JP2012058590A - 反射防止構造体及びその製造方法 - Google Patents

反射防止構造体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012058590A
JP2012058590A JP2010203200A JP2010203200A JP2012058590A JP 2012058590 A JP2012058590 A JP 2012058590A JP 2010203200 A JP2010203200 A JP 2010203200A JP 2010203200 A JP2010203200 A JP 2010203200A JP 2012058590 A JP2012058590 A JP 2012058590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
layer
porous layer
antireflection structure
protrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010203200A
Other languages
English (en)
Inventor
祐彦 ▲高▼橋
Yoshihiko Takahashi
Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
Kazuhiko Momoki
和彦 桃木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010203200A priority Critical patent/JP2012058590A/ja
Publication of JP2012058590A publication Critical patent/JP2012058590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/877Arrangements for extracting light from the devices comprising scattering means

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

【課題】 優れた反射防止特性をもち、かつ表面に加わった外力に対して十分な機械的強度を有する反射防止構造体を提供する。
【解決手段】 基板と、前記基板上に形成された高さが同じか又は異なる複数の突起部を備えた中間層と、前記中間層の突起部上に形成された屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層とを有する反射防止構造体であって、前記中間層の突起部がモース硬度5以上の材料からなり、且つ前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出している反射防止構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止構造体及びその製造方法に関し、特に各種光学レンズやディスプレイパネルなどに広く適用される、多孔質層を含む反射防止構造体及びその製造方法に関する。
光学レンズの表面やディスプレイパネルの表面に形成される反射防止構造体として、誘電体多層膜構造体、微細凹凸構造体などが知られている。
誘電体多層膜構造体は、適用する波長領域に応じて各層の屈折率と膜厚を光学設計技術により最適化して形成した、複数の薄膜の積層構造からなる反射防止構造体である。誘電体多層膜構造体の反射防止構造において、反射防止特性を向上させるための条件の一つに、直接空気と接する最表面低屈折率層の屈折率が可能な限り1に近いことが挙げられる。従来技術では、この最表面低屈折率層として、比較的屈折率の低いフッ化マグネシウム(屈折率1.38)が主に用いられていた。しかし、更なる反射防止特性の向上のためには、最表面低屈折率層の更なる低屈折率化が求められている。
上記の最表面低屈折率層として、薄膜内に空孔を有することにより薄膜全体の屈折率を低下させた多孔質層が、候補として挙げられる。特に2nmから50nm程度の微細な空孔が薄膜内に多数存在するメソポーラス構造は、反射防止構造体における最表面低屈折率層として期待されている。その理由は、前記メソポーラス構造は、空孔率の制御により屈折率を制御できる、空孔サイズが小さいため入射光の散乱がほとんど無い、湿式プロセスにより低コストで成膜可能といった利点があるためである。
一方、微細凹凸構造体は、光学レンズ表面に数十から数百nmオーダーの微細な凹凸を設けた構造で、基板から空気界面へと連続的に屈折率が減少する特徴をもつ反射防止構造体である。微細凹凸構造体は、レンズと空気の間の光学界面を極力減らした構造に設計することで、優れた反射防止特性を示すことが報告されている(特許文献1,2参照)。
特開2007−241177号公報 特開2008−09408号公報
誘電体多層膜構造体からなる反射防止構造体において、最表面低屈折率層として多孔質層を利用する場合、反射防止特性の向上の観点から多孔質層にメソポーラス構造を用い、且つその屈折率は1.3以下であることが望ましい。しかし、メソポーラスシリカ薄膜などに代表されるメソポーラス構造において、低屈折率化のためには空孔率を上げる必要があり、その結果機械的強度が低下することが知られている。例えば屈折率が1.3以下のメソポーラスシリカ薄膜では空孔率が30%以上となり、反射防止構造体として用いる際に想定される外力に対して、充分な機械的強度が得られない場合があった。このような反射防止構造体を外部に露出している面で用いた場合、外部からの多少の接触でも表面に傷がついて、反射防止特性の低下を招く恐れがある。
また微細凹凸構造からなる反射防止構造体についても、一般的に機械的強度が弱い。例えば特許文献1では、微細凹凸構造の一つである花弁状膜からなる反射防止構造に関して、機械的強度を上げるために、多孔質層をハードコート層として花弁状膜の上に形成している。しかし、この場合においても反射防止特性向上のためには多孔質層の低屈折率化が要求される。多孔質層の屈折率を下げることで結局は多孔質層自体の機械的強度が低下し、多孔質層の花弁状膜に対するハードコート層としての機能が損なわれる。
一方、特許文献2では、微細凹凸構造の隙間を低屈折率層で埋めた反射防止構造に関しての開示があり、微細凹凸構造間へのゴミの進入を防ぐ効果について述べられている。しかし、微細凹凸構造は形状が高さ方向に著しく細長く、かつ周辺の低屈折率層も機械的強度が不十分なため、外力が加わった際に構造が破壊する恐れがある。
このように、従来の反射防止構造体においては、優れた反射防止特性と、十分な機械的強度を両立することは困難で、反射防止特性を向上させた結果、機械的強度が犠牲となる傾向があった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、優れた反射防止特性をもち、かつ表面に加わった外力に対して十分な機械的強度を有する反射防止構造体及びその製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決する反射防止構造体は、基板と、前記基板上に形成された高さが同じか又は異なる複数の突起部を備えた中間層と、前記中間層の突起部上に形成された屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層とを有する反射防止構造体であって、前記中間層の突起部がモース硬度5以上の材料からなり、且つ前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出していることを特徴とする。
上記の課題を解決する反射防止構造体の製造方法は、基板上にモース硬度5以上の材料からなる中間層を形成する工程と、前記中間層の表面に高さが同じか又は異なる複数の突起部を形成する工程と、前記中間層の突起部上に屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層を、前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出するように形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、優れた反射防止特性をもち、かつ表面に加わった外力に対して十分な機械的強度を有する反射防止構造体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の反射防止構造体の一実施態様を示す概略図である。 本発明の反射防止構造体の他の実施態様を示す概略図である。
以下、本発明の反射防止構造体に関する実施の形態を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の反射防止構造体の一実施態様を示す概略図である。本発明の反射防止構造体は、基板11と、前記基板11上に形成された高さが同じか又は異なる複数の突起部13を備えた中間層12と、前記中間層の突起部上に形成された屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層14とを有する。
前記中間層12の突起部がモース硬度5以上の材料からなり、且つ前記中間層の突起部13の少なくとも一部が前記多孔質層14の表面に露出しているので、外力が表面に加わった際の多孔質層の破壊を防ぐことができる。具体的には、モース硬度5以上の機械的強度に優れた材料からなる中間層の突起部が、最表面低屈折率層である多孔質層を貫通して表面に達している。このことにより、反射防止構造体の表面に対して外力が加わった際、中間層の突起部が外力に対する支柱として作用し、多孔質層の破壊を防ぐことができる。
本発明により、レンズユニットの外装部分やディスプレイ表面などにおいても、優れた反射防止特性と充分な機械的強度を両立した反射防止構造体を形成することができる。
本発明の反射防止構造体の製造方法は、下記の(1)から(3)の工程を有することを特徴とする。
(1)基板上にモース硬度5以上の材料からなる中間層を形成する工程。
(2)前記中間層の表面に高さが同じか又は異なる複数の突起部を形成する工程。
(3)前記中間層の突起部上に屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層を、前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出するように形成する工程。
本発明における基板11は、光学レンズやディスプレイパネルなど、用途に応じた材料及び構造から選択される。反射防止構造体の各形成プロセスに対して、充分な耐熱性・耐薬品性をもった基板材料であれば、特に制限は無い。後述する多孔質層14としてメソポーラスシリカ等を用いる際は、多孔質層の形成時に300℃以上の焼成プロセスが必要になる場合もある。このような場合には、例えば石英ガラスやホウケイ酸ガラス等が好ましく用いられる。また、反射防止特性をより高めるために、あらかじめ基板上に誘電体多層膜が形成されていても良い。
また、中間層形成時の膜質の向上や、基板表面の不純物を除去する目的で、基板の表面に対してあらかじめ溶媒洗浄、UVオゾン洗浄などを施しても良い。
本発明における中間層12は、突起部13を有し、中間層12と突起部13とは同じ材料から形成されるのが好ましい。または、中間層12と突起部13とは異なる材料から形成されてもよいが、突起部13はモース硬度が5以上の材料が好ましい。
中間層12としては、後の工程で形成される中間層の突起部13が外力19に対して支柱として働き、多孔質層14の破壊を防ぐのに十分な強度を持つことが必要である。この際の基準として、中間層12はモース硬度が5以上の材料で、かつ透過性に優れた材料が好ましい。モース硬度が5未満の材料では、光学薄膜の評価基準として一般的に用いられる鉛筆硬度試験においても、突起部13が充分な機械的強度を維持できず、破壊する場合がある。これは、反射防止構造体に対して外力が加わった際、多孔質層の表面に傷が付き、そこが入射光に対する散乱源となって反射防止特性が低下する恐れがあることを示す。
一般的な材料のモース硬度を、表1に示す。
Figure 2012058590
中間層12の屈折率nは、基板11の屈折率をn、多孔質層14の屈折率をnとすると、
<n<n
の関係を満たすが望ましい。この条件が満たされることにより、基板11から中間層12、多孔質層14、空気の順に屈折率が減少していくため、反射防止特性に優れた構造が得られる。
以上の条件を満たす中間層12の材料としては、無機酸化物や無機フッ化物が好ましい。中間層が、シリカもしくはフッ化マグネシウムを含有することが好ましい。特にモース硬度6.5から7、屈折率1.46のシリカ、又は、モース硬度6、屈折率1.38のフッ化マグネシウム等が、モース硬度、屈折率、光透過性、材料コストなどの観点から望ましい。
中間層12の形成方法は特に制限は無く、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾルゲル法などが挙げられる。後の工程で形成する中間層の突起部13の形状にもよるが、具体的には100nmから1000nm程度の膜厚が望ましい。
次に本発明における中間層の突起部13について説明する。
突起部13は、中間層12の上面に微細な凹凸構造を形成することにより得られる。手法としては、例えばフォトリソグラフィ、ブロック共重合体や微粒子をエッチングマスクとしたドライエッチング、別の鋳型構造を利用したモールド成型などの公知技術により形成可能である。例えば、エッチングマスクを形成した後、ドライエッチングを用いて微細凹凸構造を形成することができる。例えば、特許第3940546号公報に記載されている技術を用いることができる。ただし、中間層の製造工程のみで目的とする微細な凹凸構造が形成できる場合には、本工程は省略することが可能である。
中間層の突起部13の形状に関しては、図1に示すように、中間層の突起部の底面部の幅16が150nm以下であり、且つ突起部の底面部の断面積の合計が中間層の面内の面積の40%以上を占めることが好ましい。突起部の底面部における幅16が150nmより大きいと、特に可視域の入射光に対して余分な回折もしくは散乱が生じるので、光学特性上好ましくない。また、突起部の底面部における断面積が40%より小さい場合は、外力に対して突起部が支柱として働く効果が小さくなり、十分な機械的強度が得られない。
突起部13の形状は、円錐状もしくは円錐台状で、特に錐台形状であることが好ましい。錐台形状の場合、多孔質層14と突起部13の間で光学界面をなくすことが出来、中間層から多孔質層表面に向かって徐々に屈折率が低下する構造を形成することができる。なお、反射防止構造体の光学設計によっては、突起部が柱状形状であっても良い。この場合、中間層から空気面へ向けて屈折率が徐々に減少する効果はないが、表面に露出する突起部先端15の面積が広くなる分、外力に対する機械的強度が向上する。
また突起部の高さは、適用する波長領域、基板・中間層・多孔質層の各々の屈折率及び膜厚にもよるが、一般には30nm以上1000nm以下の範囲が望ましい。突起部の高さが30nmより小さい場合、多孔質層14と中間層の突起部13の間の界面が、入射光に対して光学的な界面として機能する恐れがある。また突起部13の高さが1000nmより大きい場合、突起部13の凹凸が大きすぎるため、後の多孔質層14の均一成膜が困難になる。
中間層の突起部が、多孔質層を貫通して前記多孔質層の表面より0nm以上20nm以下の範囲の高さで露出していることが好ましい。なお、露出が0nmとは、中間層の突起部の先端と、多孔質層の表面が同一平面である場合を示す。露出が20nmとは、中間層の突起部の先端が、多孔質層の表面より上方に20nmの高さに突出している場合を示す。
中間層の突起部に関して、必ずしも全ての頂点が多孔質層の表面に露出している必要は無い。突起部の先端が多孔質層14の表面に達していない部分17があっても良い。
次に本発明における多孔質層14について説明する。
本発明における多孔質層としては、反射防止構造体として適用する波長領域にもよるが、入射光に対して散乱源とならない程度に充分に空孔サイズが小さいことが望ましい。同時に、多孔質層内部において空孔が均一に分布していて屈折率ムラが無いことも必要である。これらの条件から、多孔質層としては、メソポーラス構造であることが望ましい。メソポーラス構造とは2nm以上50nm以下の径を持つ空孔が分散した構造で、例えばChem.Mater.2002,14,3284に記載がある。前記多孔質層が、シリカを含有することが好ましい。
メソポーラス構造として、特に材料としてシリカを用いたメソポーラスシリカが好ましい。シリカは光透過性に優れ、シリカ自体の屈折率が1.46程度と低いため、メソポーラス構造にすることでさらに低屈折率な多孔質層となり、反射防止特性に優れた構造を形成することができる。またシリカは製造過程において結晶化しにくいため、ドメイン構造を作りにくく、異方性を持たないという点も成膜上有利である。またメソポーラスシリカは材料コスト、プロセスコストの面でも優れており、生産上有利である。
メソポーラスシリカの中でも特に、X線回折分析で構造評価した際に、面間隔1nm以上に相当する角度領域に少なくとも一つの回折ピークを示す構造であることが望ましい。構造均一性を有するメソポーラスシリカを用いることにより、形成時及び形成後に薄膜内に加わる応力に対する耐性がさらに向上する。
上記メソポーラスシリカは、一般的には界面活性剤のような両親媒性物質の分子集合体を鋳型にして作製され、連続したシリカマトリクス中にメソ細孔が均一に分散して存在している構造を有する。本発明に用いられるメソポーラス構造は、これに限定されるわけではない。例えば、反射防止構造体として適用する波長領域に対して、充分小さい粒径の微粒子が集積した微粒子膜構造でも良い。この場合、微粒子と微粒子の隙間の空孔が存在することで、微粒子膜構造全体の屈折率が微粒子を構成する材料のバルクの屈折率よりも減少し、前述のメソポーラスシリカと同様の効果が得られる。この場合の微粒子の材料としては、屈折率1.46のシリカや、屈折率1.38のフッ化マグネシウムなどが望ましい。このような微粒子が集合した構造体に関しても、構造内に微粒子間の空孔部が2から50nm程度の大きさであれば、メソポーラス構造の一つとみなすことができる。
以下、多孔質層として界面活性剤の自己集合によって形成されるメソポーラスシリカを用いた際の、多孔質層の形成方法について説明する。メソポーラスシリカの作製方法に特別な制限は無く、例えばChem.Mater.2002,14,3284に記載があるような公知の方法を用いればよい。具体的には、シリカ源、アルコール、酸又は塩基触媒、水、空孔の鋳型材料と成る界面活性剤及び/又は有機ポリマー、の各々を所定の比で混合、攪拌し、ゾルゲル反応液を作成する。次に、突起部を含む中間層表面にゾルゲル反応液を塗布し、中間層と多孔質層の積層構造を形成する。この際、多孔質層の膜質向上の目的で、中間層の表面に対して溶剤洗浄やUVオゾン処理などの前処理を施してもよい。ゾルゲル反応液の塗布方法は特に制限は無く、例えばスピンコート、ディップコート、スプレーコートなどの手法を用いることができる。ゾルゲル反応液を塗布した後、必要に応じて一定時間のエージング処理もしくはアニール処理を施し、シラノール基間の縮合を進行させる。その後、電気炉中での焼成処理などをして鋳型材料を除去することにより、メソポーラスシリカ薄膜を得ることができる。
本発明における多孔質層において、優れた反射防止特性を実現するためには多孔質層の屈折率が1.2以上1.3以下であることが望ましい。多孔質層の膜厚は、反射防止構造体を適用する波長領域や、中間層より下層部分まで含めた上での光学設計にもよるが、中間層の突起部の高さの条件と同等の30nm以上1000nm以下の範囲が望ましい。
本発明において、1μm四方の範囲内において少なくとも一つ以上の中間層の突起部の頂点が多孔質層の表面に露出していることが好ましい。上述した中間層上への多孔質層の形成において、塗布条件の制御により、中間層の突起部の頂点が露出している構造を形成しても良い。このとき、突起部の頂点は、多孔質層表面より上方で0nm以上20nm以下の範囲に露出していることが好ましい。突起部の頂点が多孔質層表面より20nmを越えて突出していると、擦れを伴うような外力が加わった際に、突出した突起部が折れて多孔質層にクラックや傷が入る恐れがある。
また、中間層の突起部の頂点が露出しない厚さで屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層を形成し、研磨などの物理的処理及び/又は溶解などの化学的処理を多孔質層表面に施し、中間層の突起部が多孔質層表面に露出するまで多孔質層を薄膜化しても良い。
以上の説明により得られた本発明の反射防止構造体は、最表面が低屈折率の多孔質層から形成され、多孔質層表面において中間層の突起部の先端が露出している構造からなる。この反射防止構造体は、多孔質層の屈折率が低いことにより優れた反射防止特性を有する。また、外部から局所的な力が加わった際に、強度に優れた中間層の突起部が外力に対する支柱の役割を果たし、多孔質層の破壊を防ぐ。この結果、優れた反射防止特性と機械的強度を両立した、反射防止構造体を得ることができる。
本発明の反射防止構造体においては、図2に示すように、さらに前記多孔質層の上に、厚さ10nm以下で、且つモース硬度5以上の材料からなるハードコート層20を有してもよい。反射防止特性に悪影響を与えないような十分に薄い膜厚で、多孔質層よりも機械的強度に優れたハードコート層20を形成してもよい。ハードコート層は中間層と同様にモース硬度5以上であれば、外部から加わる力に対してハードコート層20と中間層の突起部13の両方で抵抗することができる。その結果として多孔質層14の破壊をより効果的に防ぐことができる。ハードコート層の材料としては、例えばモース硬度6.5のシリカ等を用いることが望ましい。また、ハードコート層表面にさらに疎水化処理などの化学修飾を施しても良い。
BK7(屈折率1.52)ガラス基板の表面を純水及びアルコールを用いて溶媒洗浄した後、UVオゾン処理を30分行い表面洗浄した。次に、基板表面にスピンオングラス溶液を用いて、膜厚300nmのシリカ(モース硬度6.5、屈折率1.46)からなる中間層を形成した。次に公知の方法を用いてエッチングマスクを形成した中間層の表面に対してドライエッチング処理を施し、中間層の突起部を形成した。この中間層の突起部に関して、走査型電子顕微鏡により構造を確認したところ、高さ約200nm、底面部の幅約100nm、頂点部の幅約20nmの円錐台構造であった。
次に多数の中間層の突起部の表面を溶媒洗浄及びUVオゾン洗浄処理した後、公知の手法を用いて屈折率が1.29のメソポーラスシリカを中間層の上部にディップコート法により成膜した。このとき、塗布条件を制御することにより、1μm四方の面内において少なくとも一つ以上の中間層の突起部の先端が、メソポーラスシリカ層表面に露出する条件で成膜を行った。
この多孔質層積層構造に関して走査型電子顕微鏡により構造を確認した。多孔質層表面から約0から20nmの高さで先端部が露出している中間層の突起部が、観察範囲中で任意の1μm四方の面内に少なくとも1つ以上あった。
また、反射防止構造体表面についてX線回折分析を行った。メソポーラスシリカ層に由来する、面間隔約8nmに相当する角度領域に回折ピークが観測された。
以上により得られた反射防止構造体は図1と同様の構造をもち、反射防止特性に優れつつ(波長550nmにおける反射率が0.5%以下)、鉛筆強度試験において硬度6Bの鉛筆強度に耐え得る強度を持っていた。
BK7(屈折率1.52)ガラス基板の表面を純水及びアルコールを用いて溶媒洗浄した後、UVオゾン処理を30分行い表面洗浄した。次に、基板表面にスピンオングラス溶液を用いて、膜厚300nmのシリカ(モース硬度6.5、屈折率1.46)からなる中間層を形成した。次に公知の方法を用いてエッチングマスクを形成した中間層表面に対してドライエッチング処理を施し、中間層の突起部を形成した。この中間層の突起部に関して、走査型電子顕微鏡により構造を確認したところ、高さ約200nm、底面部の幅約100nm、頂点部の幅約20nmの円錐台構造であった。
次に多数の中間層の突起部の表面を溶媒洗浄及びUVオゾン洗浄処理した後、公知の手法を用いて屈折率が1.29のメソポーラスシリカ層を中間層の上部にディップコート法により成膜した。このとき、メソポーラスシリカ層表面に中間層の突起部の頂点が露出しない厚さに成る条件で成膜した。
このメソポーラスシリカ層積層構造に関して走査型電子顕微鏡により構造を確認した。観察範囲内で最も高い中間層の突起部の頂点からメソポーラスシリカ層の最表面まで、50nmの距離があった。その後、メソポーラスシリカ層の表面に研磨処理を施してメソポーラスシリカ層表面を50nm以上除去した。
この構造に関して走査型電子顕微鏡により構造を確認した。多孔質層表面から約0から20nmの高さで先端部が露出している中間層の突起部が、観察範囲中で任意の1μm四方の面内に少なくとも1つ以上あった。また、反射防止構造体表面についてX線回折分析を行ったところ、メソポーラスシリカ層に由来する、面間隔約8nmに相当する角度領域に回折ピークが観測された。
以上により得られた反射防止構造体は図1と同様の構造をもち、反射防止特性に優れつつ(波長550nmにおける反射率が0.5%以下)、鉛筆強度試験において硬度6Bの鉛筆強度に耐え得る強度を持っていた。
実施例2の手法に基づき反射防止構造体を形成した後、表面にスピンオングラス溶液を用いて厚さ10nmのシリカ(モース硬度6.5)からなるハードコート層を形成した。以上により得られた反射防止構造体は図2と同様の構造をもち、反射防止特性に優れつつ(波長550nmにおける反射率が0.5%以下)、鉛筆強度試験において硬度6Bの鉛筆強度に耐え得る強度を持っていた。
(比較例1)
BK7(屈折率1.52)ガラス基板の表面を純水及びアルコールを用いて溶媒洗浄した後、UVオゾン処理を30分行い表面洗浄した。次に、基板表面にスピンオングラス溶液を用いて、膜厚300nmのシリカ(モース硬度6.5、屈折率1.46)からなる中間層を形成した。次に公知の方法を用いてエッチングマスクを形成した中間層表面に対してドライエッチング処理を施し、中間層の突起部を形成した。この中間層の突起部に関して、走査型電子顕微鏡により構造を確認したところ、高さ約200nm、底面部の幅約100nm、頂点部の幅約20nmの円錐台構造であった。
次に多数の中間層の突起部の表面を溶媒洗浄及びUVオゾン洗浄処理した後、公知の手法を用いて屈折率が1.29のメソポーラスシリカ層を中間層の上部にディップコート法により成膜した。このとき、メソポーラスシリカ層表面に中間層の突起部の頂点が露出しない厚さに成るように成膜した。
このメソポーラスシリカ層積層構造に関して走査型電子顕微鏡により構造を確認した。観察範囲内で最も高い中間層の突起部の頂点からメソポーラスシリカ層の最表面まで、50nmの距離があった。この反射防止構造体表面についてX線回折分析を行ったところ、メソポーラスシリカ層に由来する、面間隔約8nmに相当する角度領域に回折ピークが観測された。
以上により得られた反射防止構造体は、初期状態では反射防止特性は優れていたものの(波長550nmにおける反射率が0.5%以下)硬度6Bの鉛筆強度試験でも表面のメソポーラスシリカ層に傷がついた。
本発明の反射防止構造体は、カメラレンズ等の光学素子のほか、各種ディスプレイパネル表面などに適用することができる。
11 基板
12 中間層
13 中間層の突起部
14 多孔質層
15 突起部の先端部
16 中間層の突起部の底面部の幅
17 多孔質層表面に露出していない中間層の突起部の先端部
18 多孔質層表面
19 外力
20 ハードコート層

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上に形成された高さが同じか又は異なる複数の突起部を備えた中間層と、前記中間層の突起部上に形成された屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層とを有する反射防止構造体であって、前記中間層の突起部がモース硬度5以上の材料からなり、且つ前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出していることを特徴とする反射防止構造体。
  2. 前記中間層の突起部の底面部の幅が150nm以下であり、且つ突起部の底面部の断面積の合計が中間層の面内の面積の40%以上を占めることを特徴とする請求項1に記載の反射防止構造体。
  3. 前記突起部が、前記多孔質層を貫通して前記多孔質層の表面より0nm以上20nm以下の範囲の高さで露出していることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止構造体。
  4. 前記中間層が、シリカもしくはフッ化マグネシウムを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の反射防止構造体。
  5. 前記多孔質層が、X線回折分析で構造評価した際に、面間隔1nm以上に相当する角度領域に少なくとも一つの回折ピークを示すメソポーラス構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の反射防止構造体。
  6. 前記多孔質層が、シリカを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の反射防止構造体。
  7. 前記多孔質層の上に厚さ10nm以下で、且つモース硬度5以上の材料からなるハードコート層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の反射防止構造体。
  8. 基板上にモース硬度5以上の材料からなる中間層を形成する工程と、前記中間層の表面に高さが同じか又は異なる複数の突起部を形成する工程と、前記中間層の突起部上に屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層を、前記中間層の突起部の少なくとも一部が前記多孔質層の表面に露出するように形成する工程とを有することを特徴とする反射防止構造体の製造方法。
  9. 前記多孔質層の上に、さらにハードコート層を形成する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の反射防止構造体の製造方法。
  10. 前記中間層の突起部上に屈折率が1.2以上1.3以下の多孔質層を形成した後、前記多孔質層の表面に物理的処理及び化学的処理の少なくとも1つを施して、前記中間層の突起部の少なくとも一部を前記多孔質層の表面に露出させることを特徴とする請求項8または9に記載の反射防止構造体の製造方法。
JP2010203200A 2010-09-10 2010-09-10 反射防止構造体及びその製造方法 Pending JP2012058590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010203200A JP2012058590A (ja) 2010-09-10 2010-09-10 反射防止構造体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010203200A JP2012058590A (ja) 2010-09-10 2010-09-10 反射防止構造体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012058590A true JP2012058590A (ja) 2012-03-22

Family

ID=46055732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010203200A Pending JP2012058590A (ja) 2010-09-10 2010-09-10 反射防止構造体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012058590A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130113642A (ko) * 2012-04-06 2013-10-16 삼성코닝정밀소재 주식회사 광추출 효율이 향상된 유기 발광소자용 기판, 그 제조방법 및 이를 구비하는 유기 발광소자
KR20130125422A (ko) * 2012-05-09 2013-11-19 삼성코닝정밀소재 주식회사 디스플레이용 다공성 유리 기판 및 그 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130113642A (ko) * 2012-04-06 2013-10-16 삼성코닝정밀소재 주식회사 광추출 효율이 향상된 유기 발광소자용 기판, 그 제조방법 및 이를 구비하는 유기 발광소자
KR101602418B1 (ko) 2012-04-06 2016-03-10 코닝정밀소재 주식회사 광추출 효율이 향상된 유기 발광소자용 기판, 그 제조방법 및 이를 구비하는 유기 발광소자
EP2648240A3 (en) * 2012-04-06 2016-07-27 Corning Precision Materials Co., Ltd. Substrate for organic light-emitting device with enhanced light extraction efficiency, method of manufacturing the same and organic light-emitting device having the same
KR20130125422A (ko) * 2012-05-09 2013-11-19 삼성코닝정밀소재 주식회사 디스플레이용 다공성 유리 기판 및 그 제조방법
KR101602470B1 (ko) 2012-05-09 2016-03-10 코닝정밀소재 주식회사 디스플레이용 다공성 유리 기판 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5220066B2 (ja) 機能性表面の製造方法
KR101091851B1 (ko) 투명성 기재에 반사방지 효과를 부여하는 코팅조성물 및 그 코팅조성물을 사용하여 반사방지 기능을 갖는 투명성 기재의 제조방법
ES2321390T3 (es) Proceso de revestimiento de superficie nano-estructurada, revestimientos nano-estructurados y articulos que comprenden el revestimiento.
KR101965022B1 (ko) 광촉매막을 구비한 유리 물품
US7780776B2 (en) Antiglare coatings and articles
JP5239861B2 (ja) ガラス基板表面の平滑化方法、および、該方法により得られるeuvリソグラフィ用反射型マスクブランク用の基板
JP5784528B2 (ja) 防眩性ガラス基板およびその製造方法
TWI572947B (zh) 具有光擴散玻璃面板之顯示裝置
JP2013539550A (ja) 多孔質シリカナノ粒子を含む光学コーティング
TW201249768A (en) Glass article having antireflective layer and method of making
CN1766679A (zh) 起偏器及其制造方法
US9212088B2 (en) Method for manufacturing optical member
JP6053262B2 (ja) 光学素子、それを用いた光学系および光学機器
JP2019215448A (ja) 防眩膜付基材、画像表示装置、及びデジタルサイネージ
US20170291392A1 (en) Article having low reflection film
US7598595B2 (en) Fabrication of nanoporous antireflection film
US20130271843A1 (en) Process for producing a reflection-reducing interference layer system as well as reflection-reducing interference layer system
JP2012058590A (ja) 反射防止構造体及びその製造方法
JP2015011164A (ja) 光学部材及び撮像装置
JP2017049313A (ja) 反射防止膜、光学部材、反射防止膜の製造方法および光学部材の製造方法
JP2009186670A (ja) 反射防止膜
JP2020038311A (ja) 撥水性反射防止構造体
KR20130068549A (ko) 비반사 유리 및 그 제조방법
CN108732655B (zh) 光学组件及制造方法,光伏器件
KR102272710B1 (ko) 중공 나노 기둥이 구비된 유리의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 중공 나노 기둥이 구비된 유리