JP2012060598A - 画像読取装置、画像形成装置および制御プログラム - Google Patents

画像読取装置、画像形成装置および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力をより削減することができる画像読取装置、画像形成装置および制御プログラムを提供する。
【解決手段】スキャナ部で原稿の画像の読み取り動作を行っている間に原稿ジャム等の異常が発生すると、まずスキャナ画像処理部に対する電源供給を遮断し、このスキャナ画像処理部に対する電源供給が遮断された後、若しくは、スキャナ画像処理部に対する電源供給の遮断と同時に、原稿搬送モータを停止させる処理や、メモリに異常発生を示すログデータを書き込む処理を開始する。
【選択図】図8

Description

本発明は、画像読取装置、画像形成装置および制御プログラムに関する。
イメージスキャナ等の画像読取装置や、この画像読取装置を備えるデジタル複写機等の画像形成装置は、オフィス環境などにおいて欠くことのできない機器として広く普及している。近年、経費削減や環境保護の観点から、これら画像読取装置や画像形成装置が消費する電力を削減する取り組みが盛んに行われるようになってきている。
画像読取装置や画像形成装置の消費電力を削減するのに有効な技術として、従来、これらの機器の動作モードに省電力モードを設け、何の処理も行われない待機状態のまま予め設定した時間が経過した場合に自動的に省電力モードに移行し、必要最低限の電源供給のみを行うことで、無駄な電力消費を削減する技術が知られている。また、何らかの異常が発生した場合には省電力モードに移行することで消費電力の削減を図ることも提案されている。例えば、特許文献1には、エンジンがエラー状態になってから一定時間が経過すると自動的に省電力モードに移行して消費電力の削減を図り、省電力モードのときに外部から画像データが送信された場合はその画像データをメモリに保存しておき、エラー状態が解除された後にメモリに保存しておいた画像データを読み出して画像形成を行う画像形成装置が開示されている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている技術をはじめとして、異常が発生した場合に省電力モードに移行することで消費電力の削減を図る従来の技術は、異常が発生してから一定時間が経過した後に省電力モードに移行するようにしているため、省電力モードに移行するまでの間に無駄な電力消費が発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消費電力をより削減することができる画像読取装置、画像形成装置および制御プログラムを提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像読取装置は、原稿の画像の読み取りおよび読み取った画像の処理を行う画像読取処理手段と、原稿を搬送する原稿搬送モータと、前記画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に発生する異常を検知する検知手段と、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断する電源制御手段と、前記電源制御手段が前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後に、または、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断するのと同時に、前記原稿搬送モータを停止させる処理を開始する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる画像形成装置は、本発明にかかる画像読取装置と、前記画像読取装置から出力される画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる制御プログラムは、原稿の画像の読み取りおよび読み取った画像の処理を行う画像読取処理手段と、原稿を搬送する原稿搬送モータと、前記画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に発生する異常を検知する検知手段と、を備える画像読取装置に、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断する機能と、前記電源制御手段が前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後に、または、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断するのと同時に、前記原稿搬送モータを停止させる処理を開始する機能と、を実現させるための制御プログラムである。
本発明によれば、画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に異常が発生した場合に、該画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後、または、該画像読取処理手段に対する電源供給の遮断と同時に原稿搬送モータを停止させる処理を開始するので、原稿搬送モータを停止させる処理が終了するのを待たずに画像読取処理手段に対する電源供給を遮断して画像読取処理手段での無駄な消費電力の削減を図ることができ、消費電力をより削減することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかるデジタル複写機の全体構成を模式的に示す側面図である。 図2は、実施の形態にかかるデジタル複写機の電気的な回路構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態にかかるデジタル複写機における動作モードの遷移を示す状態遷移図である。 図4は、動作モードごとのデジタル複写機の各部に対する電源供給状態を纏めた図である。 図5は、プラグインモードからスタンバイモードに移行する際の一連の動作を示すフローチャートである。 図6は、第1の初期設定処理を示すフローチャートである。 図7は、第2の初期設定処理を示すフローチャートである。 図8は、スタンバイモードからスキャナモードに移行して原稿の読み取りを行う際の一連の動作を示すフローチャートである。 図9は、原稿の位置に対するスキャナ部の動作を説明する図であり、スキャナ部を上方から見下ろした様子を模式的に表す平面図である。 図10は、スリープモードからスタンバイモードに移行する際の一連の動作を示すフローチャートである。 図11は、カスタマーエンジニアによって異常状態からの復旧作業が行われた後の一連の動作を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像形成装置および制御プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、シートスルー方式のスキャナ部で原稿の画像を読み取り、プロッタ部で原稿の画像をロール紙に印刷する大判対応型のデジタル複写機に対して本発明を適用した例である。
図1は、本実施の形態にかかるデジタル複写機の全体構成を模式的に示す側面図である。本実施の形態にかかるデジタル複写機は、図1に示すように、プロッタ部1とスキャナ部2とを備えている。
プロッタ部1には、給紙部10が設けられている。給紙部10には、複数のロール紙(用紙)Pと、用紙Pを搬送する給紙ローラ11a,11b,12a,12b、13と、これら給紙ローラ11a,11b,12a,12b,13を駆動する給紙モータ14が配置されている。用紙Pは、給紙ローラ11a,11b,12a,12b,13で搬送された後、レジストモータ16で駆動されるレジストローラ15によりプラテン板17まで搬送される。
プラテン板17には複数の貫通孔が設けられている。また、プラテン板17の下部には、プラテン板17上の用紙Pを吸引する図示しない吸引ファンが配置されている。レジストローラ15によりプラテン板17まで搬送された用紙Pは、プラテン板17に設けられた複数の貫通孔を介して吸引ファンによりプラテン板17上に吸いつけられて、その姿勢が保持される。
プラテン板17の上部には、インクを吐出するためのヘッド18を搭載したキャリッジ19が配置されている。キャリッジ19は、用紙Pの搬送方向と直交する主走査方向(用紙Pの幅方向)に沿って往復移動する。また、キャリッジ19が停止している間に、レジストローラ15により用紙Pがヘッド18の印字ラインに相当する送り量分だけ搬送方向(副走査方向)に送られる。そして、キャリッジ19が、スキャナ部2から出力される画像データに基づいて、主走査方向に移動しながらヘッド18からプラテン板17上の用紙Pに向かってインクを吐出することで、用紙Pに原稿画像を描画する。
原稿画像が描画された用紙Pは、それぞれ対をなす排紙ローラ20a,20bおよび21a,21bにより所定の位置まで搬送され、カッタ22でカットされて排出口23から排出される。
スキャナ部2は、原稿台30に載置された原稿Gを原稿挿入口31からスキャナ部2の内部に取り込み、原稿搬送モータ33により駆動される原稿搬送ローラ32a,32bによって原稿Gを搬送しながら、その搬送経路に設けられた密着イメージセンサ(以下、CISという。)34により原稿の画像を読み取るシートスルー方式の画像読取装置である。
原稿搬送ローラ32aは原稿Gの搬送経路におけるCIS34よりも上流側に配置され、原稿搬送ローラ32bは原稿Gの搬送経路におけるCIS34よりも下流側に配置されている。また、CIS34の画像読取面と対向する位置には、搬送される原稿GをCIS34の画像読取面に密着させる原稿押さえ板35が配置されている。
原稿挿入口31の近傍には、挿入された原稿Gを検出する原稿挿入センサSe0と、原稿Gのサイズを検出する複数の原稿サイズセンサSe1〜Se4が設けられている。なお原稿挿入センサSe0は、デジタル複写機の正面から見て略中央に配置され、原稿サイズセンサSe1〜Se4は、原稿挿入センサSe0からデジタル複写機の側面方向に向かって間隔をあけて順次配列されている(図9参照)。また、原稿Gの搬送経路における原稿挿入センサSe0の下流側には、原稿の副走査方向の読取用幅信号を出力する原稿レジストセンサSe5が配置され、原稿Gをスキャナ部2の外部に排出する原稿排出口36の近傍には、原稿Gが排出されたことを検出する原稿排出センサSe6が配置されている。
また、CIS34の画像読取面を開閉する原稿カバー37には、この原稿カバー37の開閉を検出するカバー開閉センサSe7が設けられている。また、原稿カバー37と一体に設けられた操作部7の近傍には、原稿Gの搬送を緊急停止させる緊急停止キーSe8が設けられている。なお、デジタル複写機のメインスイッチ8は、プロッタ部1を内蔵する筐体の外側に配置されている。
原稿台30に載置された原稿Gは、原稿挿入口31からスキャナ部2の内部に取り込まれ、原稿搬送モータ33により駆動される原稿搬送ローラ32a,32bによってCIS34の画像読取面と対向する位置を通過するように搬送される。そして、原稿GがCIS34の画像読取面と対向する位置を通過する過程で、原稿Gの画像がCIS34によって光学的に読み取られる。画像の読み取りが終了した原稿Gは、原稿排出口36から排出される。
このとき、原稿Gの挿入は原稿挿入センサSe0により検出され、原稿Gの排出は原稿排出センサSe6により検出される。また、原稿サイズセンサSe1〜Se4により原稿Gのサイズが検出される。また、原稿Gの先端が原稿レジストセンサSe5の位置に到達すると原稿レジストセンサSe5から原稿Gの副走査方向の読取用幅信号が出力される。また、原稿Gの読み取りを行っている間に発生するジャムなどの異常は、例えば、これらの各センサが本来あるべき反応を示さないことによって検知することができる。
図2は、本実施の形態にかかるデジタル複写機の電気的な回路構成を示すブロック図であり、特にデジタル複写機の各部に対する電源の供給経路を示した図である。図中の実線の矢印が各部に対する電源の供給経路を示している。
本実施の形態にかかるデジタル複写機は、図2に示すように、上述したプロッタ部1およびスキャナ部2に加え、システム制御部3と、システム制御部3により制御されるI/O部4と、外部I/F部5と、電源部6と、操作部7およびメインスイッチ8を備えている。
システム制御部3は、CPU301、メモリ302、タイマ303を備え、CPU301によりデジタル複写機としての基本処理プログラムを実行することによって、プロッタ部1やスキャナ部2、I/O部4、外部I/F部5などのデジタル複写機の各部の動作を制御する。また、特に本実施の形態にかかるデジタル複写機では、スキャナ部2に対する電源制御を実施するための制御プログラムがシステム制御部3のメモリ302に格納されており、CPU301がこの制御プログラムを実行することによって、システム制御部3に電源制御部310が設けられる。この電源制御部310は、電源部6に設けられた切り換えスイッチ602やスキャナ部2に設けられた切り換えスイッチ233,244に電源切り換え信号(図2中の破線で示す矢印)を送り、これら切り換えスイッチ602,233,244のオン/オフを制御することで、デジタル複写機の各部に対する電源供給を制御する機能ブロックである。
外部I/F部5には、外部装置、例えばパーソナルコンピュータやサーバ等が接続されている。外部I/F部5は、システム制御部3の制御のもとで外部装置と通信し、外部装置との間で画像データの送受信を行う。
電源部6は、外部商用電源9を整流および電圧調整して必要な電圧・電流を生成するAC/DCコンバータ601と、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号によってオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ602を備える。電源部6は、切り換えスイッチ602がオンされている場合に、AC/DCコンバータ601で生成された直流電源をプロッタ部1、スキャナ部2、システム制御部3、外部I/F部5、操作部7の各部に電源を供給し、切り換えスイッチ602がオフされると、上記各部への電源供給を遮断する。また、電源部6は、切り換えスイッチ602がオフされている場合であっても、システム制御部3の一部(少なくともCPU301)、外部I/F部5、操作部7の一部(主電源キー)に対しては、切り換えスイッチ602を介さずに、AC/DCコンバータ601で生成された直流電源を直接供給する。
操作部7は、使用者がデジタル複写機を使用する際に操作する主電源キーや、使用者が直接コマンドを入力するためのキー(テンキー、コピースタートキー、モード設定キー等)を備えている。この操作部7から入力されたコマンドの処理は、システム制御部3で実行される。
メインスイッチ8は、デジタル複写機の電源部6と外部商用電源9との接続/遮断を切り換えるスイッチである。
プロッタ部1は、インクを吐出して画像を書き込む上述したヘッド18と、システム制御部3による制御のもとで、ヘッド18により書き込む画像のデータを処理する画像書込処理部110と、画像書込処理部110から出力された書込画像データを用紙Pに書き込むためにヘッド18を制御する書込制御部120を備える。画像書込処理部110には、書込画像のデータ処理を実行するASIC(Application Specific Integrated Circuit)111および処理に必要なデータを格納するメモリ112が設けられている。
スキャナ部2は、回路構成として、スキャナ画像処理部210(特許請求の範囲に記載の「画像読取処理手段」に相当)と、スキャナ制御部220を備える。
スキャナ画像処理部210は、スキャナ部2のうち、原稿の画像の読み取りおよび読み取った画像の処理を行う部分であり、原稿の画像を光学的に読み取る上述したCIS34と、読取制御部230と、読取画像処理部240を備える。
読取制御部230には、AFE(アナログフロントエンド)231およびメモリ232が設けられており、CIS34によって読み取られたアナログ画像データをAFE231でデジタル画像データに変換して読取画像処理部240に出力する。また、読取制御部230には、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号によってオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ233が設けられており、電源部6から読取制御部230内のAFE231およびメモリ232、CIS34への電源の供給と遮断を、この切り換えスイッチ233のオン/オフによって切り換えられるようになっている。
読取画像処理部240には、ASIC241、メモリ242、FPGA(Field Programmable Gate Array)243などが設けられており、CIS34によって読み取られた画像に対して所定の画像処理を実行して、読み取り画像データとしてプロッタ部1に出力する。また、読取画像処理部240にも、読取制御部230に設けられた切り換えスイッチ233と同様に、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号によってオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ244が設けられており、電源部6から読取画像処理部240内のASIC241、メモリ242、FPGA243への電源の供給と遮断を、この切り換えスイッチ244のオン/オフによって切り換えられるようになっている。
スキャナ制御部220は、スキャナ部2のうち、原稿Pの搬送制御や異常検知などを行う部分であり、原稿Pを搬送するための上述した原稿搬送モータ33と、この原稿搬送モータ33の駆動制御を行うモータドライバ221と、スキャナセンサ部222を備える。スキャナセンサ部222は、上述した原稿挿入センサSe0、原稿サイズセンサSe1〜Se4、原稿レジストセンサSe5、原稿排出センサSe6、カバー開閉センサSe7および緊急停止キーSe8の総称である。
本実施の形態にかかるデジタル複写機では、以上のように、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号によってオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ233,244を設け、この切り換えスイッチ233,244のオン/オフによって、スキャナ画像処理部210に含まれる各部に対する電源供給を、スキャナ制御部220から切り離して制御できるようにしている。つまり、電源部6に設けた切り換えスイッチ602がオンされていれば、スキャナ部2のスキャナ制御部220に対しては常に電源が供給されるが、スキャナ画像処理部210に対しては、切り換えスイッチ233,244がオンであれば電源が供給され、切り換えスイッチ233,244がオフされれば電源供給が遮断されることになる。これにより、スキャナ部2のスキャナ制御部220に対してのみ電源を供給し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給は遮断して無駄に電力を消費しない動作モードを設けることが可能となり、消費電力の削減を図る上で有効となる。
なお、図2に例示した回路構成では、スキャナ画像処理部210の読取制御部230と読取画像処理部240とにそれぞれ切り換えスイッチ233,244を設けるようにしているが、これら切り換えスイッチ233,244を統合して1つのスイッチとしてもよい。また、これら切り換えスイッチ233,244は、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を個別に(つまり、スキャナ制御部220から切り離して)切り換えるように設けられていればよく、スキャナ部2の外部、例えば電源部6などに設けるようにしてもよい。
図3は、本実施の形態にかかるデジタル複写機における動作モードの遷移を示す状態遷移図であり、図4は、動作モードごとのデジタル複写機の各部に対する電源供給状態を纏めた図である。以下、図3および図4を参照しながら、本実施の形態にかかるデジタル複写機の動作モードの遷移と各部に対する電源供給の切り換え手順の概要について説明する。
電源コードが接続され、メインスイッチ8がオフの状態となっているプラグインモード(M100)では、デジタル複写機の全てに対して電源(AC電源)の供給が遮断されている。この状態でメインスイッチ8がオンされると、デジタル複写機の各部に電源が供給されて、スキャナ部2の初期設定が実行される。
スキャナ部2の初期設定が終了すると、スキャナ画像処理部210に設けられた切り換えスイッチ233,244がオンからオフに切り換えられる。これにより、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され、コマンド待受状態であるスタンバイモード(M101)に移行する。
スタンバイモード(M101)において、コマンドが何ら入力されることなく予め設定された時間が経過すると、自動的に起動トリガ待受状態であるスリープモード(M102)に移行する。このスリープモード(M102)では、システム制御部3の一部(CPU301)と外部I/F部5と操作部7の一部(主電源キー)に対してのみ電源が供給され、その他の電源は、電源部6に設けられた切り換えスイッチ602がオフされることで、遮断される。なお、スタンバイモード(M101)からスリープモード(M102)に自動的に移行する時間は、例えば、システム制御部3に設けられたタイマ303を用いて計測することができる。
スリープモード(M102)において、操作部7の主電源キーが押下されると、スタンバイモード(M101)へ移行する。また、スリープモード(M102)において、外部I/F部5がパーソナルコンピュータ等の外部装置から印刷コマンドを受信すると、第2プリントモード(M104)に移行して印刷が行われる。この第2プリントモード(M104)では、プロッタ部1、システム制御部3、外部I/F部5に対しては電源が供給され、スキャナ部2に対する電源供給は遮断される。また、操作部7については主電源キーに対してのみ電源が供給され、それ以外の電源供給は遮断される。
第2プリントモード(M104)において、プリントのコマンドが終了するとスリープモード(M102)に自動的に移行する。
また、スタンバイモード(M101)において、スキャナ部2の原稿挿入センサSe0により原稿の挿入が検出されると、スキャナ画像処理部210に設けられた切り換えスイッチ233,244がオフからオンに切り換えられて、スキャナ画像処理部210に対して電源が供給される。そして、スキャナ部2に対する初期設定が実行され、初期設定が終了すると、原稿の読取を行うスキャナモード(M105)に移行する。このスキャナモード(M105)では、デジタル複写機の全てに対して電源が供給される。
また、スタンバイモード(M101)においてコピーの実行を指示するコマンドが入力された場合には、スキャナモード(M105)で読み取りが行われた画像データの処理が終了した段階で逐次印刷を実行する第1プリントモード(M103)に移行する。この場合、原稿の読み取りおよび画像処理が終了した段階で、スキャナ画像処理部210に設けられた切り換えスイッチ233,244がオンからオフに切り換えられ、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断される。そして、第1プリントモード(M103)でのプリント出力が実行され、プリント出力が終了したらスタンバイモード(M101)に移行する。
また、スキャナモード(M105)において、原稿の読み取りを行っている間にスキャナセンサ部222によりジャムなどの何らかの異常が検知された場合には、スキャナ画像処理部210に設けられた切り換えスイッチ233,244がオンからオフに切り換えられてスキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され、スタンバイモード(M101)に移行する。
以上のように、本実施の形態にかかるデジタル複写機では、プラグインモードのときはデジタル複写機の全てに対して電源供給が遮断される。また、スタンバイモードのときは、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対する電源供給のみが遮断される。また、スキャナモードのときは、デジタル複写機の全てに対して電源が供給される。また、第1プリントモードのときは、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対する電源供給のみが遮断される。また、第2プリントモードのときは、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210およびスキャナ制御部220と主電源キーを除く操作部7に対する電源供給が遮断される。また、スリープモードのときは、システム制御部3の一部(CPU301)と外部I/F部5と操作部7の一部(主電源キー)のみに電源が供給され、その他の電源供給は遮断される。
従来の画像読取装置や画像形成装置では、省電力モードとして上記のスリープモード(M102)に相当する動作モード、つまり、必要最低限の電力供給のみを行って起動トリガ待ち受け状態となる動作モードが設けられたものはあるが、上記のスタンバイモード(M101)や第1プリントモード(M103)のように、スキャナ部2のスキャナ制御部220に対しては電源供給し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給は遮断することで消費電力の削減を図る動作モードは設けられていない。これは、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対する電源供給と遮断を、スキャナ制御部220から独立して切り換えることが可能な構成となっていないためである。なお、従来の画像読取装置や画像形成装置においても、コマンド待ち受け状態であるスタンバイモードを設けたものはあるが、従来の画像読取装置や画像形成装置におけるスタンバイモードでは、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対しても電源供給が行われている。
本実施の形態にかかるデジタル複写機では、上述したように、スキャナ部2のスキャナ画像処理部210に、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号によってオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ233,244を設け、この切り換えスイッチ233,244のオン/オフによって、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を、スキャナ制御部220から切り離して制御できるようにしている。これにより、スタンバイモード(M101)や第1プリントモード(M103)において、スキャナ部2のスキャナ制御部220に対しては電源供給しながら、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断することができ、消費電力の大幅な削減を図ることができる。
また、従来の画像読取装置や画像形成装置においても、原稿の画像の読み取り動作中にジャムなどの異常が発生した場合にスタンバイモードに移行し、予め設定した時間が経過したらスリープモードに移行して消費電力の削減を図るようにしたものがあるが、スタンバイモードでは上述したようにスキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対しても電源供給が行われているため、スリープモードに移行するまでの間のスキャナ画像処理部210での電力消費が無駄になる。これに対して、本実施の形態にかかるデジタル複写機では、スキャナモード(M105)での原稿の読み取り動作中にジャムなどの異常が検知された場合に、すぐにスタンバイモード(M101)にてスキャナ部2のスキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断するようにしているので、スリープモード(M102)に移行するまでの間の無駄な電力消費も削減し、消費電力の大幅な削減を図ることができる。
次に、本実施の形態にかかるデジタル複写機の上述した動作モードの遷移に伴う動作の概要について、特にスキャナ部2に関わる動作を中心に説明する。なお、以下の動作はシステム制御部3による制御のもとで実行され、特に電源供給の切り換えはシステム制御部3の電源制御部310によって制御される。
まず、プラグインモード(M100)からスタンバイモード(M101)に移行する際の動作について説明する。図5は、プラグインモード(M100)からスタンバイモード(M101)に移行する際の一連の動作を示すフローチャートである。
デジタル複写機の電源コードが接続され、メインスイッチ8がオフであるプラグインモード(M100)では、上述したように、全ての電源(AC電源)が遮断されている。この状態でメインスイッチ8がオンされると(ステップS101)、まず、スキャナ画像処理部210を除く各部に電源が供給される(ステップS102)。
次に、システム制御部3により、スキャナ部2のスキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応しているか否かが判定される(ステップS103)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している場合には(ステップS103:Yes)、操作部7に異常状態(イニシャルジャム)が表示され(ステップS104)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(イニシャルジャム)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS105)。
次に、システム制御部3により、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま(未反応の状態に復帰しないまま)、予め設定した時間が経過したか否かが判定される(ステップS106、ステップS107)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま設定時間が経過した場合には(ステップS106:Yes、ステップS107:No)、スタンバイモード(M101)へは移行せずにスリープモード(M102)に移行して、図5のフローで示す処理を終了する。
一方、オペレータが操作部7の表示を確認して異常処理を行った結果、スキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態に復帰すると(ステップS106:No、ステップS107:Yes)、スキャナ画像処理部210に対して電源が供給される(ステップS108)。また、ステップS103でスキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態になっていると判定された場合(ステップS103:No)にも、ステップS108においてスキャナ画像処理部210に対して電源が供給される。
次に、システム制御部3により、スキャナ部2の初期設定処理として、第1の初期設定処理を行うか、第1の初期設定処理よりも設定項目の多い第2の初期設定処理を行うかが判定される(ステップS109)。この判定は、ステップS108でスキャナ画像処理部210に電源を供給するまでの間の電源供給が遮断されている状態の持続時間を、例えばシステム制御部3に設けたタイマ303により計測し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えたか否かを確認することによって行われる。そして、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間以下であれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第1の初期設定処理を実行し(ステップS110)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えていれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第1の初期設定処理よりも設定項目の多い第2の初期設定処理を実行する(ステップS111)。つまり、スキャナ画像処理部210に対して電源供給が遮断されていた時間が短ければ、スキャナ部2に対する初期設定処理として設定項目の少ない簡易的な処理を行い、スキャナ画像処理部210に対して電源供給が遮断されていた時間が長ければ、設定項目の多い十分な初期設定処理を行う。なお、上記所定時間は操作部7からの操作により任意に変更できるようにすることが望ましい。
スキャナ部2に対する初期設定処理が終了すると、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され(ステップS112)、スタンバイモード(M101)に移行して、図5のフローで示す処理を終了する。
ここで、図5のステップS110で実行される第1の初期設定処理と、図5のステップS111で実行される第2の初期設定処理の詳細について、図6および図7を参照して説明する。図6は、第1の初期設定処理を示すフローチャートであり、図7は、第2の初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、第1の初期設定処理について図6を参照して説明する。第1の初期設定処理が開始されると、システム制御部3によってスキャナ部2の異常検出処理が実行され、スキャナ部2に異常があるか否かが判定される(ステップS201)。なお、ここでの異常検出処理は、スキャナ部2の電気回路における異常状態を検出する処理であり、具体的には、読取画像処理部240のFPGA243のレジスタアクセス確認を行うことにより接続異常の確認などが行われる。
ここで、スキャナ部2に異常ありと判定された場合には(ステップS201:Yes)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された後(ステップS202)、操作部7に異常状態(異常の内容およびサービスマンコールが必要である旨の情報)が表示され(ステップS203)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(異常の内容)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS204)。
一方、ステップS201でスキャナ部2に異常がないと判定された場合には(ステップS201:No)、次に、スキャナ画像処理部210の読取画像処理部240内のASIC241、FPGA243のレジスタ初期化および読取制御部230内のAFE231のアナログASICのレジスタ初期設定(ステップS205)、読取画像処理部240内のASIC241のブートプログラムの実行(ステップS206)、読取画像処理部240内のASIC241へのパラメータセット(ステップS207)、読取画像処理部240内のASIC241へのシェーディングデータ閾値変更(ステップS208)が順に実行される。なお、CIS34を複数個使用している場合には、上記設定に加えて、読取画像処理部240の主走査、副走査方向の繋ぎ目パラメータの設定も行う。
そして、最後に、前回の初期設定処理で設定されていたAGC調整値、白レベル調整値、黒レベル調整値が読取画像処理部240に設定され(ステップS209)、図6のフローで示す第1の初期設定処理が終了する。なお、前回の初期設定処理で設定されていたAGC調整値、白レベル調整値、黒レベル調整値は、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断される前に、システム制御部3のメモリ302などに格納される。
次に、第2の初期設定処理について図7を参照して説明する。第2の初期設定処理は、第1の初期設定処理に加えて、AGC調整や白レベル調整、黒レベル調整を実施し、得られた各調整値の設定も行うようにしたものである。なお、図7のフローにおけるステップS301〜ステップS308までの処理は、上述した第1の初期設定処理(図6のフローにおけるステップS201〜ステップS208)と同様であるため、以下では、第1の初期設定処理とは異なるステップS309以降の処理についてのみ説明する。
第2の初期設定処理では、スキャナ部2のCIS34の各々の読み取り値が所定値に揃うように、読取制御部230内のAFE231に対するAGC調整が行われる(ステップS309)。次に、各CIS34での白色基準板が基準値となるように、CIS34が使用する光源(LED)の光量を調整する白レベル調整が実行さる(ステップS310)。また、白レベル調整が実行された後、黒レベル調整(LEDが点灯していないときのCIS34の出力値(黒レベル値)を規定値に合わせる調整)が実行される(ステップS311)。
次に、システム制御部3によって、ステップS309で実行したAGC調整の調整値と、ステップS310で実行した白レベル調整の調整値と、ステップS311で実行した黒レベル調整の調整値が、それぞれ所定範囲内にあるか否かが判定される(ステップS312)。そして、いずれか1つでも所定範囲内にない調整値があると判定された場合には(ステップS312:No)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され(ステップS313)、その後、操作部7に異常状態(異常の内容およびサービスマンコールが必要である旨の情報)が表示され(ステップS314)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(異常の内容)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS315)。
一方、ステップS309で実行したAGC調整の調整値と、ステップS310で実行した白レベル調整の調整値と、ステップS311で実行した黒レベル調整の調整値が、全て所定範囲内にあると判定された場合には(ステップS312:Yes)、それらの調整値が読取画像処理部240に設定されて、図7のフローで示す第2の初期設定処理が終了する。
AGC調整はCIS34の出力電圧に絡む調整であるため、主に光源となるLEDの変動(長期的には光源が減少するため)により調整が必要となるが、それ程頻繁に調整する必要はない。また、LEDは周囲温度により光量が変動するが、定電流駆動としているので変動幅は小さい。また、黒レベル調整は主にCIS34の温度に依存するので、機械の周囲温度が大きく変化しなければ補正の必要がないため、これらの調整は頻繁に行うまでもない。また、白レベル調整も同様に頻繁に行う必要がない。本実施の形態にかかるデジタル複写機では、以上の観点から、スキャナ画像処理部210に対して電源供給が遮断されていた時間が短ければ、AGC調整や黒レベル調整、白レベル調整を行わない第1の初期設定処理を実行し、スキャナ画像処理部210に対して電源供給が遮断されていた時間が長い場合にのみ、上記の各調整を含む第2の初期設定処理を実行するようにしている。これにより、スキャナ部2に対する初期設定を効率的に行って、初期設定処理に伴うダウンタイムを低減することを可能にしている。
次に、スタンバイモード(M101)からスキャナモード(M105)に移行して原稿の読み取りを行う際のスキャナ部2の動作について説明する。図8は、スタンバイモード(M101)からスキャナモード(M105)に移行して原稿の読み取りを行う際の一連の動作を示すフローチャートである。また、図9は、原稿Gの位置に対するスキャナ部2の動作を説明する図であり、スキャナ部2を上方から見下ろした様子を模式的に表す平面図である。
スタンバイモード(M101)にてオペレータが原稿Gをスキャナ部2に挿入し、原稿Gの先端が図9に示す位置P1に達すると、原稿挿入センサSe0がオンとなる。スタンバイモード(M101)では、システム制御部3がこの原稿挿入センサSe0の状態を監視して、原稿Gがスキャナ部2に挿入されたか否かを判定する(ステップS401)。そして、原稿Gがスキャナ部2に挿入されたと判定されると(ステップS401:Yes)、スキャナ画像処理部210に対して電源が供給される(ステップS402)。
次に、システム制御部3により、スキャナ部2の初期設定処理として上述した第1の初期設定処理を行うか第2の初期設定処理を行うかが判定される(ステップS403)。この判定は、図5のステップS109の判定と同様に、ステップS402でスキャナ画像処理部210に電源を供給するまでの間の電源供給が遮断されている状態の持続時間を、例えばシステム制御部3に設けたタイマ303により計測し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えたか否かを確認することによって行われる。そして、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間以下であれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第1の初期設定処理を実行し(ステップS404)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えていれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第2の初期設定処理を実行する(ステップS405)。
また、スキャナ部2に対する初期設定処理が行われている間に、システム制御部3の制御のもとでモータドライバ221が原稿搬送モータ33を駆動制御し、原稿Gが一定量搬送される(ステップS406)。ここでの一定量は、原稿Gの先端が図9に示す位置P2に到達する搬送量である。原稿Gの先端が図9に示す位置P2に到達すると、原稿搬送モータ33が停止して原稿Gの搬送が停止される(ステップS407)。
次に、スキャナ部2の初期設定処理が終了すると、原稿搬送モータ33の駆動が再開されて原稿GがCIS34の画像読取面と対向する位置へと搬送され、CIS34による原稿の画像の読み取りが行われる(ステップS408)。このとき、システム制御部3によってスキャナセンサ部222の各センサの状態が一定間隔で監視され、原稿読み取り動作中にジャムなどの異常が発生したか否かが判定される(ステップS409)。ここでの異常とは、原稿搬送エラーによる原稿搬送ジャム、オペレータが緊急停止キーSe8を押したことによる原稿ジャムといったオペレータが復旧できる異常と、CIS34の読み取りエラーといったオペレータでは復旧できず、カスタマーエンジニアによる復旧が必要な異常である。
そして、原稿読み取り動作中に異常が発生した場合には(ステップS409:Yes)、まず、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断される(ステップS410)。そして、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された後、若しくは、スキャナ画像処理部210に対する電源供給の遮断と同時に、システム制御部3によって原稿搬送モータ33を停止させる処理が開始され、原稿搬送モータ33が停止する(ステップS411)。また、操作部7に異常状態(例えばジャムの発生などの異常の内容と異常発生箇所)が表示され(ステップS412)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(ジャムの発生などの異常の内容)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS413)。
一方、原稿読み取り動作中に異常がなければ(ステップS409:No)、システム制御部3によって原稿Gが排出されたか否かが判定される(ステップS414)。原稿GがCIS34の画像読取面と対向する位置を通過して、原稿Gの後端が図9に示す位置P3に到達すると、原稿排出センサSe6がオンからオフに切り替わる。システム制御部3は、この原稿排出センサSe6の状態を監視することによって、原稿Gが排出されたか否かを判定する。そして、原稿Gが排出されるまでの間は(ステップS414:No)、CIS34による原稿の画像の読み取り動作が継続され、原稿Gが排出されると(ステップS414:Yes)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され(ステップS415)、スキャナモード(M105)での処理が終了する。
スキャナモード(M105)での処理が終了すると、上述したようにコピーの実行を指示するコマンドが入力されている場合は第1プリントモード(M103)に自動的に移行し、コピーの実行を指示するコマンドが入力されていない場合、つまり画像の読み取りのみが指示されている場合はスタンバイモード(M101)に自動的に移行する。なお、以上は、読み取る原稿が1枚のみであることを前提として説明したが、複数枚の原稿を連続して読み取る場合には、先に読み取りが行われる原稿が排出される前に次の原稿が挿入されるので、原稿排出センサSe6がオフになったときに原稿挿入センサSe0がオンであれば、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断せずに、CIS34による原稿の読み取り動作を継続させるようにすればよい。
次に、スリープモード(M102)からスタンバイモード(M101)に移行する際の動作について説明する。図10は、スリープモード(M102)からスタンバイモード(M101)に移行する際の一連の動作を示すフローチャートである。
スリープモード(M102)にてオペレータにより操作部7の主電源キーが押下されると(ステップS501)、まず、スキャナ画像処理部210を除く各部に電源が供給される(ステップS502)。
次に、システム制御部3により、スキャナ部2のスキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応しているか否かが判定される(ステップS503)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している場合には(ステップS503:Yes)、操作部7に異常状態(イニシャルジャム)が表示され(ステップS504)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(イニシャルジャム)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS505)。
次に、システム制御部3により、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま(未反応の状態に復帰しないまま)、予め設定した時間が経過したか否かが判定される(ステップS506、ステップS507)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま設定時間が経過した場合には(ステップS506:Yes、ステップS507:No)、スタンバイモード(M101)へは移行せずにスリープモード(M102)に移行して、図10のフローで示す処理を終了する。
一方、オペレータが操作部7の表示を確認して異常処理を行った結果、スキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態に復帰すると(ステップS506:No、ステップS507:Yes)、スキャナ部2の初期設定処理を行うかどうかが判定される(ステップS508)。また、ステップS503でスキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態になっていると判定された場合(ステップS503:No)にも、ステップS508においてスキャナ部2の初期設定処理を行うかどうかの判定が行われる。この判定は、上述した第1の初期設定処理と第2の初期設定処理のどちらを実行するかを判定する場合と同様に、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断されている状態の持続時間を、例えばシステム制御部3に設けたタイマ303により計測し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えたか否かを確認することによって行われる。
そして、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えていれば、スキャナ画像処理部210に対して電源が供給され(ステップS509)、スキャナ部2に対して上述した第2の初期設定処理が行われる(ステップS510)。そして、第2の初期設定処理が終了するとスキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され(ステップS512)、スタンバイモード(M101)に移行して、図10のフローで示す処理を終了する。一方、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間以下であれば、スキャナ部2に対する初期設定処理は行われず、そのままスタンバイモード(M101)に移行して、図10のフローで示す処理を終了する。
次に、スキャナ部2にオペレータでは処理できない異常が発生し、カスタマーエンジニアによって異常状態からの復旧作業が行われた後の動作について説明する。図11は、カスタマーエンジニアによって異常状態からの復旧作業が行われた後の一連の動作を示すフローチャートである。
カスタマーエンジニアによる復旧作業は、メインスイッチ8がオフであるプラグインモード(M100)で行われる。カスタマーエンジニアによる復旧作業が終了し、メインスイッチ8がオンされると(ステップS601)、まず、スキャナ画像処理部210を除く各部に電源が供給される(ステップS602)。
次に、システム制御部3により、スキャナ部2のスキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応しているか否かが判定される(ステップS603)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している場合には(ステップS603:Yes)、操作部7に異常状態(イニシャルジャム)が表示され(ステップS604)、システム制御部3のメモリ302に異常状態(イニシャルジャム)の情報がログデータとして書込まれる(ステップS605)。
次に、システム制御部3により、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま(未反応の状態に復帰しないまま)、予め設定した時間が経過したか否かが判定される(ステップS606、ステップS607)。そして、スキャナセンサ部222に含まれる1つ以上のセンサが反応している状態のまま設定時間が経過した場合には(ステップS606:Yes、ステップS607:No)、スタンバイモード(M101)へは移行せずにスリープモード(M102)に移行して、図11のフローで示す処理を終了する。
一方、オペレータが操作部7の表示を確認して異常処理を行った結果、スキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態に復帰すると(ステップS606:No、ステップS607:Yes)、スキャナ画像処理部210に対して電源が供給される(ステップS608)。また、ステップS603でスキャナセンサ部222に含まれる全てのセンサが未反応状態になっていると判定された場合(ステップS603:No)にも、ステップS608においてスキャナ画像処理部210に対して電源が供給される。
次に、システム制御部3により、カスタマーエンジニアによる復旧作業においてスキャナ部2のスキャナ画像処理部210を構成するいずれかの部品(CIS34、読取制御部230、読取画像処理部240)の交換が行われたか否かが判定される(ステップS609)。この判定は、例えば、カスタマーエンジニアが上記の部品を交換した場合に部品交換を行ったことを示す何らかの情報をシステム制御部3のメモリ302などに書き込んでおき、システム制御部3がメモリ302を参照してこのような情報が書き込まれている場合に、部品交換が行われたと判定するといった方法で実現可能である。
そして、カスタマーエンジニアによる復旧作業においてスキャナ部2のスキャナ画像処理部210を構成するいずれかの部品の交換が行われた場合には(ステップS609:Yes)、スキャナ部2の初期設定処理として上述した第2の初期設定処理が行われる(ステップS610)。
一方、カスタマーエンジニアによる復旧作業においてスキャナ部2のスキャナ画像処理部210を構成する部品の交換が行われていない場合には(ステップS609:No)、システム制御部3により、スキャナ部2の初期設定処理として上述した第1の初期設定処理を行うか第2の初期設定処理を行うかが判定される(ステップS611)。この判定は、図5のステップS109の判定と同様に、ステップS608でスキャナ画像処理部210に電源を供給するまでの間の電源供給が遮断されている状態の持続時間を、例えばシステム制御部3に設けたタイマ303により計測し、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えたか否かを確認することによって行われる。そして、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間以下であれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第1の初期設定処理が行われ(ステップS612)、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された状態の持続時間が所定時間を超えていれば、スキャナ部2に対する初期設定処理として第2の初期設定処理が行われる(ステップS613)。
スキャナ部2に対する初期設定処理が終了すると、スキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断され(ステップS614)、スタンバイモード(M101)に移行して、図11のフローで示す処理を終了する。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施の形態にかかるデジタル複写機は、システム制御部3の電源制御部310からの電源切り換え信号に応じてオン/オフが切り換えられる切り換えスイッチ233,244をスキャナ部2のスキャナ画像処理部210に設け、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を、スキャナ制御部220から独立して個別に制御できるようにしている。そして、スキャナ部2で原稿の画像の読み取り動作を行っている間に原稿ジャム等の異常が発生すると、まずスキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断し、このスキャナ画像処理部210に対する電源供給が遮断された後、若しくは、スキャナ画像処理部210に対する電源供給の遮断と同時に、原稿搬送モータ33を停止させる処理や、メモリ302に異常発生を示すログデータを書き込む処理を開始するようにしている。このように、本実施の形態にかかるデジタル複写機は、画像の読み取り動作中に異常が発生すると直ぐにスキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断して、スキャナ画像処理部210に対する電源供給を遮断した状態で異常が発生した場合に必要とされる各種処理を行うようにしているので、無駄な電力消費を削減することができ、消費電力の大幅な削減を図ることができる。
なお、本実施の形態にかかるデジタル複写機において、上述したスキャナ画像処理部210に対する電源制御(電源制御部310)や、原稿搬送モータ33の停止処理、メモリ302へのログデータの書込処理などは、例えば、システム制御部3のCPU301が、予め組み込まれて提供される制御プログラムを実行することによって実現される。また、本実施の形態にかかるデジタル複写機で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態にかかるデジタル複写機で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態にかかるデジタル複写機で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
なお、上記実施の形態では、本発明をシートスルー方式のスキャナ部2で原稿Gの画像を読み取り、プロッタ部1で原稿の画像をロール紙(用紙)Pに印刷する大判対応型のデジタル複写機に適用した例について説明したが、本発明は、上記実施の形態で説明したデジタル複写機に限らず、原稿の画像の読み取りを行うあらゆるタイプの画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置に対して広く適用することができる。また、上記実施の形態として開示した技術事項は、本発明の好ましい適用例を例示したものであり、本発明の技術的範囲が上記実施の形態として開示した技術事項に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施の形態として開示した具体的な技術事項に加え、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において容易に想到し得る様々な変形例、代替技術を含むものである。
1 プロッタ部(画像形成手段)
2 スキャナ部(画像読取装置)
3 システム制御部(制御手段)
33 原稿搬送モータ
210 スキャナ画像処理部(画像読取処理手段)
233,244 切り換えスイッチ
302 メモリ(記憶手段)
303 タイマ(計測手段)
310 電源制御部(電源制御手段)
特開平9−109519号公報

Claims (7)

  1. 原稿の画像の読み取りおよび読み取った画像の処理を行う画像読取処理手段と、
    原稿を搬送する原稿搬送モータと、
    前記画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に発生する異常を検知する検知手段と、
    前記検知手段が異常を検知した場合に、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断する電源制御手段と、
    前記電源制御手段が前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後に、または、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断するのと同時に、前記原稿搬送モータを停止させる処理を開始する制御手段と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に発生した異常の情報がログデータとして格納される記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記電源制御手段が前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後に、または、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断するのと同時に、前記記憶手段に前記ログデータを格納する処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記画像読取処理手段に対する電源供給状態を切り換える切り換えスイッチをさらに備え、
    前記電源制御手段は、前記検知手段が異常を検知した場合に、前記切り換えスイッチをオフすることで前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記電源制御手段は、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後、前記検知手段が異常を検知したままの状態で予め設定された一定時間が経過した場合に、前記画像読取処理手段以外の少なくとも一部に対する電源供給を遮断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  5. 前記画像読取処理手段に対する電源供給が遮断されている状態の持続時間を計測する計測手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記持続時間が所定時間を超える前に前記画像読取処理手段に対する電源供給が再開された場合に、第1の初期設定処理を行うとともに、前記持続時間が前記所定時間を超えた後に前記画像読取処理手段に対する電源供給が再開された場合に、前記第1の初期設定処理よりも設定項目の多い第2の初期設定処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置から出力される画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 原稿の画像の読み取りおよび読み取った画像の処理を行う画像読取処理手段と、原稿を搬送する原稿搬送モータと、前記画像読取処理手段による画像の読み取り動作中に発生する異常を検知する検知手段と、を備える画像読取装置に、
    前記検知手段が異常を検知した場合に、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断する機能と、
    前記電源制御手段が前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断した後に、または、前記画像読取処理手段に対する電源供給を遮断するのと同時に、前記原稿搬送モータを停止させる処理を開始する機能と、を実現させるための制御プログラム。
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