JP2012061797A - 記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体に記録を行う記録部と、記録部と共通の電源ユニット120から電源供給を受けて、記録部とは独立して動作する動作部と、を備えた複合処理装置1は、CPU101により、記録部を制御して記録媒体に記録を行わせるとともに、動作部の動作を制御し、動作部の動作を待機状態にして所定の条件の成立を契機として待機状態を解除し、所定の動作を実行させることが可能であり、記録部の動作中に所定の条件が成立した場合には、動作部の待機状態を保持して所定の動作を保留させる。
【選択図】図4
Description
ところで、複数の記録媒体に記録を行う複数の動作部を、それぞれ独立して動作させる場合、特許文献1に開示されたような制御を行うことは容易ではない。例えば、ピーク電流を抑えるために複数の動作部に同時に通電させないよう制御を行うと、サーマルヘッドによる印刷中に、他の動作部を駆動するため印刷を停止することがある。この場合、停止の前後で感熱ロール紙とサーマルヘッドとの相対位置にずれが生じるため、停止位置に白い筋が発生してしまう。このように、記録品質を保持しながら複数の動作部を効率よく制御することは困難であった。
上述した課題を解消するため、本発明は、記録媒体に記録を行う記録部を含む複数の動作部を制御して、記録品質に影響を与えないように効率よく動作させることを目的とする。
本発明によれば、共通の電源部から電源供給を受けて動作する記録部と動作部とを動作させる場合に、動作部を待機させて、所定の条件の成立を契機として動作させることが可能であり、この場合に所定の条件が成立しても記録部の動作中は動作部が動作しないよう保留させる。これにより、記録部とは独立して動作する動作部を、記録部の動作中に動作しないよう制限できる。このため、記録部と、記録部とは独立して動作する動作部とを効率よく制御して、記録部と動作部への供給電力のピークを抑え、かつ、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下を防止し、記録品質の低下を防止できる。
本発明によれば、保留していた動作部の所定の動作が記録部の動作が終了した後に実行されるので、動作部の動作を一時的に保留させるだけで、供給電力のピークを抑え、かつ記録品質の低下を防止することができ、動作部の動作を確実に完了できる。
本発明によれば、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下によって記録品質の低下を招きやすい構成において、記録部とは独立して動作する動作部と記録部への供給電力のピークを抑え、かつ、記録品質の低下を防止できる。
本発明によれば、記録媒体とは別の媒体を処理する媒体処理部が、媒体を排出口まで搬送して抜去されるまで待機し、排出口の検出器によって媒体の抜去を検出した場合に待機状態を解除して、所定の動作を実行し、記録部の動作中には、検出器によって媒体の抜去を検出しても所定の状態への移行を保留する。これにより、媒体の抜去を契機として実行される動作を、記録部の動作中は保留するので、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下を確実に解消できる。また、媒体処理部が処理する媒体の抜去は、記録装置に対する事前の予約なく突然行われるものであるが、この突然の媒体の抜去に対応して、記録動作の中断等を防止でき、記録品質の低下を防止できる。
本発明によれば、排出口の検出器によって媒体の抜去を検出した場合に、搬送手段が媒体を挿入可能な状態に移行させ、記録部の動作中には、検出器によって媒体の抜去を検出しても、搬送手段を媒体を挿入可能な状態に移行させずに保留する。これにより、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下を確実に解消できる。
本発明によれば、記録部の実行中だけでなく、記録部による他の動作の予定がある場合に、動作部の動作を保留し、記録部が予定の動作を終了してから動作部を動作させるので、記録部への影響を確実に回避し、記録品質の低下をより確実に防止できる。
本発明の制御方法を実行することにより、記録装置が共通の電源部から電源供給を受けて動作する記録部と動作部とを動作させる場合に、動作部を待機させて、所定の条件の成立を契機として動作させることが可能であり、この場合に所定の条件が成立しても記録部の動作中は動作部が動作しないよう保留させる。これにより、記録部とは独立して動作する動作部を、記録部の動作中に動作しないよう制限できる。このため、記録部と、記録部とは独立して動作する動作部とを効率よく制御して、記録部と動作部への供給電力のピークを抑え、かつ、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下を防止し、記録品質の低下を防止できる。
本発明の制御方法を実行することにより、制御部は、共通の電源部から電源供給を受けて動作する記録部と動作部とを動作させる場合に、動作部を待機させて、所定の条件の成立を契機として動作させることが可能であり、この場合に所定の条件が成立しても記録部の動作中は動作部が動作しないよう保留させる。これにより、記録部とは独立して動作する動作部を、記録部の動作中に動作しないよう制限できる。このため、記録部と、記録部とは独立して動作する動作部とを効率よく制御して、記録部と動作部への供給電力のピークを抑え、かつ、記録動作の中断や記録中に記録部へ供給される電力の不足或いは低下を防止し、記録品質の低下を防止できる。
図1は、本実施形態に係る記録装置としての複合処理装置を示す外観斜視図である。複合処理装置1は、小切手(媒体)Sに記録されている磁気インク文字(MICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字ともいう)を読み取り、その内容に応じて小切手に印刷(記録)処理を行う。また、複合処理装置1は、感熱紙をロール形状に巻き回した感熱ロール紙(記録媒体)Rを内部に収容し、このロール紙に対して印刷(記録)処理を行う。
複合処理装置1は、図1に示すように、全体として直方体形状をした本体ケース2を備え、この本体ケース2の前面の左側寄りの部分には、小切手Sを挿入するための媒体挿入口3が装置幅方向に沿って所定幅で設けられている。本体ケース2の上面の装置前後方向の中央部分には、処理された小切手Sが排出される媒体排出口4が装置幅方向に沿って所定幅で設けられている。媒体挿入口3と媒体排出口4との間には、媒体挿入口3から装置後方に延びた後に上方に湾曲して延びる媒体搬送路5が形成されている。これら媒体挿入口3、媒体排出口4及び媒体搬送路5は、本体ケース2の左側面を開放して形成されており、当該媒体挿入口3、媒体排出口4及び媒体搬送路5よりも幅の広い小切手Sを搬送することが可能となっている。
ロール紙印刷部13は、左右一対の左サイドフレーム14及び右サイドフレーム(不図示)と、これらサイドフレーム間に設けられてロール紙収容部10の床面、前面及び背面を形成するロール紙ホルダー(不図示)を備える。このロール紙ホルダーは、ロール紙Rを回転自在に保持し、ロール紙収容部10でロール紙Rが自由に転動することを確保している。
また、プラテンローラー15の上方には、可動刃20及びこの可動刃20を進退させるカッター駆動モーター24(図4参照)を内蔵したオートカッターユニット21が配置されており、このオートカッターユニット21の後方には、ロール紙排出口8を挟んで、固定刃22が設けられている。ロール紙Rの先端部分は、可動刃20と固定刃22との間を通ってロール紙排出口8に延びており、ロール紙Rを切断する際には、カッター駆動モーター24の駆動により可動刃20が固定刃22に向かって後方に遥動し、固定刃22と協働してロール紙Rを切断する。
さらに、左サイドフレーム14には、ロール紙収容部10内のロール紙Rの残量を検知するロール紙残量センサー23が設けられている。
媒体搬送路5上には、媒体挿入口3側から順にBOF(Bottom of Form)センサー41、MICRヘッド42、第1搬送ローラー34、TOF(Top of Form)センサー43、整列手段44、バリデーションセンサー45、第1印刷ヘッド(記録ヘッド)46、MOP(Middle of Paper pass)センサー47、第2搬送ローラー37、第2印刷ヘッド(他の記録ヘッド)48、EJD(Slip Eject Detector)センサー49が設けられている。
BOFセンサー41は、媒体挿入口3から挿入された小切手Sの後端を検出するものであり、媒体挿入口3近傍の下案内面35に設けられている。TOFセンサー43は、媒体挿入口3から挿入された小切手Sの先端を検出するものであり、第1搬送ローラー34よりも媒体排出口側近傍の上案内面36に設けられている。EJDセンサー49(検出器)は、スリップ印刷部12で処理された小切手Sが媒体排出口4(排出口)から排出されたことを検出するものであり、この媒体排出口4近傍に設けられている。MOPセンサー47は、媒体搬送路5を搬送される小切手Sの有無を検出するものであり、第2搬送ローラー37よりも媒体挿入口側近傍の上案内面36に設けられている。
また、第1キャリッジ52の下部には、この第1キャリッジ52の位置検出を行う第1キャリッジセンサー(検出手段)55が設けられている。この第1キャリッジセンサー55は、透過型のフォトセンサーであり、第1キャリッジ52の往復移動に伴って、第1キャリッジ軸53と略平行に設けられた第1スケール56を走査する。この第1スケール56には、所定幅のスリットが複数形成されており、第1キャリッジセンサー55が第1スケール56を走査する際に、これらスリットを通過する光信号を取得することにより、第1キャリッジ52の変位量を検出して当該第1キャリッジ52(第1印刷ヘッド46)の位置検出を行う。なお、本実施形態では、第1キャリッジセンサー55には、第1キャリッジ駆動モーター54の駆動中にのみ電源が供給されるようになっており、第1キャリッジ駆動モーター54が停止した際には第1キャリッジセンサー55への電源供給が遮断されるため、待機電力の消費量が減少し、省エネルギー化を図ることができる。
この図4に示すように、複合処理装置1の制御系は、制御基板40に実装された制御部に、各種モーター等の駆動部及び各種センサーが接続された構成となっている。
制御基板40には、制御プログラムを実行して各部を制御するCPU101、CPU101によって実行されるプログラムや処理されるデータ等を一時的に格納するRAM103、CPU101によって実行される基本制御プログラムや、各種設定値を記憶するフラッシュROM105、複合処理装置1の外部装置としてのホストコンピューター200との間でコマンドやデータ等を送受信する通信インターフェイス107、A/Dコンバーター108を内蔵し、複合処理装置1の各種センサーの検出値をデジタルデータに変換してCPU101に出力するセンサー駆動回路109、複合処理装置1が備える印刷ヘッドを駆動するヘッド駆動回路111、及び、複合処理装置1が備える各モーターを駆動するモータードライバー113を備えて構成され、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。なお、制御基板40が備える各機能部は各々が独立した半導体デバイスとして実装されていてもよいし、複数の機能部の機能がSOC(System-on-a-chip)等の形態で統合された構成としてもよく、具体的な実装形態は任意である。
さらに、CPU101には、ロール紙収容部10(図1)に収容されたロール紙Rの残量が所定以上あるか否かを検出するロール紙残量センサー23、開閉蓋9が開いたことを検出するカバー開閉センサー117、上述した第1キャリッジセンサー55及び第2キャリッジセンサー61が接続される。ロール紙残量センサー23は、ロール紙Rの外径が所定以上の場合にオンとなるスイッチ式のセンサーであり、カバー開閉センサー117は、開閉蓋9が開かれるとオンとなるスイッチ式のセンサーであり、それぞれオン/オフ状態に対応してHigh/Loの出力値を出力する。第1キャリッジセンサー55及び第2キャリッジセンサー61は、例えばフォトインターラプターとして構成され、受光部における受光量が内蔵するしきい値を超えるか否かにより出力値をHigh/Loに切り換える。
センサー駆動回路109は、BOFセンサー41、TOFセンサー43、バリデーションセンサー45、MOPセンサー47、EJDセンサー49、及び基板温度センサー115の各センサーに接続され、これら各センサーの出力値をデジタルデータに変換して、CPU101に出力する。また、センサー駆動回路109はMICRヘッド42に接続され、小切手Sに形成された磁気インク文字をMICRヘッド42によって読み取る動作中、MICRヘッド42の出力値をデジタルデータとしてCPU101に出力する。
モータードライバー113は、ステッピングモーターとして構成されるロール紙搬送モーター17、カッター駆動モーター24、スリップ搬送モーター38、ローラー開閉モーター39、ストッパー駆動部44a、第1キャリッジ駆動モーター54、及び第2キャリッジ駆動モーター59の各モーターに対し、CPU101の制御に従って、駆動電源、及び、駆動パルスを出力する。モータードライバー113が各モーターに供給する駆動電源は、電源ユニット120(電源部)が各部に供給する24Vの直流電源である。電源ユニット120は、図4に示す複合処理装置1の各駆動部、すなわち各印刷ヘッド(第1印刷ヘッド46、第2印刷ヘッド48、サーマルヘッド16)、各モーター(カッター駆動モーター24、第1キャリッジ駆動モーター54、第2キャリッジ駆動モーター59、スリップ搬送モーター38、ロール紙搬送モーター17、ローラー開閉モーター39)、ストッパー駆動部44a、および、制御基板40に直流電源を供給する。また、複合処理装置1が備える各センサーに対しては、制御基板40を介して、或いは制御基板40に実装されたセンサー駆動回路109を介して、電源ユニット120からの電源が供給される。
電源ユニット120の出力電圧はセンサー駆動回路109に入力されており、センサー駆動回路109は電源ユニット120の電源電圧の電圧値をデジタルデータとしてCPU101に出力する。CPU101は、このデジタルデータに基づいて電源ユニット120の電圧が正常範囲内か否かを判別する。
複合処理装置1は、電源投入後に待機状態に移行する。この待機状態では、ローラー開閉モーター39によって第1搬送ローラー34及び第2搬送ローラー37を開位置に移動させて、媒体挿入口3に小切手Sを挿入可能とする。また、ストッパー駆動部44aによってストッパー部材44bを媒体搬送路5内に進出させる。この待機状態で小切手Sの挿入を検出すると、CPU101は図5に示すように小切手Sの処理を実行する。また、待機状態でロール紙Rの処理を指示するコマンドをホストコンピューター200から受信すると、CPU101は図6に示すようにロール紙Rの処理を実行する。また、CPU101は、待機状態において小切手Sが媒体排出口4から挿入されたことを検出すると、図7に示すようにバリデーション印刷を実行する。
上記の待機状態において、CPU101は、媒体挿入口3からの小切手Sの挿入に対して待機する(ステップS11)。CPU101は、センサー駆動回路109から入力されるBOFセンサー41の出力値に基づいて、この小切手Sを検出すると(ステップS11;Yes)、モータードライバー113を制御し、ローラー開閉モーター39を駆動して第1搬送ローラー34及び第2搬送ローラー37を閉位置に移動させて、これら第1搬送ローラー34によって小切手Sを挟持する(ステップS12)。CPU101は、ストッパー部材44bが媒体搬送路5に進出した状態で、スリップ搬送モーター38を動作させて第1搬送ローラー34を回転駆動し、小切手Sを往復搬送する動作を複数回行う(ステップS13)。この動作により、小切手Sはストッパー部材44bに突き当てられてその向きが整う。
一方、BOFセンサー41により小切手Sを検出した場合(ステップS14;Yes)、CPU101は、ストッパー駆動部44aを駆動してストッパー部材44bを媒体搬送路5から退避させる(ステップS15)。続いてCPU101は、第1搬送ローラー34によって小切手Sを搬送し、この間のMICRヘッド42の出力値に基づき、小切手Sの磁気インク文字を読み取る(ステップS16)。CPU101は、ホストコンピューター200から受信したコマンドにより小切手Sの裏面への印刷が指示されると、小切手Sにおける印刷位置に合わせてスリップ搬送モーター38を正転させて媒体搬送路5の下流側へ搬送し、或いは、スリップ搬送モーター38を逆転させて小切手Sを上流側へ搬送することで、印刷位置まで小切手Sを搬送し(ステップS17)、第1印刷ヘッド46によって小切手Sに印刷する(ステップS18)。
CPU101は、ロール紙Rへの印刷を指示するコマンドを、ホストコンピューター200から受信した場合UステップS31)、図6の動作を開始し、受信したコマンドを受信バッファー104から読み出して、印刷コマンドか否かを判別する(ステップS32)。ここで、受信したコマンドが印刷コマンドであり、このコマンドに続いて印刷データを受信した場合(ステップS32;Yes)、CPU101は、ロール紙搬送モーター17を駆動してロール紙Rを搬送しながら、サーマルヘッド16に通電して、ロール紙Rの印刷面に熱を与えて印刷を行う(ステップS33)。印刷が完了すると、ロール紙Rの印刷終了位置がオートカッターユニット21の位置に達するまでロール紙Rを搬送し(ステップS34)、カッター駆動モーター24を駆動してロール紙Rを切断する(ステップS35)。
また、ホストコンピューター200から受信したコマンドが印刷コマンドでない場合、CPU101はロール紙搬送モーター17を動作させてロール紙Rを所定量搬送させ(ステップS36)、カッター駆動モーター24を駆動してロール紙Rをカットする(ステップS37)。
このバリデーション印刷は、複合処理装置1が、ステップS11(図5)の待機状態である場合に実行可能となり、媒体排出口4から小切手Sが挿入されることで開始される。
CPU101は、待機状態において媒体排出口4から小切手Sが挿入されて、その先端が凹部50に達した場合に、バリデーションセンサー45の出力値の変化に基づいて小切手Sの挿入を検出する(ステップS41)。CPU101は、ホストコンピューター200から印刷コマンドを受信するまで待機し(ステップS42)、ホストコンピューター200から印刷コマンドを受信した場合には受信したコマンドに従って、小切手Sに対して第1印刷ヘッド46または第2印刷ヘッド48によってバリデーション印刷を行う(ステップS43)。印刷完了後、CPU101は、小切手Sがオペレーターによって抜去されるまで待機する。そして、バリデーションセンサー45及びEJDセンサー49の出力値の変化に基づいて小切手Sの抜去を検出すると、CPU101は、上述した待機状態に戻る。
複合処理装置1は、図6のロール紙Rの動作を、ステップS22(図5)で取出し待機状態に移行した後に、実行可能である。取出し待機状態では小切手Sの一部が媒体排出口4から突出した状態で、ユーザーが小切手Sを抜去するのを待っている状態である。このため、取出し待機状態では、小切手Sの媒体搬送路5を使用する動作は行えないが、ロール紙Rを処理することは十分に可能である。このため、取出し待機状態においてホストコンピューター200からロール紙Rの処理を指示するコマンドを受信した場合は、図6に示す動作が開示される。
そこで、本実施形態の複合処理装置1は、ステップS22で取出し待機状態に移行してから、サーマルヘッド16を含むロール紙動作部が印刷を開始した場合、この印刷我終了するまでは小切手Sが抜去されてもスリップ動作部を動作させない構成となっている。この構成により、ロール紙動作部とスリップ動作部との同時動作を禁じてピーク電力を抑制することができ、取出し待機状態でもロール紙Rの印刷を実行可能とし、かつ、ロール紙Rの印刷不良を確実に回避できる。以下、この点について図8を参照して説明する。
この図8に示すように、取出し待機状態で、CPU101は、EJDセンサー49の出力値に基づいて小切手Sの抜去を検出したか否かを常時監視する(ステップS51)。そして、小切手Sの抜去を検出した場合(ステップS51;Yes)、CPU101は、ロール紙動作部がロール紙Rを処理している間か否か、すなわち図6の動作を実行中か否かを判別する(ステップS52)。ロール紙Rの処理中でなければ、CPU101は、ローラー開閉モーター39及びストッパー駆動部44aを駆動して(ステップS53)、ステップS11(図5)の待機状態に戻る。
図9は取出し検出処理の別の例を示すフローチャートである。
CPU101は、取出し待機状態で、EJDセンサー49の出力値に基づいて小切手Sの抜去を検出したか否かを常時監視し(ステップS61)、小切手Sの抜去を検出した場合(ステップS61;Yes)、CPU101は、ロール紙動作部がロール紙Rを処理している間か否か、すなわち図6の動作を実行中か否かを判別する(ステップS62)。ここで、ロール紙Rが処理中であった場合(ステップS62;Yes)、CPU101は、小切手Sを排出した後に行う動作、すなわちステップS53の動作を保留し(ステップS63)、ロール紙動作部が実行しているコマンドを特定する(ステップS64)。具体的には、CPU101は、実行中のコマンドが、画像の印刷を指示するコマンドか、文字の印刷を指示するコマンドか、ロール紙Rの搬送を指示する搬送コマンドや行送りコマンドか、オートカッターユニット21によるロール紙Rのカットを指示するコマンドかを特定する。
そして、ロール紙動作部が実行する次のコマンドがない場合(ステップS69;No)、CPU101はステップS66に移行する。一方、ロール紙動作部が実行する次のコマンドがある場合(ステップS69;Yes)、CPU101は、この次のコマンドが画像印刷を指示するコマンドか否かを判別する(ステップS70)。そして、画像印刷を指示するコマンドであった場合はステップS62に戻り、この画像印刷に対応してスリップ動作部の動作を保留する。また、ロール紙動作部が次に実行するコマンドが画像印刷を指示するコマンドでなかった場合には(ステップS70;No)、CPU101はステップS66に移行する。
さらに、CPU101は、小切手Sが抜去されたときにロール紙動作部による他の動作の予定がある場合には、スリップ動作部の所定の動作を保留させ、ロール紙動作部が予定の他の動作を終了してから、スリップ動作部の所定の動作を実行させるので、ロール紙動作部への影響を確実に回避し、記録品質の低下をより確実に防止できる。
Claims (8)
- 記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録部と共通の電源部から電源供給を受けて、前記記録部とは独立して動作する動作部と、
前記記録部を制御して前記記録媒体に記録を行わせるとともに、前記動作部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記動作部の動作を待機状態にし、所定の条件の成立を契機として前記待機状態を解除して、所定の動作を実行させることが可能であり、
前記記録部の動作中に、前記所定の条件が成立した場合には、前記動作部の待機状態を保持し、前記所定の動作を保留させること、
を特徴とする記録装置。 - 前記制御部は、前記記録部の動作が終了した後に、保留していた前記動作部の所定の動作を開始させることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
- 前記記録部は、前記記録媒体としてのロール紙に記録するラインヘッドと、前記ロール紙を搬送する搬送部と、を備えて構成されることを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
- 前記動作部は、前記記録媒体とは別の媒体を処理するもので、前記媒体を排出する排出口に検出器を備えた媒体処理部であり、
前記制御部は、前記媒体処理部により処理された前記媒体を、前記排出口から抜去可能な位置まで搬送させ、前記所定の条件は前記検出器が前記媒体が抜去されたことを検出することであり、前記媒体が抜去されたことを検出するまで待機状態とし、前記検出器が前記媒体が抜去されたことを検出すると、前記媒体処理部の待機状態を解除し、所定の状態に移行させる動作を実行し、
前記記録部の動作中に前記媒体が抜去されたことを検出した場合は、前記媒体処理部を前記所定の状態に移行させる動作を保留し、前記記録部の動作が終了した後に、前記媒体処理部を前記所定の状態に移行させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。 - 前記媒体処理部は前記媒体の搬送手段を備え、
前記媒体処理部の所定の状態とは、前記搬送手段が前記媒体を挿入可能な状態であることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。 - 前記制御部は、前記所定の条件が成立したときに前記記録部による他の動作の予定がある場合には、前記動作部の所定の動作を保留させ、前記記録部が前記予定の他の動作を終了してから、前記動作部の所定の動作を実行させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
- 記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録部と共通の電源部から電源供給を受けて、前記記録部とは独立して動作する動作部と、を備えた記録装置を制御して、
前記記録部を制御して前記記録媒体に記録を行わせるとともに、前記動作部の動作を制御し、前記動作部の動作を待機状態にし、所定の条件の成立を契機として前記待機状態を解除して、所定の動作を実行させることが可能であり、前記記録部の動作中に前記所定の条件が成立した場合には、前記動作部の待機状態を保持し、前記所定の動作を保留させること、
を特徴とする記録装置の制御方法。 - 記録媒体に記録を行う記録部と、前記記録部と共通の電源部から電源供給を受けて、前記記録部とは独立して動作する動作部と、を備えた記録装置を制御する制御部が実行可能なプログラムであって、
前記制御部が、前記記録部を制御して前記記録媒体に記録を行わせるとともに、前記動作部の動作を制御し、前記動作部の動作を待機状態にし、所定の条件の成立を契機として前記待機状態を解除して、所定の動作を実行させることが可能であり、前記記録部の動作中に前記所定の条件が成立した場合には、前記動作部の待機状態を保持し、前記所定の動作を保留させること、
を特徴とするプログラム。
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