む。一方、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別されたときには、ルーチンはステップ126に進む。
ステップ124においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ125に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しく且つ参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることからこれら参照EGR制御弁閉弁速度および参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がなく、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことからスロットル弁閉弁速度を遅くすることが好ましいので、ステップ125において、スロットル弁閉弁速度Vthが減少され、ルーチンが終了する。なお、この場合、次回の減速期間中、ステップ125で遅くされたスロットル弁閉弁速度でもってスロットル弁開度が減少せしめられることになる。
一方、ステップ124においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ126に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度は実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいと言えるが参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要はないが参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があり、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことからスロットル弁閉弁速度を遅くすることが好ましいので、ステップ126において、スロットル弁閉弁速度Vthが減少され、次いで、ステップ127において、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ122で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、次回の減速期間中、ステップ126で遅くされたスロットル弁閉弁速度でもってスロットル弁開度が減少せしめられることになる。
一方、ステップ123でVegrm−Kegr≦Vegrr≦Vegrm+Kegrではないと判別され(すなわち、現在の参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ128に進むと、ステップ102で取得された現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ122で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに対して所定の範囲内にある(Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kth)か否かが判別される。ここで、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別されたときには、ルーチンはステップ129に進む。一方、Vthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別されたときには、ルーチンはステップ131に進む。
ステップ128においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ129に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度は実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいとは言えないが参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要はあるが参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がなく、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことからスロットル弁閉弁速度を遅くすることが好ましいので、ステップ129において、スロットル弁閉弁速度Vthが減少され、次いで、ステップ130において、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ122で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、次回の減速期間中、ステップ129で遅くされたスロットル弁閉弁速度でもってスロットル弁開度が減少せしめられることになる。
一方、ステップ128においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ131に進んだときには、参照EGR制御弁閉弁速度が実際のEGR制御弁閉弁速度に略等しいとは言えず且つ参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えないことから参照EGR制御弁閉弁速度も参照スロットル弁閉弁速度も更新する必要があり、また、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅いことからスロットル弁閉弁速度を遅くすることが好ましいので、ステップ131において、スロットル弁閉弁速度Vthが減少され、次いで、ステップ132において、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ122で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新されると共に現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ122で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、次回の減速期間中、ステップ132で遅くされたスロットル弁閉弁速度でもってスロットル弁開度が減少せしめられることになる。
次に、本発明の第2実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。
第1実施形態では、減速期間において、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、その時の参照EGR制御弁閉弁速度と実際のEGR制御弁閉弁速度との関係が考慮されずに目標EGR制御弁開度が増大される。これに対し、第2実施形態では、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、以下のように目標EGR制御弁開度の増大が行われる。
すなわち、第2実施形態では、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときに、上式3を用いて実際のEGR制御弁閉弁速度が算出される。そして、この算出されたEGR制御弁閉弁速度と電子制御装置に記憶されている現在の参照EGR制御弁閉弁速度とが比較され、上記算出されたEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには、目標EGR制御弁開度の増大が行われない。すなわち、目標EGR制御弁開度の増大が禁止される。一方、上記算出されたEGR制御弁閉弁速度が現在のEGR制御弁閉弁速度に等しいか或いは現在のEGR制御弁閉弁速度よりも速いときには、第1実施形態と同様に、目標EGR制御弁開度の増大が行われる。
このように、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには、目標EGR制御弁開度の増大を行わないようにする理由は以下の通りである。
すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いことは、実際のEGR制御弁閉弁速度が時間の経過に伴って遅くなったことを意味する。したがって、今後、実際のEGR制御弁閉弁速度がさらに遅くなる懸念がある。こうした懸念があるにも係わらず、目標EGR制御弁開度が増大されてしまうと、現実にEGR制御弁閉弁速度がさらに遅くなってしまった場合に、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くなってしまう状況が生じる可能性が高くなる。
こうした状況が生じることを回避するためには、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには、目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではない。
こうした理由から、第2実施形態では、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅い場合には、目標EGR制御弁開度の増大が行われないのである。
なお、これに合わせて、第2実施形態では、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときに、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度に等しいか或いはその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速い場合には、目標EGR制御弁開度の増大が行われるのであるから、結果的には、第2実施形態によれば、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くなってしまう状況が生じることをより確実に抑制しつつ、機関運転状態が通常運転状態にあるときにEGRガス量を可能な限り多くすることができるとう効果が得られる。
なお、実際のEGR制御弁閉弁速度を算出するために用いられるデータ(すなわち、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)、実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcm、および、減速要求発生時点T0)には多少なりとも誤差が含まれることから、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いがその時の参照EGR制御弁閉弁速度に極めて近い場合、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅くない可能性が高い。そして、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅くないのであれば、機関運転状態が通常運転状態にあるときのEGRガス量を可能な限り多くするという観点からは、目標EGR制御弁開度を増大させることが好ましい。
そこで、第2実施形態において、上式3を用いて算出されたEGR制御弁閉弁速度に適切な値を加算した速度(以下この速度を「補正EGR制御弁閉弁速度」という)とその時の参照EGR制御弁閉弁速度とを比較し、補正EGR制御弁閉弁速度が参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには目標EGR制御弁開度の増大を行わず、補正EGR制御弁閉弁速度が参照EGR制御弁閉弁速度に等しいか或いは参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いときには目標EGR制御弁開度の増大を行うようにしてもよい。
なお、第2実施形態に従ったスロットル弁およびEGR制御弁の制御を実行するルーチンの一例としては、図8のルーチンが挙げられる。
次に、第2実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンは、図13〜図16に示されており、機関運転中に所定時間間隔毎に実行される。なお、図13〜図16のルーチンのステップ200〜ステップ213、および、ステップ218〜ステップ232は、図9〜図12のルーチンのステップ100〜ステップ113、および、ステップ118〜ステップ132と同じであるので、これらステップについては図9〜図12の説明を参照されたい。
図14のステップ213においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ214Aに進むと、ステップ202で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定値だけ大きい速度(Vegrm+Kegr)よりも大きい(Vegrm>Vegrm+Kegr)か否か、すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いか否かが判別される。ここで、Vegrm>Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ214Bに進む。一方、Vegrm≦Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ214Cに進む。
ステップ214AにおいてVegrm>Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いと判別され)、ルーチンがステップ214Bに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いことから目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではないが参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がないので、ステップ214Bにおいて、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。
一方、ステップ214AにおいてVegrm≦Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度は現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には遅くないと判別され)、ルーチンがステップ214Cに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には遅くないことから目標EGR制御弁開度の増大を行うことが許容され且つ参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がないので、ステップ214Cにおいて、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ214Dにおいて、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、図14のステップ213においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ215Aに進むと、ステップ202で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定値だけ大きい速度(Vegrm+Kegr)よりも大きい(Vegrm>Vegrm+Kegr)か否か、すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いか否かが判別される。ここで、Vegrm>Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ215Bに進む。一方、Vegrm≦Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ215Cに進む。
ステップ215AにおいてVegrm>Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いと判別され)、ルーチンがステップ215Bに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に遅いことから目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではないが参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があるので、ステップ215Bにおいて、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ207で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新される共に、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。
一方、ステップ215AにおいてVegrm≦Vegrm+Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度は現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には遅くないと判別され)、ルーチンがステップ215Cに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には遅くないことから目標EGR制御弁開度の増大を行うことが許容され且つ参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があるので、ステップ215Cにおいて、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ215Dにおいて、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ207で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新されると共に、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ207で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
なお、ステップ214Aおよびステップ215AにおいてVegrm>Vegrm+Kegrであると判別されたときには、目標EGR制御弁開度の増大が行われずに参照EGR制御弁閉弁速度および/または参照スロットル弁閉弁速度の更新が行われる。Vegrm>Vegrm+Kegrであるときにこうした対応を採用した理由は上述した通りであるが、別の捉え方をすれば、Vegrm>Vegrm+Kegrであるときには、目標EGR制御弁開度の増大よりも参照EGR制御弁閉弁速度および/または参照スロットル弁閉弁速度の更新を優先させた対応を採用したとも言える。
次に、本発明の第3実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。
第1実施形態では、減速期間において、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、その時の参照EGR制御弁閉弁速度と実際のEGR制御弁閉弁速度との関係が考慮されずに目標EGR制御弁開度が増大される。これに対し、第3実施形態では、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときには、以下のように目標EGR制御弁開度の増大が行われる。
すなわち、第3実施形態では、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときに、上式3を用いて実際のEGR制御弁閉弁速度が算出される。そして、この算出されたEGR制御弁閉弁速度と電子制御装置に記憶されている現在の参照EGR制御弁閉弁速度とが比較され、上記算出されたEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いときには、目標EGR制御弁開度の増大が行われない。すなわち、目標EGR制御弁開度の増大が禁止される。一方、上記算出されたEGR制御弁閉弁速度が現在のEGR制御弁閉弁速度に等しいか或いは現在のEGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには、第1実施形態と同様に、目標EGR制御弁開度の増大が行われる。
このように、EGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いときには、目標EGR制御弁開度の増大を行わないようにする理由は以下の通りである。
すなわち、一定の制御則に従ってEGR制御弁が制御されている場合、EGR制御弁閉弁速度が時間の経過に伴って徐々に速くなってゆく可能性は低い。したがって、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速い場合、EGR制御弁閉弁速度を速くする定常的な状況がEGR制御弁に作用しているのではなく、EGR制御弁閉弁速度を速くする突発的な状況がEGR制御弁に作用したとも考えられる。この場合、こうした突発的な状況が再びEGR制御弁に作用しなければ、EGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速くならない懸念がある。そして、こうした懸念があるにも係わらず、目標EGR制御弁開度が増大されてしまうと、現実にEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速くならなかった場合に、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くなってしまう状況が生じる可能性が高くなる。
こうした状況が生じることを回避するためには、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いときには、目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではない。
こうした理由から、第3実施形態では、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときであっても、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速い場合には、目標EGR制御弁開度の増大が行われないのである。
なお、これに合わせて、第3実施形態では、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも早いときに、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度に等しいか或いはその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅い場合には、目標EGR制御弁開度の増大が行われるのであるから、結果的には、第3実施形態によれば、減速期間においてEGR制御弁閉弁時点がスロットル弁閉弁時点よりも遅くなってしまう状況が生じることをより確実に抑制しつつ、機関運転状態が通常運転状態にあるときにEGRガス量を可能な限り多くすることができるとう効果が得られる。
なお、第2実施形態に関連して説明したように、実際のEGR制御弁閉弁速度を算出するために用いられるデータ(すなわち、減速要求発生時点におけるEGR制御弁開度Xegr(T0)、実際のEGR制御弁閉弁時点Tegrcm、および、減速要求発生時点T0)には多少なりとも誤差が含まれることから、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いがその時の参照EGR制御弁閉弁速度に極めて近い場合、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速くない可能性が高い。そして、実際のEGR制御弁閉弁速度がその時の参照EGR制御弁閉弁速度よりも速くないのであれば、機関運転状態が通常運転状態にあるときのEGRガス量を可能な限り多くするという観点からは、目標EGR制御弁開度を増大させることが好ましい。
そこで、第3実施形態において、上式3を用いて算出されたEGR制御弁閉弁速度から適切な値を減算した速度(以下この速度を「補正EGR制御弁閉弁速度」という)とその時の参照EGR制御弁閉弁速度とを比較し、補正EGR制御弁閉弁速度が参照EGR制御弁閉弁速度よりも速いときには目標EGR制御弁開度の増大を行わず、補正EGR制御弁閉弁速度が参照EGR制御弁閉弁速度に等しいか或いは参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときには目標EGR制御弁開度の増大を行うようにしてもよい。
なお、第3実施形態において、第2実施形態と同様に、上式3を用いて算出されたEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも遅いときにも、目標EGR制御弁開度の増大が禁止されてもよい。
なお、第3実施形態に従ったスロットル弁およびEGR制御弁の制御を実行するルーチンの一例としては、図8のルーチンが挙げられる。
次に、第3実施形態に従った目標EGR制御弁開度の増大を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンは、図17〜図20に示されており、機関運転中に所定時間間隔毎に実行される。なお、図17〜図20のルーチンのステップ300〜ステップ313、および、ステップ318〜ステップ332は、図9〜図12のルーチンのステップ100〜ステップ113、および、ステップ118〜ステップ132と同じであるので、これらステップについては図9〜図12の説明を参照されたい。
図18のステップ313においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthであると判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にあると判別され)、ルーチンがステップ314Aに進むと、ステップ302で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定値だけ小さい速度(Vegrm−Kegr)よりも小さい(Vegrm<Vegrm−Kegr)か否か、すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いか否かが判別される。ここで、Vegrm<Vegrm−Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ314Bに進む。一方、Vegrm≧Vegrm−Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ314Cに進む。
ステップ314AにおいてVegrm<Vegrm−Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いと判別され)、ルーチンがステップ314Bに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いことから目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではないが参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がないので、ステップ314Bにおいて、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。
一方、ステップ314AにおいてVegrm≧Vegrm−Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度は現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には速くないと判別され)、ルーチンがステップ314Cに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には速くないことから目標EGR制御弁開度の増大を行うことが許容され且つ参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度は実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいと言えることから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要がないので、ステップ314Cにおいて、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ314Dにおいて、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
一方、図18のステップ313においてVthm−Kth≦Vthr≦Vthm+Kthではないと判別され(すなわち、現在の参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に対して所定の範囲内にないと判別され)、ルーチンがステップ315Aに進むと、ステップ302で取得された現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに対して所定値だけ小さい速度(Vegrm−Kegr)よりも小さい(Vegrm<Vegrm−Kegr)か否か、すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いか否かが判別される。ここで、Vegrm<Vegrm−Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ315Bに進む。一方、Vegrm≧Vegrm+Kegrであると判別されたときには、ルーチンはステップ315Cに進む。
ステップ315AにおいてVegrm<Vegrm−Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いと判別され)、ルーチンがステップ315Bに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実に速いことから目標EGR制御弁開度の増大を行うべきではないが参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があるので、ステップ315Bにおいて、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ307で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新される共に、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。
一方、ステップ315AにおいてVegrm≧Vegrm−Kegrであると判別され(すなわち、実際のEGR制御弁閉弁速度は現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には速くないと判別され)、ルーチンがステップ315Cに進んだときには、実際のEGR制御弁閉弁速度が現在の参照EGR制御弁閉弁速度よりも確実には速くないことから目標EGR制御弁開度の増大を行うことが許容され且つ参照EGR制御弁閉弁速度を更新する必要があり、また、参照スロットル弁閉弁速度が実際のスロットル弁閉弁速度に略等しいとは言えないことから参照スロットル弁閉弁速度を更新する必要があるので、ステップ315Cにおいて、目標EGR制御弁開度TXegrが増大され、次いで、ステップ315Dにおいて、現在の参照スロットル弁閉弁速度Vthrがステップ307で算出されたスロットル弁閉弁速度Vthmに更新されると共に、現在の参照EGR制御弁閉弁速度Vegrrがステップ307で算出されたEGR制御弁閉弁速度Vegrmに更新され、ルーチンが終了する。なお、この場合、図8のステップ18で取得される目標EGR制御弁開度がそれまでの目標EGR制御弁開度よりも大きくなる。
なお、ステップ314Aおよびステップ315AにおいてVegrm<Vegrm−Kegrであると判別されたときには、目標EGR制御弁開度の増大が行われずに参照EGR制御弁閉弁速度および/または参照スロットル弁閉弁速度の更新が行われる。Vegrm<Vegrm−Kegrであるときにこうした対応を採用した理由は上述した通りであるが、別の捉え方をすれば、Vegrm<Vegrm−Kegrであるときには、目標EGR制御弁開度の増大よりも参照EGR制御弁閉弁速度および/または参照スロットル弁閉弁速度の更新を優先させた対応を採用したとも言える。
10…内燃機関、33…スロットル弁、50…排気再循環装置(EGR装置)、51…排気再循環通路(EGR通路)、52…排気再循環制御弁(EGR制御弁)、60…電子制御装置、T0…減速要求発生時点、T1…スロットル弁開度の減少開始時点、Tegrc…EGR制御弁閉弁時点、Tegrcnew…目標EGR制御弁開度の増大後のEGR制御弁閉弁時点、Tthc…スロットル弁閉弁時点、Td…所定ディレー時間、Xth(T0)…減速要求発生時点のスロットル弁開度、Xegr(T0)…減速発生時点のEGR制御弁開度、Xegrnew…目標EGR制御弁開度の増大後の減速要求発生時点のEGR制御弁開度、XthMin…最小スロットル弁開度、XegrMin…最小EGR制御弁開度、Legr…EGR制御弁開度の推移、Lth…スロットル弁開度の推移、Legrnew…目標EGR制御弁開度の増大後のEGR制御弁開度の推移

Claims (3)

  1. 吸気通路に配置されるスロットル弁と燃焼室から排気通路に排出された排気ガスを吸気通路に導入することによって同排気ガスを燃焼室に導入する排気再循環装置とを備え、該排気再循環装置が吸気通路に導入される排気ガスの量を制御する排気再循環制御弁を有する内燃機関の制御装置であって、内燃機関の運転状態が減速運転状態以外の通常運転状態にあるときには燃焼室に吸入させるべき空気の量として目標とするべき量が目標吸入空気量として設定されると共に排気再循環制御装置によって吸気通路に導入される排気ガスの量として目標とするべき量が目標排気再循環量として設定され、これら設定された目標吸入空気量および目標排気再循環量を達成することができるスロットル弁の開度および排気再循環制御弁の開度がそれぞれ目標スロットル弁開度および目標排気再循環制御弁開度として設定され、これら設定された目標スロットル弁開度および目標排気再循環制御弁開度に従ってスロットル弁および排気再循環制御弁がそれぞれ制御され、内燃機関の減速運転要求が発生したときにはスロットル弁の開度がその最小開度まで減少されると共に排気再循環制御弁の開度がその最小開度まで減少される内燃機関の制御装置において、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達する時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達する時点よりも早いときには、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達する時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達する時点よりも遅くならない範囲で内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標排気再循環量を達成することができる排気再循環制御弁の開度として設定される目標排気循環制御弁開度が増大され或いは内燃機関の運転状態が通常運転状態にあるときに設定される目標排気再循環量が増大される内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでの排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも遅いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達するまでの排気再循環制御弁の閉弁速度がその時点で予測されている排気再循環制御弁の閉弁速度よりも速いときには、内燃機関の減速運転要求の発生後、排気再循環制御弁の開度がその最小開度に到達した時点がスロットル弁の開度がその最小開度に到達した時点よりも早いときであっても、目標排気再循環制御弁開度または目標排気再循環量の増大が禁止される請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
JP2010210376A 2010-09-21 2010-09-21 内燃機関の制御装置 Pending JP2012067607A (ja)

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