JP2012061153A - 義歯洗浄装置 - Google Patents

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利夫 田中
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Makoto Iwakame
誠 岩亀
Koji Ogami
光司 大神
Takanori Isane
孝則 井實
Shinichi Takahira
進一 高平
Eriko Oshima
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Abstract

【課題】過酸化水素を用いて十分な殺菌効果が得られる義歯洗浄装置を提供する。
【解決手段】義歯洗浄装置(10)には、洗浄槽(40)と、放電発生機(50)が設けられる。洗浄対象の義歯(100)は、洗浄槽(40)内に収容されて洗浄水に浸漬される。放電発生機(50)の放電ユニット(50a)は、洗浄槽(40)内に設置され、洗浄水に浸った状態となる。放電ユニット(50a)の電極対(51,52)には、直流電源(65)が接続される。直流電源(65)が電極対(51,52)に電圧を印加すると、電極対(51,52)の間でストリーマ放電が行われ、過酸化水素が生成される。洗浄槽(40)内では、ストリーマ放電によって生成した過酸化水素を用いて義歯(100)の殺菌が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、義歯を洗浄液に浸漬して洗浄する洗浄装置に関するものである。
従来より、義歯を洗浄液に浸漬して洗浄する洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1には、次亜塩素酸を含む洗浄水によって義歯を洗浄する洗浄装置が開示されている。この洗浄装置は、電解水槽に貯留された塩水を電気分解することによって次亜塩素酸を生成させる。そして、この洗浄装置では、電解水槽内に収容された義歯が、電解水槽内で生成した次亜塩素酸によって殺菌される。
特開2001−37789号公報
上述したような義歯洗浄装置においては、過酸化水素を含む洗浄水を用いることが考えられる。しかしながら、このような洗浄水を用いる場合、洗浄槽内に所定濃度の過酸化水素水を適宜補充する必要がある。また、例えば装置内で水の電気分解を行うことで、過酸化水素を発生させることも考えられる。しかしながら、電気分解によって過酸化水素を生成する方式では、過酸化水素の生成速度が遅く、十分な殺菌効果を有する洗浄水を得るまでに多大な時間を要するおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、過酸化水素を用いて十分な殺菌効果が得られる義歯洗浄装置を提供することである。
第1の発明は、義歯(100)を収容するための洗浄槽(40)を備え、該洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄水によって洗浄する義歯洗浄装置を対象とする。そして、洗浄水中でストリーマ放電を起こすための電極対(51,52)と、該電極対(51,52)に電圧を印加する電源部(65)とを有し、上記電極対(51,52)の間におけるストリーマ放電によって洗浄水中で過酸化水素を生成する放電発生機(50)が設けられ、上記電極対(51,52)の間でのストリーマ放電によって生成した過酸化水素を含む洗浄水を用いて上記洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄するものである。
第1の発明において、電源部(65)が電極対(51,52)に電圧を印加すると、洗浄水中でストリーマ放電が行われる。洗浄水中でストリーマ放電が行われると、水酸ラジカル等の活性種が生成される。生成した活性種が水分子と反応すると、多量の過酸化水素が生成される。その結果、過酸化水素を含む洗浄水が簡便に得られる。そして、生成した過酸化水素によって、洗浄槽(40)内の義歯(100)が殺菌される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記放電発生機(50)の電極対(51,52)は、上記洗浄槽(40)に設置されているものである。
第2の発明では、洗浄槽(40)内に設置された電極対(51,52)の間でストリーマ放電が行われる。洗浄槽(40)では、そこに貯留された洗浄水中で過酸化水素が生成し、生成した過酸化水素によって義歯(100)の殺菌が行われる。
第3の発明は、上記第1の発明において、洗浄液を貯留すると共に、上記放電発生機(50)の電極対(51,52)が設置される補助タンク(20)と、過酸化水素を含む洗浄水を上記補助タンク(20)から上記洗浄槽(40)へ搬送する搬送通路(31)とを備えるものである。
第3の発明では、洗浄槽(40)とは別に設けられた補助タンク(20)に放電発生機(50)の電極対(51,52)が設けられ、補助タンク(20)内の洗浄水中でストリーマ放電が行われる。補助タンク(20)内で生成した過酸化水素を含む洗浄水は、搬送通路(31)を通って補助タンク(20)から洗浄槽(40)へ送られる。そして、洗浄水中の過酸化水素によって、洗浄槽(40)内の義歯(100)が殺菌される。
第4の発明は、上記第1〜第3の何れか一つの発明において、上記電源部は、上記電極対(51,52)に直流電圧を印加する直流電源(65)で構成され、上記放電発生機(50)は、上記電極対(51,52)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部材(55)を備えるものである。
第4の発明では、直流電源(65)が電極対(51,52)に直流電圧を印加すると、電極対(51,52)の間でストリーマ放電が行われる。ここで、このように電極対(51,52)に直流電圧を印加すると、例えばパルス電圧を印加する場合と比較して、電極対(51,52)の間の漏れ電流が大きくなり、放電を行うことが困難となる。それに対し、この発明の放電発生機(50)には、電極対(51,52)間の電流密度を上昇させる電流密度集中部材(55)が設けられている。この電流密度集中部材(55)によって放電の電流密度を上昇させることができるため、電源部として直流電源(65)を用いても安定した放電を行うことができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記電流密度集中部材(55)は、少なくとも1つの開口(58)が設けられた絶縁性の容器状に形成され、上記電極対(51,52)のうちの一方の電極(51)だけを囲むように配置されるものである。
第5の発明では、絶縁性の容器状に形成された電流密度集中部材(55)が、電極(51)を囲うように配置される。電流密度集中部材(55)には、少なくとも1つの開口(58)が形成される。電極対(51,52)の間では、この開口(58)を通じて電流経路が形成される。この開口(58)によって電極対(51,52)間の電流経路が絞られるため、開口(58)の近傍での電流密度が上昇する。その結果、電極対(51,52)の間では、電流密度集中部材(55)の開口(58)を通じて安定したストリーマ放電が行われる。
第6の発明は、上記第4又は第5の発明において、導電性の網状に形成されて接地され、上記電極対(51,52)及び上記電流密度集中部材(55)の周囲を囲むように配置されるシールド部材(60)を備えるものである。
第6の発明では、電極対(51,52)及び上記電流密度集中部材(55)がシールド部材(60)によって囲われる。シールド部材(60)は、導電性の網状に形成されている。また、シールド部材(60)は、接地(アース)されている。このため、電極対(51,52)でのストリーマ放電によって生じた電荷がシールド部材(60)の外部へ漏れ出すことはない。
本発明では、放電発生機(50)の電極対(51,52)に電圧を印加することによって洗浄水中でストリーマ放電を発生させ、洗浄水中でのストリーマ放電によって生成した過酸化水素を利用して、洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄している。このため、本発明によれば、義歯洗浄装置(10)に対して外部から過酸化水素水を補充する必要がなく、簡便に過酸化水素を含む洗浄水を得ることができる。洗浄水中でストリーマ放電を行う場合は、例えば洗浄水を電気分解する場合と比較して、過酸化水素の生成速度が極めて高い。従って、本発明によれば、短時間で多量の過酸化水素を発生でき、充分な殺菌効果を短時間で得ることができる。
上記第3の発明では、放電発生機(50)の電源部として直流電源(65)を用いている。このため、公知のパルス電源と比較して、電源部の簡素化、低コスト化、小型化を図ることができる。また、パルス電源を用いると、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音が大きくなってしまう。これに対し、この発明では、直流電源(65)を用いているため、このような衝撃波や騒音も低減できる。
更に、第3の発明では、放電発生機(50)に電流密度集中部材(55)を設けている。このため、電源部として直流電源(65)を用いた場合であっても、洗浄水中で安定したストリーマ放電を行うことができ、過酸化水素を安定的に生成できる。
上記第4の発明では、容器状の電流密度集中部材(55)によって電極(51)を囲い、電流密度集中部材(55)に設けられた開口(58)によって電流経路を絞っている。このため、開口(58)の近傍での電流密度を上昇させることができ、ストリーマ放電を更に安定させて過酸化水素を確実に生成することができる。
上記第5の発明では、電極対(51,52)及び電流密度集中部材(55)がシールド部材(60)によって囲われており、電極対(51,52)でのストリーマ放電によって生じた電荷がシールド部材(60)の外部へ漏れ出すことはない。従って、ストリーマ放電が行われている最中に作業者がシールド部材(60)の外部の洗浄液に触れても感電することはなく、義歯洗浄装置(10)の安全性を高めることができる。
実施形態1の義歯洗浄装置の概略構成を示す斜視図である。 実施形態1の義歯洗浄装置の概略構成図である。 実施形態1の放電ユニットを拡大して示す概略構成図である。 絶縁ケースの上面図である。 実施形態2の義歯洗浄装置の概略構成図である。 その他の実施形態の放電ユニットを拡大して示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の義歯洗浄装置(10)は、義歯(100)を洗浄するためのものである。この義歯洗浄装置(10)は、過酸化水素(H)を含む洗浄水を用いて義歯(100)の殺菌を行う。
図1に示すように、義歯洗浄装置(10)は、ケーシング(11)と、ケーシング(11)内に設置された洗浄槽(40)とを備えている。ケーシング(11)は、概ね直方体状の箱形に形成されている。ケーシング(11)の前面(12)には、義歯洗浄装置(10)を操作するための操作パネル(13)が設けられている。洗浄槽(40)は、上面が開口する直方体状の容器である。洗浄槽(40)の容積は、一個あるいは上下一組の義歯を収容できる程度の値に設定されている。なお、洗浄槽(40)の形状は、上面が開口する中空円筒状であってもよい。
図2に示すように、義歯洗浄装置(10)は、放電発生機(50)を備えている。放電発生機(50)は、放電ユニット(50a)と直流電源(65)とを備えている。放電ユニット(50a)は、洗浄槽(40)内の底部寄りに設けられており、洗浄槽(40)内の洗浄水に浸っている。直流電源(65)は、ケーシング(11)内における洗浄槽(40)の外部に配置されている。
図3に示すように、放電ユニット(50a)は、電極対(51,52)と、絶縁ケース(55)と、シールド部材(60)とを有している。
電極対(51,52)は、放電電極(51)と対向電極(52)とで構成されている。放電電極(51)は、板状の電極である。対向電極(52)は、複数の孔(53)が形成されたメッシュ状の電極である。なお、対向電極(52)を放電電極(51)と同様に板状に形成してもよい。放電電極(51)と対向電極(52)とは、各々が水平な姿勢で保持されながら、互いに平行となるように対向している。
放電電極(51)は、直流電源(65)の正極に接続し、対向電極(52)は、直流電源(65)の負極に接続している。直流電源(65)から電極対(51,52)に電圧が印加されると、両電極(51,52)の間でストリーマ放電が行われる。これにより、洗浄水中では、水酸ラジカル等の活性種が生成され、ひいては過酸化水素が生成される。なお、対向電極(52)には、複数の孔(53)が形成されている。このため、放電電極(51)と対向電極(52)の間で生成された過酸化水素は、対向電極(52)の上側へ拡散し易くなる。
絶縁ケース(55)は、洗浄槽(40)の底部に設置されている。絶縁ケース(55)は、セラミック等の絶縁材料からなる絶縁部材である。絶縁ケース(55)は、容器部材(56)と蓋部材(57)とを有している。容器部材(56)は、一側面(上面)が開放された箱状に形成されている。容器部材(56)の底面には、放電電極(51)が水平な状態で敷設される。蓋部材(57)は、容器部材(56)の上方の開放面を閉塞している。
蓋部材(57)には、蓋部材(57)を上下に貫通する複数の開口(58)が形成されている。即ち、絶縁ケース(55)では、上側(対向電極(52)が設けられる側)に複数の開口(58)が形成されている。図4にも示すように、本実施形態では、5つの開口(58)が等間隔を置いて配列されている。なお、この開口(58)の数量は単なる例示であり、少なくとも1つの開口(58)が形成されるのであれば、如何なる数量であっても良い。各開口(58)は、円形状に形成されている。なお、各開口(58)の開口幅(直径)Wは、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
放電電極(51)は、絶縁ケース(55)に覆われているが、絶縁ケース(55)を構成する蓋部材(57)には複数の開口(58)が形成されている。絶縁ケース(55)は、電極対(51,52)の間の電流密度を上昇させる電流密度集中部材として機能する。即ち、放電電極(51)は、絶縁ケース(55)で覆われる一方、ストリーマ放電時の電流経路が上記複数の開口(58)によって絞られる。このため、各開口(58)の近傍では、電流密度が増大する。これにより、ストリーマ放電時における活性種の生成量、ひいては過酸化水素の生成量が多くなる。
また、絶縁ケース(55)の内部では、放電電極(51)と蓋部材(57)との間に所定の間隔が確保されている。これにより、蓋部材(57)の耐久性が向上する。即ち、放電電極(51)と蓋部材(57)とを密着させる構造とすると、放電に伴うジュール熱によって蓋部材(57)が溶融、あるいは劣化し易くなる。これに対し、放電電極(51)と蓋部材(57)との間に所定の間隔を確保すると、蓋部材(57)の急激な温度上昇を抑制できる。その結果、放電に伴う蓋部材(57)の溶融や劣化が抑制される。
シールド部材(60)は、放電電極(51)、対向電極(52)、及び絶縁部材(55)の周囲を囲むように配置されている。シールド部材(60)は、接地された金属製の網状のカバーである。従って、放電電流がシールド部材(60)の外部を流れることはない。また、シールド部材(60)は、網状であるため、シールド部材(60)の内部で生成された過酸化水素は、シールド部材(60)の外側まで拡散する。
直流電源(65)は、電極対(51,52)に高圧の直流電圧を印加する電源部を構成している。直流電源(65)の電源電圧は、数キロボルト以下(例えば7kV以下)に設定されている。このように、電源部を直流電源(65)とすることで、例えばパルス状の電圧を印加するパルス電源と比較して、電源部の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができる。また、パルス電源であれば、放電に伴って水中内で衝撃波や騒音が生じやすいのに対し、電源部を直流電源(65)とすれば、このような衝撃波は騒音の生成も抑制できる。
一方、直流電源(65)を用いると、パルス電源と比較して、放電パワーが小さくなり易い。しかしながら、上記の絶縁ケース(55)によって放電の電流密度を上昇させることで、比較的小さい放電パワーであっても、十分に活性種を生成できる。
ところで、直流電源(65)は、パルス電源のように瞬時的に大電圧を印加するものではないため、電極対(51,52)の間での漏れ電流が大きくなり易い。しかしながら、放電電極(51)を絶縁部材(55)で覆うことで、この漏れ電流が抑制され、開口(58)の電流経路の電流密度が上昇する。また、この開口(58)内では、電流密度の上昇に起因してジュール熱が発生するため、開口(58)内の水が気化されて気泡が発生する。この気泡は、電極対(51,52)の間の漏れ電流を抑制する抵抗として機能する。このため、本実施形態の放電発生機(50)では、電極対(51,52)の間の漏れ電流が最小限に抑えられる。その結果、電極対(51,52)の間では、所望とする電位差が確保されてストリーマ放電が行われる。なお、このストリーマ放電は、開口(58)の近傍に形成された気泡内で行われる。
また、放電発生機(50)には、ストリーマ放電時の放電電力を一定に制御する定電力制御部(図示省略)が設けられている。このような定電力制御を行うと、運転条件等の影響により洗浄水の導電率が変化しても、一定の放電電力でストリーマ放電を行うことができる。従って、導電率が比較的高い条件下において、放電電力が大きくなり過ぎて消費電力が大きくなってしまうことを回避できる。また、導電率が比較的低い条件下において、放電電力が小さくなり過ぎて、過酸化水素の生成量が小さくなり過ぎることを回避できる。
また、図2に示すように、義歯洗浄装置(10)には、超音波発生器(70)が設けられている。この超音波発生器(70)は、洗浄槽(40)の側壁に取り付けられている。超音波発生器(70)を作動させると、洗浄水中で超音波が発生し、超音波振動によって義歯(100)から付着物が取り除かれる。
また、図示しないが、義歯洗浄装置(10)には、義歯洗浄装置(10)全体の運転制御を行う制御器が設けられている。この制御器は、CPUと、CPUにより実行される制御プログラムや各種データを記憶するROMと、測定データや各種データを一時的に記憶するワークエリアとしてのRAMなどを備えている。
−運転動作−
義歯洗浄装置(10)の運転動作について説明する。
洗浄対象の義歯(100)は、使用者によって洗浄槽(40)へ収容される。その後に義歯洗浄装置(10)の運転が開始されると、洗浄槽(40)に対して水道水が洗浄水として供給される。洗浄槽(40)内の水位が上昇し、放電ユニット(50a)が洗浄水に浸った状態になると、直流電源(65)から電極対(51,52)への電圧の印加が開始される。
電極対(51,52)に電圧が印加されると、放電電極(51)から対向電極(52)に向かってストリーマ放電が進展する。この際、電極対(51,52)の間では、絶縁ケース(55)の開口(58)によって電流経路が絞られるため、開口(58)の近傍の電流密度が上昇する。これにより、洗浄槽(40)内の洗浄水中では、高濃度の活性種を生成することができる。
洗浄水中で水酸ラジカル等の活性種が生成すると、この活性種が水分子と反応して過酸化水素が生成される。その結果、洗浄槽(40)内では、所望とする過酸化水素濃度の洗浄水が得られる。放電発生機(50)は、洗浄槽(40)内の洗浄水の過酸化水素濃度を調整する動作を行う。つまり、放電発生機(50)は、この動作として、洗浄水の過酸化水素水濃度をセンサで検出し、検出された過酸化水素濃度が所定の目標値に近づくように直流電源(65)をON/OFFさせたり、直流電源(65)から電極対(51,52)への出力電力を制御したりする動作を行う。
洗浄槽(40)内の水位が満水位に達すると、超音波発生器(70)が作動する。そして、洗浄槽(40)内では、洗浄水中の過酸化水素による義歯(100)の殺菌と、超音波振動による義歯(100)からの付着物の除去とが行われる。なお、超音波発生器(70)の作動中には、電極対(51,52)への電圧の印加を停止させるのが望ましい。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、放電発生機(50)の電極対(51,52)を洗浄水に浸った状態で設置し、洗浄水中でのストリーマ放電によって生成した過酸化水素を利用して、洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄している。このため、本実施形態によれば、義歯洗浄装置(10)に対して外部から過酸化水素水を補充する必要がなく、簡便に過酸化水素を含む洗浄水を得ることができる。
また、洗浄水中でストリーマ放電を行う場合は、例えば洗浄水を電気分解する場合と比較して、過酸化水素の生成速度が極めて高い。具体的に、洗浄水中でストリーマ放電を行う場合における過酸化水素の生成速度は、洗浄水を電気分解する場合における過酸化水素の生成速度の約10倍程度となる。従って、本実施形態によれば、短時間で多量の過酸化水素を発生でき、充分な殺菌効果を短時間で得ることができる。
また、本実施形態では、放電発生機(50)の電源部として直流電源(65)を用いている。このため、公知のパルス電源と比較して、電源部の簡素化、低コスト化、小型化を図ることができる。また、パルス電源を用いると、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音が大きくなってしまう。これに対し、本実施形態では、直流電源(65)を用いているため、このような衝撃波や騒音も低減できる。
また、本実施形態では、絶縁ケース(55)によって放電電極(51)を囲い、絶縁ケース(55)に設けられた開口(58)によって電流経路を絞っている。このため、開口(58)の近傍での電流密度を上昇させることができ、ストリーマ放電を更に安定させて過酸化水素を確実に生成することができる。
また、本実施形態では、放電電極(51)と対向電極(52)と絶縁ケース(55)とがシールド部材(60)によって囲われており、放電電極(51)と対向電極(52)の間を流れる放電電流がシールド部材(60)の外部へ漏れ出すことはない。従って、ストリーマ放電が行われている最中に作業者がシールド部材(60)の外部の洗浄液に触れても感電することはなく、義歯洗浄装置(10)の安全性を高めることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。ここでは、本実施形態の義歯洗浄装置(10)について、上記実施形態1の義歯洗浄装置(10)と異なる点を説明する。
図5に示すように、本実施形態の義歯洗浄装置(10)には、補助タンク(20)と給水管路(31)と給水ポンプ(32)とが追加されている。図示しないが、補助タンク(20)と給水管路(31)と給水ポンプ(32)とは、ケーシング(11)内に収容されている。また、この義歯洗浄装置(10)では、放電ユニット(50a)が洗浄槽(40)ではなく補助タンク(20)に設置されている。
補助タンク(20)は、縦長の中空円筒形の容器状に形成されいている。 補助タンク(20)の頂部には、水道水を補助タンク(20)へ導入するための給水口(22)が形成されている。補助タンク(20)内には、放電ユニット(50a)が収容されている。この放電ユニット(50a)は、補助タンク(20)の底部付近に配置されている。
給水管路(31)は、補助タンク(20)から洗浄槽(40)へ洗浄水を搬送する搬送通路を構成している。この給水管路(31)は、例えばフッ素樹脂系やシリコン系の材料からなる可撓性のチューブ、あるいは金属製の配管によって構成されている。給水管路(31)の入口端は、補助タンク(20)内の底部付近に開口している。一方、給水管路(31)の出口端は、洗浄槽(40)内に開口している。給水管路(31)の途中には、給水ポンプ(32)が設けられている。この給水ポンプ(32)は、補助タンク(20)から吸い込んだ洗浄水を洗浄槽(40)へ向けて吐出する。
−運転動作−
義歯洗浄装置(10)の運転中には、補助タンク(20)へ水道水が洗浄水として供給され、直流電源(65)から電極対(51,52)へ電圧が印加される。そして、補助タンク(20)内で洗浄水に浸った電極対(51,52)の間でストリーマ放電が行われ、過酸化水素が生成する。また、給水ポンプ(32)を動作させると、過酸化水素を含む洗浄水が給水管路(31)を通って補助タンク(20)から洗浄槽(40)へ送られる。
義歯(100)を洗浄中の義歯洗浄装置(10)は、洗浄槽(40)内の洗浄水の過酸化水素濃度を調整する動作を行う。例えば、義歯洗浄装置(10)は、センサで検出された過酸化水素濃度が所定の目標値に近づくように、給水ポンプ(32)や直流電源(65)をON/OFFさせる動作や、給水ポンプ(32)の回転速度と直流電源(65)の出力電力とを調節する動作を行う。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
〈洗浄水の種類〉
上述した各実施形態では、洗浄水としての水道水中でストリーマ放電を行って過酸化水素を生成しているが、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を洗浄水として用い、食塩水中でストリーマ放電を行ってもよい。食塩水中でストリーマ放電を行うと、ストリーマ放電によて過酸化水素が生成すると同時に、食塩水(被電解水)が電気分解されて次亜塩素酸(HClO)が生成される。この次亜塩素酸は、過酸化水素と比較として殺菌力が高いため、殺菌効果の向上が見込まれる。
〈過酸化水素水の生成〉
上述した各実施形態では、過酸化水素センサの検出値が目標値に近づくように、ストリーマ放電の制御を行い、所望とする過酸化水素濃度の洗浄水を得るようにしている。しかしながら、過酸化水素センサを省略し、ストリーマ放電を所定の設定時間だけ行うようにしてもよい。なお、この設定時間は、所望とする過酸化水素濃度の洗浄水を得るよう経験的に求められた時間であり、例えば水道水の補給量に応じて変化する値であってもよい。
〈放電ユニットの構成〉
上述した各実施形態では、ストリーマ放電の放電電力を一定に制御する定電力制御部を用いている。しかしながら、定電力制御部に代えて、ストリーマ放電時の放電電流を一定に制御する定電流制御部を設けることもできる。この定電流制御を行うと、洗浄水の導電率によらず放電が安定するため、スパークの発生も未然に回避できる。
また、上述した各実施形態では、直流電源(65)の正極に放電電極(51)を接続し、直流電源(65)の負極に対向電極(52)を接続している。しかしながら、直流電源(65)の負極に放電電極(51)を接続し、直流電源(65)の正極に対向電極(52)を接続することで、両電極(51,52)の間でいわゆるマイナス放電を行うようにしても良い。
また、上述した各実施形態では、図6に示すように、絶縁性の蓋部材(57)と放電電極(51)とを接触させるように配置してもよい。この構成においても、蓋部材(57)の各開口(58)の近傍において、電流密度を上昇させることができる。従って、ストリーマ放電が安定して行われ、過酸化水素の生成速度を促進できる。
以上説明したように、本発明は、義歯を洗浄する義歯洗浄装置について有用である。
10 義歯洗浄装置
20 補助タンク
31 給水管路(搬送通路)
40 洗浄槽
51 放電電極(電極対)
52 対向電極(電極対)
55 絶縁カバー(電流密度集中部材)
60 シールド部材
65 直流電源(電源部)
100 義歯

Claims (6)

  1. 義歯(100)を収容するための洗浄槽(40)を備え、該洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄水によって洗浄する義歯洗浄装置であって、
    洗浄水中でストリーマ放電を起こすための電極対(51,52)と、該電極対(51,52)に電圧を印加する電源部(65)とを有し、上記電極対(51,52)の間におけるストリーマ放電によって洗浄水中で過酸化水素を生成する放電発生機(50)が設けられ、
    上記電極対(51,52)の間でのストリーマ放電によって生成した過酸化水素を含む洗浄水を用いて上記洗浄槽(40)内の義歯(100)を洗浄する
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
  2. 請求項1において、
    上記放電発生機(50)の電極対(51,52)は、上記洗浄槽(40)に設置されている
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
  3. 請求項1において、
    洗浄液を貯留すると共に、上記放電発生機(50)の電極対(51,52)が設置される補助タンク(20)と、
    過酸化水素を含む洗浄水を上記補助タンク(20)から上記洗浄槽(40)へ搬送する搬送通路(31)とを備えている
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、
    上記電源部は、上記電極対(51,52)に直流電圧を印加する直流電源(65)で構成され、
    上記放電発生機(50)は、上記電極対(51,52)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部材(55)を備えている
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
  5. 請求項4において、
    上記電流密度集中部材(55)は、少なくとも1つの開口(58)が設けられた絶縁性の容器状に形成され、上記電極対(51,52)のうちの一方の電極(51)だけを囲むように配置されている
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
  6. 請求項4又は5において、
    導電性の網状に形成されて接地され、上記電極対(51,52)及び上記電流密度集中部材(55)の周囲を囲むように配置されるシールド部材(60)を備えている
    ことを特徴とする義歯洗浄装置。
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