JP2012065154A - 歪み補償の装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリディストーションによる補償についてその効きを加減することが可能な歪み補償装置および歪み補償方法を提供すること。
【解決手段】第1I信号と第1Q信号とで決まる第1ベクトル長および第1ベクトル位相を、第2I信号および第2Q信号でのそれらと比較し、第1ベクトル長を第1入力とし、変位位相を第1出力とするAM−PM特性を検出する。第1ベクトル長を第2入力とし、上記を反転した位相を第2出力とする補償特性を得る。第2入力を第3入力とし、第2出力に第1ベクトル長の1次重みを加えた値を第3出力とする改変補償特性を得る。第3ベクトル長を第3入力として用いて得られる第3出力を、第3I信号と第3Q信号とで決まる第3ベクトル位相に加えて得られるベクトル量に対応するように、第4I信号および第4Q信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、増幅器の出力の非線形歪みを補償するための歪み補償装置および歪み補償方法に関する。
一般に電力増幅器では、いかに線形性を考慮した設計を行っても非線形性が残り、これを原因として、相互変調歪が発生する。相互変調歪は、信号品質を劣化させるので、問題とならない水準まで抑制する必要がある。この歪み補償の一つの方法として、電力増幅器に入力される信号を、その増幅器がもつ非線形性の逆特性であらかじめ補償しておき、電力増幅器の出力側において非線形性の軽減された出力信号を得るものがある(プリディストーション方式)。
近年のディジタル通信では、I−Q平面上に位置設定されたいくつもの点ベクトルの情報を入力として、これにより電力増幅器で搬送波を変調して電波放射する送信機およびこれに対応する受信機が多用されている。このような送信機の信号処理では、一般的に、電力増幅器の入力側の各点ベクトルに対応して、ディジタル値で表されたI信号とQ信号との組み合わせが用意される。この場合のプリディストーションは、ディジタル信号であるI信号、Q信号に対して行うことができる(ディジタルプリディストーション:DPD)。
電力増幅器の非線形性は、一般的に、入力信号の振幅変化に対応する出力信号の振幅変化(AM−AM特性)と、入力信号の振幅変化に対応する出力信号の位相変化(AM−PM特性)とで記述できる。大まかに言えば、このAM−AM特性およびAM−PM特性は、電力増幅器の入力側のI−Q平面上の点ベクトルと出力側のI−Q平面上の点ベクトルとの位置の違いで特定できる。これにより特定されたAM−AM特性およびAM−PM特性の逆特性で電力増幅器に入力される信号をあらかじめ補償することにより、その増幅器の出力には、スプリアスの低減された信号を得ることができる。
特開2007−180782号公報
本発明は、信号がもつ周波数帯域にわたる総合的なスプリアスの低減のため、プリディストーションによる補償についてその効きを加減することが可能な歪み補償装置および歪み補償方法を提供することを目的とする。
実施形態の歪み補償装置は、AM−PM特性を検出する検出部と、補償特性を特定する第1の特定部と、改変補償特性を特定する第2の特定部と、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号を生成する補償演算部と、このI信号およびQ信号を遅延させる遅延部を持つ。
検出部は、第1のI信号と第1のQ信号とで決まる第1のベクトル長および第1のベクトル位相と、第2のI信号と第2のQ信号とで決まる第2のベクトル長および第2のベクトル位相との比較から、前記第1のベクトル長を第1の入力とし、前記第1のベクトル位相からの前記第2のベクトル位相の変位位相を第1の出力とする第1の特性を、AM−PM特性として検出する。
第1の特定部は、前記第1のベクトル長を第2の入力とし、前記変位位相を反転した位相を第2の出力とする第2の特性を、補償特性として特定する。
第2の特定部は、前記第2の入力を第3の入力とし、前記第2の出力に、前記第1のベクトル長を係数倍した1次の重みを加えた値を第3の出力とする第3の特性を、改変補償特性として特定する。
補償演算部は、第3のI信号と第3のQ信号とで決まる第3のベクトル長を前記第3の特性における前記第3の入力として用いて得られる前記第3の出力を、該第3のI信号と該第3のQ信号とで決まる第3のベクトル位相に加えてベクトル量を得、該ベクトル量に対応するように、第4のI信号および第4のQ信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成する。
遅延部は、前記第4のI信号および前記第4のQ信号を遅延させた第5のI信号および第5のQ信号を生成し、該第5のI信号および該第5のQ信号を、前記検出部に、前記第1のI信号および前記第1のQ信号として供給する。
また、実施形態の歪み補償方法は、次の各動作を行う。
まず、第1のI信号と第1のQ信号とで決まる第1のベクトル長および第1のベクトル位相と、第2のI信号と第2のQ信号とで決まる第2のベクトル長および第2のベクトル位相との比較から、前記第1のベクトル長を第1の入力とし、前記第1のベクトル位相からの前記第2のベクトル位相の変位位相を第1の出力とする第1の特性を、AM−PM特性として検出する。
また、前記第1のベクトル長を第2の入力とし、前記変位位相を反転した位相を第2の出力とする第2の特性を、補償特性として特定する。
また、前記第2の入力を第3の入力とし、前記第2の出力に、前記第1のベクトル長を係数倍した1次の重みを加えた値を第3の出力とする第3の特性を、改変補償特性として特定する。
また、第3のI信号と第3のQ信号とで決まる第3のベクトル長を前記第3の特性における前記第3の入力として用いて得られる前記第3の出力を、該第3のI信号と該第3のQ信号とで決まる第3のベクトル位相に加えてベクトル量を得、該ベクトル量に対応するように、第4のI信号および第4のQ信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成する。
また、前記第4のI信号および前記第4のQ信号を遅延させた第5のI信号および第5のQ信号を生成し、該第5のI信号および該第5のQ信号を、前記第1のI信号および前記第1のQ信号として使用する。
一実施形態に係る歪み補償装置の構成を示すブロック図。 図1中に示した振幅プリディストーション部11についてその構成の具体例を示すブロック図。 図1中に示した補償特性特定部14の機能を説明するための、AM−AM特性およびAM−AM補償特性を概念的に示すグラフ。 図1中に示した位相プリディストーション部12についてその構成の具体例を示すブロック図。 図1中に示した補償特性特定部14の機能を説明するための、AM−PM特性およびAM−PM補償特性を概念的に示すグラフ。 図1中に示した改変補償特性特定部15の機能を説明するための、AM−PM補償特性およびAM−PM改変補償特性を概念的に示すグラフ。 図1に示した実施形態の効果を説明するための、電力増幅器の出力側における周波数分布を示すスペクトラム図。
以上を踏まえ、以下では実施形態の歪み補償装置を図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る歪み補償装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、この歪み補償装置は、振幅プリディストーション部(振幅補償演算部)11、位相プリディストーション部(位相補償演算部)12、AM−AM特性およびAM−PM特性の検出部13、補償特性特定部14、改変補償特性特定部15、遅延部17を有する。また、以上の構成以外に、随意的に制御部16を有する。
概略として、この歪み補償装置は、入力信号であるI−Q平面上のベースバンド信号(I1、Q1)に対して、補償特性に従うプリディストーション処理を行い、その処理結果をベースバンド信号(I111、Q111)として出力するものである。I111、Q111信号は、不図示の電力増幅器に供給されて変調かつ増幅される。電力増幅器の出力側信号は、例えば電波放射されるが、その出力側信号に基づいて不図示の復調器で復調もなされ、得られたベースバンド信号がI2信号、Q2信号として、AM−AM特性およびAM−PM特性の検出部13に入力される。
この歪み補償装置において、ベースバンド信号(I1、Q1)をベースバンド信号(I111、Q111)に変換するのは、不図示の電力増幅器で生じるその非線形性によるスプリアスを低減するためである。すなわち、電力増幅器が有するその非線形性をあらかじめ補償するように、ベースバンド信号(I1、Q1)は、ベースバンド信号(I111、Q111)に変換される。なお、この歪み補償装置における各ベースバンド信号は、以下では、ディジタル信号(例えば16ビット)であるとして説明する。ただし、原理的には、アナログ信号であっても同様の処理は可能である。
振幅プリディストーション部11では、入力されたI1信号、Q1信号に対して、そのI−Q平面上でのベクトル長rに従い、別のベクトル長Rをもつように変換がなされ、I11信号、Q11信号して出力される。I−Q平面における、I1信号、Q1信号の位置とI11信号、Q11信号の位置との関係は、例えば図1上側に図示するとおりである。
非常に単純化して言うならば、振幅プリディストーション部11での処理は、入力信号が電力増幅器に達すると、一般的に、ベクトル長rが大ほど、それが飽和されるような非線形性が働き増幅がされるので、これをあらかじめ補償するようにベクトル長rが大ほど、その長さを大きくしておく処理である。
この補償特性は、補償特性特定部14から、R(r)/r=Σhなる冪多項式として渡されている。すなわち、情報として、係数hが、例えばi=0〜6の範囲で渡されている。このような冪多項式によって補償特性が記述されていることにより、実際には、上記のようなごく単純な非線形性以外の、より複雑な非線形性にも対応できる。
位相プリディストーション部12では、入力されたI11信号、Q11信号に対して、そのI−Q平面上でのベクトル長Rに従い、I11信号、Q11信号とは別のベクトル位相を持つように変換がなされ、I111信号、Q111信号として出力される。I−Q平面における、I11信号、Q11信号の位置とI111信号、Q111信号の位置との関係は、例えば図1上側に図示するとおりであり、相互にベクトル位相がΔSだけ変化する。
非常に単純化して言うならば、位相プリディストーション部12での処理は、入力信号が電力増幅器に達すると、一般的に、ベクトル長Rが大ほど、位相が遅れるような非線形性が働き増幅がされるので、これをあらかじめ補償するようにベクトル長Rが大ほど、その対応のベクトル位相を進ませておく処理である。
この補償特性は、改変補償特性特定部15から、ΔS(R)=Σs+sRなる冪多項式として渡されている。すなわち、情報として、係数sが、例えばi=0〜6の範囲で渡され、かつ、さらに係数sが渡されている。このような冪多項式によって補償特性が記述されていることにより、実際には、上記のようなごく単純な非線形性以外の、より複雑な非線形性にも対応できる。
位相プリディストーション部12について換言すると、次のようになる。すなわち、I11信号とQ11信号とで決まるベクトル長Rを特性式ΔS(R)=Σs+sRに代入して出力(変位位相ΔS)を得る。そして、この変位位相ΔSを、I11信号とQ11信号とで決まるベクトル位相に加えてベクトル量を得、該ベクトル量に対応するように、I111信号およびQ111信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成する。
AM−AM特性およびAM−PM特性の検出部13には、I5信号、Q5信号と、I2信号、Q2信号とが入力される。そして、I5信号とQ5信号とで決まるベクトル長およびベクトル位相と、I2信号とQ2信号とで決まるベクトル長およびベクトル位相とを比較する。これにより、I5信号、Q5信号のベクトル長rを入力とし、I5信号、Q5信号のベクトル長rからのI2信号およびQ2信号のベクトル長Aの変化比A/rを出力とする特性を、AM−AM特性として検出する。例えば、その特性は、A(r)/r=Σkなる冪多項式として検出することができる。係数kのサフィックスiは、例えば0〜6の範囲である。
また、AM−AM特性およびAM−PM特性の検出部13は、I5信号、Q5信号のベクトル長およびベクトル位相と、I2信号、Q2信号のベクトル長およびベクトル位相とを比較し、これにより、I5信号、Q5信号のベクトル長rを入力とし、I5信号、Q5信号のベクトル位相からのI2信号、Q2信号のベクトル位相の変位位相φを出力とする特性を、AM−PM特性として検出する。例えば、その特性は、φ(r)=Σtなる冪多項式として検出することができる。係数tのサフィックスiは、例えば0〜6の範囲である。
以上の検出部13の機能は、換言すると、不図示の電力増幅器の非線形性を、ベクトル長、ベクトル位相のそれぞれについて、ベクトル長rを入力とする例えば6次の冪多項式として求め検出することである。検出の結果は、実際には、係数k(i=例えば0〜6)、および係数t(i=例えば0〜6)の出力で足りる。なお、I2信号、Q2信号は、電力増幅器の出力側に由来する信号なので、電力増幅器の入力となるI111信号、Q111信号に対して、定常的な遅れがある。これを補正するために、I111信号、Q111信号を遅延部17で遅らせてI5信号、Q5信号を生成している。
遅延部17の構成としては、I111信号、Q111信号と、I2信号、Q2信号とを比較するものとすることができる。より具体的には、これらの比較で、例えば、I111信号、Q111信号のベクトル長rが非常に小さいときの、I2信号、Q2信号での、I111信号、Q111信号からの位相変位を時間換算して求めることができる。このような遅延部17の存在を前提とすると、検出部13によって得られるAM−PM特性:φ(r)=Σtは、図1中、下側に示すように、r=0でφ=0の特性として求められる(すなわち、t=0)。
補償特性特定部14には、検出部13で検出された、AM−AM特性:A(r)/r=Σkを記述するための係数kと、AM−PM特性:φ(r)=Σtを記述するための係数rとが渡される。そして、振幅および位相についてそれぞれ補償特性の特定を行う。特定されるべき補償特性は、それぞれ、検出部13で検出されたAM−AM特性、AM−PM特性の逆特性である(図3、図5で再度触れる)。
補償特性の特定の結果は、AM−AM補償特性:R(r)/r=Σhを記述するための係数h、および、AM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsを記述するための係数sとして出力される(ここでAM−PM補償特性における「R」は、「r」の代わりに用いている)。なお、これらの係数hおよび係数sにおいて、例えばi=0〜6である。
補償特性特定部14が出力した、AM−AM補償特性:R(r)/r=Σhを記述するための係数hは、すでに説明した振幅プリディストーション部11に渡される。一方、補償特性特定部14が出力した、AM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsを記述するための係数sは、改変補償特性特定部15に渡される。
改変補償特性特定部15は、補償特性特定部14が特定したAM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsを一部改変して、AM−PM改変補償特性を特定する。より具体的には、補償特性特定部14からのAM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsに対して、Rの1次の項を改変して、AM−PM改変補償特性:ΔS(R)=Σs+sRとして特定する。これにより、位相プリディストーション部12におけるAM−PM改変補償は、ベクトル長Rを係数倍した1次の重みsRを加えた式:Σs+sRを用いて行われる。
改変補償特性特定部15における上記の改変の意味は、概念的に、位相プリディストーション部12による補償についてその効きを加減することである。Rの1次の項は、ベクトル長Rに対する補償位相ΔSの変化の傾きを記述しているので、この項を増減することは、AM−PM補償の効きをもっとも典型的に加減するということになる。このように補償の効きを加減することの効果については後述する(図7)。
改変補償特性特定部15が出力した、AM−PM改変補償特性:ΔS(R)=Σs+sRを記述するための係数s、sは、すでに説明した位相プリディストーション部12に渡される。なお、s+sを新たな係数sとして扱って位相プリディストーション部12に渡すようにしてもよい。
改変補償特性特定部15がAM−PM改変補償特性を特定するために必要な係数sについては、その求め方および設定の仕方について、いろいろな方法が考えられる。求め方のひとつとして、不図示の電力増幅器におけるその出力側信号の周波数分析に基づく方法が考えられる。係数sを調整しながらこの周波数分析を行い、出力側信号のスプリアスである相互変調歪み(IM)のエネルギーが相対的に小さくなるように係数sを決定する。本来、s=0でIMのエネルギーは最小になるはずであるが、検出部13の検出動作が必ずしも精密で正確であるとは限らないため、このように係数sを設定することができる。
周波数分析は、製造ラインにおいてI1、Q1の試験信号を用いてこれを行い、そこで得られた係数sを改変補償特性特定部15に記憶させておけば、改変補償特性特定部15を上記のように機能させることができる。または、周波数分析を、製品としての使用中に行うことができるように分析部を設け、これにより、適宜、係数sを書き換え、この書き換えられた係数sを改変補償特性特定部15が使用するように構成してもよい。このような目的のため、周波数分析部を含む制御部16を随意的に設けて、制御部16から適宜、係数sを改変補償特性特定部15に渡す(供給する)ように構成することができる。
図2は、図1中に示した振幅プリディストーション部11についてその構成の具体例を示すブロック図である。この振幅プリディトーション部11は、図示するように、乗算器111、同112、r算出部113、ルックアップテーブル114を有する。
乗算器111は、入力されたI1信号に、ルックアップテーブル114からのR/rを乗算し、出力する。乗算器112は、入力されたQ1信号に、ルックアップテーブル114からのR/rを乗算し、出力する。
r算出部113は、入力されたI1信号、Q1信号から、これらのベクトル長rを算出する。算出式は、r=√(I1+Q1)である。算出されたベクトル長rは、ルックアップテーブル114に、アドレスとして渡される。
ルックアップテーブル114は、アドレスとして渡されたrから、R/rをデータとして出力する。ルックアップテーブル114におけるrとR/rとの対応は、すでに説明した、AM−AM補償特性を記述する係数hを用いて、式:R(r)/r=Σh(i=0〜6)に従って計算され格納されている。
図2に示したような、振幅プリディストーション部11の構成により、ベクトル長rをもつI1信号、Q1信号は、同じベクトル位相で、ベクトル長RをもつI11信号、Q11信号に変換される。
図3は、図1中に示した補償特性特定部14の機能を説明するための、AM−AM特性およびAM−AM補償特性を概念的に示すグラフである。検出部13で検出されたAM−AM特性:A(r)/r=Σkと、補償特性特定部14で特定されるAM−AM補償特性:R(r)/r=Σhとは、逆特性であることをすでに説明した。図3は、この場合の「逆特性」を概念的に示している。すなわち、この場合の逆特性とは、各rでの積が1になる逆数を示す関数として規定された、ベクトル長対変化比の特性である。
図3において、AM−AM特性:A(r)/r=Σkは、不図示の電力増幅器の、振幅rに関する非線形性を示したものであり、そこで、これと逆特性にAM−AM補償特性:R(r)/r=Σhが決めてあれば、振幅プリディストーション部11では、振幅rに関する非線形性をあらかじめ補償していることになる。
次に、図4は、図1中に示した位相プリディストーション部12についてその構成の具体的を示すブロック図である。この位相プリディストーション部12は、図示するように、乗算器121、同122、同124、同125、減算器123、加算器126、R算出部127、ルックアップテーブル128を有する。
乗算器121は、入力されたI11信号に、ルックアップテーブル128からのcosΔSを乗算し、出力する。乗算器122は、入力されたQ11信号に、ルックアップテーブル128からのsinΔSを乗算し、出力する。乗算器124は、入力されたI11信号に、ルックアップテーブル128からsinΔSを乗算し、出力する。乗算器125は、入力されたQ11信号に、ルックアップテーブル128からのcosΔSを乗算し、出力する。
減算器123は、乗算器121の出力から、乗算器122の出力を減算する処理を行い、I111信号として出力する。加算器126は、乗算器124の出力に乗算器125の出力を加算する処理を行い、Q111信号として出力する。
R算出部127は、入力されたI11信号、Q11信号から、これらのベクトル長Rを算出する。算出式は、R=√(I11+Q11)である。算出されたベクトル長Rは、ルックアップテーブル128に、アドレスとして渡される。
ルックアップテーブル128は、アドレスとして渡されたRから、cosΔS、sinΔSを、それぞれデータとして出力する。ルックアップテーブル128における、RとcosΔSとの対応、およびRとsinΔSとの対応は、すでに説明した、AM−PM改変補償特性を記述する係数s、sを用いて、式:cosΔS(R)=cos(Σs+sR)、および式:sinΔS(R)=sin(Σs+sR)、(ともにi=0〜6)に従って計算され格納されている。
図4に示したような、位相プリディストーション部12の構成により、I1信号、Q1信号は、同じベクトル長Rで、ベクトル位相がΔSだけ遷移されたI111信号、Q111信号に変換される。変換を式で示すと、I111=I11×cosΔS(R)−Q11×sinΔS(R)であり、また、Q111=I11×sinΔS(R)+Q11×cosΔS(R)である。ここで、ΔS(R)=Σs+sR(i=0〜6)である。
図5は、図1中に示した補償特性特定部14の機能を説明するための、AM−PM特性およびAM−PM補償特性を概念的に示すグラフである。検出部13で検出されたAM−PM特性:φ(r)=Σtと、補償特性特定部14で特定されるAM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsとは、逆特定であることをすでに説明した。図5は、この場合の「逆特性」を概念的に示している。すなわち、この場合の逆特性とは、横軸を対称線として反転した、ベクトル長対変位位相の特性である。したがって、各iについてs=−tである。
図5において、AM−PM特性:φ(r)=Σtは、不図示の電力増幅器の、振幅rに対する変位位相φの非線形性を示したものであり、そこで、これと逆特性にAM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsが決めてあれば、位相プリディストーション部12では、この非線形性をあらかじめ補償していることになる。ただしこの実施形態では、AM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsを改変したAM−PM改変補償特性:ΔS(R)=Σs+sRを用いて、位相プリディストーション部12での処理がなされる。
図6は、図1中に示した改変補償特性特定部15の機能を説明するための、AM−PM補償特性およびAM−PM改変補償特性を概念的に示すグラフである。改変補償特性特定部15は、補償特性特定部14が特定したAM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsについて、そのRの1次の項をsRで改変し、AM−PM改変補償特性;ΔS(R)=Σs+sRを特定する。sの値による、AM−PM改変補償特性の変化をグラフで表すと、図6に示すように、s>0であれば傾きが増加し、s<0であれば傾きが減少する(逆の傾きにもなる)。
すでに述べたように、Rの1次の項は、ベクトル長Rに対する補償位相ΔSの変化の傾きを記述しているので、この項を増減することは、AM−PM補償の効きをもっとも典型的に加減するということになる。
次に、図7は、図1に示した実施形態の効果を説明するための、電力増幅器の出力側における周波数分布を示すスペクトラム図である。図7(a)は、歪み補償を何ら行わなかった場合における、電力増幅器の出力側における周波数分布を示すスペクトラムの例である。図示するように、信号のスペクトラムがf1からf2まで分布し、加えて、信号どうしの相互変調歪み(IM)が信号それぞれのスペクトラムを中心にして分布して重畳し、全体としてのIMになっている。
図7(b)は、歪み補償を行ったものの、本実施形態における改変補償特性特定部15を設けない場合の、電力増幅器の出力側における周波数分布を示すスペクトラムの例である。図示するように、この場合、例えば、IMの抑制効果は発揮されているもののその抑制効果が周波数軸上で偏ったものになる。これは、例えば、検出部13における特性検出が、信号の周波数とは全く関係なく行われていることがひとつの原因と考えられる。すなわち、結果として得られている検出部13の出力は、ある信号周波数においてもっとも適切な出力であり、その周波数から外れると徐々に正確性が劣化するものであると推定される。
図7(c)は、改変補償特性特定部16を設けた場合の、電力増幅器の出力側における周波数分布を示すスペクトラムの例である。図示するように、この場合、IMの抑制効果が発揮されかつその抑制効果が周波数軸上でバランスしている。実際の製品においては、通常、このようにバランスした抑制効果が得られる方が、信号とスプリアスの比較上、抑制としての価値が高い。
本実施形態では、このようにバランスした抑制効果を、改変補償特性特定部15を設けることによって得るように構成している。すでに説明したように、本実施形態では、位相プリディストーション部12による位相補償の効きを、ベクトル長Rの1次の項の係数の増減で制御している。逆に言うと、AM−PM補償特性:ΔS(R)=Σsを所定に改変すると、図7(b)に示すようなスペクトラムを、図7(c)に示すようなスペクトラムに変化させる(改善する)ことができる、ということを発見できたことによっている。これは、特定されたAM−AM補償特性の方を改変することよりも効果があった。
そして、ΔS(R)=Σsを所定に改変することとして、Rの1次の項を改変することがバランスしたIM抑制効果が得る上でもっとも効果的であった。ただし、Rの2次以上の項をも改変することが、さらにバランスしたIM抑制効果が得る上で適当であることを否定することはできない。したがって、さらに、AM−PM補償特性における、Rの2次以上の項をも改変することが考えられてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…振幅プリディストーション部(振幅補償演算部)、12…位相プリディストーション部(位相補償演算部)、13…AM−AM特性およびAM−PM特性の検出部、14…補償特性特定部、15…改変補償特性特定部、16…制御部、17…遅延部、111、112…乗算器、113…r算出部、114…ルックアップテーブル、121、122、124、125…乗算器、123…減算器、126…加算器、127…R算出部、128…ルックアップテーブル。

Claims (5)

  1. 第1のI信号と第1のQ信号とで決まる第1のベクトル長および第1のベクトル位相と、第2のI信号と第2のQ信号とで決まる第2のベクトル長および第2のベクトル位相との比較から、前記第1のベクトル長を第1の入力とし、前記第1のベクトル位相からの前記第2のベクトル位相の変位位相を第1の出力とする第1の特性を、AM−PM特性として検出する検出部と、
    前記第1のベクトル長を第2の入力とし、前記変位位相を反転した位相を第2の出力とする第2の特性を、補償特性として特定する第1の特定部と、
    前記第2の入力を第3の入力とし、前記第2の出力に、前記第1のベクトル長を係数倍した1次の重みを加えた値を第3の出力とする第3の特性を、改変補償特性として特定する第2の特定部と、
    第3のI信号と第3のQ信号とで決まる第3のベクトル長を前記第3の特性における前記第3の入力として用いて得られる前記第3の出力を、該第3のI信号と該第3のQ信号とで決まる第3のベクトル位相に加えてベクトル量を得、該ベクトル量に対応するように、第4のI信号および第4のQ信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成する補償演算部と、
    前記第4のI信号および前記第4のQ信号を遅延させた第5のI信号および第5のQ信号を生成し、該第5のI信号および該第5のQ信号を、前記検出部に、前記第1のI信号および前記第1のQ信号として供給する遅延部と
    を具備する歪み補償装置。
  2. 前記検出部が、前記第1のベクトル長を変数とする冪多項式として前記AM−PM特性を検出し、
    前記第1の特定部が、前記第1のベクトル長を変数とする冪多項式として前記補償特性を特定する
    請求項1記載の歪み補償装置。
  3. 前記第2の特定部に対して、前記係数倍を表す数値を供給する制御部をさらに具備する請求項1記載の歪み補償装置。
  4. 前記補償演算部が、前記第4のI信号および前記第4のQ信号を出力するために、前記第3のベクトル長を引数とするルックアップテーブルを有する請求項1記載の歪み補償装置。
  5. 第1のI信号と第1のQ信号とで決まる第1のベクトル長および第1のベクトル位相と、第2のI信号と第2のQ信号とで決まる第2のベクトル長および第2のベクトル位相との比較から、前記第1のベクトル長を第1の入力とし、前記第1のベクトル位相からの前記第2のベクトル位相の変位位相を第1の出力とする第1の特性を、AM−PM特性として検出し、
    前記第1のベクトル長を第2の入力とし、前記変位位相を反転した位相を第2の出力とする第2の特性を、補償特性として特定し、
    前記第2の入力を第3の入力とし、前記第2の出力に、前記第1のベクトル長を係数倍した1次の重みを加えた値を第3の出力とする第3の特性を、改変補償特性として特定し、
    第3のI信号と第3のQ信号とで決まる第3のベクトル長を前記第3の特性における前記第3の入力として用いて得られる前記第3の出力を、該第3のI信号と該第3のQ信号とで決まる第3のベクトル位相に加えてベクトル量を得、該ベクトル量に対応するように、第4のI信号および第4のQ信号を、プリディストーションがなされたI信号およびQ信号として生成し、
    前記第4のI信号および前記第4のQ信号を遅延させた第5のI信号および第5のQ信号を生成し、該第5のI信号および該第5のQ信号を、前記第1のI信号および前記第1のQ信号として使用する
    歪み補償方法。
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