JP2013251641A - 画像読取装置 - Google Patents

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Tetsushi Seki
哲志 関
Kenji Morita
健二 森田
Yohei Katto
洋平 甲藤
Akiko Sugano
明子 菅野
Hidenori Sunada
秀則 砂田
Asahiro Nakayoshi
朝弘 仲吉
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Abstract

【課題】原稿の搬送を一時的に停止しても、原稿を保護し、かつ、シェーディング補正の精度を良好に維持する。
【解決手段】S102で、駆動部を駆動して白基準板を移動させることで第二の画像読取部によって白基準板を読み取らせる。S103で、シェーディング補正係数が作成される。S104で、白基準板を移動させる。S105で、第二の画像読取部によって対向部材を読み取らせ、対向部材の第一の読取値を記憶部に記憶させる。S107で、原稿の搬送が一時的に停止されると、S109で、第二の画像読取部によって対向部材を再び読み取らせて第二の読取値を取得する。S110で、第一の読取値と第二の読取値との比に応じてシェーディング補正係数が修正される。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像読取装置に関する発明である。
画像読取の高速化のために、ADF(Auto Document Feeder)と、原稿の両面の画像を同時に読みとるための2つの画像読取ユニットを備えた、いわゆる1パス両面読取(1PDS)−ADFタイプの画像読取装置が増えている。2つの画像読取ユニットのうち表面用の画像読取ユニットは原稿台ガラス上に載置された原稿の画像を読み取ることもあるため、水平方向に移動可能である。しかし、原稿裏面用の画像読取ユニットはADFの内部に固定されており、移動することができない。つまり、画像読取ユニットが、通常の画像読取位置からシェーディング補正用の白基準板まで移動することができない。そこで、裏面用の画像読取ユニットのための白基準板を画像読取ユニットに対して移動させることで、画像読取ユニットを固定したままで、白基準板を読み取れるようにした発明が提案されている(特許文献1)。
特開2009−100379号公報
ところで、画像読取装置は、プリントデータの処理待ちやファクシミリの通信待ちが原因で、原稿の搬送を一時停止させることがある。このとき原稿は、画像読取位置の近傍かつ、搬送方向の上流に配置されたローラ対に挟持された状態で停止している。この停止時間は数分程度と長くなることがある。このような場合には、画像読取ユニットの画質調整(シェーディング補正)をやり直す必要がある。
上述したように、特許文献1に記載の裏面用の画像読取ユニットは、シェーディング補正を実行するために白基準板を移動させる必要がある。とりわけ、特許文献1では、裏面用の白基準板を移動させるためのモータを設けている。
本発明は、原稿の第二面を読み取る第二の画像読取部のための白基準部材専用の駆動源を設けないようにするとともに、原稿の搬送を一時停止した際にシェーディング係数を修正できるようにすることを目的とする。
本発明は、たとえば、
原稿を給紙する原稿給紙部と、
前記原稿給紙部により給紙された原稿の第一面を読み取る第一の画像読取部と、
前記原稿給紙部に設けられ、前記原稿の第二面を読み取る第二の画像読取部と、
前記第二の画像読取部に対して相対的に移動し、前記第二の画像読取部によって読み取られる白基準部材と、
前記第二の画像読取部によって読み取られた前記白基準部材の読取値にしたがって、前記第二の画像読取部によって読み取られた前記原稿の読取値を補正するためのシェーディング補正係数を作成する作成部と、
前記原稿の搬送路において前記第二の画像読取部の画像読取位置よりも前記原稿の搬送方向で上流に位置し、前記原稿を搬送する搬送手段と、
前記第二の画像読取部に対して前記白基準部材を相対的に移動させるために前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させるとともに、前記搬送手段を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記画像読取位置を挟んで前記第二の画像読取部に対向して設けられる対向部材と、
前記第二の画像読取部によって読取られた前記対向部材の読取値を記憶する記憶部と
を備え、
前記制御部は、前記原稿の読み取りが指示に応じて、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させ、前記第二の画像読取部に前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を作成させ、さらに前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させ、前記第二の画像読取部に前記対向部材を読み取らせ第一の読取値を取得し、該第一の読取値を前記記憶部に記憶させ、前記原稿が前記搬送手段に接触した状態で前記原稿の搬送が一時的に停止された後で前記原稿の搬送を再開するときに、前記第二の画像読取部に前記対向部材を再び読み取らせ第二の読取値を取得し、前記第一の読取値と前記第二の読取値とに応じて前記シェーディング補正係数を修正することを特徴とする画像読取装置を提供する。
本発明は、第二の画像読取部に対して白基準部材を相対的に移動させるために第二の画像読取部または白基準部材を移動させる駆動源を搬送手段の駆動にも使用する。さらに、原稿の搬送を一時停止した際に、原稿が破損しないようにこの駆動源を駆動させずに、シェーディング係数を修正することができる。そのため、一時停止後に原稿を読み取った画像の品質の低下を低減させることができる。
画像読取装置におけるADFと画像読取部の断面図 白色基準板の移動を示す模式図 単一の動力源によって動力を供給された動作する搬送部材を示す断面図 シェーディング補正の一例を示すグラフ 画像読取装置の制御部の一例を示すブロック図 裏面光学スキャナユニットの画像読み取り制御の一例を示すフローチャート 裏面光学ユニット対向面の光量を示すグラフ 裏面光学スキャナユニットの画像読み取り制御の一例を示すフローチャート 読取モードの選択画面の一例を示す図 裏面光学スキャナユニットの移動を示す模式図 裏面光学スキャナユニットの画像読み取り制御の一例を示すフローチャート
<実施例1>
図1に示した画像読取装置1000は、原稿を給紙する自動原稿給紙部(以下、ADF100)と、原稿の画像を読み取る画像読取部200を備えている。画像読取装置1000は、表面光学スキャナユニット202を用いて原稿の第一面(表面)の画像を読み取り、裏面光学スキャナユニット102を用いて第二面(裏面)の画像を読み取る。表面光学スキャナユニット202は第一の画像読取部として機能する。裏面光学スキャナユニット102はADF100に設けられた第二の画像読取部として機能する。このように、画像読取装置1000は原稿の表面画像と裏面画像とを1度の搬送で読み取ることができる。
<ADF100の構成例>
図1に示すADF100は、原稿トレイ30に載置された原稿Sを給紙ローラ1、分離ローラ2および分離パッド21によって一枚ずつ給紙するユニットである。原稿Sは、引き抜きローラ3によりレジストローラ4へ搬送され、レジストローラ4に突き当たる。これにより原稿Sにはループ状のたわみが形成され、原稿の搬送における斜行が解消される。なお、レジセンサ17は、原稿Sがレジストローラ4を通過していることを検知する。レジストローラ4のさらに下流側には、レジストローラ4を通過した原稿Sを表面流し読みガラス201へ向けて搬送する搬送路が配置されている。
搬送路に送られた原稿Sは、表面読み取り搬送ローラ5および表面読み取り上流ローラ51および表面読み取り下流ローラ52によって表面流し読み位置に搬送される。なお、表面読み取り搬送ローラ5は、原稿Sの搬送路において裏面光学スキャナユニット102の画像読取位置よりも原稿Sの搬送方向で上流に位置し、原稿を搬送する搬送部材として機能する。原稿の搬送を一時的に停止するときには、原則として、表面読み取り搬送ローラ5に原稿が挟持された状態で原稿の搬送が停止される。
リードセンサ18は、表面読み取り搬送ローラ5に原稿Sが到達したことを検知する。表面流し読みガラス201と表面ガラス対向部材6との間を通過する原稿Sの表面は表面LED203で光を照射される。その反射光は、複数のミラー204a、204b、204cで屈曲されながら、表面読取センサ208に入射する。表面読取センサ208は、ラインセンサであり、原稿の表面画像を1ラインずつ読み取る。
表面読み取り下流ローラ52により搬送された原稿Sは、裏面読み取り搬送ローラ7および裏面読み取り上流ローラ53および裏面読み取り下流ローラ54によって裏面読み取り位置に搬送される。裏面流し読みガラス101と裏面ガラス対向部材8との間を通過する原稿Sの裏面は裏面LED103で光を照射される。その反射光は、複数のミラー104a、104b、104cで屈曲されながら、裏面読取センサ108に入射する。裏面読取センサ108もラインセンサであり、原稿Sの裏面画像を読み取る。裏面読み取り下流ローラ54により搬送された原稿Sは排紙ローラ12によって排紙トレイ13まで搬送される。
裏面シェーディング白板110は白基準部材の一例である。裏面シェーディング白板110は、裏面流し読みガラス101に固定されており、裏面光学スキャナユニット102に対して相対的に移動する。図2(A)が示すように、原稿Sの画像を読み取るときには、裏面シェーディング白板110が裏面流し読みガラス101とともに裏面光学スキャナユニット102に対して相対的に移動する。これにより、裏面光学スキャナユニット102は裏面流し読みガラス101を介して原稿Sを読み取る。なお、画像読取位置に原稿Sがないときは、裏面光学スキャナユニット102は裏面ガラス対向部材8を読み取ることができる。裏面ガラス対向部材8は、画像読取位置を挟んで裏面光学スキャナユニット102に対向して設けられ、裏面光学スキャナユニット102によって読み取られる対向部材の一例である。
一方で、シェーディング補正係数を作成するときには、図2(B)が示すように、裏面シェーディング白板110が裏面流し読みガラス101とともに裏面光学スキャナユニット102に対して相対的に移動する。これにより、裏面光学スキャナユニット102は、裏面シェーディング白板110を読み取る。このように、裏面シェーディング白板110は、裏面光学スキャナユニット102に対して相対的に移動し、裏面光学スキャナユニット102によって読み取られる白基準板として機能する。
本実施例のADF100では、図3に示されるように、リードモータ825の駆動力は、表面読み取り搬送ローラ5、表面読み取り上流ローラ51、表面読み取り下流ローラ52、裏面読み取り搬送ローラ7、裏面読み取り上流ローラ53および裏面読み取り下流ローラ54に伝達される。なお、リードモータ825とこれらのローラの間にはクラッチが設けられていない。さらに、リードモータ825の駆動力は、クラッチを介して、流し読みガラス101を移動させる機構にも伝達される。
<画像読取部200の構成例>
画像読取部200は、原稿台ガラス209上に載置された原稿を読み取る固定読みモードと、ADF100によって搬送される原稿を読み取る流し読みモードを有している。固定読みモードが指定されると、表面光学スキャナユニット202は、図1の矢印Aで示す副走査方向に一定速度で移動しながら、原稿に記録された画像情報を1ラインずつに読み取る。一方、流し読みモードが指定されると、表面光学スキャナユニット202は、ADF100の表面ガラス対向部材6の中心を読み取れる位置に移動し、ADF100によって搬送される原稿を光学的に読み取る。
<シェーディング補正>
表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110は、白レベルの基準データ(シェーディング補正係数)を作成するための白板であり、裏面流し読みガラス101に貼り付けてある。表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110を読み取る直前に表面LED203および裏面LED103が点灯する。表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110の反射光を表面読取センサ208および裏面読取センサ108がそれぞれ読み取ることでシェーディング補正係数が作成される。原稿の読取値はシェーディング補正係数用いて補正される。
表面シェーディング白板210の反射光を読み取る際は、表面光学スキャナユニット202が表面シェーディング白板210の下へ移動する。一方、裏面シェーディング白板110の反射光を読み取る際には、裏面光学スキャナユニット102の対向面を裏面シェーディング白板110とするため、裏面流し読みガラス101を移動させる必要がある。裏面流し読みガラス101を移動させるには、図3に示すように、リードモータ825を逆転させる。
本実施例においては、リードモータ825が正転するときは、表面読み取り搬送ローラ5、表面読み取り上流ローラ51、表面読み取り下流ローラ52、裏面読み取り搬送ローラ7、裏面読み取り上流ローラ53および裏面読み取り下流ローラ54が搬送方向に回転する。なお、リードモータ825が正転するときは、クラッチを切ることにより、リードモータ825の駆動力が裏面流し読みガラス101を移動させる機構に伝達されないようにする。つまり、リードモータ825が正転するときは、裏面流し読みガラス101は移動しない。裏面流し読みガラス101はバネ等により図3に示した矢印と反対方向に付勢されている。
一方、リードモータ825が逆転するときは、クラッチが接続され、リードモータ825の駆動力が裏面流し読みガラス101を移動させる機構に伝達され、裏面流し読みガラス101が移動する。そして、表面読み取り搬送ローラ5、表面読み取り上流ローラ51、表面読み取り下流ローラ52、裏面読み取り搬送ローラ7、裏面読み取り上流ローラ53および裏面読み取り下流ローラ54が搬送方向と逆方向に回転する。流し読みガラス101のホームポジションは図2(A)で示した位置である。そして、図2(A)で示した位置にある状態で、リードモータ825から駆動力が伝達されると、流し読みガラス101は図3の矢印方向に移動し、図2(B)の位置まで移動する。さらに、図2(B)の位置にある状態で、リードモータ825から駆動力が伝達されると、流し読みガラス101は図3の矢印方向と反対方向に移動し、図2(A)の位置に移動する。
裏面流し読みガラス101は、原稿を読み取るときには図2(A)の位置に移動し、裏面シェーディング白板110を読み取るときには図2(B)の位置に移動する。なお、後述するように、裏面光学スキャナユニット102を移動させ、裏面シェーディング白板110を固定しておいてもよい。このように、リードモータ825は、裏面光学スキャナユニット102に対して裏面シェーディング白板110を相対的に移動させるために裏面光学スキャナユニット102または裏面シェーディング白板110を駆動するとともに、表面読み取り搬送ローラ5も駆動する駆動部として機能する。
表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110からの反射光を表面読取センサ208および裏面読取センサ108によってそれぞれ読み取ると、図4(A)に示すように主走査位置(画素)毎に読取値がばらつく。つまり、表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110は濃度管理された一様の濃度の白色であるにもかかわらず、その読取値が一様にならない。そこで、主走査位置(画素)ごとの読取値に対してシェーディング補正係数(ゲイン)を乗算することで、図4(B)に示すように、表面シェーディング白板210および裏面シェーディング白板110の反射光の読取値wが目標の読取値tgtになるように調整される。これをシェーディング補正という。白板の読取値wと目標の読取値tgtからシェーディング補正係数であるゲインの値G1は以下の式で求められる。
G1=tgt/w
シェーディング補正係数は、主走査方向の位置(主走査位置)ごと、つまり画素ごとに必要となるが、一部の画素についてシェーディング補正係数を求めておき、残りのシェーディング補正係数を線形補間等により算出してもよい。
<ブロック図の説明>
図5を用いて画像読取装置1000の制御部について説明する。図5が示すように制御部は画像読取部200およびADF100を直接制御するコントローラ310と、ユーザインタフェースを含むコントローラ300とに分かれている。
コントローラ310は、中央演算処理装置であるCPU801、リードオンリーメモリであるROM802、ランダムアクセスメモリであるRAM803を備えている。ROM802には、制御プログラムが格納されており、RAM803には、入力データや作業用データが格納される。図6、図8および図11に示したフローにしたがって、CPU801が制御プログラムを実行する。
CPU801には原稿搬送機能を実現するために、各種の搬送機構を駆動する駆動源が接続されている。分離モータ823は、給紙ローラ1、分離ローラ2、引き抜きローラ3を回転させる。レジモータ824は、レジストローラ4を回転させる。リードモータ825は、表面読み取り搬送ローラ5、表面読み取り上流ローラ51、表面読み取り下流ローラ52、裏面読み取り搬送ローラ7、裏面読み取り上流ローラ53、裏面読み取り下流ローラ54を回転させるとともに、裏面流し読みガラス101を移動させる。排紙モータ826は、排紙ローラ12を回転させる。分離モータ823、レジモータ824、リードモータ825および排紙モータ826は全てパルスモータであってもよい。CPU801はこれらの駆動パルス数を管理しながら制御することで各モータの回転数を管理できる。CPU801は、搬送路に配置された複数のシートセンサの検知信号にしたがって原稿が搬送路のどこに位置しているかを把握し、各種動作の実行タイミングを決定する。シートセンサとしては、上述したレジセンサ17やリードセンサ18などがある。
CPU801には、画像読取機能を実現するために、表面LED203、裏面LED103、表面読取センサ208および裏面読取センサ108が接続されている。表面読取センサ208および裏面読取センサ108によって読み取られた画像データは、画像処理部833を介して画像メモリ832に格納されるか、画像メモリ832を介さずにコントローラ300へ出力される。なお、CPU801は、原稿の画像データを、画像ライン353を介してコントローラ300へ送信する。さらに、CPU801は、原稿の画像データの先端の基準となる垂直同期信号や1ラインを構成する先端画素の基準となる水平同期信号を、通信ライン354を通してコントローラ300へ通知する。また、読み取り画像を安定化するためのシェーディング補正は、画像処理部833を用いて実現している。画像処理部833は、CPU801に制御されて、シェーディング補正係数を作成し、作成したシェーディング補正係数を原稿の読取値に乗算する。なお、CPU801が、シェーディング補正係数を作成してもよい。このように、画像処理部833やCPU801は、裏面読取センサ108によって読み取られた裏面シェーディング白板110の読取値にしたがって、裏面読取センサ108によって読み取られた原稿の読取値を補正するためのシェーディング補正係数を作成する作成部として機能する。
コントローラ310の上位のコントローラであるコントローラ300は、CPU901、ROM902、RAM903を備えている。CPU901は通信ライン354を介して画像読取制御に関するデータの授受をCPU801と行う。画像データは画像処理部833と画像処理部905の間の画像ライン353を介して送信される。画像処理部905は、受信したデータを画像メモリ906に格納する。操作部904は、入力装置と表示装置とを有している。CPU901は、画像読取装置1000を操作する操作者に対するユーザインタフェースを操作部904により実現している。CPU901が実行する制御プログラムはROM902に記憶されている。
図6を用いて、原稿の搬送を一時的に停止した後のシェーディング補正係数の修正処理を含むフローについて説明する。操作部904を通じて原稿の両面画像を読み取るモードが指定され、かつ、操作部904のスタートキーが押されたことを検知すると、CPU901は固定読み開始命令をCPU801に出力する。S101で、CPU801は、固定読み開始命令を受信すると、両面流し読み読取を開始する。CPU801は、原稿トレイ30の上の原稿を1枚ずつ搬送するために分離モータ823を駆動する。
S102で、CPU801は、リードモータ825を駆動して、裏面シェーディング白板110を貼り付けた裏面流し読みガラス101をシェーディング位置へ移動させる。図2(B)に示すように、裏面流し読みガラス101がシェーディング位置に移動すると、裏面シェーディング白板110の中心が裏面光学スキャナユニット102の光軸に一致する。なお、CPU801は、これと並行して、表面光学スキャナユニット202を表面シェーディング白板210の下へ移動させる。
S103で、CPU801は、裏面光学スキャナユニット102を駆動して裏面シェーディング白板110を読み取らせ、読取値を画像メモリ832に記憶させる。CPU801は、読取値と目標値tgtとに基づいてシェーディング補正係数を画像処理部833に作成させる。同様に、CPU801は、表面光学スキャナユニット202を駆動して表面シェーディング白板210を読み取らせ、読取値を画像メモリ832に記憶させる。CPU801は、読取値と目標値tgtとに基づいてシェーディング補正係数を画像処理部833に作成させる。
S104で、CPU801は、原稿の裏面を読み取るために裏面シェーディング白板110を貼り付けた裏面流し読みガラス101を、図2(A)に示したように原稿を読み取るための位置へ移動させる。CPU801は、表面光学スキャナユニット202を表面流し読みガラス201の下へ移動させる。
S105で、CPU801は、裏面LED103を点灯させ、裏面ガラス対向部材8からの反射光を裏面読取センサ108によって測定し、光量(読取値)をRAM903に記憶させる。RAM903は、裏面ガラス対向部材8の読取値を記憶する記憶部として機能する。図7(A)は、所定の主走査位置(画素)における裏面ガラス対向部材8からの反射光の読取値の一例を示している。一ラインがたとえば8001個の画素から構成されている場合、CPU801は、1000画素ごとに読取値を取得する。ここでは、0番目、1000番目、・・・、8000番目の各画素の読取値が取得されるため、トータルでは9個の読取値が得られる。このように等間隔の画素から読取値を取得することで、補間処理によって残りの画素の読取値を精度よく取得できるようになる。なお、CPU801や画像処理部833の演算能力が高ければ、この間隔を1000画素よりも狭くしてもよい。補間処理に使用されるオリジナルの読取値が多ければ多いほど、補間の精度が高まる利点がある。
ところで、CPU801は、CPU901からの画像読取開始信号を受けてから原稿画像の読み取りを開始するようにプログラムされている。CPU801は、CPU901からの画像読取開始信号が遅れた場合、原稿の搬送を一時的に停止しなければならない。この原稿の搬送を一時的に止める制御を、一旦停止制御と呼ぶことにする。また、原稿先端の停止位置を一旦停止位置と呼ぶ。一旦停止位置は、表面読み取り搬送ローラ5よりも搬送方向で下流であり、かつ、表面画像の読取位置(表面ガラス対向部材6の下)よりも上流である。画像読取開始信号の発行が遅れる要因としては、たとえば、CPU901においてプリントジョブのデータ受信要求やFAXデータ受信要求が発生したことで、CPU901が原稿画像のための記憶領域を画像メモリ906に確保できないという要因がある。
CPU801は、原稿を所定位置まで搬送した際に、CPU901からの画像読取開始信号を受け取ったかどうかにより原稿の搬送を一旦停止させるかどうかを判定する。たとえば、CPU801は、レジセンサ17が原稿の先端を検知する前に、画像読取開始信号を受信していれば、原稿の搬送を停止させないと判定する。この場合は、S112に進む。一方、CPU801は、レジセンサ17が原稿の先端を検知したときに、まだ、画像読取開始信号を受信していなければ、原稿の搬送を一旦停止させると判定する。この場合は、S107に進む。
S107で、CPU801は、分離モータ823、レジモータ824およびリードモータ825を停止させることで、原稿の搬送を停止する。本実施例で、CPU801は、表面読取センサ208および裏面読取センサ108には電力を供給し続けることで、動作させておく。なお、CPU801は、表面LED203および裏面LED103を消灯してもよい。表面読取センサ208および裏面読取センサ108は、一旦動作を停止すると、安定して画像を読み取れるようになるまでに時間を要する。一方で、表面LED203および裏面LED103は、光量が安定するまでの時間が比較的に短い。そこで、消費電力の削減と読取画像の品質の安定化を両立するために、表面読取センサ208および裏面読取センサ108を動作させ続け、表面LED203および裏面LED103を停止させてもよい。
S108で、CPU801は、CPU901からの画像読取開始信号を受信したかどうかを判定する。このように、S108はループ処理になっている。S108での待ち時間が長くなればなるほど、温度の変化により光量の読取値が変化し、シェーディング補正係数が理想的な係数からずれてしまうことがある。よって、原稿の搬送を一時的に停止したときには、表面光学スキャナユニット202および裏面光学スキャナユニット102それぞれのシェーディング補正係数を修正する。なお、裏面流し読みガラス101を移動させると、表面読み取り搬送ローラ5も回転してしまう。そのため、本実施例では、裏面流し読みガラス101を移動させない。つまり、裏面シェーディング白板110を移動させないため、裏面シェーディング白板110の再度の読み取りを実行しない。その代わりに、裏面ガラス対向部材8の読取値の変化を利用してシェーディング補正係数を修正する。これは、裏面シェーディング白板110の読取値と裏面ガラス対向部材8の読取値とが相関していると考えられるからである。画像読取開始信号を受信すると、S109に進む。
S109で、CPU801は、裏面LED103を点灯させ、裏面ガラス対向部材8で反射した光を、裏面読取センサ108の所定の主走査位置(0〜8000画素目までの1000画素ごと)で読み取る。
図7(B)は、裏面ガラス対向部材8について所定の主走査位置での2度目の読取値R2の一例を示している。図7(B)に示した裏面ガラス対向部材8について所定の主走査位置での1度目の読取値R1と比較すると、2度目の読取値R2は、全体的に低下している。つまり、シェーディング補正係数を修正しなければ、原稿画像の読み取り画質が低下する可能性がある。たとえば、原稿画像に濃度ムラなどが発生するかもしれない。
S110で、CPU801は、RAM903に記憶しておいたシェーディング補正係数の作成直後の読取値R1と2度目の読取値R2とが同じになるように、シェーディング補正係数を修正する。最初に決定されたシェーディング補正係数(ゲインの値)をG1とすると、修正後のシェーディング補正係数G2は次の式で求められる。
G2=G1×R2/R1
ここで、読取値を取得していない主走査位置のシェーディング補正係数を求めるには、CPU801が、他の主走査位置のシェーディング補正係数を線形補間することで求めてもよい。たとえば、1番目の画素から999番目の画素のシェーディング補正係数は、0番目の画素のシェーディング補正係数と1000番目の画素のシェーディング補正係数とから求められる。
ところで、表面光学スキャナユニット202に関しても1度目に作成したシェーディング補正係数は現時点での理想的なシェーディング補正係数からずれていることが予想される。そこで、表面光学スキャナユニット202に関してもシェーディング補正係数を修正するか、再度作成する必要がある。表面光学スキャナユニット202に関しては、表面光学スキャナユニット202を移動させても、原稿がその影響を受けることがない。よって、ここでは、表面光学スキャナユニット202を移動させ、再び白板を読み取らせ、シェーディング補正係数を作成しなおすことにする。CPU801は、表面LED203を点灯させ、表面光学スキャナユニット202を表面シェーディング白板210の下へ移動させ、表面シェーディング白板210の読取値を取得し、シェーディング補正係数を作成する。その後、CPU801は、表面光学スキャナユニット202を表面流し読みガラス201の下へ移動させる。表面光学スキャナユニット202および裏面光学スキャナユニット102それぞれの、シェーディング補正係数の準備が完了すると、S111に進む。
S111で、CPU801は、原稿の搬送を再開する。S112で、CPU801は、表面光学スキャナユニット202により表面の原稿画像を読み取らせ、裏面光学スキャナユニット102により裏面の原稿画像を読み取らせる。画像処理部833は、主走査位置ごとの読取値に対して対応するシェーディング補正係数を乗算することで、シェーディング補正を実行する。
本実施例によれば、CPU801は、原稿の読み取りが指示されると、リードモータ825を駆動して裏面光学スキャナユニット102または裏面シェーディング白板110を移動させることで裏面光学スキャナユニット102によって裏面シェーディング白板110を読み取らせ、画像処理部833にシェーディング補正係数を作成させる。さらに、CPU801は、リードモータ825を駆動して裏面光学スキャナユニット102または裏面シェーディング白板110を移動させることで裏面光学スキャナユニット102によって裏面ガラス対向部材8を読み取らせ、裏面ガラス対向部材8の第一の読取値R1をRAM803に記憶させておく。CPU801は、原稿が表面読み取り搬送ローラ5に接触した状態で原稿の搬送が一時的に停止された後で原稿の搬送を再開するときに、裏面光学スキャナユニット102によって裏面ガラス対向部材8を再び読み取らせて第二の読取値R2を取得する。CPU801は、読取値R1と読取値R2との比に応じてシェーディング補正係数を修正する。
本実施例によれば、原稿を搬送するための複数のローラと裏面流し読みガラス101とを同一のモータによって駆動することにより、裏面流し読みガラス101を移動させるためにモータを別途設ける必要がない。これによりモータの個数を減らすことができる。
さらに、原稿の搬送を一時的に停止したときに、裏面シェーディング白板110を動かすことなく、シェーディング補正係数を修正できる。よって、表面読み取り搬送ローラ5を逆回転させる必要がない。したがって、裏面シェーディング白板110を再度読み取るために、搬送ローラ5を逆回転することにより、原稿が破損することを防ぐことができる。
このように本実施例によれば、裏面流し読みガラス101を移動させるためのモータを別途設ける必要をなくすとともに、現行の搬送を一時停止した後の読取部の特性の変化に基づく画質劣化を低減させることができる。
なお、原稿の搬送を一時的に停止した際に、CPU801は、電力の供給を継続することで、表面読取センサ208および裏面読取センサ108を動作させておいてもよい。一時停止時間が長くとも数分程度であることを考慮すれば、本実施例により、実用に十分耐えうる画質の画像が得られるようになる。
本実施例で、原稿の搬送を一時的に停止しないときには、シェーディング補正係数を修正していない。しかし、連続した多数の枚数の原稿を読み取ると、たとえば、1枚目の原稿と50枚目の原稿とでは、シェーディングの条件が変化している可能性がある。そこで、CPU801は、原稿を搬送した枚数をカウントし、カウント値が所定枚数(閾値)以上になると、原稿の搬送を一時的に停止させ、シェーディング補正係数を修正する。閾値については、実験またはシミュレーションを行って、シェーディング補正係数を修正する必要がある枚数を特定することで、決定できる。
本実施例では、原稿の搬送を一時的に停止したときには停止時間の長短を問わずに、CPU801がシェーディング補正係数を修正するものであった。しかし、停止時間をCPU801がカウントし、停止時間が所定時間以上になるとシェーディング補正係数を修正してもよい。これは、停止時間が短いときにはシェーディング補正係数を修正する必要がないと考えられるからである。所定時間をどの程度の長さにするかは、実験やシミュレーションを行って決定すればよい。つまり、シェーディング補正係数のずれは、時間の経過とともに大きくなることが予想されるため、シェーディング補正係数のずれが許容範囲を超えるような時間を実験やシミュレーションによって見つければよい。また、CPU801は、原稿の搬送を所定時間以上にわたって停止させないときは、シェーディング補正係数の修正をスキップしてもよい。
<実施例2>
実施例1では一時的に原稿の搬送を停止するときには裏面ガラス対向部材8の読取値の変化に応じてシェーディング補正係数を修正していた。しかし、シェーディング補正係数は、裏面ガラス対向部材8の読取値に基づいて修正されるため、多少の修正誤差が発生する可能性がある。つまり、白板を直接的に読み取って作成されたシェーディング補正係数の方が、裏面ガラス対向部材8の読取値に基づいて修正されたシェーディング補正係数よりも精度が高いと考えられる。上述したように、原稿が表面読み取り搬送ローラ5よりも下流において一時停止すると、白板を移動させることができない。
そこで、本実施例では、シェーディング補正係数の精度を優先する画質優先モードと、読み取りの効率を優先する効率優先モードとを設ける。とりわけ、画質優先モードでは、リードモータ825によって駆動されるローラに接触しない位置に原稿を停止させる。これにより、白板を移動させても原稿が影響を受けることがなくなるため、白板を再び読みことが可能となる。一方で、効率優先モードでは、リードモータ825によって駆動されるローラに接触する位置で原稿を停止させる。つまり、効率優先モードでは、画質優先モードと比較して、より下流まで原稿を搬送できる。その後は、実施例1で説明したとおりに、シェーディング補正係数を修正する。効率優先モードでは、画質優先モードと比較して、より下流まで原稿を搬送させることができる。
図8は実施例2にかかる画像の読み取り処理を示している。なお、実施例1と共通する処理については同一の参照符号を付与することで、説明の簡潔化を図る。図9はユーザインタフェースの一例を示している。CPU901は、操作部904の表示装置に図9に示すような読取モードの選択画面900を表示する。選択画面900や操作部904は、シェーディング補正の精度を優先させる精度優先モードと、原稿の読み取りの効率を優先させる効率優先モードとのうちの一方のモードを操作者に選択させる選択部として機能する。選択画面900には、画質優先モードを選択するための選択キー911と、効率優先モードを選択するための選択キー912とが表示されている。操作部904の表示装置はタッチパネルが設けられており、タッチパネルから出力される検知信号に基づいて、CPU901は、どちらの選択キーが操作されたかを認識する。操作部904を通じて原稿の両面画像を読み取るモードが指定され、かつ、操作部904のスタートキーが押されたことを検知すると、CPU901は固定読み開始命令をCPU801に出力する。CPU801は、S101ないしS104を実行し、S211に進む。
S211で、CPU801は、原稿裏面の読取モードが画質優先モードか効率優先モードかを判定する。読取モードを示す情報は開始命令とともに予めCPU901からCPU801が受信しているものとする。効率優先モードが選択されている場合、CPU801は、上述したS105ないしS112を実行する。なお、S107で、原稿は、表面読み取り搬送ローラ5よりも下流で停止することになる。このときの原稿停止位置を第一の原稿停止位置と呼ぶことにする。一方で、画質優先モードが選択されている場合、S212に進む。
S212で、CPU801は、原稿を所定の位置まで搬送し、CPU901からの画像読取開始信号を受け取ったかどうかに応じて、原稿を一時的に停止させるかどうかを判定する。たとえば、レジセンサ17が原稿の先端を検知したタイミングで、CPU801は、画像読取開始信号を受け取ったかどうかを判定してもよい。画像読取開始信号を受け取っていれば原稿の搬送を一時停止させる必要はない。よって、S219に進む。一方で、画像読取開始信号を受け取っていなければ、原稿の搬送を一時停止させる必要がある。よって、S213に進む。
S213で、CPU801は、表面読み取り搬送ローラ5よりも上流に設定した一旦停止位置(第二の原稿停止位置)に原稿の先端が停止するよう、分離モータ823およびレジモータ824を制御する。第二の原稿停止位置は、第一の原稿停止位置よりもさらに上流に設定されている。第二の原稿停止位置で原稿の先端が停止している場合、リードモータ825を駆動しても、原稿がその影響を受けることがない。つまり、リードモータ825を駆動して、裏面シェーディング白板110を移動させることができる。なお、CPU801は、裏面LED103を消灯してもよい。これにより、電力を節約できる。
S214で、CPU801は、画像読取開始信号を受信するまで待機する。画像読取開始信号を受信するとS215に進む。S215で、CPU801は、裏面LED103を点灯させ、リードモータ825を駆動して裏面シェーディング白板110を貼り付けた裏面流し読みガラス101を、図2(B)に示したシェーディング位置へ移動させる。
S216で、CPU801は、裏面光学スキャナユニット102によって裏面シェーディング白板110を読み取らせ、この読取値と目標値tgtとに基づいてシェーディング補正係数を作成する。
S217で、CPU801は、原稿の裏面を読み取るために、リードモータ825を駆動し、裏面シェーディング白板110を貼り付けた裏面流し読みガラス101を、原稿を読み取るための位置へ移動させる。S218で、CPU801は、分離モータ823、レジモータ824およびリードモータ825を駆動して原稿の搬送を再開する。S219で、CPU801は、裏面光学スキャナユニット102によって裏面の原稿画像を読み取る。なお、S215ないしS217と並行して、CPU801は、表面光学スキャナユニット202のシェーディング補正係数を作成する。そして、S219で、CPU801は、表面光学スキャナユニット202によって表面の原稿画像を読み取る。
実施例2よれば、CPU801は、精度優先モードが選択され、かつ、原稿の読み取りが指示されると、リードモータ825を駆動して裏面光学スキャナユニット102または裏面シェーディング白板110を移動させることで裏面光学スキャナユニット102によって裏面シェーディング白板110を読み取らせる。CPU801は、画像処理部833にシェーディング補正係数を作成させ、原稿が表面読み取り搬送ローラ5に接触する前に原稿の搬送を停止させる。さらに、CPU801は、原稿の搬送が一時的に停止された後で原稿の搬送を再開するときに、リードモータ825を駆動して裏面光学スキャナユニット102によって裏面シェーディング白板110を読み取らせ、画像処理部833にシェーディング補正係数を再び作成させる。なお、効率優先モードが選択され、かつ、原稿の読み取りが指示されたときの制御手順は実施例1で説明したとおりである。
とりわけ、画質(精度)優先モードにおいては、一旦停止位置を、表面読み取り搬送ローラ5よりも上流の第二の原稿停止位置に設定している。よって、表面読み取り搬送ローラ5を逆回転しても原稿を傷つけることがない。しかも、裏面シェーディング白板110を読み取ってシェーディング補正係数を再度作成できるため、シェーディング補正係数の精度が向上するだろう。
なお、CPU801は、原稿の搬送を停止しているときに、原稿が表面読み取り搬送ローラ5に接触するようにする場合は、原稿の搬送路において表面読み取り搬送ローラ5の位置よりも上流に設定された第一の原稿停止位置に原稿を停止させる。一方、原稿の搬送を停止しているときに、原稿が表面読み取り搬送ローラ5に接触しないようにする場合、CPU801は、原稿の搬送路において第一の原稿停止位置よりもさらに上流に設定された第二の原稿停止位置に原稿を停止させる。
ただし、画質優先モードにおける第二の原稿停止位置は、効率優先モードの一旦停止位置である第一の原稿停止位置よりも上流にあるため、一旦停止を実施するかどうかを判断する時間が、効率優先モードのそれよりも短くなる。つまり、一旦停止制御が発生しやすくなり、単位時間当たりの読み取り効率が低下する可能性がある。逆に、効率優先モードでは、シェーディング補正係数の精度がわずかに低下する可能性があるが、一旦停止制御が発生しにくいため、単位時間あたりにより多くの原稿を処理できるであろう。
<その他の変形例>
実施例1、2では、原則として、裏面流し読みガラス101を移動させることで、裏面光学スキャナユニット102に対して裏面シェーディング白板110を相対的に移動させていた。しかし、図10(A)および図10(B)に示すように、裏面流し読みガラス101を固定し、裏面光学スキャナユニット102をリードモータ825によって移動させてもよい。この場合は、実施例1、2の裏面シェーディング白板110の移動が、裏面光学スキャナユニット102の移動に置換されることになる。
また、図11に示すように、CPU801は、原稿の一旦停止位置を常に第二の原稿停止位置に設定してもよい。この場合、読み取り効率が低下する可能性があるものの、毎回、裏面シェーディング白板110を読み取ることになるため、シェーディング補正係数の精度が高まる。また、裏面ガラス対向部材8を省略できるため、部品点数を削減できる利点がある。大量の原稿を読み取ることが想定されていない低価格の画像読取装置では、特に有効な手法であろう。
上記の実施例では、裏面流し読みガラス101に裏面シェーディング白板110が固定されているものとして説明した。ガラスと同程度の耐久性と光学特性を有していれば、樹脂などの透明部材が裏面流し読みガラス101に代えて採用されてもよい。

Claims (9)

  1. 原稿を給紙する原稿給紙部と、
    前記原稿給紙部により給紙された原稿の第一面を読み取る第一の画像読取部と、
    前記原稿給紙部に設けられ、前記原稿の第二面を読み取る第二の画像読取部と、
    前記第二の画像読取部に対して相対的に移動し、前記第二の画像読取部によって読み取られる白基準部材と、
    前記第二の画像読取部によって読み取られた前記白基準部材の読取値にしたがって、前記第二の画像読取部によって読み取られた前記原稿の読取値を補正するためのシェーディング補正係数を作成する作成部と、
    前記原稿の搬送路において前記第二の画像読取部の画像読取位置よりも前記原稿の搬送方向で上流に位置し、前記原稿を搬送する搬送手段と、
    前記第二の画像読取部に対して前記白基準部材を相対的に移動させるために前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させるとともに、前記搬送手段を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部と、
    前記画像読取位置を挟んで前記第二の画像読取部に対向して設けられる対向部材と、
    前記第二の画像読取部によって読取られた前記対向部材の読取値を記憶する記憶部と
    を備え、
    前記制御部は、前記原稿の読み取りが指示に応じて、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させ、前記第二の画像読取部に前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を作成させ、さらに前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させ、前記第二の画像読取部に前記対向部材を読み取らせ第一の読取値を取得し、該第一の読取値を前記記憶部に記憶させ、前記原稿が前記搬送手段に接触した状態で前記原稿の搬送が一時的に停止された後で前記原稿の搬送を再開するときに、前記第二の画像読取部に前記対向部材を再び読み取らせ第二の読取値を取得し、前記第一の読取値と前記第二の読取値とに応じて前記シェーディング補正係数を修正することを特徴とする画像読取装置。
  2. シェーディング補正の精度を優先させる精度優先モードと、前記原稿の読み取りの効率を優先させる効率優先モードとのうちの一方のモードを操作者に選択させる選択部と、
    前記精度優先モードが選択され、かつ、前記原稿の読み取りが指示されると、
    前記制御部は、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を作成させ、前記原稿が前記搬送手段に接触する前に前記原稿の搬送を停止させ、前記原稿の搬送が一時的に停止された後で前記原稿の搬送を再開するときに、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を再び作成させ、
    前記効率優先モードが選択され、かつ、前記原稿の読み取りが指示されると、
    前記制御部は、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を作成させ、さらに前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記対向部材を読み取らせ、前記対向部材の第一の読取値を前記記憶部に記憶させ、前記原稿が前記搬送手段に接触した状態で前記原稿の搬送が一時的に停止された後で前記原稿の搬送を再開するときに、前記第二の画像読取部によって前記対向部材を再び読み取らせて第二の読取値を取得し、前記第一の読取値と前記第二の読取値との比に応じて前記シェーディング補正係数を修正することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記制御部は、前記効率優先モードが選択された場合は前記搬送手段の位置に前記原稿を停止させ、前記精度優先モードが選択された場合は、前記原稿の搬送路において前記搬送手段よりも上流に設定された停止位置に前記原稿を停止させることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 原稿を給紙する原稿給紙部と、
    前記原稿給紙部により給紙された原稿の第一面を読み取る第一の画像読取部と、
    前記原稿給紙部に設けられ、前記原稿の第二面を読み取る第二の画像読取部と、
    前記第二の画像読取部に対して相対的に移動し、前記第二の画像読取部によって読み取られる白基準部材と、
    前記第二の画像読取部によって読み取られた前記白基準部材の読取値にしたがって、前記原稿の読取値を補正するためのシェーディング補正係数を作成する作成部と、
    前記第二の画像読取部の画像読取位置よりも前記原稿の搬送方向で上流に位置し、前記原稿を搬送する搬送手段と、
    前記第二の画像読取部に対して前記白基準部材を相対的に移動させるために前記第二の画像読取部または前記白基準部材を駆動するとともに、前記搬送手段も駆動する駆動部と、
    少なくとも前記駆動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記原稿の読み取りが指示されると、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を作成させ、前記原稿が前記搬送手段に接触する前に前記原稿の搬送を停止させ、前記原稿の搬送が一時的に停止された後で前記原稿の搬送を再開するときに、前記駆動部を駆動して前記第二の画像読取部または前記白基準部材を移動させることで前記第二の画像読取部によって前記白基準部材を読み取らせ、前記作成部に前記シェーディング補正係数を再び作成させることを特徴とする画像読取装置。
  5. 前記制御部は、前記原稿の搬送を一時的に停止するときは、前記原稿の搬送路において前記搬送手段の配置された位置よりも上流に設定された原稿停止位置に前記原稿を停止させることで、前記原稿が前記搬送手段に接触しないようにすることを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記制御部は、前記原稿の搬送を所定時間以上にわたって停止させるときは、前記シェーディング補正係数を修正し、前記原稿の搬送を前記所定時間以上にわたって停止させないときは、前記シェーディング補正係数の修正をスキップすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記第二の画像読取部に対して相対的に移動する透明部材をさらに備え、
    前記白基準部材は前記透明部材に固定されており、
    前記駆動部は、前記透明部材を移動させることで、前記第二の画像読取部に対して前記白基準部材を相対的に移動させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  8. 前記駆動部は、前記第二の画像読取部を移動させることで、前記白基準部材に対して前記第二の画像読取部を相対的に移動させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  9. 前記制御部は、前記原稿の搬送が一時的に停止されているときにも、前記第二の画像読取部に電力を供給し続けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
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