JP2012064759A - 半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置、半導体発光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させた半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体発光装置1は、光を発生する半導体発光素子10と、半導体発光素子10に電力を供給する配線として働くとともに、半導体発光素子10が発光した光の波長を反射する反射層21、24が設けられたサブマウント15とを備えている。半導体発光素子10は、透光性基板110上に、中間層120、下地層130、積層半導体層100、透光性電極170が順に積層されている。半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24とは、距離が隔てられて対向しているので、半導体発光素子10が発生し透光性電極170に向かう光が効率よく反射され、半導体発光素子10から取り出すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料として、GaN系化合物半導体が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体を用いた半導体発光素子では、基板上にn型半導体層、発光層、p型半導体層からなる発光ダイオード(LED)構造を有する積層半導体層を形成し、最上部のp型半導体層に透光性の電極(透光性電極)を形成し、この透光性電極を介して発光を取り出していた。
そして、透光性電極上には、Au(金)のボンディングワイヤと接続する部分にAuまたはAuを含む合金からなるボンディングパッドを形成していた。これらのボンディングパッドは発光層からの光を遮光するため、透光性電極上のボンディングパッドが形成された部分から、発光層からの発光を取り出せなかった。
また、半導体発光素子では、発光層において、透光性電極側に向かう光と、基板側へ向かう光とが発生する。このうち、基板側へ向かう光は、基板および半導体発光素子が搭載されるパッケージや半導体発光素子をパッケージに接着する接着剤などで吸収され、外部に取り出すことが難しかった。
特許文献1には、発光層で発生した光を外部に取り出す効率を向上させるため、半導体発光素子を裏返して回路基板(サブマウント)またはパッケージに搭載する(フリップチップボンディング)技術が記載されている。半導体発光素子を裏返して、電極が形成されていない基板側から光を取り出すことにより、電極による遮光を回避して、光取り出し効率を向上させている。また、半導体発光素子の基板側とは反対側の表面(半導体発光素子の表面)に反射層を設け、発光層からの光を反射させて基板側(光の出射側)に導くことで、さらに光取り出し効率を向上させている。
特開平11−168235号公報
ところで、半導体発光素子の表面に反射層を設けた構成では、発光層で発生した光のうち、反射層に向かった光は、反射層で反射され、再び半導体発光素子内に向かう。すると、この光の一部は、半導体発光素子を透過する際に半導体発光素子を構成する各層によって吸収される。このため、半導体発光素子の表面に反射層を設けても、必ずしも、反射層が反射した光が効率よく外部に取り出されるわけではなかった。
本発明は、半導体発光素子の表面に透光性電極を設け、半導体発光素子の表面に反射層を設けない構成において、半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させた半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明が適用される半導体発光装置は、予め設定された光を発光する発光層を含む積層半導体層と、積層半導体層の一方の面側に設けられ、この光を透過する透光性基板と、積層半導体層の他方の面側に設けられ、同じくこの光を透過する透光性電極とを含む半導体発光素子と、同じくこの光を反射する反射層を含み、反射層と半導体発光素子の透光性電極とが対向するように配置される反射板とを備え、半導体発光素子の透光性電極と反射板の反射層とは、少なくとも1μmの空気層を隔てて対向していることを特徴とする。
また、反射板に設けられた反射層は、半導体発光素子に電力を供給する一対の配線であることを特徴とすることができる。
さらに、反射板の反射層は、AgまたはAgを含む合金であることを特徴とすることができる。
そして、反射板の反射層は、反射層上に反射層の酸化または腐食を抑制する保護膜をさらに備えることを特徴とすることができる。
また、本発明が適用される半導体発光装置は、半導体発光素子の透光性基板とは反対側に設けられた正負一対の接続電極と、反射板の一対の配線とは、反射板上に設けられたバンプによってそれぞれが接続されていることを特徴とすることができる。
そしてまた、半導体発光素子の透光性基板は、積層半導体層側の面に複数の凹部が設けられていることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される半導体発光装置の製造方法は、予め定められた光を発光する発光層を含む積層半導体層と、積層半導体層の一方の面側に設けられ、この光を透過する透光性基板と、積層半導体層の他方の面側に設けられ、この光を透過する透光性電極とを含む半導体発光素子の積層半導体層の他方の面側に設けられた正負一対の接続電極を、この光を反射し、透光性電極と対向する反射層を含む反射板の配線として働く反射層上に設けられたバンプに対応させる工程と、半導体発光素子を反射板に加熱して押圧する工程とを含んでいる。
本発明によれば、半導体発光素子の表面に反射層を設けない構成において、フリップチップボンディングされる配線基板(サブマウント)に反射層を設け、半導体発光素子の透光性電極とサブマウント上の反射層との間を少なくとも1μmの空気層を隔てて対向させ、透光性電極とこの反射層との間に挟まれた空気層の厚みによる増反射機能を利用することで、半導体発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。
第1の実施の形態が適用される半導体発光装置の断面模式図の一例を示す図である。 半導体発光装置の平面模式図の一例を示す図である。 半導体発光素子の詳細な断面模式図の一例を示す図である。 半導体発光素子の平面模式図の一例を示す図である。 基板の凹部が形成された面を斜め上方から鳥瞰した図である。 基板に設けられた凹部の配置の一例を示す図である。 積層半導体層の断面模式図の一例を示す図である。 第2の実施の形態が適用される半導体発光装置の一例を示す図である。 第3の実施の形態が適用される半導体発光装置の一例を示す図である。 実施例および比較例の半導体発光装置における順方向電圧Vf(V)、発光ピーク波長λd(nm)、発光エネルギPo(mW)を示す図である。 比較例の半導体発光装置の断面模式図を示す図である。 透光性電極と反射層との間の空気層の厚さHと反射率との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態が適用される半導体発光装置1の断面模式図の一例を示す図である。図2は、図1に示す半導体発光装置1の平面模式図の一例を示す図である。
半導体発光装置1は、光を発生する半導体発光素子10と、半導体発光素子10に電力を供給する配線として働くとともに、半導体発光素子10が発生する光の波長を反射する反射層21、24が設けられた反射板の一例としてのサブマウント15とを備えている。
また、サブマウント15は、半導体発光素子10における第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240のそれぞれと、反射層21、24とを電気的に接続するバンプ(接続子)31、34を備えている。
半導体発光素子10は、透光性基板110(基板110とも表記する。)上に、中間層120、下地層130、積層半導体層100、透光性電極170が順に積層されている。第1のボンディングパッド電極210は、半導体発光素子10における透光性電極170上に設けられている。第2のボンディングパッド電極240は、積層半導体層100の一部を切り欠いた部分に設けられている。そして、バンプ31、34が設けられる部分を除いた第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240の表面と、積層半導体層100とを保護層180が覆っている。なお、半導体発光素子10の詳細については後述する。
ところで、半導体発光素子10は、裏返してサブマウント15に搭載されている。このため、図1では、透光性基板110が上側に位置している。よって、各層の積層順は、図1において上側から下側へとなっている。サブマウント15に対して、半導体発光素子10を裏返してバンプ31、34を介して実装することをフリップチップ(FC)ボンディングと呼ぶ。また、半導体発光素子10が裏返して実装されることから、この実装形式をフェイスダウン(FD)実装とも呼ぶ。
半導体発光素子10の積層半導体層100から発生する光は、透光性基板110側から外部に取りだされる。
半導体発光素子10の透光性電極170は、サブマウント15の反射層21、24と対向して設けられている。そして、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24と間の距離は1μm以上に設定されている。半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24と間は空気層で隔てられている。なお、図1に示すように、透光性電極170上には保護層180が設けられている。しかし、保護層180の屈折率は透光性電極170の屈折率に比べて小さいので、ここでは保護層180は空気層に含まれるとして説明する。
半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24と間の距離は、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上に設定されるのがよい。また、この距離は50μm以下がよい。半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との距離が1μm未満であると、半導体発光素子10の透光性基板110側からの光取出し効率が低下し、好ましくない。一方、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との距離が50μmを超えると、半導体発光素子10の透光性基板110側からの光取出し効率が高く維持できるが、サブマウント15上に半導体発光素子10を高く設定するためのコストが高くなって好ましくない。
このように、本実施の形態では、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との間の距離は空気層の厚さHに相当し、ここに屈折率の小さい空気層を有することで半導体発光素子10の発光層150(後述する図3参照)から発生する光を反射する機能を有している。この空気層の厚さHは、発光層150の発光波長λ(nm)を空気層の屈折率nの4倍で除した値の整数倍(H=A・λ/(4・n)、但しAは整数)に設定されるのが好ましい。さらに、後述するように、空気層の厚さHが、H>3・λ/(4・n)の関係を満足するとき、発光層150から発生する光の反射が増加し、空気層は反射層として機能することをシミュレーションにより見出した。
その結果、発光波長λがほぼ450nm付近にある青色発光の半導体発光素子10では、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との距離(空気層の厚さHに相当)を、少なくとも1μmとすることにより、半導体発光素子10の透光性基板110側からの光取出し効率を格段と高めうる。
図12は、透光性電極170(例えば、屈折率は2.1〜2.2のITO)と反射層21、24(例えば、Ag)との間の空気層の厚さHと反射率との関係を示す図である。なお、発光波長λは450nmである。
このシミュレーションでは、半導体発光素子10の発光層150から発生した光は、平面波として360°の方向に等方的に放射されていると仮定した。そして、光は、透光性電極170を透過して、反射層21、24に対して0〜90°の入射角で進むとした。そして、図12に示す反射率は、それぞれの空気層の厚さHに対して、入射角度毎に求めた反射率を0〜90°の入射角の範囲において積分して求めた。
図12に示すように、空気層の厚さHが少なくとも1μm以上では、反射率は、空気層の厚さHが増加するとともに、増減を繰り返しながら増加し、飽和する挙動が見られる。一例として、例えば半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との距離(空気層の厚さH)を約4μmとすると、99%以上の反射率が得られる。
以上の説明では、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との間には、空気層があるとした。しかし、空気層の替わりに、透光性電極170(例えば、屈折率は2.1〜2.2のITO)よりも屈折率の低い透明な材料(半導体発光素子10の出射する光に対して透明な材料)を用いてもよい。すなわち、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24とが、空気層又は屈折率の低い透明な材料を介して(距離を有して)対向していればよい。屈折率の低い透明な材料としては、ガラス(屈折率1.5〜1.6程度)、SiO(屈折率1.5)、CaF(屈折率1.4)、Al(屈折率1.7)、MgF(屈折率1.4)、低誘電材料(ULTRA Low−k材料:屈折率1.8〜2.8)等が使用できる。
本実施の形態における光の取り出しについて説明する。半導体発光素子10の積層半導体層100(具体的には後述する図3における発光層150)において発生した光のうち、透光性基板110側に向かう光は、そのまま外部(図1の上側方向)に取り出される。一方、積層半導体層100において発生した光のうち、透光性電極170側に向かう光は、透光性電極170と、サブマウント15に設けられた反射層21、24と、それらの間の空気層とが構成する構造によって反射され、外部に取り出される。
すなわち、本実施の形態では、半導体発光素子10において透光性電極170を用いていることにより、半導体発光素子10から取り出される光は、透光性基板110側に向かってそのまま外部に取り出される光と、透光性電極170側に向かって進み、半導体発光素子10において透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、それらの間の空気層とで構成される構造により反射され外部に取り出される光とからなる。
特に、本実施の形態では、半導体発光素子10の透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24とが空気層または屈折率の低い透明な材料を介して(距離を有して)対向させているので、半導体発光素子10において透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、それらの間の空気層とで構成される構造により効率よく反射され、外部に取り出される。
以下、サブマウント15、半導体発光素子10の順に詳細な構成を説明する。
(サブマウント)
図2は、半導体発光素子10側(図1の上側)からサブマウント15を見た図である。サブマウント15は、サブマウント基板20と、そのサブマウント基板20上に、半導体発光素子10に対向して設けられた反射層21、24とを備える。反射層21と反射層24とは、電気的に絶縁するための間隙を介して配置されている。
サブマウント基板20としては、特に限定されず、絶縁性または導電性の各種の基板、例えば、セラミック基板、AlN(窒化アルミニウム)基板、Al(アルミニウム)基板、Cu(銅)基板、ガラスエポキシ基板などを選択して用いることができる。
なお、Al基板等の導電性の基板を用いるときには、配線として働く反射層21、24を相互に電気的に絶縁するため、反射層21、24の少なくとも一方は絶縁層を介して設けられる。
サブマウント15上の反射層21、24としては、電気伝導性に優れたAg(銀)、Al、Au(金)またはこれらの金属の少なくとも一種を含む合金を用いうる。また、Au系(Auを主体にした合金)のバンプと圧着性に優れるTi(チタン)/Pt(白金)/Auの積層体を用いてもよい。なお、ここでは可視光から紫外光に対して高い反射率を有するAg(銀)が好ましい。
なお、図2において、反射層21、24は、サブマウント基板20の半導体発光素子10を搭載する側の面(表面)上にのみ形成されているが、サブマウント基板20の側面から、半導体発光素子10を搭載する面(表面)の逆側の面(裏面)まで延びて形成されてもよい。さらに、反射層21、24の形状(パタン)についても、図2に例示したパタンに限られない。すなわち、半導体発光素子10を使用する形態に応じて、反射層21、24の形状を定めればよい。
また、腐食性や酸化性の雰囲気等による反射層21、24の腐食や酸化を防止するため、バンプ31、34(図1参照)が形成される部分を除いて、反射層21、24を覆うように保護膜を設けてもよい。保護膜としては、SiO、SiN、低融点ガラスなどの無機材料や、シリコーン樹脂などの有機材料が用いうる。
半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240とサブマウント基板20とを接続するバンプ31、34としては、例えば、Sn(錫)を添加したAu合金(Au−Sn合金)バンプやハンダボールが用いうる。特に、接続(圧着)時の加熱温度が約300℃のAu−Sn合金が好ましい。
(半導体発光素子)
図3は、半導体発光素子10の断面模式図の一例を示す図である。図1では、半導体発光素子10は、裏返してサブマウント15に搭載されていた。ここでは、理解を容易にするため、半導体発光素子10を裏返さない状態で説明する。すなわち、図3では、透光性基板110は下側に位置している。
図4は、図3に示す半導体発光素子10の平面模式図の一例を示す図である。
図3に示すように、半導体発光素子10は、透光性基板110と、透光性基板110上に積層される中間層120と、中間層120上に積層される下地層130と、下地層130上に積層される積層半導体層100とを備える。そして、積層半導体層100は、n型半導体層140と、n型半導体層140上に積層される発光層150と、発光層150上に積層されるp型半導体層160とを備える。さらに、半導体発光素子10は、p型半導体層160上に積層され、発光層150から発生する光を透過する透光性電極170を備える。そして、半導体発光素子10は、透光性電極170のp型半導体層160に接する面とは反対側の面170c上に積層される第1のボンディングパッド電極210を備える。さらにまた、半導体発光素子10は、p型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠くことによって露出したn型半導体層140の半導体層露出面140c上の一部に積層される第2のボンディングパッド電極240を備える。そしてまた、半導体発光素子10は、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240の部分を除いて、積層半導体層100、透光性電極170を覆うように設けられた保護層180を備える。
この半導体発光素子10においては、第1のボンディングパッド電極210を正極、第2のボンディングパッド電極240を負極とし、両者を介して積層半導体層100(より具体的にはp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140)に電流を流すことで、発光層150が発光するようになっている。
そして、透光性基板110の中間層120が積層される面110cには、一例として複数の凹部(ホール)110aが形成されている。
では次に、半導体発光素子10の各構成要素について、より詳細に説明する。
<基板>
透光性基板110(基板110)としては、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であって、発光層150で発生した光を透過するものであれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。例えば、サファイア、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化モリブデン等が挙げられる。これらの中でも、サファイア、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)が好ましい。
また、上記基板の中でも、特に、(0001)面(c面)を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。サファイア基板を用いる場合は、サファイアのc面上に中間層120(バッファ層)を形成するとよい。
図4の平面模式図は、図3に示す半導体発光素子10を透光性電極170側より見た図である。透光性基板110には、前述したように、複数の凹部110aが設けられている。
図5は、透光性基板110の凹部110aが形成された面110cを斜め上方から鳥瞰した図である。透光性基板110の中間層120が積層される面110cには、一例として面110cの表面から深さdの円筒状の凹部110aが複数設けられている。
凹部110aを設けるのは、光取り出し効率を向上させるためである。すなわち、凹部110aを設けない場合には、発光層150で発生し透光性基板110側に向かって進む光のうち、透光性基板110と中間層120との界面に、この界面の全反射角より大きい角度で入射する光は、この界面で全反射され、透光性基板110の外部(図3では下側)に取り出すことができない。そこで、透光性基板110に凹部110aを設けることにより、全反射を低減し、透光性基板110の外に取り出せるようにしている。
図6は、透光性基板110に設けられた凹部110aの配置の一例を示す図である。凹部110aは、一辺aの正三角形の頂点に位置するように配列されている。そして、凹部110aの表面形状は直径a/2の円である。すなわち、凹部110aは、ピッチaで稠密に配列された直径がピッチaの1/2である孔である。
凹部110aの深さd(図5参照)は、例えば0.7μmである。そして、凹部110aのピッチaは、例えば2μmで、このとき直径は1μmである。なお、凹部110aのピッチa、平面形状および配列は、図6に示すものに限られず、光取り出し効率を向上させることができるものであればよい。例えば、透光性基板110に、WO/2009/154215号公報に記載の凸部を基板110に形成してもよく、凸部形状の一例として、半球状で基部幅1.0μm、高さ1.0μm、隣接する凸部間の間隔を1.8μmとすることもできる。また、透光性基板110は、特開2009−127717号公報に記載の形状を採用してもよい。
<中間層>
中間層120は、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)のものがより好ましい。
中間層120は、上述のように、例えば、多結晶のAlGa1−xN(0≦x≦1)からなる厚さ10nm〜0.5μmのものとすることができる。中間層120の厚みが10nm未満であると、中間層120により透光性基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層120の厚みが0.5μmを超えると、中間層120としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層120の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下するおそれがある。
中間層120は、透光性基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、透光性基板110のサファイアの(0001)面(c面)上にC軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120の上に単結晶の下地層130を積層すると、より一層結晶性の良い下地層130が積層できる。なお、本発明においては、中間層形成工程を行なうことが好ましいが、行なわなくても良い。
また、中間層120は、III族窒化物半導体からなる六方晶系の結晶構造を持つものであってもよい。また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、単結晶構造を有するものであってもよく、単結晶構造を有するものが好ましく用いられる。III族窒化物半導体の結晶は、成長条件を制御することにより、透光性基板110に対して上方向だけでなく、面内方向にも成長して単結晶構造を形成する。このため、中間層120の成膜条件を制御することにより、単結晶構造のIII族窒化物半導体の結晶からなる中間層120とすることができる。このような単結晶構造を有する中間層120を透光性基板110上に成膜した場合、中間層120の緩衝(バッファ)機能が有効に作用するため、その上に成膜されたIII族窒化物半導体は良好な配向性及び結晶性を有する結晶膜となる。
また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、成膜条件をコントロールすることにより、六角柱を基本とした集合組織からなる柱状結晶(多結晶)とすることも可能である。なお、ここでの集合組織からなる柱状結晶とは、隣接する結晶粒との間に結晶粒界を形成して隔てられており、それ自体は縦断面形状として柱状になっている結晶のことをいう。
<下地層>
下地層130としては、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlGa1−xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層130を形成できるため好ましい。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlGa1−xN層が得られやすい。
下地層130の結晶性を良くするためには、下地層130は不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合は、p型不純物あるいはn型不純物を添加することができる。
<積層半導体層>
積層半導体層100は、例えば、III族窒化物半導体からなる層であって、図3に示すように、透光性基板110上に、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層がこの順で積層されて構成されている。
また、n型半導体層140、発光層150及びp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。
ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとする電気伝導を行い、p型半導体層160は、正孔をキャリアとする電気伝導を行う。
なお、積層半導体層100は、MOCVD法で形成すると結晶性の良いものが得られるが、スパッタ法によっても条件を最適化することで、MOCVD法よりも優れた結晶性を有する半導体層を形成できる。以下、順次説明する。
<n型半導体層>
図7は、積層半導体層100の断面模式図の一例を示す図である。n型半導体層140は、nコンタクト層140aとnクラッド層140bとから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層140aはnクラッド層140bを兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層140aは、第2のボンディングパッド電極240を設けるための層である。nコンタクト層140aとしては、AlGa1−xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層140aにはn型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017〜1×1020/cm、好ましくは1×1018〜1×1019/cmの濃度で含有すると、第2のボンディングパッド電極240との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層140aの膜厚は、0.5〜5μmとされることが好ましく、1〜3μmの範囲に設定することがより好ましい。nコンタクト層140aの膜厚が上記範囲にあると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nコンタクト層140aと発光層150との間には、nクラッド層140bを設けることが好ましい。nクラッド層140bは、発光層150へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行なう層である。nクラッド層140bはAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層140bをGaInNで形成する場合には、発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。なお、本明細書中では、各元素の組成比を省略してAlGaN、GaInNと記述する場合がある。
nクラッド層140bの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは5nm〜0.5μmであり、より好ましくは5〜100nmである。nクラッド層140bのn型不純物濃度は1×1017〜1×1020/cmが好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cmである。不純物濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および素子の動作電圧低減の点で好ましい。
なお、nクラッド層140bを、超格子構造を含む層とする場合には、詳細な図示を省略するが、10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、n側第1層と組成が異なるとともに10nm以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。
また、nクラッド層140bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
<発光層>
n型半導体層140の上に積層される発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
図7に示すような、量子井戸構造の井戸層150bとしては、Ga1−yInN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層150bの膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1nm〜10nmとすることができ、好ましくは2nm〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1−yInNを井戸層150bとし、井戸層150bよりバンドギャップエネルギが大きいAlGa1−zN(0≦z<0.3)を障壁層150aとする。井戸層150bおよび障壁層150aには、設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
<p型半導体層>
図7に示すように、p型半導体層160は、通常、pクラッド層160aおよびpコンタクト層160bから構成される。また、pコンタクト層160bがpクラッド層160aを兼ねることも可能である。
pクラッド層160aは、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層160aとしては、発光層150のバンドギャップエネルギより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlGa1−xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層160aが、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層160aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1nm〜400nmであり、より好ましくは5nm〜100nmである。
pクラッド層160aのp型不純物濃度は、1×1018〜1×1021/cmが好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cmである。不純物濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
また、pクラッド層160aは、複数回積層した超格子構造としてもよく、AlGaNとAlGaNとの交互構造又はAlGaNとGaNとの交互構造であることが好ましい。
pコンタクト層160bは、透光性電極170を設けるための層である。pコンタクト層160bは、AlGa1−xN(0≦x≦0.4)であることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持および第1のボンディングパッド電極210との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
p型不純物を1×1018〜1×1021/cmの濃度、好ましくは5×1019〜5×1020/cmの濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、10〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜200nmである。pコンタクト層160bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
<透光性電極>
図3に示すように、p型半導体層160の上には透光性電極170が積層されている。
図4に示すように、平面視したときに、透光性電極170(図3参照)は、第2のボンディングパッド電極240を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cのほぼ全面を覆うように形成されている。しかし、このような形状に限定されるわけでなく、隙間を開けて格子状や樹形状に形成してもよい。
透光性電極170は、p型半導体層160との接触抵抗が小さいものが好ましい。また、本実施の形態における半導体発光素子10では、発光層150で発生して、透光性電極170側に向かう光を、一旦半導体発光素子10から取り出す。このため、透光性電極170は光透過性に優れたものが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、透光性電極170は優れた導電性を有していることが好ましい。
本実施の形態では、透光性電極170として、Inを含む酸化物の導電性材料が用いられる。Inを含む酸化物の一部は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の酸化物としては、例えばITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、IGO(酸化インジウムガリウム(In−Ga))、ICO(酸化インジウムセリウム(In−CeO))等が挙げられる。なお、これらの中に、例えばフッ素などのドーパントが添加されていてもかまわない。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることによって、透光性電極170を形成できる。また、透光性電極170を形成した後に、透光性電極170の透明化を目的とした熱アニールを施す場合もある。
特に、熱処理によって結晶化したIZO膜は、アモルファス状態のIZO膜に比べて、第1のボンディングパッド電極210や後述する接合層、p型半導体層160との密着性が良いため、本発明の実施形態において有効である。
<第1のボンディングパッド電極>
次に、正極として働く第1のボンディングパッド電極210の構成の一例について詳細に説明する。
IZO膜からなる透光性電極170の上には、サブマウント15に設けられた反射層21とバンプ31を介して電気的に接続するための第1のボンディングパッド電極210が設けられている。第1のボンディングパッド電極210は、Au、Al、NiおよびCu等の材料を用いた各種構造が知られている。中でも、Au、Alまたはこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはバンプとして使用されることが多いAu合金との密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、バンプ31との密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に望ましいのはAuまたはAuの合金である。また、第1のボンディングパッド電極210の厚さは、50〜2000nmの範囲内であることが好ましい。更に望ましくは300nm以上且つ1500nm以下である。
第1のボンディングパッド電極210が薄すぎるとバンプ31との密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。また、ボンディングパッドの特性上、厚いほどバンプ31との密着性が高くなって好ましい。このため、第1のボンディングパッド電極210の厚さは300nm以上とすることがより好ましい。さらに、製造コストの観点から500nm以下とすることが好ましい。
また、第1のボンディングパッド電極210と透光性電極170との接合強度を高めるために、例えば、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Taなどの接合層を透光性電極170上に設けてもよい。
発光層150で発生した光のうち、第1のボンディングパッド電極210に向かった光は、第1のボンディングパッド電極210を透過することができない。このため、この光は、第1のボンディングパッド電極210の最下面(透光性電極170側の面)で反射され、一部は第1のボンディングパッド電極210の直下に進み、一部は散乱されて横方向あるいは斜め方向に進む。第1のボンディングパッド電極210の直下の方向に透光性基板110側に進んだ光は、半導体発光素子10内において吸収、散乱あるいは反射されつつ、透光性基板110を透過して外部に取り出される。一方、散乱されて横方向あるいは斜め方向に進んだ光は、半導体発光素子10の側面や透光性電極170(第1のボンディングパッド電極210が存在しない部分)を通じて外部へ取り出される。
第1のボンディングパッド電極210は、透光性電極170の上であれば、どこへでも形成することができる。
このため、第1のボンディングパッド電極210は、例えば第2のボンディングパッド電極240から最も遠い位置に形成してもよいし、半導体発光素子10の中心などに形成してもよい。しかし、あまりにも第2のボンディングパッド電極240に近接した位置に形成すると、バンプ31、34間でショートを生じてしまうため好ましくない。
また、第1のボンディングパッド電極210の電極面積としては、できるだけ大きいほうがフリップチップボンディング作業はしやすいものの、半導体発光素子10からの発光を、透光性電極170を通して、一旦半導体発光素子10から取り出す妨げになる。
具体的には、バンプ31の直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μmの円形程度であることが一般的である。
<第2のボンディングパッド電極>
続いて、負極として働く第2のボンディングパッド電極240の構成の一例について詳細に説明する。
第2のボンディングパッド電極240は、図3に示すように、n型半導体層140の半導体層露出面140cに形成されている。このように、第2のボンディングパッド電極240を形成する際には、エッチング等の手段によって発光層150およびp型半導体層160の一部を切り欠き除去してn型半導体層140のnコンタクト層140a(図7参照)を露出させ、得られた半導体層露出面140c上に第2のボンディングパッド電極240を形成する。
図4に示すように、平面視したときに、第2のボンディングパッド電極240は円形状とされているが、このような形状に限定されるわけでなく、多角形状など任意の形状とすることができる。
第2のボンディングパッド電極240は、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金からなることが好ましい。AuおよびAlはバンプとして使用されることが多い金バンプとの密着性の良い金属なので、Au、Alまたはこれらの金属の少なくも一種を含む合金を用いることにより、バンプ34との密着性に優れたものとすることができる。中でも、特に望ましいのはAuである。
また、第2のボンディングパッド電極240の厚みは、50〜20000nmの範囲であることが好ましく、更に望ましくは300〜15000nmである。
第2のボンディングパッド電極240が薄すぎるとバンプ34との密着性が悪くなり、厚すぎても特に利点は生ぜず、コスト増大を招くのみである。
第2のボンディングパッド電極240は、nコンタクト層140aの半導体層露出面140cの上であれば、どこへでも形成することができる。ただし、フリップチップボンディング作業のしやすさという観点からは、バンプ34の直径よりもわずかに大きい程度が好ましく、直径100μmの円形程度であることが一般的である。
なお、n型半導体層140のnコンタクト層140aに形成される半導体層露出面140cに対する第2のボンディングパッド電極240の接合強度を高めるために、nコンタクト層140aと第2のボンディングパッド電極240との間に、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、Mg、Bi、Si、Hf、Taからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を含む接合層を設けてもよい。
なお、本実施の形態では、後述するように、第1のボンディングパッド電極210と第2のボンディングパッド電極240とは同一のプロセスにおいて形成され、同じ構成を有している。
次に、図1に示す半導体発光装置1の製造方法の一例について説明する。
(半導体発光素子の製造方法)
まず、本実施の形態における半導体発光素子10の製造方法を説明する。
半導体発光素子10は、透光性基板110に凹部110aを形成する凹部形成工程と、透光性基板110上に、中間層120を形成する中間層形成工程と、下地層130を形成する下地層形成工程と、発光層150を含む積層半導体層100を形成する工程と、積層半導体層100上に透光性電極170を形成する工程と、積層半導体層100の一部を切り欠き除去して半導体層露出面140cを形成する工程と、透光性電極170の上面170cに第1のボンディングパッド電極210を形成し且つ半導体層露出面140cに第2のボンディングパッド電極240を形成する電極形成工程とを有している。なお、凹部110aの替わりに凸部を形成してもよく、この場合、半導体発光素子10の製造方法として凹部形成工程の替わりに、透光性基板110に凸部を形成する凸部形成工程を有することになる。
ここで、発光層150を含む積層半導体層100を形成する工程は、n型半導体層140を形成するn型半導体層形成工程、発光層150を形成する発光層形成工程、p型半導体層160を形成するp型半導体層形成工程を有している。
本実施の形態が適用される半導体発光素子10の製造方法は、必要に応じて、電極形成工程の後、得られた半導体発光素子10に熱処理を施すアニール工程をさらに有している場合がある。
以下、各工程について、順番に説明する。
<凹部形成工程>
先ず、サファイア基板等の透光性基板110を用意し、凹部110aを形成する面に、例えば、フォトリソグラフィ法等によりエッチング阻止膜としてのレジストパタン形成を形成する。この後、プラズマエッチング法等により、透光性基板110に円筒状の凹部110aを形成する。
<中間層形成工程>
次に、透光性基板110に中間層120を形成するために前処理を施す。前処理としては、例えば、スパッタ装置のチャンバ内に透光性基板110を配置し、中間層120を形成する前にスパッタするなどの方法によって行うことができる。具体的には、チャンバ内において、透光性基板110をArやNのプラズマ中に曝す事によって上面を洗浄する前処理を行なってもよい。ArガスやNガスなどのプラズマを透光性基板110に作用させることで、透光性基板110の上面に付着した有機物や酸化物を除去することができる。
次に、透光性基板110の上面に、スパッタ法によって、中間層120を積層する。
スパッタ法によって、単結晶構造を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50〜100%、望ましくは75%となるようにすることが望ましい。
また、スパッタ法によって、柱状結晶(多結晶)を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が1〜50%、望ましくは25%となるようにすることが望ましい。なお、中間層120は、上述したスパッタ法だけでなく、MOCVD法で形成することもできる。
<下地層形成工程>
次に、中間層120を形成した後、中間層120が形成された透光性基板110の上面に、単結晶の下地層130を形成する。下地層130は、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
<積層半導体層形成工程>
積層半導体層形成工程は、n型半導体層形成工程と、発光層形成工程と、p型半導体層形成工程とからなる。
<n型半導体層形成工程>
下地層130の形成後、nコンタクト層140a及びnクラッド層140bを積層してn型半導体層140を形成する。nコンタクト層140a及びnクラッド層140bは、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
<発光層形成工程>
発光層150の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよいが、特にMOCVD法が好ましい。具体的には、障壁層150aと井戸層150bとを交互に繰り返して積層し、且つ、n型半導体層140側及びp型半導体層160側に障壁層150aが配される順で積層すればよい。
<p型半導体層形成工程>
また、p型半導体層160の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよい。具体的には、pクラッド層160aと、pコンタクト層160bとを順次積層すればよい。
<半導体層露出面形成工程>
透光性電極170の形成に先立ち、フォトリソグラフィ等によりエッチング阻止膜としてのレジストパタン形成とそれに引き続くエッチングによる手法によって、積層半導体層100の一部をエッチングしてnコンタクト層140aの一部を露出させ、半導体層露出面140cを形成する。
<透光性電極形成工程>
マスクで半導体層露出面140cをカバーして、エッチング除去せずに残したp型半導体層160上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて、透光性電極170を形成する。
なお、p型半導体層160上に先に透光性電極170を形成した後、透光性電極170を形成した状態で、積層半導体層100の一部をエッチングすることで半導体層露出面140cを形成するようにしてもよい。
そして、透光性電極170および半導体層露出面140cの上面にSiOからなる保護層180を形成した後、保護層180上に図示しないレジストを塗布する。
そして、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240をそれぞれ形成する部分に対応する部位のレジストを公知の手法によって除去することで、p型半導体層160上に形成された保護層180の一部および半導体層露出面140c上に形成された保護層180の一部をそれぞれ外側に露出させる。
そして、透光性電極170の上面に垂直な方向よりSiOからなる保護層180のRIE(反応性イオンエッチング)を行い、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240を形成する部分に対応する部位の保護層180を除去して、透光性電極170の一部およびnコンタクト層140aの一部の上面を露出させる。
<電極形成工程>
次に、スパッタ法により、透光性電極170の露出面上に第1のボンディングパッド電極210と第2のボンディングパッド電極240とを形成する。このとき、スパッタ条件を制御することにより、スパッタ材料によらず、カバレッジ性を高くして、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240を成膜することができる。なお、このとき、透光性電極170上および半導体層露出面140c上に残存する硬化したレジスト上にも第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240と同じ材料が堆積される。
最後に、レジスト剥離液に浸漬することにより、硬化したレジストとともに、その上に堆積した第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240と同じ材料を剥離、除去する。これにより、透光性電極170上には第1のボンディングパッド電極210が形成され、nコンタクト層140a上には第2のボンディングパッド電極240が形成される。
<アニール工程>
そして、このようにして得られた半導体発光素子10を、例えば窒素などの還元雰囲気下において、150〜600℃、より好ましくは200〜500℃でアニール処理する。このアニール工程は、透光性電極170と第1のボンディングパッド電極210との密着性、および、半導体層露出面140cと第2のボンディングパッド電極240との密着性を高めるために行われる。なお、アニール処理は必ずしも行う必要はないが、密着性を高めるためには行う方がより好ましい。
本実施の形態では、透光性電極170上に形成される第1のボンディングパッド電極210およびnコンタクト層140a(図7参照)上に形成される第2のボンディングパッド電極240を、同じ構成とすることで、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240を同時に形成することが可能となり、半導体発光素子10の生産性を向上させることができる。
(サブマウントの製造方法)
次に、サブマウント15の製造方法を説明する。
セラミック等のサブマウント基板20を用意し、リフトオフ法などによりAgの反射層21、24を形成する。そして、半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240と接続する部分、すなわちバンプ31、34等を形成する部分を除いて、リフトオフ法などによりSiOからなる保護膜で覆おう。最後に、Au−Sn合金からなるバンプ31、34を、同じくリフトオフ法等により形成する。
(半導体発光装置の製造方法)
最後に、半導体発光装置1の製造方法を説明する。
サブマウント15上に半導体発光素子10を裏返して設置し、予め定められた接続関係に基づいて、サブマウント15上のバンプ31、34が、それぞれ半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240と接続されるように半導体発光素子10の位置をサブマウント15と対応させる(対応させる工程)。
その後、例えば、300℃に加熱しつつ、半導体発光素子10をサブマウント15に押圧(圧着)する(加熱して押圧する工程)。これにより、バンプ31、34と第1のボンディングパッド電極210と第2のボンディングパッド電極240とがそれぞれ電気的に接続される。
このようにして、半導体発光装置1が完成する。
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態が適用される半導体発光装置1の一例を示す図である。
第1の実施の形態の半導体発光装置1では、図2に示したように、半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240が、半導体発光素子10の対向する辺に対して中央部分に設けられていた。一方、第2の実施の形態では、図8に示すように、半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240は、半導体発光素子10の表面の対向する角の部分に設けられている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
第2の実施の形態においても、半導体発光素子10の発光層150で発生した光のうち、透光性電極170に向かう光は、透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、それらの間の空気層とで構成される構造により反射されるため、光の取り出し効率が向上する。
[第3の実施の形態]
図9は、第3の実施の形態が適用される半導体発光装置1の一例を示す図である。
第1の実施の形態の半導体発光装置1では、図1に示したように、半導体発光素子10の第2のボンディングパッド電極240は1カ所に設けられていた。一方、第3の実施の形態では、図9に示すように、半導体発光素子10の第2のボンディングパッド電極240は、2カ所に設けられている。これは、半導体発光素子10のnコンタクト層140aとサブマウント15の反射層24との接続をより確かにするためである。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
第3の実施の形態においても、半導体発光素子10の発光層150で発生した光のうち、透光性電極170に向かう光は、透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、それらの間の空気層とで構成される構造により反射されるため、光の取り出し効率が向上する。
では次に、本発明の実施例について説明を行うが、本発明は実施例に限定されない。
図10は、実施例(実施例1、2、3、4)および比較例(比較例1、2)の半導体発光装置1における順方向電圧Vf(V)、発光ピーク波長λd(nm)、発光エネルギPo(mW)を示す図である。
まず、実施例および比較例に用いた半導体発光素子10について説明する。
<半導体発光素子>
実施例および比較例に用いた半導体発光素子10は、図3と同じ構造を有している。
すなわち、透光性基板110はC軸配向したサファイア基板である。
そして、実施例1、2および比較例1では、透光性基板110に、図6に示すような一辺(ピッチa)が2μmの正三角形の頂点の位置に蜂の巣状に配列され、径が1μmで深さdが0.7μmの円筒状の凹部110aが形成されている。
一方、実施例3、4および比較例2では、透光性基板110に、図6に示すような一辺(ピッチa)が4μmの正三角形の頂点の位置に蜂の巣状に配列され、径が2μmで深さdが1μmの円筒状の凹部110aが形成されている。
なお、第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240の配列は図4に示した第1の実施の形態と同じである。
(実施例1〜4)
実施例1〜4は、図10に示すように、図1に示したフェイスダウン実装(フリップチップボンディング)である。そして、実施例1および3では、反射層21、24がAg(Ag電極サブマウント)で構成されている。一方、実施例2および4では、反射層21、24がAu(Au電極サブマウント)で構成されている。
そして、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との間の空気層の厚さHは10μmとした。
(比較例1、2)
図11は、比較例1、2の半導体発光装置1の断面模式図を示す図である。
比較例1、2は、パッケージ基板30上にパッド35、36を備えたパッケージ16と、パッケージ16に搭載された半導体発光素子10と、パッド35、36と半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240とをそれぞれ接続するボンディングワイヤ310、340とを備える。すなわち、比較例1、2の半導体発光装置1は、ワイヤボンディングで実装されている。そして、半導体発光素子10は、透光性基板110側が銀(Ag)ペースト(図示せず)でパッケージ16に固定される。半導体発光素子10の透光性電極170が設けられた側(表面側)が上となって実装されているので、フェイスアップ実装である。半導体発光素子10の構成は、実施例1〜4と同じであるので、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
フェイスアップ実装では、ボンディングワイヤ310、340により、半導体発光素子10の第1のボンディングパッド電極210および第2のボンディングパッド電極240とパッケージ基板30上のパッド35、36とを接続している。このため、発光層150で発生した光のうち、透光性電極170へ向かう光は、透光性電極170を通して外部に取り出される。しかし、第1のボンディングパッド電極210に覆われた透光性電極170の部分からは光を取り出すことができない。
次に、評価方法および結果について説明する。
図10に示す、半導体発光素子10の順方向電圧Vfは、電流−電圧特性から求めた。また、発光エネルギPoは、分光光度計により発光波長λに対して発光強度を求め、発光波長帯域にわたって発光強度を積分することから求めた。また、発光強度がピークとなる発光波長λを発光ピーク波長λdとした。
まず、凹部110aのピッチaが2μmである実施例1、2および比較例1の半導体発光装置1について説明する。
これらの半導体発光装置1の半導体発光素子10の順方向電圧Vfは3.14〜3.15V、発光ピーク波長λdは402nmであり、ほぼ同じである。しかし、発光エネルギPoは、実施例1(フェイスダウン実装であって、反射層21、24がAg)では28.56mW、実施例2(フェイスダウン実装であって、反射層21、24がAu)では18.78mWである。一方、フェイスアップ実装の比較例1では16.3mWである。
順方向電圧Vfおよび発光ピーク波長λdがほぼ同じであることから、それぞれの半導体発光素子10の特性は同じと考えられる。したがって、発光エネルギPoの差は、実装形式およびサブマウントの反射層21、24の材質によると考えられる。
まず、フェイスダウン実装である実施例1と実施例2とを比較する。実施例1および2では、半導体発光素子10の表面を透光性電極170としたことで、発光層150で発生した光のうち、半導体発光素子10の発光層150から透光性電極170側に向かって進む光は、半導体発光素子10の透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、それらの間の空気層とが構成する構造により反射され、取り出すことができる。
ここで、実施例1と実施例2とを比較すると、反射層21、24としてAgを用いた実施例1では、反射層21、24としてAuを用いた実施例2の1.52倍の発光エネルギPoが得られている。実施例1の発光エネルギPoが実施例2に比べ大きいのは、実施例1の反射層21、24の材料によると考えられる。
発光ピーク波長λdである402nm付近におけるAgの反射率は94.8%であり、Auの38.7%に比べ極めて大きい。そして、反射層21、24としてAgを想定して行ったシミュレーション(図12参照)では、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との間を4μm以上の空気層とすることで99%を超える高い反射率が得られている。
すなわち、実施例1の発光エネルギPoが大きいのは、図12に示したシミュレーションの結果のように、半導体発光素子10の透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、これらの間の空気層とで構成される構造が高い反射率を示すことによって、発光層150で発生した光のうち、透光性電極170側に向かう光が、効率よく反射され取り出すことができることによると考えられる。
次に、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1では、比較例1の1.8倍の発光エネルギPoが得られている。
フェイスアップ実装である比較例1では、発光層150で発生した光のうち、透光性電極170へ向かう光の一部は、第1のボンディングパッド電極210で遮光され取り出すことができない。また、半導体発光素子10の発光層150で発生した光のうち、透光性基板110側へ向かう光は、透光性基板110、接着剤である銀ペースト、サブマウント基板30の表面やそれらが接する界面などで一部反射され、透光性電極170側に向かう光となるが、実施例1における空気層を設けた場合と異なって、効率よく取り出すことができていないと考えられる。
次に、凹部110aのピッチaが4μmの実施例3、4および比較例2の半導体発光装置1について説明する。これらについても、前述した実施例1、2および比較例1でと同様の傾向が得られた。
すなわち、これらの半導体発光装置1の半導体発光素子10の順方向電圧Vfは3.15V、発光ピーク波長λdは401〜402nmである。しかし、発光エネルギPoは、実施例3(フェイスダウン実装であって、反射層21、24がAg)では27.91mW、実施例4(フェイスダウン実装であって、反射層21、24がAu)では17.95mWである。一方、フェイスアップ実装の比較例2では、発光エネルギPoは16.6mWである。
そして、Agの反射層21、24を用いた実施例3では、比較例2の1.68倍の発光エネルギPoが得られている。
このように、透光性基板110における凹部110aのピッチaおよび半径が異なっても、同様の結果が得られる。
さて、前述したように、第1の実施の形態が適用された半導体発光装置1において、光取り出し効率が大きく改善されるのは、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24とが低屈折率の空気層を介して(距離を有して)対向していることにより、透光性電極170側に向かった光が効率よく反射されて透光性基板110側から取りだされるためと考えられる。さらに、発光層150から透光性電極170へ向かう光が、透光性電極170を透過して、サブマウント15の反射層21、24で反射されて、半導体発光素子10の周囲から外部に取り出される光も利用できている。
なお、第2の実施の形態および第3の実施の形態の半導体発光装置1においても、同様な結果が得られる。
また、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態では、フェイスアップ実装で使用される半導体発光素子10の構成を変更することなく、フリップチップボンディングによるフェイスダウン実装で使用することができる効果がある。
なお、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態では、発光ピーク波長λdが400nm近傍の半導体発光素子10を用いた半導体発光装置1について説明したが、本発明の適用対象はこれに限られない。
例えば、Ga1−xAlAs(0<x<1)、GaAs1−x(0<x<1)、In1−xGaP(0<x<1)などの化合物半導体を発光層150とする赤外から赤を発光する半導体発光素子10、AlP、AlAs、GaPなどを発光層150に用いた橙から緑を発光する半導体発光素子10を用いた半導体発光装置1にも適用できることは明らかである。
この場合、前述したことから分かるように、反射層21、24の材料は、発光層150の発生する光の波長に対して反射率の高い材料を選択すればよく、AgやAuの他に、Al、Cuなどが用いうる。また、屈折率の異なる誘電体層を交互に積層した誘電体ミラーを用いてもよい。
さらに、半導体発光素子10の透光性電極170とサブマウント15の反射層21、24との間は空気層であるとして説明したが、発光波長に対して透光性の樹脂などの低屈折率の材料で封止されていてもよい。半導体発光素子10の発光層150で発生し、透光性電極170側に向かう光が、半導体発光素子10の透光性電極170と、サブマウント15の反射層21、24と、これらの間を封止した透光性の樹脂などの層とが構成する構造により効率よく反射され外部に取り出すことができればよい。
また、本発明が適用され得る対象として、例えば液晶ディスプレイのバックライトやLEDディスプレイ、さらには照明装置が挙げられる。
1…半導体発光装置、10…半導体発光素子、15…サブマウント、20…サブマウント基板、21、24…反射層、31、34…バンプ、100…積層半導体層、110…透光性基板、110a…凹部、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、150…発光層、160…p型半導体層、170…透光性電極、180…保護層、210…第1のボンディングパッド電極、240…第2のボンディングパッド電極

Claims (7)

  1. 予め設定された光を発光する発光層を含む積層半導体層と、当該積層半導体層の一方の面側に設けられ、当該光を透過する透光性基板と、当該積層半導体層の他方の面側に設けられ、当該光を透過する透光性電極とを含む半導体発光素子と、
    前記光を反射する反射層を含み、当該反射層と前記半導体発光素子の前記透光性電極とが対向するように配置される反射板とを備え、
    前記半導体発光素子の前記透光性電極と前記反射板の前記反射層とは、少なくとも1μmの空気層を隔てて対向している
    ことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記反射板に設けられた反射層は、前記半導体発光素子に電力を供給する一対の配線であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記反射板の前記反射層は、AgまたはAgを含む合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記反射板の前記反射層は、当該反射層上に当該反射層の酸化または腐食を抑制する保護膜をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  5. 前記半導体発光素子の前記透光性基板とは反対側に設けられた正負一対の接続電極と、前記反射板の前記一対の配線とは、当該反射板上に設けられたバンプによってそれぞれが接続されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記半導体発光素子の前記透光性基板は、前記積層半導体層側の面に複数の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. 予め定められた光を発光する発光層を含む積層半導体層と、当該積層半導体層の一方の面側に設けられ、当該光を透過する透光性基板と、当該積層半導体層の他方の面側に設けられ、当該光を透過する透光性電極とを含む半導体発光素子の当該積層半導体層の他方の面側に設けられた正負一対の接続電極を、前記光を反射し、前記透光性電極と対向する反射層を含む反射板の配線として働く反射層上に設けられたバンプに対応させる工程と、
    前記半導体発光素子を前記反射板に加熱して押圧する工程と
    を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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