JP2012057948A - 透過型近赤外線分光計測装置および透過型近赤外線分光計測方法 - Google Patents

透過型近赤外線分光計測装置および透過型近赤外線分光計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高価なハイパースペクトルカメラを使用することなく、推定精度の高い検量線を得て、目的成分濃度を高精度で非破壊計測する方法ならびに装置を提供する。
【解決手段】波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を葉菜などの計測対象に照射し、その透過光を受光して近赤外線吸光スペクトルを取得し、検量線を用いて計測対象の目的成分濃度を非破壊計測する近赤外線分光計測法において、所定の径の貫通孔を設けた近赤外線の遮蔽部材または吸収部材を用いて、計測対象を挟み込み、該貫通孔に向け近赤外線光を照射し、照射範囲を該貫通孔から露出する部位に限定することにより線量線の推定精度を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外線分光法による野菜等の成分の非破壊計測法および非破壊計測装置に関するもので、特に、野菜中の硝酸イオン濃度,抗酸化物質濃度,ビタミンC濃度の非破壊計測に利用できる。
ホウレンソウやレタスなどの野菜について、これらの生葉を直接測定対象として、近赤外線分光法を使用することにより、野菜中の硝酸イオン濃度を非破壊で計測する技術が知られている(特許文献1)。かかる近赤外線分光法においては、測定条件を理想的な状態にして、波長分解能が高く波長範囲の広い高価な近赤外線分光計を使用することにより、推定精度の高い検量線を得て、硝酸イオン濃度を高精度で非破壊計測する。
しかしながら、安価で波長分解能が低い近赤外線分光計を使用して、現場レベルの外乱の多い条件で測定する場合は、推定精度の高い検量線を得ることが困難であるといった問題がある。
また、一般に使用されている近赤外線分光計の光源はハロゲンランプである。ハロゲンランプの光は、太陽光のような平行光ではなく、光源から離れるにつれて、光は光源から円錐状に拡がる。測定対象が二次元的あるいは三次元的に一様な性質を有している場合は、光路の拡がりがあっても得られる反射スペクトルや透過スペクトルは、測定対象の特性を反映する。しかしながら、空間内で測定対象の特性が変化し分布する場合は、得られるスペクトルは拡がりのある測定部の平均的な性質のみを示し、測定面内の狭い領域から発せられるスペクトルと測定面全体から得られるスペクトルとでは性質が異なる。
具体的な例を挙げて説明する。例えば、葉菜内の硝酸イオン濃度は葉面内で大きく異なり濃度分布が大きい。このような場合、葉面の広い領域から得られる反射スペクトルや透過スペクトルからは精度の高い検量線は得られないといった問題がある。すなわち、通常使用されている近赤外線分光計(FANTEC社製FRUIT
QUALITY ANALYZER 600〜1100nm、分解能2nm)を使用して、コマツナ葉中の硝酸イオン濃度を測定する検量線を作成したものでは、測定対象が株全体や一葉の場合では、推定値と実測値との相関係数は0.7程度に留まり、実用化としては困難な推定精度である。
発明者らは、既に、ハイパースペクトルカメラを用いて、二次元画像内の画素単位で、測定面内の各点の近赤外線スペクトルを計測することにより、検量線の推定精度を向上できることの知見を得た(特許文献2)。しかしながら、ハイパースペクトルカメラを用いた測定システムは高価であり、処理時間も非常に長くなるといった問題がある。
かかる状況下、高価なハイパースペクトルカメラを使用せず、従来の近赤外線分光計を使用し、葉面内の硝酸イオン濃度などを高精度で計測できる方法ならびに装置が求められている。
再表2005/111583号公報 特願2009−55779号
上記問題に鑑みて、本発明は、高価なハイパースペクトルカメラを使用することなく、推定精度の高い検量線を得て、目的成分濃度を高精度で非破壊計測する方法ならびに装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決すべく、本発明の透過型近赤外線分光計測法は、波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を葉菜などの計測対象に照射し、その透過光を受光して近赤外線吸光スペクトルを取得し、検量線を用いて計測対象の目的成分濃度を非破壊計測する近赤外線分光計測法において、所定の径の貫通孔を設けた近赤外線の遮蔽部材または吸収部材を用いて、計測対象を挟み込み、該貫通孔に向け近赤外線光を照射し、照射範囲を該貫通孔から露出する部位に限定することにより線量線の推定精度を向上させたものである。
波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を葉菜などの計測対象に照射し、その透過光を受光して近赤外線吸光スペクトルを取得する。これは、成分濃度の計測しようとする標的物質の特性吸収帯のスペクトルを測定するのではなく、該標的物質と水など他の物質とのコンプレックスか、あるいは配位体などの吸収波長を測定することによって、該標的物質の測定に替えているのである。すなわち、成分濃度の計測しようとする標的物質の非特性吸収帯である波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の近赤外線の波長領域の光を測定対象物に照射し、その吸収スペクトルから目的成分濃度を計測しようというものである。
なお、特性吸収帯とは、ある種の原子団(官能基など)は、どんな分子の中にあってもほぼきまった波数領域に赤外吸収帯を示し、その吸収帯をその原子団の特性吸収帯といい、2500〜25000nmの波長領域の中赤外線に現れ、特に、6000〜15000nmの波長領域は物質独特の吸収パターンを持ち、指紋領域と呼ばれている。
また、近赤外線の遮蔽部材や吸収部材とは、部材自体が近赤外線を遮蔽したり吸収したりするものでも、部材自体の表面や内壁に遮蔽フィルムや遮熱塗料が塗布されているものでも構わない。
ここで、近赤外線の遮蔽部材や吸収部材に設ける貫通孔の径は、10mm以下であり、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは1mm以下である。貫通孔の径を小さくすることにより、検量線を精度よく作成でき、目的成分濃度を精度よく推定できる。
本発明によれば、高価なハイパースペクトルカメラを用いることなく、検量線を精度よく作成でき、目的成分濃度を精度よく推定できる。また、葉菜などの測定対象物を挟み込み限定された範囲に近赤外線光を照射するので、装置自体のコンパクト化が図れ、現場での携帯型装置として利用することができる。
次に、本発明の透過型近赤外線分光計測装置は、波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を照射する近赤外線光照射手段と、照射スポット径を所定の径にする照射範囲限定手段と、照射スポットの周囲に設けた可視光〜近赤外線光の吸収手段と、照射スポットからの透過光を受光し近赤外線吸光スペクトルを取得する受光手段と、近赤外線吸光スペクトルから検量線を作成する検量線作成手段と、を備えた構成とされるものである。
かかる構成によれば、高い精度の検量線を作成することが可能であり、近赤外線吸光スペクトルから葉菜中の有毒物質もしくは有用物質の葉菜中濃度を高い精度で非破壊計測することができる。
照射スポットの周囲に設けた可視光〜近赤外線光の吸収手段によって、照射スポットの外側に向かう可視光〜近赤外線光の光を吸収させる。これにより、照射スポット内の近赤外線光の光による影響だけを得ることが可能となる。
また、本発明の透過型近赤外線分光計測装置において、上記の近赤外線光の照射スポット径は、10mm以下であり、より好ましくは5mm以下、更に好ましくは1mm以下である
近赤外線光の照射スポット径を小さくすることにより、検量線を精度よく作成でき、目的成分濃度を精度よく推定できる。
本発明によれば、高価なハイパースペクトルカメラを用いることなく、検量線を精度よく作成でき、目的成分濃度を精度よく推定できる。また、葉菜などの測定対象物を挟み込み限定された範囲に近赤外線光を照射するので、装置自体のコンパクト化が図れ、現場での携帯型装置として利用することができる。
また、本発明の透過型近赤外線分光計測装置における照射範囲限定手段は、近赤外線光照射手段から照射された近赤外線を、集光レンズにより平行光とし計測対象に垂直に照射、もしくは集光レンズにより集光させ計測対象に垂直に照射、させるものであることが好ましい態様である。
ここで、集光レンズは近赤外線用のレンズを用いる。前述した如く、近赤外線光照射手段は、ハロゲンランプ等の近赤外線光源を用いており、光源から発せられた光は、光源から離れるにつれ光が円錐状に拡がる。仮に、光源から発せられる光をファイバープローブなどで導光させたとしても、プローブ先端から発せられる光は、プローブ先端から離れるにつれ光が円錐状に拡がる。従って、集光レンズで近赤外線を集光させて、測定対象物の照射スポットを限定させるようにする。
また、本発明の透過型近赤外線分光計測装置における吸収手段は、照射範囲限定手段を兼ね、照射スポット径の貫通孔を設けたものであることが好ましい態様である。
具体的には、吸収手段に貫通孔を設け、貫通孔の部分だけに近赤外線が照射されるようにする。
また、本発明の透過型近赤外線分光計測装置における吸収手段は、照射範囲限定手段を兼ね、照射スポット径の貫通孔を設けた第1吸収手段と第2吸収手段とから成り、近赤外線光照射手段の照射部先端に第1吸収手段が設けられ、受光手段に第2吸収手段が設けられ、第1吸収手段と第2吸収手段で計測対象を挟み込むことが好ましい態様である。
ここで、本発明の透過型近赤外線分光計測装置における吸収手段は、具体的には、近赤外線を吸収し得るゴム材である。
また、近赤外線光照射手段の照射部先端に第1吸収手段が設けられるというのは、例えば、ファイバープローブ先端に近赤外線光を吸収可能なゴム材が設けられている状態を指す。また、受光手段に第2吸収手段が設けられるというのは、例えば、受光器の周囲を覆うように近赤外線光を吸収可能なゴム材が設けられている状態を指す。
両方のゴム材には、照射スポット径の貫通孔を設けられており、葉菜などの測定対象物を挟み込め、両方のゴム材の貫通孔を通して、近赤外線光が照射されるようにする。
本発明の透過型近赤外線分光計測装置を用いて、ホウレンソウ、サラダホウレンソウ、レタス、サニーレタス、サラダ菜、春菊、ターツァイ、チンゲンサイ、キャベツ、ハクサイ、コマツナ、及びミズナからなる群から選ばれる野菜中の硝酸イオン濃度、抗酸化物質の濃度、もしくは、ビタミンC濃度を計測することが、現場において簡便に精度よく可能となる。
特に、後述する実施例で説明するように、抗酸化物質の濃度(抗酸力)やビタミンC濃度は、非常に高い精度で測定可能である。
上述したように、本発明によれば、推定精度の高い検量線を得て、目的成分濃度を高精度で非破壊計測できるといった効果を有する。
特に、葉菜中の硝酸イオン濃度やビタミンC濃度を高精度で非破壊計測できるといった効果を有する。
透過型近赤外線分光計測装置の概略構成図 ホウレンソウの測定スペクトル(ホウレンソウの校正用データの前処理後のスペクトル) ホウレンソウ葉片の硝酸イオン濃度に関する検量線の推定値と実測値との比較を示したグラフ 小松菜の測定スペクトル(小松菜の校正用データの前処理後のスペクトル) 小松菜の葉片の硝酸イオン濃度に関する検量線の推定値と実測値との比較を示したグラフ 小松菜の測定スペクトル(小松菜の校正用データの前処理後のスペクトル) 小松菜の葉片の抗酸化力に関する検量線の推定値と実測値との比較を示したグラフ 小松菜の葉片のビタミンC濃度に関する検量線の推定値と実測値との比較を示したグラフ 抗酸化力の実測値と推定値の比較 ビタミンC濃度の実測値と推定値の比較 透過型近赤外線分光計測装置の装置構成の他の実施例(1) 透過型近赤外線分光計測装置の装置構成の他の実施例(2) 透過型近赤外線分光計測装置の装置構成の他の実施例(3)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
本発明の透過型近赤外線分光計測装置は、図1に示すように、波長600nm〜1050nmの範囲の波長光を測定対象に照射する近赤外線光源1と、透過スペクトルを計測する受光器2と、コンピュータ3から構成される。近赤外線光源1はハロゲンランプを使用する。近赤外線光源1から発せられた光は、ファイバープローブ11を介して測定対象物4に近赤外線を照射される。
測定対象物4は、近赤外線を吸収可能なゴム8で挟まれている。ゴム8には、貫通孔9が設けられている。貫通孔は円形である。貫通孔の径が、測定対象物4の照射スポット径になる。ファイバープローブ11とゴム8は接触しており、照射光6の中に外部から光が入らないようになっている。また、受光器2もゴム8と接触しており、透過光7の中に外部からの光が入らないようになっている。
ここで、コンピュータ3には、検量線作成プログラムと成分解析プログラムが搭載されている。検量線作成プログラムは、近赤外線領域の特定波長の吸光度から検量線を作成する機能を有する。また、成分解析プログラムは、得られた特定波長の吸光度から検量線を用いて測定対象物4の目的成分濃度を計測する機能を有する。コンピュータ3は、透過スペクトルデータ、多変量解析用プログラム、検量線の計測モデルなどの各種データを記憶する記憶部と、これらのデータおよびプログラムに基づき演算処理を行う演算処理部とによって構成される。コンピュータ3は、例えばICチップなどによって実現可能であり、本発明の透過型近赤外線分光装置は、コンパクト化を図り携帯型の測定装置とすることも容易である。
近赤外線光源1から近赤外線波長の波長光を測定対象物4の供試植物の葉(ホウレンソウ、小松菜)に照射し、その照射光6に伴う透過光7を受光器2で捕らえて特定波長の吸光度を計測する。受光器2はUSBケーブル等の信号ケーブル5でコンピュータ3と接続されている。
なお、受光器2とコンピュータ3の間のデータは、有線または無線の通信ネットワーク、あるいは、メモリ媒体などでデータを授受してもよい。またコンピュータ3は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報端末でもよい。
また、近赤外線光源1は、ハロゲンランプ等を使用できるが、特に限定されるものではない。近赤外線光源1から発せられた光は、ファイバープローブ11を介して測定対象物4に照射されるか、または、直接照射される。さらに、測定対象物4に照射する前に分光器によって分光する前分光方式を採用してもよいし、照射後に分光する後分光方式を採用してもよい。前分光方式の場合は、光源からの光をプリズムで一度に同時に分光する方法と、回折格子のスリット間隔を変化させることにより連続的に波長を変化させる方法とがある。一方、後分光方式の場合は、光源からの光を所定の波長幅で分解することによって、連続的に波長を変化させた連続波長光が測定対象物に照射される。
以下の説明では、600〜1050nmの範囲の波長光を波長分解能2nmで分解し、波長を2nmずつ連続的に変化させた光を測定対象物に照射する後分光方式を用いている。
次に、検量線作成プログラムが検量線を作成する手順について、硝酸イオン濃度を算出する場合を例に挙げて説明する。
(1)透過スペクトルのデータ入力
受光器による透過スペクトルのデータを入力する。
(2)データの前処理
透過スペクトルのデータから多変量データを算出する。607〜967nmまでの波長範囲を使用する。例えば、近赤外線照射装置の分解能が2nmとする。分解能が2nmの場合、m個(m =180)の波長における吸光度が1サンプル分格納された1行×m列のベクトルデータxが得られることになる。この多変量データに前処理を施す。
例えば、各波長別に(列毎に)標準化変換したり、ベースライン(ゼロ点)移動の影響を回避するため中心化処理をしたり、あるいは1次微分や2次微分等の処理をする。これらの前処理は測定対象の性質や測定の目的に応じて適宜選択されるが、本実施例では、サンプル平均をサンプル値から差し引いた値を標準偏差で除す標準化変換および中心化処理を行っている。
(3)主成分回帰分析(PCR)処理
次に、多変量解析を行う。多変量解析では一般に主成分分析と重回帰分析を共用したPCR(Principal Component Regression)法やPLS(Partial
Least Squares)法を使用する。後述の実施例ではPCR法およびPLS法を用いている。なお、PCR法については、前述の特許文献1の明細書段落0069に詳細に説明されているので、ここでは説明を省略する。また、PLS法は、PCR法と異なり、説明変量に加えて目的変量も主成分に分解し、両変量の主成分得点間で重回帰分析を行う手法である。詳しくは、文献「化学者のための多変量解析−ケモメトリックス入門(講談社、42−79、2002、尾崎幸洋・宇田明史・赤井俊雄 著)」或いは文献「コンピュータ・ケミストリー シリーズ3 ケモメトリックス−化学パターン認識と多変量解析−(共立出版、47−72、1995、宮下芳勝・佐々木愼一 著)に詳細が説明されている。
(4)主成分数の決定処理
スペクトルデータの主要な変動を捕らえているのは第何主成分までかという問題は、検量線の精度には重要である。主成分の数を過剰に多く取ると推定誤差が大きくなるからである。後述の実施例では主成分の数を最大で30に限定する。なお、主成分数については、特許文献1の明細書段落0070に詳細に説明されているので、ここでは説明を省略する。
(5)重回帰式の作成処理
主成分数を決定したらスコア行列で該当する列のみ切りだして重回帰分析を行う。最終的に偏回帰係数、標準偏回帰係数、回帰式の分散分析、寄与率(決定係数)、回帰係数の検定結果、SEC
(Standard error of calibration)、SEP (Standard error of prediction)、WSE
(Weighted mean of standard error) 並びに回帰推定値と実測値のデータが出力される。
(6)回帰ベクトルの作成処理
最終的に、各波長の吸光度ベクトルとの内積により、濃度推定値を与える回帰ベクトルを計算する。目的成分濃度(y)は、y = xBの式から求められる。このB(m行×1列)の要素は各波長に対応する吸光度にかける偏回帰係数であり、回帰ベクトルから決定されるものである。
かかる検量線作成プログラムは、計測時に実行することができる。計測時に実行する場合は、透過スペクトルを濃度分布が等しくなるように校正用データと評価用データとに2分割し、透過スペクトルデータとして校正用データを用いる。なお、予め計測前に検量線作成プログラムを実行して、検量線を作成してもかまわない。
以下、本発明の装置を用いて、具体的に、ホウレンソウの硝酸イオン濃度の計測、小松菜の硝酸イオン濃度の計測、小松菜の抗酸化力およびビタミンC濃度の計測を行った結果を示し、本発明の効果について詳細に説明する。
実施例1では、ホウレンソウの硝酸イオン濃度を計測した結果を示す。ホウレンソウは、神戸大学農学部内にある圃場と温室で栽培したものを用いた。
近赤外線照射手段には、FANTEC社製のNIR−GUNを用いた。装置の波長分解能は1.9747nmである。直径約10mmの円形の穴を開けた黒色スポンジゴムを2枚用意し、計測対象の葉をこれらのゴムで挟んだ。一方のゴムの穴から近赤外線光を照射し、他方の穴から透過光を受光し透過スペクトルを測定した。透過スペクトルの測定の後は、葉の光を照射した部分のみをコルクボーラーでくりぬき、イオンクロマト法で硝酸イオン濃度の計測を行った。この方法により、近赤外線の透過スペクトル測定部位と濃度測定部位が完全に一致し、測定した透過スペクトルは葉の濃度情報を完全に含むことになる。測定回数は1サンプルにつき1回のみである。積算時間を15msに設定した。測定温度条件としては、20℃のチャンバーに20分程度放置してから測定をすることにした。また、プローブ位置を固定し、計測対象の葉とプローブの位置関係を常に一定にした。なお、イオンクロマト法の硝酸イオン濃度測定には東亜DKK(株)製イオン分析計IA−300を使用した。
実際のホウレンソウの測定スペクトルでは、測定波長の下限と上限の両方に吸光度の変化がない部分があるが、かかる部分は実際には分光計の使用範囲外であるため使用していない。また、1070nm付近に原因不明の変曲点が見られるころから、1070nm付近のデータも使用しないことにする。従って、データとして採用した波長範囲は、609.9117〜1050.2698nmである。
ホウレンソウの測定スペクトル(ホウレンソウの校正用データの前処理後のスペクトル)を図2に示す。
次に、検量線作成に使用する校正データと、検量線の推定精度を評価するための評価データを用意した。校正用データ数と評価データ数は、その比が2対1になるように以下の手順で分割した。先ず、スペクトルデータを濃度が低い方から高い方に並べ替える。3サンプルを1ブロックとし、最初の2つを校正用データ、残りの1つを評価用データとして分割した。データ数が3の倍数であれば両データのサンプル数の比は正確に2:1となる。3で割り切れない場合は総データ数を3で割った余りの分を校正用データとした。データを濃度順に並べ替えたことから、校正用データと評価用データの両データが含む変動はほぼ等しくなっていると仮定できる。ここで、校正用データの濃度範囲は、評価用データのそれよりも広くなくてはならないことから、校正用データの1番目の濃度値(最小値)と評価用データの1番目の濃度値(最小値)とを比較して、校正用データの1番目の濃度値(最小値)が評価用データの1番目の濃度値(最小値)よりも大きな場合は、これら2つのデータを入れ替えた。同様に、評価用データの最後の濃度値(最大値)が校正用データの最後の濃度値(最大値)よりも大きな場合は、これら2つのデータを入れ替えた。
校正用データと評価用データの比率を2対1にした理由を以下に説明する。校正用データに含まれるデータ変動は、評価用データに含まれるデータ変動を完全に網羅している必要がある。サンプル数が十分に多い場合は、校正用データと評価用データを1対1に分割して両データが含む変動が同等であると仮定できる。しかし、一般的な近赤外線分光スペクトルを測定する条件よりも、外乱が多い現場での測定条件の場合、校正用データと評価用データを1対1に分割するものでは、変動が同等であると仮定するのは困難である。そこで、校正用データの数を評価用データよりも増やすことにより、評価用データの変動が校正用データになるべく含まれるようにしたものである。
本実施例のホウレンソウの場合、測定スペクトルと硝酸イオン濃度の実測値のデータセットは、校正用データと評価用データの比率を2対1にすべく、検正用データ32、評価用データ16に分割した。
下記表1に、ホウレンソウの検量線推定精度の計算結果を示す。測定スペクトルの前処理は、中心化処理のみと中心化及び正規化処理の2種類を考慮した。また、PCR法およびPLS法を使用して検量線を作成した。検量線の評価には寄与率(決定係数、PLSの場合は相関係数)を、評価データの回帰精度の評価には相関係数を使用した。なお、波長数と選択主成分数は多数存在するが、最も推定精度が高くなった場合のみを示している。
図3に、PCR法を使用して作成した検量線の推定値と実測値の相関図を示す。図3(1)(2)は、それぞれ、校正用データ32サンプルと評価用サンプル16の相関を示している。
上記表1から、従来の測定結果と比較して、推定精度が格段に向上していることが確認できる。いずれの場合も校正用データの寄与率あるいは相関係数が0.8を超えている。評価データの相関係数を推定精度の判断基準とすれば、前処理に中心化処理及び正規化処理を施し、PCR法で求めた検量線が最高精度(8.92488E−1)を示している。校正用データに使用したデータ数が32であり、非常に少ないデータ数であるにもかかわらず決定係数が0.8を超えている。サンプルのホウレンソウ葉片の面積を小さくしたことにより推定精度が格段に向上した。葉の光照射部位と硝酸イオン濃度破壊計測法に用いる部位を一致させたことにより、サンプルの濃度情報を測定スペクトルが正確に表現できたことになる。サンプル数と濃度変動幅を大きくすることにより、推定精度のさらなる向上が可能である。
実施例2では、小松菜の硝酸イオン濃度を計測した結果を示す。小松菜は、ハカタコマツナおよび品種不明の市販の小松菜を用いた。複数の品種が混ざっていることから、単品種の場合に比べて精度が低下することが予想される。
測定回数は1サンプルにつき1回のみで、積算時間を6msに設定した。サンプル数は129葉片とした。その他の測定条件は上記実施例と同様である。
また、検量線の作成において、校正用データと評価用データを2:1に分割し、それぞれ校正用データのサンプル数86、評価用データのサンプル数43とした。
下記表2に、小松菜の検量線推定精度の計算結果を示す。測定スペクトルの前処理は、上記実施例と同様に、中心化処理のみと中心化及び正規化処理の2種類を考慮した。また、実施例2では、実施例1と同様に、PCR法およびPLS法を使用して検量線を作成し、検量線の評価には寄与率(決定係数、PLSの場合は相関係数)を、評価データの回帰精度の評価には相関係数を使用した。さらに、実施例2では、実施例1と異なり、下記表2に示すように、小松菜の検量線の精度評価において、加重平均標準誤差(WSE:Weighted mean of standard error)を使用した。WSEは校正用データの標準誤差(SEC:Standard error of calibration)と評価用データの標準誤差(SEP:Standard error of prediction)のデータ数による加重平均である。
なお、波長数と選択主成分数は多数存在するが、このWSEが最小となった検量線の推定精度を示している。
上記表2の対比データとして、下記表3は、照射スポットを限定しない従来の近赤外線分光法で測定した場合の同様の結果を示す。
小松菜の測定スペクトル(小松菜の校正用データの前処理後のスペクトル)を図4に示す。
図5に、PCR法を使用して作成した検量線の推定値と実測値の相関図を示す。図5(1)(2)は、それぞれ、校正用データ86サンプルと評価用サンプル43の相関を示している。
上記表2から、校正用データ寄与率と評価データ相関係数が0.8程度であり、従来の測定結果の上記表3と比較して推定精度が格段に向上していることが確認できる。上記実施例のホウレンソウの場合より精度が劣るのは、高濃度領域のデータが不足していることと、単品種ではなく複数品種をサンプルとしたことが要因である。品種を単品種とし、サンプルの高濃度データ数を増やし濃度変動幅を大きくすることにより、推定精度のさらなる向上が可能である。
実施例3では、小松菜の抗酸化力およびビタミンC濃度を計測した結果を示す。抗酸化力とは、活性酸素を消去する力で、抗酸化物質としてビタミンC・E,アントシアニン,カテキン,イソフラボンなどがあり、これらの総濃度値(ppm)を意味するものである。
測定に使用したコマツナの品種は、ハカタコマツナである。
測定回数は1サンプルにつき1回のみで、積算時間を6msに設定した。サンプル数は32葉片とした。その他の測定条件は上記実施例と同様である。但し、本実施例では、測定した部分以外を含む葉全体を使用して、抗酸化力およびビタミンC濃度の実測を同時に行っている。
また、抗酸化力およびビタミンC濃度のそれぞれの検量線の作成において、校正用データと評価用データを2:1に分割し、それぞれ校正用データのサンプル数22、評価用データのサンプル数11とした。
抗酸化力およびビタミンC濃度について校正用データと評価用データの間に統計的に大きな差は見られなかったことから、これらの校正用データと評価用データは同様な統計的性質を有していた。
下記表4と表5に、それぞれ小松菜の抗酸化力およびビタミンC濃度のそれぞれの検量線推定精度の計算結果を示す。測定スペクトルの前処理は、上記の実施例と同様に、中心化処理のみと中心化及び正規化処理の2種類を考慮した。また、実施例3では、上記の実施例1や実施例2と同様に、PCR法およびPLS法を使用して検量線を作成し、検量線の評価には寄与率(決定係数、PLSの場合は相関係数)を、評価データの回帰精度の評価には相関係数を使用した。さらに、実施例3では、実施例2と同様に、下記表4や表5に示すように、抗酸化力とビタミンC濃度の検量線の精度評価において、加重平均標準誤差(WSE:Weighted mean of standard error)を使用した。WSEは校正用データの標準誤差(SEC:Standard error of calibration)と評価用データの標準誤差(SEP:Standard error of prediction)のデータ数による加重平均である。
なお、波長数と選択主成分数は多数存在するが、このWSEが最小となった検量線の推定精度を示している。
表4から抗酸化力の推定では前処理に中心化処理および正規化処理を施し、PCR法を使用した場合にWSEが最小値を示した。校正用データの寄与率が0.9を超え非常に高い精度を示している。しかしながら、評価用データの相関係数は0.4程度となり、あまり精度は高くない。
また、表5よりビタミンC濃度の推定では前処理に中心化処理を施し、PCR法を使用した場合にWSEが最小値を示した。校正用データの寄与率は0.5程度、評価用データの相関係数は0.4程度となり精度のよい検量線は得られなかった。
小松菜の測定スペクトル(小松菜の校正用データの前処理後のスペクトル)を図6に示す。
抗酸化力に関して、最高推定精度を示した検量線の推定値と実測値の比較を図7に示す。また、ビタミンC濃度に関して、最高推定精度を示した検量線の推定値と実測値の比較を図8に示す。
抗酸化力に関しては、校正用データについては非常に精度が高い。評価用データについては2サンプルの誤差が非常に大きくなっていることから精度が低くなっている。実測値の濃度幅が狭いことやサンプル数が少ないなどの問題が影響している。
一方、ビタミンC濃度に関しては、精度の高い検量線が得られなかった。サンプルの数よりは濃度範囲が小さいことが主な原因である。
次に、全データを校正用データと評価用データに分割せずに、サンプル数を大きくして主成分数を十分に大きくすべく、全てを校正用データとして扱い、検量線を作成した。抗酸化力およびビタミンC濃度の検量線推定精度を、それぞれ表6および表7に示す。
上記表6および表7は、前述の表4および表5に比べると、大幅に推定精度が向上していることがわかる。これは、表4および表5では主成分数が少ないのに対し、表6および表7では、全サンプルを校正用データに使用したことにより多くの主成分数が選択されているためである。主成分数はデータ数に影響されることから、サンプル数を増やしたことが精度向上に寄与したのである。
また、抗酸化力に関して、校正用データの推定精度がよいのに評価用データの推定精度が低下したのは、校正用データが評価用データの変動を網羅するには主成分数が十分ではなかったことが原因である。また、ビタミンC濃度に関して、表5と比較して主成分数が大きくなっている。校正用データと評価用データに分割したことにより、校正用データ数が減少し、これが主成分数の減少の原因となったのである。少ない主成分数ではビタミンC濃度の変動を十分に表すことができなかったのである。
なお、表6および表7では、表4や表5と異なり、SEPとWSEが無い。これは、データを全て校正用データに使用したため、評価データが存在しないからである。SEPは評価用データから得られ、WSEはSECとSEPから得られる。
抗酸化力に関して、最高推定精度を示した検量線の推定値と実測値の比較を図9に示す。また、ビタミンC濃度に関して、最高推定精度を示した検量線の推定値と実測値の比較を図10に示す。
抗酸化力とビタミンC濃度について検量線を作成した。いずれもサンプル数が少ない予備試験データであるが、非破壊計測が可能であることがわかる。また、サンプル数が大きくなると主成分数を大きくとれるようになるため、大幅に推定精度が向上することがわかる。上記のことから、抗酸化力およびビタミンC濃度の測定が可能であることが示されたのである。
以上の説明から、硝酸イオン濃度のみならず果物の糖度計測やビタミン量の計測器にも本発明の装置や方法が活用できることが示された。携帯式の装置であれば、野菜の生産、流通、販売の現場で計測使用できる。
また、食品の硝酸イオン濃度が高いと人体に有害である。農産物の生産現場では窒素肥料の施肥管理が精密に行うことができ、低硝酸野菜が可能になり商品価値を上げることができると同時に余剰肥料の低減により、生産コストの低減と余剰窒素の地下水への流出による水質汚濁防止に役立つ。本発明に係る方法や装置を用いることで、流通、販売の現場において、専門家でなくても簡便に硝酸イオン濃度を測定できるようになり、低硝酸野菜を選別が可能になり商品価値の差別化に寄与できる。
(その他の実施例)
(1)上記の実施例の説明においては、透過型近赤外線分光装置は、ファイバープローブ11とゴム8は接触しており、照射光6の中に外部から光が入らないようになっていた。また、受光器2もゴム8と接触しており、透過光7の中に外部からの光が入らないようになっていた。この他、図11に示すように、ファイバープローブ11とゴム8の間や、受光器2とゴム8の間が離れていても構わない。その場合、照射光6の中に外部から光が入らないように、ファイバープローブ11とゴム8の間はハウジング12で覆い、受光器2とゴム8の間もハウジング13で覆ってようにすればよい。
(2)また、透過型近赤外線分光装置は、図12に示すように、ファイバープローブ11から照射される近赤外線光を、凸レンズなどの集光レンズ20を用い、ゴム8の貫通孔を通して照射スポットに集光あるいは平行光となるようにするものでもよい。
(3)また、透過型近赤外線分光装置は、図13に示すように、ファイバープローブ11から照射される近赤外線光を、凸レンズなどの集光レンズ20を用いて、照射スポットに集光あるいは平行光となるようにして照射スポット径を限定し、また外光による外乱が無いように、ハウジング(12,13)で覆う場合は、照射範囲を限定する貫通孔を有するゴム8は無くともかまわない。測定対象物4とハウジング(12,13)の接触する部位に、柔軟性のあるゴムなどの緩衝材14が設けられる。
本発明は、ホウレンソウや小松菜といった野菜等の食品の生産、流通、販売、消費の各過程における食品品質管理方法や装置として有用である。
1 近赤外線光源
2 受光器
3 コンピュータ
4 測定対象物
5 通信ケーブル
6 照射光
7 透過光
8 ゴム
9 貫通孔
10 照射スポット径
11 ファイバープローブ
12,13 ハウジング
14 緩衝材
20 集光レンズ

Claims (9)

  1. 波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を葉菜などの計測対象に照射し、その透過光を受光して近赤外線吸光スペクトルを取得し、検量線を用いて計測対象の目的成分濃度を非破壊計測する近赤外線分光計測法において、
    所定の径の貫通孔を設けた近赤外線の遮蔽部材または吸収部材を用いて、計測対象を挟み込み、該貫通孔に向け近赤外線光を照射し、照射範囲を該貫通孔から露出する部位に限定することにより検量線の推定精度を向上させた透過型近赤外線分光計測法。
  2. 前記貫通孔の径が10mm以下である請求項2の透過型近赤外線分光計測法。
  3. 波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を照射する近赤外線光照射手段と、照射スポット径を所定の径にする照射範囲限定手段と、照射スポットの周囲に設けた可視光〜近赤外線光の吸収手段と、照射スポットからの透過光を受光し近赤外線吸光スペクトルを取得する受光手段と、近赤外線吸光スペクトルから検量線を作成する検量線作成手段と、を備え、
    作成した検量線を用いて、近赤外線吸光スペクトルから葉菜中の有毒物質もしくは有用物質の葉菜中濃度を非破壊計測する透過型近赤外線分光計測装置。
  4. 波長600nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を照射する近赤外線光照射手段と、照射スポット径を10mm以下にする照射範囲限定手段と、照射スポットの周囲に設けた可視光〜近赤外線光の吸収手段と、照射スポットからの透過光を受光し近赤外線吸光スペクトルを取得する受光手段と、近赤外線吸光スペクトルから検量線を作成する検量線作成手段と、を備え、
    作成した検量線を用いて、近赤外線吸光スペクトルから葉菜中の有毒物質もしくは有用物質の葉菜中濃度を非破壊計測する透過型近赤外線分光計測装置。
  5. 前記照射範囲限定手段は、前記近赤外線光照射手段から照射された近赤外線を、集光レンズにより平行光とし計測対象に垂直に照射、もしくは集光レンズにより集光させ計測対象に垂直に照射、させるものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の透過型近赤外線分光計測装置。
  6. 前記吸収手段は、前記照射範囲限定手段を兼ね、照射スポット径の貫通孔を設けたものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の透過型近赤外線分光計測装置。
  7. 前記吸収手段は、前記照射範囲限定手段を兼ね、照射スポット径の貫通孔を設けた第1吸収手段と第2吸収手段とから成り、前記近赤外線光照射手段の照射部先端に第1吸収手段が設けられ、前記受光手段に第2吸収手段が設けられ、第1吸収手段と第2吸収手段で計測対象を挟み込むことを特徴とする請求項3又は4に記載の透過型近赤外線分光計測装置。
  8. 前記吸収手段は、近赤外線を吸収し得るゴム材であることを特徴とする請求項6又は7に記載の透過型近赤外線分光計測装置。
  9. ホウレンソウ、サラダホウレンソウ、レタス、サニーレタス、サラダ菜、春菊、ターツァイ、チンゲンサイ、キャベツ、ハクサイ、コマツナ、及びミズナからなる群から選ばれる野菜中の硝酸イオン濃度、抗酸化物質の濃度、もしくは、ビタミンC濃度を計測することを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の透過型近赤外線分光計測装置。
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